■Mac Pro mini (2009/12/21)
1. はじめに
そこで
次期Mac mini考察の項で記載した通り、今後Core i5/i7モデルの投入が予想される次期Mac miniのパフォーマンスや問題点を探るべくIntel Core CPUを用い、
こちらの手順でOS Xをインストールした仮想Mac miniを制作する。
1.1. Mac Pro mini
プロサイドが以前販売していたMini-ITX PC Quiet Qpit C800のケースをジャンク(元の電源60Wは故障)で入手し、90WのAC-DCアダプタとDFIのLGA1156 Mini-ITXマザー LANPARTY MI P55-T36を組み合わせた。VGAはClarkdale/Arrandaleに内蔵されるGPUパフォーマンスを想定し、GeForce 9400Mより性能が劣るが、DirectX 10.1に対応したGeForce 210を使用する。
Mac miniのコンパクトなサイズ(W165.1xD165.1xH50.8mm)には改めて感心するが、Quiet Qpitも非常にコンパクトなケース(W14.5mmxH22.5mmxD23.0mm)であり、Mini-ITXながら、フルハイト(3.2inch)の拡張ボードを一枚差すことができるだけでなく、アクリルやアルミ、スチールなどを使用した豪華でしっかりした作りである。
- DFI LANPARTY MI P55-T36 (Mini-ITX LGA1156 Core i5/i7)
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
ケース内部は真上からのぞくと下記のようになっている。
元の電源は故障していたのでAC-DC 90Wのアダプタに交換。
拡張スロットのPCI-ExpressにはビデオカードとしてフルハイトのGeForce 210をそのまま使用。
電源は90Wだが、消費電力はアイドル時で30W台で負荷をかけても動作に問題はない。
(追記:2010/01/31)
管理人所持のP55-T36は日本で販売された初期ロット(パソコンショップアークで2009/12/20購入)だが、
Intel P55チップセット(Intel® 5 Series Chipset and Intel® 3400 Series Chipset Specification Update ref:p8-p10)はB3ステッピング(PCIリビジョンID 0x0006)ではなく、
エラッタのあるB2ステッピング(PCIリビジョンID 0x0005)であった。
B3ステッピングは2009/10からサンプル出荷が開始され、 2009/12/07から正式出荷(B2とB3が混在)、2010/02/05以降にB3へ完全移行すると言われている(AppleのiMac Late 2009 27inchへ優先的に供給されているのが確認されているが、2010/01時点では確実に入手する方法はない)。なお、H55/H57はUSB周りに問題のないB3ステッピングである。
(追記:2010/09/24)
LANPartyチームの解散、
DFI公式フォーラムの閉鎖(2010/08/15、以降はメールサポートのみ)、
国内代理店の取り扱い終了などで、BIOS更新は期待できなくなっていたがアップデートが行われた。修正内容をみると、「Fixed USB device compatibility issue with Chipset update.」とあり、”チップセット更新によるUSBデバイス互換性問題の修正”とある。P55-T36のPCHは、B2ステッピングのみ流通していると考えていたが、B3ステッピング搭載の
報告(#258)もあり、BIOS修正内容からもB3ステッピングでのUSBデバイス互換性の問題修正と思われる。
(追記:2010/10/27)
3枚目のP55-T36を入手したが、PCHはB3ステッピングであった。S/Nからの判断になるが、1枚目は2009年48週製造、2枚目は2010年3週製造でB2ステッピングであったが、3枚目に入手した2010年12週製造のものはB3ステッピングだった。M/Bのシルク印刷はRevAのままで、外見上の変更点はわからないが、後期に製造されたものはB3ステッピングに切り替わっている可能性が高い。
1.2 BIOS P55MI205(2010-02-05)へアップデート (2010/04/12)
2010/4/9に公開されたBIOS P55MI205に更新した所、Windows XP x64においてTurbo Boostがx16までしか働かなかったものが、フルスペックのx24まで働くようになった(従来のBIOSにおいてもWindows 7 x64では機能していた)。また、4GBメモリモジュール使用時のBIOS表示も正しくなり、8192MBまで正常に表示されるようになった(従来は3064MBまでの表示)。
IDLE (ratio:x9.0) |
MAX (ratio:x24.0) |
Benchmark Score |
|
|
OS:Widows XP Professional x64 Edition SP2 室温:25℃ 温度:CPU 42℃/HDD 39℃/GPU 45℃ 電源:AC-DC 90W |
アイドル時 4C/8T/133x9.0=1.2GHz |
負荷時 1C/1T/133x24.0=3.2GHz (旧BIOS P55MIC31 133x16.0=2.1GHz) |
Super PI 104万桁 13秒 208万桁 29秒 (旧BIOS P55MIC31 104万桁 19秒) |
・10.6.3でのOpen GL互換性改善により10.5と同等までにパフォーマンスが改善している。
・P55-T36のオーディオはMac miniと同じRealtek ALC 885を採用している為、10.6.3にアップデート後もAppleHDA.kextがそのまま使用できる。
- マルチプラットホームベンチマークGeekbenchの結果
1.3 BIOSでのCPU高温表示 (2010/04/13)
L3426使用時、BIOSのHardware MonitorでCPU温度を確認すると電源投入直後からCPU温度が65℃などと非常に高い温度で表示される。しかしながら、Windows上でCPUID Hardware Monitorなどを使用すると30℃〜40℃と正常な値が表示される。
OSx86では、netkas氏作成のFakeSMC v2.5からCPU温度の読みに対応しているが、TjMaxのデフォルト値は100℃と設定されているため、TjMaxが低いCPUを使用した場合に実温度よりも高く温度が表示される。具体的には、
P7350のTjMaxは90℃だがFakeSMCをデフォルトのまま使用すると、100℃と設定されている為、実温度より10℃高く表示される。その為、CPUのTjMaxに合わせて<key>tjmax</key>の値を100から90に修正する必要がある。
そこで、FakeSMCでTjMax値を100から65に変更すると、CPU温度の表示が35℃から40℃程度で安定し、CPUID Hardware Monitorとほぼ同じ表示になった。
本現象は、既知の現象として言われている
H55+Lynnfieldの“爆熱問題”とは異なる原因であり、
L3426はP55-T36で正式にサポートされているCPUではない為、TjMax値が設定されておらずデフォルト値で100℃を使用している可能性が高い。その為、BIOS読みでは実温度より35℃高く表示されていると考える。
これは、P55M-GD45でも同じで、L3426やL3406を使用するとTjMaxがデフォルトで100℃が適用され、BIOS表示では実際のCPU温度と異なり35℃ほど高く表示される。P55M-GD45ではBIOS1.5からBIOSでの温度表示が改善され、L3426,L3406ともに正しい温度を表示するようになっている。
CPU |
Thermal Design Power(TDP) |
Thermal Specification(TjMax) |
Core i7-960 |
130W |
67.9℃ |
Core i7-860 |
95W |
72.7℃ |
Xeon L3426 |
45W |
-(65℃?) |
Xeon L3406 |
30W |
-(65℃?) |
(追記:2010/06/06)
Core Temp 0.99.6でTj.Maxを確認した所、L3426は69℃、L3406は67℃であることをそれぞれ確認。
1.4 Xeon L3406(Carkdale Dual Core with GPU disabled)への対応 (2010/04/24)
2010/04/20付けの新しいBIOS
P55MI420(2010-04-20)が公開された。修正内容は下記の通りで、マイクロコードのサポートが更新されたことでP55-T36でもL3406が動作するようになった。
Update Intel micro code to support Intel Clarkdale code i3 5xx and i5 6xx CPUs.
ただし、L3406はEISTでx9-x17、TurboBoostでx19までクロックが向上するが、BIOSのデフォルト設定ではx14に設定されてしまい、起動時の動作クロックは1.86GHzになってしまう。BIOS設定でRatio CMOS Settingの設定がx9-x17で設定できるので、これをEISTでの最大倍率x17に設定することで、本来の2.26GHzになる。
また、OSが起動後は負荷がかかるとTurbo Boostが働き、最大x17の2.52GHzで動作する。
・Windows XP Professional x64 Edition SP2での動作 (P55-T36+L3406+8GB+GeForce 210)
こちらの方法で、4GB以上のメモリ認識や64bitカーネル動作など恩恵が多いカーネル10.3.1を導入することができる。
・Snow Leopard 10.6.3 (Darwin Kernel verion 10.3.1)での動作 (P55-T36+L3406+8GB+GeForce 210)
2. Xeon L3406とOSX (2010/03/17)
Processor Number |
CPU Speed(Turbo Boost) |
Manufacturing Technology |
Core Stepping |
CPUID String |
Code Name |
IMC |
Apple Model Name |
Xeon L3406 |
2.26(2.53) |
32nm |
C2 |
20652h |
Clarkdale |
DDR3-1066 16GB |
- |
Core i5-650 |
3.20(3.46) |
DDR3-1333 16GB |
Xeon L3426 |
1.86(3.20) |
45nm |
B1 |
106E5h |
Lynnfield |
DDR3-1333 16GB |
- |
Core i7-860 |
2.80(3.46) |
iMac Late 2009 27inch CTO Core i7 |
Core i5-750 |
2.66(3.20) |
iMac Late 2009 27inch Core i5 |
・DFI P55-T36(最新BIOS P55MIC31) では認識せず、MSI P55M-GD45で認識した。(初期BIOS1.1で認識)
・P55-T36でL3406が認識しない原因はNVIDIA製VGA(GeForce 9800GT/GeForce 210)と組み合わせた場合の固有の相性問題である可能性がある。ATI製VGAでは起動報告あり。(2010/04/13追記)
・LynnfieldコアのL3426とは異なり、Core i5/i3と同じCPUIDを持つClarkdaleコアとなる為、Unknown CPUとなり10.6.2では起動時にkernel panicとなる。
・起動にはkernelの修正が必要であり、修正kernelを用いてSnow Leopard 10.6での起動を確認
・メモリについてはL3426はDDR3-1333まで、L3406はDDR3-1066までの対応となり、L3406はデフォルトでGPU機能が殺された低クロック版Core i5と言える。
1. CPU リテール BOXの情報
2. MSI P55M-GD45(初期BIOS v1.1)での認識画面
3. memtest 86+ v4.00での結果
4. 修正カーネル10.6.2でのL3406動作
・修正カーネルの制限で最大メモリ認識量は4GBに制限。
・パワーマネージメント関連のkextはブロックされるのでEIST機能は働かず、スリープ・復帰機能はSleepEnablerで実現。
5. 修正カーネル10.6.3でのL3406動作
・10.6.3アップデートを適用し、リブートする前に修正カーネルに入れ替える。
・SleepEnablerはアップデート前に一旦削除し10.6.3用に入れ替える。
・AppleHDA.kextにALC889のコーデックIDでパッチをあてる。
ただし、MacBooKProソフトウエアアップデート1.3のインストーラは機種チェックをしており、該当の機種以外ではインストールできない。パッケージの中身を修正するとチェックサムが変わってしまい、パッケージの整合性チェックでエラーになる為、導入する為には、
こちらの方法でインストール対象をMacBook Pro 15/17に見せかける必要がある。
3. HDMI Audioの再生(2010/05/09)
P55-T36のオンボード音源はRealek ALC885の為、10.6.3以降でGeForce GT220と組み合わせれば、AppleHDA.kextにパッチを当てずにオンボード音源、HDMI Audioともに再生ができる。
Device (PEGP)
{
Name (_ADR, 0x00010000)
Method (_PRW, 0, NotSerialized)
{
Return (GPRW (0x09, 0x04))
}
Device (GFX0)
{
Name (_ADR, Zero)
Name (_SUN, One)
Method (_DSM, 4, NotSerialized)
{
Store (Package ()
{
"@0,compatible",
Buffer (0x0B)
{
"NVDA,NVMac"
},
"@0,device_type",
Buffer (0x08)
{
"display"
},
"@0,name",
Buffer (0x0F)
{
"NVDA,Display-A"
},
"@1,compatible",
Buffer (0x0B)
{
"NVDA,NVMac"
},
"@1,device_type",
Buffer (0x08)
{
"display"
},
"@1,name",
Buffer (0x0F)
{
"NVDA,Display-B"
},
"NVCAP",
Buffer (0x18)
{
/* 0000 */ 0x04, 0x00, 0x00, 0x00, 0x00, 0x00, 0x03, 0x00,
/* 0008 */ 0x0C, 0x00, 0x00, 0x00, 0x00, 0x00, 0x00, 0x07,
/* 0010 */ 0x00, 0x00, 0x00, 0x00
},
"VRAM,totalsize",
Buffer (0x04)
{
0x00, 0x00, 0x00, 0x40
},
"device_type",
Buffer (0x0C)
{
"NVDA,Parent"
},
"model",
Buffer (0x13)
{
"NVIDIA GeForce 220"
},
"rom-revision",
Buffer (0x0F)
{
"70.16.31.00.00"
},
"hda-gfx",
Buffer (0x0A)
{
"onboard-1"
}
}, Local0)
DTGP (Arg0, Arg1, Arg2, Arg3, RefOf (Local0))
Return (Local0)
}
}
Device (HDAU)
{
Name (_ADR, One)
Method (_DSM, 4, NotSerialized)
{
Store (Package ()
{
"hda-gfx",
Buffer (0x0A)
{
"onboard-1"
}
}, Local0)
DTGP (Arg0, Arg1, Arg2, Arg3, RefOf (Local0))
Return (Local0)
}
}
}
Device (HDEF)
{
Name (_ADR, 0x001B0000)
Method (_PRW, 0, NotSerialized)
{
Return (GPRW (0x0D, 0x03))
}
Method (_DSM, 4, NotSerialized)
{
Store (Package ()
{
"layout-id",
Buffer (0x04)
{
0x42, 0x00, 0x00, 0x00
},
"device-type",
Buffer (0x06)
{
"audio"
},
"PinConfigurations",
Buffer (Zero) {}
}, Local0)
DTGP (Arg0, Arg1, Arg2, Arg3, RefOf (Local0))
Return (Local0)
}
}
最終更新:2011年10月10日 11:00