エピソード1



原稿の表紙


        『ディパーチャー』


       アラン ウェイク著



エピソード2


エピソード3



ウォルター、ダニーと争う


外へ出た時は確かにダニーだったが、戻って
きたのはこの世のものとは思えない化け物
だった。ウォルターは最初は素手で、続いて
椅子で果敢に立ち向かったが、「それ」は際
限なく襲ってきた。ようやく階段から蹴り落
としたところで、恐怖は頂点に達した。慌て
て車に乗り込み、エンジンをふかす。酒で紛
れるはずもないが、飲まずにはいられそうに
なかった。



エピソード4



ウォルター、アンダーソン農場にて


アンダーソン農場で車を止め、ウォルターは
ようやく安堵した。もう少しだ。アンダーソ
ン兄弟の密造酒をいただこう。
だが、その時ポーチに人影が見えた。奴だ。
無駄と知りつつ、ウォルターは再び必死で車
を走らせた。涙で前方が見えなくなるまで、
自分が泣いていることにも気づかずに。



エピソード5


おまけ


7歳のアランは眠ることを怖がった
寝付いても悪夢にうなされ
悲鳴を上あげて飛び起きてしまう
ある晩、母親が古びたスイッチを持ってきてくれた
「クリッカー」と呼ばれるそれを使えば
魔法の光がたちまち怪物を追い払ってくれるのだと
しかもそれはアランの父からもらったのだと言う
父親を知らないアランにとって
父に関するものはすべて魔法だった
アランはクリッカーを握りしめ
ようやく安心して眠りについた
あれから数十年後、コールドロンレイクの畔に立った
アランはクリッカーを手に昔を思った
そして息を深く吸い込み 飛び込んだ



エピソード6

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最終更新:2012年01月15日 12:04