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>オデュッセイア(odyssey)はイオニアの詩人[[ホメロス]]の作とされる、[[イリアス]]と並ぶ古代ギリシャの二大叙事詩の一つである。作品の成立は紀元前8世紀から6世紀とされる。イリアスの続編であるこの詩は、主に[[トロイア戦争]]終了後にギリシャの英雄[[オデュッセウス]]が故郷[[イタカ]]へ帰還するまでの長い流浪の旅を描いている。西洋文化の基礎をなす作品である。
*解説
-元来の詩は[[アオイドス]]か[[ラプソードス]]の口頭の語りによって作られた。
-古代の詩がどのように歌われていたか、口伝の語りから著述された作品へどのように転換したか、などは古くから論議されている。
-[[ダクテュロス調六脚韻]]で書かれた12,110行よりなる。
-第1~4歌は「テレマキア(Telemachy)」として知られる。若者[[テレマコス]]の試練と旅を描いている。
-第9歌は「キュクロペイア(Cyclopeia)」と呼ばれる。
-第11歌は「ネキュイア(Nekuia)」として知られる。ネクロマンシー(死者の降霊)の儀式と信仰を描いている。
-第9~12歌は「アポロゴイ(Apologoi)」と呼ばれる。[[オデュッセウス]]の“物語”という意味である。
-第22歌は「ムネステロフォニア(Mnesterophonia)」と呼ばれる。“求婚者の殺害”という意味である。
-英語では、オデッセイ(odyssey)は叙事詩的な航海記を指すようになった
-[[イリアス]]よりオデュッセイアは遅く成立し、かつそれぞれの編纂者が異なるという説がある(ホメロス問題)。
**時間経過
オデュッセイアは冒頭から最後までが40日間の物語である。(48や49日という説もある)
|BGCOLOR(#cbcbf0):1日目|神々の集会で、[[アテナ]]は[[ゼウス]]に[[オデュッセウス]]の帰国を嘆願する。アテナは[[イタカ]]の[[テレマコス]]を訪ね、求婚者に立ち向かい、父の消息を求めて[[ネストル]]を訪ねるよう助言した。([[第1歌>オデュッセイア/オデュッセイア01]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):2日目|[[テレマコス]]は[[イタカ]]人の集会を開いて求婚者の悪行を訴えた。求婚者の圧力で集会は解散した。[[アテナ]]は船と乗員を用意してやり、テレマコスは夜に出航した。([[第2歌>オデュッセイア/オデュッセイア02]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):3日目|[[テレマコス]]は[[ネストル]]の許に着いた。ネストルは[[イリアス]]以降のギリシャ人たちの運命を語り、テレマコスをもてなした。([[第3歌>オデュッセイア/オデュッセイア03]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):4日目|[[テレマコス]]と[[ペイシストラトス]]は馬車で[[スパルタ]]へ向かった。[[ディオクレス]]の屋敷に泊まった。([[第3歌>オデュッセイア/オデュッセイア03]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):5日目|さらに馬を進めた。([[第3歌>オデュッセイア/オデュッセイア03]])&br()夕方、彼らは[[スパルタ]]に到着した。[[メネラオス]]は彼らをもてなし、[[トロイア]]や[[オデュッセウス]]や[[トロイの木馬]]の思い出話をした。([[第4歌>オデュッセイア/オデュッセイア04]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):6日目|[[メネラオス]]は海の神[[プロテウス]]から聞いた[[オデュッセウス]]の消息を話し、[[テレマコス]]は父が生きていることを知った。一方[[イタカ]]では、求婚者がテレマコスの待伏せを企んだ。([[第4歌>オデュッセイア/オデュッセイア04]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):7~31日目|[[オデュッセウス]]は[[カリュプソ]]の許を筏で発ち、難破して海上を漂流し、[[スケリア]]島に着いた。([[第5歌>オデュッセイア/オデュッセイア05]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):32日目|[[オデュッセウス]]は[[ナウシカア]]に会った。([[第6歌>オデュッセイア/オデュッセイア06]])&br()オデュッセウスは[[アルキノオス]]に会った。([[第7歌>オデュッセイア/オデュッセイア07]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):33日目|[[オデュッセウス]]は[[パイエケス]]人たちと交歓した。([[第8歌>オデュッセイア/オデュッセイア08]])&br()オデュッセウスは冒険談を語った。(第[[9>オデュッセイア/オデュッセイア09]]、[[10>オデュッセイア/オデュッセイア10]]、[[11>オデュッセイア/オデュッセイア11]]、[[12>オデュッセイア/オデュッセイア12]]歌)|
|BGCOLOR(#cbcbf0):34日目|[[オデュッセウス]]は[[パイエケス]]人に送ってもらい[[イタカ]]へ向かった。([[第13歌>オデュッセイア/オデュッセイア13]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):35日目|[[オデュッセウス]]は[[イタカ]]に着いた。([[第13歌>オデュッセイア/オデュッセイア13]])&br()オデュッセウスは豚飼いの[[エウマイオス]]に会った。([[第14歌>オデュッセイア/オデュッセイア14]])&br()[[アテナ]]は[[スパルタ]]の[[テレマコス]]に帰国を促した。([[第15歌>オデュッセイア/オデュッセイア15]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):36日目|[[テレマコス]]は[[ピュロス]]から[[イタカ]]へ向かった。([[第15歌>オデュッセイア/オデュッセイア15]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):37日目|[[テレマコス]]は[[イタカ]]に着いた。([[第15歌>オデュッセイア/オデュッセイア15]])&br()テレマコスは[[オデュッセウス]]と再会を果たす。求婚者を討つ計画を立てる。([[第16歌>オデュッセイア/オデュッセイア16]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):38日目|[[テレマコス]]は屋敷に帰還した。乞食姿の[[オデュッセウス]]と豚飼は後から屋敷に行った。([[第17歌>オデュッセイア/オデュッセイア17]])&br()オデュッセウスは乞食の[[イロス]]とけんかをした。日が暮れて求婚者は帰宅した。([[第18歌>オデュッセイア/オデュッセイア18]])&br()オデュッセウスは屋敷の武器を隠した。オデュッセウスは乞食姿で[[ペネロペ]]と対面した。ペネロペは彼の正体に気づかなかったが、老女[[エウリュクレイア]]は足洗いの場で彼に気付いた。([[第19歌>オデュッセイア/オデュッセイア19]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):39日目|屋敷では朝から求婚者の宴会。忠義の牧人[[ピロイティオス]]がやって来た。[[アテナ]]は求婚者を狂乱状態に陥れた。([[第20歌>オデュッセイア/オデュッセイア20]])&br()[[ペネロペ]]は弓の腕競べを求婚者に提案し、優勝者に嫁ぐことを約束した。求婚者は試みるが誰も成功しなかった。[[オデュッセウス]]が名乗り出て弓を試し成功した。([[第21歌>オデュッセイア/オデュッセイア21]])&br()求婚者全てを討ち殺し、屋敷の不忠の者たちを処刑した。([[第22歌>オデュッセイア/オデュッセイア22]])&br()オデュッセウスはペネロペと再会を果たした。([[第23歌>オデュッセイア/オデュッセイア23]])|
|BGCOLOR(#cbcbf0):40日目|[[オデュッセウス]]は父[[ラエルテス]]の農園を訪ねて再会を果たした。求婚者の遺族たちが襲ってきたが、主導者[[エウペイテス]]がラエルテスに討たれ、両者は和解した。([[第24歌>オデュッセイア/オデュッセイア24]])|
**オデュッセイアの地理
#center(){&ref(thumb_gk_map.gif,画像/オデュッセイアの地理)
([[画像/オデュッセイアの地理]])}
オデュッセイアの舞台はペロポネソス半島および現在のイオニア諸島である。古くから現代に至るまで、[[オデュッセウス]]が訪れた場所が実在するかしないかは、学者たちによって議論されている。
**主要登場人物
()カッコ内は、人物が登場する巻数。登場の多い人物については、これを略す。
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[オデュッセウス]]|[[イタカ]]の王。[[トロイア戦争]]後、二十年におよぶ放浪の旅をする。求婚者たちを謀殺する。|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[ペネロペ]]|[[オデュッセウス]]の妻。オデュッセウス出征後、無礼な求婚者たちに悩まされ続ける。|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[テレマコス]]|[[オデュッセウス]]の息子。求婚者たちに悩まされている。父の消息を求める旅に出る。|
|BGCOLOR(#d0d0f0):[[アガメムノン]]|[[ミュケナイ]]王。[[トロイア戦争]]では[[アカイア]]勢の総大将。帰国後、妻とその情夫に殺害される。(3,4,11)|
|BGCOLOR(#d0d0f0):[[ネストル]]|[[ピュロス]]王。旅をする[[テレマコス]]を歓待する。(3,15)|
|BGCOLOR(#d0d0f0):[[メネラオス]]|[[スパルタ]]王。[[テレマコス]]を歓待し、父親の消息を教える。(4,15)|
|BGCOLOR(#d0d0f0):[[ヘレネ]]|[[メネラオス]]の妻。[[トロイア戦争]]の原因となった女。(4)|
|BGCOLOR(#e0e0f0):[[アルキノオス]]|[[パイエケス]]人の王。[[スケリア]]島に漂着した[[オデュッセウス]]をもてなし、故国へ送り届ける。(7,8,13)|
|BGCOLOR(#e0e0f0):[[アレテ]]|[[アルキノオス]]の妻。賢明な王妃。(7)|
|BGCOLOR(#e0e0f0):[[ナウシカア]]|[[アルキノオス]]の娘。[[スケリア]]島に漂着した[[オデュッセウス]]を助ける。(6,8)|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[エウマイオス]]|[[イタカ]]の豚飼。[[オデュッセウス]]に忠実な下僕。求婚者討伐で戦う。(14~)|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[ピロイティオス]]|[[イタカ]]の牛飼。[[オデュッセウス]]に忠実な下僕。求婚者討伐で戦う。(20~)|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[エウリュクレイア]]|屋敷の老女。[[オデュッセウス]]親子の乳母。|
|BGCOLOR(#d0d0f0):[[アンティノオス]]|求婚者のリーダー。|
|BGCOLOR(#d0d0f0):[[エウリュマコス]]|求婚者のリーダー。|
|BGCOLOR(#e0e0f0):[[ポリュペモス]]|[[キュクロプス]](一つ目の巨人)。[[オデュッセウス]]に目を潰される。(9)|
|BGCOLOR(#e0e0f0):[[アイオロス]]|風の神。島にやってきた[[オデュッセウス]]をもてなす。(10)|
|BGCOLOR(#e0e0f0):[[カリュプソ]]|女神。島に漂着した[[オデュッセウス]]を助け、愛する。(5)|
|BGCOLOR(#e0e0f0):[[キルケ]]|魔女。[[オデュッセウス]]に魔法を破られ、愛するようになる。(10,12)|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[ゼウス]]|神々の主。|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[ポセイドン]]|海を司る神。[[オデュッセウス]]に怒り、帰国を邪魔する。|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[アテナ]]|[[オデュッセウス]]を守護する女神。|
|BGCOLOR(#c0c0f0):[[ヘルメス]]|神々の伝令役。(5,10)|
*概要
**テレマコスの旅(第1~4歌)
#center(){&ref(Telemachus_departing_from_Nestor_-_Henry_Howard_-_Project_Gutenberg_eText_13725.jpg,画像/ネストルのもとを発つテレマコス,height=300)
([[画像/ネストルのもとを発つテレマコス]])}
''テレマコス、旅を決意する'' 流浪の[[オデュッセウス]]を故郷[[イタケ]]に帰国させることが神々の集会で決まった。[[アテナ]]が賢者[[メンテス]]に扮してオデュッセウスの屋敷を訪ねると、彼の妻[[ペネロペ]]への求婚者たちが宴会に興じて屋敷の財産を食いつぶしていた。アテナは[[テレマコス]]に、集会を開催して求婚者の悪行を訴えることと、父の消息を尋ねて旅することを勧めた。テレマコスは求婚者たちに、明朝集会を開催して彼らを糾弾することを宣言した。([[第1歌>オデュッセイア/オデュッセイア01]])
''テレマコス、父を探す旅に出る'' 翌朝、[[テレマコス]]は[[アカイア人]]の集会を催し、求婚者の悪行を訴えた。[[アンティノオス]]や[[エウリュマコス]]を中心とする求婚者たちは、[[ペネロペ]]が求婚に応じないのが悪いと主張した。結局、求婚者の圧力の前に、集会の効果はなく散会となった。テレマコスはその晩、後見人[[メントル]]と共に船で旅に出発した。([[第2歌>オデュッセイア/オデュッセイア02]])
''ネストルに会う'' [[テレマコス]]は[[ピュロス]]で[[ネストル]]に会った。ネストルは[[トロイア]]からの帰還の様子を語ったが、[[オデュッセウス]]の消息は知らないという。ネストルは[[アガメムノン]]の最期を語り、[[メネラオス]]を訪ねるよう助言した。テレマコスは[[ペイシストラトス]]と[[スパルタ]]へ出発する。([[第3歌>オデュッセイア/オデュッセイア03]])
''メネラオスに会う'' [[テレマコス]]と[[ペイシストラトス]]は[[スパルタ]]で[[メネラオス]]と会った。メネラオスと[[ヘレネ]]が、戦場での[[オデュッセウス]]の活躍を語った。メネラオスは海の翁[[プロテウス]]から聞いたオデュッセウスの消息を語った。そのころ[[イタケ]]の求婚者たちはテレマコスが旅に出たのを知り、殺害するために待ち伏せを企んだ。([[第4歌>オデュッセイア/オデュッセイア04]])
**オデュッセウスの旅(第5~8歌)
#center(){&ref(Ulysses_on_the_Island_of_the_Phaeacians.jpg,画像/スケリア島のオデュッセウス,width=300)
([[画像/スケリア島のオデュッセウス]])}
''オデュッセウス、故郷へ出発する'' [[ヘルメス]]によって[[オギュギア]]の島の女神[[カリュプソ]]に、[[オデュッセウス]]を帰国させる神々の決定が伝えられた。[[オデュッセウス]]は筏を作り海へ出た。[[ポセイドン]]が大波を送って筏をバラバラに砕くが、彼は女神[[レウコテエ]]に与えられたローブを着て泳ぎつづけ、なんとか陸を発見し上陸した。([[第5歌>オデュッセイア/オデュッセイア05]])
''ナウシカアに会う'' [[スケリア]]島の王女[[ナウシカア]]は川へ洗濯に行った。彼女は洗い場で[[オデュッセウス]]と出会い、食料と衣服を与えて彼を助けた。ナウシカアはオデュッセウスを町まで案内すると、人々から誤解されたくないので、しばらく待ってから町に入り王[[アルキノオス]]の屋敷を訪れるよう彼にいった。([[第6歌>オデュッセイア/オデュッセイア06]])
''アルキノオスに会う'' [[アテナ]]は少女の姿になって[[オデュッセウス]]を[[アルキノオス]]の屋敷まで導いた。彼が屋敷に入ると、貴族たちの宴の終わる所だったが、彼は妃[[アレテ]]にすがって助けを求めた。オデュッセウスはそこで歓待を受けると、アレテに問われて、筏で海へ出て漂流の後ここに着くまでのいきさつを話した。([[第7歌>オデュッセイア/オデュッセイア07]])
''パイエケス人と交歓する'' [[アルキノオス]]は[[パイエケス人]]の集会の席で[[オデュッセウス]]を故国に送ることを提案した。宴の席で[[デモドコス]]が[[トロイア戦争]]を歌い、オデュッセウスは落涙した。それから一同は外に出て競技をしたが、オデュッセウスは円盤投げで見事な腕を示した。[[デモドコス]]は[[アレス]]と[[アフロディテ]]の恋物語を歌った。また宴になり、今度は[[トロイの木馬]]の物語が歌われたが、オデュッセウスは再び落涙したので、アルキノオスは彼に素性を訊ねた。([[第8歌>オデュッセイア/オデュッセイア08]])
**オデュッセウスの冒険談(第9~12歌)
#center(){&ref(Johann_Heinrich_Fussli_063.jpg,画像/オデュッセウスとテイレシアス,height=300)
([[画像/オデュッセウスとテイレシアス]])}
''巨人の国の冒険'' [[オデュッセウス]]は自分の名前と故国を語り、これまでの冒険を語り始めた。[[イスマロス]]の町を攻めたが、手痛い反撃にあったこと。[[ロートス]]を食する[[ロトパゴイ]]族の国に行ったこと。さらに[[キュクロプス]]族の国に到り、[[ポリュペモス]]の洞窟に囚われたこと。そこで彼は部下を食われながら、策略によって巨人の眼を潰し、辛くも脱出した。([[第9歌>オデュッセイア/オデュッセイア09]])
''キルケの島へ着く'' [[オデュッセウス]]は[[アイオロス]]の島で歓待を受け送り出されたが、帰国寸前に風の袋を部下が開けてしまいアイオロスの島に逆戻りした。次に[[ライストリュゴネス]]族の国に着いて、多くの部下を失った。次に女神[[キルケ]]の島で一年を過ごした。出発する時彼女は冥府に行って[[テイレシアス]]の予言を聞いてくるよう指示した。([[第10歌>オデュッセイア/オデュッセイア10]])
''冥府行'' [[オデュッセウス]]の一行は[[キルケ]]の島を発ち冥府に行き、そこで羊の血を地面の穴に注いで予言者[[テイレシアス]]を待った。血にひかれて寄ってくる亡霊たちを退けているとテイレシアスが来て、予言を語った。それから、伝説の時代の高貴な女たちや英雄たちから話を聞いて、一行は冥府を後にした。([[第11歌>オデュッセイア/オデュッセイア11]])
''カリュプソの島へ着く'' [[オデュッセウス]]は冥府から[[キルケ]]の島に戻り、故国へ出発した。[[セイレン]]の歌う海を通り、怪物[[スキュラ]]と[[カリュブディス]]のいる岩を抜け、[[トリナキエ]]の島に着いた。そこで[[ヘリオス]]神の家畜を部下たちが殺したため、海上で嵐にあい部下たちは悉く死んだ。オデュッセウスは再びカリュブディスの場所へ戻されるがかろうじて逃れ、女神[[カリュプソ]]の住む島へ着いた。オデュッセウスの冒険談はそこで終わった。([[第12歌>オデュッセイア/オデュッセイア12]])
**イタケで父子の再会を果たす(第13~16歌)
#center(){&ref(reunion.jpg,画像/オデュッセウスとテレマコスの再会,height=300)
([[画像/オデュッセウスとテレマコスの再会]])}
''オデュッセウス、故郷へ帰還する'' [[オデュッセウス]]は[[パイエケス]]人の国を発ち、無事[[イタケ]]の島へ着いた。[[ポセイドン]]は怒って、彼を送ったパイエケス人の船を石にして沈めた。オデュッセウスは海辺で[[アテナ]]に会い、求婚者を討つ手立てを協議した後、乞食の姿に化けることになった。アテナは[[テレマコス]]を呼ぶため[[スパルタ]]へ向かった。([[第13歌>オデュッセイア/オデュッセイア13]])
''オデュッセウス、豚飼に会う'' [[オデュッセウス]]は乞食姿で忠実な豚飼[[エウマイオス]]を訪ね、親切なもてなしを受けた。彼は身分を隠し、作り話の遍歴を語り、オデュッセウスが生きているという噂を語った。豚飼は主人が死んだと思っており、その噂を信用しなかった。([[第14歌>オデュッセイア/オデュッセイア14]])
''テレマコス、故郷へ帰還する'' [[テレマコス]]は[[アテナ]]に帰国するよう言われ、[[スパルタ]]を発ち、[[ピュロス]]で船に乗って[[イタカ]]へ向かった。そのとき予言者[[テオクリュメノス]]という男を船に乗せた。アテナの指示に従い待伏せの求婚者を遠回りして避けた。翌朝テレマコスはイタカに着き、豚飼の農場に向かった。([[第15歌>オデュッセイア/オデュッセイア15]])
''父子が再会を果たす'' [[テレマコス]]は[[エウマイオス]]を訪ねると、帰国を[[ペネロペ]]に知らせるため豚飼を町へ遣わした。[[アテナ]]は乞食姿の[[オデュッセウス]]を元の姿に戻し、テレマコスと父子の再会をさせた。二人は求婚者殺害の策略を練った。求婚者はさらにテレマコス殺害を企てるが、ペネロペは彼らの非道を責めた。([[第16歌>オデュッセイア/オデュッセイア16]])
**求婚者謀殺の前夜まで(第17~20歌)
#center(){&ref(Eurycleia_1849.jpg,画像/オデュッセウスに気付くエウリュクレイア,height=300)
([[画像/オデュッセウスに気付くエウリュクレイア]])}
''テレマコス、帰館する'' [[テレマコス]]は屋敷に帰館し、母に会った。[[オデュッセウス]]と豚飼は後から屋敷へ向かった。オデュッセウスは屋敷の入り口で愛犬と再会した。オデュッセウスは広間で食物を乞うて求婚者の間を回ったが、[[アンティノオス]]に足台を投げつけられた。[[ペネロペ]]は夫の消息を知るために、乞食姿のオデュッセウスと会う約束をした。([[第17歌>オデュッセイア/オデュッセイア17]])
''オデュッセウス、乞食のイロスと格闘する'' 土地の乞食の[[イロス]]がやってきて[[オデュッセウス]]に喧嘩を挑んだが、叩きのめされた。[[ペネロペ]]が求婚者たちの前に現れ、[[テレマコス]]の無力を咎め、求婚者たちから贈物を要求した。オデュッセウスは[[エウリュマコス]]と口論して、足台を投げつけられた。テレマコスが一同を諌め、[[アンピノモス]]がとりなして、求婚者は帰宅した。([[第18歌>オデュッセイア/オデュッセイア18]])
''オデュッセウス、ペネロペと会う'' [[オデュッセウス]]父子は広間の武器を隠す。オデュッセウスは[[ペネロペ]]と初めて対面し、窮状を訴える妃に、うその身の上を語り、オデュッセウスが近く帰国するという。老女[[エウリュクレイア]]はオデュッセウスの足を洗う時、古い傷痕を見て、正体に気付くが、オデュッセウスに口止めされる。妃は結婚相手を選ぶため、翌日弓の競技を開催することを明かす。([[第19歌>オデュッセイア/オデュッセイア19]])
''求婚者謀殺前夜のこと'' 眠れぬ[[オデュッセウス]]の枕許に[[アテネ]]が現れ、援助を約束する。翌朝、成功を祈るオデュッセウスに[[ゼウス]]が吉兆を示す。豚飼[[エウマイオス]]、山羊飼[[メランティオス]]、牛飼[[ピロイティオス]]が屋敷にやってくる。[[テレマコス]]は求婚者にきびしく対応する。アテナは、宴会中の求婚者を錯乱状態に陥れる。[[テオクリュメノス]]は彼らに訪れる災厄について予言する。([[第20歌>オデュッセイア/オデュッセイア20]])
**求婚者謀殺とその後(第21~24歌)
#center(){&ref(slaughtering_the_suitors.jpg,画像/女中を罰するオデュッセウス,width=300)
([[画像/女中を罰するオデュッセウス]])}
-''弓の引き競べ'' [[ペネロペ]]は屋敷で弓の腕競べを開催し、[[オデュッセウス]]の弓を用いて、十二の並んだ斧を射通した者に嫁ぐことを約束する。求婚者は次々と弓を試みるが失敗する。オデュッセウスは豚飼と牛飼に正体を明かし、求婚者討伐の協力を求める。オデュッセウスは弓の腕競べに名乗り出て、弓を試みて成功する。([[第21歌>オデュッセイア/オデュッセイア21]])
+''ペネロペ、弓の引き競べを開催する'' [[ペネロペ]]は屋敷で弓の腕競べを開催し、[[オデュッセウス]]の弓を用いて、十二の並んだ斧を射通した者に嫁ぐことを約束する。求婚者は次々と弓を試みるが失敗する。オデュッセウスは豚飼と牛飼に正体を明かし、求婚者討伐の協力を求める。オデュッセウスは弓の腕競べに名乗り出て、弓を試みて成功する。([[第21歌>オデュッセイア/オデュッセイア21]])
-''求婚者謀殺'' [[オデュッセウス]]は[[アンティノオス]]を弓で討ち倒し、求婚者に正体を明かすと、[[テレマコス]]と二人の忠実な下僕を従えて求婚者と戦う。[[アテナ]]の助けもあって、求婚者を全員誅殺した後、不忠の山羊飼や女中を処刑する。そして、惨劇の後を清掃する。([[第22歌>オデュッセイア/オデュッセイア22]])
+''オデュッセウス、求婚者を謀殺する'' [[オデュッセウス]]は[[アンティノオス]]を弓で討ち倒し、求婚者に正体を明かすと、[[テレマコス]]と二人の忠実な下僕を従えて求婚者と戦う。[[アテナ]]の助けもあって、求婚者を全員誅殺した後、不忠の山羊飼や女中を処刑する。そして、惨劇の後を清掃する。([[第22歌>オデュッセイア/オデュッセイア22]])
''ペネロペ、夫の帰還を信じる'' [[ペネロペ]]は老女から、[[オデュッセウス]]が帰国し、求婚者たちを討ち果たしたことを聞く。ペネロペは容易に信じようとしないが、二人だけが知る寝室の秘密をオデュッセウスが話したので、ようやく納得する。翌朝、オデュッセウス父子と二人の下僕は、[[ラエルテス]]の農園へ向かう。([[第23歌>オデュッセイア/オデュッセイア23]])
-(作成中)
+''オデュッセウス、求婚者の親族と和解する'' 求婚者たちの霊は[[ヘルメス]]に導かれて冥界へ降りていく。[[オデュッセウス]]は農園で老父[[ラエルテス]]に再会する。求婚者たちの親族は、[[エウペイテス]]に率いられて農園を襲うが、エウペイテスはラエルテスに討たれ、[[アテナ]]の裁定によって両者は和解する。([[第24歌>オデュッセイア/オデュッセイア24]])
*各巻の詳細
-[[第01歌 テレマコス、父の消息を求める旅を決意する>オデュッセイア/オデュッセイア01]]
-[[第02歌 テレマコス、集会を催し、旅立つ>オデュッセイア/オデュッセイア02]]
-[[第03歌 テレマコス、ピュロスでネストルに会う>オデュッセイア/オデュッセイア03]]
-[[第04歌 テレマコス、スパルタでメネラオスに会う>オデュッセイア/オデュッセイア04]]
-[[第05歌 オデュッセウス、筏を作りカリュプソの島を出る>オデュッセイア/オデュッセイア05]]
-[[第06歌 オデュッセウス、パイエケス人の国に着きナウシカアに会う>オデュッセイア/オデュッセイア06]]
-[[第07歌 オデュッセウス、アルキノオスに対面する>オデュッセイア/オデュッセイア07]]
-[[第08歌 オデュッセウス、パイエケス人と交歓する>オデュッセイア/オデュッセイア08]]
-[[第09歌 巨人キュクロプスの国での冒険>オデュッセイア/オデュッセイア09]]
-[[第10歌 風神アイオロス、ライストリュゴネス族、魔女キルケの物語>オデュッセイア/オデュッセイア10]]
-[[第11歌 冥府行>オデュッセイア/オデュッセイア11]]
-[[第12歌 セイレン、怪物スキュラ、魔の淵カリュプディス、ヘリオスの牛>オデュッセイア/オデュッセイア12]]
-[[第13歌 オデュッセウス、パイエケス人の国を発ち、イタケに帰還>オデュッセイア/オデュッセイア13]]
-[[第14歌 オデュッセウス、豚飼エウマイオスに会う>オデュッセイア/オデュッセイア14]]
-[[第15歌 テレマコス、エウマイオスを訪れる>オデュッセイア/オデュッセイア15]]
-[[第16歌 テレマコス、乞食(オデュッセウス)の正体を知る>オデュッセイア/オデュッセイア16]]
-[[第17歌 テレマコス、帰館>オデュッセイア/オデュッセイア17]]
-[[第18歌 オデュッセウス、イロスと格闘する>オデュッセイア/オデュッセイア18]]
-[[第19歌 オデュッセウス、ペネロペとの出会い。足洗いの場>オデュッセイア/オデュッセイア19]]
-[[第20歌 求婚者謀殺前夜のこと>オデュッセイア/オデュッセイア20]]
-[[第21歌 弓の引き競べ>オデュッセイア/オデュッセイア21]]
-[[第22歌 求婚者謀殺>オデュッセイア/オデュッセイア22]]
-[[第23歌 ペネロペ、乞食(オデュッセウス)の正体を知る>オデュッセイア/オデュッセイア23]]
-[[第24歌 再び冥府の物語。和解>オデュッセイア/オデュッセイア24]]
*関連リンク
-オデュッセイアが読めるサイト
--[[ギリシャ語(紀元前8世紀)>http://www.perseus.org/cgi-bin/text?vers=Greek%3BLoeb%7Cnone&lookup=hom.+od.+1.1]]
--[[英語 Cowper (1791)>http://www.bibliomania.com/Poetry/Cowper/Odyssey]]
--[[英語 Butcher-Lang (1879)>http://www.robotwisdom.com/jaj/homer/odyssey01.html]]
--[[英語 Butler (1900)>http://classics.mit.edu/Homer/odyssey.html]]
--[[英語 Murray (1919)>http://www.perseus.org/cgi-bin/text?lookup=hom.+od.+1.1]]
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