IDM R&S Records Rephlex Warp エレクトロニカ ドリルンベース
Aphex Twin(エイフェックス・ツイン)はアイルランド・リムリック出身のRichard.D.James(1971年生)によるソロプロジェクト。
その表現幅は非常に多彩であり、一つのジャンルにおさめるのは難しい。強いて言うならば、広義のテクノもしくは広義のエレクトロニカ。
デビュー前
育ちはイングランド・コーンウォールであり、日本でいう高等学校はコーンウォールのRedruthにあるRedruth Schoolに、大学はコーンウォールカレッジに通う。
ちなみに大学では工学を学んだ。この大学の講師曰く、「授業中よくヘッドホンを付けていた」そうである。
また十代の頃からクラブDJを務めており、そこでは
Tom Middleton や
Rephlex Records 設立のきっかけとなるGrant Wilson-Claridgeとの出会いがあった。
デビュー~Selected Ambient Works85-92
1991年、イングランド・エクセターを拠点にするレーベルMighty
Forceから12インチアルバム"Analogue Bubblebath"をリリース。ただし現在では"Analogue
Bubblebath"シリーズはAphex Twinではなく、AFX名義でリリースされている。
同年先述のGrant Wilson-Claridgeとともに、
Rephlex Records を設立。
その後キングストン工芸大学で電子工学を学ぶためにロンドンへ移住する。しかし作曲活動を優先するために継続を断念。
1992年2月12日、Apolloから"Selected Ambient Works85-92"をリリース。AllMusicのJohn
Bushは「アンビエントの転換点」とこのアルバムを評した。
ちなみにこのアルバムのアートワークで有名なAphex Twinのロゴは、Paul
Nicholsonという人物が作ったもの。彼は他にも攻殻機動隊の笑い男マークなどもデザインしている。
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また"Digeridoo"(R&S Records)や、Caustic
Window名義のEPもこの年にリリースされており、現在の評価の発端を見ることができる。
1993年にはシングル"On"、"Analogue Bubblebath 3"(AFX)、EPを2つ(Caustic Window)、"Surfing On
Sine Waves"(Polygon Window)などをリリース。
Selected Ambient Works Vol.2について
1994年に再びWarp Recordsから"
Selected Ambient Works
Vol.2(AA) "をリリースした。前作よりアンビエント色を更に強めたこのアルバムには、Aphex Twinの遊び心のようなものが見て取れる。
それは曲名に関する謎掛けで、実は"SAW2"には'Blue
Calx'を除いて曲名が付けられていない。あるのはディスク上に描かれた複数の写真と、それを隔てる枠線である。
それらを元に推理を披露しているのが
このページだ。
要約すると、ディスク上にある写真はそれぞれ面積が違っており、この面積はそれぞれ曲の長さと対応している。例えば、7分以上の曲である'Cliff'と対応する写真と、3分半の曲である'Mold'と対応する写真を比べた際、その面積の比率は2:1になる。
また、アルバムの曲名は公式には決められていない。現在流通している'Cliff'や'Z
Twig'といった曲名は、一リスナーが決めた非公式な曲名である。そのネタ元はディスク上の写真で、例えば岩のような写真と対応する曲には'Cliff'(崖)とつけられている。
文章では分かりづらいところもあるので、是非
先述のページと、 ディスクの写真が載っているページ を照らし合わせて頂きたい。
顔ジャケットの登場
1994年には他にGAK名義でのリリースや、"Analogue Bubblebath
4"のリリースがあった。
1991年から1994年の間は最も多くの名義で活動した時期である。彼は多様な名義を持つが、それらの殆どがこの時期に第一作をリリースしている。
そして1995年、"
...I Care Because You
Do(AA) "をリリース。このアルバムジャケットには自身の顔の似顔絵を使用しており、しばしば連想される「Aphexといえばあの笑顔」というイメージの出発点をうかがい知れる。肝心の内容である収録曲は、1990年から1994年にかけて作曲したものをまとめたアルバムである。
このアルバムに収録されている'Icct Hedral'はフィリップ・グラスによってオーケストラ演奏されたバージョンも存在し、それは"Donley
Rhubarb EP"に収録されている。
人気の上昇
1995年に"Hangable Auto Bulb"、"Analogue
Bubblebath5"、"Classics"、"Ventolin"をリリース。この頃からソフトシンセサイザーでの作曲を開始。
1996年には「ドリルンベース」というジャンルを世に知らしめることになったGirl/Boy
EPを、そしてそれを収録したアルバム"Richard.D.James
Album"をリリースした。このアルバムジャケットも自身の笑顔写真を採用しており、知名度としては上記の"...I care~~"よりも高い。
またこの年には"Expert Knob Twiddlers"を
μ-Ziq との共同名義"Mike &
Rich"でリリースしている。
1997年に"Come to Daddy"、1999年に"Windowlicker"をそれぞれリリース。これら二つの表題曲はChris
Cunninghamが制作した映像も非常に有名である。ちなみにこの二つの作品、両方ともジャケットにはRichardの顔が合成された人物が写っている。このこととは関係は薄いだろうが、Come
to Daddyが英国チャートで36位、Windowlickerが16位をそれぞれ獲得している。
Drukqs
2001年、"Drukqs"をリリース。エリック・サティやジョン・ケージの影響を受けて作られただけあって、生楽器の使用が顕著である。
このアルバムの曲名には馴染みのないものが並んでいるが、無意味な文字羅列ではなくコーンウォール語で表したものである。例えば"jynweythek
ylow"はmachinemusic、"Vordhosbn"はSailboat、"Cymru"はWalesを意味する。
このアルバムのリリースについては様々な論評が存在し、そのうちの一つとして、リリース元の
Warp
Records との契約があと一作残っていたために(半ば仕方なく)出した、というものがある。
ちなみにRichard自身はインタビュアーに対して、これまでのアルバム収録曲と未発表曲(282曲と言われている)を入れたMP3プレイヤーを飛行機に忘れて、これをインターネットにリークされたらたまらないから出した、という旨のことを語っている。
Drukqs~現在
2005年にAFX名義でAnalordシリーズを11作品リリース。生楽器を多用したDrukqsからは一転、アシッド色の強い作品となった。
Richard自身、デジタル媒体よりもVinylなどを気に入っていたが、Rephlexの共同設立者Grant
Wilson-ClaridgeがCD媒体でリリースすることを要請したため、2006年にAnalordシリーズの曲を抽出。編集した"Chosen
Lords"をリリースした。
近年Aphex Twinとしての活動はあまりないが、
The
Tuss の曲調が非常にRichardのそれと似通っていることから、これを新たな名義である、という見方も広がっている。
リチャード顔をした女の子が踊り出した
トリノでのライブ は、Flat-Eというグループが関わっている。 また「Aphex
Twinといえば長髪」といったイメージがあるが、
最近のフェスティバルなどで撮られた写真 では、短髪になっている。
でも2011年の
Sonarの映像 を見ると、またロン毛に戻った模様。
2010年に行われたヨーロッパツアーにて、新曲を思われる作品をプレイした。Sound Cloudで音源が公開されているため、ここに掲載する。
AFX
LIVE @ METZ VILLE 2010 by gabriel2000
参考リンク
オススメアルバム
Classics
初期作品のコンピレーションアルバム。
Selected Ambient Works 85-92
アンビエントの転換点との評価を得た一作。
使用機材
少し情報が古いが、
Aphex Twin’s Equipment List というサイトに情報が掲載されている。
そこによると、KORG MS20やSequential Circuits Studio 440などを使用しているという情報に加え、AFX名義でリリースした"Analord 09"のアルバムジャケットに用いられているのは、EML Electrocomp 400 シーケンサーの写真だということもわかる。
Sample(On)