ツンデレのエロパロ2
1 名前: color 投稿日: 2006/08/23(水) 07:59:39 ID:Ekfsdkua
ごめんなさい。目算誤って埋まってしまった


みなさん、和の心を忘れずに

前スレ
ツンデレのエロパロ
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2 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:01:58 ID:Ekfsdkua
ごめんなさい。もう一度張り直しますね。

あと酉じゃなくて#2って入れただけだったのに
3 名前: color.2 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:03:07 ID:Ekfsdkua
「久しぶりとはいえ、我が腕は衰えてないな」

今日は学校帰りに久々にゲーセンに寄ったのだ。最近は毎日紅葉(もみじ)と登下校を共にしていたため、五月蝿いのが嫌いな彼女を連れてくるわけにはいかなかった。
かと言ってゲーセンに行きたいから一人で帰ってくれなどと言おうものなら姉さんにチクられてしまうだろう。
自分は罠の設備投資に金を湯水の如く使っているが、俺が非建設的(姉さん主観)なコトに金を使うのと非常に腹を立てるのだ。理不尽。
最近中世ヨーロッパはルーマニア、主にトランシルヴァニアにはまっているようで、この間ニコニコしながら木の杭を寝ている俺の胸の位置にくるよう調節していたところを発見した。
本人は
『やぁねぇ〜。いくらなんでも蒼ちゃん殺したりはしないって。時に蒼ちゃん、十字架とかニンニクとか嫌い?』
俺とてそう簡単に穴を増やす気はない。

よって、
『悪い。負けられない戦いがそこにはあるんだ!』
と教室で叫び、有無を言わさず逃走した。後ろで何か言ってる気がしたが、いい男は振り返らないのだ。
ヤツが掃除当番だというのは女神が与えた祝福だろう。

今日はすこぶる調子が良い。これは中々本格的なゲームで、ボタン付きレバー2本と下のペダル2枚で操作する、コクピットに入り込む形のものだ。名を『CrimsonLeaves』と言う。何の因果か、周りの連中が『紅葉紅葉』いうから興味を持ってしまったのだ。
そして俺はコレの全国上位ランカーだったりする。それほど通ってるわけではないのに10位とはやはり俺は天才なのだろう。ア〇ロやキ〇なんか目じゃないぜ!
と頭が悪いことを考えてたところに乱入を告げる警告音が響く。どうやら相手は複座型のようだ。複座型は、機体によってまちまちだが総じて火力と機動性が高い。その分攻撃と移動をそれぞれ分担せねばならないのだ。
さて、画面が切り替わり自分と相手のネーム、コメントが表示される。鉄○みたいなもんだ。ちなみに俺のネームは「ブルー」。
我が親友曰く
『さすが蒼、ひねりがないね』
ここで確認しておくが俺の名前は「川合 蒼」カワイアオイである。カワイソウではない。断じて。

「対戦相手は〜っと…」

操縦:ブーン
コメント:チトサママンセー!!

火器管制:ドックン
コメント:ユリタソマンセー!!

「………………」
奇特な人間もいるものだ。
4 名前: color.2 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:04:58 ID:Ekfsdkua
そして戦闘に入る。
なるほど。コメントを見た時にも感じたが、中々息が合っている。しかも機動の方は目を見張る動きも多い。しかし如何せん火器の方に経験が足りない。才能はあるが。
こちらとてランカー、そうそう遅れをとるわけにはいかない。相手のリロードを確認し弾数を数えながら粗い銃撃の雨を最短距離で駆け抜け、再リロードの瞬間に近接格闘をたたき込む
慣性の付いたままの格闘であるため姿勢制御硬直が軽減され、すぐに飛び上がってさらに硬直を軽減。と同時に敵レーダーを錯覚させるデコイを射出。
これにはさすがに手錬の機動担当も俺の機体を見失ったようだ。レーダーに映るデコイを手当たり次第に破壊している。
さて、そろそろブーストが切れる頃か。
噴かしていたブーストを止め、反転して空中から敵機に突っ込む。まだ、まだ、まだ、今だ!!
「くらえっ!!」
思わず声に出てしまった。今の声のせいでで相手は敵機攻撃警告音がなるまえにバックステップによる超回避を成し遂げた。ほとんど人間技じゃない。火器の方は見当違いの方向に弾を撃っている。

しかし

相手が飛んだ先、そこは先程ばらまいたデコイが大量に浮かんでいた。敵が気付いた瞬間、飛び上がる前に接触したデコイが爆発を起こし、さらに周りを巻き込んで誘爆する。
しっかり着地キャンセルを決めた俺はレーダーの位置に向かってミサイルを全弾発射。煙が晴れる前に表示されるYOU WIN!!の文字。

今日最高の試合だった。筺台の外から歓声が聞こえる。外の大画面モニターを見ていた人達だろう。しかし面白い二人組だった。
このゲームは、僚機だけでなく敵機とも通信できる大変めずらしいものだ。もちろん双方が通信をONにしなければならないが。俺は相手を最初に見たとき少し興味を持ったので、試しに通信を開いてみた。すると戦闘開始直前に向こうも通信を開いたのだ。
今だからわかるが、おそらく火器の方がわからずに上げたのだろう。複座の通信は火器側にスイッチがある。
以下はその通信を傍受したものだ
5 名前: color.2 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:05:52 ID:Ekfsdkua
戦闘開始
A「目標をセンターに捉えてロックオン、あとはトリガーを引くだけでいいお」
B「目標をセンターに捉えるのはお前の役目と推察」
A「その通りだお。相手がランカーであろうと漏れの操縦に付いてこれるはずがないお」
B「俺も付いていけない悪寒」
接敵
A「さすがは兄弟、初めてとは思えないお」
B「射撃は昔おじさんにたたき込まれた」
A「バーローwwwww」
接戦
A「どうしたお!? あれだけ撃って一発も当ってないお! 左舷弾幕薄いお! 何やってんの!! 」
B「これがどうにも。喪は服しおわったのか?ちなみに敵機は12時の方角だ」
A「三日は立ち直れなかったお……じゃなくて、ハロなら当ててたお!!」
B「親友を捨てて女に走った男の名を呼ぶのか?」
A「……Exactlyだお。漏れが間違ってたお」
B「征くぞ兄弟。俺がかならず奴の足を止めてみせる」
A「もう目の前だお」
俺の格闘がヒット
A「まだだ、まだ終わらんお! 被害報告まだか!?」
B「装甲が60%ほどダウン! 後は問題ない」
A「六割ダウンは問題だお……お!?」
B「どうした?」
A「敵機を見失ったお! 攻撃と同時にアホみたいな数のデコイをばら撒きやがったお!!」
B「どうするんだ?」
A「残ると後々やっかいだお。全部つぶすお!」

俺「くらえっ!!」
B「ん?A「チト様ぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
神回避
A「ハーッ、ハーッ、みたかお…?」
B「今まさにお前が神。反応できなかった」
A「チト様のご加護のおかげだお…ん?」
B「おそらく今ハロと共にいると予想、ん?」
A「しまっ
爆音
A 「被害報こ
ミサイル直撃
ここで通信が途絶えた。敵機が爆散したのだろう。


俺は出てすぐ相手筐台に向かった。マナー違反だが、是非知り合いになりたかった。俺の周りにはいないタイプの人間達だ。それにあの腕前。
出てきた二人は俺が先程の相手と知ると、
「捕虜の扱いは国際人道法で〜」とか
「なんとなくふいんき(ryが似てるお」とか言っていたが、こちらが自己紹介するとあちらも快くそれに続いてくれた。
それからしばらく話し込んで、再戦の約束を取り付けられ、それまでにドックンを鍛え上げること、その時はあともう一人連れてくる事を告げられて俺たちは別れた。
6 名前: color.2 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:06:35 ID:Ekfsdkua
そして、一人になった俺。急に空腹が襲う
「やべぇ…腹減ったな…とはいえ、財布の中身は百円玉一つ…どうしたものかな…」
と言うか、使い込みすぎたか?いや、もともとあまりもらってないか。
「しかたない、百円あったら○ックに行こう」

この町のマッ○に来るのは久しぶりだ。むしろマоクに来るのが久しぶりだ。姉さんジャンクフード嫌いだし。
内装をきょろきょろ観察しながらレジに向かうと、店員の娘が声をかけてきた
「なんであんたがここにいんのよ…?」
いやいらっしゃいませだろ、と内心突っ込みを入れた後、妙に聞き慣れた声に顔を上げた。
「も、紅葉ぃ?! 何でお前がここに!?」
「それはあたしが聞いてるんだけど? すたこらと私から逃げ帰って未だ制服とはね。納得のいく説明を求めるわ」
「いや、負けられない戦いがそこにはあったんだってば……」
「学校帰りにゲーセンで遊んで、さらには買い食いとは。無駄な浪費がお姉さんにばれたら「消」されるわね、きっと」
ばれちょるがな。
「ぐ…待て、かなり落ち着け。少なくとも今俺は客だ! それ相応の扱いを要求する!」
「ま、いいわ。あたしも一応仕事中だしね。じゃ、ご注文は?」
「すまいる」
紅葉はにこっと笑って右手を振り上げた。
ボグシャア!!
紅葉の正拳(もはや聖拳)が俺の顔面に突き刺さる。レジ側の床は少々高い造りになってるため、体重がよく乗ってるいいパンチだ
「おま…グフッ…客になんてことを…」
「寝言は寝てから言うものですわよ、お客さま」
紅葉の笑顔は高く付いた。タダより高いものはないと、文字通り痛い程よくわかった。
っていうか何故誰も今のやりとりを見ていないのだろうか? 普通クビだぞ
「今ので余計腹減ったわ…マ○クティキン一つ」
「せこいわね」
「おかげさまで」
「持ち帰りね?」
「あ、いや…」
「持ち帰りよね?」
危険!!
「ハイ」
言って紅葉は奥の方へ入ってった。普通レジの人は…。
程なくして紅葉がやってきて包みを渡してくれた。何か言いたそうな表情だったが、結局何も言わなかった。いや、『ありがとうございました』ぐらい言えよ、と。

腹が減って我慢できないオレは、外に出てすぐに包みをあけた。すると、バーガーの上に、紙切れが乗っている。そこには見慣れた字で『店の前でちょっと待ってなさい』と書かれてあった。
しかし食べ物のなかに紙切れを仕込むとは如何なものだろうか…
7 名前: color.2 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:08:10 ID:Ekfsdkua
「お待たせ」
「いーや、ちょっとしか待ってないよ」
実際少し長かったのだが、紅葉の肩が上がってるのを見ると咎める気にはならなかった。紅葉はそんな俺を見て、どこか満足そうだった。

「あーあ、蒼にバレちゃうなんてな〜、バイト」
「紅葉が急にバイト始めたのは知ってたぞ。フランちゃんから聞いてたから。何をやってるかまでは知らなかったけど」
紅葉には年の近い妹がいる。と言っても血の繋がりはなく紅葉の親父さんが外国で拾ってきた子らしい。名前はフランちゃん。サフラン色の髪が印象的なしっかりした女の子だ。ちなみにハーフ。
「うそ? あの愚妹め…余計な真似を…」
「こら、妹を悪く言うもんじゃない。心配してるんだよ、きっと」
「ふん!そーやってすぐフランの肩持つんだから。だいたいあの娘は邪魔したいだけ…」
「邪魔ってなんの?」
「なっ! なんでもないわよっ! ばかっ!」
「バカはお前だ。電車ん中でわめくな」
紅葉ははっとした表情でまわりを伺うと、俺たちを見る好奇の視線に耐えられないのか俯いてしまった。

電車を降りてふと、疑問に思ったことを聞いてみた。
「なぁ、なんで急にバイトなんか始めたんだ?」
「別に。理由なんてないわよ。強いて言えば社会勉強かしら」
「じゃあなんで隣町なんだ? こっちにもほら、○ッ○ならあるじゃん」
「そっ! それは……あ、あっちの方が時給が高いのよっ!」
「ふーん…どこも一緒のような気がするけど、紅葉が言うならそうなんだろうな」
「…うん」

そこで紅葉が袖をくいくいっと引っ張ってる事に気付いた。みると真っ赤にした顔を俯けて、ごにょごにょ言ってる。
ラブホの前だ。
待て、時に落ち着け。今からヤって帰ろうものなら確実に時間がヤヴァイ。明日の朝でなく今日の夜中にグロいオブジェができること受け合い。
と脳内ディスカッションが交わされてる中、紅葉が小さな、小さな声で耳元に
「私…したいな♪」
崩れた。理性と人生が。♪ってなんだ♪って。反則だろ。
どこかで死亡フラグがたった音がした。
8 名前: color.2 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:08:56 ID:Ekfsdkua
「なんか色んなものがあるわね」
初めて入ったラブホは最近の漫画でよく出るように、実に充実した設備だった。
全額紅葉持ちだったことに非常に申し訳ない気持ちになり、いつか必ず返すと言うと、
「いいのよ、私がしたかったんだから」
と笑って返された。
何故だか知らんが、紅葉は妙に機嫌がよかった。妙に素直で、それがまた可愛かった。

そして俺は、甘かった。

「すごーい。手錠なんかあるよ。試しにちょっと手後ろに回して♪」
俺は可愛い紅葉に当てられて、特に何も考えず手を後ろに回し、そこに手錠を掛けられたところで正気に戻った。
「ちょ! おま! 何やって!! コレ外せよ!」
「ふふ…蒼つーかまぁえた♪」
「…紅葉さん?」
どん、と突き飛ばされベッドに横になる形で倒れこむ。
「透子(注:紅葉の親友、いいんちょ)の友達の彼氏がね、こうするとすごい喜ぶんだって」
と言いながら足の裏をズボンの上からぐにぐにと押しつける。
「うぁ…」
「え?嘘?感じるの?…蒼も変態さんなのかな?」
ズボンの上から伝わる微妙な刺激が、もどかしさが、どうしても俺の分身に血を注ぎ込む。
「布越しでもわかるよ。おっきくなってるね、蒼」
「んっ…やめろっ…てば」
「ズボン、脱がしてほしい?」
「え?」
一瞬の隙をついてズボンと一緒にパンツまでもが脱がされた
「嫌って言っても脱がすけどね。蒼ったら可愛い♪ 物凄く張っちゃってる」
今度は生足で、生の息子をぐにぐにする。
「くっ…ふ…うゎっ…」
「さて蒼に質問。私とげーむ、どっちが大事」
紅葉も座り込み、両足で挟むようにしてナニを擦りあげる。
「そんなのっ…もみじに…くぁ…決まっ」
「だったら今日は何で?」
「負けられな…」
言った瞬間物凄い速さで足を動かす紅葉。足で擦りながら鈴口を指でいじくる。
「うあぁっ!!」
「あれ?蒼イキそうなの?足でイっちゃうの?ふふ…蒼ってば…変態さんなんだぁ」
言って裏筋を指でくすぐる。
「も…出るっ!!」
白濁が彼女の足の裏に飛び散った。
余談だが一本抜いたおかげで、この前より本番は保った。

帰り道
「………」
「ごめんね、蒼。なんか止まんなくて…。最初は普通に…その…Hするつもりだったんだけど…手錠された蒼みたらなんかこう、むらむらぁっと…あはは…」
「……変態」
「良かったくせに」
「う…」
「変態同士だね、私たち。こんなカップル他には絶対いないよ」
「待て、俺は絶対に正常だから」
9 名前: color.2 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:09:42 ID:Ekfsdkua
そーこーしてる内に家の前まで来た。前も言ったが紅葉の家とは隣同士である。
家の前にはそれぞれ姉さんとフランちゃんが立っていた
「翠(みどり)さん、こんばんは」
「こんばんは紅葉ちゃん。こんな遅くに蒼ちゃんと一緒に帰ってくるなんて、本当に仲良しねぇ」
「え゛?! そそそそんなことありませんよ?たまたまばったり会っただけですってば」
紅葉は知らない。あるビデオの存在を。とりあえず危険な方向に逸れる前に自ら贄となるしかない。
「や、やぁ姉さん」
「や、私の愛しい蒼ちゃん。今何時かな? カナ?」
「えっちょっ! 確かに遅いけど! 耳ひっぱらないで! 痛い痛い痛い!」
「今日ね、ホームアローンを全作見たのよ。あと杭も出来上がったから見てほしいな」〜


蒼が家に引っ張られてく。蒼は私がボロを出す前にフォローしてくれたんだろう。優しいな、あんなひどい事した後なのに。それにしても相変わらず翠さんは苦手だ。怖い。
「せっかく…ばれないように…隣町にしたのに…愚かです…」
苦手という意味では背後にいる妹も厄介だ。
もともと半目なのにさらにそれを細めて意地悪い口をしながら言う。
「そういえば…来月…蒼にぃの誕生日ですね…」
「ギクッ」
「愚かです」
長いサフラン色の髪を翻して家のなかに入っていく。
後には一人残された私。
なぜ私の緻密なプレゼント計画がバレたのだろう?バレたらバレたで何故蒼はこの乙女心に気付かないのだろう?

彼女はどこまでも蒼の恋人だった。

続く
10 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 08:11:03 ID:Ekfsdkua
これ、全部携帯でやってるんですよね…

お騒がせしてすみませんでした
11 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 11:47:53 ID:JeXuAkTs
    __
  ,'´    ヽ
 rノツンノデレノヽ
 l リ ゚ ー゚ノリl l    しょうがないからGJって言ってあげるわよ
 ⊂_ Y _つ '
   |  |: |
  < / | ヽ >
   (/ ∪
12 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/08/23(水) 13:53:51 ID:Zk0nXYgz BE:475534894-BRZ(3570)
即死回避かな?
13 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 14:22:59 ID:HOXciiSv
GJ!


にしてもゲームの描写ウマいな
14 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 16:59:16 ID:ALClkqbg
メーデー メーデー アーッ!
15 名前: 502 [sage] 投稿日: 2006/08/23(水) 19:01:16 ID:rAofUAcP
GJ!ぜひ後日の再戦模様をお伝えして頂きたい。
にしてもSッ気のある紅葉と事後の紅葉のギャップに萌えますた
ハーフのキャラは自分も出してみたいと思ってたんだよなぁ
16 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/24(木) 08:24:08 ID:yLMz2Rkx
朝からおっきしたぉ(;^ω^)
17 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 00:37:40 ID:449IkVdv
バトルシーンに燃え上がった。GJでござい。
実際あったらやってみたいな。『CrimsonLeaves』。

毒男も蕪雲も良いキャラになったなぁww
18 名前: リアルの人 [sage (`・ω・´)] 投稿日: 2006/08/25(金) 18:50:11 ID:BLg/kAjW
GJ!!!
毒男と蕪雲が良い感じだ
ゲームが楽しそうだよ、してみたい

新しく立てていたんだ
続きを投稿したくてもどこにしたら良いか分からなかった
て言うか埋まるの早くね?
まだ半月も経ってねーよ
19 名前: 592 [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 18:58:52 ID:TMvyzH9r
イイヨイイヨーGJ!
デコイと聞いて真っ先にACを浮かべた俺レイヴン

新スレ経つの早かったー
そして空気読まず投下っと
20 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:01:36 ID:TMvyzH9r
うーん、良く寝た。
日が沈んでるのは?
時計はまだ11時を指してるから、気のせいだな。
今日は土曜日。
駅前の祭り日、だからみんなで行く予定だ。
え?約束を忘れる?
そんなエロゲの主人公みたいな事やる訳無いだろ。
やる奴はきっとツンデレに足コキされてるに違いない。
さて、約束の時間までまだ大分ある。
どんな暇つぶしをするかな。
モラッタハナーイロトリドリーチャントーサイタヨー
おっと、携帯か。
ピッ
ソウ『おーい、遅いぞ。もう二人共待ってるぞ』
え?何で待ってるんだ?
アキ「だって約束は3時だろ?まだ11時じゃん」
ソウ「は?もう3時過ぎだぞ?」
・・・えぇ!?
時計止まってるのか!?
アキ「げ!時計電池切れてやがる!!1!!!1!」
ソウ「おいおい・・・とりあえず今すぐ来い」
アキ「おk、速攻で行く」
ピッ
これはマズい、ソウは怒らないにしろ後の二人が怒りそうだ。
ダッシュで着替えて、必須アイテムを装備する。
うし、駅前へ急げ!

走る事十数分、やっと駅前だ。
待ち合わせの場所に向かう。
あーいたいた。
ソウ「遅いぞ」
アキ「悪りぃ、遅れた」
ソウ「俺はいいけど・・・」
ちらっと後の二人を見るソウ。
一人は浴衣姿のナツと・・・蒼色の長髪の女。
水瀬零羅(みずせれいら 以下レイ)だ。
レイ「一体何分待たせるつもり?約束の時間は既に過ぎてるわよ」
ナツ「ほんと!れほど遅れるなって言ったのに!」
ほーらな。
やれやれ、二人とも我慢ってことを知らないんだから。
アキ「全くだ。遅刻はよくないぞ、荘一」
ソウ・レイ・ナツ『お前だよ!』
綺麗にハモりやがった。
アキ「すまん、代わりになんか奢ってやるから許せ」
ナツ「そうやってすぐ物で釣ろうとする!」
ソウ「まぁいいじゃないか、秋斗も謝ってるし」
レイ「そうね、反省してるならいいわ」
よかったー、結構丸く収まって。
アキ「んじゃ行こーぜ」
21 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:02:12 ID:TMvyzH9r
つってもまだ4時、祭りは夜になってからが本番だ。
仕方なく近くのショッピングモールを寄ってみる。
アキ「腹減ったなー・・・なんか軽く喰わね?」
ナツ「何も食べてないの?」
アキ「ああ、起きてすぐ来たからな」
ソウ「相変わらず不健康な生活過ごしてるな」
レイ「本当、少しは荘一を見習った方がいいわよ」
アキ「努力はしてみる」
ソウ「それで成功した試しが無いけどな」
ナツ「そうそう。前に私があげたサボテンもダメにしちゃったし」
レイ「普通じゃないわよね。サボテンが枯れるなんて」
なんて話しながら、ドナルドの居る店に入っていく。
注文を頼んで、ハンバーガーを受け取って適当な場所に座る。

アキ「それにしても、二人の浴衣結構似合うな」
ハンバーガーを食いながら、思わず漏らす。
ナツ「な、変な事言わないでよ!」
レイ「そうよ、煽てても何も出ないわよ」
ソウ「いや、可愛いと思うぞ」
アキ「あ、ありがと・・・///」
レイ「そう?嬉しいわ」
えぇー!?何でソウが言うと素直に答える?
アキ「あ、やっべぇ。レポート書いてねぇ」
ソウ「あーあ、何のレポートだ?」
アキ「物理だ、月曜提出の」
ナツ「物理って・・・キミ赤点ぎりぎりだったよね?」
アキ「おう、今回挽回しないと単位落ちる」
ソウ「随分冷静だな。俺はノート貸さないぞ?」
アキ「うぇー!?なんで!」
ソウ「学校に置いて来ちまってな、他を当たれ」
アキ「じゃー・・・」
俺は視線をナツに向ける。
ナツ「私も嫌」
アキ「なぬ!何故じゃ!」
ナツ「忘れたの!?前ノート貸した時、コーヒーこぼしたでしょ!」
あ、そうだった。
あれ以来こいつから、ノート貸して貰えなくなったんだっけ。
でもこいつの家に行って、勉強するのは良いみたいだがな。
レイ「ふぅ、仕方ないわね。私のなら貸してあげるけど?」
アキ「神降臨!」
レイ「誰が神よ。それじゃ帰りに私の家に寄って」
アキ「承知仕った」
そんなことをやってる内にみんな食い終わった。
外を眺めると人が集まってきたようだ。
アキ「よし、それじゃ行ってみますか」
俺らは店から出た。
22 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:03:08 ID:TMvyzH9r
時間は5時過ぎ。
少し薄暗くなって来た所だ。
ソウ「流石に混んで来たな」
レイ「ええ、でも賑やかでいいわ」
ナツ「あ!秋斗!あれ食べたい!」
ナツが差したのは焼きイカ。
アキ「へーいへい・・・」
ソウ「お、うまそうだな。俺の分も頼むよ」
レイ「私の分もお願い」
アキ「お前らwwwww」
ナツ「わかった。おじさん、4つね」
お「あいよ、毎度あり」
差し出されるイカ、おやじに金を払う俺。
つーか出店ってぼったくりすぎだよな。
このイカだって一つ300円だぞ。
4つで1200円だ、1200円っていったら俺の自給の1時間半分だ。
高いったらありゃしない。
ソウ「大丈夫、秋斗昨日給料日だったから」
アキ「ばらすなっての、調子に乗って買われたら困る」
レイ「あら、それはいい事を聞いたわ」
ナツ「よかった、遠慮せずにどんどん買おっと」
アキ「うおい!」
マジかよ・・・。

ソウ「出店っつっても大したもん出てないな」
レイ「そうね、いつものお祭りと同じようなものばっかりだわ」
アキ「とてもカキ氷食ったり、焼きもろこし食ったり、射的やってる様な奴のセリフとは思えん」
ナツ「いいじゃない、楽しいんだし」
アキ「ああ、俺の金じゃなければ俺も楽しめるんだがな」
こいつら事あることに、俺に奢らせやがって。
ん?あそこに見えるのはしのたじゃないか?
ナツ「あ、あれしのちゃんじゃない?」
ソウ「ああ、それっぽい」
レイ「あ、由梨ちゃんも一緒に居るみたいね」
アキ「由梨?しのたの友達?」
ソウ「あれ?由梨ちゃん知らないんだっけ?秋斗」
アキ「ああ、とりあえず会ってみるか」
俺らはしのたの所に近づく。
し「あ!夏輝先輩!それに零羅先輩も」
俺らは無視か。
ソウ「俺等も居るぞ」
し「あ、先輩達もこんばんわ」
レイ「こんばんわ。今日は二人で来たの?」
ユリ「はい、お兄ちゃん達はツン先輩達と行くとか何とかで・・・」
23 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:03:59 ID:TMvyzH9r

ん?ツン達と行く?
誰かの妹?
アキ「えーっと、由梨ちゃん?」
ユリ「あ、はい」
アキ「初対面だよね、多分。俺諏訪秋斗っつうんだ」
ユリ「はい、秋斗・・・先輩ですか?」
アキ「ああ、先輩だ。しのたは知ってるけど、由梨ちゃんは知らなかったな。ま、宜しく」
ユリ「はい、よろしくお願いします」
アキ「でさ、さっき『おにいちゃん』つってたけど、誰かの妹?」
ユリ「えっと、江口遥って知ってます?」
アキ「ん?ハロの事?」
ユリ「はい、それが私のおにいちゃんです」
げっ!マジかよ!
あの野郎、こんな可愛い妹を隠しとくなんて。
アキ「へぇー!そいつは知らなかった!」
し「あ、そういえばチト先輩とかも来てましたよ」
レイ「智途が?誰と来てるのかしら」
し「確かお姉さんと一緒だったかな?」
レイ「そうなの、それじゃどっかで会うかしら」
し「かもしれませんよ。あ、私たちそろそろ行きますね」
アキ「うん、またね。しのちゃん、由梨ちゃん」
ユリ「はい、それじゃあまた」
そういって二人は人混みに消えてった。

ソウ「俺空気になってなかった?」
アキ「なってたな、しのたに嫌われてんじゃねえの?」
レイ「何か嫌われるような事でもしたの?」
ソウ「うーん、記憶には無いけど・・・」
ナツ「じゃあ平気だよ。秋斗じゃないんだから」
アキ「おい、何だ最後の一言は」
まったく、人を何だと思ってるんだ。
24 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:04:42 ID:TMvyzH9r
?「おい」
突然背後から声を掛けられた。
アキ「ん?ってなんだ、長岡か」
チト「何だとはご挨拶じゃないか」
レイ「あら、智途じゃない」
アキ「ほんとだ、どうしたの?」
チト「なんだ、みんな一緒だったのか」
ソウ「俺も居るぞー」
アキ「で、何か用か?」
チト「あぁ、ハロ達を見なかったか?」
ソウ「それが見てないんだよな、あの野郎未だに金返s」
雪「チトちゃん!あれほどどっかいかないでって言ったのに・・・あれ?お友達?」
チト「あ、すまない、姉さん。友達が居たからハロを見なかったか聞いてたんだ」
姉さん!?長岡のねーちゃんなのか。
やっぱ知り合いが密集してるな。
しっかし良い胸だな、あれだけあればパ【自主規制】も容易いだろう。
雪「こんばんわー、私、チトちゃんの姉の雪花っていうの。宜しくね!」
ナツ「こんばんわ、私は七原夏輝って言います」
レイ「水瀬零羅です。宜しくお願いします」
ソウ「武本荘一って言います。よろしくどうぞ」
アキ「ラフメイカーでs」
ドコッ
アキ「・・・諏訪秋斗です。宜しくどーぞ」
3方向から殴られるとは・・・。
ソウが苦笑いを浮かべてやがる、止めろっての。
雪「へー、みんなチトとは同じクラス?」
レイ「いえ、智途とはみんな別のクラスなんです」
雪「そうなんだー。あ、それでハロ君探してるんだっけ?」
チト「ああ、だけどみんな知らないみたいだ」
雪「そっか、じゃ早く探しに行こうよ」
チト「何で姉さんが急ぐんだ・・・。そういう訳だ。それじゃあな」
アキ「ああ、じゃあまたなー」
雪「みんな、またねー♪」

嵐のような人だったな、雪花さん。
ソウ「また俺空気だったろ?」
アキ「自己紹介できたからセーフ」
レイ「綺麗な人だったわね、雪花さん」
ナツ「うん、でも少し何ていうか・・・知らないうちにペースに呑まれちゃいそう」
ソウ「そうだな、あれぐらい強引だと長岡も苦労s」
ツン「あ、ねぇねぇ」
おおっと、今度は月岡かよ。
25 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:05:23 ID:TMvyzH9r
ナツ「あ、秋奈じゃない」
レイ「本当、どうしたの?」
ツン「それがさ、ハロ見なかった?」
アキ「同じ事を数分前に聞かれたぞ」
ツン「ほんと?誰に聞かれたの?」
ソウ「月岡とそのお姉さん。なんかハロ探してるみたいだったけど」
ツン「え・・・雪花さんも探してたの!?」
なんだその慌て様は。
レイ「雪花さんだと何かまずいのかしら?」
ツン「まずいっていうか・・・あの人ハロを良く誘惑するから・・・」
誘惑されてるだと!?あの野郎生かしちゃおけねぇ!
ナツ「へー秋奈、ハロ君の事が心配なんだ?」
ツン「な・・・?!そ、そんなわけ無いでしょ!」
アキ「そういえば、いつも一緒にいるしな」
ツン「そ、それは・・・そう!幼馴染だからよ!」
ソウ「でも幼馴染だからっていつも一緒だとな」
アキ「な、なによ!?文句あるの?///」
レイ「私付き合ってるのかと思ってたわ」
蕪「その通りだお、でなきゃ足コキなんかしないお!」
毒「ハロテラウラヤマシス('A`)」
ツン「べ、別に付き合ってなんか・・・って、何勝手に言ってるのよ!」
バキャ
む、良いストレートだな。
蕪「なんで濡れだけなんだお・・・」
ほほう、月岡はハロに足コキをしているっと。
アキ「つーか何時から居たんだ?」
蕪「何時からとは失礼だお!最初から居たお」
毒「気付いてすら貰えない俺空気」
ソウ「俺も仲間に入れてくれ」
蕪「彼女持ちは無理だお!」
ソウ「どこに彼女がいるのかと小一時(ry」
ツン「ちょっと!それでハロは何処にいるか知ってるの?」
おおっと、すっかり忘れてた。
ナツ「私達も見てないの。確か一緒に来たんじゃないの?」
ツン「それが・・・ハロだけ逸れちゃって」
アキ「争奪戦開始だな」
毒「優勝者には漏れなくハロをプレゼンツ」
蕪「全力で阻止するお!」
ツン「勝手に商品にしないで!そう、見てないのね」
レイ「ええ、ごめんないさい。見つけたら連絡したほうがいいかしら?」
ツン「ううん、もうちょっと探してみるわ」
何故ここで誰も気付かないんだろうか。
世の中には携帯電話という、便利な代物が有るという事に。
何か面白そうだし、あえて黙っとこう。
ツン「それじゃあ、私達行くね」
蕪「ハロが智途様とフラグを立てるのだけは阻止するお!」
レイ「ごめんね、役に立てなくて」
ナツ「うん、じゃあね」
アキ「あばよー」
毒「さらば、兄妹」
ソウ「またな、相棒」
何時から一心同体になったんだよ。
26 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:06:19 ID:TMvyzH9r
しっかし、随分人多いな。
これも祭りの醍醐味か。
時間は8時半か、ぼちぼち飽きてきたな。
アキ「一通り回ったな、どうする?どっか別のところ行くか?」
ソウ「うーん、俺明日バイト早いんだよな」
ナツ「私も明日朝早いんだよね。ってかキミレポートやるんでしょ?」
アキ「そういやそうだな。帰るか」
レイ「そうね、帰りましょうか」
結局ハロは見かけなかったな、まぁいいか。
アキ「あ、そうだ。零羅ん家寄らないと」
レイ「そうね、ノート渡さないと」
ソウ「んじゃお別れだな、じゃあまたな」
ナツ「私も。またねー」
アキ「おう、じゃーな」
レイ「ええ、また」
俺はそのままレイの家に向かう。

数分歩くと、レイの家が見えてきた。
レイ「ちょっと待っててね」
アキ「あいよ」
レイは家の中に入っていく。
待つこと数分。
レイ「お待たせ、どうぞ入って」
え?ノート渡すだけじゃないのか。
アキ「あ、あぁ。お邪魔します」
中に入る、人気が無いな。
アキ「あれ?親父さん達は?」
レイ「仕事でアメリカ行っちゃったの。母さんも一緒にね」
アキ「へー、じゃあ今一人なんだ」
っと、俺は何を聞いてるんだ。
レイ「そう。一週間くらい前からね」
アキ「そっか」
レイの部屋に入る。
レイ「待ってて、お茶でも出すわ」
居座っちゃっていいのだろうか」
アキ「あー、お気遣い無くー」
いちお言っとく。
レイの部屋久々に入ったな。
俺が言うのも何だけだけど、かなりさっぱりしてる。
普通女の子の家つったらぬいぐるみとか、ファンシーな小物とか、エロ本とか有ってもいい筈なのに。
テーブルと鏡とベットとテレビと机と本棚だけだ。
いや、こういうところに限って何かあるはずだ。
例えばこの本棚に、一冊だけエロ本が・・・。
レイ「お待たせ。って、何物色してるのよ」
いいタイミングでお盆を持ったレイが帰ってきた。
アキ「あぁ、いや。何かいい本ないかなーって」
レイ「言ってくれれば私が渡すわ」
アキ「さ、さいでっか・・・」
27 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:07:32 ID:TMvyzH9r
で、かれこれ数十分位談笑してるわけだが。
って、こんなマターリしてる場合じゃないんじゃないか?
アキ「そろそろ帰るよ、さすがに邪魔だろ?」
レイ「そんなこと無いけど・・・あ、そうだわ」
アキ「ん?」
レイ「もう夏輝とはHしたの?」
ちょwwwこいつは何を言い出すんだwwwww
アキ「ふ、普通聞くか?」
レイ「ということはしたのね?」
アキ「あーまぁな」
別に隠さなくてもいいか、恥ずかしいようなもんじゃないしな。
レイ「そっか・・・」
コーヒーを一口飲むレイ。
一体何なんだ?
アキ「お前、なんか様子が変d・・・っておい!」
こいつ、いきなり人の股間をまさぐり始めやがった。
レイ「以外かしら?私がこんな事するなんて」
アキ「そりゃあな。じゃなくて、何故そこを揉む?」
レイ「ふふ、硬くなってる・・・」
いやいやいやいや、当然の反応だろ。
アキ「おい、質問の答えになってないぞ」
とか何とか言ってるうちに、ズボンのジッパーを開けて俺のモノを取り出すレイ。
レイ「いいじゃない、他には誰も居ないわよ」
アキ「いいじゃないって・・・」
まぁいいかぁ、つーか俺としては賛成だ。
むしろ願っても無いな、こんな事態。
レイ「凄い・・・こんな硬くなってるわ・・・///」
アキ「お前が硬くさせたんだろうが、ちゃんと責任取れよ」
レイ「え?え、えぇ・・・」
俺の開き直った様子を見て、流石に一瞬途惑ったようだ。
それからゆるゆるとモノを扱くレイ。
んー、確かに自分でするのとは一味違うけど。
28 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:08:25 ID:TMvyzH9r
 舐めてくれと頼む
 胸で頼む
[アもっと激しく頼む
な、何故この選択?
もっと別のがあるのに。
フェラとかパイズリとか・・・。
アキ「んー、もうちょっと激しく扱いて貰えるか?」
レイ「は、激しくね。こうかしら?///」
ギュ
アキ「いででで!そんな強く握るなっての!」
レイ「ご、ごめんなさい。力加減がいまいち解らないの」
つったって、力いっぱい握るか?ふつー。
アキ「もうちょい強く・・・あ、そんなもん」
レイ「こ、こうね?///」
アキ「ああ、それでちょっと早く扱いてみて」
レイ「え、えぇ///」
しゅしゅ、っとリズミカルに扱くレイ。
ぎこちない動きだけど、妙にツボを突いてくる。
レイ「あ、何か液が出てきたわ・・・///」
そういって我慢汁を人差し指で掬う。
そしてそれを親指で擦る。
レイ「すっごいヌルヌルしてる・・・気持ちいいの?」
アキ「ああ、零羅も気持ちいいと汁が出るだろ?それと一緒」
レイ「な、何言ってるのよ・・・///」
そういって再び扱き始める。
アキ「あ、そろそろ出そう。もっと早く頼む」
レイ「で、出るって・・・わ、解ったわ///」
扱くスピードが早まっていく。
あー、そろそろ限界かな。
アキ「・・・出すぞ、・・・・・っく!」
レイ「え?きゃあっ!///」
俺のモノはビクっと震えると、そのまま精液を零羅に向かって放つ。
それは零羅の手だけじゃなく、顔にまでかかってしまった。
青臭い匂いが部屋に充満する。
レイ「か、顔に・・・///」
アキ「ふぅ・・・。あ、悪い。ティッシュは・・・」
テーブルにあったティッシュを2、3枚とって渡す。
レイ「あ、ありがと・・・」

アキ「しっかし、驚いたな」
レイ「そうだったかしら?」
とりあえず顔を洗って、着替えてきたレイ。
俺はその間飛び散った精液の処理をしといた。
アキ「ああ、普段こんな事されなからな」
レイ「そうよね、ごめんなさい」
アキ「いや、謝られる事じゃねぇよ。寧ろ感謝してる位だ」
レイ「そ、そう。あ、ノートだったわね・・・」
アキ「あ、そういやそうだったな」
危ねぇー、本来の目的を忘れるところだった。
29 名前: 祭りだよ! [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:09:32 ID:TMvyzH9r
レイ「はい、月曜に返してくれればいいわ」
アキ「ああ、サンキュー。それじゃそろそろ帰るわ」
レイ「ええ、気をつけて」
俺と一緒に立ち上がるレイ。
おや、見送ってくれるのか。
アキ「見送ってくれるのか、優しいねぇ」
レイ「そ、そんなつもりじゃないけど・・・」
そのまま部屋をでて、玄関まで行く。
アキ「それじゃーまたな」
レイ「またね、秋斗」

さーて、コンビニでも寄って帰りますか。
空を見上げると、星が見えないに気付いた。
明日は雨か?欝な一日になりそうだ。
30 名前: 592 [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 19:12:19 ID:TMvyzH9r
キャラをばんばん出すと読み手が追いつかないという罠。
そして79氏、正直スマンかったorz
だが後悔は(ry
31 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 22:21:29 ID:i3p0E7+q
ホリデイだ!
32 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/26(土) 02:16:14 ID:r80QioIx
>>30
ユリ→ツンの呼称は秋奈先輩
荘一の『兄弟』の変換は異常、もとい正常

その時ハロは!?
33 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/26(土) 02:35:37 ID:r80QioIx
そろそろ79氏との付き合いも一年になるなぁ
ログを読み返すと毎週毎週ツンを叫び求めていた日々が痛々しい
今も変わらないが

昔投下された、しのた編の2話目(たぶん)に『覚醒編』がちらほらしてるから復習することを各人に通達


color、昔書いた奴の作風(キャラとか背景とか。昔は『タカシ』に『かなみ』だったwww)を整えたヤツだからエロ部分は薄い。っていうか何より『小説やら漫画やらの、本番が嫌い』なので。
ごめんなさい。

その分日常パートは書き下ろしです。
戦闘シーンは無駄に頑張ってます。デコイはACです。
あのゲームは実は結構重要になってきます。
ハロ覚醒編次第ですが。

フランちゃん。前はちなみでした。しかしいつのまにか色で責めてきたので、赤、青、緑が出ましたから次は黄色だろうと

はい、女の子らしい名前が出てきません。ならばと黄色に近い英語で押して『サフラン』
女の子っぽくするために『フラン』と。ならばハーフだ、と。解説しなきゃわからないような設定ですね
フランは家のネコの名前だったりします。♂です。…orz


ちなみに最近私は吹き出しに名前を入れないよう努力してます。結構しんどいです。
ブーンとドックンは知りません。

変な約束しなきゃよかった…
34 名前: リアルの人 [sage (´・ω・`)] 投稿日: 2006/08/27(日) 12:57:35 ID:Ychameqj
誰もGJとは言っていないぞ
だからこそ言える
誰GJとな
上二人GJって言ってやれよ
35 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/27(日) 13:06:13 ID:cd1OvSWH
言わなくても伝わる愛ってあると思ったんだ…

GJ!!
36 名前: 502 [sage] 投稿日: 2006/08/27(日) 22:09:43 ID:azt4hJUD
GJ!
自分も夏祭りネタ書こうとしてたのに…
ってこればっかだよ漏れorz
思い立ったら即行動を心がけます。
つ[]
とりあえず挿絵にする予定だったイラストだけ貼り。
SS本編はこのままいくと九月になっても完成しなさそうだからせめてこれだけでも。
ttp://freewayword.hp.infoseek.co.jp/01.png
マイSSより一葉。
37 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 01:46:07 ID:VSQTX4wo
>>33
激しく見覚えがあると思ったら書いた人本人だったのねww
GJですよwwwww
38 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:22:57 ID:3lprgLC9
「『モルスァ』みたいな声」ってどんな声なんだろう
>621
やっぱ読んでからカキコしてなかったな!ええ!?たかし!(元ネタ秘密
>622
温めていたネタだったんだそれ
>623
けも耳属性に覚醒するのが
ごめんなさい嘘です
>592氏/らっせのパロ
序盤:こんな感じで書いてたかな自分?
 ↓
終盤:この強姦魔ァァー!!(´・ω・`)ぶち殺すぞ
>633
タイミングとしてはせめて18時間から一日は開けて欲しいのう
>636
だって着物を着たツインテの炉利っ子がそんな言葉遣いだったら
>637
せやかてうち絵ぇ下手やもん
>638
そうか。
>639
↑そこに反応してどうする
現行>color(鳥が「マジかよんP咥え淫夢」に読めておもしろかったのに・・・)
>17>18(リアの人)もそうだが毒男も蕪雲も人気だな
使いやすいんだろうか・・・
>592氏/祭りだよ!
智途真似できてるのに感心した。難しいのかとお母さん心配で心配で・・・
ところで蕪雲「濡れ」じゃなくて「漏れ(=俺)」ですけんど
>31
もうめっちゃホリデイや!あ、月曜じゃん今日
>33
最初誰だかわからんかったよ
>ハロ覚醒編次第ですが。
そうなん('A`)?よくわかんないけど
39 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(1/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:23:45 ID:3lprgLC9
夏が終わろうとしている。
気は早いが、大晦日が来ればウィッシュと出会ってからちょうど一年が経過する事になる。
一年前は予想だにしていない状況だよな、今の俺。
『願いの精』なんてファンタジックなものに会いに行こうとしているんだぞ?
しかも夜に、お忍びのように、ほぼ毎日。
そいつが寂しがる事のないように、だとさ。
俺が超優秀な預言者で、このことを予知したとしても『いや、なんでもない』で片付けちまいそうな事だ。
剰え神聖な存在かもしれないそいつに俺は幾度と無く・・・いやいや。
ちょっとテンションがおかしいようだ。
落ち着こう。
ハロ「はー・・・」
夜空を見上げる。
小学校で習ったことがあるような星座が見えた。
あれを見る限り、今は夏?なんだろうか?何を表すのか全く覚えてないな。
ウィッシュは知ってるかな?
何かあいついっつもボーっと空見上げてるし。
だからといって詳しいわけじゃないよな。せいぜい開いた口に虫が入ってきて咽るのがオチだ。
と、口を開け夜空を眺めながら、俺は神社に至った。

ウィッシュは縁側に座って、祈りを捧げていた。
こういう時ウィッシュは本当に集中しているので、俺が近付こうがわからない。
そのためいつもいつから居たのかと驚かれるのだ。
どんなことがあっても、お祈りが欠かされる事は無かった。少なくとも、俺の見てきた限りでは。
俺はウィッシュと少し距離を取った辺りの縁側に座り、同じように祈りを捧げた。
今から祈ってウィッシュに届くかはわからないが。
ウィッシュが人間になれますようにと。
・・・今は慣れたからさらりと言うけど、結構お花畑な願いだよな、これ。俺は五歳児か。
ウ「んー・・・」
ハロ「ん?」
ウィッシュが唸り声をあげたのでそちらを振り返る。
しかし真剣に祈りを捧げるウィッシュの姿があるだけだった。
ハロ「(独り言かな?)」
もしくは寝言とか。
こんな縁側で寝ないでくれよな。風邪引かないとは言え。
俺は少し気になったが、再び向き直した。
ウ「あ!」
ハロ「おう、終わったか」
ウィッシュは縁からぴょんと飛び降り、俺に歩み寄った。
ウ「来てくれたんだ」
ハロ「昨日も来ただろ」
ウ「うん。一昨日も来たね」
ハロ「うん、まあ。別にそこまで遡らなくてもいいんじゃないか?」
ウ「だって嬉しいもん」
無垢な笑顔を浮かべるウィッシュに、俺は少し照れくさくなった。
ウ「じゃ、中入ろっか」
ハロ「ああ」

ハロ「・・・しかし、こんな事ちまちまやってて意味あるのかな」
ウ「ほえ?」
ハロ「『ほえ?』じゃない」
40 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(2/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:24:29 ID:3lprgLC9
ウィッシュには人の願いを叶える能力がある。
まあ、だからこの神社に精霊として存在しているわけだけど。
ウィッシュの願いを俺の願いとして叶えられればと、俺は祈りに来ているんだけど・・・
願いは一向に叶いそうにない。
ハロ「俺の願い、届いてるか?」
ウ「うん。聞こえるよ」
ハロ「叶いそうか?」
ウ「うーん・・・」
俺も願い事態に矛盾はあると思う。
だって人間になったら願いは叶えられないわけだから、パッと人間にならないと中途半端になってしまう。
理屈で考えられない領域だからなんとも言えないけど、やはり無理なのか。
ウ「やっぱり、まだ自分勝手なのかなって思うよ。このまま私がここ離れちゃったら、願いは叶わないし」
ハロ「代わりの人柱も今は居ないからな」
ウ「うん・・・」
ウィッシュは、半ば諦めているのかも知れない。
ハロ「そうか。・・・」
そう思うと、俺の心に途方も無い寂しさが滲み出てきた。
結局、ウィッシュは居なくなるのではないか。結局、俺は何もできないのではないか。
常に否定し続けなければならない当然の考え方を否定できなくなるから。
想像はしたくない。
だが、実際は彼女でさえそれを望み始めている、と言うのか?
ウ「ね、ハロ」
ハロ「ん?」
俺はそんな悲憤を抑え、平静を装ってウィッシュのほうを向いた。
ウ「手、合わせて」
ハロ「手?」
俺は言われたとおりに軽く手を合わせた。
するとウィッシュはその上から、小さな手で俺の手を包んだ。
わけがわからないが、ウィッシュは目を閉じた。
特に何が起こったわけではない、が、時が止まったかのような不思議な時間があった。
ウィッシュは手を離した。
ハロ「??なんだったんだ今の?」
ウ「ちょっと、おまじない」
ハロ「おまじない?」
ウ「こうやって近くで手を触れ合える事って、実は幸せな事だと思うんだ」
ハロ「ああ、そうだな」
俺は深く考えずに返事をした。
ウ「別に、えっちなことすることだけが幸せじゃないって――」
ハロ「待てコラ。何気に俺がけだものとして幸せを説かれてるような気がするんだが」
ウ「冗談だよ」
ハロ「確かに俺は頻繁にウィッシュを求めたかもしれないが、それは上の都合で・・・」
ウ「上?」
ハロ「要するに俺にも反省すべき点があったと」
ウ「あ、そうなんだ」
全部『要するに』でまとめてしまえば何でも納得してしまうのがウィッシュだ。
ウ「ん〜・・・」
ウィッシュは目を擦って眠そうにしている。
ハロ「なんだ?疲れたのか?」
ウ「ちょっと気合入れて祈りすぎたかも・・・」
ハロ「そうか、ゆっくり休め」
41 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(3/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:25:14 ID:3lprgLC9
精霊でも疲れることがあるらしい。
行為の後でも消耗してたりするからな。
ウィッシュの場合、電池が切れたようにコテンと眠ってしまうから後片付けが大変なんだよな。
いい加減巫女服の着せ方も覚えたしかなり手馴れて・・・駄目だ俺orz
元々幼い体だからなぁ。
まずい。妄想に耽る所だった。
今日しなかったのにこんな所で溜めてどうするんだよ。
家に帰って床に就いたときに由梨が俺の部屋に枕抱いて入ってきて『おにいちゃん、・・・
まずい。妄想に耽る所だった。
今日しなかったのを言い訳に妹としてどうするんだよ。
ちょっとテンションがおかしいようだ。
落ち着こう。

その日、由梨は俺が帰った頃には既に眠っていましたとさ。

翌日。
俺は夕食を摂った後、いつものように由梨に後ろ指を差されながら家を出た。
今日も晴れだ。
雲ひとつ無く、満天の星空が俺を出迎えた。
しかし、今日は風が無く少々蒸し暑い。
ハロ「今日はどうしよう・・・」
思わず呟く。
待て。別に、えっちなことすることだけが幸せじゃない。
でも拙者健康な男児であるゆえ、事項の上では優先の位にあることであって。
はい、すいません。
でもウィッシュだって喜んでるし・・・いや。
あれは慎んでくれって事じゃないだろうか?
俺はくだらない事で悶々としながら神社へと向かった。

縁側にウィッシュの姿は無かった。中に居るのだろう。
俺は裏側に回り、戸をノックした。
しかし、返事は無かった。
ハロ「(寝てんのか?)」
俺はそおっと戸を開けた。
ハロ「ウィッシュ?」
流石に寝てるのを起こすのはまずいからな。
どうしよう?姿だけでも確認して帰るか?それともこのまま引き返すか・・・。
そう思っていたのだが、体は前者の方向で動き始めていた。
しかし、見る限り、ウィッシュの姿は無い。
寝所にも無い。況してや外にも居ない。
どこにも居ない。
ハロ「こんな夜遅くにどこほっつき歩いてんだあいつは?」
このままでは不法侵入とかで訴えられても已む無しな状況だな。いったん出るか。

結局、神社のどこにもウィッシュの姿は無く、俺は仕方なく神社を後にした。
きっと、ウィッシュにも何か用事があるのだろう。
・・・しかし、会えずに何もしないで帰るってのは悲しいもんだな。夜道を一人とぼとぼと。
急に残暑が暑く感じられてきた。
ハロ「残暑が、厳しいざんしょ・・・」
よし、涼しくなってきた。
42 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(4/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:25:58 ID:3lprgLC9
だが実際はどうだ。
その日だけではない。
その次の日も、その次の次の日も、その次の次の次の日だって、ウィッシュは居なかった。
どこにもだ。
ようやく俺は気付かされた。
――ウィッシュの失踪を。

急に夢から現実へと無理矢理引き出された俺は、何もすることができなかった。
ほとんど何もしていないのと同じだった。
放課後は毎日神社を捜索するが、その姿は無い。
気付くと、縁側に座って放心していた。
左を向くと、地面に放り投げられた鞄が横たわっていた。
俺はふらふらと歩き、それを拾ってまた縁側に座った。
ハロ「・・・・・・」
ため息も出ない。
夜の神社の縁側で一人、がっくりとうなだれて座っているだけで、『帰り』を待つ状態でもなかった。
ハロ「・・・して」
どうして、居なくなってしまったんだ。
どうせ、すぐ帰ってくると思っていたのに。
人間になろうって約束は諦めてしまったのか?
ずっと一緒だって言ったのに。
あれは嘘だったのか?
俺はどうすればいいんだ?
教えてくれ。
酷い。
嫌だ。
こんな所で終わるのは嫌だ。
勝手に来て、勝手に消えちまいやがって。
何が『自分勝手な感じがして嫌』だ。
いつの間にか、俺の頬に涙が伝っていた。
最低だ。
最悪だ。
俺を独りにするな。
どうせだったら俺も連れて行ってくれればよかったのに。
消えるなら俺も消えればよかったのに。
ウィッシュが居ない。
どこにも居ない。
姿が、声が、ウィッシュがやがて記憶から薄れていってしまうのが怖い。
忘れるのが怖い。
でも戻ってこない。
・・・・・・。

――それから一週間が経ったが、ウィッシュが戻ってくる事は無かった。
ハロ「ウィッシュ」
ハロ「遊びに行こう」
ハロ「お前が好きそうなところ見つけたんだ。ちょっと遠いけど、金なら俺が出すから」
ハロ「今日は忙しいか?なら仕方ないけどさ」
ハロ「お前が祈ってるとこ、見てていいか?」
ハロ「最近、変わった人来たか?変な願い事とか無かったか?」
ハロ「なあ、ウィッシュ・・・」
43 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(5/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:26:38 ID:3lprgLC9
激しく、処理しきれないほどの感情が止め処無く湧き、せめぎ合い、俺の精神は限界に達していった。

ハロ「・・・・・・」
ハロ「・・・・・・」
ハロ「・・・・・・」
ハロ「・・・・・・」

ハロ「・・・・・・はッ」
ハロ「ははははははははははははッ!」
ハロ「くっくっく・・・ははははははッ!!」
ハロ「あ、ぁあ、あ・・・」
ハロ「・・・・・・」

ハロ「・・・・・・」
駄目だ。
もう駄目だ。
何も見えない。
何をしたらいいのかわからない。
どう贖えばいいのかわからない。
何も無い。

ようやく、今俺の居る所を把握した。
いつか、ウィッシュが俺の手を包んでくれた、あの部屋だ。
あの部屋だ。
ハロ「――」
俺はその場に倒れこんだ。

ツン「ハロ、今日も休みなんだ」
机に頬杖をつき、隣のあいつの席を一瞥する。
蕪「風邪でも引いたのかお?」
毒「電話するよろし」
ツン「それがね、携帯家に置きっぱらしいのよ。何度掛けても出ないし」
蕪「何のための携帯だお(;^ω^)」
おかしい。
絶対におかしい。何かあったんだわ。
ユリ「秋奈先輩」
突然、由梨ちゃんが教室に入ってきた。
ツン「授業始まるわよ?どうし・・・」
ユリ「おっ、おにいちゃんが、帰ってこないん、です」
ツン「・・・え?」
ユリ「私、どうしたらいいか・・・!」
由梨ちゃんの目が涙で滲む。
ツン「ハロ・・・」
帰ってこない?どういうこと?
ツン「わかった。落ち着いて。また後で話しましょう」
ユリ「は・・・い」
一体何が・・・。
毒「由梨ちゃんを泣かすほど心配させるとは邪知暴虐。必ずやこの俺が」
ツン「話ややこしくなるから後にしてくれる?」
毒「・・・('A`)」
44 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(6/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:27:23 ID:3lprgLC9
ユリ「実は・・・」
放課後の教室。
そこには私と由梨ちゃんが二人だけ居る。
ユリ「けっこう前、おにいちゃんが放心した感じで帰ってきて、それから毎日どこかに出かけて・・・」
ツン「・・・出かけて?」
ユリ「二日前から、帰ってきてないんです」
帰ってきてない?
私にはとても信じられなかった。
なんで早く教えてくれなかったのか――怒鳴ってやりたくなったけど、今はそれどころじゃないから。
それに・・・なんだか、怪談話を聞いているようで、不気味だった。
ツン「捜すわよ」
ユリ「え?」
ツン「捜すのよ!駄目よ。そんなの駄目。絶対に駄目!」
ユリ「先輩・・・」
ツン「あんたも、ハロが居なくなったら嫌でしょ!?捜すのよ!ハロが行きそうなところはどこ?」

ハロ「・・・・・・」
いつまで経っても、俺は空虚の中に居た。
目は開いてるのか、閉じてるのかよくわからない。
涙は出ているのか、止まっているのかよくわからない。
わかる必要は無い。
何もしたくない。
そんな空虚を、彼女は乱暴に打ち砕いた。
ゴリッ
倒れている俺の頭を踏みつける足。
ハロ「(誰だ・・・)」
俺は意識を取り戻した。
足は、俺の頭蓋を踏み砕かんとばかりに体重を乗せてくる。
ハロ「誰だ」
?『誰?』
――声。
誰の声にも反応しなかった。しかし久々に聞いた、懐かしい声。
ハロ「ウィッシュ?」
恐る恐る尋ねた。
ウィッシュならこんな事はしないからだ。
ウ『そうだよ。君の好きなウィッシュだよ?』
ハロ「・・・ふざけやがって。お前は違う。誰だお前は!」
ウ『そんな事言うと、私"また"消えちゃうよ?』
ハロ「――!」
その言葉が嘘かどうか確かめる前に、俺は凍りついた。
ハロ「・・・待て」
ウ『冗談に決まってるじゃん。大好きな君の事、私が放って行くとでも思った?』
ウィッシュ?は足を離した。
俺はゆっくりと起き上がり、胡坐をかいた。
目の当たりにしたウィッシュは、やはりウィッシュではなかった。
姿こそウィッシュそっくりであるものの、元の金色の部分は赤く染まった・・・
赤髪、赤眼のウィッシュが目の前に立っていた。
その瞳は、元の優しさは全く感じられず、さながら蛇のような鋭さを放っていた。
俺は驚きのあまり、しばらく声が出なかった。
"何がウィッシュを変えたのか"と。
45 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(7/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:28:00 ID:3lprgLC9
俺は赤髪のウィッシュが本物かどうかということを最早、疑いもしていなかった。
まがい物とはいえ、『ウィッシュ』が俺の心を突き動かしつつあったからだとも言えただろう。
ウ『私が居なくて、寂しかった?』
ウィッシュが口を開いた。
答えなければ。
俺は動かなくなった脳を無理矢理動かし、返事を考えた。
ハロ「ああ」
ウ『そっか』
何がおかしいのか、ウィッシュは嘲笑を浮かべて俺を見つめている。
やはり、こいつは違う。
だが、離れる事はできない。もう壊れたくない。
ウ『じゃあその涙は感動の涙なんだ?』
涙・・・?
感動?感動した感覚は無い。むしろ恐怖に近い。
既に一緒に多くの時間を過ごし、たくさんの思い出を築いてきたウィッシュが、目の前に居て居ない。
居るのに、全然居ない。
ハロ「・・・あ」
俺はウィッシュに対して言う言葉が見当たらなかった。
俺は・・・俺はウィッシュをウィッシュであると完全に信じる事にした。
ハロ「お帰り、ウィッシュ。寂しかった」
ウ『さっき聞いた。それより、今はそれどころじゃないでしょ?』
ハロ「・・・え?」
ウ『私が何だかわかる?』
ハロ「ウィッシュだ」
ウ『そう。でも私は裏側の方』
ハロ「裏側?」
ウ『ウィッシュの中の"罪悪感"。それが無いと思ってないでしょ?』
ハロ「人間になる事へのためらい・・・」
ウ『そう。私の中でそれが勝って、私は結局今のままで居る事を望んだんだよ』
ハロ「・・・嘘だろ?」
ウ『嘘じゃないよ』
ハロ「ふざけるなよ」
ウ『君よりふざけてないけど』
ハロ「ずっと一緒だって誓ったじゃないか!」
ウ『そんな事もあったなあ・・・』
ハロ「・・・・・・」
俺はまた言葉を失った。
立てた誓いが、俺の目の前で尽く崩れていくのを感じた。
ウ『そう言えば』
ハロ「?」
ガッ
ウィッシュは俺を蹴倒した。
ウ『私、よく君におもちゃにされてたっけ』
ウィッシュはしゃがみ込み、右足の裏をそっと俺の股間に当てた。
ハロ「や、やめろ、ウィッシュ・・・」
ウ『どうかな?本当は願ってもないチャンスでしょ?』
そう言いながら、足でズボンの上から竿を扱き始めるウィッシュ。
ハロ「あ・・・ぅ・・・」
ウ『ほら。どうせ溜まってると思ってたんだ。禄にオナニーもしてないでしょ?』
ハロ「駄・・・やめろ・・・」
46 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(8/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:28:37 ID:3lprgLC9
俺はウィッシュの足首を掴んだ。
ハロ「やめろ、このままじゃますます元には戻れなくなるぞ・・・」
ウ『今更何の脅しにもなってないんだけど?』
ウィッシュは制止を振り切り、更に足の動きを早めてくる。
それと同時に、押さえる手の力が抜け、手が離れてしまう。
ウ『じゃあ、何回寸止めして欲しいかな?』
抵抗力を失った俺のベルトを容赦無く外していきながら、そう言った。
言葉遣いは変わらない。だが、優しいようで恐ろしい口調。
ハロ「(ウィッシュが・・・面影を失くしていく・・・)」
俺は酷い絶望感を覚えた。
ウ『ふ〜ん、そういえばいつもこんな棒で私の事いじめてたよねえ』
下着まで脱がし終え、露出したそれを指でつつきながらそう言った。
ウ『ま、いじめ返すのは後にして、とりあえず一回抜いておくね』
ウィッシュは両足でしっかりと挟んできた。
俺は覚悟した。
ウ『あはは、何だか君が従順で面白いよ。それそれ!』
ウィッシュは早めのペースで扱き始めた!
ハロ「が、あぁ・・・ウィ、ウィッシュ・・・!」
ウ『うわ、すごい滑るね。やっぱ足でされるなら誰でもいいんだ?』
ハロ「ち、ちが・・・!離して・・・!」
ウ『やだ』
ハロ「あ、あ・・・」
な、何で俺がウィッシュに責められてんだ?
もうわけがわからない。嘘であって欲しい。全部嘘で。元のあの日に戻りたい。
ウ『じゃ、そろそろ出るよね?』
言われるとおり、俺にはもううずうずとこみ上げて来ていた。
これ以上擦られたら本当にイってしまう。
ハロ「やめて・・・ウィッシュ」
ウ『やだ』
ハロ「くっ――!」
ウ『あ!』
ウィッシュの足に先端を挟みこまれたまま、俺は勢いよく射精してしまった。
ウ『ほら、足に中だし。もう君は当分これで十分でしょ?』
べとべとになった足袋を俺に向ける。
ハロ「ふ、くっくっく・・・」
ウ『な、何?』
ハロ「はっはっはっは!」
ウ『どしたの?おかしくなったの?』
ハロ「全然、悔しくもなんともない。やっぱりお前はウィッシュだ。俺の空虚を埋めてくれる」
ウ『わけわかんないんだけど』
ハロ「全然寂しくないんだよ。何言われても、何されても。ありがとう。戻ってくれて」
ウ『足コキされて満足したの?』
ハロ「さ、ウィッシュ、お前を元に戻す手立てを考えるぞ」
ウ『その前にきれいにしてよ』
再び足を差し出すウィッシュ。
ハロ「う・・・そこまでやるのか」
ウ『独りで満足するのってずるいよね?』
開き直った俺でも相当の屈辱だぞ・・・。
ウ『あはは、くすぐったい』
ハロ「(・・・くそ)」
47 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編8(9/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:29:15 ID:3lprgLC9
そういうわけで、ウィッシュは俺の元へ戻ってきた。
姿かたち、性格こそダークになったものの、俺にとってはウィッシュに変わりない。
けど、これで満足する気は無い。
ウィッシュが自分から暗○面を見せてくれた事で、より正直に向き合えるような気がしてきたから。
すこし前向きすぎるような気もするが、これはきっと一度どん底まで落ち込んだからだな。
何より。
ウィッシュはあの時、あのまま野垂れ死にそうだった俺の前に現れてくれたじゃないか。
必ず元に戻してやるからな、ウィッシュ!
どんなに傷付けられようと、蔑まれようと、誹謗・中傷・殴る・蹴るの暴行を加えられようと、だ!
天気は快晴。
素晴らしいね。ただ、ちょっと腹減ったかも。
おお、もうすぐ我が家だ。
ユリ「あっ!おにいちゃ〜ん!」
由梨が涙を浮かべて走り寄って来て、そのまま抱きついてきた。
ユリ「よかった、よかったぁ〜!」
咽び泣く由梨の頭を優しく撫でてやる。
ハロ「心配かけたな」
ツン「ハロ・・・」
ハロ「あ、ツン・・・」
玄関の前には、何故かツンが立っていた。
ツン「三日間も、どこに居たのよ?」
ハロ「神社だ」
ツン「・・・は?神社?」
ハロ「ああ。俺悪霊に取り憑かれてしまってな、そこを通りかかった霊媒師さんが三日かけて祓って―」
ユリ「悪霊!?」
露骨に体を離すな、由梨。
ツン「本当の事言わないと・・・」
ハロ「わかった。家で話そう」

今日は日曜日だったらしい。
ツン「前に一回だけ会った事あるけど、あの子ね。ふーん」
ツンはグラスの氷をストローでかき回しながら、不機嫌そうに言った。
ちなみに、あまりにファンタジックなゾーン他いろいろを省略して話した。
要するに『付き合っていた巫女さんにフられヨリを戻すのに数日かかった』と伝えた。
ユリ「もう、そんな事であんなに落ち込まないでよね!」
ハロ「はは、ごめん」
省略しないほうが良かったかな。
ツン「なんか、拍子抜けしちゃった。私帰る」
ハロ「え?あ、うん、ごめん、わざわざ」
ツンはすたすたと帰ってしまった。
後でちゃんと謝ろう・・・。
ユリ「ねえ、今度その子と会わせてよ」
ハロ「はい!?無理無理!」
ユリ「恥ずかしがらなくてもいいじゃん、いつも家に誰か連れてくるくせに。もしや本命?」
本命ですけど。
ハロ「いや、色々芳しくないから今度な」

神社。
ウ『ちっ・・・』
48 名前: 79 質問35 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:30:01 ID:3lprgLC9
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「次回で3クール目に突入するラスエ。だが何もできない」
ハロ「何かやって下さい。ゲストは裏ウィッシュ」
ウ『ども』
(´・ω・)つ[]<月岡分を要求
79「要はツンきぼんぬ」
ウ『言い方変えただけじゃん』
つ[]<そろそろウィッシュ補給お願い…
79「補給したよ」
ウ『みんなの大好きなウィッシュだよ』
蕪「(すげえ反感買いそうで怖いお)」
79「(それは奇遇。実は当方も)」
つ□<エルナを下さい。
79「だそうだ。召喚!」
蕪「何平然とやってのける!!?!?」
エル「何?・・・ああ、ハガキ?ふーん」
ウ『偉そうな女のひとだね』
エル「私が欲しいの?じゃあ夢の中で会いましょう。すり潰してあげるわ」
蕪「ガクブル」
つ[]<見事なナックルボールが欲しいので、しのたを要望したいです
ウ『何の脈絡も無いね』
79「きっとしのたは心得てるんだ。しのたん!」
し「はい。なんですか?・・・ナックルボール?なんですかそれ」
蕪「まず知らねー件wwwww」
つ[]<そろそろ相関図の改訂版が必要な時期ですかねぇ…
79「ほい」
ttp://syobon.com/mini/src/mini29332.png_UD11Bmr7XEQSPG3FGiuz/mini29332.png
つ[]<しかし毒男もハロ達の部に入っちまえば良かったのに
79「まあ毒男は無部が基本だろ」
蕪「帰宅部だお」
ウ『そんなの変わんないよ』
79「んでお前んとこの部活は?」
蕪「THEサンクチュアリ(ry」
ウ『無部のほうがマシに思えるけど』
蕪「何だとこのやr」
ウ『不幸になれ』
蕪「ぐおおおおおおおおおおおくぁw背drfgtyふじこlp;@:」
79「((;゚Д゚))」
つ[] (゚Д゚;)何?
49 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:30:49 ID:3lprgLC9
もう3スレ目か

ちゃんと貼ろうな。ごせんぞさまはたいせつにしておけ
初代スレ ツンデレにこれって足コキだよなって言ったら
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123282035/

呼び名とかまとめようと思ったけど想像以上に多くて飽きた
ttp://syobon.com/mini/src/mini29333.gif_X2mLVmHNlkOGOGhhVnxd/mini29333.gif
50 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 02:50:46 ID:1HifqVR1
待ってました!
ついに裏ウィッシュ解禁!!なんか色んなエロゲが詰まった気がそこはかとなくするお話ですた

壊れたか開き直ったか微妙なハロ
頑張れ、めっちゃ頑張れ

果たして、ツン編にドラマはあるのか!?


つ[]<ウチのキャラを使(文字が擦れて読めない)
秋と紅葉でどこかへイケるはず!



誰GJ!!
51 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 03:01:26 ID:1HifqVR1
>相姦…相関図
とうとう蕪雲とハロが剥離したwwwww
チト様→蕪雲が悪化しとるwwwww

>呼称表
投げすぎ
52 名前: 592 [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 03:03:34 ID:ojj2N0xu
誰(ry GJ!二重人格ktkr!
なんかカルマ聞きながら読んでみた
うん。特に深い意味は無いんだ、鏡なんだ僕ら互いに・・・ゲフンゲフン

漏れと濡れの違いが・・・見破られた!orz
相関図はほんとに助かったよ母さん。
つ[]Sキャラを更に責めてみたい俺を許してください
53 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 03:15:56 ID:UrprB+bO
>>79
ぐっじょぶ!
裏ウィッシュ・・・恐ろしい子!!
>>592
誰(ry って先に二人おりますが?
俺も濡れと漏れ間違った事あったよ
54 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 03:29:28 ID:VSQTX4wo
ユリから「失せろ」すらないところが毒男だなwwwww
55 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 19:57:40 ID:8k2rxYEJ
つ[]正直ハロって誰が本命?
56 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/28(月) 20:20:14 ID:1HifqVR1
前々スレから前スレを読み続けるんだ
57 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/29(火) 01:07:23 ID:VdC+pbR/
裏ウィッシュがついにでた
いいな。
つ「}毒が一番いいと思うシチュは?

>>55
つ平行世界
58 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/29(火) 02:43:53 ID:nnVlC7ja
(´・ω・)っ[]<ジュワッジュワジュワジェアッ?
59 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/29(火) 19:26:37 ID:1sUyHwA1
あえて592氏にいってみるテスツ
つ{}なっちゃんをください。
60 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/30(水) 08:38:06 ID:TMgMKpLp
裏ウィッシュと聞いて歩いて来ました。
エムさんが一人減ってしまいましたね……



つ[]~[] ←ヌンチャク
61 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/30(水) 13:45:18 ID:GsbjZypE
79氏FJ!
しかし、黒ウィッシュと言うよりは赤ウィッシュの方が合うな
勿論意味的な部分で言ってるのは分かるんだがな、曲げない自分が情けない…

つ[]秋になったら文化祭ネタとかやるんですか?
62 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/30(水) 15:08:18 ID:22bizj2p
今気付いたんだが保管庫のアドレス張ってなくね?
俺はブックマークしてなかったから張れん
63 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/30(水) 15:41:02 ID:PO/mXrLW
保管庫
ttp://tundereeroparo.web.fc2.com/index.html
64 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/08/30(水) 23:44:11 ID:t38bStQO
ビックリフラッシュを踏んだおかげで、裏ウィッシュがそれを連想して
怖い(((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

足コキの前までだけど。テヘ
65 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/02(土) 10:37:15 ID:eCRumhsE
呼称表に気をとられて相関図を見逃してしまった件
発覚した瞬間胃がシクシクしてきたww
載ってる人数は増えたのかな?
次の相関図を待つww

つ[]今更だけど足コキってすごいよね
66 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/02(土) 20:54:09 ID:spc+t430
時に聞きたかったんだが
裸吸えってのはどういう位置なん?

ルート選択から個別シナリオに入りましたってこと?

つ[]<僕の世界の中心は、しのただ
67 名前: 592 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:09:53 ID:sHsCBP7C
>>53
読むのに没頭して更新を押さなかった罠

そして流れを読まず投下っと
68 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:10:17 ID:xDyx1Mjo
つ[]<じゃあ僕の世界の中心は・・・あれ?真っ白なんですが
69 名前: まともな日常 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:11:23 ID:sHsCBP7C
学校の昼休み。
私はアキ達と昼食を食べていた。
ナツ「ねぇ、キミっていっつもヘッドフォンしてるね」
アキ「ん?そりゃー俺の必須アイテムの1つだからな」
ソウ「こいつヘッドフォンには拘るんだよな」
アキ「ああ、ネックバンド式じゃないと嫌なんだ」
ナツ「どんな音楽聴いてるの?」
アキ「聞いてみれば判るよ、ほれ」
アキは私にヘッドフォンを渡す。
私はヘッドフォンをかけてみる。
【ミコミコナース!ミコミコナース!ミコミコナース!ミコm】
バッ
急いで外す。
でないと洗脳されそうだった。
ナツ「こ、こんな歌聴いてるの!?」
アキ「嘘だよwwwwそんな電波ソング聴くかよwwww」
ソウ「何故それをipodに入れてる・・・」
ナツ「もぅ!馬鹿にして!」
アキ「ほんとはこっち」
ナツ「今度は変なのかけないでよ?」
アキ「平気だって。聴いてみ」
再びヘッドフォンをつける。
【嘘をつく貴様らの舌なんてチョン切って捨ててやる!】
速すぎて何言ってるか判らないけど、なんとなく気持ち悪い。
ナツ「何これ・・?何か怖い感じがするけど・・・」
ソウ「ちょ、赤い鈴かよ」
アキ「名曲だ。まぁ素人にはお勧め出来ないな」
ソウ「3連オルタ多いしな。ってか素人にお勧め出来るの聞かせてやれよ」
ナツ「ふーん・・・良くわかんないの聴いてるね」
そういって、ヘッドフォンを返す。
アキ「ま、音楽は俺にとって、水より大切だからな」
ソウ「一部のアーティストだけだがな」
キーンコーンカーンコーン
あ、昼休み終わっちゃった。

さて、放課後だな。
俺は今日、朝からずっと考えてたことを言うつもりだ。
空中庭園に行って、ある人物を探す。
あ、居た。
アキ「長岡ー」
チト「ん?諏訪か。どうs」
蕪「智途さまぁぁああああ!」
チトの後方から奴が通常の三倍で近づいてくる。
ヒュ、バキャ
チトは振り向かずに鞄を投げて、蕪雲に当てた。
蕪「見事なコントロールだお・・・」
崩れゆく蕪雲、いとあはれなり。
アキ「手馴れたもんだ」
チト「鞄が汚れるだけだ。で、何か用か?」
拾った鞄をパンパンと叩きながら言うチト。
アキ「あぁ、だがあんま人に聞かれたくない話しでな。ちょっと場所移動しないか?」
チト「・・・そうか、判った」
こんだけ素直ってことは、心当たりがあるんだな。
70 名前: まともな日常 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:12:24 ID:sHsCBP7C
夕暮れの教室、うーん・・・写真になりそうだ。
流石に俺達以外誰も居ない。
アキ「さて、単刀直入に言うが」
チト「ああ、何だ?」
アキ「お前、俺とナツがヤってた所、見ただろ?」
チト「・・・・・・・」
言ったとたんに、無言。
・・・・・・・・・・・・・・あ、あれ?誤爆?
だが俺は、じーっと長岡を睨む。
チト「ご、ごめん。あれは・・・その音楽室に・・・忘れ物を取りに行ったら・・・声がして・・・」
やっぱり、俺の推理もバカに出来ないな。
そのまま黙って睨み続ける。
チト「そ、そしたら・・・その、お前と秋奈が・・・」
ごにょごにょと口ごもるチト。
か、可愛い・・・。
しまった、普段見れないこいつの姿を見て不覚にも萌えた。
俺はチトに近づいく。
チト「な、なんだ・・・?」
俺が近づくにつれて、後ろに下がるチト。
だが無限には下がれないぞ。
チト「あ・・・」
壁に当たる、俺はそのまま距離を詰める。
チト「お、おい!だから何だと聞いてるんだ!」
カモン!select!
 やっちゃう
[ア止めとこう
 やっちゃう
何故同じのが二つあるwww
ってか、落ち着け俺!
ここでやると全国100万人の蕪雲に殺される!
俺はチトから数歩離れて、後ろを向く。
はい、深呼吸。
吸ってー吐いてー。
チト「・・・何をやってるんだ?」
アキ「見てわかんないのか?深呼吸だ」
チト「何なんだ?一体」
アキ「いや、ちょtt・・・ん?」
奇妙な視線を感じる。
何だろう・・・そう、ちょうどベランダの方から。
ガラッ
窓を開けてみた。
雪「あ、バレちゃった?」
えぇー!ナズェミテルンディス!
ってか早まんなくって良かった・・・マジで。
チト「姉さん・・・どうしてこんな所に」
雪「ちょっと近くを通ったから、チトと一緒に帰ろうかなーって」
アキ「どうやって侵入したんっすか?」
この学校、セキュリティやらなんやらで不法侵入は無理なはずなんだけど。
チト「そんなこと気にしてたらこれから先やってげないぞ」
雪「そういう事、それよりさっきは何を話してたのかな?」
にやにやしてる雪花さん。
ぜってー聞こえてたろ。
71 名前: まともな日常 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:13:08 ID:sHsCBP7C
アキ「あーあれはですね、こいつにハロの好きな食い物を教えてたんですよ」
チト「諏訪?一体何を・・・ムグッ!」
ええーい、黙っとけ。
俺はチトの口に手を当てて、言葉を遮る。
雪「ふーん、そうなんだ。てっきりチトを襲う気なのかなって思っちゃった」
うはwwwwwあっぶねぇwwwwwww
アキ「やだなぁ、そんな事する訳無いじゃないですか」
チト「ぷはっ・・・いい加減に離せ!」
ガッ
アキ「ぬるぽ!?」
ぬるぽの前にガッされるとは。
チト「大体誰がハロの好きな食べ物何かを・・・」
オモイドーリニハーイカナイーサー
チト「ハロからだ」
何だ今の着うた。
ピッ
ハロ『おーい、チト。印刷するプリントどれだー?』
チト「あ、すまない。今渡しに行く」
ハロ「解った、うちのクラスで待ってるわ」
チト「あぁ、すぐ行く」
ピッ
チト「私はもう行くぞ。それじゃあな、諏訪」
アキ「ああ、じゃあな」
雪「あーん、チト待ってよー」
教室から出て行くチトと雪花さん。
何だか知らんが助かったぜ・・・。
っつっても雪花さんを誤魔化せたとも思えないし、あんま助かってないかも。

私は体育祭の企画書を仕上げる為、生徒会室に向かった。
チト「あ、夏輝」
雪「やっほー、なっちゃん」
なっちゃん・・・?
ナツ「あ、智途と雪花さん。どうしたの?」
チト「あ、いや、その・・・ご、ごめん」
ナツ「え??」
ごめんって・・・なんかされたっけ私?
チト「そ、それじゃあな!」
雪「またねー、なっちゃん」
ナツ「あ、ちょ・・・」
呼び止める間も無く、チトは走って行っちゃった。
一体なんだったんだろう。

あれ、生徒会室の前に珍しい人物が居る。
ナツ「ハロ君じゃん。どうしたの?こんなとこで」
ハロ「お、ナツ。どうしたんだ?こんなとこで」
ナツ「質問を質問で返さないでよ、私は体育祭の企画書。ハロ君は?」
ハロ「複写機を借りたくてな。職員室には行き辛いし」
ナツ「なんか納得いくね、それ」
ハロ「うはwwww」」
私は生徒会室の鍵を開ける。
ハロ「thk!これでプリント出来る」
ナツ「うん、勝手に使っていいから」
鞄から企画書とメガネを出して、仕上げに取り掛かる。
72 名前: まともな日常 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:14:08 ID:sHsCBP7C
ハロ「あ」
ナツ「え?どうかした?」
ハロ「いや、ナツのメガネ姿って久々に見たような・・・」
ナツ「そ、そうかな?」
ハロ「ああ、やっぱしのたとは一味違うな」
ナツ「メガネ姿に違いなんてあるの?」
ハロ「俺に聞くな」
ナツ「自分で言っといて、何それ」
ハロ「まぁいいじゃまいか」
うん、実際どうでもいいんだけどね・・・なんか流されてない?
あ、そうだ。
ナツ「ね、秋奈と付き合ってるの?」
ハロ「ぶふっ!?」
・・・ぶふっ?
ハロ「何をいきなり言い出す!思わず自分の手をスキャナしちまったじゃないか!」
ナツ「それ、やろうと思わないと出来ない事だと思うんだけど・・・」
ハロ「普通じゃ出来ないことをやってのけるのが俺クオリティ」
ナツ「それよりどうなの?」
ハロ「あーうん・・・まぁ・・・・」
いまいちハッキリしないなぁ。
ナツ「あーもぅ!どっちなのよ!」
ハロ「うんーまぁ、付き合ってるかな?」
ナツ「へー、やっぱそうだったんだ」
ハロ「って、そんなの誰から聞いた?」
ナツ「お祭の時。秋奈が随分心配してたよ?」
ハロ「祭りの時・・・?あー、あれか。俺がツン達と逸れた時だな」
ナツ「そう、後の二人が変な事言ってたけど」
ハロ「変な事?どんな?」
ナツ「足コキだっけ?なんかそんなような事を・・・」
ハロ「蕪雲だな。余計な事言いやがって・・・」
ナツ「ね、足コキって何?」
ハロ「世の中には、知って良い事と悪い事がある」
む、誤魔化してるな。
ナツ「へー、じゃあいいや。ハロ君が秋斗に聞けって言ったって言うから」
ハロ「ちょwwwwwおまwwwww」
ナツ「じゃあ教えてくれる?」
ハロ「・・・・判ったよ」
はぁ、と溜め息混じりに答える。

ナツ「そ、そんなことだったの・・・///」
ハロ「あーほら、だから言うの嫌だったんだよ」
ナツ「うん・・・」
ってか、そんな事普通人前で言うかな。
ナツ「そ、それって気持ちいいの?」
ハロ「え、あ、あぁ。足フェチには堪らん」
・・・・・・秋斗喜ぶかな?
って、私何考えてるんだろ。
ナツ「ち、ちょっとそれ試してみていい?///」
ハロ「え゛!?」
ちょっと、何言ってるの私!?
ナツ「ね、いいじゃない。減るもんじゃないんだし」
私はハロ君に近づく。
ハロ「へ、減るって!俺の子供の元g・・・」
ぐいっと押し倒してみる。
ドサッ
あ、簡単に倒れちゃった。
ハロ「あててて・・・って!ナツ!?」
ズボンのチャックに手をかけて、一気に下げる。
73 名前: まともな日常 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:14:46 ID:sHsCBP7C
ナツ「あ・・・///」
うわぁ、こんなんになってたんだ・・・。
ハロ「ま、マジでやばいって・・・」
ナツ「こ、これは練習してるだけよ!?いい、勘違いしないでね?///」
ハロ「練習って・・・うっ!?」
上履きを脱いで、ニーソックスのつま先で触れてみる。
ナツ「す、すっごく硬くなってる・・・」
ちょんちょん、って触れるたびにハロ君がビクビクって動く。
ハロ「う・・・っく・・・あっ・・・」
今度は扱いてみる。
ハロ「うぅ!?・・・っくあ・・・///」
凄い反応・・・。
ナツ「こ、こんなのが気持ち良いの・・・?変態じゃない?」
ハロ「な・・・っ・・・・ちっが・・・・」
何となく判ってきたかも。
ナツ「こんなんだもん。秋奈が飽きれちゃうよね」
あ、なんかさきっちょから出てきてる。
ナツ「何か出てきたよ?ねぇ、もう出ちゃいそう?」
ハロ「くぁ!うあ・・・んう!」
もっと早く扱いてみる。
さきっぽから出た液で、扱きやすくなってる。
ナツ「あはは!だらしない声!そんなのじゃ秋奈に嫌われちゃうよ?」
ゴシゴシ
ハロ「うぁ!もう出・・・!」
ナツ「え?もう出ちゃうの?ねぇ?あっ・・・///」
ビクビクって、脈を打ちながら白い液が出てきた。
あ・・・ニーソックスにかかっちゃってる。

私はニーソックスを脱いで水で洗ってきた。
ナツ「ご、ごめん!私調子に乗りすぎちゃった・・・///」
ハロ「いや・・・大丈夫、慣れてるから」
慣れてるんだ・・・。
ハロ「あー、俺部室戻らんと」
ナツ「あ、私も企画書やらないと・・・」
すっかり忘れちゃってた、また企画書が遅れちゃう。
ナツ「この事は・・・内緒にしててね」
ハロ「他言したら俺が殺される」
ナツ「そ、そうなんだ。それじゃ部活頑張ってね」
ハロ「おう。あ、くれぐれも秋斗にはやらない方がいいぞ」
ナツ「やる訳無いでしょ」
ハロ「そうか?ならいいんだけど。じゃあまたな」
ナツ「うん、じゃあね」

アキ・ナツ『あ』
また妙なところで出会うもんだ。
ナツ「今帰り?遅いね」
アキ「オマエモナー。野暮用があったんだよ」
ナツ「そっか。じゃあ一緒に帰る?」
アキ「そうだな。帰ろう」
ナツ「うん」

真っ赤な夕日の中、ナツと肩を並べる。
空が茜色に燃えている。
もうすぐ夜が来る。
74 名前: 592 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:17:13 ID:sHsCBP7C
CM

アキ「ん・・・?置・・・酢昆布か?これ」
つ{}なっちゃんをください。
アキ「現代社会でストレスと闘っている、そんな貴方にお勧めの飲料水!」
ソウ「SUNT○RYから発売の、なっちゃんトロピーカルレインボー!」
アキ「これ一本で七つのなっちゃんが楽しめます!」
ソウ「なっちゃんだけに、七種類ですか」
アキ「誰が上手い事言え(ry」
ソウ「それでは七種類のなっちゃんを紹介しましょう!」
アキ「まずは、巫女なっちゃん」
ソウ「このスレでも定番ですな」
アキ「そして、メイドなっちゃん」
ソウ「これも萌えの大切な要素です」
アキ「次に、猫耳なっちゃん」
ソウ「語尾が〜にゃんだとなお良し!」
アキ「更に、看護婦なっちゃん」
ソウ「メガネと合わせ技で一本!」
アキ「次は、体操服なっちゃん」
ソウ「ブルマがいい味出してます」
アキ「そんで、スク水なっちゃん」
ソウ「この学校、プールあったっけ?」
アキ「ラストは、お馴染み制服なっちゃん」
ソウ「なんだかんだでこれが一番似合う!」
アキ「この七種類のなっちゃんが入って、お値段なんと120円!」
ソウ「こいつぁーお買い得だぜ!」
アキ「今ならなんと、等身大なっちゃんもお付けして、お値段据え置きの・・・」
ナツ「付く訳ないでしょ」
バキョ

相変わらずぬるぽだ・・・
もっと精進せねば(`・ω・´)
75 名前: 名無しさん@ピンキー [ガッ] 投稿日: 2006/09/03(日) 01:28:02 ID:BN21myzR
あれ友人の評判悪いんだよね>七色なっちゃん
76 名前: 名無しさん@ピンキー [sage 腹減った] 投稿日: 2006/09/03(日) 13:46:56 ID:zcvpaR5Y
つ[]毎日がエブリディ
77 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 14:20:58 ID:VUbZh+wt
G.J.
よく見るとアキとツンがやってたことになってる件
78 名前: 592 [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 15:59:45 ID:sHsCBP7C
アキ「あ、ありのままに起こった事を話すぜ。
ナツとやっていたらいつの間にかツンに変わっていたんだ。
作者の集中力の無さに、恐ろしいものの片鱗を味わったぜ」
ソウ「つーか、秋奈と夏輝を間違えるなんて普通じゃないよな」

正直すまんかったorz
脳内訂正ヨロです
79 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 19:12:47 ID:1rZFGvgq
正直登場人物が多すぎて誰が誰だかわからなくなってきた件
80 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 21:38:11 ID:AQ6/q7Fb
>>65
答えたいところだが俺も見れてないw
雪花さんとか渋沢さんのあたりが気になるぜ
誰か教えてエロい人!

つ[]僕の世界の中心はドクターペッパーだ でもやっぱり由梨たんだ
81 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/03(日) 23:33:01 ID:VUbZh+wt
作品別キャラ早見表
Le souhait
江口 遥(ハロ) 月岡 秋奈(ツン)  長岡 智途
江川 由梨 篠田 美佳 ウィッシュ
長岡 雪花 裏ウィッシュ 何とか院 理緒
東雲てんてー 緋柳
別府 蕪雲 日暮 毒男     渋沢 銀二
エルナ ベルゼット リュシル ルシフ
謎の少女

題名不定
副主 公人(ふくす きみひと) 伊水士 菜々乃
伊水士 かなみ 伊水士 武士

題名なし
水丘 詩穂 伊池羽 狩(いちわ かぎり)

黒き色彩
黒木 悠沙  田中 彩女 藤田 桜(男)

熾惺のパロ
諏訪 秋斗(アキ) 七原 夏樹(ナツ)
武本 荘一(ソウ) 水原 零羅(レイ)

ここまで、熾惺学園に通っていることを確認

One day in high summer
郁斗 真島 一葉

ツルとカメ
カメ ツル 水樹

ここまで、熾惺との関係は不明

color
川合 蒼(かわい あおい) 赤坂 紅葉
川合 翠(かわい みどり) 赤坂 フラン

熾惺学園に通ってはいないが、同じ世界、近い地域な設定。CrimsonLeaves
フランちゃんに乞うご期待
82 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:07:51 ID:66I7xmjE
まだかなまだかな〜♪
Le Souhaitの♪
79氏まだかな〜♪
83 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:31:38 ID:6fzbdMEB
それこそ本日転倒じゃないか!!
>50
もう無意識にいろんなエロゲ混ざってるのかもわからんね
特に(ry
>51
ルートによって関係がごっちゃだからもう一つにまとめるのは難しいな
由梨なんて由梨編以外では処女だし
>52(592)
おまえは ほんとに BUMP すきだな
>54
由梨は毒男の好意にすら気付いてないからな
>60
たると編か、もしくはあいつに期待するンだな
>61
まあ誰も黒ウィッシュなんて呼んでないんだが
>64
愛すべき足フェチ乙
>66
ラスエ ジャンル:恋愛ADV
各々のルートをランダムに書いていく方向でし
>67(592氏/まともな日常)
どこが「まともな日常」ww「異端な劣情」の間違いだろww
ハロも素直に足コキ説明するなっての・・・なんか関係がこじれてきた気がするのは気のせいだろうか
ニーソ脱いで洗うって(´・ω・)メンドクサソス
>78(592)
テンション下げなさい
>79
全体を見ようとするな個を大切にするんだ
79狙ってたわけじゃないけどなんかカナシス
>81

絶対に書き漏らしがある漏れよか優秀orz
>82
(´・ω・)ウザス
84 名前: 79 Le souhait 理緒編3(1/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:32:30 ID:6fzbdMEB
ハロ「(静かだ・・・)」
教室。
俺と蕪雲と毒男は、男三人で寂しく文化祭の準備をしていた。
と言っても紙で作ったわっかをこう鎖みたいに?げる作業をしてるだけだが。
体育祭と文化祭、近すぎるんだよな。
と思いつつもひたすら作業を続ける。
なぜ男三人かと言うと。

事件の前までは、俺たちは由梨を含めた四人で作業(紙で作ったわっかを(ry )していた。
ハロ「やっぱ最近のゲームはグラにばかりこだわってシナリオはいまいちだよな」
毒「ゲームのジャンルを問う前にそれとなく同意」
ユリ「私はよくわかんないけどな」
蕪「漏れはグラよければ多少の辛酸は舐められる派だお」
ハロ「俺が言ってるのはRPGの話だが・・・」
ピタ、と蕪雲の動きが止まる。
蕪「・・・お?」
ガタンと立ち上がる蕪雲。
蕪「今の発言はゆるせんお。Vipperなめると痛い目あうお」
毒「毎日がエロゲのくせして超逆鱗」
ハロ「別にエロゲって言ってないだろ?」
ユリ「け、ケンカは駄目だよ!」
毒「そうだぞ、やめろお前ら」
簡単に立場変えるな毒男。
蕪「いつも漏れの事をペンギンを見るような目で見ていると思ったらそういうことかお・・・」
ハロ「それって微笑ましい視線じゃないのか?」
蕪「黙れお。ロリコンのくせにいい気になるなお」
ユリ「えっ?」
ハロ「あ?」
俺も立ち上がる。
ハロ「それはお前も一緒じゃないか。人の事言えんのかよ」
毒「とりあえず否定してからのほうがいい希ガス」
蕪雲は更に続ける。
蕪「未だに子猫様マンセーしてるおまいが漏れをエロゲヲタ扱いするなんて一世紀早いお」
ハロ「黙れ小僧!お前だってZER○依存症のくせにここで自爆する事無いだろ!」
ユリ「よくわかんないけどケンカは駄目だよ!」
毒「そうだぞ、やめるんだバイキン○ン」
蕪「おまいの妹もきっとおまいの変態プレイの数々に嫌気がさしてるはずだお」
ユリ「・・・え?」
ハロ「さっ、さしてねーよ」
毒「ぶっちゃけ否定するのそこじゃ無いだろ」
ガラガラ(教室のドアが開けられる音)
ツン「あんたたち、何の話をしてるわけ・・・?」
ハロ&蕪&毒&由梨「(;゚Д゚)!!」
ハロ「いやお前は驚かなくてもいいんだよ」
ユリ「あれ?」
ツンはずかずかと教室に入り、言う。
ツン「由梨ちゃんも来てたなら私に言ってれば良かったのよ。こんな変態の巣窟に居なくても」
すくつって何ですか?
ツン「さ、智途の教室に行くわよ。みんなそこに居るから」
ぐい、と由梨の手を引くツン。
85 名前: 79 Le souhait 理緒編3(2/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:33:04 ID:6fzbdMEB
こうして女どもは皆、智途の教室へと行ってしまい、世界に闇が訪れたのでした。
それから小一時間ばかし経過した。
すると現在にたどり着くわけだ。
ただ黙々と単純作業を繰り返している。
なんて言うか、夕焼けがやけに悲壮感を醸し出している感じだ。
ガタン
急に蕪雲が立ち上がる。
蕪「しゃがんだままでその場ジャンプー」
毒「ジャンプージャンプージャンプー・・・」
ビーダ○シュとはやや古いな。
蕪「何かちょっとゆかーい」
毒「ゆかーいゆかーいゆかーい・・・」
急に走り出す蕪雲。
毒男も席を立ち、何故か体育座りする。
蕪「猛烈ダッシュしゃがみジャンプー」
そして、それを実践してみせる。
近くの机にスネをぶつけ、なにやら転げまわっている。
蕪「これはかなりゆかーい」
毒「ゆかーいゆかーいゆかーい・・・」
何か、不思議な雰囲気だな。
ガラガラ
ドアのほうを振り向くと、ツンと、由梨と・・・女性陣が居た。
ツン「さっきはちょっ――」
毒男と蕪雲の不思議な姿が目に留まったようだ。
ツン「ハロだけ来て」
毒「(;'A`)!?」
蕪「なぜだお!?」
し「だって見るからに遊んでるじゃないですか」
ツン「そういうこと。ほら、さっさと来る」
ハロ「いや、それも魅力的だけどこいつらも許してやってくれ」
蕪&毒「キタ――(゚∀゚)――!!」
ツン「どうして?」
ハロ「バンドの練習あるからさ。さ、行くか二人とも」
毒「ええ!?男女比で見ると女性の比率が軒並み高い教室に移るんじゃないの?!?!」
蕪「てってって てれれてれれ れれれー」
ツン「それならいいけど」
ハロ「見に来るか?」
ツン「見に来て欲しいっていうなら、見に行ってあげてもいいけど?」
蕪「漏れは智途様に見に来て欲しいお」
チト「気が向いたらな」
毒「俺はゆr」
ツン「いい?この作業すっぽかすからにはちゃんと練習するのよ?」
ハロ「わかってるよ」
毒「俺h」
ユリ「頑張ってね、おにいちゃん」
ハロ「ああ」
毒「・・・・・・」
みんなぞろぞろと教室を出て行った。
ハロ「さ、行くか。・・・どうした、毒男」
毒「別に」
86 名前: 79 Le souhait 理緒編3(3/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:34:01 ID:6fzbdMEB
毒「・・・I feel nothing and indicate what why I was burn away ・・・」
これは毒男が作曲した曲だ。
虚無的でメロディー的にも静かな、学校でやるとはいえライブには向かない曲だと思う。
ジャズのような旋律。バーで流すような曲。
それに近い。
しかしサビはものすごく盛り上がるので、俺も蕪雲もどこか気に入って、一曲目をこれに選んだのだった。
だがなぜ毒男がそれを作曲できたのかがよくわからないところだ。
しかし毒男はギターがよくわからないと言うことだったので、教えてもらうのは大変だった。

何週間か前、第三音楽室。
毒「で、ここはテーンテーンテレレー」
ハロ「さっぱりわかんねえよ」
毒「貸せ」
毒男、ギターできるのか?
俺は言われるままにギターを差し出した。
ビョーン
毒「ん?」
ボーン
毒「?」
ピーン
毒「違うな」
テーン
毒「あ、これだ」
ハロ「長いよかかった時間が!」
毒「だってわかんないんだもん」
蕪「キモスwww」
ハロ「分かった、お前の歌に合わすから適宜直せ!な?」

と、いう感じで。
ハロ「しかし、こうやって真面目に準備してると生徒だよなーって感じるよな」
毒「まあな」
蕪「準備期間が一番クソ長いお。本番なんか微々たる物だお」
ツンたちはいつ来るんだろう。
ガラガラ
理「遥君居ます?」
キタ――(゚∀゚)――!!・・・って、あれ?理緒?
ギターを置く。
ハロ「どうs」
理「あ、遥君!理緒ね、今まで出番無くて不安だったのー」
ハロ「って抱きつこうとするな!」
紙一重で躱す俺。
しかもすごい不安になるよな、それ。タイトルに書いてあるのに・・・いや、なんでもない。
毒「隊長、女です」
蕪「少しでもハロを信じた我々が馬鹿だったお。君、劇物を」
毒「御意」
ハロ「ところd」
理「まあ!遥君、ギターが弾けますのね!?」
ぱん、と両手を合わせ、目を輝かせる理緒。
ハロ「あ、ああ、まあな」
ツン「あーっ!?」
87 名前: 79 Le souhait 理緒編3(4/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:35:04 ID:6fzbdMEB
ツン「なんであんたが入り込んでるのよ!?」
理「そんな、庭に主人が居たところで何もおかしい事はありませんでしょ?」
ツン「ここはあんたの庭じゃないでしょうが!」
ツンは理緒を押しのけ、俺に近付いてくる。
ツン「大丈夫、ハロ!?何か妙な事されなかった!?」
ハロ「いや、別に」
蕪「見てごらん、ハロがどんどん遠くにいってしまうお」
毒「音を合わせていたのはいつの日か」
お、俺はどっちに動いたらいいんだ?

駆けつけたのに話にはいっていけない方たち。
ユリ「なんか嫌な予感がするね」
し「また修羅場に出くわしちゃいましたかね?」
チト「にしても、あのお嬢様はハロやツンとどういう関係なんだ?」
理「・・・あら?」
そのお嬢様が、私を見て近付いてきた。
理「あなた・・・どこかで見たような」
チト「私は知らないが」
元々初対面じゃない筈なんだが、おそらく目に留まってなかったんだろう。
理「そうですわ!雪花さん!」
チト「姉さんを知ってるのか?」
理「よくメイドの緋柳が話をしていましたわ」
全然つながりがつかめないが・・・。
チト「例えば?」
理「えと・・・『逆らえない』とか『後が怖い』とか、よくわかりませんでしたけど」
碌な噂が立たないんだな。
雪「なになに?私の悪口?受けてたつぞ☆」
チト「わっ!?姉さん!?」
突然、背後から姉さんが現れた。
し「ぜ、全然気付きませんでした・・・」
ユリ「びっくりしたぁ〜・・・」
ハロ「これでややこしいメンツは揃ったな」
まったくだ。
雪「あなたが理緒ちゃんね?」
理「あ、いえ、あの・・・さっきのは、緋柳が言ったことで、私は・・・」
姉さんはただ歩み寄っているだけに見えるのだが、それでも威圧感は恐ろしいものだからな。
今は何もしていない以上、止める事はできないが。
心なしか、ハロも月岡もたじろいでいるように見えるのは何故だ?
雪「ふーん・・・」
理「お、穏便にいきましょう?私は別に、何も・・・」
そして蕪雲と毒男が目を輝かせているのは何故だ?
緋「せっちゃん!」
ユリ「ひゃっ!?」
し「こ、今度は何ですか!?」
今度は緋柳さんとおぼしき人物が・・・『せっちゃん』!?
雪「めっかっちゃった」
緋「お嬢様には手を出さないで下さい」
理緒の前に立ちはだかり、まっすぐに姉さんを睨む緋柳さん。
雪「まだ何もしてないでしょ?もう、怖いなあ・・・」
姉さんを止められる人物が居たなんて驚きだ。
88 名前: 79 Le souhait 理緒編3(5/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:36:05 ID:6fzbdMEB
ハロ「なんてハイレベルな戦いだ・・・イチャイチャパ○ダイスを読む暇が無い」
ツン「何よそれ」
修羅場が修羅場を呼ぶ第三音楽室。そんな変なドラマみたいなのは嫌だぞ。
理「遥君!」
ハロ「おわっ!?」
呆然としていた俺は、理緒に抱き付かれてしまう。
ツン&智途&し&ユリ&雪「あっ!」
理「理緒ね、とっても怖かったの・・・」
ハロ「・・・(バカかお前!?俺を更なる修羅場へと巻き込むつもりか!!?!1?)」
その口を塞ぐ恐怖。
毒「万事急須」
蕪「おまいの事は忘れるまで忘れないお」
毒「テラ(´・ω・)タダシス」
感覚としては温かく柔らかい女体の嬉しい感覚を覚えているのだろうが、もう生きた心地のしない俺には感じられない。
ツン「さっさとひっぺがしなさいよ」
チト「白昼堂々、あまりいい風景ではないな」
ユリ「おにいちゃん、また・・・」
し「不純です」
ハロ「(いやあああああああああああああ!!!!)」
何気に由梨の『また』っていうのがメガヒッツした。
雪「・・・・・・」
珍しく何も言ってこない雪花さん。
緋「帰りましょう、せっちゃん」
その呼び方は一体?
緊張する現場の中、緋柳さんと雪花さんは静かに音楽室を去っていってしまった。
そして、死が残った。
略してしのた。
略してる場合じゃない。
ハロ「お、落ち着いたら体離してくれないかな?」
それを聞くと、理緒は静かに体を離してくれた。
ツン「ハロも理緒も、あんたたちいい度胸ねえ・・・」
ドドドドドドドド
ハロ「・・・あ」
このままではいかん!俺のとるべき手段は――
 [アにげる
   にげる
ハロは逃げ出した!
ツン「あっ、コラ!」
理「待って、遥君!」

ツンはどうにか振り切ったものの、理緒は最後までついて来た。
理「はぁ、はぁ、どうにか、振り切れましたわね」
がしっと理緒の両肩をつかむ。
ハロ「なぁ理緒。聞いてくれ」
息を整える。
ハロ「あのな、これから協力してくれる人材を確保しようって時に、敵を増やすような真似はやめような?」
心からの願いだった。
理「・・・・・・」
ハロ「理緒も、結婚は嫌だろ。お願いだから協力してくれ」
理「・・・何故ですの?」
89 名前: 79 Le souhait 理緒編3(6/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:37:00 ID:6fzbdMEB
ハロ「・・・え?」
理「遥君は、理緒が嫌ですの?理緒と結婚するのが嫌ですの?」
まっすぐに俺を見つめて、そう言い返してきた。
俺は、肩にあった手を離した。
ハロ「・・・少なくとも、それは今であって欲しくない。だからだ」
理「・・・仕方、ありませんわ。数年来の再会ですものね。もう、わかりましたわ」
何がわかったのだろうか。
理「理緒は、本当に結婚を止めて欲しいと思うのなら、それが遥君ならベストですけども、もっと力のある
 別の人に頼んでいたでしょう」
ハロ「だって現に俺は大した力は無い!いきなり来られたって、何が出来るかわからないだろ!」
俺は本心をぶつけた。
ハロ「俺だって、ここでずっと暮らしてきたんだ。もう俺には俺の生活がある。お前の知らない友達だって居ただろう。
 いきなりあの頃と同じように扱われてもどうにもならない。もう、ガキじゃないしさ・・・」
そのセリフを吐いた後でも、どこかで聞いたセリフの請け売りみたいでばつが悪かった。
理「でも、でも理緒、それでも遥君の事好きですから、あきらめきれないだけですの」
俺は何も言えなかった。
理「それは、あの頃と変わりませんから・・・でも、みんな変わってしまったから・・・私だけ」
ハロ「理緒はあの時、強制的に連れて行かれたのか?」
理「・・・・・・」
だから今、孤独なのか?
時の隔たりとはここまでリアルに歪みを映し出すものなのか?
ここを出て、帰ってくるときまで、全部家の都合に振り回されっぱなしか。
しかし、哀れには思っても、すぐに協力する事はできないぞ。
ハロ「俺は理緒の事が嫌いだと言っているわけじゃない」
理緒は俯いていた顔を上げる。
ようやく真正面に合わす事のできた目は、やや潤んでいた。
ハロ「まず理緒が俺の暮らしているここに慣れなきゃ駄目だ。俺たちは、二人で生きているわけじゃないんだから」
理緒は言葉を発さず、こくんと俯いた。
ハロ「そのためには、さっきみたいな身勝手な行動は駄目だ。わかった?」
理緒は、こくんと頷く。
ハロ「約束できるな?」
理「はい・・・」
それを聞いて、俺はようやく安堵した。
理緒は潤んだ目をハンカチで拭くと、
理「じゃあ、今日は失礼します」
とお辞儀をし、駆けて行った。
ん?
理緒には時間が無い筈。
もしかして、全部嘘泣きとかじゃ・・・?
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
まさか。
そんな事無いよな。
理緒はちゃんと素直に俺の言う事を聞いてくれたんだよな。
って、もう居ないか。
ふと窓の外を見ると、日が暮れていた。
ハロ「(あいつら、まだ居るかな・・・)」
居るなら、また練習の続きをしよう。
流石に今日は蕪雲曰く変態プレイしなかったな。
そんな気分じゃないから俺もいいや。
90 名前: 79 Le souhait 理緒編3(7/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:38:02 ID:6fzbdMEB
第三音楽室。
廊下から見ると、オレンジの明かりだけが点っていた。
ドアを開ける。
しかし、見渡してみても誰も居ない。
楽器もそのまま放置してある。
ハロ「帰ったか・・・」
ため息をつく。
友情というものを疎かにしすぎだなあと思う瞬間である。
仕方なく楽器を片す。
ハロ「?」
スポットライトの明かりに照らされて浮かぶ円形の中心に、紙があった。
その紙には、こう書いてあった。
『修羅場の時のお前の顔 ワロタ』
ハロ「フッ・・・」
グシャグシャグシャ(紙を握りつぶす音)
友情というものを疎かにしすぎだなあと思う瞬間である。
友情を思い出すまで何度でも思ってやろう。
で、仲いいように見えるが毒男と蕪雲の間には友情があるんだろうか?
などと考えつつ、楽器を片した。

どうせ三人分の楽器、片付けるのにさほど時間はかからない。
ちょっと失敗した点を聞いて欲しい。
俺は今、『明かりのついている』教室の前に居る。
で、中には俺の鞄が置いてある。
つまり、非常に入りづらい状況である。
しかし立ち尽くしていたところで始まらない。何食わぬ顔で入れば大丈夫だ。きっと。
俺は教室のドアを開けた!
ガラガラ
ツン、智途、せっちゃん。
ガラガラ、バタン。
OK、落ち着こう。
まず、部隊を二手に分けよう。多少戦力は分散されるが、この際止むを得まい。
・・・なんで雪花さんが居るんだよ!!!??!?!
やっぱ雪花さんの目の前で抱き合ったからかなぁ!?あー、しまった!
どうしよう?
このまま帰るのもありだが・・・いや、財布無いから徒歩になるぞ。
オーバーロード中。
オーバーロード中。

ツン「聞いてるの?」
ハロ「すいません、聞いてませんでした」
チト「予想外だ」
雪「うまい」
俺、床に正座。ツン、椅子に足組んで座ってる。智途、机に座ってる。正直、見える。
んで雪花さん、どっから見てもエロい彼女は机に足を組んで座っている。
どっちにしろ前を向く事ができない。
ハロ「えーと、今回の件につきましては、私としましてもまっとうな意志がございまして、ぜひお耳にしてもらいたく」
ツン「言って」
ハロ「えー、彼女には独占欲のようなものが強くありまして、今回身勝手な行動は控えるよう、厳重に注意致しました」
ツン「ふーん」
91 名前: 79 Le souhait 理緒編3(8/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:38:35 ID:6fzbdMEB
ハロ「で、私、現に何もしないでされないで無事に帰ったわけですし、その、鞄を返してください」
雪「んー、いいんじゃない?じゃあ鞄とって行けば?」
ツン「そうね。一緒に帰りましょ?もう遅いし」
チト「そうだな」
よ、よかった・・・!
俺が雪花さんの横を過ぎ、鞄に手を伸ばしたところで。
雪「やっぱだーめっ!」
ハロ「うわっ!?」
俺は雪花さんと智途に持ち上げられ、机の上に寝かされる。
俺は慌てて逃げようとする。
雪「こーら、逃げちゃダメ!」
が、両手を引かれ、頭は雪花さんの腿の上・・・要は膝枕されてしまった。
手と頭が固定され、仰向けになってしまい、動くのは足だけだ。
ハロ「いいいいくら俺がアレでも逆レイプはよくないと思います!」
智途は机の上に四つん這いになり、俺のズボンのベルトを外しにかかった。
そして、三時の方向に影が・・・!
ツン「よくもあんな大勢の前でいちゃついて見せたわね・・・」
ハロ「そ、それは・・・。!?」
なぜか、ツンはそのまま俺に顔を近づけ、唇を奪ってきた。ツインテールが両耳に触れる。これで俺もツインテ(ry
ツン「ちゅ・・・ちゅく・・・」
ツンは舌を絡ませ、俺の口内を犯してくる。
お、俺のせいでこんなテクニックを・・・そう思いながら、俺の意識は恍惚としていった。
ツンの口が離れる。
ツン「・・・胸が頭に乗っかって重かったんだけど・・・」
雪「あら、それはどうも」
チト「随分大人しくなったな、ハロ。で、どうして欲しい?」
既にあらわになった俺のものを軽くさすりながら、智途が話しかける。
ツン「足で十分じゃない?」
チト「相応だな」
雪「いいなー。私、そんな器用なコトできないから」
もう、好きにしてくれ・・・。
雪「でも、どうせおくちでその気にさせたんだから、口でして上げたらどう?智途」
チト「なっ――!?///した事無いぞ!?それに、その気にさせたのは月岡で・・・」
雪「じゃあツンちゃんにしてもらう?」
チト「わ、私がやる」
ツン「私は上かぁ・・・」
先に、ツンの唇が触れる。
柔らかい感触が唇に広がった後、舌で口をこじ開け、更に深く侵入して来る。
チト「か、感謝しろよ・・・///」
ハロ「!!」
硬く、滑ったようなものが亀頭に触れる。
ツン「ぷは・・・///ちょっと、暴れないでよ」
ハロ「だ、て・・・!」
雪「そ、ちゃんとできてるじゃない」
チト「ん・・・う、うるさいな・・・///」
智途のたどたどしい責め方とツンの積極的な責め方に、俺は苦しめられていた。
キスじゃイけそうにないし、智途のそれもじらされ続けているようで・・・理性が持たなくなりそうだ。
きっと、雪花さんが手を離せば、俺はもう襲いかかってしまうだろう。
雪「智途、ちゅって吸ってみてごらん?」
チト「吸う?」
92 名前: 79 Le souhait 理緒編3(9/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:39:44 ID:6fzbdMEB
ちゅううぅぅ・・・
ハロ「(ぐっ!あぁ・・・!)」
や、ややややばい・・・気持ちいいのに、もうちょっとで出そうにない。
チト「けほっ、こら、ハロ、動くな!」
雪「ほら、智途がじらすからいけないのよ?」
チト「じらしてるつもりは・・・」
ツン「あー!もう!代わって!」
代わって、って・・・智途に俺の舐めた後の口でキスしろって言ってるのまずは!?
ツンは、それを深くまで咥え込んだ。
雪「おー・・・」
ツンは頭を動かし、吸い出そうと動きを早めてくる。
チト「す、すごいな・・・///」
ハロ「あ・・・もう・・・!」
雪「あれ?ハロ君、イっちゃう?」
ツン「ん――!///」
俺はツンの口の中に、そのまま射精してしまった。
ツン「けほっ、けほっ・・・」
ツンはポケットティッシュにそれを吐いた。
ツン「バカっ!出しすぎよ!///」
ハロ「はぁ、ご、ごめ・・・!?」
今度は、智途が足の裏をそれにあてた。
チト「なんか釈然としない。もう一回出せ」
ハロ「え?ちょっ・・・!」
智途は射精が終わったばかりの竿を更に足で扱き始める。
チト「ハロの場合、口よりこっちのほうが屈辱的で気持ちいんだろ?ん?」
ハロ「ちょっ・・・智途・・・!」
ツン「何?張り合うつもり?」
雪「あ、じゃあ私もやっちゃっていい?」
何どさくさに紛れて・・・!

――翌日。朝、教室。
ハロ「・・・うぇ〜」
ツン「あ、あのね、きのうはついテンション上がっちゃって・・・」
まあでも一番良かったのは長岡姉妹の協力必殺技だよ。
ツン「も、元はといえばあんたが悪いんだからね!人の前でいちゃついて見せるから!」
ハロ「おー・・・」
でも、今日は静かだな。
ハロ「理緒は来てないのか?」
ツン「来てるわよ」
ハロ「なんだ、仲直りでもしたのか?」
ツン「するわけないでしょ?でも何か違うのよ」
ハロ「違う?」
ツン「なんか上品になったと言うか・・・」
理緒・・・。
態度を改めてくれたんだろうか?
ツン「元々下品だったからそう見えるのかもしれないけどね」
ハロ「おい、それは理緒じゃなくても怒るぞ」
ツン「冗談よ」
ふと、俺たち二人が理緒のほうを向いた。
すると、理緒はニヤッと笑んで返した。
 ガタン!(席を立つ音)
ハロ「待てツン。敵じゃない」
93 名前: 79 質問36 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:40:38 ID:6fzbdMEB
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「3クール目に突入したラスエ。だがリアルが忙しくて何も(ry」
ハロ「言いわけしないで下さい。ゲストは理緒」
理「私?」
(´・ω・)つ[]<ウチのキャラを使(文字が擦れて読めない)
79「エチシーンはシナリオ上_だと思うけどちょっと出てくるくらいならたぶん可能」
理「結構大所帯ですものね・・・」
つ[]<Sキャラを更に責めてみたい俺を許してください
79「『ちょっと!何するのよ!変な事してみなさい、絶対に許さないからね!』」
ハロ「『ちょ・・・何よ、その目は。何するつもり?やっ、どこ触ってんのよ、変態!へんた・・・』みたいな」
理「帰りますわ」
ハロ「ごめ」
つ[]<正直ハロって誰が本命?
蕪「(;^ω^)・・・」
つ「}<毒が一番いいと思うシチュは?
79「聞いてみよう毒男に」
毒「後者裏でバレンタインデーにチョコを」
理「古いですわ」
つ[]<ジュワッジュワジュワジェアッ?
79「日本語でおk」
つ[]~[] ←ヌンチャク
ハロ「要はこれでマゾさんを虐めたいと言う意思表示だな」
理「つまり理緒がこれを持って」
ハロ「うわ やめ」
つ[]<秋になったら文化祭ネタとかやるんですか?
79「うん」
つ[]<今更だけど足コキってすごいよね
ハロ「結構疲れるだろ。きっと」
理「短かったり細かったりするとそのものが困難だったりしますわね」
つ[]<僕の世界の中心は、しのただ
蕪「だがしのたの扱いは相変わらずぞんざいな罠」
79「ゆえに誰もしのた編の記憶が無い」
理「怖いデフレですわね・・・」
つ[]<じゃあ僕の世界の中心は・・・あれ?真っ白なんですが
79「その光に手を伸ばす時、君は闇に背を向ける」
理「何を言ってるんですの?」
蕪「電波を受信してるんだお」
つ[]<毎日がエブリディ
79「毎○新聞?」
理「私は取ってませんわ」
つ[]僕の世界の中心はドクターペッパーだ でもやっぱり由梨たんだ
蕪「ってハロが」
ハロ「いや違」
理「妹に手を出すなんて・・・」
79「しかもはじめてを奪った張本人」
ハロ「いや ちが やめ 」
至修羅場
94 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:42:03 ID:6fzbdMEB
Q.結局、何のパロですか?
A.オリジナルです。

だってローカルルールにオリでもおkって書いてあるじゃんよ('A`)
♪(確かに)俺は空虚を感じてるし燃え尽きた理由も示してる(のに)〜
95 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 02:49:06 ID:66I7xmjE
誰よりも(ry

あれ?理緒編?
96 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 03:07:18 ID:EBprQfvH
理緒編なのにwwwwww
頑張れ毒男、頑張って由梨ちゃんを振り向かせるんだ、俺が許さないけど


つ[]好きです、憑き合ってください
97 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 03:15:25 ID:Fxb0UAae
>>94
GJにて候。

つ[]やべぇww毒男が一番好きなキャラになり始めてるwwwwww
98 名前: 名無しさん@ピンキー [sage エクソンツキノエ] 投稿日: 2006/09/04(月) 03:32:57 ID:mxP2NCte
(´・ω・)つ[]<ハンカチ王子の斉藤はヤクルトに行けと、一回戦から思ってたが。人気が出たらどうでもよくなった。ジェアッ!


保管庫見たら質問第一号が自分でびびった
99 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 11:39:32 ID:zT6dzbnf
理緒編だと聞いて竜巻斬空脚(小K)で来たら、Mさん超発動してて(ry


つ[]~[]_[] ←三節棍
100 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 14:57:57 ID:F7wbcqdY
つ[]ツンorチトに「これでも結構一途なんだから(なんだぞ)」と言わせて下さい

今回(39話目)の2つ前(37話目)も理緒偏だった罠
これは何かの策略だろうか…
101 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 15:33:16 ID:AwqlenYl
>>81
秋奈と秋斗がごっちゃになってたわww

>>97
俺乙
102 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 16:35:43 ID:BmXITgsn
キャラ表作った時点で力尽きた
理緒編ではあるが、

ツンキタ-----(゚∀゚)ーーーーー!!!

紅葉とフランの苗字を考えるのに数時間かかった件


つ[]<実は、理緒だけ苗字が思い出せなかった
103 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/04(月) 16:39:49 ID:BmXITgsn
追加
これは余談だが、VIPのとあるスレで毒男氏と遭遇

『日暮 毒男』の存在を認知しているということを表明
過去ログからすべて読み直すという事で合意した
104 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/05(火) 05:36:04 ID:L6jmzRu5
>>100
それなんて揺光?

つ[]チト様、愛してます
105 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/05(火) 10:46:29 ID:RiEFexSG
正確には
『アタシは一途でしつこいぞ』


ま ち が え る な よ
106 名前: 592 [sage] 投稿日: 2006/09/05(火) 17:42:00 ID:Uvah0boe
>>79
GJ!
関係がよじれてきたのは気のせいではない。俺が言おう。
ヤッチマッタゼーこっから巻き返す努力をしてみまつorz
つ[]毒男渋いよ毒男
>>75
会社帰りに近くの販売機に寄ったんだ
なっちゃん:売り切れ
ダブルなっちゃん:売り切れ
七色なっちゃん:発売中
どうみても不評です。本当にありがとうございました。
107 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 19:19:48 ID:45EaLKz3
今現在書くのに戸惑ってます
更新を待たれている方がもしもいるならばすみません
あと>>81さん
俺のキャラは熾惺学園には居ませんよ
私立蒼冷学園です
熾惺学園が熱そうな名前だったので冷たそうな名前にしました
あといずれ熾惺学園等々出そうと思います
巫女さんを出そうと思いますがどうやって出そうかと…
何か良い方法はありませんかね…
前スレと前々スレのSSを全て俺が保管していますので…
でも保管庫を作って更新をする暇がありません
誰か作ってくれませんかね
SSならば全て纏めていますので
108 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:28:03 ID:B05ff1Gq
投下しますよ
109 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:29:14 ID:B05ff1Gq
 例え自分は悪いことをしていない筈だと分かっていても、それでも罪人の立場に陥って
しまうことはある。この世界はそんな風に出来ていて、人間一人の力では抗うことが出来
ないと言う事実が存在するのだ。仮に無実だとしても大衆が悪だと認めた場合、身の潔白
を証明できなかった場合、相手が自分よりも正しかった場合。
 そして、相手が自分よりも優位に立っていた場合。
 こんなときに人はただ嵐の波間に漂う板の切れ端のように無様に運命に翻弄され、流さ
れることしか出来ないのだ。かくも無力なのは人の悲しい性也。
「何をブツブツ言ってんの? 視線がおかしな方向を向いているわよ?」
「すみません」
 今現在、僕は正座中。時間は朝のHR前、場所は教室。特異な状況だけれども、身長が並
より高いこと以外は平凡を極めたような一般市民である僕にはこんな状態を打破すること
は出来ず、この苦痛を受けることに甘んじている。
 黒いストッキングを至近距離で眺めることが出来るだけの状況で、神は僕に何を教えよ
うとしているのだろうか。人類には、人知を超えたものの考えることは理解できない。
「あぁ、この哀れな迷える子羊に救いの手を!!」
「うっさい、哀れなのはアンタの脳味噌よ!!」
 言葉と共に、華奢だが綺麗なラインを描く脚が飛んでくる。間一髪で避けたのは良いが、
それのせいでツルの眉間に寄る皺が増えた。不機嫌さを表すメーターである皺は、もはや
危険区域。数にして五本を数えていた。
「それより、人の話をちゃんと聞いてたの!?」
「聞いてます」
 何故こんなことになったのか、話は約10分前に遡る。
110 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:32:01 ID:B05ff1Gq
『あれ?』
 鞄を開くと見慣れないもの、いや逆に見慣れたものが入っていた。昨夜教科書を入れた
ときには絶対に入っていなかった、学校にはふさわしくない本。僕が定期購読をしている
もので、表紙には『マエバリマニアック』という文字がポップな色で踊っている。名前で
どんなものかは簡単に分かるが、要はエロ本だ。特に気に入っている先月号だが、これは
先日しっかりとしまったのを覚えている。
 何故だろう、と首を傾げていると背中を軽く突くものがあった。振り向いてみれば鬼の
ような表情をしたツルが、仁王立ちをして僕を睨んでいた。普段から僕に対しては高圧的
で不機嫌なことの多い彼女だけれども、今日はそれとは少し違った。不機嫌なのではなく、
ただ純粋に怒っている。
『どうした?』
『その本』
 手指で指し示すのは、僕が鞄の中から取り出した『月刊マエバリマニアック』。何故か
嫌な予感がして一歩後退するが、距離を広げないようにツルも一歩前進。更に一歩、恐る
べき迫力を持って近付いてくる。
『昨日ね、カメの部屋を掃除してたら出てきたの』
 成程、つまり見付けたという証明に入れたのか、納得した。これは多分女性だったら、
誰にでもある本能のようなものだろう。僕にはそんな経験はないが母親が息子のエロ本を
発見した後で本人の目に見える場所に移動させるというのはよく聞く話だ。
 しかし疑問が残る。
『かなり奥にしまった筈だと思うけど?』
『隠してそうな場所を念入りに掃除したのよ』
『そりゃガサ入れって言うんだ馬鹿』
『馬鹿はアンタよ!!』
111 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:33:22 ID:B05ff1Gq
 脇腹に拳が叩き込まれ、思わず蹲ってしまう。毎回肝臓の上を的確に殴ってくる上に、
一発一発の威力が半端じゃないので毎回止めるように注意しているけれども未だにそれを
聞き入れる様子は見られない。しかも今回は注意の言葉すら言えないような強さだった。
ボディブローはもっとゆっくり効いてくるものではないのかとか、その小さな体で何故に
こんな力があるのかとか言いたいことは山程あるけれども、それは鋭い視線で遮られた。
ツルは椅子の上に立ち、僕を見下ろしながら怒鳴ってくる。
『しゃがんでないで、ちゃんと正座!!』
 言われた通りに正座する。
『良い? 大体アンタは……』
 こうして説教が始まり、今に至る。
「またよそ見して、聞・い・て・ん・の?」
 僅か数cmの距離で僕を睨みつけ、一文字ごとに力を込めて発音する。合わせるように額
に拳を当て、回転させているのが地味に痛い。学校の中でこんなにツルと顔を近付けるの
は初で、こんな状況じゃなかったらどれだけ良いだろうと溜息を吐いた。
「何のつもりよ、生息かけて、中途半端に生温い。嫌がらせのつもり?」
「これは事故だ」
 殴り掛ってきたツルの左腕を掴む。これ以上肝臓を打撃されてしまったら、本当に機能
が駄目になりそうだ。この年で成人病にはなりたくない。
「大体、何でそんなに怒るんだよ」
「言わんと分からんのかァ!!」
 続いて飛んできた右の拳も受け止めて、力比べの状態になる。幾ら僕がしゃがんでいる
とはいえ、身長差が40cmの筋力差は普通かなりのものだと思うのに、その固定観念を打ち
崩すようなこの力は女の子としてどうかと思う。言えばもっと酷いことになるから決して
言わないけれど。
112 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:35:45 ID:B05ff1Gq
 数分。
 やはり尋常ではない筋力を持っていても性別は女、男の僕に力敗けをしてきた。そもそ
も、これだけの体格差があるのに今まで拮抗していたのがおかしかったのだ。どちらの方
が異常なのかは分かるだろう、僕達を遠巻きに眺めている教室の諸君!!
 しかしただ負けることを許さないのがツル、劣性になってきていると分かるや否や頭を
後方へと引き、
「ふんぬっ」
 気合いの言葉も猛々しく頭突きをかましてきた。半分予想していたことなので僕は額で
受け止め、そのまま力の拮抗する三角地帯が出来た。
 不味い。
 僕は座っているので上半身の筋肉しか使えないけれども、立っているツルは全身の筋力
を持って推してくる。このままでは確実に殺られてしまう。
 僕か心の中で我らが主への言葉を紡いでいたとき、
「おはよう。ツルちゃん、カメ」
「おはよ、ツル。またあんたたち妙なイチャ付き方して」
 一筋の光明が見えた。
 ホモ疑惑のある僕の親友水樹と、レズ疑惑のあるツルの親友コイが寄ってきた。挨拶の
ついでにかけられた言葉に反応してツルは勢い良く飛び退き、僕は漸く解放される。
「おはよう、水樹、コイ」
 片方は男だが、外見は両方とも美少女なので朝から目に優しい。特にコイの巨乳は薬を
通り越して毒になる程の威力だ。ツルもこのような大きさに育ってほしいと思うけれども
身長や顔から見れば今の貧乳を通り越してもはや無乳と表現した方が正確であろうその乳
も捨てがたく矛盾と言っても過言ではない感情が僕の心の中でいけない感じに戦ってどう
すれば良いのだろうか誰か教えて下さ……
「カメ、大丈夫?」
「余裕さ!!」
113 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:36:33 ID:B05ff1Gq
 つい条件反射で答えてツルに振り向いた。小学校のときに僕よりも若干大きいちんこを
確認したので男だというのは分かりきっているが、それでも見た目は学年でトップクラス
の美少女なので貧乳も良いかと思わせられた。と言うか男だから乳が無いのは当たり前で、
これでパッドでも入れて来られた日には本気で絶縁を考えなければならないと思う。因み
に女子の制服を着ているのは昔からなので、慣れたと言うよりも諦めた。
「どうしたの?」
「何でもない」
「変なの」
 変なのはお前だよ!!
「で、何であんたら朝からイチャ付い……力比べなんかしてたの? この腐れちんこが何
かしたの? 膜は無事?」
 そんな発言ばかりするからあなたにはレズ疑惑が付いて回るんですよ。
 ともあれ、僕もツルが怒っていた理由がよく分からなかったので、視線を向けた。この
二人が居る今なら、先程のような真似はしてこないだろう。ツルは僕を除き、人の迷惑に
なるようなことはしない女だ。
「これよ」
 ツルの手に握られているのは、例の本。
「雑誌?」
 中身を知らない人が見たらそう思うだろう。一般の人でも手に取りやすく、電車などの
中でも安心して読めるように表紙は普通の雑誌を装っている。因みに僕はそれに惑わされ
ず、タイトルをしっかりと確認して買った。
「雑誌なら良いんじゃない」
 案の定騙されたコイが小首を傾げた。男、特に僕を嫌っているらしい彼女だが別に性格
は悪い訳ではなく基本的には公平だ。だから流石にやりすぎだと思ったのだろう、ツルと
本を不思議そうな目で見つめている。
 しかし、それも短い間だった。
「エロ本よ」
「最っ低ェ」
114 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:39:08 ID:B05ff1Gq
 短く吐き捨てられたツルの言葉に同調するように冷たい視線で睨みつけてくる。何故だ、
男だったら誰でも持っているものだし、そこまで酷い目付きで見てくることはないだろう。
僕が何をしたって言うんだ。
「ツルちゃんもコイちゃんも言い過ぎじゃない? あたしは持ってないけど、男はエロ本
なんて殆んど皆持ってるし。ねぇ?」
 水樹がフォローするように言葉を挟み教室の中を見回すと、殆んどの男が頷いた。その
後で女子に睨まれ股間を隠して身を縮めたのは多分正しい判断だろう。
「ほらね?」
「でも、タイトルがこれよ? 読んでみなさい」
「マエバ……これは無理だね、フォロー出来ない」
 水樹までもが、引いた表情でこちらを見てきた。四面礎歌とは正にこんな状態のことを
言うのだろう。他の男子に助けを求めようにも皆女子に殴られているので期待は出来ない。
状況は絶望的だ。
「極めつけはこれよ、わざとらしく巨乳特集のところに折り目なんか付けてさぁ。カメ、
アンタこれは何の嫌がらせよ!?」
 ん?
 僕は目を細めてそのページを見た。確かに折り目が付いているけれど、僕は付けた覚え
は全くない。僕は元々、例え雑誌と言えど本は大事にする方なのでページに印を付けると
しても栞を使う。特に大事にしていた先月号は汚すことすら嫌なので飲食をしながら読む
ことさえしていない。それなのにこれは、どういうことだろう。
 その考え込んだ数秒間が悪かったのか、ツルの目元にはみるみる涙が溜ってきた。
「どうせアタシはチビな上に国産黒毛貧乳よ!! ツルなんか金髪巨乳外人と仲良くしてろ
馬鹿あぁァッ!!」
 捨て台詞を残して教室から出ていった。
「あ、ちょっと待てコラァ!」
 思わず追い掛ける。始業の予鈴が鳴った気がしたけれども、今はそんなことは関係ない。
115 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:44:19 ID:B05ff1Gq
 数分。
 無意味に広い校舎の中を駆け回りツルを捜すが、しかし見付からない。こんな時ばかり
は、施設が充実しているこの学校のことが恨めしくなる。八つ当たりだと分かっていても
つい舌打ちを一つ、天井を軽く睨みつけた。
 不意に、悲鳴。
 声が聞こえた方向へ駆けると、階段の上からツルが落下してきた。思わず抱きとめたが、
漸く弁解の機会が与えられたことに気が付いた。HR中なので周りに人も居ないから、何を
言われても何を言っても問題ない。
「離しなさいよ馬鹿」
「嫌だ」
 短く言って、抱く力を強くした。後ろ向きなのでどんな表情をしているか分からないが、
きっと泣いている。僕に辛く当たってくるくせに寂しがりやなこの少女は、いつもこうし
て一人で考え込み、後悔して泣いている。昔からそんな一面を見続けてきた僕だからこそ、
よく分かる。
「何よ、貧乳は嫌いなんでしょ?」
 随分と話が飛躍しているな、いつものことだが。
 今回の話を簡単に言ってしまえば、僕が巨乳好きだと思ったから貧乳な自分には興味が
ないとでも思ったのだろう。一昨日僕に抱かれておいて、随分な話だ。
「僕は、ツルが好きなんだよ」
 言うと、ツルの体が一瞬震えた。続いてもがくように暴れ、腕の拘束から強制的に脱出
する。振り返って僕の顔を覗いてくるのは、不機嫌そうないつもの表情。
「本当に?」
「マジで」
 答えるなり、ツルは僕の手を引いて歩き出した。上っている階段の先は屋上の筈だが、
どういうつもりなのだろうか。一時間目まではまだ若干の余裕があるけれども、そろそろ
教室に戻った方が良いと思う。
 立ち止まったのは屋上の扉の手前、踊り場だった。
「どうしたんだよ?」
「ちんこ、出して」
 いきなり衝撃的な発言をされ、驚いて顔を見てみれば赤く染まっていた。恥ずかしいの
かそっぽを向いているが、そんなに辛いなら言わなければ良いのに、と思う。
「早くしろ!!」
 怒鳴るように言われて、慌てて股間のものを露出した。いきなりのことで、つい従って
しまったけれども、一体どうするつもりなのだろうか。
 まさか。
 不穏な想像が幾つも浮かんでくるが、答えはどれでもなかった。
「何、してるんですか?」
116 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:45:17 ID:B05ff1Gq
「お詫び」
 言って、ツルは先端を一舐め。今まで味わったことのない感触が股間の先端に当たり、
あまりの快感に声が漏れた。それに気を良くしたのか、相変わらず不機嫌な表情のままだ
が何度も刺激を与えてくる。
「お詫びって何だよ?」
 ツルは口を離すと、
「さっき酷いことしちゃったし。一昨日のことで、股は痛いから」
 下品な上に直接的だが、何とも分かりやすい。
「でも、人がくるかもよ?」
「今の時間なら大丈夫、そのためにここにしたんだし。だから」
 再びツルは僕のものを口に含み、動かし始めた。淫猥な水音が無人の廊下に響き渡り、
僕をより興奮させていく。初めてだから当然なのだが、歯が時々当たるのがそれを増長さ
せた。口の中で更に大きくなり、元々あまり大きくない口内を埋め尽くすようになりツル
は少し苦しそうな表情を浮かべた。
 だが逆に僕は全体を圧迫されていて気持ちが良い。歯が当たる回数が増えたけれども、
あまり痛くなく、寧ろアクセントになって心地良かった。
 不意に、手がツルの胸へと伸びた。それに驚いたのか、絡み付くように竿をなぶってい
た舌が跳ねた。続いて、僕のものを口から出すとこちらの顔を睨みつけてくる。
 数秒。
「……すみません、調子に乗りすぎました」
「改めて訊くけど」
 何だろう。
「巨乳、好きなの?」
「詰まっているのは乳脂肪じゃなくロマンだと思うときが多い」
 再びの沈黙。
 しまった、素直に答えすぎた。
「うあぁん、ちんこを殺してアタシも死んでやる!!」
「待て、そこに脳や人格はない!!」
 しかし僕の制止も聞かず、強く歯を立ててきた。
「落ち着け、僕が好きなのはツルだけだ」
「本当に?」
 僕のものを口から出しながら、潤んだ上目遣いで見上げてくる。態度が可愛いのは良い
が、何ともせわしない娘だ。
117 名前: 『ツルとカメ』2 [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:47:01 ID:B05ff1Gq
「本当だ」
 これは、嘘じゃない。
「……でも、アタシも頑張るから」
「そのままで良いさ。前にも言ったけど、僕はロリコンだから」
 自分でも少し恐ろしい発言だと思ったけれど、ツルは何も言わずにまたしゃぶり始めた。
心なしか嬉しそうに見えるのは、気のせいではないだろう。
 僕も嬉しくなり髪を撫でると、顔や舌の動きが加速した。コツを掴んだようで、僕の弱
い部分を重点的に激しく責めてくる。正直、ここまで気持ちの良いものだとは思っていな
かったから、予想よりずっと早く限界が来た。
「出るぞ」
 口に出して、と言わんばかりに大きくストロークをして、一気に根本まで喰えてくる。
「んっ」
 次の瞬間、思わず出してしまった。竿の中に微妙に残ったものを吸い出したあと、ツル
は天井を向き、音をたててゆっくりと精液を飲み込んでいく。
「大丈夫か?」
「不味い」
 そう言いながらも口の端から垂れるものを指で拭い、しゃぶるように舐めとっていく。
ぼくがそれを眺めているのに気付き、ツルは頬を赤く染めた。
「……もう一度訊くけど、巨乳、好き?」
 どうやら余程気にしていたらしい。引っ張りすぎだと思ったけれども僕は笑みを浮かべ、
「ツルの乳が一番好きだ」
「馬鹿」
 ぶん殴られた。
118 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:51:47 ID:B05ff1Gq
今回はこれで終わりです

>>81
とりあえず織濱第二高校の設定ですが、もしかしたら、万が一他の職人さんがいじりたく
なった場合のために保留という方向性で
織濱第二高校は、まぁ、分かる人だけ分かってもらえればそれで
119 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/07(木) 16:31:56 ID:yQfNhzqC
マエバリwww
全力で変態の領域な4人組GJ!
120 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/08(金) 18:21:00 ID:cRWGcmT2
とりあえず言うことは決まっている
GJ!!!
それ以上でも以下でもないこの言葉
この言葉を貴方に届けと此処で僕は願っているよ
色褪せてしまった言葉もいつかきっと届けと願うよ
121 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/08(金) 22:47:11 ID:JcdWSx2u
裏になっても叶えてくれるのかな?


つ[10000]<いつか元に戻ると信じてるよ
122 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:47:43 ID:9vRbVQ10
とりあえず書き終えた
まだ続くようだがよろしければ見てください
どこまで投下したか分からないので
見た事が在るのが出てくるかもしれません
もしも合ったならすみません
では投稿します
123 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:48:37 ID:9vRbVQ10
で、帰り道だ
現在PM7:00
結局監督は来なかった
よくある事だ、気にしない
家が近いという理由で綾女と一緒に帰っている
何時もなら桜も居るが急に病院へ行くことになったらしい
理由は気にしない
気にしないったら気にしない
別に俺は関係ない
そう思っている
だから気にしない
そんなこんなで綾女と二人っきりだ
話題が無いから困る
そんな無言を打ち切ったのは綾女だ
「ねぇ」
「ん?何だ?」
「やっぱ何でも無い」
「何でも無いって…何だよ」
まぁいいか
そしでまた無言が続く…
結局俺らは終始無言で帰った
124 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:49:14 ID:9vRbVQ10
「そう言えば明日はテニスの練習休みだったか?」
飯を食い終わり風呂にも入って
自室に引き篭もって―――
引き篭もりみたいな言い方はやめようか
明日は土曜日だ、練習表を見てみようか…
予想通りだ、明日は休みだ
暇だな、桜でも誘って何所かに行こうか…
とりあえず電話を――
携帯電話を取り出す
俺の電話はAQU○Sだ
・テレビが見れる
・カメラは202万画素
・顔認証機能
さすがVODAF○NRだ
しかもテレビは録画も出来る
話しが脱線したな、自粛します
何コールで出るだろうか
数えてみよう
「ワンコール、ツーコール、スリーコール」
口に出さなくても良いのだがな…
と、出た
「もしもーし、悠沙か?」
「いや、違う」
「ちょwwww」
「まぁいい、で、用件は何だ?」
「それ俺のセリフ」
「そうだったか?まぁ良い、明日遊べるか?」
「明日…ネェ…あぁー…無理だ、佐藤サンとのデートだ」
ちなみにその佐藤サンとやらは2次元の彼女だ
何て言うか…
哀れだな
黙ってりゃカッコいいのにな…
あんな性格だからこうなるんだよな
まぁ他人事だ、俺は別にそのことに対してどうこうとはしない
でも持てたがってるんならな…
まぁいいや、そんなことを言ってもどうせあいつはやめはしないさ…
「分かった、んじゃいいよ、またな」
そう言ったとたんに電話が切れる
あたりまえだ、電源ボタンを押したのだから
125 名前: 黒き色彩 [sage題を変え忘れ] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:50:27 ID:9vRbVQ10
「やっぱり暇だよな、次は彩女に…と」
ワンコール、ツーコール、スリーコールと、俺はまた数える
この行動に意味は無い
「もしもし」
電話に彩女が出た
「もしもし」
とりあえず返す
「もしもし」
「もしもし」
「もしもし」
「もしもし」
「もしもし」
「もしもすぃ」
噛んだ、とりあえず噛んだ
「クス…」
そして笑われた
「笑うな」
「あ、ごめんね」
「まぁいい、明日遊べるか?」
「明日?明日は…遊べるわよ」
「そうか、じゃあな」
「ぇ?それだけ?」
「冗談だ、じゃあ明日遊ぼう」
「あんた他に遊ぶ人は居ないの?…
 まぁ別に良いけど…何処に行くの?」
「桜を誘ったら断られたんだよ
 どこが良い?」
「何処でもいいけど…あ、遊園地に行きたい」
遊園地か、今現在の季節は夏
「人口密度が高くて蒸し暑いだろ」
「別にいいじゃない」
「いいのか?」
「いいのよ」
「んじゃ良いか」
「で、明日は10時に駅前に集合ね」
駅前か…
「分かった」
「―――そういえばこれってデートよね」
ん?何か言ったか?電波が悪い、聞こえ辛い
「もう一度言ってくれ」
「いや、何でもないわ」
「そうか…んじゃあな」
電源ボタンを押す
結構話していたな、料金がワッショイだ
意味不明なのは仕様だ、気にするな
126 名前: 黒き色彩 [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:51:09 ID:9vRbVQ10
明日は遊園地か、豪く金が掛かるな
財布を確かめてみる、5万円だ、うん十分だ
これくらいあれば問題ないだろう
次に服を確かめてみよう
喪服で行って見ようか…
冗談だ、真に受けるな
一応はおしゃれをしたほうがいいだろう
…これってデートか?
まぁいい
それより服だ
うにくろは問題外だろうか…
と言ってもブランド物を着漁るのもどうかと…
まぁいい
とりあえず服は決定だ
どうせなら香水も付けていった方がいいだろう
と言っても俺は持っている香水は一つしかない
だからすぐに決定だ
ちなみにレンピカを付けて行く
確か高かった気がする
気がするだけでそれが定かではない
しかしきっとそうなのであろう
しかし、俺は香水の事は余り知らない
真実は何時も一つだ
さて、現在時刻23:47
もう寝ようか
おやすみ
127 名前: 黒き色彩 [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:51:42 ID:9vRbVQ10
おはよう
もう起きようか
さて、現在時刻08:10
アラームが鳴ってから10分後に起きるのが俺だ
俺と同じ人は結構多いはずだ
例えば…
画面の前の可愛い娘
いたならば結婚を申し込もう
いや、冗談だ
まぁ君もあるんじゃないの?
話しが脱線したな…
次から元に戻そう
さて…とりあえず風呂に入ろうか…
どうでも良いが朝起きると体がいつもダルイな
何かあるのか?
此処最近疲れが取れん…
そんな考えを置いてシャワーを浴びる
湯が出るように設定をし忘れていた
冷たい
だが、此処から風呂を出て
ボタンを押して戻るのも…
寧ろこのまま冷たいままでシャワーを浴びよう
しかし冷たいな
冷たいな冷たい
た冷たいな冷た
いた冷たいな冷
ないた冷たいな
何か出来た
半分からは下から読んだら冷たいなだ
どうでもいい
夏だからといっても朝は冷たい
風呂から出る
体を拭く
タオルがほのかに温かくて…
とりあえず体が冷えた、風邪を拗らせても仕方ないな
服は昨日のうちに用意をしておいた
香水も用意をしておいたからな
現在時刻09:02
今から行けば十分間に合うだろう
128 名前: 黒き色彩 [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:52:18 ID:9vRbVQ10
で、到着は09:30
予定時刻の30分前に付くのは当たり前だ
人としての礼儀だ
待つこと約10分綾女が現れる
「あれ?もう居たんだ、いつもながら早いわね」
「お前も早いだろ、予定時刻よりもずいぶんとあるぞ」
「人は待たせたくないからね」
「そういいながら俺を待たせているがな」
「た…確かにそうね、そんなことどうでも良いでしょ」
たしかにどうでも良いけどな
「まぁ良い、少し早いが行くぞ」
俺らは電車に揺られて30分
到着した
さらに駅から歩いて数分
現在時刻10:07
結構近いのですぐに俺らは到着する
「ここって結構でかいわね」
「いつ来てもでかいな」
「前にも来た事あるの?」
「数年前に親に連れられて一度だけな…」
「そうなんだ、私は始めて」
話しで分かるだろうがの遊園地は結構でかい
一日だけで回るのは無理だろう
とりあえず入場する
週末だから人は多い
美地曜日…タイピングミスだ
そこ、笑わないでくれ
日曜日ほど多くは無い
とりあえず入場をする
129 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 19:54:32 ID:9vRbVQ10
以上です
そして誤字を発見しました
vodafoneがvodagonrになってました
他にも誤字が合ったら言って下さい
意見、要望にもなるべく答えます
130 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/10(日) 23:08:27 ID:o9TnfDll
なんだかよくわからない
131 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 00:52:38 ID:LEomgV1V
79氏召喚の儀!!
エロパロエッサイムエロパロエッサイム



色…続き書く時間がねぇよ…
132 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:13:45 ID:RuhsOju1
>>131
いつまでも待ってるぜ


裏ウィッシュは人になることを諦めたわけだから
他人の願いを叶えることには真面目なのか…?
とてもそんな性格にはみえないが…
133 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:53:27 ID:rrQWjqkR
質問コーナーに目を通そう、重複質問はダメダヨ♪と真面目にコメント
>95-96
理緒編でも理緒以外の人たちとしてもいいじゃない埋まらないCGが他編で埋まってもいいじゃない
ってハロが
>98
確認取った。実にくだらん質問ですた
>99
ヨガテレポートで(・∀・)カエレ!!
>100
しのた編を出し抜くためさ
うわ やめ
>103
誰と合意したんだ誰と。
義務では無いが本人に一言無くキャラを持ち出すというのは誠に遺憾な行為
こっちも蕪雲とか(毒男とか)突っ込まれそうなキャラ使ってるから大きな事は言えないけど
>105
(;^ω^)・・・
>106(592氏)
>関係がよじれてきたのは気のせいではない。俺が言おう。
(#^ω^)パキパキピキンコパキピンコ
>109-(ロボ氏)
ちんこ殺す→あたらしいのを買う→元気百倍
と解釈すると、つまりア○パ○マンの頭には脳や人格はないんですね非常によくわかりました
っていうかいろんな意味で恐ろしい所だな織濱第二高・・・
>122-(リアルの人/黒き色彩)
生理的に『話「し」』がこれがすっごくきになるのぉぉ(ry
もう寝ようか
おやすみ
>131
そんなんで召喚されてたまるか!!
>132
ちゃんと叶えるよ
でも、裏返ったせいで逆の能力(=不幸にする能力)のが使えるようになってしまった
134 名前: 79 Le souhait ツン編10(1/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:54:32 ID:rrQWjqkR
――遅い。
遅いな。もう朝の五時だと言うのに、由梨は一向に起きてこない。
早朝のリビングに、スズメたちのちゅんちゅにんぐ(chunchuning)が響いている。
椅子に座りなおす。
まったく、どうしたことだ。もう食器も並べてあるのに。
このまま起きてこなかったら、おにいちゃん餓死する事必死。
おにいちゃん餓死。
そのニュースは瞬く間に全米に広がり、人々を震撼させた。
無理も無い。その手口は、二年前にノースカロライナで起きたあの悪夢のような事件と酷似していたからだ。
二年前と同じ見出しが、新聞の紙面に躍る。
おにいちゃんおにいちゃん。何だいジュリー、こんな夜中に。おにいちゃんはどこにも行かないよね?はっはっは。
当たり前だろう。怖い夢でも見たのかい?だって、こわいんですもの。わかったわかった。愛しいお前を置いて行くものか。
さ、だから安心してもうお休み。うん。ああそうだ、あと、寝る前にちゃんとおヒゲを剃るんだよ。
ハロ「ってどっちも男かよ!!11!」
テーブルを叩いた衝撃に、食器たちが音を立てた。
朝から気持ちの悪い世界にdで行ってしまったぜ。
ハロ「ご飯マダー?」
箸でコップの淵を叩く。ちんちん。
ガチャ
ユリ「あ、おはよおにいちゃん・・・今日は早いね」
由梨が目をこすりながらリビングに到着した。
ハロ「何でお前、枕持ってきてるんだ?」
ユリ「えっ?・・・あっ!」
気付いて、猛スピードでリビングを去る由梨。
再び、箸でコップの淵を叩く。ちんちん。
愛妹が息を切らして戻ってきた。
ハロ「誰がボケろと言ったよ」
ユリ「ごめん・・・本当に寝惚けてた」
ハロ「今日は体育祭だと言うのにたるんでるぞ」
ユリ「ごめん」
ハロ「謝るな!」
ユリ「えっ!?ご、ごめん・・・あっ。あれ?なんて言えばいいんだろ」
一生懸命考え中のところ悪いが。
ハロ「ところで腹が減ったので早いところ朝食にして欲しい」
ユリ「そんなに気合入ってるんだったら、代わりに作ってくれてもいいのに・・・」
ぶつぶつ言いながら、由梨はキッチンに向かった。
ハロ「まあ本当は体育祭なんて楽しみじゃないんだけどな」
体位臭い。なんて如何わしい響き。
小学校の運動会なら人殺到だけど、今となっては人殺伐が関の山。
関の山。
どこの力士だろう。
それはそれとして、一般客の入場おkって事は、まず間違いなく雪花さんは来るだろうな。
渋沢さんは来るか・・・?もう何ヶ月も見てない気がするが。
一時滞在みたいな事言ってたし、おそらくもう帰ったんだろうな。
ハロ「あ、そうだ。元気の出そうなもの作ってくれよ」
ユリ「元気の出そうなもの?おにいちゃんの持ってる本に載ってたようなの?」
ハロ「そ・・・お前、いつの間に」
ユリ「あ、卵切らしてたかなー」
わざとらしく冷蔵庫を覗く由梨。
俺の持ってる本に載ってるような物?体育祭にどんな元気つけて行けって言うんだそれは。
135 名前: 79 Le souhait ツン編10(2/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:55:15 ID:rrQWjqkR
家を出る。
ハロ「暑い・・・」
朝から蒸し暑い。これだから日本は。
体育祭が楽しみだったから朝早く起きたのではもちろんなく、況してや気合が入っていたわけでもない。
この暑さにやられ、寝苦しくて止むを得なく早く起きてしまったんだこれが。
どうよ、この日差し。
でも、日差しより君のほうが眩しいよ。
それって実際言われてみて嬉しいものなんだろうか。
じゃあ彼女見るときはサングラス掛けとけよとしか思わないんだが。相手は太陽だぞ?
そんなくだらない事を考えながら、俺はいつもの道をゾンビのように歩いていた。
ツン「あ、ハロ。おはよう」
暑いな。容赦無い。
ツン「ちょっと!通り過ぎないでよ!」
ハロ「え?」
聞き覚えのある声。
ハロ「ああ、この匂いはツンか。おはよう」
ツン「何で判断してんのよあんたは!?///」
ハロ「にほひ・・・」
ツン「ああ、もう!シャキっとする!みっともないわよ?」
ツンにそう言われ、背筋を伸ばす。
両手を腰に当てて俺を見上げているツンの姿を確認。
ハロ「おはよう」
ツン「二回も言わなくていいのよ」
ハロ「今のは明日のぶんだ・・・ふぁ〜あ・・・」
大きな欠伸をした。
ハロ「あれ?」
ツン「何よ?」
ハロ「ブルマ穿いてないな」
ツン「穿くわけないでしょ!?」
ハロ「あ、そうか。うちの学校はブルマじゃないんだった」
ツン「今時ブルマの学校ってあるの?しかも学院で」
ハロ「あるにはあるんだが・・・」
どこの世界にあるって言えばいいのか説明に困る。
ハロ「まあ、要するにお前のブルマ姿が見たいって事だ」
あれ?間違った。
ツン「バカ!」
スネを蹴られる。
ハロ「てんめぇ俺の黄金(24金)の右足になんて事を!」
思わずうずくまる俺。
ツン「ふん!私は悪くないんだからね!」
そっぽを向くツン。
顔を上げると、ツンの脚が眼前にあった。
ハロ「こ、これはマジでやばい・・・」
ツン「そんなわけないでしょ」
こんな近くで脚を見るのは久しぶりだな。
ハロ「・・・」
ツン「ちょっとハロ、だいじょう――!!///」
ツンが振り返り、俺の愚行がばれちゃった。
ガッ
ハロ「モルスァ!!」
136 名前: 79 Le souhait ツン編10(3/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:56:53 ID:rrQWjqkR
学院に到着する。
見れば、既に朝練に励んでいる生徒も多いようだ。
ところで両スネが痛む。

教室に着き、とりあえず鞄を置く。
ハロ「で、ツンは朝練やるのか?」
ツン「ハロは?」
ハロ「俺?行く気無いなぁ」
椅子と引き、自分の席に座る。
ツン「そうなの?まあ私も朝練はしないけど」
ツンも座る。
ハロ「何だ、やる気の無いヤツだな」
ツン「あんたには言われたくない」
蕪「朝から、やる気の無いやつらだお」
毒「こんなやつらとは組めんな」
突如現れる二人。
ハロ「いや、お前ら種目違うだろ。しかも同じクラスだし」
蕪「特に智途様の身にかかる火の粉は漏れが排除せねばならんお」
蕪雲はテニスのラケットを取り出し、ガットの上でボールを転がしながら言った。
ツン「何?私の事?」
蕪「漏れたちとテニス勝負をして漏れたちが勝ったら棄権してもらうお」
毒「ダブルスでな」
ハロ「ダブルスって俺も含まれてるのか?俺テニスなんかやった事――」
ツン「うけて立とうじゃないの!」
工工エェ(;´Д`)ェエ工工!?
ハロ「いや俺はサッカーやりに来ただけで本当に何も知らねぇんだ!信じてくれ!あとバスケと」
毒「俺も卓球専門だけどな('A`)」
ハロ「じゃあ断れよダブルスやるの!」
ツン「コート空いてる?」
蕪「当然だお。決戦だお」
ハロ「でも、智途も不戦勝したところで喜ぶだろうか?」
しーん。と静まり返る。
蕪「こ、こここ細かい事気にするなお」
動揺してるな。
蕪「とにかく勝負するお。ヤイヤイ言うのはそれからで十分だお」
十分手遅れだと思うんだが。

テニスのラケットを借りさせてもらった。
ツンがこれがいいって言うから持ってみたが、何か違いがあるんだろうか?
ここは経験者の意見に従うのが一番だな。
俺は試合結果がどうであれツンや智途のミニスカ姿が見られればなんでもいいんだが・・・ん?
ハロ「何だ毒男」
毒「由梨ちゃんは何の種目に出るの?」
ハロ「なんだ。お前が把握してないとは珍しいな」
毒「うっかりしてたんだ。テニスかどうかだけでいいんだ」
ハロ「おぬしもエロよのう」
毒「いやいや。で、どうなん?」
ハロ「そりゃお前の思っているとおり、もちろん・・・」
毒「(*'A`)!」
ハロ「卓球だ」
137 名前: 79 Le souhait ツン編10(4/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:57:42 ID:rrQWjqkR
毒男、全く機能せず。
俺よりも機能してないんじゃないか?何回ツンに怒鳴られたかわからん。
よって、俺たちのほうが優勢。
1セットとって40-0だ。
ハロ「ツンもなかなかやるな」
ツン「あんたが下手なだけよ。ちゃんと集中して」
はいはい。
ハロ「ん?」
智途が駆け寄ってきた。
チト「練習に使いたいんだが、何分ぐらいで空きそうだ?」
ハロ「ツン。後何分くらいで勝負つきそう?」
ツン「五分あれば十分よ」
チト「フ、強気だな。じゃあそれを信じて待ってるとしよ――」
ティュィー(瞬間移動の音)
蕪「いいですとも!空けますとも!」
ツン「何よ!まだ勝負はついてないでしょ!?」
蕪「やっぱやめるお。こんな卑怯な真似しても智途様は喜ばんお」
それ、俺がさっき言ったよな。
ハロ「だってさ。お開きだ、ツン」
ツン「納得いかない!」
チト「なんだかよくわからんが、せっかく空けてもらったんだ。始めよう、しのた」
し「あ、はい!」
毒男も、あんなに落ち込む事は無いだろうに・・・。

ハロ「(パスキタ――(゚∀゚)――!!)」
俺へのパスじゃないけどな!
・「あっ!」
ウェヘヘ左ウィングの俺にボール取らせたらどーなるか分かっちゃってんのかよチミ。
俺ゴールに向かって一直線栄光の架け橋へとぉー!!
って何だ何故かゴール前に敵さんいっぱい!?何気に足速えよこいつら!
迫るゴール。後ろからさっき抜いたやつが来てるのも感じる!
どーするよ俺。どーすんの!
?「HEY」
ハロ「!」
味方の右ウィングが上がってきている。
あ!君は南極からの留学生ルドルフ・エン・ダンス君!
ハロ「ルドルフ!頼んだ!」
俺はルドルフに最後の希望を託した。
ルド「おk・・・FIRE!!」
ルドルフのオーバーヘッドキックが、ゴールネットを揺らした。
ピーッ(SE:ホイッスルの音)
・「キャー!」
ハロ「ルドルフ。別にキャプテン○みたいな事しなくても入ったぞあれは」
ルド「何。女子たちも見に来てるからパフォーマンスしますよ」
ハロ「なるほど。向こうに居た時もそうやって女を釣ってたわけだ」
ルド「ニホンゴ ワカリマセン」
またそれぞれのポジションへと散っていく。
ハロ「かなり日本語よくわかってるじゃないか」
ピーッ(SE:ホイッスルの音)
テニス、どうなってるかな。このあとバスケなんだよな・・・。
138 名前: 79 Le souhait ツン編10(5/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:58:43 ID:rrQWjqkR
クラスでは目立ってない俺。
しかしこの体育祭と、そしてその後の文化祭で、俺を見直すやつが大勢居る筈だ!
まずは、この卓球の種目で何気なく優勝をもらって行って、それをプレリュードとさせてもらおうか。
卓球だけはスポーツで唯一自身のある競技なのさ。
それにしても対戦相手、遅いな。
決勝でこれとは情けない。
これまで由梨ちゃんと当たる事はなかった。可哀想に、どこかのクラスに負けてしまったんだろう。
ならば俺が優勝商品を持って由梨ちゃんにプレゼントしに行くだけさ。
何。優勝なんて俺には必要の無いものさ。
必要なのは君のえが
し「由梨ちゃん、急いで!」
毒「('A`)?」
ユリ「ま、待ってよしのたん」
ああ、そうか。しのたが決勝の相手ね。
ユリ「しのたんは出ないんだから、私より先に来ても意味ないでしょ?」
だが我が野望を邪魔立てする気であれば・・・え?
毒「え、決勝の相手って・・・」
ユリ「あ、あれ?毒男先輩?卓球強いんですね」
毒「ええ、まあ・・・(*'A`)ホワワ」
ユリ「じゃ、時間も押してるみたいなんで」
毒「え?」
俺の優勝は?
由梨ちゃんの笑顔は?
毒「・・・(計算中、計算中、計算中、計算中)」

もうだめぽ

ようやくテニスコートにたどり着く。
ハロ「はぁ、はぁ・・・」
くっそ、サッカーもバスケも負けちまった!
ルドルフが『係の仕事ありマース』とか言って抜けちまうから悪いんだぞ全く。
あー、釈然としねえ!
おっと、テニステニス・・・。
ハロ「あ、ツン!」
決勝戦には間に合ったようだ。
ツンが決勝まで進んだと言うことを噂で聞いて半信半疑だったが、どうやら本当らしい。
ツン「何よ?もうちょっとで始まるんだからあまり話しかけないでよね」
チト「ハロに八つ当たりしなくてもいいだろう」
智途もユニフォーム姿で・・・あ?
決勝って、この二人?
ツン「・・・何?智途には関係無いじゃない」
チト「無いが、八つ当たりされるほうも気分のいいものでは無いだろう」
ハロ「いや、俺は別に」
ツン「八つ当たり八つ当たりってしつこいわね。これは真剣勝負なんだから」
チト「ハロ、気を悪くしないでくれ。月岡も気が立ってたんだ」
ハロ「あ、ああ」
ツン「・・・いい度胸じゃない」
おお。ツンから怒りのオーラが!
ルド「ハイハーイ!stopネー!あとはテニスで戦おう!」
ハロ「お前ここの審判だったのか」
なら俺でも最優先だな。
139 名前: 79 Le souhait ツン編10(6/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 01:59:19 ID:rrQWjqkR
ツン「決着をつけてやるわ!」
チト「面白い」
両方とも凄い闘気だ。例えるならドラゴニック(ry
蕪「智途様がんがれー!」
毒男が居ないな。あいつ決勝まで行ったんだ。
ツン「行くわよ!」
パコン!
サーブ速っ!こりゃかなり本気だな。
パコン!
でも智途も難なく打ち返す。もしかして、最終的にはボールから火が出るくらいにまでなるんじゃないか?
ルド「うーん、どうやら彼女たちは君を賭けて戦ってるみたいだね」
ハロ「?何でわかるんだ?」
ルド「よく耳を澄ましてごらんよ」
・・・。
ツン「いい加減・・・諦めなさいよ!」
チト「諦め・・・切れるかっ!」
ツン「ずっと・・・一緒なんだから!」
チト「これでも結構・・・一途なんだぞ!」
ハロ「・・・あいつら」
ルド「聞いてて恥ずかしいよ」
ハロ「なるほど。向こうに居た時もそうやって」
ルド「ボンゴ ワカリマセン」
俺だってわかんねえよサンスクリット語なんか。
まあ歓声のほうが大きい。聞き取れるやつはそう居ないだろうな。
現に蕪雲も聞き取れてないみたいだし。
ハロ「あっ!」
ツンがネットした。
ツン「あー!もう!」
それでも随分打ち合ってたよな。俺から見ればかなり凄いが。
ツン「まだまだ行くわよ!」
チト「来い!」
番長同士の喧嘩みたいに最後は穏やかに終わるんだろうか?かなり居づらい。

ドドドドドドドドドドドド
智途 1 15-0 1 ツン
ハロ「このゲームはニセット先取で勝ちが決まる。そろそろ決まるぞ・・・」
と、言ってもデュースでしばらく続くだろうが・・・。
ユリ「おにいちゃんおにいちゃん!」
ハロ「どうした?」
ユリ「あのね、私ね、卓球で優勝したの!」
ハロ「ああ・・・は!?!!???優勝!!??!?!1?」
ユリ「うん!」
え?と言うことは毒男は?
辺りを見回すが、その姿は無い。
ユリ「褒めて!」
犬か。
ハロ「すごいすごい。よしよし」
頭を撫でてやる。
ユリ「えへへー」
みんなが居る手前、あんまり愛溢れるスキンシップはできないのは勘弁してくれ。
ハロ「こっちはこんなにも平和なのにな」
140 名前: 79 Le souhait ツン編10(7/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 02:00:09 ID:rrQWjqkR
ドドドドドドドドドドドド
ツン「し、しぶといわね・・・」
チト「そ、そっちこそ・・・」
あ、またデュース。
ハロ「そう言えば今日、理緒が居ませんが」
東「輝青院は欠席じゃと連絡があった」
ハロ「てんてー、いつの間に」
東「で、これはどうなれば勝ちなのじゃ?ちと教えてくれんかのう」
ハロ「・・・はい」

し「うーん、なかなか決まりませんね。女の意地、ってやつなのでしょうか・・・」
ユリ「しのたんしのたん!」
し「・・・何ですか?」
ユリ「あのね、おにいちゃんに」
し「褒められたんですね?さっきも聞きましたよ」
ユリ「案外簡単に勝っちゃったのにね」
し「それもそうですね。毒男先輩、ボクの目から見ても下手でしたし」
なんであんなにギクシャクしていたんでしょう?
し「でも、今はテニスを見ましょう。いいですね?」
ユリ「はぁい」
ご機嫌ですね・・・。

ハロ「あ」
チト「くっ!またデュースか・・・」
ルド「勝負あり。勝者月岡!」
チト「なっ!?」
ワアアアアア (安っぽいがSE:歓声)
ツン「やったわ!」
大きくガッツポーズをするツン。
し「智途先輩、数え間違えてました?」
チト「――・・・」
智途は硬直して言葉も出ないようだ。
蕪「えー、今回の件については私といたしましてもまことに」
チト「うるさい黙れ!」
蕪「あっ!智途様、流石の漏れも痛いお!痛いお!痛痛痛痛痛」
ぽんぽん。
肩を叩かれ、振り返る。
ルド「やあヒーロー。プリンセスがお待ちだよ」
ハロ「・・・うるせえな」
既に多くのクラスメイトに囲まれているツン。入る余地は無いようだ。
ハロ「そういうわけでさらば」
東「こりゃ。おぬしそれでも男か」
立ちはだかるてんてー。
ハロ「その証拠が見たいと言うのなら拒みはしませんが」
東「拒め!ああ、ほら行ってしまうぞ」

二人の試合が予想以上に長引いたため、閉会式はとことん簡易な形に切り替えられ、迅速に終了した。
ツン「なんか表彰も味気ない。明日とかにゆっくりやればいいのに」
着替える暇もなかったツンは、あの後に普通にてんてーから優勝トロフィーを手渡しされたのだった。
ハロ「体育祭関係者も冷や汗なほどの白熱振りだったぞ。いや、決着がついてよかった」
ツン「ふん・・・」
でも、雪花さんも渋沢さんも何で誰も来なかったんだろうな?忙しかったんだろうか。
141 名前: 79 Le souhait ツン編10(8/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 02:01:03 ID:rrQWjqkR
そのままツンの家まで帰ってきた。
俺を待たせるのも嫌だし、何より面倒くさいと言うことで自宅で着替えると言い出したからだ。
俺はあつかましくもツンより先に座り、ソファーにもたれかかって寛いでいた。
ツン「で、本当はどっちに勝って欲しかった?」
ツンも俺のすぐ脇に座った。
ハロ「本当は、も何も・・・ツンに決まってるじゃないか」
ツン「本当?智途が勝ってたら智途にそう言うんじゃない?」
ハロ「いや、そんな事は」
ツン「智途ばっかり見てなかった?」
ハロ「や、それは無い。どっちも見てた」
だから今日はおなかいっぱいです。
ハロ「素直に喜べよ。優勝だぞ?優勝!」
ツン「じゃあ、もらってもいいのね?」
ハロ「?何を?」
ツン「優勝賞品」
ツンは座っている俺に跨るように座り俺と向き合うと、その顔を近づけてきた。
ハロ「え、俺?」
ツン「・・・何よ。当たり前じゃない。じゃなきゃあんなに頑張ってあげないんだから」
ハロ「そ、それはども・・・」
ツンはため息をついた。
ツン「あんたね、チラチラ見るならまだ可愛げがあって許せるんだけど、凝視するのはやめてくれない?」
確かに、俺は短いスカートからのびるツンの脚に目が釘付けだった。
ツン「しかも勃ってるのが当たってくるし・・・あっ!?」
俺はそのまま、ツンを抱きしめた。
ツン「や、やぁ、バカッ!何してるのよ!?///」
顔が丁度ツンの胸に埋まる。ツンに頭を押さえつけられるが、全然離れはしない。
ツン「ば、バカっ、変態・・・!///」
顔を離す。
ハロ「ブラが凄く邪魔」
ツン「あんたのズボンのほうが邪魔よ」
ハロ「邪魔って言われても脱いで外出たら捕ま」
ツンは腰を浮かせ、ズボンの上から指でそれを起こした。すると再び腰を下ろし、自らの股間を竿にあてがう。
そのまま擦り付けるようにして、上下運動を開始した。
ハロ「ぅ・・・」
ツン「どう?邪魔でしょ?」
ハロ「わ、わかった。脱ぐから・・・!」
ツンはふふっと笑って、いったん体を離した。

俺が脱いでいるのを、ツンはソファーに座って背後から見守っている。
俺は、ツンが思っている以上に興奮していたのかもしれない。
ツン「じゃ、いつもみたいに足で・・・きゃっ!?」
俺はほとんど無意識のうちに、ツンをソファーに押し倒した。
首筋を舐めながら、手を回して服の上からブラを外しにかかる。
ツン「ゃ・・・あっ、ばかぁ・・・///」
うまくブラを外す事に成功した。服の間から手を差し入れ、やや強引にそれを取り除く。
ツン「いたっ・・・あ、あんたはね、賞品なんだから、大人しくしてなさいよ!」
俺に跨られながらも気丈な態度を取るその姿に、俺はますます興奮を覚えた。
短いスカートを手でめくり、股間に竿をあてがう。そしてそれをこすりつけた。
突き上げるたびに、亀頭にスカートが当たってくる。同時に手で胸の柔らかさも堪能する。
ツン「や、ゃめ・・・へんた・・・///」
ツンの目は次第に潤みはじめ、顔は赤く火照っていた。
142 名前: 79 Le souhait ツン編10(9/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 02:01:43 ID:rrQWjqkR
ツン「あ・・・は、はろぉ・・・!///」
ツンはソファーを掴み、快楽に悶えている。
尤も、一番悶えているのは俺のほうで、正直もう出てしまいそうだった。
ハロ「は、はぁ、ツン・・・!」
動くたびにスカートがすりすりと亀頭を撫で、微妙な刺激を与えてくる。
もう限界だった。
情けなくも俺はツンのこの姿に心を奪われていた。
最初から。
ハロ「あ、もう、出・・・!」
ツン「――!あ、ぁ、あぁ・・・///」
俺はスカートの中に射精してしまった。
精液はどくどくと出ても、スカートに押し返されどろどろ流れ落ちてきた。
ツン「ぁ・・・う・・・///」
ツンは恍惚とした表情で天井を見上げている。
ハロ「はぁ、ご、ごめん・・・」
腰を引き、精液と欲望にまみれたペニスが姿を現し・・・どろりと糸を引いた。
ツン「ば・・・出しすぎよ・・・///」
ハロ「つい、興奮しすぎて」
ツン「『つい』ってあんたね」
俺は息を整えながら、少し反省した。
ツン「夢中になってくれたなら・・・」
ハロ「え?」
ツン「な、なんでもないわよ!さ、さっさと片付けるわよ、変態!///」
ハロ「あ、うん」
あれ?『変態』って否定すべきだったよな、今。

翌朝。
ハロ「あれ?」
ユリ「どうしたの?おにいちゃん」
ハロ「なんでトロフィーが家にあるんだ?」
トロフィーを手に取る。
ハロ「『優勝 種目:卓きゅ・・・」
ユリ「お・・・おにいちゃんの・・・」
恐る恐る振り返ると、涙目の由梨の姿があった。
ユリ「ばかあぁぁー!」
ハロ「あっ!?」
あ、朝飯が・・・。
由梨はキッチンを駆け出てしまった。
ハロ「はぁ」
やっちまったな。さて、どうやって慰めるか・・・。
そう言えば、由梨には優勝のご褒美あげてなかったな。
頭撫でた程度しかしてないし、直接本人に聞いてみようか?

コンコン・・・ガチャ。(SE:ドアをノックする音&開ける音)
ハロ「あ、あのさ、由梨。そう言えば、まだ優勝のご褒美あげてなかったよな?何がいい?」
ユリ「・・・」
ハロ「例えば、えーと・・・スキンシップとか。・・・由梨?」
ユリ「すー・・・すー・・・」
寝てやがる。
ハロ「仕方ないな。朝食でも作ってやるか」
昨日は俺も気が利かなかったし、これくらいで許してくれよ。
143 名前: 79 質問37 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 02:02:35 ID:rrQWjqkR
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「作品はおそらく40話目」
ハロ「よくもまあ。ゲストはツン」
ツン「『よくもまあ』ってあんたね」
(´・ω・)つ[]<好きです、憑き合ってください
79「憑→←憑」
ハロ「つまり融合」
ツン「差出人は幽霊なのかしら?」
つ[]<やべぇww毒男が一番好きなキャラになり始めてるwwwwww
79「渋沢さんのベクトル少なくしたのが毒男。つまり・・・」
ツン「熾惺ではもてないのにこっちではモテるのね」
つ[]<ハンカチ王子の斉藤はヤクルトに行けと、一回戦から思ってたが。人気が出たらどうでもよくなった。ジェアッ!
79「監禁王子もハンカチは使っていた筈だ」
ツン「だから何よ」
蕪「ハンカチ王子が来たのか韓流スターが来たのかきよし君が着たのか、おばさんの人だかりじゃ区別つかんお」
つ[]~[]_[] ←三節棍
79「南京玉簾のほうが欲しいな」
ハロ「よくチェンの真似したよ。これで毘沙門天」
ツン「あんた何歳よ」
蕪「おそらく東方の話かと(;^ω^)」
つ[]<ツンorチトに「これでも結構一途なんだから(なんだぞ)」と言わせて下さい
79「約束は果たした。だが『これでも』って言うくらい浮気性じゃないよ二人とも」
ツン「『これでも』・・・うーん」
チト「私も強引かと思った。まあカード引いて引き受けたから仕方なかったが」
蕪「まさ○」
つ[]<実は、理緒だけ苗字が思い出せなかった
79「まあ本編では一度も言われてないし・・・途中で投げた口調整理図には『輝青院 理緒』ってあるけど」
ツン「そういえば、そんな苗字だったわね。読みは『きしょういん』だっけ?」
つ[]<チト様、愛してます
蕪「差出人は漏れじゃないお」
ツン「知ってるわよ」
ハロ「で、智途様信者としてこういう方にはどう対処するんだ?」
蕪「良きライバルとして互いに励まし合い殴り合い殺し合い」
ツン「体が持たないと思う」
つ[]<毒男渋いよ毒男
毒「どうよ、この余裕('A`)y-」
東「未成年の喫煙は禁止じゃ!」
毒「いや、これ火点いてな」
ウボァー
ハロ「何だ今のは」
つ[10000]<いつか元に戻ると信じてるよ
79「願いが叶うのかどうか。裏ウィッシュにとって消えて欲しいのは飽くまでハロ、ハロとの関係のみだから叶う」
ハロ「それも酷い話だな」
ツン「いいんじゃない?願いが叶うんだったら」
ウ『で、この万札はもらってもいいんだよね?』
蕪「どーぞどーぞ」
ハロ「お前、この前の一件以来従順になったな」
蕪「そりゃあの後、車に轢かれそうになるわ風邪引くわ切符落とすわ智途様に嫌われるわでさんざんだったお」
ツン「最後のはいつもどおりじゃない?」
144 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 02:04:03 ID:rrQWjqkR
ごめんなさい今回テニスっ娘の方々にはハロの脚フェチぶりにだいぶヒいたと思うのでお詫び
でもこのスレにテニスっ娘なんて居ないがな!
まさに 外道

ところで体育祭はトーナメント形式で行われることになっていて、
今回はサッカーとバスケと男女テニス(シングルス)男女卓球(シングルス)あったわけだが他にもいろいろある。
ちなみに三位決定戦以下、四上位決定四下位決定戦などしつこく決めるわけのわからない形式。

誰GJしてないでさっさと寝なさい君たち
145 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 02:29:35 ID:LEomgV1V
きっといつまでもGJ!!

ツン編ktkr
平和でいいなぁ、ツン編

ツン可愛いなぁツン
秋奈可愛いよ秋奈

つ[]<そういえば、刀キャラがいませんね


>誰と合意したんだ誰と。
義務では無いが本人に一言無くキャラを持ち出すというのは誠に遺憾な行為

お耳を
怖い話スレでみんなテンション下がり気味だったからこのスレを紹介
毒男氏は自分が使われてることは知っているが、全部読んではいない、ということなので
過去ログから全部読むことで合意した
146 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 07:01:25 ID:OiaN9gh3
今週は足が狙い目と聞いて匍伏前進で(ry


ア、サテ ア、サテ
/~V~\√>
ヽ(`Д´)ノ

流石に珠簾はつらいよウワァァァン。
79…恐ろしい子!
147 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 22:21:57 ID:pGiOK3+c
やっぱメインヒロインはええのぉ…

今回の智途の蕪雲へのやつ当たり…これ、フラグって言わんか?w
↑いつの間にか智途を一発変換出来るようになった俺の携帯…('A`)
148 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 23:11:05 ID:pT8A3yPW
足・・足・・・・あしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
(;´Д`)(;´Д`)(;´Д`)(;´Д`)(;´Д`)(;´Д`)(;´Д`)(;´Д`)


つ[]由梨たんが可愛すぎるのでいただきますっ
149 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/11(月) 23:31:47 ID:x70W5BPb
>>100です、79氏GJ!そしてありがとう!

>チト「これでも結構・・・一途なんだぞ!」
実はやってくれるか不安だった罠、出てきた瞬間に叫んだ
きっと近所に迷惑だったと思ふ

次いで40話到達&ツン二桁到達おめでとう御座います。
40話が中途半端?え、偉い人にはそれが分からn(ry

つ[]裏ウィッシュに金を貢ぎ続けるとどうなりますか?
150 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:00:23 ID:G1Z/HTq0
投下しますよ
151 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:02:02 ID:G1Z/HTq0
 先日の事件から早一週間。折り目が付いていたのは誤解だということも分かってもらい、
いつもの日常に戻っていた。コイの巨乳にさえ視線を向けなければ何も問題は発生しない。
最近はツルの僕に対する態度も柔らかくなってきた気がするし、この七日間で乳に関する
質問責めにも耐えた甲斐があったというものだ。
「何をニヤニヤしてんの? ……気持ち悪い」
「気持ち悪いのは元からでしょ? 大方エロ本のことでも考えてるんじゃない?」
 酷い言い草だが、それは有り得ない。今まで隠し持っていた本やビデオ、DVDは存在を
隠蔽していたことを執拗に責められた後で完全に破棄された。バベルの如く積み上げられ
た戦友達が炎に包まれて天に昇っていく様は、悲しい程に美しかった。そして、煙を見て
急いで駆け付けてきた隣の家のお姉さんに堂々と『ゾロアスター教徒なのでキャンプファ
イヤーをしてるんです』と言い放つツルは、本当に恐ろしかった。
「どうしたの、カメ?」
「何でもない」
 僕は涙を拭って笑みを作り、水樹に振り向いた。男の涙は覚悟の印、振り向いては格が
落ちるというものだ。例えエログッズ禁止令が出されても、しょぼくれてはいけない。
「ところで、今日って転入生が来るらしいんだけど知ってた?」
 僕に気を遣ってくれたのか、水樹はそれ以上の追求はせずに話題を変えてくれた。因み
に転入生の話は初耳だ。この学校は生徒数が多い上に学力もピンキリと幅が広く、それに
比例するように転入生や転校生の数もそれなりになっている。だからそれ程珍しいもので
もないし、驚くようなことでもない。
「で、男? それとも、おん……男が良いなぁ!!」
152 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:04:47 ID:G1Z/HTq0
 僕に向けられる二対の視線から目を反らしながら訊くと、水樹は軽く首を捻った。眉根
を寄せて下を向き、顎を人差し指で軽く叩く。考え事をするときの水樹の癖だが、転校生
の性別を思い出すだけでいいのに何故そんなにしているのだろう。
「どうした?」
「んー、名前じゃ男か女か分かんない。男っぽいけど、どっちもアリな感じだった」
 水樹は天井を見上げて吐息を一つ、もしかしたら悔しいのだろうか。僕は以前、水樹が
全校生徒の名前を覚えていると役に立つのか立たないのか分からない特技を自慢していた
ことを思い出した。僕には確認の仕様がないから本当のことかどうかは分からないけれど、
そんな水樹からしたら腹が立って仕方がないのだろう。人間、誰にでも譲れない物がある。
「見た目は?」
「多分、女の子だと思うんだけど。女装の可能性もあるし」
 ねぇよ、と言おうとしたが止めた。実際に女装をして登校するようなけったいな生徒が
そうそう居るとは思わないけれど、その極少数派の筈の人間が知り合いに数人居るので、
無闇に否定は出来なかった。水樹みたいな人間を親友に持っているだけで、その発言権は
限りなくゼロに近くなる。
「ツルはどっちだと思う?」
 とりあえずツルへと振ってみると、コイと顔を見合わせて、
「女じゃないの?」
「て言うか、常識で考えろっつの。アンタちんこだけじゃなく脳まで腐った?」
 普通に話題を振っただけでここまで酷い発言をするとは、コイ恐るべし。それに、僕の
ちんこは腐っていない。そのことは昨日の夜にツルの体で証明済みだ。そのことを言うと
ツルがキレる上にコイまで何かを言ってきそうなので、絶対に口にしないけれど。
「また妙なこと考えてる?」
「いや、安全について考えてた。最近は物騒だからね……主に打撃系が」
153 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:05:34 ID:G1Z/HTq0
 嘘は言っていないのにツルが、何故かコイまでもが冷たい視線を向けてくる。こいつら
は普段の僕の言動をどんな風に見ているのか気になったけれども、敢えて訊かないことに
した。今までの経験が、その藪には蛇が潜んでいると告げている。
 なんとなく気不味くなり、水樹の方を見るとまだ唸っていた。このままにしておくのが
こいつにとっては一番幸せなのかもしれない、あと数分もしない内に答えは分かる。
 電子音。
 HRの予鈴が鳴り、担任のアズサ先生が入ってくる。いつもより少し早いのは、転入生が
居るからなのだろう。先生は教壇に立つと、特徴である切れ長の目で教室内を軽く一瞥、
それだけで全ての生徒が席に着いた。パンツスーツに冷たい美貌、短めの黒髪がいかにも
厳しそうな外見をしているが実際はそれ程でもない。それでも言うことを聞いてしまうの
は、独特の雰囲気のせいなのだろう。
 皆が静まったのを確認すると、アズサ先生は咳払いを一つ。
「皆に嬉しいお知らせだ。もう知っている者も居るかもしれないが今日からクラスメイト
が一人増える。センス、入ってこい」
 教室に入ってきたのは、女子だった。
 綺麗なロングの金髪を翻して教壇に登り、空色の瞳で教室の中を見渡すと、
「父の仕事の都合でアメリカから来た、センストファー・F・J・ハートスミスでス。まだ
日本の文化に慣れていないので皆に迷惑をかけるかもしれませんが、精一杯頑張りマスの
でので宜しくお願いしまス」
 薄い唇から流れてくるのは流暢な日本語、だが外見はまごうことなく異国の地から来た
ことを如実に物語っていた。アメリカの視点で考えればそれ程高くないのだろうが、日本
の見方をすれば特別小柄な訳ではない。すらりとした手足は長く、白い肌はきめ細かい。
154 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:10:01 ID:G1Z/HTq0
 そして何よりも引くのは大きく隆起した制服の胸部。豊かな二つの膨らみはアメリカン
サイズ、遺伝子と食文化が作り上げた奇跡がそこにあった。
「皆、彼女が困っていたら助けてあげるように」
「お願いしマス」
 彼女が浮かべた笑みにクラスの皆が応える。
「それと、カメ」
 アズサ先生は僕を睨みつけるように見ると、スーツを良い音で鳴らしながら指差し、
「何も知らないからって、センスに妙なことをするなよ?」
「あの人は妙なことをするんでスカ?」
「しねぇよ!!」
 初対面なのにも関わらず、蔑んだ視線で指差してくるのはどうかと思う。アズサ先生の
言葉はもう慣れてしまっているから我慢できるとしても、正直このメリケンガールは失礼
すぎると思う。
「それに、僕がいつ妙なことをしたんですか? なぁ、皆!?」
 クラスの皆を見ると、何故か全員が気不味そうな表情をして目を反らした。最後の砦、
水樹にも視線を向けるが、乾いた笑い声と共にそっぽを向かれた。常識的な行動しかして
いない筈なのに、何だろう。この疎外感は。
「そんな訳だ、クロ確定。民主主義は素晴らしいな」
「最後のチャンスを下さい!!」
 アズサ先生は腕を組むと黙り込み、視線を伏せた。
 数秒。
 僕の目を覗き込みながら元々鋭かった目を更に細め、
「巨乳は好きか?」
「そりゃもうガッツリと!!」
 思わず条件反射で答えてしまったが、言ってから後悔をした。センスは乳を隠すように
両腕で自分の体を抱き、顔を赤らめ、目尻に涙を浮かべながら何やら英語でマシンガンの
ように言葉を放ってきている。幾つか聞き覚えのある単語が耳に入り、それが罵倒のスラ
ングだと分かった。一歩後退しているのは怯えの現れなのだろうか。それにしても、巨乳
好き発言だけでここまで言われてしまう僕は何なのだろう。
155 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:11:11 ID:G1Z/HTq0
 そして問題はもう一つ。
 殺気を感じて後ろに振り向いてみれば、あからさまに不機嫌そうなツルの顔があった。
怒っているという気持ちを前面に出しながらも笑みを浮かべる、という器用な真似をしな
がら僕の顔を睨みつけている。目が合うとツルは口の端を歪め、
「良かったわね、アンタの大好きな金髪巨乳外人よ? 貧乳のあたしなんかは無視して、
せいぜい仲良くしなさいな」
 言い終えたあと、鼻を慣らしてそっぽを向いた。いかにも僕のことなんかどうでも良い
とか、気にしていないという表情や態度だけれども、それが意思と裏腹な行動だというの
が前進から発せられる威圧感で痛い程に伝わってくる。軟化したと思っていた態度も、今
や昔と同じ状態に逆戻だ。
 何とも居心地が悪い。
 前門の虎、後門の狼とは正にこのことだろう。
 しかしアズサ先生はそんな僕の様子を構うことなく、
「取り敢えずあそこ、そう一番窓側の最後尾だ。そこに座れ」
 指示した場所は僕の二つ後ろ、つまりツルの後ろの席になる。センスは素直に頷くと、
それに反比例するような速度でゆっくりと歩き始めた。特に深い理由はなく、なんとなく
歩くセンスを眺めていると、
「デ・レ・デ・レ……すんなァ」
 言葉と共に頭に衝撃が来た。
156 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:14:20 ID:G1Z/HTq0


 体がゆっくりと揺すられる感触で、目が覚めた。
「夢オチか?」
「やっと起きたと思ったら、何いきなり奇天烈発言してんの? 保健室じゃなくて病院の
方が良かった?」
 薄く目を開き、聞き慣れた声のする方向に視線を向けるとコイの顔がある。いつものよ
うに眉間に皺を寄せ、蔑んだ表情で見てくるのが寝起きには辛い。せっかく可愛いい顔を
しているのだから、もっと笑えば良いと思う。
「悪かったわね、ツルじゃなくて」
「いや、別に」
 僕が黙っていたのは寝起きだったからだが、それをどう勘違いしたのか憎々しそうな声
を投げ掛けてきた。意味が分からず黙っていると、今度は舌打ちを一つ。自己判断で機嫌
が悪くなっていくのは構わないけれど、それをぶつけないでほしいと思う。
「何でここに?」
「私だって好きで居るんじゃないわよ。ツルにぶん殴られてアンタが気絶したから担いで
きたの、保健委員だし。全く、最悪よ」
「悪うござんしたね」
 何故こんなにも悪態を尽かれなければいけないのだろうか、そんな気分が自然に言葉に
なり、口から溢れて出てきた。ツルだったらこれ程ではないし、仲良く話でも出来るのに
、と思うと溜息が出る。気を失う前以上に、空気が重い。
「……悪かったわね、こんな女で」
 表情に表れていたのかと思いコイを見るが、僕の顔など見ずに物鬱気な表情で床を向い
ていて、そこにはいつもの覇気がない。ツルもそうだが僕の周囲の女は落差が激しすぎる。
「そろそろ帰る、保健の先生には宜しく言っといて」
 その何故か沈んだ表情のまま立ち上がると、僕に背を向けた。
「まぁ待て、悩みがあるんなら聞いてやる」
 数秒。
 コイは振り向かず、呟くような声で、
「カメ。アンタさ、ツルとヤった?」
 これは、正直に言っても良いのだろうか。
157 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:17:33 ID:G1Z/HTq0
「取り敢えず、こっちを向け。話はそれからだ」
 誤魔化しているな、と思いながら声をかける。
「うん……ってアンタ何立ててんのよ!!」
 急に雰囲気が変わり、何事かと思ってコイの視線を辿る。その先にあったのは、元気な
状態の僕のシンボル。僕の意見など無視して我が儘に自己主張をしているそれは、ズボン
にテントを作り上げていた。
「待て!! これはさっき起きたばかりだからで、別にやらしいことは関係ない!!」
 叩き潰すように落とされた踵をギリギリのところで受け止める。危ないところだった、
短い人生を共に歩んできた相棒をこんなところで失ってしまう訳にはいかない。この先、
一緒に居ることが出来なくなったら僕はどうして良いのか分からない。
 しかしコイは尚も踵を押し込み、
「起きたら立つって、ンな訳ないでしょ!? 」
「ンな訳あるんだよ!! 授業で習わなかったのか?」
「え、嘘?」
 足の力が弱まってきた。後は、使いたくなかったが最終手段。
「水色!」
 最初は訳が分からないという表情をしていたが、数秒後、言葉の意味が分かるとコイは
スカートを押さえながらしゃがみ込んだ。顔を赤く染めたまま、低くなった目線でこちら
を睨みつけてくる。
「で、どうすんの、それ?」
 どうするもこうするも。
「出さないと、戻らないんでしょ?」
 そんなことはない、数分もすれば元に戻る。もし出さないでいると立ち続けるなら天国
かもしれないと思ったが、すぐにその考えを捨てた。大きいのは嬉しいけれども変態的で
恥ずかしいし、何よりも長い時間そんな状態でいると腐るという話を聞いたことがある。
比喩ではない腐れちんこには絶対なりたくない。
「私が、やってあげよっか?」
 は?
 驚いてコイを見ると、さっき以上に顔を赤く染めていた。
「で、するのしないのどっち?」
158 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:18:15 ID:G1Z/HTq0
 そう言いながらもコイの手指は既にベルトを外し終え、パンツとズボンを掴んでいる。
僕が抵抗をしていなければ、今頃下半身は風を生で浴びていただろう。保健室で、と言う
か校内でそんなことをしたら本当に人間失格だ。いや、ツルとは一度しているけれども。
「痴女!」
「痴女じゃない!」
 コイのあまりの剣幕に負けて手を離してしまい、気合いの一言と共にスボンとパンツが
降ろされた。結果、僕のちんこが白日の元に晒されてしまう。
「凄い」
 凄くなくても良いから、早く手を離してください!! それと観察も止めてくれると嬉し
いです!! そして今見たものを忘れて下さいお願いします!!
 そんな僕の心の叫びも虚しく、コイは竿を握り、
「これから、どうすんの?」
 どうもすんな!!
「そう言えばアンタ、おっぱい好きだったよね?」
「まぁ、好きだけど」
 言うなり、コイは制服のボタンを外してブラをたくしあげた。正確な大きさは分からな
いが推定でEはあろうかという乳が溢れ、はずみで大きく扇情的に揺れ動く。非常に興味
深いが、しかし今はそんなことは問題ではない。
「何でこんな事すんだよ?」
「あのね、私、嫌な娘だよね?」
「いや、そうは思わん」
 僕に対しては辛く当たるときが多いが、基本は良い娘だ。
「でもね、それでも」
 言いたいことはなんとなく分かった。
 僕は吐息を一つ。
「好きにしろよ」
「うん」
 答えながら、コイは胸で挟んできた。ツルでは再現不可能なその感触は、不思議な圧力
で僕を刺激する。口とも膣とも違う、しっとりと濡れたスポンジのような感覚だ。ツルの
乳も柔らかかったが、これはそれ以上の柔らかさで圧迫をしてくる。
「気持ち良い?」
「気持ち良い」
 答えは不思議と、素直に出てきた。しかし、言葉が続かない。
「何か言ってよ」
159 名前: 『ツルとカメ』×3 [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:19:51 ID:G1Z/HTq0
 僕は少し考え、
「おぉっと、右の乳選手大活躍だぁ! しかし左の乳選手も負けてはいない! 更に口も
乱入してきて開場は大混乱! おっとここで乳がタッグを組んだ! 左右乳選手と口選手、
勝利の栄光はどちらに輝くのかァ!?」
「黙れ!!」
 竿を強く握られ、思わず言葉が止まった。それを確認するとコイは再び竿を挟み、胸を
上下に揺すり始めた。思わず声を漏らすと、追い撃ちをかけるように亀頭に舌をのばして
くる。鈴口を舌先でこじり、カリをなぞり、裏筋を唇で甘噛みしてきたりもする。先端と
竿、両方同時に責められ、限界が近くなってきた。
「出そうなの?」
 頷くと、コイは深く口に含んだ。そして今まで弱く揉んでいた胸にかける力を強めて、
これまで以上に圧迫してくる。亀頭全体から伝わってくる快感や、とろけそうな胸の感触
は、僕が我慢することを許さない。
「も、出る」
 直後。
 コイの口内に出してしまったが、それだけでは収まらない。咳き込んで口を離してしま
ったせいで、髪や顔、制服や胸までもを汚してしまった。
「あ、ビクビクしてる」
 出した直後は敏感になっているせいで、笑いながら胸で擦られると強烈な快感が背筋を
駆け抜けていく。それが面白いのか、漏れる声に合わせてコイはそれを数度繰り返す。
 その光景を見ながら、ふとあることに気が付いた。
「お前、レズじゃなかったんだな」
「当前でしょ、この腐れちんこ!!」
160 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 21:21:06 ID:G1Z/HTq0
今回はこれで終わりです

正直、キャラを出しすぎた感がある
161 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 23:18:07 ID:WSFTk4Y3
GJ!!
いいなぁ…79氏もそうだけど日常パートのテキストが素敵んぐだよな…

ちくしょー!フランが動かねぇえ!!
162 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/12(火) 23:40:45 ID:BfRHEWik
>>160
別に多くないですよ

>>161
頑張れwwwwwwww
163 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/14(木) 16:06:48 ID:5lRmLJTD
79氏もロボ氏もGJ!!

つ[]<しのたんは実は未来視ができる能力者
つ[]<ユリたんは実は見たものの温度を奪い尽くす能力者
164 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/09/15(金) 09:58:40 ID:dohvG7uM
>>154
気付くのが遅くなりすぎたが、『何よりも引くのは〜』って何だよ
『何よりも目を引くのは〜』に訂正
165 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/15(金) 10:29:03 ID:vuBfhsZj
なんつーか、カメのあまりの蔑まれっぷりに同情を通り越して笑いが込み上げてきたw
GJですた!
166 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/09/15(金) 22:20:16 ID:di88Y0gZ
[ア たたかう
 ぼうぎょ
 どうぐ
 にげる
167 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/17(日) 01:45:54 ID:ctCEXN17
つ[]チト様愛してます・再
168 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/17(日) 10:17:09 ID:sCS1iFE3
つ「ころしてでも うばいとる」
169 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/17(日) 12:51:40 ID:ZQTK6C+J
な、なにをするきさまらー
170 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/17(日) 21:43:01 ID:qTwRwLop
つ[]のばら
171 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/17(日) 22:12:46 ID:SnCyqiVs
エロパロエッサイムエロパロエッサイム
172 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/17(日) 23:07:38 ID:ZQTK6C+J
っ[あなたこそは世界を救う素質あり!とみました!!]
173 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 01:25:29 ID:+dTAzD9e
エロパロエッサイムエロパロエッサイムエロパロエッサイム
174 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 01:53:33 ID:+dTAzD9e
最新ゴジラシリーズは糞過ぎて泣いた
ゴジラが人間に粉々にされるやつとかマジで血管切れそうになった記憶がある

うってかわって平成ゴジラシリーズは神
初代も相当好きだけど、4代目ゴジラの迫力は他の怪獣映画の追随を許さない
とはいえ、個人的なことを言わせてもらえば3代目ゴジラ期にあたるビオランテの造形はまさにその筋の極致と言っても過言ではないかと考える
ちなみにその時とゴジモス戦で宇宙に霧散したゴジラ細胞がのちのスペースゴジラへの伏線であるのだが
その意味ではデストロイアも素晴らしかった
オキシジェンデストロイヤーに始まりオキシジェンデストロイヤーに終わるという話の展開そのものは使い古されているとはいえ、その他もろもろの背景や初代を愛する人々に対する憎いファンサービスなども留意しなければならない
しかし、デザイン構想企画まで進みながらSFCのボスキャラ止まりだったバガンの存在が非常に悔やまれる。映画出演も当然視されていたはずなのに何故制作されな(ry
175 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 01:54:15 ID:+dTAzD9e
すまん、盛大に誤爆した
176 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:45:14 ID:tmqzgdY2
or5 ヒント:キーボードに刻まれし刻印
>145
ローカルルール守るなら何でもいいよもう
>146
さてはなん(´・ω・`)キンタマス
>147
すべて愛情の裏返しと考える蕪雲にとっては、すべてフラグのようなものです
OR5関係で一発変換できるもの挙げてったらキリ無いな
>148
あしぃぃぃぃぃぃぃぃ(*(*´Д`)
>149
何て叫んだのか気になりまする。やっぱ『キタ――(゚∀゚)――!!』?
>150-(ロボ氏/ツルとカメ×3)
お父さん、今日も変態も痴女も水棲生物も元気でやってます。
まあ昔から類は友を呼ぶと言うように普段から変態アピールすればそういう機会もゲフンゲフン
とにかく、カメの思考回路の変態さにGJしつつ
>161
そう褒めるでない
>166
じゃあ防御で
>168
[アふんでくれ たのむ
>171>173
あやしげな呪文を唱えるのはやめr
177 名前: 79 Le souhait 智途編8(1/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:46:13 ID:tmqzgdY2
・・・朝か。
また朝か。また来たのか。懲りないやつだな。
何度も言うように、わしゃこの土地は売らんと言っておるだろうが。
おぬしら若いもんにはわからんだろうがな、この土地は先祖代々続く・・・ん?なんじゃその電卓は。
どうか大切に使ってやって下さい。おながいします。
まあ、そんなもんだよな。
眠気に朦朧とする意識の中に、現代社会の歪みを映し出していると。
漂う香り。
何だろう、嗅いだ事のある、いや、もっと身近な香り。
まさか、白梅香?いやその香りに所縁は無い。
目を開ける。
雪「おはよ、ハロ君」
ハロ「・・・あ、おはよございます」
なんだ、雪花さんか。
ハロ「って何で俺の隣に寝てるんですか!?」
道理で淫靡な香りが漂ったわけだ。
雪「何で、って・・・覚えてないの?」
そう言われて、しばし考える。
ここは智途の家。
そしてここは智途の部屋で、俺はたぶん智途と寝た。
でも俺は文化祭の準備で疲れ果てていたため、すぐに眠ってしまった。
そのせいで、寂しい思いをする智途。
酷い。私は眠れないのに、呑気に眠ってしまうなんて。
その手は自然に自らの股間へと伸び
雪「ハロ君さあ、私が孕まないからって何回も中に出して・・・流石の私も疲れちゃった」
あれ?そうだったっけ?何か違う気がする。
ハロ「昨日は誰にも出してなかった気がしますが」
雪「昨日『は』って・・・充実してるのね」
放っておいてくれたまえ。
雪「で、どうするの?」
ハロ「はい?」
雪「抜いてく?」
ハロ「ああ、じゃあ」
チト「コラ!!」
バァン、とドアを開けて智途が現れた。
雪「ドアが壊れちゃうじゃない」
チト「起きてこないと思ったら、何やってるんだ姉さん!」
雪「ちょっと誘惑してたんだけど・・・」
悪気しか無い雪花さん。
チト「人の彼氏を簡単に誘惑するな。ハロも誘惑されるな」
ハロ「すんまそん」
智途はため息をついた。
チト「・・・朝食の用意ができた」
ハロ「作ってくれたのか。じゃあ行こうかな」
雪「ところでハロ君」
ハロ「はい?」
雪「その前に抜いてく?」
ハロ「ああ、じゃあ」
チト「コラ!!」
178 名前: 79 Le souhait 智途編8(2/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:46:59 ID:tmqzgdY2
今日は文化祭。
テーマは例年のごとくスターズライトブリリアンティ。略してSLB。潜水艦発射弾道ミサイルのような略称だ。
星たち鮮やかに輝かん。
星とはつまり俺たち熾惺の生徒の事。しのたからそう教えてもらった。
『何でボクより長くこの学院にいるのに知らないんですか』って、知らないものは仕方なかろう。
俺たちはいつもの通学路を、いつもの時間に歩いている。
チト「な、なあハロ」
ハロ「ん?」
チト「今日、楽しみにしてるからな」
やや照れくさそうに俯いて言う智途。
ハロ「朝っぱらから旺盛なやつだな」
チト「何と勘違いしてるんだ」
と思えば今度は睨まれた。
ハロ「ああ、ライブの事か」
チト「わざと間違えただろう」
ハロ「そんな事無い」
チト「さっきもそうだ。姉さんとグルになって私をからかった」
と、何やらスネ始めた。
ハロ「本当に起きた直後だったし、寝惚けてたから乗せられただけだよ」
チト「本当か?」
ハロ「ああ」
チト「じゃあ私の目を見てみろ」
足を止め、言われるとおり智途の目を見る。
やはりスネたような顔をしている。なんだか智途にしては子供らしい感じだ。
見つめ合う二人。
そして俺はおもむろにその唇を
チト「ば、バカ!///誰もキスしろとは言ってないぞ!」
どん、と突き放された。
ハロ「いや妙に子供っぽくて可愛いから」
それと、そのツリ目具合が俺の何かを激しくそそる。
チト「ふん!///もういい!行くぞ!」
智途は早足で歩き出した。
ハロ「待ってくれよぅ」

学校に着く。
俺は教室の自分の席に鞄を置き、そしてまた教室を出ようとする。
が、その時背後に殺意のようなものを感じた。
振り返ると、ツンと蕪雲がこちらを睨んでいた。毒男は机に頬杖ついて見てるだけだが。
ハロ「や、やあ。今日は早いね三人とも」
こんな朝早くだから、教室には俺を含めて四人しか居ない。
ハロ「で、何か用かな?」
恐る恐る聞く。
ツン「別に」
蕪「氏ねお」
感じ悪。
言うまでも無いが、智途は俺と違うクラスに居るため、まずはここを出ないと会いに行けない。
向こうから来てくれることもあるが、こんな状況でここで談笑するなんて俺にはとてもできない。
『智途様が幸せなら何でもいいお』とか聖人みたいな事言ってたくせにそれは無いだろ蕪雲。
ここにも居られないし向こうにも行けないし、いや。
戦わなきゃ現実と。
179 名前: 79 Le souhait 智途編8(3/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:47:37 ID:tmqzgdY2
ハロ「じゃあこれにて」
毒「・・・練習しよか」
声に振り向く。
ハロ「は?」
蕪「よーし文化祭前の最後の仕上げだお!行くお!」
立ち上がる蕪雲。
ツン「応援するわ」
茶化すツン。
毒「まさか、三人中二人が練習するって言うのにひとりだけ抜けるなんて」
お前らグルじゃないか。
ツン「まさか、言わないわよね?私、ハロのライブ楽しみにしてるのよね」
ツンはそんな素直な事言いません。
蕪「さ、行くお」
確かにバンドにはチームワークが重要だ。
皮肉な事に、同じ部活である蕪雲と俺よりも、蕪雲と毒男のほうがチームワークが出来上がっている。
ここは友情を取るべきなのだろうか。
もうあるかどうかも疑わしいそれに賭けるか?
せめて、智途に練習の風景を見せてあげたいと言う気持ちもあるんだが。
ハロ「じゃあちょっと待っててくれ」
ツン「なんで?」
誰よりも早く、ツンが反応した。
ハロ「トイレに行って来る。ずっと我慢してて」
ツン「ふん。さっさとなさい」
今、絶対『ふん』って言ったよな。何この嫌悪。
俺はツンの許しを得、教室を出た。

あまり遅くなると『トイレにしては長かった』とか言われそうだから、用は手短に済ませることにしよう。
ハロ「あまりおしゃべりしている時間は無い」
チト「・・・?ああ、そうか。何か準備があるんだな」
ハロ「そんなところだ。じゃあな」
人間関係がギクシャクしてるからとは言えないな。

教室に戻る廊下を歩いていて思った。
ツンも蕪雲も、あれはただのやきもちなんだろう。
しかし、今俺たちに課せられている運命を知れば、少なからず協力的になってくれるだろう。
だが本当のことを話すわけにはいかない。
雪花さんに厳しく口止めされているし、話すことでみんな巻き込んでしまうからだ。
今は俺も智途も監視されているとかそういったことは無いのだが、いずれ。
でも雪花さんは一番巻き込みたくなかった俺たちにその事を話した。
何でも、俺が事態打開の鍵になるとかわけのわからないことも話してくれたことがある。
俺に何ができると言うのか。
今の人間関係にさえびくびくしてるのに。
ハロ「はあ・・・」
ま、今は文化祭。
その事だけ考えよう。

第三音楽室に向かう四人。
さっきとはうって変わってご機嫌なツンと蕪雲だが、俺は少し複雑である。
毒「さ、行くか。ヘブンへ」
ハロ「死ぬ気か」
180 名前: 79 Le souhait 智途編8(4/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:48:18 ID:tmqzgdY2
ハロ「はぁ、はぁ、・・・朝からStarsLightBrillianty-C-はキツすぎたか・・・」
説明しよう。
StarsLightBrillianty-C-とはTHEサンクチュアリ(ryが編曲した今年の文化祭のテーマソングである。
ちなみに百式だから『C』なのである。
ツン「そろそろ切り上げたほうがいいんじゃない?」
そういわれて時計を見ると、HR開始五分前になっていた。
ハロ「やばい急いで片付けるぞ!」
ツン「じゃあ私は先に」
まさに外道。
蕪「で、智途様は呼ばなかったのかお?」
ドラムスの手入れをしながら蕪雲が言う。
ハロ「ああ、呼んでない」
蕪「どうしてだお?」
ハロ「そりゃお前――・・・。お前の前でいちゃつくのは気が引けるだろ。ツンも居たし」
毒「・・・」
黙々と片付ける。
蕪「わかったお。じゃあそろそろ教室戻るお」
毒「だな」
ハロ「ああ」
俺には、蕪雲が何を思っていたのかわからなかった。

文化祭の開会式は、空中庭園で行われた。
ハロ「はあ・・・長かった。何か凄まじく長かった」
チト「何がだ?」
ハロ「ほら、準備とか色々あって」
チト「そうか。ご、ご苦労だったな」
ふと思った。
ハロ「智途は文化祭で何をやるんだ?」
庭園のベンチに座って言う。
チト「劇だ」
智途もさりげなく隣に座る。
ハロ「そうか」
・・・。
ハロ「げ、げげげげげげ劇!!?!?!1?」
チト「『げ』が多い」
ハロ「なんで今まで言わなかったんだよそれを俺に!?」
そういえばあまり見に来なかったもんな、俺の練習。
チト「大抜擢だったからな。始めのうちは見せられるものではなかったからだな」
ハロ「わかった、じゃあその完成した姿を見せてもらおうじゃないか」
チト「随分偉そうだな」
ハロ「で、何の役なんだ?」
チト「魔王にさらわれたお姫様を助け出す武士の役だ」
・・・。
ハロ「なんで普通だと思いきや独特なんだよ?」
チト「知るか。しのたに聞いてくれ」
ハロ「しのた?」
チト「脚本を書いたのはしのたなんだ」
ハロ「道理でお前が主人公なわけだ」
チト「む。まるでそうでないと抜擢され得ないみたいな言い方だな」
181 名前: 79 Le souhait 智途編8(5/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:49:05 ID:tmqzgdY2
ハロ「いやいや、若く美人で聡明でナイススタイルな智途からすれば自然な事だよ」
チト「ふん・・・」
とか言いつつ顔が赤くなってるな。
ハロ「ところで、武士ってことは男装なのか?」
チト「いや」
ハロ「さらし巻くのか?」
チト「いや」
ハロ「じゃあそのおっぱいどうすんだよ!」
チト「袴だ、袴!大きな声で言うなバカ!///」
くすくすと笑い声が聞こえる。
チト「ほら、笑われたじゃないか・・・///」
ハロ「半分はお前のせいだろ」
チト「全部ハロのせいだ」
一歩も譲らないな。
ハロ「劇は午前のうちにやってしまうのか」
開会式の途中、しのたに渡されたプログラムを見る。
ハロ「じゃあ、始まるまで他のところでも見て回るか?」
チト「あ、ぁあ」
何で変な声出てるんだ?
チト「な、なあ」
ハロ「ん?」
チト「て、手を」
ハロ「手を?」
といいながら、既に智途の手をギュッと握る。
やっぱり女の子の手だから柔らかいなと思うのでした。
チト「繋いで歩いたら恥ずかしいよな?///」
ハロ「やってみればわかるんじゃないか?」
俺は智途の手を引いて立った。
チト「なっ!こ、こら!///」
はっはっは。よいではないかよいではないか。

散々智途を連れ回していて、時間が相応になってきたらしい。
チト「あ、そろそろ集まらなくては」
繋いでいる俺の手を引く。
ハロ「こらこら俺まで劇に出す気か?」
チト「舞台まで送るくらいはしてくれてもいいだろう」
ハロ「うん、まあ」
チト「じゃあ急ぐぞ!」
再び、俺の手を引いて歩き出す。
急いで手回りが見えなくなってるのはいいが、さっきの恥じらいはどこに行ったんだ。

し「わざわざ舞台裏にまで来させてあげたんですから、感謝して下さいよ?」
しのたが腕を組んで言う。
ハロ「正確には俺が引っ張られて已む無く来ただけなんだが」
し「全く、智途先輩の頼みじゃなかったら、こんなところに来れないんですからね」
S席のほうがよく見えると思うぞ。
ハロ「ところで、雪花さんが来てるかどうかわかるか?」
し「確か真っ先にS席のチケットを予約されたそうですけど。来てるんじゃないですか?」
雪花さんも知ってたのか。何か今日は置いてけぼりだな。
し「あ、そろそろ始まりますよ」
182 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:50:33 ID:tmqzgdY2
×急いで手
○急いでて

ごめ
183 名前: 79 Le souhait 智途編8(6/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:51:16 ID:tmqzgdY2
兵「たいへんだ!姫リリーが魔王ルドルフにさらわれてしまったぞ!」
ちゃんと別の名前考えておけよしのた。貸してもらった台本を読みながら思う。
兵「このままではこのブリリアントの国も・・・ウボァー!」
カッ!ゴロゴロゴロ(SE:雷)
いきなり死ぬのか。
兵2「ウボァー!」兵3「ウボァー!」兵4「ウボァー!」兵5「ウボァー!」兵6「ウボァー!」兵7「モルスァ!」
死にすぎじゃないか?
ルド「ハァーッハッハッハ!これでついに十の国を滅ぼした事になる!私に逆らえるものなど居ないのだ!」
大臣「あわわわ・・・こいつはまずい!こんなときに智途様はどこへ行かれたのだ!」
そうだ。智途を出せ。
場面変わって・・・他の城か。
チト「つきましては、今k(キャーーーーーーーーーーーー!!)
歓声うるさいぞ!全く聞こえん!しかも蕪雲の声がよく聞こえたぞ今。
殿「魔王ルドルフに対抗するには今しかない。この正宗・・・を以てやつを倒すのだ」
チト「これは?」
殿「昔使っていたものだ。今となっては使いこなせはしないが」
チト「ありがとうございます、(おおーーーーぉぉお)
うむ。でも刀を持った智途も凛々しいな。よく似合う。なんとも言えぬ威圧感はあるが。
やっぱ黒髪ロングですよ。
殿「だが、それは元の正宗の片割れ。もう一つの正宗は他の領地の殿が持っていると聞く」
兵343「た、大変です智途様!魔王が我が」
臣下「無礼者!!」
兵343「ウボァー!」
いきなり死んだぞ。
兵406「僭越ながら申し上げます!智途様!至急ブリリアントに帰還されたし!我が姫が魔王に・・・!」
チト「なんだと!だが、もう片方の正宗を探さなければ魔王は倒せないと言われている・・・」
?「お任せを!」
ボン!(SE:煙玉)
?「片割れの正宗の事は、この影にまかせるでござる!にんにん!(おおーーーーぉぉお)
ハロ「あれ誰だ?マヨか?」
し「あれは東雲先生ですよ」
ハロ「へ、へー・・・確かに小さいな」
殿「うむ、では行くがよい!勇気あるものたちよ!」

遅い来る謎の忍者たちを総べて体術で叩きのめし、ついに片割れを得たてんてー、いや、影。
影「全然大した事無いでござるな!これで智途殿に正宗を届けられるでござる!にんにん!」
ルド「甘いわ!」
影「何!?お主は・・・!」

チト「なるほど。正宗でなくては貴様を傷つけられない理由、それは正宗がお前の分身だからだったんだな!」
刀を向けて言い放つ智途。
ルド「You're right!なかなか利口。流石は勇者」
チト「だが今はお前も片割れ。なら、ば――」
智途の体がふらつく。
し「あ、あれ?おかしいですね。台本にあんなのは・・・」
ハロ「バカ!見てわからないか!」
俺は舞台の袖から駆け出し、倒れ込む智途の体を支えた。
智途は汗びっしょりになっていた。模擬刀が智途の手から離れ落ち、カランと舞台の床で音を立てた。
チト「ハ・・・ロ・・・?」
ハロ「・・・大丈夫だ」
辺りは耳を劈くほどの静寂に包まれた。
184 名前: 79 Le souhait 智途編8(7/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:52:10 ID:tmqzgdY2
劇は終盤。台本の内容は大体覚えている。
俺は智途を静かに仰向けに寝かせた。
ハロ「私はブリリアントの王子、レオンハルト!勇者が危機に瀕していると聞き、急ぎ参った!」
ルド「・・・王子は俺が殺したはずだが」
ハロ「私が身代わりを立て、隠れていたのだ!父上がそうしろと、だが、そうも言ってられない」
俺は智途が落とした模擬刀を手にした。
ハロ「勇者の遺志は私が継ぐ!」
ルド「おもしろい!」
これで、台本は戻ったはずだ。ありがとうルドルフ。あとで何かいいものを送っときます。
影「レオン殿、これを!」
俺はてんてーから模擬刀を投げ渡された。ひそかに『にんにん』と小声で付け足していたのが聞こえた。
ルド「何!?貴様は我が分身が殺したはず!」
影「拙者は影。正宗の影に隠れていたでござるよ。にんにん」
ルド「何と非科学的な!まあよい。我が分身も融合した!これで勝負だ!行くぞレオンハルト!」

チト「ん・・・」
ハロ「智途!」
チト「ハロ・・・?」
俺は安堵のため息をついた。
智途は、俺、保健室の天井、窓、と視線を巡らしている。
チト「!劇は!?」
ハロ「劇?」
チト「そうだ、劇!私は確か劇の途中で倒れて、それで――!そ、それにお前ライブの時間!」
ハロ「そう騒ぐな」
雪「そうよ。病人は安静にしてなさい」
雪花さんが入ってきた。
チト「でも、姉さん」
雪「やっほ、智途。私のこと見つけた?最前列の砂被りの席に居たんだけど」
チト「砂など出ない!ハロ、今ならまだ間に合う!ライブに行って来るんだ!」
ハロ「・・・」
雪「言って来たら?智途のことは、私が看てるから」
この機を逃すほかなかった。
おそらくツンも蕪雲も毒男も、俺が保健室に居て、ここで智途の看病をしているのがわかっているだろう。
ハロ「よろしくお願いします」
雪「ん、行っといで」
だが、俺はライブに向かう事にした。
チト「が、がんばれ!」
フ、と微笑んで返した。
何を頑張るんだよ。

頭に染み付いて離れない不安を打ち払うように、俺は全力でライブに臨んだ。
歌が悲痛の叫びにならないよう、弱弱しいものにならないよう。
StarsLightBrillianty-C-。皆でアレンジし、練習した曲。毒男のオリジナル曲、電波ソング一般アレンジ曲。
ライブ本番。
それこそ智途はこの場に居ないけれども、きっとこの場に居るよりも遠いところに智途は居るから、
より遠くまで聞こえるよう、俺は頑張ると思うんだ。
やっぱり、頑張るんだな。
歓声。歓声。歓声。嬉しいじゃないか。みんな俺たちを見ていてくれてるじゃないか。
俺は泣いてない。誰にも不安は共有させない。
お前は舞台で倒れてしまったけれども、お前だってつらいの隠してたんだろ?
舞台が終わるまで必死に輝こうとしていたんだろう。
な、-Chito-
185 名前: 79 Le souhait 智途編8(8/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:53:19 ID:tmqzgdY2
智途は文化祭が終わる頃には回復した。
ハロ「大丈夫か?」
チト「大丈夫だ。もう、何回聞くつもりだ」
とはいえ、俺と智途は文化祭が終わる頃に早退してきてしまったわけで、俺たちは智途の家に居る。
俺は智途のベッドに座らせてもらっている。
雪「あ、ちょっと用事できた」
雪花さんが携帯電話を見て言う。
チト「・・・」
雪「そんな心配そうな顔しないでよ。いままでだって、ちゃんと帰ってきたでしょ?」
雪花さんはすたすたと部屋を出て行った。
――雪花さんは智途に、今回倒れたのは疲労が原因だと言った。
しかし俺には、疲労だけでなく精神的にショックがあったからだと説明した。
精神的ショック。それが何を指すのかは大体わかった。おそらくは雪花さんの・・・あの運命。
ハロ「ごめん、気付かなくて」
チト「何がだ?」
ハロ「まさか、智途がこんなに・・・具合が悪かったなんてわからなかった」
チト「そんなの済んだ事だ。医者じゃないんだから、わからないのは仕方ない」
ハロ「・・・」
チト「ところで、ライブどうだった?頑張れたか?」
ハロ「ああ。見せてやれなかったのは残念だがな」
チト「そうやってすぐへこむな」
智途はぽんぽんと俺の頭を叩く。
チト「きっと誰かが録画しておいてくれてるさ」
ハロ「初心者が撮ったんだろ。どうせ海賊版みたいな出来だよ」
お前何撮ってるんだ、とか入ってるやつ。
チト「・・・」
智途は俺の右手を持って、その左胸を触らせた。
ハロ「?なんで着けてないんだ?」
チト「さっき外したんだ。こうすれば少しは元気になるだろう?」
ハロ「いけないところがな」
智途は手を離した。
チト「な?お前は手を離さない」
ハロ「離すと元気なくなるからな。ちょっと慰めあうか?」
チト「直接的に言うな///」
ハロ「あ、智途ドキドキしてきた」
チト「うるさい!やっぱ離せ!///」
今度は手を引き剥がそうとする智途。
俺は自ら手を引いて智途の体を引き寄せ、正面から抱きしめた。柔らかな感触が俺の胸板を覆う。
そのまま、勢いでなぜか俺が倒されてしまう。襲う筈が作戦ミスだ。
チト「ふん、お前だってドキドキしてるじゃないか。何か硬いのも当たってくるしな」
ハロ「だって胸が当たって・・・」
チト「ほら、どうしてほしい?やっぱり足か?」
ハロ「い、挿れたいんですけど本番は無しなんですか?」
何故敬語。
チト「仕方ないな。今日は助けてもらったから特別だぞ」
俺たちは服を脱ぎ始めた。

チト「んっ・・・く!///」
ハロ「くぁ・・・!ちょ、締めすぎ・・・」
チト「気付いてるか?お前は挿れるたびに早くなってるんだぞ」
ハロ「んなバカな・・・」
186 名前: 79 Le souhait 智途編8(9/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:54:06 ID:tmqzgdY2
智途はそのまま俺に倒れ掛かってきた。
更に腕を回して抱きしめるように俺の両手を手首でクロスさせたまま固定した。
チト「さて、どうだ。押さえつけられたほうが興奮するんだろ?」
ハロ「あ、うん・・・ええ、ああ」
眼前に豊満な胸を突きつけられ、目を見て話すこともできない。
チト「そうか。お前はそれも好きなんだな」
ハロ「!?」
智途は更に体を倒し、顔面を胸で覆った。そしてそのまま腰を動かした!
チト「ん、あ・・・!///あまりもがくな!く、大人しく・・・///」
腰を動かされ、ペニスがぬめったい襞でこすられて力が出ない。
更に手首は固定され、上に乗られ、全く抵抗できない。
ハロ「ぷはっ!はーっ、はー・・・」
腰の動きは止まらないが、顔が胸から開放された。
しかし智途の強烈な責めに、俺は本当に早漏になりつつあった・・・のかもしれない。
チト「んっ・・・あっ、はあっ、どうした?ふふ・・・///」
智途は、恍惚とした表情で揺れる胸を見つめている俺に気付くとまたその体を近づけてきた。
チト「次でイくな?」
ハロ「あ・・・はい」
何故敬語。
ハロ「――!!」
再び柔らかい感触に顔が覆われる。
体が揺れ動くたびに、俺の顔にその感触が擦り付けられる。
ハロ「(もう、限界・・・!)」
チト「・・・あ」
俺は胸に顔を埋めたまま射精してしまった。
チト「ほ、本当に早・・・だ、出しすぎだ、止め、ろ・・・///」
ハロ「ぷはっ!はあっ、は・・・」
智途が竿を引き抜くと、精液はどろりと膣からこぼれ出た。
チト「バカか!止めろって言ったら止めろ!」
ぺしっ、と跨られたまま叩かれる。
ハロ「いてっ!そりゃ無理なんだって!もう十分慰められたよ本当」
チト「まったく・・・」

翌日。
朝、教室に来るとそこにはツンしか居なかった。
俺は机に鞄を置いた。
ツン「はい、これ」
ツンがDVD-Rを差し出した。
ハロ「何これ?」
ツン「昨日のライブ。理緒んとこの人が撮って焼いてくれたの」
ハロ「おお、ありがとう恩に着る!」
ツン「早く持って行ってあげたら?」
手をひらひらさせてみせるツン。
ハロ「・・・あ、ああ」
ツン「何、別に気にしなくていいわよ?別にあんたの事好きじゃないし」
ハロ「フ、ありがとう」
ツン「何よ今の『フ』ってのは!?さっさと渡して来なさいよバカ!」
ハロ「いたい いたい!」

ハロ「と、いうわけなんだ。はい、これ」
チト「・・・さっき蕪雲に同じものをもらったぞ」
ハロ「ぇ」
187 名前: 79 質問38 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:55:11 ID:tmqzgdY2
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「作品はおそらく41話目」
ハロ「だから何だと。ゲストは智途」
チト「79話目だったら半端でも許されそうだがな」
(´・ω・)つ[]<そういえば、刀キャラがいませんね
79「別 要らなくね?」
ハロ「そのうち斧キャラとか重火器キャラとか最終兵器キャラとか言うんだろ」
蕪「最後のはまずい希ガス(;^ω^)」
チト「(じゃあ今回私が武士役だったのは・・・?)」
つ[]<由梨たんが可愛すぎるのでいただきますっ
79「だめです><」
毒「全力で阻止('A`)ノ」
蕪「どうせ兄のツバついたやつだし」
チト「なんだと」
つ[]<裏ウィッシュに金を貢ぎ続けるとどうなりますか?
79「お金がなくなると思います><」
蕪「><←これは使うな」
ハロ「ウィッシュのときはすべて懐に入っていたが裏の時は・・・同じだった」
つ[]<しのたんは実は未来視ができる能力者
つ[]<ユリたんは実は見たものの温度を奪い尽くす能力者
79「元ネタがわかんないです><」
蕪「能力者と聞くと○NE PIE○Eしか思いつかない俺厨房」
ハロ「PIE○Eと聞くとPEACE@PIE(ry」
チト「まあ実際にはどちらの能力も無いらしいが」
つ[]<チト様愛してます・再
79「どうやら再放送されるらしい」
蕪「みんなでこの輪を広げていきましょう」
チト「しかし響きが1さ○愛してますみたいに聞こえるな」
ハロ「確蟹」
蕪「漏れ七頭身だお!」
チト「キモイヨー」
蕪「(;´Д`)'`ァ'`ァ」
ハロ「そら見ろ」
つ[]<のばら
79「きさまら はんらんぐんだな!」

   ゆみ3

ハロ「しかしよくレオンハルトってわかったなこの人」
188 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 02:56:01 ID:tmqzgdY2
体育祭はツン編、直後の文化祭は智途編。パラレルの為せる業だなあと思う

ハロ「で、何の役なんだ?」
が、最初
ハロ「で、何の薬なんだ?」
に変換されたのは気にしないでおこう

ちなみにリリー姫が誰だったのかはリリーを日本語にすればわかる
189 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 03:12:08 ID:7O+ITC0R
誰GJ!!
モルスァ!!

つ[]<毒男を幸せにしてあげてください。それが駄目ならせめてユリへの想いに決着つけさせてあげてください。
190 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 06:36:25 ID:+dTAzD9e
GJ!!
気が付いたら寝てたヨー
チト編ということはツンは選ばれなかったわけで、エロゲはたくさんこなしたけれど、毎回自分の好きなキャラが悲しい思いをするのは心苦しい…………いや、どうだろう

本当、テキスト素敵んぐだよなぁ


つ[]<いよいよ両親はどうなったんですか?雪掻きの時はいたよね?
191 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 15:13:29 ID:0jL6i9yQ
あいも変わらずGJ!
刀とか斧とか重火器と聞くと日○一ソフト思い出す自分はダメ人間

つ[]今回の劇で大量の兵士が逝ったのは今後のチト編の伏線ですか?
192 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/18(月) 23:31:00 ID:QQXRdvLi
つ[]<ねんがんの あいすそーどを うばいとった!
193 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 03:19:14 ID:X7+SGbj6
>>172
ロマサガネタならなんでもいいってモンじゃねぇだろw

しかし今回はツンにも蕪雲にも辛いシナリオでしたな…
だがそれがいい。つーかシリアス分の高い話は大好きです。
ある意味に於いて最大のGJを。

つ[]某スレで79氏の書き込みを見たような気が…勘違いですかね
194 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 20:30:34 ID:+KbKD8E+
一番つらいのは役名でしか呼ばれなかったユリですかね?


つ{}←厚揚げ
195 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:41:28 ID:Rki1Mt7o
投下しますよ
196 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:42:35 ID:Rki1Mt7o
 電子音。
 玄関のインターフォンが鳴らされ、ツルに断りを入れて席を立った。相も変わらず口が
悪いけれども珍しく機嫌が良さそうで楽しく会話をしていたのに、それに水を差すなんて
何とも間の悪い人も居たものだ。誰だろうかと覗き窓から外を見てみると、美少女が三人。
いや、正確に言えば巨乳美少女が二人にオカマが一人。楽しそうに談笑しながら玄関の扉
が開くのを待っているようだった。
 吐息を一つ、僕はドアを開いた。
「あ、カメ」
「帰れ」
 コイと笑顔を交していたセンスが声に気が付いてこちらを振り向き、
「ひ」
 固まった。
「ひあぁァッ、何でカメさんがココに居るんでスカぁ!?」
 いや理由を問われても、ここが僕の家だからとしか答えようがない。確かに休日だとい
うのに家に篭っているのは少し不健康かもしれないけれども、そこまで言われる程のこと
でもないと思う。それにセンスは兎も角、水樹もコイもここが僕の家だと分かって連れて
来たんだろうから、少しくらいはフォローをしてくれても良いのに。
 そう考えている間にもセンスは乳を手で隠しながら僕を涙目で睨みつけ、米国の言葉で
色々と酷いことを言っていた。東洋の黄色い猿には分からないとでも思っているのだろう
が、それは大きな勘違いだ。スラングはあまり分からないが、洋モノのエロ本やビデオを
正しく楽しむ為に英語をしっかりと勉強した僕には、日常会話で使う程度の言葉ならそれ
なりに分かる。今や僕が彼女の脳内でどれだけこき下ろされているのかも分かった。
「随分嫌われているな」
「仕方ないんじゃない、アンタ目付きが尋常じゃない位いやらしいもん」
197 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:45:21 ID:Rki1Mt7o
 そんな筈はない、と思う。つい先程ツルと話をしていたときに、僕の視線がニュースで
見た性犯罪者に限りなく近いものがあるという言葉に近い感覚があるけれど、それは偶然
だろう。今のもコイの冗談に決まっている、蔑んだ視線もいつものこと。
 そう思うことにして、笑みを作った。安心させるためにそうした筈なのに、余計に態度
が酷くなったのは何故だろうか。今やセンスの頬には大粒の涙が川を作っている。
「どうしてだろうな?」
「アンタの方が『どうしてだろうな?』よ!! それに乳に向かって話し掛けるな、人と話
をするときは目を見て話しなさいって習わなかったの? それとも乳と会話してるの? 
もしかしてアンタだけ特別に、人と話をするときは乳に目を向けろって習ったの!?」
 今日もコイの言葉は切味抜群、罵倒に慣れている僕じゃなかったらその場で泣きだして
しまう人が殆んどだろう。しかし、罵倒に慣れてしまうというのは恐ろしいことだ。
「そろそろ泣きやんで、センス。カメはたまに……いつも頭がおかしいけど良い人だから」
「お前今フォローしてるようで、実は自然な流れで罵倒しているぞ」
 しかし水樹の言葉が効いたのか、センスは徐々に泣き止んできた。それは嬉しいことだ
けれど、僕を信用せずに変態の言葉を信用したのは正直少し悲しいものがある。まぁ外見
は美少女なので、その分言葉に説得力があったのだろう。
「さっきから煩いわね、ってあら。いらっしゃい」
 僕がなかなか戻ってこないことに業を煮やしたのか、リビングからツルがやってきた。
だが普通にコイ達に対応したのも束の間、センスが未だにぐずっているのを見て鋭い視線
を僕に向けてくる。つい五分程前までは機嫌が良かったのにこんなことになってしまうだ
なんて、誰が予想しえただろうか。
198 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:46:08 ID:Rki1Mt7o
「カメ、アンタ何したの?」
 何もしていない。
「僕を見たら急に泣き出した」
 理由が分かったのか、ツルはセンスに笑みを向け、
「そう。言い忘れてたけど、アタシとカメは一緒に住んでるの。でも気にしないで、カメ
は変態だけど悪いことは多分してこないから」
 絶対にしねぇよ。
 経緯はどうあれ三人とも家に入るようなので僕は珈琲を煎れる為に台所へ向かった。後
ろの方、リビングでは日本のゲームが珍しいのかセンスの驚きの声が聞こえてくる。僕へ
の対応は酷かったけれども今は喜んでいるようなので、深く突っ込まないことにした。
 数分。
 人数分の珈琲が出来たので、皆の元へと向かう。どうやら家庭演算機(和訳)で遊んでい
るらしく、昭和真っ只中の安い電子音楽が聞こえてきた。やっているソフトは筋肉隆々な
男が格闘する対戦ゲーム、今はキャラクターを選んでいるらしい。コイは原作の主人公と
中国人のコンビを選んで、センスが選ぶのを待っている状態だ。不馴れな手付きでたった
八人の中から真剣に選んでいる様子は、どこか可愛らしい。
「あの」
 眺めていると、センスがやや躊躇いがちに声をかけてきた。僕が居ない間に説得された
のか、それとも自発的なものなのか、どちらにせよ僕と話をするという気持ちを持ったら
しい。それだけでも大分嬉しいことだ。
 だから僕は笑みを浮かべ、
「何?」
「その、この中にアメリカ人は居まスカ?」
 彼女は自分の国に愛着を持っているらしい、その素朴な心に胸を打たれた。だから僕は
黙って主人公の相棒である額に米の文字が付いている男を指差した。センスは嬉しそうに
その男を選択すると、後はどうでも良くなったのか適当にパートナーを選んだ。しかし、
無知とは恐ろしいもの。
199 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:49:20 ID:Rki1Mt7o
「げっ」
 センスに聞こえないように気を使って小さく漏らした声だけれども、僕にははっきりと
聞こえてしまった。センスが選んだのはドイツ人、このゲームの最強キャラクターであり、
マナーとして使わないのが基本。しかし何も知らないであろうセンスは、禁断の行為を行
ってしまった。
 開始から数十秒、何かの操作ミスでアメリカ人からドイツ人にバトンタッチし、コイの
表情が険しいものへと変わった。それはそうだろう、しかももうすぐ強化アイテムが出る
頃だ、最高にタイミングが悪い。
「このっ、コンニャロ!!」
 焦ってコイは猛ラッシュ、中国人がドイツ人を果敢に攻めたてる。半泣きで逃げ回って
いたセンスだったが、ついにサナギから蝶へと羽化するときがやってきた。主人公の世話
係の眼鏡をかけた子供が光る玉を投げ、幸運にもそれは逃げ回っていたドイツ人に上手く
ヒットした。そうなればここからは、こいつの独壇場になる。
「Bボタンだ!!」
「こらカメ、何教えてんのよ!!」
 コイの発言を全く気にせずに、センスはBボタンを押した。
「ひゃあ、凄いデス」
 するとドイツ人は毒霧のようなものを吹き出し、それは一直線に飛んでいく。原作には
存在しない、謎の技。辛うじて避けたものの、コイの表情は蒼白だった。当然だ、パワー
アップした後で使うことのできる必殺技は体力の残りを表す五つのランプのうち、一つを
消す力を持っている。それは他のキャラでも同じだが、違う部分が一つだけあり、これが
使用禁止の理由。つまりは他のキャラが皆接近戦をする中で、唯一飛び道具が出せるとい
うことだ。
「オゥ、強いデス」
「カメ、アンタ覚えておきなさいよ」
200 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:50:02 ID:Rki1Mt7o
 今度はコイが半泣きになる番だった。利点に気が付いたらしいセンスは、今までの逃げ
の姿勢とは一転、恐ろしい勢いでドイツ人に謎ガスを吐かせ、中国人を攻めてゆく。
 結果、センスの圧倒的な勝利だった。
「初めてとは思えない戦いだったね」
「そうね。カメが下心満載で助言したのもあったけど、それを抜いても見事だったわ」
 何て事を言いやがる、下心なんてねぇよ。
 ツルが妙なことを言ったせいでセンスがまた怯えるのではないかと思ったが、要らない
心配だったらしい。反則キャラを使われたとはいえ負けたショックでへこんでいるコイに
対し、明るい笑みで勝利の余韻に浸っていた。初めてやった日本の文化に悪い印象を持た
れなくて本当に良かった。
「楽しかったデス」
「そりゃあ、あれだけガスを撒けばね」
 不意に、センスの表情が曇った。
「どうした?」
「あの緑色の人は何人デスか?」
「え? ドイツ人じゃなかったっけ?」
 ねぇ、と水樹がこちらに視線を向けてくる。
「日本人は危険表現にも優しいデスね」
 センスの言いたいことに気が付いた。普通は気が付かないどころかそんな発想も浮かば
ないと思うのだが、流石はアメリカ人。日本人とは根本的な違いがある。
 ドイツ人。
 軍服。
 謎のガス。
 もうこれ以上は何も言うことはないだろう、製作者は何を言いたくてこんなブラックな
ジョークを仕込んだのだろうか。表現の自由にも限度や倫理は必要だというのに。
 数秒。
 僕とセンスはお互いに席払いをすると、窓の外を見た。平和な国の空はどこまでも蒼い。
「随分仲が良くなったわねぇ」
201 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:52:34 ID:Rki1Mt7o
 言われてセンスは顔を赤く染めたが、それは寧ろ逆効果。それのせいでツルの目が更に
険しいものへと変化していった。今やそれは犬どころか、下手をしたら熊をも撃退できる
程の迫力を持って僕を見据えている。
「まぁまぁ、良いことじゃない。人間皆仲良くだよ?」
 フォローの言葉を水樹がかけるが、
「変態と巨乳の組み合わせでも? アタシは性犯罪を未然に防いでるだけよ?」
「ひぃ」
 あまりの迫力に、水樹は情けない声を出したきり黙り込んだ。だがそれも無理もない、
今回ばかりは僕も水樹を責めたりはしない。一言言ってくれただけでも充分にありがたい
と思った。それだけで表彰ものだ。
「えっと、私達ってもしかしてお邪魔?」
 コイが控え目に尋ねてくるが、そんなことはない。寧ろ三人ともずっとここに居てほし
い、でないと暴走したツルがどうしてしまうか分かったものではない。
 僕のそんな細やかな願いは通じず、コイは不思議そうなセンスの手を引いてリビングを
出ていった。センスはもう少し遊んでいたいという表情でこちらを見たが、水樹に背中を
押されて名残惜しそうにゆっくりと歩いていった。
 ツルは無言で三人を見送った後、こちらを睨み、
「正座」
 僕は言われた通りに正座をした。
「言い訳は? 取り敢えず聞くだけ聞いてあげる」
「さっきのことなら、普通だろ? 友達だし」
 さっきやっと和解したようなものだけれど。
 仁王立ちしたツルは僕を冷ややかな目で見下ろすと、
「ふーん、普通、ね。じゃあコントローラー振り回して揺れてる乳をいやらしい目で見る
のも普通なんだ。知らなかった、教えてくれてありがとう、また一つ賢くなったわ」
 いかん、バレてた。
 数秒。
「ンな訳ないでしょ、この乳キラー!!」
 怒鳴られた。
202 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:55:56 ID:Rki1Mt7o
「そうやっていつもいつも、下半身を膨らませて!! このエロ助!!」
 ツルはもはや言葉では表現不可能な程に表情を険しくすると、足先で僕の股間をいじっ
てきた。押し付け、擦るように動かして刺激を与えてくる。これは不味いと抗議の声をあ
げる為に視線を上に向けたが、とてもじゃないが言えなかった。普段は態度がキツいもの
の小さく可憐であるツルだが、今は何故か大きく恐ろしいものに見える。
「へぇ、こんなのでもちんこ大きくするんだ。この弩変態」
 違う、と言おうとしても絶妙なタイミングで股間を撫でるため、上手く言い出すことが
出来ない。喋ろうと思うのだが、情けないことにその度に口からは吐息にも似たうめき声
が漏れてくるだけだ。
「あはっ、どんどん大きくなってる。そんなに良いの?」
 刺激自体は存在するが、それ程強いという訳でもない。下着とジーンズの上から擦って
いるので大したことはないのだが、背が低く幼児体型の女の子に怒られ、蔑まれながら、
しかも足で股間をいじられているというこの状況がいけない。背徳的で異常なこの状態は
はっきり言って心に毒だ。その毒はとても甘く魅力的で、嫌が応にも興奮を掻き立てる。
 だがやられっぱなしも酌なので僕は笑みを作り、
「試して、みるか?」
「嫌よ」
 足の動きが激しくなった。
「ちょっと待てツル。このままだと」
「このままだと?」
「パンツがガビガビになる」
「妙に生々しいこと言わないでよ馬鹿!!」
 数秒。
「カメって本当に、ちんこ主体なのね」
203 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:56:47 ID:Rki1Mt7o
 吐息をしながらでも足の動きをツルは止めない、これは器用と言っても良いのだろうか。
暗黒スキル方面でそうなられてもあまり嬉しくないが。
 疲れたのか、ツルは僕と向かい合うように座った。そして本当に器用に足でジッパーを
下げてパンツを降ろし、僕のものをジーンズの中から取り出した。面倒臭そうな表情が、
一連の動作を更に味わい深いものにしているが、言わないでおいた方が良いのだろうか。
「本当にこの馬鹿は、浮気者だし」
 先端を親指でこじりながら、透明な汁を塗り広げてゆく。只でさえストッキングのせい
でツルツルしているのに、更にぬめりが加わって快感が急激に増した。そのせいで大きさ
も今までよりも大きく固くなる。
「わ、また大きくなった。喜びすぎよ、この変態」
 数秒。
「気持ち良い?」
 ツルは目を伏せ、
「ごめんね、嫉妬深くて。友達になるのは良いことなのに、それに苛々して、怒ってさ」
「気にしてないよ、それもツルだ」
「カメ……うん、ありがとう」
 本当なら良い場面なのだろうが、いかんせん状況が特殊すぎる。しかも今の会話の最中
も僕のものを足で擦っていた為、刺激を受ける側の僕としては少し複雑な気分だった。
 しかしツルはさっきの僕の発言で気を良くしたのか、更に僕を責めたてる。親指と人指
し指で傘の根元を挟んで回転させたかと思うと、足先で裏筋を擽るようになぞってくる。
竿の部分を両足で挟み、土踏まずに微妙な圧力をかけ、長いストロークで全体を擦り上げ、
急に下ろしたかと思えば竿の付け根を締め付ける。技術のお陰もあるが、それもストッキ
ングの素材の特徴があってのものだ。
「そう言えば、何で急にストッキングを履き始めたんだ? 嬉しいけどさ」
「それは、その……」
 ツルは恥ずかしそうに顔を赤らめ、そっぽを向いた。
204 名前: 『ツルとカメ』×4 [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 22:58:56 ID:Rki1Mt7o
「蒸れるし足のにおいがエラいことになるんじゃないのか?」
「うるさい!!」
 両足の土踏まずで、揉むように亀頭を刺激してくる。これはヤバい、本当に出そうにな
ってきた。黒のストッキングが白く染まるのも時間の問題だろう。
「で、何故?」
「その、生足を見られるのが恥ずかしくなって」
 スカートを短くした訳でもないし今まではさんざん出していたのに、不思議なものだ。
これが微妙な乙女心というものだろうか、男には全く理解ができない。
「第一、生娘じゃあるまいし」
「生娘よ!!」
 嘘は良くない。
「ごめん、嘘吐いた」
「ははは、非処女女子高生」
「黙れ!!」
 非処女と女子高生、どちらも普通のことなだしそれが重なるのも珍しくはない。しかし
言葉として繋げてみると途端にエロく聞こえたり頭が悪く見えたりするから日本語という
ものはつくづく不思議なものだと思う。
「このっ、このっ」
 ツルは僕に言われた事実がよほど気に食わなかったらしく、必死に股間のものを擦って
いる。こんなことをしているから不名誉な呼ばれ方をするのだと気付くのは、一体いつに
なるのだろうか。
「さっさとイッちゃいなさい」
 今までより数段高い快感が全身に伝わった。視線を股間に移してみれば、納得できた。
左足で竿をしごき、右足全体を使って亀頭を刺激する。満偏なく股間に与えられる刺激は、
今にも射精しそうだった僕を一瞬で頂上まで昇らせてゆく。
「く、出る」
 直後。
 先端から白い液がほとばしり、黒い足を白く汚していった。光沢のある黒と、鈍く光を
反射する白の組み合わせが何ともいやらしい。
「こんなに出して、この変態」
 出させたのはツルだ。
「そう言えばこれって足コキだよな」
 なんとなく思い付き言ってみた。
「何それ?」
 知らないでやっていたのか、恐ろしい娘も居たものだ。
205 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/09/19(火) 23:00:29 ID:Rki1Mt7o
今回はこれで終わりです

>>161
不真面目な内容でその評価だから困る

>>162
あと二人くらい出しても大丈夫だろうか

>>163
どうもです、レスがあるだけでも嬉しい

>>165
それがカメの良いところ

>>176
普通のラブコメのつもりなのに変態とか


さて次は誰を出そうか
206 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/20(水) 00:19:02 ID:wSXJVfqi
ハロとカメ、どちらが変態か
それは問題にならない


GJ!!
207 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/20(水) 16:19:41 ID:7xILS/YX
>>206
ハロとカメも良いが、ツンとツルのどっちが強いかであろう
勿論、色々と様々な意味を込めて
208 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/21(木) 13:52:09 ID:ltZzrZnB
79氏もロボ氏もGJ!!
やっぱりここは素敵なインターネッツだな

つ[]<俺のライバルとして蕪雲とハロ抹殺していい?

つ[:-)]縦にみると顔みたい
209 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/22(金) 00:40:25 ID:3/CjX60I
[10000]<蕪雲、これは俺からの気持ちだ。
好きなように使ってくれ。
210 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/23(土) 02:30:02 ID:kWgT1FQH
そういえば、例の独逸人は正確には国防軍なのだとか。
階級記章とかが卍を左右反転させた人たちとは違うらしい。
211 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/24(日) 19:04:30 ID:JT+FFrDz
エロパロエッサイムエロパロエッサイム
212 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/24(日) 22:24:28 ID:aVFfB7K5
我は求め訴えたり
213 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:04:08 ID:nffrMuKh
覚醒編は覚醒する
>190
(´・ω・)・・・どうもです
ツンを選ぼうが智途を選ぼうが同じように日曜日はやってくる
ツン編の文化祭や智途編の体育祭だってあるわけだ
パラレルの為せる業だなあと思う
>191
あれは刀少ないッスよ
>193
まあ多少の犠牲は已むを得まい(ニヤリ)
>194
いや、蕪雲だろ
>195-205(『ツルとカメ』×4)
・・・なんか無礼あったみたいでスマソ
>211
じゅもんつかうな
214 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(1/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:05:30 ID:nffrMuKh
・・・。
Complete Uploading_
ハロ「・・・?」
閉じた瞼の正面に、黄緑色の文字列が浮かんだ。
それは、俺が瞼が開かれる前のほんの一瞬で消えてしまった。
そして、俺の目が代わりに捉えたものは、円形の、狭い空。
どうやら、壁のようなもので周りを覆われているようだ。・・・心なしか、寒い。

俺が姿勢を起こすと、深い青色をした床の上に居るのがわかった。
ハロ「あれは・・・」
ここがどこだかわからない。
だが、遠くに何やら皆が話し合っている姿が見えた。
俺は、反射にも近い感覚でそちらに向かって走り出した。
ハロ「みんな!」
夢にしては、感覚が妙にリアルだ。俺を不安にさせるには十分なほどに。
俺はみんなの居るところに駆けつけた。
ツン、智途、しのた、由梨、理緒、雪花さん、緋柳さん、てんてー、蕪雲、毒男、渋沢さん。
しかも何故かウィッシュまで。みんなに見えてるんだよな?当然。
しかし何だかみんな俺のこと無視してるような感じがするんだけど、もしかして俺だけ見えないんですか?
まさかな。ツンに話しかけてみよう。
ハロ「ツン」
ツン「何よ?」
ハロ「あ、いや、ここはどこなのかなあと」
ツン「知らないわよ」
と吐き捨て、そっぽを向いてしまった。
今日はいつにも増して冷たいな。
ハロ「――え」
俺は、あることに気付いた。
皆が輪になって話しているのはいい。そこまではいい。理解できる。解せる。
だが、その輪の中心が・・・毒男!?
ユリ「毒男先輩、私なんだか怖いです」
毒「大丈夫だ、何が出てきても俺が守ってやる・・・」
ユリ「先輩・・・」
なっ、何これ!?!????!!??!?
毒男も何『当然だ』みたいなAttitude示してるの!?オラ、さっぱりわけわかんねえぞ!
チト「蕪雲・・・」
蕪雲に身を寄せる智途。
蕪「みんなが見てる前であまりくっつくなお」
ちょwwwおまwwww夢でも在り得ないだろwwwwって笑ってる場合じゃない!
これ、どういうこと?
誰かわかりやすく釈明してくれ。
愕然としている俺の肩を、誰かがとんとんと叩く。
その方向に振り返る。
雪「大丈夫よ、ハロ君には私がついてるから」
といい、にっこり微笑む雪花さん。
ハロ「あんた天使だよ・・・」
涙ぐむ俺。
雪「あらあら、泣いちゃった。慰めたほうがいいかしら?」
渋「・・・むう」
雪「?聞いてるの?」
215 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(2/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:06:15 ID:nffrMuKh
タバコの煙を燻らせ、しばし物思いに耽っている。
渋「毒男・・・。私としても毒男がああ在れば理想と考えた事は無くもなかったのだが・・・」
大人数の黄色い声に、見向きもしない毒男。
そして、今のこの状況は何なのか、周囲を入念に調査する毒男。
渋「しかしその姿を見て釈然としないのは何故だ・・・?」
雪「考え事してる場合じゃないでしょうに」

涙を拭い、顔を上げる。
ハロ「と、言う事は二人とも『大丈夫』なんですね?」
雪花さんと渋沢さんは顔を見合わせた。
渋「『大丈夫』の定義はよくわからないが」
雪「『大丈夫』みたいね。あと、私たちが大丈夫なら多分・・・」
トッ
ハロ「おわっ!?」
空から緋柳さんが舞い降りた。
緋「色々調べて参りましたが、やはりここは特殊な空間です。擬似的な物質が多く存在しています」
渋「ふむ・・・」
ハロ「いや、全然わけわかんないんですけど。何であなたたち三人は平気なんですか?」
雪「何、ハロ君だって平気じゃん」
いや、立場の逆転で精神的にはボロボロなんですけどね。
ハロ「で、擬似的な空間ってどういうことですか?平たく言うと」
雪「ま、今までの常識が通用しないって事ね」
渋「なぜ我々だけが集められたのかは知らないが・・・知っているとすればお前だけだろう?」
三人の視線が俺に集まる。
ハロ「え、俺?」
自らを指差して言う。当然、何も知らない。と思う。
雪「どうしようもないわね。姉さんお手上げ」
緋「せっちゃんの話し方が妙に気持ち悪いのですが、遥様の前ではいつもこうなのですか?」
渋「らしいな」
雪「野郎ども・・・」
今、ありえないセリフが聞こえたぞ。
いや、でも、もしかして本当にどうしようもないのか?
俺はこんな状況嫌だぞ。立場逆転なんて嗜虐プレイ、俺は御免だからな。
ハロ「何とか――」
俺が言葉を発しようとした瞬間、辺りがものすごい光に包まれた。
ハロ「くっ!」
同時に、激しい耳鳴りが襲った。
視界の次は聴覚が失われ、俺は自分が発した呻き声すらも聞き取れなかった。
俺は、その場に昏倒した。
・・・。

目が覚めた。
俺は暗闇の中に倒れている。
ベル「いつまで寝てんだ、王子様」
聞き覚えの無い男の声。声を聞いて俺はその場に立ち上がった。
ベル「随分と情けねえツラだなあ、おい」
目つきの悪い少年、・・・青年?が俺の目の前に立っている。
ベル「いいか、テメーはもうじき自分の世界で消えてなくなるんだ。諦めて氏ね」
エル「誰よ、ベルゼットなんか先に向かわせたやつ?」
今度は、暗闇の奥から綺麗な足をした女性が歩いてきた。
ルシ「僕だよ・・・ごめんね」
な、なんだ、こいつら!?
216 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(3/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:06:57 ID:nffrMuKh
リュ「もう、なんで私だけキリのいいところまでに入らないかなあ」
ベル「乳が重すぎるからだろ」
エル「遅遅として進まないのよ」
ルシ「やめなよ。笑うところだったじゃないか」
リュ「もう、何!?みんなして!」
そりゃ、こっちのセリフだ。
黒の衣裳を身にまとった、謎の四人衆。・・・どう考えても怪しい。
ハロ「で、なんなんだお前ら?」
リュ「『なんなんだお前ら』と聞かれたら!いたっ!・・・何するのエルナちゃん!」
エル「そんな定石は要らないわ。ルシフ、簡潔にお願い」
ルシ「ええ・・・簡潔にお願いするならベルゼット君を推薦するよ」
ベル「俺様がか?発破かけるのはエルナとリュシルなんだろ?」
もうどうでもいいからはやくやれよ。
エル「じゃ、私から。二人は行って」
エルナと呼ばれた女性がそう言うと、ベルゼットとルシフの二人が闇の中に消えて行った。
残るは、この二人の女性。
エル「いい?ここはあなたの深層世界。あなたの心の奥深くにある世界よ」
ハロ「世界?俺の中にこんな世界があるのか?」
エル「最後まで聞けマゾ野郎」
ハロ「・・・はい」
エル「あなたには、あなたの先祖からの力を強く受け継いでいるがために、人を強く結びつける力を持っているわ」
よくわからないが把握した。
エル「簡単に言えば、その力があればエロゲーの主人公みたいな生活もできちゃうわけよ」
ハロ「先祖さまさまだな」
エル「真面目に聞かないと殺すわよ?」
真面目なんだが。
エル「いつしかその力は、私たち四人に分割された。今回、あなたの立場が逆転したって事は・・・わかるわね?」
ハロ「クーデターか」
エル「そのとお・・・りっ!」
俺はエルナにものすごい力で押し倒された。
エル「さて、お前には私たちの下僕になってもらわなければな」
げ、下僕!?
そうなったら、俺は自分の能力に飲み込まれて・・・ってことはさっきベルゼットが言ったように消え・・・
ハロ「だ、駄目だ!やめろ!」
エル「ふふ、そう。そうやって足掻いてもらったほうが犯し甲斐があるのよ。リュシル、手伝って」
リュ「は〜い!」
リュシルは俺のズボンのベルトを外し始めた。
ハロ「やっ、やめろ!やめろおおお!」
俺は必死に抵抗するが、体勢は覆りそうにもなく、ガッチリと押さえつけられている。
エル「ちょっと失敗したな。私が押さえ込んでたらできないし。仕方ない、リュシルもらってもいいよ」
リュ「やった♪」
やだ・・・嫌だ・・・嫌だ!
ハロ「うああああああああああっ!」

ハロ「――!かはっ、はあっ、はあ・・・!」
な、なんだここは・・・ベッド?
随分豪華なものだ。俺が寝ていてもいいのか?ってくらいの。
汗を拭う。
しかし、なんだったんだ今のは?
周りを見るに、豪華な屋敷の中。理緒の屋敷じゃない。
って事は・・・まだ夢の中か。
217 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(4/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:07:42 ID:nffrMuKh
油断はできない。
この世界を創るやつらを敵に回してしまったんだからな。
どんな不都合があってもおかしくない。けど、これ以上立場逆転を見せられるのは精神的にかたつ無理だ。
何とかあの四人と和解しないと、俺は元の世界に戻れないだろう。
 にゃー (SE:猫の鳴き声?)
ハロ「・・・何だ?」
猫の鳴き声、じゃないな。人の鳴き声だ。ん?人の声だ。わけがわからんわい。
俺はベッドから起き上がり、スリッパを履き・・・って何だこのパジャマ&スリッパ。いつの間に。
とにかく、声のするほうに玄関へと向かった。

?「にゃー・・・」
見ると、薄汚れた猫耳娘が横たわっていた。
ハロ「こ、これはいかん!!」
しかもこれは結構上玉じゃぞ。俺ならいける。
東「いかがなさいましたか?御主人様」
ハロ「いや、この子が・・・」
振り返ると、メイド服姿のてんてーが居た。
し「!これはいけませんね。手厚く保護を」
ユリ「はい!」
ツン「あ、御主人様はちゃんとこちらでお着替えして下さいね?いつまでもパジャマで居るのはみっともないですから」
ハロ「ああ、うん」
・・・って。
これはこれで何これ!?!????!!??!?
なんでみんな当然のようにメイド服着て俺のこと『御主人様』とか呼んでくれちゃってるわけ?
困惑していた俺はツンに連れられて、そのままさっきの部屋に戻された。

渋「この格好。どうやら私は執事らしいな」
雪「見て見てハロ君、メイドさん♪」
緋「・・・」
ハロ「はは・・・」
苦笑する俺。
なんてこった。変わってないのは緋柳さんぐらいじゃないか。スーツ似合わないよ渋沢さん。
?「にゃー」
ハロ「おっと!?」
突然、背後からさっきの子が現れた。
?「ありがとうございますにゃおかげで助かりましたにゃ」
ぺこぺこと礼をする猫耳娘。
語尾に突っ込みたいところだが、あえて冷静に対処する。
ハロ「うん。良かったら名前教えてもらえるかな?」
?「名前は、たるとですにゃ」
名前に突っ込みたいところだが、あえて冷静に対処する。
ハロ「で、どこから来たのかな?」
た「んー・・・忘れたにゃ」
理「御主人様!」
ハロ「ほワット!?」
背後から理緒の声がし、慌ててそちらを振り向いた。
理「もしかしてその猫、飼うとか言うんじゃありませんよね?」
ただの猫には見えないけど。
ハロ「そのまさかだ」
緋「いいではないですか。世話は我々がしますし」
理「メ、メイド長・・・」
218 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(5/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:08:23 ID:nffrMuKh
結局、俺はたるとを飼う・・・というか、一緒に住ませてもらう事になった。
雪「よ、メイド長」
緋「・・・」
渋「都合のいい役職で助かったな、緋柳」
たるとは、ボールで無邪気に遊んでいる。
雪「もう、癒されてる場合じゃないでしょ?ハロ君」
ハロ「いや、目の前に猫耳と猫尻尾つけてるやつが居たら観察したくもなるでしょう」
た「ふにゃ!」
雪花さんがたるとの耳を引っ張った。
ハロ「ちょっと!?」
雪「作り物じゃないみたいね。しっぽも」
た「にゃ・・・やぁ・・・///」
雪「しっぽがお気に入りみたいね。んー、よしよし」
見る見る顔が赤くなっていくたると。
ハロ「雪花さんだって遊んでる場合じゃないでしょう?」
おっきしそうになったではないか。
雪「ごめんごめん」
遊ぶのはこれくらいにして、たるとから情報を聞き出そう。
あの四人とは違うが、現実には居なかったんだ、何か知ってるだろう。
ハロ「雪花さん、渋沢さん、緋柳さん、ちょっと席を外してください」

ハロ「なあ、たると」
た「にゃ?」
何から話し始めていいかわからない。
まあ、物は試しだ。聞いてみるか。
ハロ「黒い服を着た四人組を知ってるか?」
た「くろいふく?」
頭を傾げるたると。何聞いてもわからなそうだな。
た「黒い服の人ならたくさん居たよ」
ハロ「たくさん!?」
た「うん。私の事捕まえるって・・・」
たるとは、急に悲しげな顔をして俯いてしまった。
ハロ「何でたるとは追われるんだ?」
た「わかんない」
そっか、わかんないか。
駄目じゃん。
ハロ「ま、まあ誰かに追われてるとあらば、皆も喜んでかくまってくれるだろう」
た「本当にゃ!?」
ハロ「本当にゃ」
あ、うつった。・・・あ?
たるとは、俺に抱きつき押し倒してきた。
た「ありがとうにゃ!感謝するにゃ!」
ハロ「ちょっと待・・・!離れて離れて!」
コンコン(SE:ノックの音)
ウ「お部屋の掃除にあがりましたー」
ハロ「あ、後で後で!」
ウ「?はい・・・」
やばいタイミングで掃除しに来るなよウィッシュ。お前は由梨か。
たるとはすんなり体を離した。喜びを表現しただけらしい。
ハロ「はあ、危なかった」
色々。
219 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(6/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:09:06 ID:nffrMuKh
しかし、長い夢だ。
すぐに覚めるだろうと思っていたが、その気配は無い。
夢の中の時計は黙々と時を刻んでいる。ある筈の無い時を。
不安になってくる。エルナの言った事が、現実味を帯びてくる。
窓の外に沈む夕日を見ていると、そんな気分になってくる。
俺は平静を保っているつもりだし、周りから見てもそうだったと思う。
けどあまりに頭が混乱していて、本当は周囲の変化に耐え切れなくて、感覚が麻痺しているだけなのかもしれない。
この混乱に気付き始めると、怖くて、たまらなくなる。
いっそ、ツンたちみたいに夢と同化してしまえたら
ハロ「――うっ!?」
た「ハロ?」
あ、頭が痛い・・・!
ハロ「はあ、はっ・・・」
意識に、黒い靄のようなものがかかっていく。
ハロ「ちっ、違う!違う!!」
た「――?――!!」
このままでは、またあの四人に出くわしてしまう!やめろ、やめろ!!
た「だ、駄目っ!」
 ゴッ! (SE:壁に頭をぶつける音)
たるとは何故か俺を突き飛ばし、俺の頭は思いっきり壁にぶつかった。
た「あ」
俺は別の原因で昏倒した。
・・・ぐふっ。

ハロ「ぐ・・・」
目が覚めた。
視界に入るのは、豪華な模様の天井。
どうやら俺は、どこへもいかずに済んだらしい。
ふとベッドの左脇を見ると、たるとが眠っていた。
ん?俺どうなったんだっけ?
真犯人はコイツなのに、何でコイツが爆睡?
ハロ「おい、起`」
たるとは、ぴくっと耳を動かした。と思えば、また寝息を立て始めた。
ハロ「こら!」
と耳元で叫ぶ。
た「ひゃわっ!?」
たるとはようやく飛び起きた。
ハロ「突き飛ばして昏倒させた挙句爆睡とは何て娘よ」
た「だって眠かったんだもん・・・」
でも、まあもしかしたらこいつのおかげで助かったのかもしれないし。
ハロ「それより、よくわからんだろうがさっきは危ないところをどうもあ」
た「おフロ入ってくるね」
ハロ「・・・」
一日も経ってないのにずうずうしくなってきたのは彼女が猫だからでしょうか?

リュ「あ、また失敗しちゃった」
ベル「何だよふざけんなよ全く!」
ルシ「なんだか穏やかでないね?」
ルシフが現れた。
エル「さっきからリンクがうまくないのよ」
220 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(7/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:09:52 ID:nffrMuKh
ルシ「本当だ。凄いノイズだね」
黒い床の上の大きな穴は、砂嵐を映し出している。
ルシ「叩けば元に戻るんじゃないかな?」
リュ「昔のテレビじゃないんだから」
エル「これじゃ、飛び込んでもはじき出されるだけよ。何が原因なのかしら?」
ベル「ちっ!俺はもう飽きた!」
ベルゼットは闇に消えて行った。
ルシ「やれやれ、彼は短気だね」
リュ「ルシフちゃんは何か知ってそうだよね?」
エル「知ってそうで知らないのよ」
ルシ「失礼だね。僕だって僕なりに色々調べてるんだから」
エル「じゃ、何か知ってるとでも言うの?」
ルシ「Exactly.」
ルシフは宙に人差し指を当て、長方形を描いた。
ルシ「この子だよ、この子」
エル「あー、日替わりけも耳放浪少女たると」
リュ「長い肩書きだね」
エル「この子って、サルパーブの馬鹿たちが追ってる子でしょ?何か関係があるの?」
リュ「いっつも放浪してるだけだよね。でもサルパの人たちにつかまったことはないのが不思議なだけで」
ルシ「そう、実はこの子が・・・」

ルシ「仮説だけどね」
エル「バッカじゃない!?そんな筈無いでしょ!?やっぱ猿派部の考える事は違うわ」
リュ「でも、そうじゃないとここにノイズを入れる事だって・・・」
エル「・・・」
ルシ「仮説だけどね」
エル「ふん・・・」

――夕食が終わった。
終わってしまった。まさか夢の中で飯を食うとは。
むにゃむにゃ。もうおなかいっぱい。などと寝言で言った事は無いが今日は、あるいは。
でも夢の中で着替えたり用を足したり頭ぶつけて昏倒したりするか普通?
ハロ「渋沢さん」
渋「なんだね。私は今忙しい」
ハロ「何かしてるんですか?」
渋「私は今、毒男が召使になったのを機にマナーを叩き込んでいる途中なのだ」
ハロ「はあ、すいませんでした」
まあすべてが終われば忘れてるとは思いますが。
雪「あ、ちなみに私は智途に以下同文」
チト「き、勤務中だぞ姉さん!」
普段と変わらないが。
せいぜいメイド姿の智途を満喫してくれ。俺の代わりに。
ハロ「緋柳さん」
緋「はい」
ハロ「たるとを知らないか?」
緋「先ほど御入浴されるとおっしゃっておりましたが」
またかよ。
ハロ「じゃあ、俺も入ろうかな」
実は、浴室自体がいくつもあるのだ。
緋「では、後でお着替えをお持ちします」
221 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(8/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:10:31 ID:nffrMuKh
ハロ「ふい〜」
あんなに広い風呂は銭湯以来だな。泳ぐなって言われても泳いでしまうぜ。
そう言やここ、テレビは無いのか?
無いな。洋館って、そういうもんなのかな。
た「ふい〜」
たるとが戻ってきたようだ。
ハロ「俺と同じ事言いながら入ってくんな」
そう言いながらたるとのほうを見る。
たるとは、パンツ穿いてTシャツ着ただけのなんともラフな格好だった。
ハロ「コラお前なんか着ろ!」
た「暑いにゃ」
たるとは言う事をろくに聞かずに、ベッドの上に仰向けに寝そべった。
た「ふみゅー・・・」
ハロ「たると」
た「?」
ハロ「お前には少々お仕置きが必要なようだな」
俺はたるとの上に跨り、左手で口を塞いだ。
た「――!」
もがくたるとの姿に、俺はやけに興奮してしまった。
俺の右手は、ほぼ無意識のうちにたるとの左胸を物色し始めた。
た「んーん!んっ・・・!///」
たるとの声が艶かしくなっていくのを聞きながら、俺は左胸に口をつけ、下りた右手はたるとの股間へと向かった。
そこは既に濡れていた。湯上りの体は熱いほど温かくて、柔らかかった。
口を押さえていた手を離す。
たるとの瞳は濡れ、頬は紅潮し、猫耳は垂れていた。
た「はぅ・・・はぁ、はぁ・・・///」
か、可愛い・・・。
俺はパジャマのズボンからいきり勃ったそれを取り出した。
た「・・・!だ、だめぇ・・・」
駄目、と言っておきながらも、たるとの秘所はそれに反応するように愛液を漏らしていた。
その姿に俺は何も考えられなくなって、たるとに挿入してしまった。
た「あ・・・ひゃあう!///」
たるとはシーツを掴み、息を荒げている。
俺はそのままで動きはしなかった。
たるとが虚ろなまなざしを俺に向ける。
た「し、して・・・///」
本当なら、『してください』くらいは言ってもらいたいところだ。
俺はやや自発的に腰を動かし始める。
た「ひゃ、ひゃう!や、あっ!///」
ハロ「ば、バカ、声でかい!」
俺はまた口を塞いだ。
た「んー!んふうぅっ!ん!んー!///」
たるとは息を荒げ、じたばた悶えている。
やがて体がびくびくとわななくと、たるとはくたっと弛緩してしまった。
口から手を離す。
ハロ「おい」
ぺちぺちと頬を叩く。
ウィッシュより敏感なんじゃないか、こいつ?
 [ア中に出す
  外に出す
222 名前: 79 Le souhait ハロ覚醒編2(8/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:11:03 ID:nffrMuKh
会って一日でそれはまずいだろ。
俺はたるとから竿を引き抜いた。
た「ふにゃ・・・///」
たるとはとろんとした目を天井に向けている。
こういう表情を見ていると、やっぱり出したくなってくるような・・・。いや、我慢、我慢。
た「ハロ、もっと・・・///」
うつろな目を向けられて発せられたその言葉に、俺の愚息は激しく反応した。
ハロ「駄目だ、お仕置きなんだからな」
た「・・・じゃ、明日ね・・・」
ハロ「・・・」
明日?
明日か。なんだか二日目には中山車してしまいそうな予感。
俺は明言を避けた。

――翌朝。(と言っても、夢から覚めたわけではない)
ハロ「ん・・・?」
昨日とは打って変わって、素朴な造り。まるでウィッシュの居た神社のよう。
ハロ「おい、たると。居るんなら起きろ」
た「んー・・・」
たるとも起き上がった。
ハロ「うおっ!?」
た「え?」
た、たるとの耳が変わっ・・・っていうかこれは、狐の尻尾だよな?
それよりも巫女服・・・??何コレ?また変わったのか?
た「コン」
ハロ「鳴くな」
こっちが泣きたいよ。わけわかんないよこの世界。
って、俺の心の中だっけ?
た「コン。みんなは?」
ハロ「そ、そうだな。みんなを捜そう」
俺は立ち上がり、襖を開けた。
ザッ、ザッ(SE:ほうきで落ち葉を掃く音)
ウ「あ、おはようございます神主さん」
ハロ「ってお前じゃどう変わったのか参考にならんわ!」
ウ「え、えっ?」
何気にポテンシャル高い俺も俺だよ。
周囲を見渡す。
・・・あれ?あの長髪誰だっけ?
ハロ「あ、何だ、ツンか」
髪ほどいただけか。
ツン「『何だ』とは何よ?」
ハロ「いや、別に。・・・色々とあって狐につままれたような気分でさあ」
ため息をつく。
ツン「狐ならそこに居るわよ」
た「コン」
ハロ「後で狐うどんおごってやるからあっち行ってくれ」
たるとは猛ダッシュで駆けていった。
俺にどうしろって言うんだ?
早いとこ四人に会って話つけないと。

ルシ「あ、狐が離れたね」
223 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:11:37 ID:nffrMuKh
ごめん(9/9)だった
224 名前: 79 質問39 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:13:03 ID:nffrMuKh
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「コンたる可愛いよコンたる」
ハロ「黙れ小僧。ゲストはたると(猫)」
た「にゃ」
(´・ω・)つ[]<毒男を幸せにしてあげてください。それが駄目ならせめて(ry
79「ほら見ろ、またサブキャラの人気があがっとる」
ハロ「大丈夫だ。ルドルフなんか俺の夢の世界に現れすらしなかったから」
蕪「逃げたな」
た「なー?」
つ[]<いよいよ両親はどうなったんですか?雪掻きの時はいたよね?
ハロ「俺の母親じゃないし」
蕪「母さん何人?」
ハロ「ぶち殺すぞ(´・ω・`)」
た「計算合わないですにゃ」
つ[]<今回の劇で大量の兵士が逝ったのは今後のチト編の伏線ですか?
79「深読みしすぎでは。っていうか伏線でも伏線ですってこたえづらか」
蕪「『あなたはスパイですか?』と似たようなもんだお」
た「劇の夢も出てこないかにゃ」
ハロ「やめろ」
つ[]<ねんがんの あいすそーどを うばいとった!
79「そう かんけいないね」
た「ころしてでも うばいとる にゃ」
蕪「ユミン○゚のセリフみたいに聞こえてきたお」
つ[]<某スレで79氏の書き込みを見たような気が…勘違いですかね
79「????漠然としててよくわかりませんがここ六ヶ月の話でなければ可能性はありかと」
蕪「可能性薄スwwwwww」
つ{}←厚揚げ
ハロ「惜しかったな。たるとが狐耳なら」
た「コン」
ハロ「嘘だろ!」
た「・・・にゃ」
79「はいはいイチャつくならよそでやってね」
ハロ「ウワァァァン」
つ[]<俺のライバルとして蕪雲とハロ抹殺していい?
ハロ「お前は誰だよ」
た「ライバルでしょ?」
蕪「智途様狙いなら血を吐くまで和解の道を求めるお」
つ[:-)]縦にみると顔みたい
79「すごく・・・古いです・・・」
ハロ「世界最古のAAだな」
た「あ、ほんとだ顔みたい!」
蕪「(;^ω^)・・・」
[10000]<蕪雲、これは俺からの気持ちだ。
蕪「さすが漏れ」
ハロ「ウィッシュの次に凄いな」
225 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:17:00 ID:nffrMuKh
少なくとも次スレの終わり頃にはもう自分はエロパロを書いては居ないだろう
と、ただそれだけ伝えておく
226 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 01:23:10 ID:S3vBlqwD
起承転結の承GJ!!
猿派部てwwwwww

果たして、しのた編は終わるのだろうか?

つ[]<つまり、NEW79氏の誕生ですね
227 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 02:21:39 ID:64LigtDy
珍しく攻めのハロを久しぶりに見たよ。GJ!!
毒「大丈夫だ、何が出てきても俺が守ってやる・・・」カッコヨスww

つ[]<本当ならショックすぎる…
書くのが大変なら毎週じゃなくていいから、行かないで…
228 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 17:15:22 ID:No3M+KUb
GJGJ!

つ[]たると(狐ver)食べちゃって良いですか?
229 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/25(月) 19:32:37 ID:A99igjMF
GJッス!
早く続き読みたいねぇ……

つ[]NEW79氏を楽しみにしています

つ[]チト様かわいいよチト様
230 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/26(火) 02:56:53 ID:QmkAavhs
たるとのみ、絵師は放電映像氏だな。狐も猫も。

つ[]毒男、攻撃表示!
231 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:18:55 ID:8x9FcZFy
投下しますよ
232 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:20:15 ID:8x9FcZFy
「入りたくねぇなぁ」
「我慢しなさいよ、放っておいたらエラいことになるわよ」
 確かにそうかもしれない、視線を下に向ければ血に塗れた足がある。今は体育の授業中
、準備体操の馬跳びで調子に乗った僕は50mの助走をつけて飛んだところうっかり転倒、
張り出していた石で膝を大きく切ってしまった。痛みには強い体質なので辛くはないのだ
けれども、流石に膝から下が赤く染まる程に出血してしまったので取り敢えず保健委員の
コイに連れられてここに居る。相変わらず出血は酷いものの血も少しずつ固まってきてい
るので僕は大丈夫だとだと思うのだが、生来の真面目な性分を発揮したコイの強固な説得
によって手当てされることは了承した。そこまではまだ良い、許容範囲の中だ。
「でもなぁ」
「ぐじぐじすんな、ちんこ付いてるんでしょ?」
 あれ、そうだったかなぁ?
「付いてるんでしょ?」
「はい」
 睨まれてつい頷いてしまったけれど、これは入らなければいけないということにも肯定
の意見を持ったことになる。一番したくないことをしてしまった後悔はあるが、今更悔や
んでも仕方がない。
 吐息を一つして、視線を上へと向けた。扉の上方にはプラスチックのプレートがあり、
そこには『保健室』という文字が並んでいる。
「嫌だなぁ」
「うっさいわね、さっさと入りなさいよ」
 言うや否や、コイは扉を開くと僕の尻を蹴って中へと放り込んだ。普段の僕なら何とも
ないのだが、足を怪我しているせいかバランスが簡単に崩れ倒れ込むような状態で部屋の
中へと入る。あまりの仕打ちに振り返ってみれば、コイはとっくに踵を反していた。あと
どうでも良い話だが、こうして低い視点から見てみるとコイの脚の線がとても綺麗なのが
よく分かる。
233 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:22:36 ID:8x9FcZFy
「って、お前は来ないのかよ」
「授業あるし、手当ては保健の先生の仕事でしょ?」
 それはそうなのだが、だからこそ保健室には来たくなかったのだ。
「あら、いらっしゃいカメ君。犯されに来た?」
「治療をお願いします」
 もはや僕としてはお馴染になった受け答えをしつつ、後方を向いていた視線を前へと戻
すと、白衣を着た女性の姿が目に入ってきた。漆黒の長い髪にYシャツ、ミニスカートに
白衣と分かりやすい格好のエニシ先生だ。いつも穏やかな表情を浮かべていて、僕以外の
生徒からの評判はすこぶる良い。しかし個人的には逆の評価、嫌いではないが苦手だった
りする。美人で巨乳で雰囲気もエロいので言うことなしなのだが、さっきの発言が示して
いるように少し下品なのだ。しかもそれが僕限定らしいので、余計に辛くなる。
 いや、それだけならまだ問題ない。聖職者としては問題だし、人間としても多少アウト
気味だけれども、その程度ならその辺を探せば見付かる程度のものだ。
 だが、それ以上に酷いものがある。
 ある日のこと、僕は熱がある状態で登校したせいか酷く体調が悪く、保健室のベッドで
横になっていた。そうしたら、『風邪は汗をかくのが一番』という発言と共に逆レイプを
かましてきたのだ。確かに汗はかいたのだが、汗は汗でも冷や汗だった。エロ漫画などを
読んでいると少しは憧れたりもするが、実際に体験するとそうもいかない。これは人にも
よるのだろうが、僕はあまりの恐怖に逃げ出してしまった。結局その行為は未遂で終わり、
それ以来保健室にはなるべく近寄らないことにしている。
234 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:23:15 ID:8x9FcZFy
「どうした、カメ」
 過去から僕を引き戻したのは、聞き慣れた声。その方向に視線を向けてみれば、アズサ
先生が机に突っ伏していた。朝のHRでもそうだったのだが相当体調が悪いらしく、グラス
の水を揺らしながらこちらを見つめている。中に入った氷が硬質的な音をたて、その度に
辛そうな表情をしていた。只でさえ冷たい印象のある切れ長の目は更に細められ、それは
不機嫌なツルと対等に渡りあえる程の迫力になっていた。
「どうした? 黙って」
 アズサ先生が再度尋ねてくるが、
「アズサ先生の方が、『どうした?』ですよ」
「あのね、昨日友達から結婚するって電話があって」
「それ以上は言うな」
 アズサ先生はエニシ先生を睨み付けたが、すぐに頭を押さえて目を伏せた。エニシ先生
もアズサ先生が抵抗出来ないことをしっかり把握しているらしく、気にした様子もなしに
僕に笑顔を向けてくる。どうしようか少し迷ったが、僕も笑顔を返した。いざというとき
には親友であるアズサ先生が多分止めてくれるだろうし、苦手な相手とはいえ人を邪険に
扱うのはあまり好きではない。
「でね、アズサったら悲しみのあまり」
「それ以上は言わなくても良いです」
 どうしてアズサ先生がこうなっているのかは、大体予想がついた。昨日の夜のことだ、
ツルがアイスを食べたいと言い出し、コンビニに行ったときにアズサ先生が酒や肴をしこ
たま買い込んでいたのを目撃してしまった。そのときは理由も分からず、そもそも気にし
てもいなかったのだが、さっきのエニシ先生の発言で合点がいった。つまりは、そういう
ことなのだろう。外見や性格が関係なくそんな立場になってしまう人というのは、今の世
の中には以外と多いのだ。だから差別をしたり、むやみに突っ込んだりしてはいけない。
それがマナーというものだろう。
235 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:26:19 ID:8x9FcZFy
 僕が理由を悟ったのをエニシ先生も理解したらしく、特に何も言ってこなかった。鋭い
目でアズサ先生が見てきたのは、敢えて気にしないでおこうと思う。
「で、話がずれてたけど何しに来たの?」
 いけない、怪我の治療を頼みに来たのにすっかり忘れていた。痛みに鈍いとこんな風に
なってしまうことが多い、全く困ったものだ。
 取り敢えず膝を指差すと、エニシ先生は露骨に眉根を寄せた。中身は少し問題有りでも
根の部分は聖職者らしい、非難するような視線を僕に向けながらも手早く手当てをして、
すぐに処置が終わった。そして仕上げとばかりに患部を軽く叩く。そう言えば、この行動
を最初にしたのは誰なんだろうか。
「全く、気を付けなきゃ駄目よ?」
「すいません」
「君だけの体じゃないんだから」
 考えてみればそうだ、折角両親から貰った大切な体だ。傷が付けば二人とも悲しむだろ
うし、意外と心配性なツルも悲しませることになるだろう。普段から発生している生傷の
殆んどはツルが付けたものだが、それは気にしない。
 エニシ先生も軽く頷いて、
「あたしのものでもあるんだから、ね?」
「ないですよ!!」
 何が『ね?』なんだろう、一瞬本気で肝を冷やしてしまった。深い関係になる前に逃げ
出しておいて正解だったと思う。こんなジョークを普段から聞かされているだけで冷や汗
ものなのに、実現されたらどうなるのか想像も出来ない。
「元気だなぁ、カメは。私にもその変態脳を少しで良いから分けてくれ」
「僕は変態じゃないですよ!?」
「そうだな、お前は普通だ。お前以外の皆がバラつきの少ない変態なだけだな」
「そりゃ僕が変態ってことじゃないですか!!」
236 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:27:01 ID:8x9FcZFy
 声が二日酔いに響いたのかアズサ先生は辛そうに目を伏せた。そしてグラスの水を口に
含み、目を細めて吐息を一つ。あまりの様子に目も当てられずに視線を反らすと、相変わ
らず笑みを浮かべているエニシ先生の顔があった。
「別に、何でもないわよ。それよりもアズサ、そんなことばっかり言ってると、カメ君に
嫌われるわよ。ねぇ、カメ君?」
「構わん、どうせ嫌われてる」
「ンなことないですよ」
 これは教師の前だから取り繕って言った訳ではない、確かに僕に対して酷い発言を繰り
返すが嫌いではないのだ。その部分はたまに辛いと思うときがあるが、人格者で、いつも
凛としていて、生徒の為に頑張っているアズサ先生が僕は結構好きだったりする。しかし
アズサ先生もやはり人間、今の発言や二日酔いを見て分かる通り、気弱な部分もあるのも
事実だ。普段が強く見える分、その陰である弱さはより脆く儚く見える。今日だけで二つ
も知ってしまった弱さを守るためなら、多分ガス抜きである普段の発言に対しても多少は
我慢しても良いかと思った。
「そう、良かった」
 僕の言葉に反応したのは、アズサ先生ではなくエニシ先生だった。
「これからも嫌わないであげてね、カメ君。それにカメ君は知らないと思うけど、アズサ
も結構カメ君のことが好きみだいだから」
「何を言ってるんだ」
 顔を赤く染めながら、椅子を鳴らして立ち上がった。それの衝撃でグラスが倒れて水が
テーブルに広がり、慌てて布巾でそれを拭く。これも今まで知らなかった一面だ。
「とにかく、あまり妙なことを言うな」
237 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:29:37 ID:8x9FcZFy
「事実でしょ? 『いつも酷いことを言ってしまうのに、カメはそれを笑って流してくれ
ている』『優しい奴だ』『冷たい印象の私がクラスに馴染んでいられるのもカメのお陰だ』
『あれが本当の人の優しさだ』って、何回聞かされたと思ってんのよ」
 アズサ先生は限界まで顔を赤く染めて何かを言おうとしたけれど、それは突然の電子音
に遮られた。続いて聞こえてくるのはエニシ先生の呼び出しだ。盛り上がってきたところ
だったので、エニシ先生はその呼び出しに不満の声を漏らしながら渋々席を立つ。
 数分。
 妙な気恥ずかしさだけが残り、沈黙が続いた。先程はエニシ先生が会話の中心だったの
で上手いこと行っていたのだが、いざ当事者だけになると意外に何も言えなくなってくる。
どうにも意識してしまい、視線を向けることも出来ないので相手がどんな表情を浮かべて
いるのかは分からない。ただ時折聞こえる氷が鳴る音で、グラスを傾けているのが分かる。
「すまんな、エニシが妙なことを言って。迷惑だろう」
「そうでもないですよ」
 先に沈黙を破ったのは、アズサ先生だった。視線を上げると幾らか冷静になったのか、
いつもの冷たい美貌が無表情に浮かんでいる。若干赤みは残っているが、特に気にしたり
指摘をしたりする程でもない。余韻の一言で充分だ。
「それよりもカメ」
「何ですか?」
 長居しすぎたことへの注意だろうか、しかしそれも言いかもしれない。このまま二人、
しかも変な気分で居るよりかは良いかもしれない。保健室を出る大義名分としては、それ
が一番無難だろう。
 数秒。
「年上の女に興味はないか?」
 全然冷静じゃなかった!?
238 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:32:38 ID:8x9FcZFy
 確かに年上の女という言葉には甘美なものを感じるし、本能でつい頷きそうになったが、
それでも肯定の言葉は出なかった。アズサ先生は美人だけれども、そう簡単に誘いに乗る
のには抵抗がある。倫理や常識なんてものを言い訳にする訳でもないし、ツルが居るから
というのも少し違う気がする。それは言葉には出来ない、もっと複雑なもの。
「駄目か」
「すみません」
 だからただ謝るしかなかった。理由が分からない今は、変に言葉を出すよりもそうする
のが一番良い。つまらないことを言ってしまったら、それこそ相手に失礼だ。
「なら煙草と酒を愛するクールガールなんてどうだろう、安定した収入の公務員なんての
も悪くはないと思うぞ。あ、スレンダー系のお姉さんなんてのもあるな」
 それって皆アズサ先生ですよね?
「焦りすぎですよ」
 僕の言葉に肩を小さく震わせて、アズサ先生は視線を伏せた。
「本当に、すまなかった」
 吐息をすると視線を上げ、僕の目を覗き込んでくる。
「私には、そんなに魅力がないだろうか」
「安心して下さい、アズサ先生は充分魅力的ですよ。頭も良いし、真面目だけど頑固じゃ
なくて気さくだし、他人のことを考えることが出来る人だし。見た目だって、美人だし、
スタイル良いし、背も高くて格好良いし」
 他にも長所は沢山ある、と考えたところで気が付いた。
 何故、アズサ先生を口説いたりしているんだろう。慰めている筈だったのに、いつの間
にか妙な流れになってきている。思考の奥では危険信号が大音量で流れているのに、舌の
動きは益々滑らかなものになってきている。
「だから、大丈夫です」
「だが大学の同期の連中が次々結婚している中で、私だけが、その」
「だから、焦りすぎなんです。結婚ってのは人それぞれで、他人を気にするもんでもないですよ」
239 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:33:41 ID:8x9FcZFy
「カメ、ありがとう」
「アズサ先生だったら、すぐに良い人が見付かります」
 よ、と言い切る前に言葉が途切れた。あまりの衝撃に身をのけぞらせると、頬を染めた
アズサ先生の顔がある。だが浮かんでいる表情はエニシ先生が居たときと違い、恥じらう
ようなもの。潤んだ瞳で僕の顔を見つめ、手指の先で自分の唇をなぞっている。
 これは、つまり、
「キス?」
「すまん」
 言うなり僕の顔を両手で挟み、再び唇を重ねてきた。今度は激しく貪るように、舌をも
侵入させてくる。味わうように舌を絡め、歯の裏や口内の粘膜をなぞり、唾液を僕の中へ
飲みこめと言わんばかりに流し込んでくる。口の中の異物感はすぐにとろけるような快感
に変わり、体の力が抜けていく。刺激だけでなく、アズサ先生がこうしているという興奮
のせいか股間が素直に反応しているのが、目を向けなくても分かった。
「私でも、反応してくれるのか」
 そりゃあ、美人にこんな腰が抜ける程のキスをされたら嫌でも立つだろう。
 アズサ先生はしゃがみ込むとベルトを外し、ジッパーを下ろした。パンツを降ろすと、
股間の肉棒が独特の弾力で跳ね上がって顔を出す。最近の経験から少し予測はついていた
ものの、それと覚悟が出来るかということはまた別物。照れ臭さや羞恥のせいでまともに
顔を見ることが出来ずに、僕は天井を向いた。
「カメ、私はお前が好きだ」
 かなり顔を近付けているのか、竿に吐息が当たり擽ったい。
「だが無理に応えて貰おうとは思わんしな、今のこれもテストの一貫だと思ってくれても
構わない。私が好きで、やりたくてやっていることだ」
「それは」
 そう思うのは、駄目だろう。
「それも嫌なら、寂しい女を助ける為だと思ってくれ」
240 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:36:30 ID:8x9FcZFy
 言われて、先程のアズサ先生の言葉に対する気持ちが見付かった。要は、正しく応えた
かったのだろう。だからこそ言葉が見付からず、理由を模索していたのだ。弱い人だから
という理由で助けて良いのか分からなかったし、寂しい人だからという理由で隣に居ても
良いのか分からなかった。だが今膝まずいて股間に顔を埋めようとしている人は、間違い
なく僕を求めているようだから、覚悟を決めた。
「お願いします」
 そう言うとアズサ先生は嬉しそうに目を細め、肉棒を口に含んだ。最初に先端にぬめる
感触が来て、続いて全体を温かいものが包み込む。肉感的ではないが、しかし滑らかな唇
が一気に根元まで滑り降りると、今まで味わったことのない感覚が走った。考えてみれば
ツルもコイも僕のものを口でした訳だが、やはり経験が豊富なのかそのどれよりも気持ち
が良い。歯が当たらないとかそんな次元ではなく、今までのものとはまるで別物のように
思えてくる。
「慣れてますね」
「勘違いするなよ、自慢じゃないが今まで男が居たことはない」
 本当に自慢できない。それに以外だった、今こそこんな状況だがそれなりにモテそうな
ものなのに。だとしたらこれ程の技術があるのは何故だろう。
「だからいつも一人寂しく道具で……これ以上は言わせるな!!」
 言わせるなも何も。
 だが突っ込むのは無理だった。器用にも口に含んだまま喋っているが、その度に舌が竿
に絡み付き絶え間なく快感を与え続けてくる。僕は射精感を堪えるので精一杯だ、無駄口
を叩ける程の余裕などはない。あまり早いのは格好悪いので我慢しているが、体は正直で
今にも出せよとばかりに思考を削り取ってくる。
241 名前: 『ツルとカメ』×5 [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:37:30 ID:8x9FcZFy
「ん、出そうなのか?」
 早いな、という呟きが聞こえてきた。気を遣ったのだろうか、本当に小さな声だったが
何故かはっきりと聞こえた。意地になって耐えようとしたが、更に激しくなった口責めに
限界はすぐに近付いてきた。
「すいません、出そうです」
「構わん、口に出せ」
 一番奥までストロークをして、喉で挟むように締め付けてくる。それに堪えきれずに、
思わず出してしまった。アズサ先生は少しむせたけれども、それでも吐き出さなかった。
そのまま喉を大きく鳴らして飲み込むと、こちらに向けて笑みを浮かべた。
「不味いな、これは」
 そう言いながらも、僅かに唇に溢れた精液を赤い舌で舐めとる。対照的な色がやたらと
いやらしく見え、僕自身に起きたことだというのに一瞬現実を忘れてしまった。
「アズサ先生、その」
「何も言うな、すまなかったと思っているんだ。これでも」
 だがアズサ先生は視線を軽く伏せると、ありがとう、と呟いた。
242 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/09/27(水) 00:47:17 ID:8x9FcZFy
今回はこれで終わりです

>>206
カメはネタに走りやすいだけで、基本はマトモっぽい人ですよ

>>207
身体能力:ツン<ツル身長、可愛さ、スタイル、乳:ツン>ツル

>>208
素敵とかGJというレスが元気の源

>>210
ドイツのアレはネタなので深くは気にしない

>>213
無礼じゃないッスよ
ただ、これは普通のラブコメですよね?



たまには真面目なのを書こうと思ったけれど、常駐スレと中身が被りそうなのに気が付いた
243 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/28(木) 00:06:00 ID:k+iUhykv
雲を突き抜けんばかりのGJ!
毎週お疲れ様です
つ[かたたたきけん]
244 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/09/28(木) 09:59:14 ID:WupaBsZQ
>>242
素敵とかGJ!


じゃあ俺も上にならって
つ[あたたたたきけん]
245 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/28(木) 18:54:26 ID:RTrPwPpu
久しぶりです
リアルが忙しくてネットをしている暇がありません
なので黒き色彩は現在更新不可です
出来るまで舞っていてください
246 名前: リアルの人 [sage] 投稿日: 2006/09/28(木) 18:55:12 ID:RTrPwPpu
ミスですね…
待っていてくださいでした

そして俺も上二人にならって
つ[あたたたたけん]
247 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/09/30(土) 01:21:23 ID:QOOzbJvQ
>>242
俺が高校の時にエニシ先生みたいな保健医がいてくれたら・・・!
GJ
248 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/01(日) 10:30:10 ID:OXKwgPSI
まだ1/4なのにもう半分なのな
249 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/01(日) 12:01:20 ID:mEijBcHv
エロパロアザラクエロパロアザラク


つ[]<しのたん攻略
250 名前: 名無し 投稿日: 2006/10/01(日) 12:04:43 ID:zff3SCO6
女ってのは胸揉むとすぐ濡らすよ。
251 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/10/01(日) 15:30:53 ID:n1+w2ghz
童貞or超絶テクニシャン乙
252 名前: ストップ!!名無しくん! [sage] 投稿日: 2006/10/01(日) 20:32:57 ID:CQJQZtYB
おおい、大変だぁ

訃報

コミックマーケット準備会代表・有限会社コミケット取締役社長 米澤嘉博 儀 肺癌のため
10月1日午前4時40分 逝去いたしました(享年53)ここに生前のご交誼を深謝し 謹んで
ご通知申し上げます
通夜および告別式は、米澤家、コミックマーケット準備会及び(有)コミケット合同葬を持って
下記のとおり執り行ないます

ttp://www.comiket.co.jp/info-c/C71/061001.html
253 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:42:58 ID:zPI2c2Tg
Flashだけは完成させたいのう
>226
>果たして、しのた編は終わるのだろうか?
たぶん(ry
>227
>攻めのハロを久しぶりに見たよ
そして毎日のようにたるとを獣姦し始めるハロ
>228-229
どうもッス。励まされるッス
>230
『我が家のたるとさん』
どう見てもエロ小説です 本当にありがとうございました
>230-(ろぼし)
結婚か・・・
そう言えば今回の話は自分が学生だった頃、似たような事があっ
いや思い出さない思い出さない
>243
いわゆるひとつのインフレ
>245
では舞おう
>249
じゅもんせつやく
>252
ここで生前のご交誼を深謝されても
254 名前: 79 Le souhait 由梨編5(1/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:44:02 ID:zPI2c2Tg
――妹だから。
義理とはいえ、『妹だから』という理由で何度由梨を拒んだことか。
拒んだということに否定はできない。
だが、拒む事もまた否定できない。
だから俺はそのせいでいつも悩んで、表面上は由梨に好意を持って接しているんだけれども、
それでも心の奥で由梨を受け入れる事がどうしてもできず、結局は中途半端になって、
そして同じ朝を迎える。

・・・俺は、いつも先のことを見ていた。周りを見ていた。それは当然の事だ。
由梨が俺に好意を抱いている事はわかっている。
けれど、由梨は一日一日を生きていて、しばしば二人の世界を楽しむ事で、『幸せな日々』を送っている。
いつもの朝で迎えられる。
本当に恋愛対象として付き合うつもりなら、少しは将来の事を考えるべきだ、なんて真面目な事は言わない。
言えない。
恋愛対象だと認めるのが怖いと思っているのもある。

恋愛には終わりがある。
兄妹に終わりは無い。
いつもの朝が来るのが途絶えないのと同じに。

そう、思っていた。

ハロ「ふあ・・・」
ユリ「もう、おにいちゃんったらまたあくびしてる」
朝食で使った食器を洗いながら、由梨が言う。
ハロ「仕方ないだろ」
テーブルカウンターに頬杖をつく。
ハロ「睡眠欲ってのは人間の三大欲求の一つなんだから。途絶える事は無いんだ」
由梨はてきぱきと食器を洗っている。
ハロ「今朝食摂ったろ?食欲を満たしたことで三つのうち二つが満たされたわけだからもう寝るしかないんだ」
ユリ「寝るしかない、って・・・今日学校だよ」
キュ、と蛇口をひねる音がした。
ユリ「・・・あれ?なんで二つも満たされてる事になるの?」
ハロ「皆まで言わすな」
由梨は無言でエプロンをたたんだ。
ハロ「まあ伊達に集めてないですよ」
俺の背後にまわり、頭を手のひらで打った。
ハロ「痛い」
ユリ「イタイのはおにいちゃんのほうだよ」
ハロ「イタくねぇよ!」
すかさず反論する。
ユリ「じゃあ抱っこして」
ハロ「話が繋がってないじゃないか」
といいつつも、満面の笑みを浮かべて両手を広げる由梨の姿を目の当たりにすると顔がにやけてくる。
ので平静を装う。
俺は立ち上がって、静かに由梨を抱きしめた。
いつからか朝の習慣になってしまった『これ』。
『これ』に何の意味があるのかは言葉でうまく言い表す事はできない。
由梨は抱き枕が無いとなかなか寝付けない性分だし、それもちょっとあるのかなと思う。
だが体を離した後の由梨は本当に嬉しそうで、推移する事も馬鹿げたものに思えてくる。
255 名前: 79 Le souhait 由梨編5(2/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:44:43 ID:zPI2c2Tg
いつもの道を行く。
俺たちの朝は早い。
由梨はいつもどおり俺にくっついて家を出てきたが、おそらくツンに会えば逃げて(?)しまうだろう。
ユリ「へへ・・・///」
ハロ「なんだよ、悪いものでも食べたか?」
ユリ「食べてるもの一緒でしょ?」
ハロ「じゃあ何だよその笑みは」
ユリ「別に。何でもいいじゃん」
そういえば、今日はツンの姿を見かけない。
まさか。
ハロ「ツンを買収したな?」
ユリ「え?」
ハロ「今日はツンが現れない。いつもはコート着てグラサン掛けてマスクして俺を待ってるのに」
ユリ「それ、たぶん秋奈先輩じゃないよ・・・っていうかそんなお金無いよ」
ハロ「まあいいか。おそらく風邪だろう」
ユリ「その片付け方も酷いね」
ハロ「いいんだよ。あの娘は(気の)強い娘だから大丈夫」
襟をめくってみるが、盗聴機は無い。
ユリ「おにいちゃん?」
ハロ「あ、いや、なんでもないんだ」
この前蕪雲に我が部活の技術の粋を結集して作った小型盗聴機を着けられていたからな。
ちなみに毒男やしのたも一枚絡んでいたらしい。
ま、まあ聞かれてもやましい事なんか無いんだけどな。
ハロ「はははははは!」
ユリ「はははははは!」
ハロ「何が可笑しい」
ユリ「え?だっておにいちゃんが笑ってるから」
ハロ「?」
ユリ「一緒に笑えば楽しいでしょ?」
天然過ぎる思考回路に悩まされる事もたびたび。
ハロ「まあ、そうだが。たぶん言葉の意味は違うぞ」
ユリ「ふうん?」
ハロ「ほら、一緒に楽しい事をして笑うとか、そういう事だろ?」
ユリ「でも、おにいちゃんが笑ってたら私も笑えるし」
ハロ「こんな朝から兄を口説くな」
ユリ「ごめんなさい」
しかも笑いの発端が唐突過ぎるだろうに。
ユリ「・・・」
ハロ「・・・」
しばらく沈黙が続く。
冷たく、澄んだ空気は秋の季節を感じさせる。
静かで、落ち葉を踏む音だけが響いている。
朝早く家を出るのは、単に学院で何かするためではない。この静けさが少し気に入ってるからだ。
ユリ「・・・ね」
ハロ「ん?」
由梨が口を開いた。
ユリ「おにいちゃんはさ、いつもこうやって秋奈先輩と学院に通ってたの?」
ハロ「うん、まあ」
ユリ「へえ・・・」
ハロ「何だよ?」
256 名前: 79 Le souhait 由梨編5(3/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:45:21 ID:zPI2c2Tg
ユリ「ちょっと、うらやましいな」
由梨は照れくさそうに言う。
ハロ「・・・もっと早く、一緒に通う機会があっても良かったのにな」
と言うと、由梨はくすくす笑って言った。
ユリ「それだと秋奈先輩が邪魔者みたいだよ?」
ハロ「でも、お前もそう思うだろ?」
ユリ「え?えーっと・・・///」
由梨は俯いて考え始めた。
ユリ「んー、ちょっとは・・・///」
ハロ「それだとツンが邪魔者みたいだろ」
ユリ「おにいちゃんが言わせようとしたんだよね今!?」
俺はそっぽを向いた。
ユリ「もー、バカ、バカ、おにいちゃんのバカ!私だけ感じ悪いじゃんか!」
ぽかぽか叩かれても全く痛くない。
ハロ「これがツンに知れたら大変だな。恋敵だし」
ユリ「別に誰も聞いてないからいいもん」
由梨は少々いじけてしまったようだ。
ユリ「あ、告げ口はしないでよね?」
ハロ「そんな小さい人間じゃありません」
だんだんと学院が近付いてきた。
ユリ「もうすぐ着くね」
ハロ「何年も通ってるんだから何の感慨も沸きやせん」
特に苦労して来たわけでもなし。
ハロ「もう抱っこしないぞ」
ユリ「あ、さっき頼めばよかった」
ハロ「家を出た時点でしないけど」
ユリ「むう」
ハロ「お前は本当に抱っこ好きだな」
ユリ「なんだかんだ言っておにいちゃんも抱っこしてくれるじゃん」
ハロ「ま、まあな。断る理由も無いし」
ユリ「だから好きだよ」
・・・何が?
ハロ「好きだということに理由は無いから深くは聞かないけどな」
なでなでから抱っこに発展した過程からその先にあるものは何なんでしょうと言う話です。
ユリ「あ、じゃあね、おにいちゃん」
駄弁っているうちに学院に到着した。
ハロ「ああ」
由梨は校内へと駆けて行った。
朝から元気ですなあ。
・・・俺が笑ってると自分も笑える、か。
俺も由梨が笑ってくれるのなら・・・って少々危ないけれども、けれどもそうなんだよな。
それだけなんだ。他に何も要らないほど単純な事なんだ。
って、自分に言い聞かせているんだけれども。

教室に入る。
ハロ「え?」
そこにはいつもどおり、蕪雲と、毒男と、そしてツンが居た。
ちなみに俺はこの三人を『早朝三人衆』と呼んでいる。
俺を含めれば四人に、更に智途を含めれば五人にもなる。
ハロ「あ、おはようございます」
257 名前: 79 Le souhait 由梨編5(4/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:46:01 ID:zPI2c2Tg
何故か敬語で挨拶する事を余儀無くされた。
ハロ「あ、そういえばツンはどうして今日あそこで待ってなかったんだ?」
机に鞄を置きながら言う。
毒「知れた事」
毒男が立ち上がった。
そして着席した。
ハロ「今なんで立っ」
ツン「私もそんなに鈍感じゃないって事」
ツンが口を開いた。
ツン「義妹なんでしょ?いいんじゃない?別に。私は邪魔者だから退散しただけ」
ま、まさか盗聴機が!?
袖口を確認するが、それらしきものは見つからない。
毒「ターゲットは盗聴機の有無を確認中と見える」
蕪「何か聞かれちゃまずい事でもあるのかお?あるのかお?」
二回も言うな。
ハロ「俺は潔白だ」
でも・・・。
でもツンに掛ける言葉が見つからない。
毒「いいんですよ別に白黒つけばいいんですよ。ただ!!」
ハロ「え?」
蕪「おまいが中途半端な態度をとってるって事はしのたから筒抜けだお」
しのため。メガネ取るぞ。
具体的にどの程度筒抜けなのか・・・由梨は聞かれたら答えそうな感じがして怖いな。
ツン「妹さんが好きならそういえばいいのに。何だかかわいそ」
可哀想、というのが少し癇に障った。
ハロ「そんな事無い。由梨はちゃんとわかってる」
俺が少々強い口調で返した事に、ツンはやや驚いたような表情を見せた。
ツン「そう?私はよくわからないからこれ以上何も言えないけど、もし本当に中途半端なら、って事」
蕪「なんかしのたの情報に食い違いが出たお」
毒「所詮メガネっ娘ですから」
全国のメガネっ娘ファンを敵に回したな。しかもメガネ関係無いし。
ツン「私があそこに居たら余計中途半端になるかなって思って、わざと空けておいたのよ」
ツンは伸びをしながら言った。
ハロ「・・・ありがとう、ツン」
ツン「い、いい?私は由梨ちゃんを困らせたくないからそうしたんであって、別にあんたのためにしたんじゃないんだから」
ハロ「ツンデレしながらでも嬉しいよ」
ツン「な、何よ!別にそんなの狙ってないんだから!あー、気なんか遣うんじゃなかった!」
蕪「恐るべき典型(;^ω^)」
毒「ある種の天然(;'A`)」

みんなが気付いていた事には少し驚いたけど、意外と協力的で安心した。
相手が義妹だという事、それ以前に相手が自分に好意を寄せている女性である事を察せと。
しかし『中途半端でなければそれでいい』と言う言葉が重くのしかかった。
弱いくせにクソ真面目な自分に嫌気がさした。

放課後。
俺は廊下を歩いていたしのたに何気なく話しかけた。
ハロ「しのた」
し「な、なんですか?」
しのたは一瞬ビクッとして応じた。
258 名前: 79 Le souhait 由梨編5(5/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:46:37 ID:zPI2c2Tg
し「でも、今日も由梨ちゃんが幸せそうなので安心しました」
ハロ「『今日も幸せそう』って・・・お前は草花の観察でもしてるのか」
し「そういう意味じゃないですよ。・・・」
しのたは、哀しそうな顔をして少し俯いた。
ハロ「?どういう意味なんだ?」
し「あっ、いえ、なんでもないんです。じゃあボクはこれで」
ハロ「あ、おい!」
しのたは俺と擦れ違って駆けて行ってしまった。
ハロ「何なんだ?」
もしかして俺、凄い睨んでたのか?別に責める気は無かったんだが。
首を傾げて考える。
チト「邪魔だ」
ハロ「あ、すまん」
智途、最近何だか冷たくなったよな。他のみんなは協力的なのに。
まあどうせ生理か何かだろう。

ユリ「あ、おにいちゃん」
昇降口では由梨が待っていた。
ハロ「いつもはお前のほうが早く帰ってるじゃないか。どうしたんだ?」
ユリ「え?うーん・・・」
これまでにもなにやら陰謀が見え隠れしていたし、今更聞くことも無い。
あっという間にみんな『用事がある』とか言って居なくなるわ、部活には一人も来ないわで、俺は暇になった。
なので仕方なく一人でとぼとぼ歩いてきたわけだ。
ハロ「ま、いいや。帰ろうか」
ユリ「あ、うん!」
俺たちは靴を履き替え、外に出た。

橙色に染まった世界を歩く。
まだ夕暮れだと思っていたが、もう日は落ち始めている。
俺はつい考え事をしてしまって、会話をしていなかった。
ユリ「ね、ねえおにいちゃん」
ハロ「ん?」
ユリ「あのね、私が来たときのこと、覚えてる?」
ハロ「中学校に入ったあたりだったかな」
ユリ「うん、それそれ!」
ハロ「あんないじけてた俺のことをおにいちゃんおにいちゃんって慕ってくれてたよな、最初から」
ユリ「うん。・・・あのね。どうして、私がおにいちゃんが欲しかったか知ってる?」
なにやら意味深なセリフだな。
ハロ「いや、知らない」
由梨は悲しげに言った。
ユリ「私の本当のおにいちゃんね、死んじゃったんだ。交通事故・・・だったと思う」
ハロ「え・・・」
ユリ「なんとなく、雰囲気が似てたの。遥おにいちゃんに・・・」
そうか、それで俺なんかの事を。
ユリ「私は遥おにいちゃんに会う前はずっと泣いてた。おにいちゃんのこと、大好きだったから」
由梨は顔を上げて言った。
ユリ「あ、でもね!その時はそうだったけど、でも今は面影を重ねて好きだってわけじゃないから!」
と必死に訴えた。
ハロ「ああ、わかってるよ」
ユリ「それでね・・・」
259 名前: 79 Le souhait 由梨編5(6/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:47:15 ID:zPI2c2Tg
由梨は昔の思い出を反芻していった。

俺たちの親は本当にばらばらに散っていってしまったんだなあと思わせられた。
今の状態を含めて、お互い最低三回は環境が変わったと言う。
親がそばに居ない今ほど、安定した時代が今までに無かったんだなと思うと、今が幸せだと思う。
俺と由梨は、ほとんど寄せ集めて作られた家族の中で暮らしているようなもので、正直兄妹と呼ぶのもつらい。
俺の母さんは父さんに内緒で俺に仕送りをくれる。内緒と言うか、まず父さんの所在を俺は知らない。
別な家庭で生まれた由梨は由梨の義母に養子として迎えられ、由梨が言う『おにいちゃん』は江川家の長男。
んで父さんは二股とかそんな感じだろうか。

やっぱり、ごちゃごちゃしててよくわからない。
ハロ「思えば、壮絶だよな。全然まともじゃない」
ユリ「でも私は気にしてないよ。私は今のままでも・・・」
ハロ「当たり前だ。これ以上まともな生活があるか。・・・俺たちって、随分深い縁があったんだな」
ユリ「そうだね。・・・運命かもね」
ハロ「はは・・・」
運命、ね。
ユリ「もうちょっとで家に着くね」
ハロ「ああ」
ユリ「帰ったら、抱っこしてくれる?」
ハロ「ああ。抱いてやる」
ユリ「・・・なんかニュアンスが違うよね」
ハロ「何!?お前がそんなフランス語知ってるとは思わなかったぞ」
ユリ「し、知ってるもんそのくらい!フランス語だって言うのは知らなかったけど・・・」
ハロ「大体、家はそんなやらしいことする所じゃないぞ?」
む、と由梨はこちらを睨む。
ユリ「抱っこをやらしいと思ってるの、おにいちゃんだけでしょ」
ハロ「だってふt」
言おうとしたが、由梨は先に玄関に向かって駆けて行った。
由梨は鞄から鍵を取り出し、鍵を開けてドアを開いた。するとまた駆け入っていった。
ハロ「おいおい、何そんなに急いでるんだ?」
俺も家の中に入り、玄関のドアを閉めた。
由梨は靴を脱いで俺のほうを向き、
ユリ「お帰り、おにいちゃん」
と言った。
ハロ「・・・アホか」
俺は失笑した。

やっぱり、これでいいんだ。
今日いろいろと話す機会が多かったけど、やっぱりこの状態、この生活が一番だ。
今更由梨が他の人を見つけて出て行くなんて事は考えられないけど、家族をまたばらばらにしたいなんて思わない筈だ。
いずれ、俺は由梨と結婚するかもしれないが、今の生活が変わるわけでもないだろう。
ならば、あせる事はない。
俺たちは夕食を終え、ソファーに腰掛けてテレビを見ている。
由梨は隣から俺にもたれかかっている。ちょっとバランスを取りづらいが心地は悪くない。
こんな時がずっと続けばいい、と思っていた。

二十二時。
俺はテレビを消した。
ハロ「さ、そろそろ部屋に戻るぞ、由梨」
260 名前: 79 Le souhait 由梨編5(7/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:48:00 ID:zPI2c2Tg
ハロ「由梨?」
由梨はすうすうと寝息を立てていた。
ハロ「しょうがないな・・・」
俺は電気を消した後、由梨を負って部屋に向かった。

俺は由梨を真っ暗な由梨の部屋のベッドに仰向けに寝かせた。
ユリ「んん・・・」
起こしてしまっただろうか?と、警戒する。
ユリ「おにいちゃん・・・」
由梨は体を起こし、俺の首に腕を回した。由梨の顔が眼前にある。
何だ、起きたのかと言おうとしたが、その仕草に遮られた。由梨は目を閉じ、キスを待っている。
俺の理性なんてものは本当に弱いんだな、と参ってしまう。
俺は静かに由梨に口付けをした。舌で舌を舐めあい、唾液を交換し合い、互いを愛し合った。
迷いは無かった。
口を離し、呼吸を乱し、恍惚とした表情で俺を見つめる由梨を、そのままベッドに押し倒した。
ユリ「あ・・・おにい・・・ちゃん・・・///」
俺は由梨のパジャマのボタンを外していき、その小さな胸に口をつけた。
ユリ「あっ・・・んん・・・///」
そして体を這うようにして手を下腹部まで持っていくと、パンツをズボン後と下ろした。
俺は上半身を起こし、痛いほどに勃起したそれを下着から開放した。
目は暗闇に慣れ、互いの姿を捉える。それ以外は何も見えなくても構わなかった。
ユリ「あ・・・///」
ハロ「じゃあ・・・」
それを濡れた口にあてがい、ゆっくりと奥まで挿入した。
ユリ「ん、あぅ、あ・・・く、はぁ、は・・・///」
俺の首に回していた腕が震える。
ハロ「大丈夫か?」
ユリ「ん・・・だいじょぶ・・・///」
それを聞き、俺は腰を動かし始めた。
ユリ「ん・・・ふぁあっ・・あ、お、おにいちゃ・・・!///」
由梨はシーツを握り締めて快感に堪え、悶えている。
静かで真っ暗な部屋の中に、淫靡な音と喘ぎ声だけが響く。
我を忘れて由梨と交わっているわけではない。これでいい。これがいい。俺の決心でもある。
由梨の中はきつく俺の竿を締め上げ、わななく。
襞にくすぐられ、俺もこれ以上動きを早めたら出てしまうまでに昂(たか)められていた。
ユリ「あっ、ああっ、お、おに、ちゃ、わたし・・・!///」
ハロ「くぁ、あ――」
由梨が先にイくと思っていたら、俺が先に射精してしまった。
ユリ「ぁああぁあ!おにいちゃ・・・ん!///」
由梨が俺をギュッと抱きしめてきた。
ハロ「あ、やば――」
どくどくと脈打ち、由梨の中に精液を吐き出してしまう。
ペニスは満足すると、その動きを止めた。
ハロ「はぁ、ご、ごめん・・・」
ユリ「ん・・・大丈夫なの、今日は」
ハロ「え・・・?」
ユリ「たぶん・・・」
由梨は微笑したが、俺はがっくりとうなだれた。
261 名前: 79 Le souhait 由梨編5(8/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:48:37 ID:zPI2c2Tg
適当に事後処理をした後、満足そうに眠る由梨を尻目に部屋を後にし、自分の部屋に入った。
ベッドに仰向けになり、ため息をつく。
ハロ「・・・」
何か、考える事があった。
頭の中がざわざわする。何か感じていた筈だ。
今日、何か不安なような怖いような感覚がどこかにあった。感じたのはいつだったろうか。
思考は猛烈な眠気に掻き消されていき、俺は眠りに落ちてしまった。

・・・。
ハロ「・・・朝か」
体を起こす。
ハロ「ああ」
あれで、寝てしまったのか。
俺は昨日、確か何かに気付いたんだ。
何か、何だ?わからない・・・。
時計に目をやる。
ハロ「・・・?」
こんな時間なのに、由梨が呼びに来ない。
まあ無理も無いだろう。昨日してしまったことだし。
俺は部屋を出て、先に朝食を作ってから由梨を呼びに行くことにした。

リビングまでやってくる。
そのままキッチンに向かい、引き出しを開ける。
引き出しには、俺のエプロンがある。
俺は違和感を感じた。
昨日も、一昨日もエプロンは由梨が使った筈だ。ならば、由梨のエプロンが俺のエプロンの上にあるのが普通だ。
だが引き出しの中を探せど、由梨のエプロンは無い。
それどころか、由梨のものは何も無い。
俺は胸騒ぎがして、階段を駆け上がり、由梨の部屋のドアをノックせずに開けた。
ハロ「――・・・」
そこに、由梨の姿は無かった。
整然とメイクされたベッド、机、大きなものだけ残っていて、後は何も無かった。
ハロ「由梨・・・?」
俺にはわけがわからなかった。頭をがりがり掻いた。
必死に昨日の事を思い出そうとした。確かに胸騒ぎを感じていた筈だ。だが何も思い当たらなかった。
俺は呆然とし、階段をふらふら降りた。
またリビングに戻ってきた。
ソファーに腰掛けた。
ハロ「・・・」
紙が、テーブルの上に合った手紙が目に入った。『おにいちゃんへ』とある。
俺はそれを開いて見た。

『おにいちゃんへ

 突然私がいなくなって、驚いていると思います。
 面と向かってこんな事言うのは、たぶんできないから、手紙にしました。
 江川家のひとの都合で、わたしはまた江川の家に戻る事になりました。
 ちょっと前から言われてたんだけど、おにいちゃんの悲しむ姿を見たくなくて、言えませんでした。
 こんな形でしかお別れできなくて、ごめんなさい。

 いままでありがとう。            おにいちゃん、大好き。さようなら。
                                                                            由梨』
262 名前: 79 Le souhait 由梨編5(9/9) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:49:09 ID:zPI2c2Tg
ハロ「・・・?」
何が何だか、さっぱりわからなくて、涙が溢れて、止まらなくて、全身が震えて、息ができなくて、視界が揺れて、
悲しくて、悔しくて、腹が立って、いろんな感情が、一気に込み上げて来て、どうしようもなくて、
ハロ「由梨・・・由梨、由梨・・・由梨ーーー!!」
ハロ「ふざけるな、ふざけるなああ!!うあああああああああああああっ!!!」
ハロ「何で、どうして、勝手に消えるんだ!?また俺を一人にするのか!!」
ハロ「これで、これでいいって、ようやくわかったのに!」
ハロ「俺が居て、由梨が居て、ここで暮らして、幸せだって、それで良かったのに!!」
ハロ「何だ!!お前はそういうやつだったのか!?騙された!!最悪だ!!畜生、ちくしょう!!」
テーブルを殴った手が痛みに包まれる。ヒビくらいは入ったかもしれない。
ハロ「はぁ、はぁ・・・」
言ってやれなかった。
最後に、ちゃんと『好き』って言ってやれなかった。
『好き』って言って、ギュッてしてやれなかった。
ハロ「くそ・・・」
終わらせない。終わらせてなるものか。たとえ寄せ集めで、二人だけの家族だったとは言え、俺にとって、
由梨は最愛の妹なんだ。決して終わらせはしない。何としてでも取り返す!
後がどうなろうと知った事じゃない。ただ、由梨と暮らすために!

制服に着替え、手紙を胸ポケットにしまった。

学院。
『俺が落胆した状態で学校に来るであろうと思っていた人々』は、俺の姿に驚いているようだった。
し「本当に、ごめんなさいっ!」
深々と頭を下げるしのた。
ハロ「今更咎めたところで何にもならない。由梨も隠しておいて欲しいと言っていたからな」
毒「叔父さんに頼んでなんとかしてもらおう。きっと何とかしてくれる」
ハロ「ありがとう、毒男」
毒「ただ、今一度確認しておくが、半端な気持ちじゃ叔父さんも力を貸してくれないぞ」
ハロ「半端な気持ちじゃない。前にも言った事だ」
ツン「ハロ・・・」
ツンの頭をぽんぽんと叩く。
蕪「じ、じつは漏れもしのたから聞いてたんだお」
ハロ「いいんだ。お前がそんなに誠実だったとは思わなかったぞ」
チト「すまん。姉さんに頼んでいたんだが、こうなったらもう・・・」
ハロ「大丈夫だ。気を遣ってもらってごめんな」
俺は必ず由梨との生活を取り戻す。
失う前からわかっていた、その大切さを、ありがたみを、かけがえの無さを、再び取り戻す。
ハロ「死ぬほど危険なところに行くわけじゃない。みんな、そんな辛気臭い顔するな」
皆が顔を見合わせた。
ハロ「じゃ、毒男、頼む」
毒「まあ、お前と由梨ちゃんの頼みなら仕方ないさ」

毒男の頼みを聞いてくれた渋沢さんは、現在の江川家の調査に協力してくれる事になった。
渋「世の中、正義が正しいとは限らんぞ?」
ハロ「じゃあ正義でなくてもいい。もともと俺には何も無い。ただ・・・」
渋「そうか。ならばもう何も聞くまい」
さらに車を走らせる。
渋「帰りの車は必要か?」
ハロ「いや・・・歩いて帰る」
263 名前: 79 質問40 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:50:07 ID:zPI2c2Tg
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「また上書き保存しちゃったよ」
ハロ「名前をつけて予め保存しなさい。ゲストはしのた」
し「今回いい役じゃなかったのに・・・」
(´・ω・)つ[]<つまり、NEW79氏の誕生ですね
つ[]<書くのが大変なら毎週じゃなくていいから、行かないで…
つ[]NEW79氏を楽しみにしています
79「・・・」
つ[]たると(狐ver)食べちゃって良いですか?
蕪「どうせ誰かさんの手がつけられてるお」
し「へー」
ハロ「何だその目は!?」
つ[]チト様かわいいよチト様
79「当初は人気無かったのに好評で何よりです」
つ[]毒男、攻撃表示!
毒「ちょっと由梨ちゃん取戻しに行って来る」
ハロ「待て俺が行く」
し「じゃあわたしも行く」
蕪「じゃ、漏れも」
毒&ハロ&し「どうぞどうぞどうぞ」
つ[]<しのたん攻略
79「_」
ハロ「こら!!!」
し「攻略なんてされませんよ」
蕪「どうせ、最終的にはハロのものになるんだお」
し「なりませんて」
つ[かたた[あたた[あたたたたけん]

 ひでぶ
264 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 02:51:31 ID:zPI2c2Tg
-由梨編-
さあさあエロゲーっぽくなってまいりました
たぶん『次回』で由梨編はフィナーレ。本当にありがとうございました

おそらく、しのたん編や理緒編とか覚醒編とか(せっちゃん編とか)は別途配布かも
265 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 06:30:23 ID:Zm1DgXEh
GJ!
…全米が泣いた。
266 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 08:31:41 ID:iibci6u/
GJ!!
エロゲっぽくなってまいりましたな、よい傾向
最近見たこういうシチュは明け瑠璃だろうか

ユリはツンの次に愛しているわけで
ハロならやってくれる

つ[]<79氏はその存在の最後の一滴まで原稿に注ぎ込むべき
267 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 09:07:54 ID:ljumV4GM
GJッス




[]<今79氏に呪いをかけました、呪いを解きたければ原稿をマイペースに書き続けるのです、さすればいつか救われます
268 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 13:08:37 ID:BmMWZ7Fz
君らはあまり79氏にプレッシャーをかけるでないw;
ここまで来たら慌てず騒がず押さない駆けない喋らない。

つ[]…で、79氏のバイブル的エロゲって何ですか?
269 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/02(月) 14:43:21 ID:4OO/6nSz
エロイムエッサイム!79氏GJでした!

由梨編は感動で終わりそうですね、それとも最後に一芝居…まさかな

つ[]全ての者に幸福を…
270 名前: 230 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 00:26:38 ID:RbrMa+H1
>>230って俺なんだが……まさかこんな話になるとは…………

つ[]<蕪雲、守備表示!!
271 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 09:03:30 ID:ILDadWIB
>>270
79神ならトラップカードを伏せてる可能性が……


必要なら使って下さい

つ[]<沼
つ[]<暗黒の儀式
つ[]<隠されし恐怖
272 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 16:34:33 ID:F2BZxXJp
>>271
それ禁止カードwwwww


やっぱこれかな
つ[]<睡蓮の花びら
つ[]<騙まし討ち
つ[]<セラのアバター
273 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 19:48:22 ID:ziS1YRI+
つ[]補充要員

墓地
[]蕪雲 攻:500 守:2000
[]蕪雲 攻:500 守:2000
[]蕪雲 攻:500 守:2000
274 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 22:47:59 ID:5jX4Dpow
投下しますよ
275 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 22:49:12 ID:5jX4Dpow
 日曜日、朝の十時にもなれば番組も特に面白いものもない。目新しいものもなく、取り
敢えずチャンネルを回し僕は珈琲を口に含んだ。三つ程変えたところで面白そうな特集が
目に停まり、そこで固定して珈琲をもう一口。全国の色物新商品を不味そうに食べている
アナウンサーを少し気の毒に思いながら手元にあるモナカをかじった。
 電子音。
 誰だろうと思いながらマグカップを置き、立ち上がる。最近は結構辛い性生活を送って
いるせいで、足腰がたまに重いときがある。昨日もかなり激しかったので朝から少し眠気
や疲労が溜っていて、正直少し面倒臭い。
 電子音。
 二度目のチャイムが鳴り、少し早足で歩く。
「はいはい、今出ますよ」
 我ながら年寄り臭い、たまにツルに指摘される部分だ。モナカやフガシが好きな部分は
まだ良いのだが、肉や脂物が苦手なことを真顔で心配されると本気でへこんでしまう。僕
は普通にしているつもりなのだが、やはり高校生でこれは不味いんだろうか。
 そんなことを考えながら玄関のドアを開くと、眩く日光を反射する金髪が目に入った。
「あ、おはよう」
「おはようございマス」
 センスが笑顔と共に挨拶をする。流暢だけれども一部のイントネーションがおかしいの
は、愛敬だろうか。特に気にもならず、寧ろ個性と言うのだろうかか、可愛く思えてくる
から不思議なものだ。服装もYシャツに黒のフレアスカートと素朴な彼女に似合ったもの
で、素朴で素直なセンスが着ると一種の様式美のように思えてくる。
 しかし朝から目の保養が出来たのは良いことだが、何故ここにセンスが居るんだろう。
ツルは今日、友達と遊びに出かけているから家に呼ぶ用事もなかった筈だ。寧ろセンスも
それの面子に入っていると思っていたので、わざわざここに訪ねてくる理由が分からない。
276 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 22:51:49 ID:5jX4Dpow
「まあ、とにかく上がれ。珈琲くらいは出すから」
 取り敢えず玄関先に立たせておくのも失礼だと思い、家に入れることにした。わざわざ
来てくれたのに一人で追い返してしまう程、僕は悪人じゃない。
「失礼しマス」
 何気無くセンスの足下を見ると、スニーカーだった。同年齢の僕が言うのもおかしい話
だけれど、この位の女の子はもう少しお洒落に気を付けるものだと思っていたが、センス
にはあまりそんな部分はないらしい。
「どうしたんデスか?」
「何でもない、それよりリビングで待ってろ。珈琲で良いよな?」
 不思議そうな表情でリビングに向かうセンスを見届けて、台所へ向かった。珈琲は先程
煎れたばかりだったので量も熱さも問題ない。アメリカ人向けの茶菓子は何にしようかと
思ったが、リビングに置いてあるモナカで良いだろうと結論し珈琲だけを持っていくこと
にした。ここで日本の文化を知ってもらうのも悪くない。
 リビングに入ると、センスが小首を傾げているのが目に入った。何をしているんだろう
と視線の先を辿ってみれば、モナカだった。多分珍しいのだろう、僕は特別外国の菓子類
に詳しい訳ではないからはっきりとは言えないが、これに似た食べ物はあまり存在しない
気がする。無邪気な疑問を顔に浮かべ、光沢のある表面を手指の先で突いたり撫でたり、
まるで幼い子供のように見える。大きい乳に反比例するようなその仕草に不思議な気持ち
に、思わず頬が緩んでしまう。
「はい、アメリカン」
 一度ネタとしてアメリカ人にアメリカン珈琲を出してみたかったのだが、冗談が通じな
かったらしい。笑われることもなく、普通に受け取られた。センスは一口飲むと美味そう
に顔を綻ばせ、こちらを見る。
277 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 22:52:37 ID:5jX4Dpow
「ありがとうございマス」
「そりゃどうも」
 センスの向かいに座り、視線を画面に向けた。ブラウン菅の向こうでは女子アナが仙台
産らしい笹カマキャンディと牛舌キャンディを眉間に皺を寄せ、しかし吐き出すことなく
舐めている。ポップな音楽とは裏腹なその表情を見て製作会社の意図を知りたくなった。
街起こしとして明らかにこれは間違っていると思うのだが、責任者は何を考えてGOサイン
を出したのだろう。
「あの、カメさん」
「ん?」
 視線を戻すと何かを窺うようなセンスの視線。
「これは、何でスカ?」
 モナカを指差して小首を傾げている。
「あぁ、それはモナカって言って日本の菓子だ。美味いぞ?」
「お菓子、デスか?」
 不思議そうな表情で一つを手に持った直後、絶叫が響いた。驚いて画面に目を向けると、
悲鳴の主らしい女子アナがモナカを片手に悶絶していた。テロップにはスキヤキモナカの
文字が踊っていて、傍らに立つMCの壮年のアナウンサーが『やっぱりな』という顔をして
背中をさすっていた。スキヤキとはあまり関係のない緑色の液体がモナカの中から垂れて
いたが、気にしないことにしてセンスを見た。
 数秒。
「食べ物デスよね?」
「あれは特殊な例だから、気にしなくて良い」
 僕の言葉を信じてくれたのか、苦笑を浮かべたままではあるが素直に口に運ぶ。独特の
皮が折れる軽い音をたて、よく噛んで、飲み込んだ。流石に吐くのは不味いと判断したの
か、女子アナもそれと同時に飲み込んだ。それぞれの顔には笑みがあるが、これ程に差が
ある笑みを同時に見る機会もそうそう無いだろう。
「不思議な味ですケド、美味しいデスね」
「そうだろう」
278 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 22:56:10 ID:5jX4Dpow
 今センスが食べている小倉アンのモナカは特に気に入っている一品で、それなのに周囲
に理解者が居なかった為、今の発言は嬉しかった。美味そうな表情で二つ目に手を付ける
センスを見て、こんな雰囲気も悪くないと感じる。
 しかし、先程からの疑問が消えた訳ではない。
「どうしてここに来たんだ?」
「ふぇ? あ、迷惑デシタか?」
「そうじゃなくてな、ツルは居ないぞ?」
「知ってマスよ?」
 僕は数秒理由を考え、結論した。
「この変態アメリカン!!」
「な、何でそんな答えになるんでスカぁッ!!」
 どうやら違ったらしい。最近は妙なことが連続して続いていたから、猜疑的というか、
少し過敏になっていたのかもしれない。改めて考えてみると確かに勘繰りすぎで、何故僕
もこんな結論に達したのかよく分からなかった。やはり、疲れているのだろうか。
「で、ツルに誘われなかったのか?」
「いえ、誘われたんですけど、用事があったので一回断ったんデス。それがなくなったん
デスけど、一回断った手前頼み辛くテ」
 偏見ではないがアメリカ人はもっと積極的だと思っていたので、正直驚いた。センスは
言葉遣いは丁寧だけれど別におとなしい訳ではないので、幾らでも遊びに行けそうなもの
だと思っていたが、国は違ってもやはり人間は人間らしい。心のそんな後ろめたい部分は
万国共通のようだ。
「でもなぁ、僕んとこはどうだろう」
「?」
 外に出かけて誰かに出くわしたらバツが悪いのは分かるけれど、だからと言ってここに
来るのはどうかと思う。まだこの街に不馴れだろうからあまり外に出られないというのも
分かるし、日頃の会話のお陰か警戒を解いてくれて気安い友人として訪ねてくるのも嬉し
いとは思う。
279 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 22:57:11 ID:5jX4Dpow
 それは良いのだが、無害だとは分かっていても、異性が一人で居るところに遊びに来る
のはどうなのだろうと思ってしまうのだ。アメリカでは普通のことなのかもしれないし、
僕の倫理感がそれこそツルに指摘されているように古いのかもしれない。
 これは、どう説明したら良いのだろうか。
「なぁセンス、お前はどう思う?」
 誤解は産みたくなかったので、主語のない妙な質問になった。案の定、センスは不思議
そうな表情を浮かべている。今日センスが来てから幾らも経っていないが、その短い間に
この表情はどれだけ浮かんだんだろう。
「男と女が二人きりになるような状況が」
「好きな展開デスよ? そして協力して最後はハッピーエンドが最高デス」
 驚いてセンスの顔を見ると、目線は画面に釘付けだ。映画の予告らしく、全米震撼の見
慣れた文字は、本物のアメリカ人にはどのように見えているんだろうと思った。訊いてみ
たかったが、しかし今はそんな場合ではない。
「この……天然娘!!」
「ひゃあ、何デスか!?」
 僕は仕方なくストレートに言うことにした。
「お嬢ちゃんよ。年頃の娘っこが男のところにノコノコと一人で遊びに来る、その意味が
分からない年でもあるめぇ。無修正と巨乳のお国だから、ガッツリ知ってるべ?」
 いかん、おどけて言ったつもりがこれでは変質者だ。下心はなかったし、寧ろその部分
を分かってもらう為にそれとなく注意をするつもりだったのに、これでは煩悩丸出し変態
野郎と罵られても反論が出来ない。
 数秒。
 僕が言ったことの意味を理解したのか、センスの顔は加速度的な勢いでもって赤くなり、
「ひあぁァーッ!!」
 絶叫した。
280 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 23:00:42 ID:5jX4Dpow
 アズサ先生の発言で付いた悪印象を直したのに、これで再び戻ってしまった。初めての
ときのようにセンスは勢い良く身を引き涙目で僕を見て、胸を両手で抱く。
 しかし、それがいけなかった。
「熱ッ」
 手から離れたカップが床に落ち、溢れた珈琲が足にかかる。それなりに時間が経ち珈琲
が幾らか冷めていたのは幸運だったが、それでもそれなりに熱かったらしく眉根を寄せて
苦悶の表情を浮かべていた。綺麗な白のハイソックスも黒い斑模様の染みが出来ていて、
酷い状況になっている。辛そうだが僕を警戒してか胸から手を離さずに、じっと耐えてい
る姿が何とも痛々しい。
 思わず身を載り出し、一歩踏み込むが、
「来ないで下さイ」
 拒絶された。しかし普段の僕ならともかく、今は簡単に引き下がる訳にはいかない。
「誤解だ、だからじっとしてろ」
 取り敢えず手近な布がなかったのでシャツを脱いだが、センスの表情がより険しいもの
へと変わった。今や篭っているものは恐怖や警戒よりも怒りに似たもので、視線はもはや
睨みというものへと変わっている。口から漏れているのは、聞き慣れたスラングの数々だ。
「来ないで下さイ!!」 鈍痛。
 先程よりも強い拒絶の意思と共に言葉が吐き出され、続いてマグカップが飛んできた。
額に強い痛みが走り思考が一瞬消し飛ぶが、これも自分の責任だと我慢する。僕が言葉を
もう少し選んで喋っていたらこうならなかったので仕方がない、純情で無垢なセンスは、
僕の言葉に素直に応えただけなのだ。
 だから拒絶も気にせずに、もう一歩踏み込んだ。
「あ、血が」
281 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 23:03:42 ID:5jX4Dpow
 どうやら額を切ってしまったらしい、垂れてきた血が目に入り、視界が僅かに赤く染ま
った。その赤い幕越し、センスは正気に戻ったらしく顔を青ざめさせていた。自分のせい
で僕に怪我をさせてしまったことが不安なのだろう、自分の痛みも気にせずに心配の表情
を僕に向けている。
 だが問題ない、僕は元々痛みには強い方だ。だから大丈夫だと言うように笑みを浮かべ、
もう一歩踏み込んだ。僅か三歩でセンスとの距離がなくなり、足を見る為にしゃがみ込む。
「あの、カメさん?」
「痛むか?」
 手指で靴下の黒い部分を軽くなぞると、センスは身を震わせた。
「信用できないならそのままの姿勢で良い。取り敢えず、脱がすぞ」
 一言断りを入れてから、靴下に手をかけた。そのまま刺激を与えないように、ゆっくり
と下ろしてゆく。これは傍目から見ると、どのように捕えられるのだろうか。上半身裸の
男が、ともすれば腕を組んで見下ろしているようにも見える少女の靴下を下げている。僕
が作業しやすいように足を組んでくれているせいで、背徳感はより一層増して見える。
「ふぁ」
 指が触れてしまったらしく、小さな悲鳴に似た声が漏れてきた。さっき下らない妄想を
してしまったせいで妙にいやらしく聞こえてしまい、不覚にも股間が反応しそうになった。
雑念を押し殺しながら両方脱がし終えると、肌が露になる。
「思ったより酷いな」
 長時間濡れていた訳ではなかったが、肌が弱いのか予想より熱かったのか。肌は奇妙な
模様を描きながら赤く染まり、それが白い部分を際立たせている。向こうの血筋のせいか
やけに白い肌が官能的で、吸い寄せられるような色気があった。
282 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 23:06:53 ID:5jX4Dpow
 視線を反らすように上を見てみれば潤んだ瞳でこちらを見ているセンスの顔がある。吐
く息は軽く乱れており、背中が粟立つような感情が走った。
 これは、不味い。
「あの、カメさん。そんなに見ないで下さイ。恥ずかしいデス」
「あ、ごめん」
 感情を押さえて声を出し、シャツで足を拭う。表面に残った珈琲が染みを作っていくの
を見て、これはもう着れないな、と苦笑した。
「はい、もう片方」
 押し殺しているせいか、時折聞こえる喘ぎ声のような僅かな声に煩悩が沸いてくる。特
に多くかかったらしい左の脚はそれが顕著で、ふくらはぎから足首をなぞると我慢が出来
なくなったのか身を震わせて大きく声を漏らした。
「はい、終わり」
 やっと終わった、と油断したのだろう。組んだ脚をほどき、軽く広げた股の間に薄桃色
の布地が見えた。今の異常なシチュエーションにセンスも少なからず興奮していたのか、
それとも刺激によるものか、クロッチ部分は湿り気を帯びて僅かに色が濃くなっていた。
必死に押さえ付けていた欲望が身を起こし、本能に忠実な股間が元気に膨らんでいく。
「……カメさん?」
 それ以上は言わなくても良い。立ち上がって距離を取ろうとするが、刺激によって見事
に遮られた。腰砕けになり座り込む僕に追い討ちをかけるように、センスは更に脚の先で
股間を突き、擦ってくる。
「これ、どうなってるんデスか?」
 声が持っているのは純粋な疑問の色、単なる好奇心でいじっているらしい。
「ビクビクしてマス」
 そりゃもうビクビクしますよ、男ですから。心も体もエラいことです。
「不思議デス」
「その不思議は保健の授業で習うから、今は」
283 名前: 『ツルとカメ』×6 [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 23:09:00 ID:5jX4Dpow
 センスが強くいじったせいで強烈な快感が襲ってきて、止めろ、とまでは言えなかった。
無邪気さは残酷さに等しい。多分センスはモナカをいじっているときと同じような感覚で
やっているのだろうが、僕は理性を保つのに必死だ。昨日の夜もツルとさんざんしたのに、
それを無視するかのように射精感が脳髄を襲ってくる。決壊寸前のダムがどのような状態
なのか、分かった気がした。
 不意に、刺激が途切れた。
「助かった」
 出したかった気持ちもあるが、それは後で幾らでも処理出来る。それよりも今は、純粋
に助かったことが嬉しかった。このまま行為が進んでいた場合、僕はどうなってしまって
いたのか分からない。
 しかしそれはぬか喜びだったらしい。
「失礼しマス」
 一言言うと、足の指でジッパーを下げてきた。ツルにもされたことはあるが、それでも
半ば合意のようなものなのである程度は平気だった。しかしセンスの相手となれば、話は
変わってくる。おいそれと簡単にしてしまって良いものではない。
 しかしセンスはお構いなしに、肉棒を擦ってきた。互いの肌同士が直接触れ合っている
だけでも大変なのに、更には多種多用な動きでもって僕を責めてくる。快楽地獄とは正に
このような状態のことを指して言うのだろう、このジレンマは確かに地獄だ。
「凄いデス、カメさん」
 擦られる。
「熱くて」
 踏まれ、
「堅くて」
 挟まれ、
「ぬるぬるしてテ」
 撫でられる。
 もしかしたら全て分かっていて、わざとやっているのではないかと思ったのだが、表情
を見れば違うのは分かった。好奇心に満ち溢れ、僕のものを楽しそうに見下ろしながら脚
を動かしている。下着が見えているにも関わらず行為を続けているその様は、童女と何も
変わりはない。悪意などのない、純粋な興味の塊がそこにあった。
「あれ? 何か膨らんで、ひゃあぁ」
 思わず、出してしまった。白濁した粘液がセンスの脚を汚し、そのまま指の先を伝って
床を汚した。テレビの声が響く中、僅かに聞こえる水音がいやらしさと共に先程の余韻を
伝えてきた。
「……大丈夫デスか?」
「……大丈夫」
 心配そうな表情でこちらを見てくるセンスに苦笑を返し、シャツで足を拭った。
 これはもう、本格的に着れそうにない。
284 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 23:10:13 ID:5jX4Dpow
今回はこれで終わりです

>>243
そんなに高く?

>>244
二重の誉め言葉とか、光栄の至り

>>247
お前は逆レイプの怖さを知らない

79氏
メチャ切ねぇ……GJ!!

タイトルは『ツルとカメ』なのに、今回もツルは出番無し!!
285 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/03(火) 23:22:41 ID:of1FqOpw
GJ!!

>「この……天然娘!!」以下
あぁ、何でコイツはこうなるんだろう、と半ば同情した

colorの続き書けたけどまた今度
286 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/04(水) 08:01:05 ID:tYY1niXg
センスかわいいよセンス
287 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/08(日) 12:44:51 ID:9ivJD7Fj
つ[]<蕪雲が半分消えます。縦に。
288 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/08(日) 14:58:47 ID:3vSyzGip
つ[]生きる目的を見失いました。ください
289 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/08(日) 23:24:49 ID:Pd6caNJ4
みんな病んでるなwwwww
290 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 00:54:13 ID:E+PS8CEq
っ[]ギャランドゥー
291 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 02:13:28 ID:M8fO1GLY
今週は79氏は投下しないのかな?
292 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 02:32:53 ID:DvJ00V/d
限……………界…………………
293 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 02:39:21 ID:H1oflRBA
イ`!明日も休みだから、自分は頑張る!
294 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:11:22 ID:3q78/3PC
ちょっと歌っていいですか
だから論理論理切なくて最後なのにエロくなく
字数に収まらないなら無理に書かない事にした
>265
書いてて泣いた。
>266
けよりなやった事無いwwww
>267
はデレツン
>268
心境としては
裏ウ「もうちょっと騒いでもらったほうが気分出るよ!」
ハロ「何。すべて愛情の裏返しさ」
の両方って感じ。
>269
芝居?まさか、そこまでひねくれては・・・って
もしかしてあまり信用無い?
>270-273
遊○王わかんないんです><
>274-(Ro-Bo氏)
うはーあめりかにも天然はおるんやなー!と一人で騒いだ午後。
でもやっぱり罵られながらのほうが好・・・うわ やめ
そしてGJ返し
295 名前: 79 Le souhait 由梨編5(10/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:12:48 ID:3q78/3PC
――はじめ。
由梨を失った事で心に開いた穴を埋めるように、
怒って、泣いて、暴れていた。
日常は壊れた。
正しく言えば、それは『奪われた』と言うべきか、それとも『元に戻った』と言うべきか。
少なくとも俺には、由梨と過ごした時間が短すぎて、それを判断する事はできない。
足りないんだ。
これで終わりになるような物語だとしたら、初めから俺にこんな夢を見せてくれるな。
もう一度、『おにいちゃん』って言って、抱っこさせてくれないのか。
由梨は本当にこれでよかったのか。俺は今、向かうべきなのか。これは運命なのか。
確かめなければならない。
『悲しむ姿を見たくない』なんて言って逃げるのはあまりにも卑怯だ。

俺は渋沢さんの運転する車の後部座席に座って考えを巡らせていた。
もちろん、今日は平日だ。授業もある。向かうのは俺一人だ。
渋「おい」
渋沢さんは車を停め、俺に声を掛けた。
顔を上げ、窓から外を見る。
・・・表札には『江川』とあった。
渋「降りろ」
渋々やって来たらしい渋沢さんは、やや投げやりな態度で言った。
俺が大人しく車から降りると、渋沢さんは俺を置いて去っていった。
ここの最寄の駅から二駅で『熾惺学院駅前』に着く。車で十五分ほどで、歩いて帰れない距離ではない。
表札にはまだ由梨の名は無い。
ここは、他人の家だ。
ハロ「・・・」
俺は意を決し、インターホンを押した。
家の中から音がする。
その音の中から由梨の声を探してみるが、ドアが開くまでにそれを捉えることはできなかった。
現れた中年の女性は、何も知らない顔でドアを開け、一歩外に出てきた。
女性「あの、何か」
ハロ「・・・はじめまして。江口、遥です」
女性は急いで背後のドアを閉め、表情を変えてこちらに向きかえった。
女性「由梨に何の用?」
この人はどうやら、由梨の養母のようだ。
ハロ「今朝――」
母「あなた全然わかってないのね」
激しい口調に、俺の言葉が掻き消された。
ハロ「何がです?」
母「あの子の気持ちが、よ。どういう神経してるわけ?どうしてここに来れるわけ?ねえ」
感情に任せて一気に話し始める。
母「あの子がどうしてあなたが寝てる間に出てきたかわかってるでしょ?それが・・・今来たら無意味じゃない」
知っている。
母「由梨がいくら悩んでこっちの家に戻るのを決めたかわかってるの?」
ハロ「じゃあ、あんた・・・あなたは、どうして由梨が戻る事を『悩んだ』のか知ってるんですね」
まるで俺が何も考えずに来たように思われている事に腹が立って、つい言い返してしまった。
母「知ってるわよ」
俺を睨んで言い返した。
母「あんまり認めたくないけど、由梨はあんたの事が気に入ってたみたいでね。今もぼーっとしてるよ」
気に入って『た』、ね。
296 名前: 79 Le souhait 由梨編5(11/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:13:37 ID:3q78/3PC
母「あんな男の、子なんかのどこがいいんだかね。まあそのうち忘れるでしょ」
ハロ「父さんは関係無い」
母「関係あるのよ。とにかく、あまりふざけた事しないで頂戴。由梨はうちの子なんですからね。元から」
ドン、と俺を手のひらで突っ返した。
ハロ「だからって、勝手に奪い返してもいいと思ってるのか!」
母「何、当然でしょ?とにかく、あんな主の居ない家にあなたみたいな子供と二人で住ませておけないのよ!」
ハロ「だったら何故俺の家に由梨を置いてけぼりにした?由梨は寂しかったって言ってたぞ!」
母「・・・」
由梨の養母は少し口を噤んだ。
母「それは申し訳なかったと思ってるわ。だから、今この家に戻してやる事も償いではなくて?」
ハロ「『戻してやる』・・・?」
金魚を水槽に移し変えるだけのような言い方をする。
まるでこちらに来る事も無かったくせに。何を知っているつもりなんだ。
母「とにかく、あなたが由梨を追ってきたところで無駄なのよ。後でお父さんが着たら追っ払ってやりますからね」
?「お母さん!」
と、玄関のドアが開き、中から幼j・・・女の子が現れた。
母「どうしたの?ちこ」
ちこ?聞いた事無いな。
ち「姉ちゃんが逃げた」
母「ええっ!?どうして止めなかったの!」
・・・姉ちゃん?姉ちゃんって、まさか。
ち「突然だったから」
母「ああもう!悪いけどあんた、もう二度と来ないでねって事でお引取り願える?今それどころでなくなったのよ」
そう言い、俺と目を合わせることも無く家の中に走っていく。
ハロ「由梨・・・」
母「あ、いい!?あんた余計な事しないでよね!」
わざわざ戻ってきて、そう釘を刺した。
由梨。
由梨の行きそうなところはどこだ?そう遠くへは行けない筈だ。
ち「ねえ」
取り残されたちこが、俺に話しかけてきた。
ハロ「何だよ」
ち「姉ちゃん、兄ちゃんの声聞いて逃げた。ってことはあなた姉ちゃんのもとかれとかじゃないんだよね。残念」
ハロ「・・・何が残念なんだ」
ち「そうだったら、ろまんちっく」
ハロ「はいはい。俺は今それどころじゃないんだ」
ち「なんで?あんた誰?」
しかし・・・全然思いつかない。この辺はあまり詳しくないからな・・・。
ち「だれ?」
落ち着け。落ち着・・・
ハロ「ここ、玄関だよな?」
ち「おまえの目はふしあなか」
ハロ「じゃあ、由梨はどうやってこの家を出たんだ?」
多少の口の悪さは無視する。
ち「窓。塀が高いから降りれるの」
よくも怪我せずに降りたものだ。
ハロ「行ってみるか。あ、お前は来るな」
下手に時間が経つと警察を呼ばれてしまう。由梨・・・。

下手に動けど道はわからず、携帯も・・・元から繋がらない。
時間だけが過ぎ、俺は駅の椅子にへたり込んだ。
297 名前: 79 Le souhait 由梨編5(12/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:14:27 ID:3q78/3PC
何、あがいてるんだろうな、俺は。
何が今まで一緒に暮らしてきた、だ。由梨が行きそうな場所の見当もつかない。
もしかしたら既に警察に通報されたかもな。
警察か、あるいは江川の人が先に由梨を見つけたならば、俺は家にも近付かせてもらえなくなるだろう。
何もわかってもらえないまま。話も聞いてくれなくなって。
時間が過ぎて、徐々に記憶から由梨が失われていって、声も思い出せなくなって、
他人になる。
嫌だ。そんなのは嫌だ。何か・・・何か無いか。
ハロ「・・・ん?」
由梨の行きそうなところはわからない。
『ここでは』の話だ。もしかしたら、熾惺学院方面に電車で向かったのかもしれない。
携帯を見る。
片田舎だと電車は少ない。ここに戻ってくるのに一時間半・・・二時間はかかるかもしれない。
――電車で擦れ違ったら終わりだ。時間的にも厳しい。賭けになるだろう。
だが、ここに居ても仕方が無い。
見慣れない時刻表を見ると、もうすぐ熾惺学院方面に向かう電車が来る。
ハロ「・・・」
俺は焦燥に駆られ、切符を買った。

熾惺学院駅前。
見覚えのある風景が、俺の前に広がった。
電車の中で何度も後悔した。俺は由梨と二人で戻って来る事にしたのに、俺は一人だった。
ハロ「いや」
落ち込んでいる場合じゃない。
ハロ「由梨を捜そう」

まず俺は、走って自分の家まで戻ってきた。
ハロ「はぁ、はぁ・・・!」
あ、あれは・・・ツン、たちじゃないか!?
ツン「ハロ!」
ハロ「はぁ、はぁ、な、なんでみんな、ここに?」
毒「うっせえ!わかりきった事聞くんじゃねえ!手ぶらで帰ってきやがって!」
蕪「どうどう(;^ω^)」
由梨は・・・戻ってないらしい。
ハロ「由梨が・・・俺が駆けつけたのを知った途端に、どこかへ失踪してしまった」
ツン&し「ええっ!?」
チト「し、失踪した?」
ハロ「ああ・・・すまん」
毒「失踪したってどういうことじゃあ!どこに行ったんだ吐けゴルァ!」
蕪「わからないから失踪って言うんジャマイカ」
チト「しかし、わたしたちはここに来るまでに見かけなかったぞ」
ハロ「ああ。・・・頼む。みんなで由梨を捜してやってくれないか」
ツン「う、うん!ってあんた、大丈夫?」
ハロ「お、俺の事はいいから・・・」
くそ、ちょっと飛ばしすぎたか。
ツン「じゃあ、通学路もっかい見て来る!」
チト「しのた、心当たりのある場所を教えてくれ」
し「はいっ!」
毒「最早てめーに任せてられんわ!あの根性どうしたコラァ!」
息を切らして家の壁にもたれる俺に檄を飛ばす毒男。
298 名前: 79 Le souhait 由梨編5(13/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:15:17 ID:3q78/3PC
ハロ「根性・・・」
毒「帰ってきたと思ったら由梨ちゃんは居ないわ死んだアリゲータ=ーガーみたいな顔してくるわ何だお前!」
蕪「アリゲーター=ガーって何だお」
毒「魚だ!」
ハロ「・・・由梨は俺が取り返す!」
まっすぐ、毒男を見て言った。
毒「・・・」
毒男は数歩歩み出て、
毒「最初からそう言えバカ」
といいながら俺の肩をぽんぽんと叩き、そのまま俺と擦れ違った。
蕪「どこ行くお?」
毒「駅の辺りにでも行こうや」
蕪雲も、毒男の後についていった。
ハロ「毒男・・・ありがとう」
毒男に、情熱を分けてもらったような気がした。
毒男は何故かムーンウォークでこちらに戻ってきた。そして俺の前に留まって言った。
毒「今なんて言ったのか大きな声で」
ハロ「ごめん取り消す」
蕪「台無しだお(;^ω^)」

家にじっとしているわけにはいかない。
俺は、俺と由梨しかわからないような場所が無いか考え始めた。
・・・昨日、由梨が突然昔のことを語り始めた時点で、本当は少しでも怪しむべきだった。
俺がその事に気付いていれば、由梨も本当に黙って出て行ってしまう事は無かったかもしれなかった。
思い出すたびに後悔は募る。
思い出せ。由梨を見つけ出すヒントがあるんだったら後悔してでも。
由梨は俺のしたことを何でもよく覚えてくれていた。
俺が単に忘れっぽいとかじゃなくて、いつも、俺を見ていた。俺はそれに気付かなかった。
由梨の好意に気付いていながらも、それは駄目だと心の中で抑制したり、色々悩んだりもした。
ただ、由梨が『居てくれたほうが居心地がいい』ぐらいにしか感じてなくて、義理では会っても『妹』で、
恋愛対象にさえせず、特にどうする事もできず、・・・。後悔ばっかりだ。
そして今、一番大きな後悔をしている。
由梨の行く場所。
由梨の帰る場所。
由梨のたどり着く場所。
ハロ「ん・・・」
わかったかもしれない。
俺が覚えてるぐらいだから、絶対に由梨も覚えていてくれるだろう。

チト「しのた?」
しのたは急に立ち止まった。
私は不思議に思い、俯いているしのたに近付いた。
し「う・・・ひっく」
チト「おいおい、泣くな。泣いても始まらないだろう」
し「だ、だって、思い出すと後悔して・・・ぼ、ボク、本当に先輩に黙ってて良かったのかなぁって・・・!」
チト「・・・」
私にもわかる。
ハロは、相当無理をして行動している。
大切な人が朝起きたら蒸発してしまっていて、それでも学校に来て気丈な態度を取って見せていた。
だからこそ、ハロが学校に来てあんな事を言い出したのには本当に驚かされたんだ。
299 名前: 79 Le souhait 由梨編5(14/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:15:53 ID:3q78/3PC
予想外な事にその本人が失踪、いまだ見つからずと言う有様だ。
チト「しのた。泣くのはよせ」
しのたは涙を拭った。が、涙はおさまりそうに無い。
チト「いいか。今一番泣きたいのは、つらいのは誰だと思う?ハロはな、いろんな逆境はあってもちゃんと一つの
 目標に向かって動いている。ハロの由梨への想いだけがあいつを突き動かしているんだ」
今、由梨を失うなんてことになったら。
チト「あいつは強くない。学校で見せた強がりも風前の灯に近い。あいつは・・・ぼろぼろなんだ」
し「はい・・・わかりました」
しのたは何度か涙を拭った。
し「みんな、同じなんですよね。ボクだけ泣いてちゃ駄目ですよね」
チト「そうだな。お前だけ泣くのはズルい」
しのたは微笑した。

ツン「あ」
毒「お帰り」
駅には毒男が居た。
ツン「あんた、ここで何してるのよ?あんなに情熱的だったくせに」
毒「闇雲に動いてちゃ埒が明かんのでね。よっと」
毒男は椅子から立ち上がった。
毒「蕪雲は江川さんちのある方面の駅に居る。それなら由梨ちゃんが来てもバッチ保護できるってわけよ」
ツン「ふぅん。考えたわね」
毒「ま、見つからんなら意味無いがな。あ、そうそう。向こうのご家族、警察に通報したらしい」
ツン「ええっ!?」
毒「まあまあ、騒ぎなさんな。どうせ人っ子一人のためにはすぐ動くまい。もうすぐ十七時だしね」
駅の時計を見ると、十六時半だった。
毒「俺も走り回りたくなってくるよ。本当」
ツン「じゃあ、代わる?」
試しに言ってみた。
毒「・・・」
ツン「・・・」
毒「行こうかな、マジで」

ハロ「はぁ、はぁ・・・!」
駄目だ。息切らしちゃ駄目だ。こんなの苦しくない。
ハロ「はぁ、は・・・!」
夕日だ。駄目だ。立ち止まるな。もうすぐだ。見えてきたんだ。くそ、遠い。いつも歩いて通ってたのに。
中学校。
由梨と出会った校門。
あの憎たらしい父さんが連れてきた、俺の大切な妹。
駄目だ。地面を見ちゃ。立ち止まっちゃ!くそ・・・!
お姉さんの声「あ、あのー、大丈夫ですか?」
俺は息を切らしながら二、三回頷いた。
声「良かったら私の自転車、使います?」
いいんですか、という遠慮もしている余裕が無かった。
ハロ「か、貸してくださ・・・」
声「あ、どうぞ・・・」
俺は向けられた自転車のハンドルを握り、深く礼をした。
声「いえ、お構いなく」
やや乱暴に自転車の向きを換え、最後の力を振り絞り、漕ぎ出す。
声「じゃ、頑張ってね・・・ハロ君」
300 名前: 79 Le souhait 由梨編5(15/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:16:58 ID:3q78/3PC
中学校に向かう、最後の上り坂を立ち漕ぎする。
そういえば、今日は平日なのに下校する生徒が一人も居ないのはどういうこっちゃ?
ハロ「ぐ・・・ぐぐ」
俺の足は痙攣し、校門の前まで来て体は自転車と一緒に倒れた。
ハロ「(痛っ・・・!)」
ずりずりと自転車から足を引き抜く。自転車の車輪は音を立てずに静かに回り、夕日を反射して輝いていた。
ハロ「はぁ・・・!」
由梨・・・まさか、居ないのか?
顔を上げる。
三メートルくらい前の木の影に人影がある。
息を整えながら、注意深く観察。ってもうこんだけ近いんだからわかってるんだけど。
ハロ「その・・・中途半端な・・・モノテールが出てる」
人影は、手でささっと中途半端に結った髪を手で押さえた。
ハロ「いい加減出て来いよ・・・隠れるには、近すぎるぞ・・・」
この天然め。
俺はふらりと立ち上がり、土ぼこりを払って言ってやった。
ハロ「由梨」
由梨は、木の陰からそっと顔を出した。
ユリ「おにい・・・ちゃん・・・?」
目は、少し涙で滲んでいるようだった。
ハロ「悪いな。大急ぎだったんだが、ちょい遅れた」
ユリ「どうして・・・どうして来ちゃったの!?」
ハロ「はぁ!?そりゃお前・・・」
家の人が心配してるから。
警察も動き出して、大変だったんだぞ。みんなも捜したんだ。全く、心配かけさせやがって。さ、行くか。
――どこに?
俺は何を言おうとしてる?ここまで何のために来たんだ。
ハロ「えー、こほん」
散々わざとらしいと突っ込んできた動作が出てしまうとはな。あー、頭の中にセリフはあるんだが言う勇気が。
由梨も凄い怪訝そうな顔で見てるし・・・。
ハロ「簡単に言うとだな。あー、『好きだ』と言いに来たんだ」
ユリ「え?」
ハロ「いや、だから『好き』って」
ユリ「何?」
ハロ「・・・三度目は言わんぞ」
ユリ「ざんねん」
由梨は、ひょいと木の陰から出てきた。
ハロ「あのなあ、人がラヴ・ロマンシングパーティー開催してる時にボケは要らんのだよ君」
ユリ「ありがとう、おにいちゃん。私・・・嬉しい」
ほろほろと嬉し涙が零れ落ちていく。
ハロ「ああ。ごめんな。俺、何も気付いてやれてなかった。気付いてたのに、何もしようとしなかった・・・」
無理矢理追いつく。
ユリ「ごめんなのは私のほう。勝手に出て行っちゃったりして・・・もう二度と出て行くなんて言わないから」
ハロ「ああ。これだよな」
俺は胸ポケットから由梨の書置きを取り出した。
ユリ「あっ!それわっ!返して!」
光の速さで由梨に奪い取られる。そして、それをビリビリと破り捨ててしまった。
ユリ「こ、こんなのいらないもん!嘘だもんこんなの!」
ハロ「あー・・・記念にとっておきたかったのに」
ユリ「何でよ!おにいちゃんのバカ!」
301 名前: 79 Le souhait 由梨編5(16/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:17:51 ID:3q78/3PC
日はすっかり暮れてしまった。
正直、夜の学校は怖いので後ろは振り返らない事にする。
ハロ「みんなに連絡とって帰ろう」
ユリ「へへ・・・」
ハロ「何だよ」
ユリ「私ね、嬉しかった。おにいちゃんがここに気付いてくれて」
ハロ「あ、ああ。まあ賭けではあったけどな」
ユリ「・・・おうち、帰るの?」
ハロ「だな」
ユリ「どっちの?」
ハロ「俺は、由梨に戻って欲しい。けどやっぱり俺じゃ、あの家の人たちに何言っても無駄だった」
ユリ「私が言わなきゃいけない、よね」
俺はツンの携帯に電話を掛けた。
ガチャ←0.18秒
ツン「あんた今どこで何してるのよ!?」
ハロ「け、携帯を耳に鼓膜破裂・・・至急治療されたし。もう何だよ。いい雰囲気だったのに」
ツン「え?あんたまさk毒「見つかったのか!?」
ツン「私が話してる途中nし「本当ですか!?由梨ちゃん聞こえてますか!?」
ツン「私の携た蕪「智途様愛してるおー(ドガッ)チト「もしもしハロか?今どこだ?」
ハロ「ごめん話す隙が無い」
ユリ「あははー、いつもどおりだね」
由梨はそう言った後、涙を拭うような動作を見せた。
ハロ「えー、ほら、ツン、俺ら通ってた中学校。あそこ」
ツン「はぁ!?あんた、凄い遠くまで行ったのね」
ハロ「そりゃこいつに言ってくれ」
携帯を由梨に向ける。
ユリ「みんなー本当にごめんなさいー」
ツン「よかっt毒「うおおおおおおおおおお!!し「ゆ、由梨ちゃん!」う学校ね蕪「駅員さんが睨んでる件」ってて!」
ツンの声が掻き消されまくってるまま通話終了。
ハロ「・・・さ、帰るか」
ユリ「あ、だったらその自転車に乗っけてほしいな」
由梨が指差す先には、先ほど親切な方から借りた自転車が。
ユリ「あれ、盗んだの?」
ハロ「(半分そうだが)んなわけないだろ。借りたんだよ。さっさと後ろに乗れ」
ユリ「わぁい・・・」

長い畦道を走る。
背中に由梨を感じながら、すっかり冷えた秋の空気を切って進んで行く。
ハロ「あー、疲れた。もうこんな事は勘弁だぜ」
ユリ「あ、見ておにいちゃん」
ハロ「ん?・・・いやお前が後ろに居るわけだから見えるように指差してもらわないと」
それも無理な話だが。
ユリ「あ、消えちゃった」
ハロ「流れ星か?」
ユリ「うん」
ハロ「願い事はしたか?」
ユリ「ううん。いいの」
ハロ「なんで?」
ユリ「もう、叶ったから」
ハロ「・・・。ちょっとお聞きしますけど、いつからお考えになられてたセリフですか?」
ユリ「もう、空気読めないなあ」
302 名前: 79 Le souhait 由梨編5(17/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:18:48 ID:3q78/3PC
ハロ「やっと着いた・・・もうガタガタだよ」
ユリ「ありがと、おにいちゃん」
俺の家の前に、既に皆さんがおそろいでした。
ツン「ハ、ハロ!」
ハロ「おいおい今日はこのお姫様を祝ってやらなきゃ」
ツン「あ、そ、そうね。私ったら何・・・///」
って、もうその必要は無いか。
し「由梨ちゃん!」
ユリ「ごめんねしのたん。心配かけて」
し「いいいいんですよボクなんか全然お役にも立てませんでしたし」
涙ながらに抱き合うしのたん。
チト「で、お前は何でそんなに遠いんだ」
毒「(ギクッ)いや、だって、ここって俺の場所じゃないっスか」
蕪「・・・。由梨たん由梨たん」
ユリ「え?」
蕪「今回、ハロの次に捜査に全力を尽くしたのは毒男なんだお」
チト「フフ。それを言うならハロよりも全力だったかもな?」
毒「いやああああ!光当てないで!光当てないで!」
何だコイツ。
ユリ「えと、毒男先輩。ありがとうございます」
深々と頭を下げる由梨の前に立たされた毒男。硬直。
毒「・・・こ、これからもごひいきに」
何だコイツ。(2回目)
バタン(SE:ドア)
近くに止めてあった車から、人が降りてきた。
ユリ「あ・・・」
由梨の両親と、ちこちゃんだった。
父「いや、あのね。ちょっと感動しちゃったのだよ」
ハロ「はい?」
『追い払ってもらう』とか言われて出てくるくらいなんだから、怖い人かと思ってた。
ち「おねーちゃん、いいなー。ちこもそんな恋したい」
ユリ「ふふ。駄目」
何故禁止する。・・・っと。
母「・・・」
父「ほら、機嫌直さないか。へそ曲がりだなあ」
母「ゆ、由梨は、いい友達を持ったなあと思いました」
ユリ「お母さん・・・」
母「江口さん」
ハロ「はい」
母「もう少しの間、由梨はあなたに預けておきます」
ハロ&由梨「!」
由梨の養母は、そういい残しさっさと車に戻って行ってしまった。
父「やれやれ。じゃ、江口さん、わたしはこれで。由梨を頼みましたよ」
ち「じゃーねー。またあそびにきてねー」
ハロ「ああ、うん」
家族は怒涛のように去って行った。
ユリ「忙しい人たちだね」
全員「お前の家族だよ!!」
ユリ「あっ、ごめ・・・って全員で言う事無いじゃん!もう!」
ハロ「はははははは・・・ごめんごめん。さ、中に入ろう。ここは寒い」
ツン「そうね。みんな、パーティーの準備はいい?」
チト「ああ。なんだっけ、パーティー名があったよな」
ハロ「俺に内緒でそんなの計画してたのか」
毒「その名も『ラヴ・ロマンシングパーティー』。ちなみに俺の案」
ハロ「え」
303 名前: 79 Le souhait 由梨編5(18/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:19:24 ID:3q78/3PC

――五年後。

ユリ「えへへー」
ハロ「何だよ。って何回同じ突っ込みさせるんだよお前は」
ユリ「だってさ、結婚したんだよ?なんて呼び合うか決めなきゃ」
住まいは相変わらず一緒である。
ハロ「うーん、『妻』『夫』でいいんじゃないか?」
ユリ「嫌だよ」
ハロ「うーん・・・」
ユリ「ふふ。でもなんだかこーしてるの幸せ」
ソファーの俺の右横に座る。
ハロ「まあ生活自体はいつもと変わらないんだけどな。あ、そうだ。そんな呼び名決めるよりさ」
ユリ「?」
ハロ「赤ちゃんの呼び名決めようぜ」
と言って由梨を押し倒す。
ユリ「きあー♪」
ハロ「・・・ちったあ嫌がれよ」
ユリ「だって・・・///もういいじゃん。しよ?」

ハロ「・・・っ!」
ユリ「ひあっ!ぁ、ゃぁぁ・・・もう、入んないよぉ・・・///」
由梨の膣から精液がこぼれ出る。
ユリ「これ以上、したら、赤ちゃんできちゃうよぉ///」
ハロ「もう手遅れかと・・・」
ユリ「ぁ・・・おにいちゃんの・・・///」
ハロ「こら。んー・・・でも俺は『おにいちゃん』って響きが好きかな」
ユリ「わらひも呼ぶの好きぃ・・・///」
呂律が回ってないな。
ハロ「可愛いのでもう一回」
ユリ「や、ひゃあっ!///も、駄目だって、ばぁっ!///あ、あぅぅ・・・///」
ハロ「ゆ、由梨、好きだ!っていうと気持ちいいかも」
なんてごまかしてみる。
ユリ「ゆ、ゆりすきだぁ?」
ハロ「いや、お前だよ」
ユリ「そか・・・じゃ、おにいちゃん、好きぃ・・・ぁ、また・・・///」
ハロ「由梨は早漏だなぁ」
ユリ「は、恥ずかしいこと、いゎないで・・・あ、ぁあ、あああああっ!///」
ハロ「俺を置いてイくな!」

――今でも、時々。
この自転車が誰のものだったのだろうかと思う。
あの頃と今とではだいぶ変わってしまった。たった五年の歳月をつい『あの頃』と呼んでしまうほどに。
長岡姉妹も、あの時本当は由梨の事が好きだった毒男も、そして渋沢さんも、あの後に引っ越してしまった。
しのたは大学院で研究をしているらしい。昔は智途のため、と言っていたが俺にはよくわからなかった。
ツンや蕪雲は、今もここに遊びに来る。ツンはまっとうだが、蕪雲はサークルでよからぬ動きをしているらしい。
俺は母さんが亡くなった今、まっとうな人生を歩んでいる。まあ時代の最先端あいてー企業だ。
ハロ「俺たちの家族は、ばらばらになんかさせないからな」
ユリ「ふふ、誰に言ってるの?」
ハロ「うーん・・・。ろくでもない運命に。かな?」

                                            -Le souhait-
304 名前: 79 質問41 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:20:32 ID:3q78/3PC
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「THE G○D ○F DEATHはデモが凄いなー。まぁ舞たんしか眼中に無いけど」
ハロ「頼むから。ゲストは由梨」
ユリ「なんか、ここだけはいつもどおりなんだね・・・」
(´・ω・)つ[]<79氏はその存在の最後の一滴まで原稿に注ぎ込むべき
79「生きている事にお金がかからないならそうする。今更君らを置いて行きたくないし」
ハロ「・・・えらく真面目なコメントだな」
ユリ「改心したんだよ」
つ[]<今79氏に呪いをかけました
79「こうしてまたひとつ大きく成長していくのであった」
蕪「見直した傍から(;^ω^)」
ユリ「変なの。おにいちゃんみたい」
ハロ「それどういう意m」
つ[]<…で、79氏のバイブル的エロゲって何ですか?
79「もちろん魔法とHの・・・いや待てよever1・・・いや魔界戦記・・・」
ハロ「ええい歯痒い!」
蕪「しかも最後のはエロゲじゃない件」
79「まずエロ重視エロゲとストーリー重視エロゲとでわけて話さないといけないな」
ハロ「どうせプライオリティタイプは足コキ>幼女>獣耳>・・・なんだろ?」
ユリ「やっぱりおにいちゃんみたい」
ハロ「いや違うんだこれは。って言うかなんで俺だけこんな」
蕪「お前にはがっかりだお」
つ[]<全ての者に幸福を…
79「だが、このままでは誰か死ぬ!」
つ[]<蕪雲、守備表示!!
蕪「保守じゃないのかお?」
つ[][][][][][][][][][]<沼〜蕪雲 攻:500 守:2000
(スタッフがおいしくいただきました)
つ[]<蕪雲が半分消えます。縦に。
蕪「・・・(;^u 」
ハロ「果てしなくキモスwwww」
ユリ「だいじょうぶ?バランス取れる?」
つ[]<生きる目的を見失いました。ください
79「ならば今一度、野心と言う名の灯火を己が心に灯すがいい」
ハロ「偉そうだな」

ユリ「ところでさ、もう私の話は終わりなんでしょ?」
ハロ「らしいな」
ユリ「じゃあもう抱っこしてくれたり、その、・・・してくれたりとかしないの?」
ハロ「え?あ、まあ読者が見れないだけであって、普通にできると思うぞ」
ユリ「えっ?できるんだ!やったー!」
ハロ「おっと。まったく。すぐ抱きつく」
ユリ「えへへー。・・・でも、なんかひっかかるような・・・」
79「(と、いうことはつまりいままでのエチシーンも見られていたと言うわけです)」
蕪「陰ながら把握」
つ[]<ギャランドゥー
79「・・・病んでるな」
305 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:21:17 ID:3q78/3PC
ENDは皆グッドエンド#1にするつもり
(普通はハッピーエンドって言うべきなのにこっちの言葉のほうが先に浮かんだorz)

とは言えバッドエンドもあってもいいと思うんだけどなぁ
智途編なんて心からハッピーなラストなんてひとつも無い(予定)だし
さて、あまり終わる終わると言わない事にしよう

っていうか御嬢もウィッシュも出番ねぇ
306 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 03:51:52 ID:M8fO1GLY
>>79
FJ!!ゆりたんが幸せになれて良かったよ

つ[]しのたにも愛を(ry
307 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/10/09(月) 08:22:29 ID:2iCsDUo/
79氏
禿上がる程にGJ!
やばい、感動した。替え歌にも感動したが、なによりも話に感動した。
グッドエンドなのにさみしげなとこがエロゲっぽいよお兄ちゃんっ…
308 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 10:29:17 ID:mrW+ZtWl
由梨たん可愛いwwwwwwGJwwwwww
ところで>>271-272は遊戯王じゃなくてギャザリングです><

つ[]ベホイミ
309 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 11:33:15 ID:gdzxYM13
感動しました



つ[]蕪雲×毒男GOD ENDマダー?

310 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 22:46:56 ID:6gQrRis9
>>305
燃え上がるほどGJ!!
毒男の想いに決着がついて良かった良かった。

[]<毒男をアンタップします。

追記。
>>ロボ氏
>仙台
>産らしい笹カマキャンディと牛舌キャンディ
んなモンあってたまるか。仙台ナメんな。
それ以前にアレはキャンディにして成立する味じゃない。
ずんだならギリでアリだけど。
311 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 23:34:51 ID:Aml0EnRn
つ[]<「由梨編は終わったのか…。残念だ…。」って銀髪の方が。
312 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/10(火) 01:13:59 ID:HcIqCzlz
79氏、吐き気がするほどロマンチックな
あなたには毎回感動されっぱなしです!
今回の作品も超GJでありました!敬礼ゞ



[]<天井裏から愛を込めて
313 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/10(火) 17:22:57 ID:YD63XoJj
萌えカスぐらいのGJ!
これでユリとのニャンニャンは読めなくなっちゃうのかな……
そうだ!これを79神に使わせれば……!



つ[]<愛人召喚符(***)←***にはお好きなキャラをどうぞ
314 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/10/10(火) 23:49:13 ID:wl/TonOd
涙そうそうのノベライズ読んだけど最後まで脳内イメージがユリのままでした。
もう映画なんて見に行けない。
ユリに重ねるとそれだけで泣ける名作にはや代わり。
315 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 00:29:02 ID:kHDGEgl2
314のせいで涙そうそうが読みたくなった
316 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 01:10:55 ID:zeqeG/tZ
興味が沸いたような湧かないような俺は灘清掃に行ってきます


つ ≡〜◇
317 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:10:37 ID:Iyg3iBoP
投下しますよ
318 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:12:02 ID:Iyg3iBoP
 電子音。
 校内放送のメロディが鳴り、僕はスピーカーを見た。
『二年F組の阪田・孝道君、二年F組の阪田・孝道君。至急生徒会室まで来てください。
繰り返します、至急生徒会室まで……あぁッ、それ以上は無理無理人の腕はそれ以上曲が
るようには出来てねぇ!! 頼むから早く来てくれマジで!!』
 不穏な声を最後に途切れたが、これはやはり急いだ方が良いのだろうか。しかし最近は
悪いことをした覚えがないし、本能が行くなと叫んでいる。それに今は昼飯を食っている
ので邪魔をされたくない、食事は僕が最も大切にしていることの一つだ。
 どうしようかと考えていると、ツルの視線とぶつかった。ツルはおにぎりを飲み込むと、
険しい表情で僕を睨むように見つめてくる。隣のコイも同様だ。
「カメ、アンタ今度は何をしたのよ?」
「聞いたら駄目だって、ツル。聞いたら可哀想でしょ?……被害者が」
 だから何もしてないっつうに、こいつらは。
「で、行くの?」
「行きたくねぇなぁ」
「あの、カメさん? 行かなくて良いんでスカ?」
 こちらに来たばかりのセンスは知らないだろうが、今のような呼び出しに限っては絶対
に行かなくてはいけないという訳でもない。正確に言うと、生徒会からの僕への呼び出し
には殆んど意味がないから、行かなくても良いということだ。そして、その意味なく僕を
呼び出す人のせいで、行きたくなくなるのだ。
 取り敢えず普通に食事を済ませて時計を見た。昼休みの残り時間も充分にあるし、水樹
が行った方が良いと何度も進めてくるので、仕方なく立ち上がる。しかし体は正直なもの
で、まるで鉛で出来た靴を履いているように足が思い。一歩踏み出すごとに、重さは更に
増してゆく。これはもう格闘家の反復練習のように体が覚えているのだろう。
「着いていこうか?」
「頼む」
 さすがは水樹、お前がもし女だったら惚れて……それはないな。
「仕方がないから私も着いていってあげるわよ」
 吐息をしてツルも立ち上がる。
「あ、じゃああたしも」
「わたしも行きマス」
319 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:14:40 ID:Iyg3iBoP
 結局、皆来てくれることになった。皆の心使いが嬉しすぎて、不覚にも涙が溢れそうに
なった。こんなとき本当に、友達って良いものだと思ってしまう。
「ところで、生徒会長ってどんな人なんでスカ? カメさんが嫌がる程だから、よっぽど
言葉では表現しにくい人なんでショウか?」
 いや、生徒会長程言葉で表現しやすい人間はそうそう居ないと思う。誰もが見た瞬間に、
あの人の殆んどのことが分かる筈だ。言葉にするにしても一言で充分な程だから、例え日
本文化に疎いセンスでも一瞬で把握出来るに違いない。
 そんなことはひとまず置いて、大事なことが一つ。
「何で僕が低ラインの基準なんだよ?」
 センスも随分と言うようになってきたものだ。と言うか、周囲に毒されてきているのか。
こいつの場合は素直な正確が災いしてか、本人が無自覚なままに喋ったり行動したりする
から恐ろしい。
 そこから先、センスが想像した愉快な生徒会長像を聞きながら歩いていると、幾らもし
ない内に生徒会室まで辿り着いた。重厚な扉の向こう、防音性が高い筈なのに高く怒鳴る
声が聞こえてくる。どうやらこの部屋の主は相当ご立腹らしい、張りと鋭さが凡人のそれ
とは明らかに一線を引いている。
「日を改めようか」
「って言うか、カメが遅いから怒ってるんじゃないかしら?」
『分かってたら、さっさと入ってくれませんこと!?』
 隠しカメラやマイクでもあるのだろうか、扉の向こうから怒声が飛んできた。
 戸を開く。
 視界に二つの人影が入ってきた。一つは生徒会長のホウ先輩、もう一つは副会長のオウ
先輩だ。この学校で名物の一つに数えられているホウオウコンビを見てセンスは目を丸く
した。それはそうだろう、こんなに分かりやすい二人組は滅多に居ない。
 ホウ先輩の特徴と言えば、誰もが注目する金色の縦ロールだ。嗜虐的な吊り目が似合う
整った顔立ちやセンスとほぼ互角に張り出した巨乳と相混じって、高慢な性格を分かりや
すく表している。口には出さずとも彼女が高貴な生まれであることは誰の目にも明らかで、
高飛車な態度が周囲の空気を独特なものに染めていた。
320 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:16:34 ID:Iyg3iBoP
 オウ先輩の特徴と言えば、やはり褐色の肌だろう。青い瞳や銀色のボブカット、お洒落
なのか宗教上の理由なのかは分からないが眉間に付けた赤い宝石も手伝い、神秘的な空気
を作り出していた。ホウ先輩を西洋的な美人と表現するのなら、オウ先輩はオリエンタル
な美人ということだろうか。これはついでの話だが乳は大きくも小さくもない。
 因みにオウ先輩はホウ先輩専属のメイドらしく、帰った後はメイド服でいるらしい。僕
も少し見てみたいのだが、以前ツルに話してみたところ鋭い目で睨まれたので、それ以来
この願いは僕の心の中に大事にしまっている。
「ところで、何故遅れたのかしら? つまらない答えでしたら許しませんわよ」
 ホウ先輩はこちらを睨みつけると、大股で歩み寄ってきた。凡人を遥かに越えるお嬢様
的な空気を纏っているせいで不必要なまでの迫力があり、思わず一歩引いてしまう。その
代わりとでも言うように、ツルが一歩前に出た。
「ごはん食べてたの。アンタこそ、一体何の用よ? 毎回毎回無意味なことで呼び出して、
こっちも忙しいのよ。暇を潰したりするのとか」
 ツルとホウ先輩の間に緊張した空気が張りつめた、しかしいつものことなので僕は気に
しない。本当は皆仲良くするのが一番だと思うけれど、誰にでも合う人と合わない人が居
るものだし、そういうものは仕方ないと思っている。水樹やコイも同じ意見らしく、慣れ
た様子で二人を眺めていた。この空気が初めてのセンスは戸惑った様子で、すがるように
僕を見つめてくるが、今は下手に動かない方が良いと経験上分かっているので、悪いと思
いながらも敢えて無視をして立っている。ヘタレなのではない、これはあくまで話を円滑
に進めるためだ。
 数秒。
 無言が続いたが、ホウ先輩が先に口火を切った。
 わざとらしく視線を下に向けると歪んだ笑みを浮かべ、
「あら、ツルさん居たんですの? あまりにも小さくて気が付きませんでした。しばらく
見ない間にまた縮んだんじゃありませんこと? 今度から顕微鏡を持ってこないといけま
せんわね。オウ、昔使ったものはまだ残っていたかしら?」
321 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:18:42 ID:Iyg3iBoP
 ツルもそれに応えるように、相手を小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、
「お気遣いありがとう、そっちこそ大変でしょ? 脳に行く筈の栄養が乳にばかり行って、
局地的打撲になってないかとても心配だわ」
 一瞬。
「お黙りなさいこのミス・マッチ棒!! 火達磨にしますわよ!?」
「そっちこそ黙りなさいよこの豚娘、屠殺場に送り込むわよ!!」
「この無乳!!」
「垂れない内に威張ってれば? 総合的に見たら私の勝ちよ!!」
「今は負けてますでしょうが!!」
「将来の醜く垂れた姿で今の内からマイナスポイントよ!!」
 口汚く罵りあい始めた。女同士なので流石に体に傷を付けるのは不味いと分かっている
らしく、お互い手を出すようなことはしない。しかし聞いているだけのこちらの方が辛く
なるような口喧嘩は、どうにも居心地が悪い。センスに至っては半泣き状態だ。
「そんなにオッパイが大きいのは駄目でショウか?」
「諦めなさい、今のツルには世界中の巨乳が的に見えているのよ」
 そっちかよ。しかし僕が言えた義理ではないが、どうしてそんなに乳にばかりこだわる
のだろうか。見ようと思えば誰にでも良いところは沢山あるだろうに。不倶退天の二人は
僕のそんな思いは知らずに、笑顔のままで罵倒を続けている。
 数分。
 二人とも疲れたのか肩で息をしながら睨みあっていた。いつもよりは若干長かったが、
取り敢えず区切りは付いたようだ。そろそろ僕が口を出しても良い頃合いだろうか。
「で、僕は何で呼び出されたんですか?」
 今回も無意味にだったら嫌だな、と思いながらも礼儀として訊いておく。そう、何故か
僕は用もないのに度々呼び出されるのだ。これが僕がここに来る前に、さんざん嫌がった
理由だ。気心が知れている仲で愚痴を言う為、という理由で呼び出されるのだったらまだ
良い。いくらでも愚痴を訊こうとも思うし、何か大変なことがあるのなら手伝っても良い
と思う。しかしそんなことはないし、どんな理由で目の敵にされているのか分からないが、
無意味に呼び出されては小言を聞かされたり、言い掛かりとも言える注意のようなものを
延々と聞かされるのだ。そんな趣味の男だったら昇天確実だが、生憎と僕はそんな趣味を
持ちあわせてはおらず、ひたすら苦痛の時間になっている。だから皆がこうしてかばって
くれるように着いてきてくれるのは本当にありがたいのだ。
322 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:21:32 ID:Iyg3iBoP
 ホウ先輩はそんなありがたい皆を見回すと吐息を一つ。
「これは皆にも関係のあることなのですが」
 指を鳴らすと、後ろに控えていたオウ先輩がプリントを渡してきた。どうやら今回は、
本当にまともな用件だったらしい。渡されたプリントに軽く目を通すと妙な文字が並んで
いる。それに続く注意書きのようなものを最後まで読むと、呼び出された理由が分かった。
「何よコレ」
 隣で覗き込んでいたツルが眉根を寄せた。
「分からないんですの? この度、カメ君はめでたく変人四天王に登録されました」
「……おめでとう」
 ホウ先輩とオウ先輩に祝福の言葉がかけられたが、正直嬉しくない。『暴君』釜津・芹
を頂点とした変人制度は、要は生徒会のブラックリストを分かりやすく表したものだ。僕
が今回入ってしまった四天王は階級で言えばその二番目、『毒電波』や『虎姉妹』と同じ
ランクに入る。つまり、学園でも指折りの変人として認められたということだ。だからと
言って特に実害がある訳でもないし、普通にしていれば何も問題ない。しかし、こうした
方法をとられると心にくるものがあるのも事実で、思わずくじけそうになる。
「……気にしないで。一人いなくなったせいで……繰り上がっただけだから」
 僕があまりに哀れに見えたのか、オウ先輩が優しい笑みを向けてきた。しかし繰り上が
っただけって言っても、それは元から変人登録されていたということじゃないだろうか。
四天王未満は本人に通達されないので知らなかったということもあるが、僕は大丈夫だと
思っているところもあったので寧ろ今の言葉の方がショックだった。
「なぁ、水樹さんや。幸せってなんじゃろうな?」
「何で急に年寄り言葉なの? でも、そうだねぇ。そのことを考えてる時点で、既に幸せ
なんじゃないかな? ほら、勝ち組勝ち組、元気出して」
323 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:22:47 ID:Iyg3iBoP
「そうだよな、乳を見てればそれだけで幸せだよな」
 ありがとう、少し元気が出てきた気がする。
「そうデス、変じゃないカメさんはカメさんじゃないデスよ」
「そうよ、あんたから奇行を取ったら何も残らないじゃない」
「黙れ巨乳ども」
 この巨乳二人組め、僕を慰めたいのかけなしたいのかはっきりしろ。フォローしている
つもりなんだろうが、お前らが僕の傷口に塗っているのは軟膏じゃない。カスタードなら
まだ可愛い気があるものの、僕が塗られているのは粗引きマスタードだ。
「そうですわ、貴方は貴方の個性があるのですから胸を張って歩きなさいな」
「そうですね、僕は変態じゃない」
 でも、落ち込んだ元々の原因と言えば、生徒会ではないでしょうか?
「ほら、カメ、元気出して。今ならどんなに乳を揉んできても怒らないから」
「……ツル」
 ……それは。
「ちょっと、無理なんじゃないか?」
 無いものをどうやって揉めと?
「何で私のときだけ素で答えるのよ!!」
 いや、そんなことを言われても。ただ、皆のフォローのお陰でそれなりに明るく生徒会
室を出ることが出来た。やっぱり、友達は良いものだ。そして何よりも心の支えになって
くれているツルが居たことが僕は……
「帰ったら覚えてなさいよ」
 くじけそうになった。
324 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:25:10 ID:Iyg3iBoP
 そして放課後、僕はいつも通りに帰宅しようと歩を進めていた。ツルはセンスやコイと
カラオケに行くらしいし、水樹はバイトが入っているとのことだったので一人寂しく廊下
を歩いている。しかしただ満然としている訳ではない、今日の食事当番は僕の担当なので
どれだけ良いものを出せるのか考えていながらだ。今日は随分と助けられたから、ツルの
好物であるクリームシチューでも作って……
「カメ君!!」
 突然の呼び声に、視線を発生源へと向ける。そこには崇高な二つの純白があった。神は
悲しんでいる僕に素晴らしいものを送ってくれた、これなら明日からも希望を持って生き
ていける。そして今の白で決めた、晩御飯はクリームシチューで決定だ。後はスーパーに
でも寄って、材料を買い揃えるだけだ。
「お待ちなさい!!」
 そういえば、一つ言い忘れていた。
「パンツ見えてますよ、先輩たち」
 怒鳴りながら階段を降りてきているホウ先輩は物凄い勢いで頬を赤く染めあげ、慌てて
スカートの端を押さえた。そして歩く速度を早め、こちらに向かって大股で向かってくる。
 しかし、それがいけなかったらしい。只でさえバランスが悪く受け身も取れないような
しせいなのに、階段を勢い良く、それも大股で下っていたせいでホウ先輩は盛大に転んで
しまった。オウ先輩が珍しく慌てた様子で手を伸ばしたが時既に遅し、重力に従って僕に
向かい自由落下をしてくる。大気を受けて広がる金髪を天使の羽根
のようだと思い、見惚れていたのも一瞬のこと。
「受け止めなさい!!」
「無理です」
 言葉では拒否したものの体が勝手に動いていた。受け止めるのは無理だけれど、せめて
緩衝材になるように落下地点に体を滑り込ませる。
 一瞬。
「重ッ、無理ッ、死ぬッ」
「失礼ですわね、重くありませんわよ!!」
 間に合わないかと思っていたが、どうやら助かったらしい。体に走る重い痛みは、ホウ
先輩が床に激突しなかった証だ。そう思えば、これしきの痛みなど構わない。
 しかし、
「早くどいて下さい」
 重いのではなく、不味いのだ。体に当たる乳や尻の感触が心の奥の方を刺激してきて、
思わず体の一部が超元気になりそうになっている。よりにもよって生徒会長の前でそんな
ことになったら、それこそ本当に変態のレッテルを貼られてしまうだろう。
「あの、本当に早く」
「分かってますわよ」
325 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:27:24 ID:Iyg3iBoP
 ホウ先輩は立ち上がろうとするが、
「痛ッ」
 どこかを痛めたらしくすぐに膝を着く。
 仕方ない。これの責任の一部は多分僕にもあるのだろうし、少しくらい時間がかかって
もツルが帰ってくるまでには間に合うだろう。今急いで帰って、その後で色々気にしたり
するよりもずっと良い。僕は吐息を一つ漏らすと、ホウ先輩を背負った。
「……ありがとう」
「気にしないで下さい、これは男の仕事です」
 保健室に行くとエニシ先生は留守だった。そう言えば、今日は職員会議の日だったか。
しかしただ放っておく訳にもいかないので、取り敢えず椅子に座らせて上履きを脱がす。
爪でも折ってしまっていたのか爪先の部分に血がにじみ、白のハイソックスを部分的に赤
く染めあげていた。思ったより出血が多いらしく、触れるとぬるりとした感触が手指の先
にまとわりついてきた。病院に行くまでもないだろうが雑菌が入って膿むと良くないし、
早めに手当てをした方が良いだろう。
「という訳で、オウ先輩頼みました」
 これ以上この姿勢でいると再びスカートの中を見てしまいそうなので立ち上がり、ホウ
先輩に背中を向ける。例え立っている状態でも脚を上げたときに見えるかもしれないので
その対策だ。そのまま部屋を出ようとして足を踏み出そうとしたが、
「待ちなさい」
 出来なかった。シャツに僅かな抵抗感がかかり、振り向くとオウ先輩が顔を赤く染めな
がら下を向いていた。その右手は僕のシャツの裾を軽くつまんでいて、離れてほしくない
と弱く意思表示をしている。これは、どういうことだろうか。
「帰りも、その、男の人の手が必要ですし、ここに居なさい」
「……ついでに、ホウ様の手当てもしてあげて。慣れてるみたいだし……ボクはこうして
両手がふさがっているから。……お願い……ね?」
 そう言ってオウ先輩は両手に持った鞄を見せてくるけれど、それはどこかに置けば済む
話なのではないだろうか。そう言おうと思ったが、無表情の奥にある微笑のようなものが
見えて、何故かその気力がなくなってしまった。
 吐息をしてホウ先輩の前に膝を着く。
「早く、脱がせて頂戴」
 
326 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:29:36 ID:Iyg3iBoP
 先日センスに同じようなことをしたなと思いつつ、靴下を脱がしてゆく。しかし、流石
はお嬢様なだけのことはある。人に靴下を脱がせることすらも慣れているように見える、
と言うかやけに堂に入っている。センスとこうしていたときも悪くなかったが、今の状況
はそれすらも遥かに上回る。女性が上位というだけでこんなにも違ってくるのだろうか。
全く、本能というものは恐ろしい。
「ちょっと痛むかもしれませんよ」
「構いませんわ」
 毅然とした声に軽く安堵しながら一気に脚から靴下を取り去ると、綺麗な足の指が視界
に入ってきた。磨かれて光沢を放つ少し長い爪の内の右端、親指の爪の一部が割れていた。
他のものは整えられているのにそこだけ歪んでいて、余計に痛々しく見える。目を背けた
くなったが、痛いのは僕ではなくホウ先輩だ。性格は多少妙でも女の子、これ以上負担を
かけるのは良くないと思いよく観察する。それ程深い部分まではいっていないようだが、
破片が刺さっているようだ。そこから流れる血は表面を覆っていた布が取れたことですぐ
に珠になり、一滴床に溢れ落ちた。
「いかん、消毒液は」
「舐めて」
 一瞬耳を疑い、続いて自分の正気を疑い、最後は失礼とは思いながらもホウ先輩の脳を
疑ってしまった。今この人は何と言ったのだろうか、僕の聞き間違いでなければ足の指を
舐めろと言ってきたような気がする。確認をしようと視線を上に向けると、とろけたよう
な瞳で僕をじっと見下ろしていた。
「聞こえなかったの? 早く、舐めて」
 どうやら僕の耳や脳は正常だったらしい、異常なのはホウ先輩の性格だ。やはり表面は
比較的まともでも、この変態学校の生徒会長だ。根の部分はおかしい人らしい。金髪巨乳
お嬢様生徒会長から淫乱弩S金髪巨乳お嬢様生徒会長へと、僕の中でホウ先輩の超急激な
降格が行われた。それと同時に脳の奥で警告の鐘が大音量で鳴り響く。
 立ち上がろうとしたが、
「……駄目」
 いつの間にか背後に回っていたオウ先輩が腰の辺りにしがみついていたせいで、逃げる
どころか立ち上がることさえ出来なかった。そうこうしている間にも鼻先にホウ先輩の足
が近付いてくる。その上、目を背けようとしても何故か僕の視線は傷口に釘付けだった。
「……舐めて」
 耳元で、オウ先輩が囁く。
「早く、舐めなさい。垂れてしまうわ」
327 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:31:31 ID:Iyg3iBoP
 その言葉を合図とするように、大きな血の雫が足先から垂れた。僕は思わず舌を伸ばし
てそれを舐めとると、そのまま親指に舌を絡ませた。ねぶるように唾液を擦り付けながら、
血を絞りとるように強く吸う。その度にホウ先輩の口から喘ぐような熱い声が漏れ、空気
を異様なものに変えてゆく。
「あら、カメ君の股間が大変なことになってますわね。そうですわ、今の恩もありますし」
 小さく笑い声を漏らして、
「楽にして差しあげますわ」
 快音。
 ホウ先輩が指を鳴らすと、オウ先輩が僕のベルトを外してきた。そしてジッパーを降ろ
すと僕のものを取り出して、いじり始める。背中に当たる柔らかな感触や、冷たく柔かな
手指の感触、そしてホウ先輩の官能的な姿や視線のせいですぐに大きさは最大になった。
それを満足そうに見届けると、一旦引いていた足の指を僕の前へと突き出した。
「好きなだけ楽しんで、ワタクシも楽しませて」
「……頑張るから」
 言うなり、オウ先輩が僕のものをしごいてきた。背中の向こうに居るので、どんな表情
なのかは分からない。ただ、興奮はしているのだろう。荒くなった呼吸と熱い吐息が耳に
かかり、やけに大きく聞こえる音で鼓膜を震わせる。股間からの快楽と耳や肌から伝わる
刺激に、一瞬ごとに理性が削られてゆく。
「ただ喘いでないで、こっちも、舐めて?」
 オウ先輩と同じリズムで熱っぽい声を漏らしながら、親指を僕の唇に触れさせた。口の
中を鉄に似た味が広がり、思わずむせそうになる。
「飲んで」
「……飲んで」
 先端を撫でるようにしごかれ、息を詰まらせた。その反応でつい飲み込んでしまった。
「美味しい、ワタクシの血は?」
 味は、よく分からない。何故か酷く甘く感じる後味と、とてつもない渇きがある。
「噛んで、強く。とても強く」
 言われた通りに強く噛んだ。軽く皮膚が弾ける感触があり、続いて口内全体に血の味が
広がった。視線を上げてホウ先輩の顔を見てみると、痛がるどころか、いやらしい、陶酔
したような笑みをこちらに向けている。
328 名前: 『ツルとカメ』×7 [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:33:04 ID:Iyg3iBoP
「あはっ、ちょっとお手伝い」
 僕の口から指を抜くと、血と唾液で濡れたそれで亀頭を撫でてきた。満偏なく塗るよう
に擦り、撫で、踏み、挟んでくる。粘着質な音と高い笑い声を響かせながら、強い笑みで
僕の顔を見つめてきた。
「だらしなく、果てなさい」
 オウ先輩のしごく速度が早くなり、ホウ先輩は一際強く擦ってきた。
 一瞬。
 言葉も出ないままに、僕は出してしまっていた。それを見て、ホウ先輩の漏らす笑い声
が一段と大きくなる。満足そうに降ろした脚の付け根の部分、純白の下着が濡れて、薄く
透けているのが見えた。
「また、遊びましょうね」
「……勿論、ボクも一緒に」
 二人の声は、酷く遠いところから聞こえたような気がした。
329 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 23:34:50 ID:Iyg3iBoP
今回はこれで終わりです

>>285
常駐スレの影響もありますが、基本的に作風です
あとcolorの続き超読みてぇ

>>286
センスはツルとオウ先輩の次くらいに気に入ってる

>>79
天然はどこにでも居ます
ほら、目を閉じれは貴方の胸の中に

>>310
不快にさせたようですみません
ずんだ餅はあまり甘くないので大好きです

二周連続で脚ネタとか、本当にもう
取り敢えず出したいキャラは殆んど出た感じです
330 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/12(木) 17:03:55 ID:OyqDxIjF
79氏
超GJ!感動して思わず涙が出てしまった
由梨は子供を何人作る予定か、妄想が膨らむね!

つ[]煎餅のプレゼント


ロボ氏
GJ、見てて何故かつよきすの姫が頭をよぎった
331 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/14(土) 01:49:48 ID:c2KEkwbS
>>329
ロボ氏GJ!
変人だらけですね。

つーか四天王の虎姉妹てwww
332 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/15(日) 20:38:21 ID:s8lvKC4/
79氏が書き込む直前だからこそ送信!
サイン下さい。

つ =≡≫ ←ブーメラン型往復サイン色紙
333 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/15(日) 23:50:31 ID:SVcOltA6
≡≡≫
   ∩
334 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 00:25:20 ID:0vlIVeYZ
<<≡≡≡≡≡≡
335 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 00:27:44 ID:JYlNFQg4
>>305
ユリ編読んだのに余韻にのされて今の今までレスするの忘れとった!
ユリが幸せそうでよかったよ、うん
しのた編がどんな風に展開するか楽しみ(鬼


>>329
color…落とそうと思ったら消しちまった…col.orz
ごめん、書きなおすから…
336 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 00:50:52 ID:jdJ1oM20
そうだ、毒男にも出しとこう

つ[毒男へ]<「ユリたんユリたんって、ハロの妹じゃねぇか」って赤髪の方が。
      ハロが義兄でもいいんですか?

>>335
イキロ…
337 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 01:32:24 ID:JYlNFQg4
急ぎ足だったから感想も糞もなかったな
>> 79氏
雪姉が……なんか……ね……
しのたも「チトのために」研究してるとか……さ……

本編の些細な事が切ない
そういうのが好き


>>ロボ氏
他の変態四天王に暖かく迎え入れられるカメ
338 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:15:32 ID:nFDVx5P0
もう皆が感動してくれてる事に感動するよ、あたしゃ
>306
3時まで起きててそれから読む気になれるなんて凄いな。と、わけのわからんところに感心
ドロドロしてなくて純粋にハッピーなんて素敵じゃないくぁ
>307
替え歌は感動する所じゃないぞwwwまぁご好評でなにより
>308
だからわかんないんです><;
>309
スペース多いから何か書いてあるんだろうと思って一瞬目を凝らしてみた
>310
毒男は
「俺も狙ってたんスよ。でも、あのコがあいつと居る時の顔見たら、どうでもよくなっちゃってね・・・」
みたいなグラスの傾け方してる
>312
『吐き気がする』ってなんか凄いわかるような気がするなぁその表現・・・
>313
確かにユリとのニャンニャンはなくなっちゃうかも。製品版が出るまでまで我慢しる(´・ω・)モエカス
製品版なんか出ないけどね
>314
なださうさう?映画にあまり興味無いからよくわからないけど>315と同意
>317(ロボ氏/鶴と亀7)
不倶戴天・・・コホン。
まぁ変人四天王程度なら、変態四天王よりか告発されにくいだろう。と思いきや
>お嬢様生徒会長から淫乱弩S金髪巨乳お嬢様生徒会長へと
・・・。
それはそれとして、血のあたりはです○めたを思い出させるよルネたま
>330
最も妄想を膨らませやすいエンドなんだなあ、これが
と、いうわけですべて御妄想にお任せします
>332-334
何、この協調性
>335
colorがんがれ
>337
>しのたは大学院で研究をしているらしい。昔(当時)は(しのたは)智途のため、と言っていたが
これじゃダメ?
339 名前: 79 Le souhait 智途編9(1/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:17:46 ID:nFDVx5P0
――まさか、こんな事になるとは、思いもよらなかった。
『元の生活には戻れない』『生きて帰られる保証はどこにも無い』なんて言われて、
そんな事、実感の沸くようなことじゃない。ただ、漠然と受け止める事しかできない言葉じゃないか?
でも、もし自分が人にそんな内容の事を伝えなければいけない時、やはりそう言う事しかできないだろ?
だから、俺たちも漠然としかその意味を理解する事ができない。
あまりに頼もしく、力強く、浅はかで、若い。
そんな俺たちにあるのは、実現する力の伴わない夢、夢想だけだと、
彼らは教えた。

とある施設。
施設、と言うほどのものでもない。ただの家だ。
ただ、中に居れば誰にも居場所を知られる事がないだけの、普通の家だ。
その一室に、私と緋柳は居た。
雪「・・・後悔ばっかりだわ」
緋「・・・」
雪「智途、ハロ君。結局は二人を巻き込んで。・・・私だけ死ねばいいのにって。何回後悔したって」
緋「やめて。せっちゃんは悪くありません。私も、一人で決断するように強要したようなものですから」
雪「強要?フフ、わたしはそんな事された覚えは無いわ」
ただ、幸せになって欲しかったって、それだけ。
雪「でも、あの子達は言うのよ。私を見殺しにできないって。私を助けるって。協力するって」
思わず笑いがこぼれる。
雪「言葉の意味がわかってるのかしら?自分たちの幸せをなげうって、私なんかを・・・!」
緋「・・・」
雪「私を守りたいって、そう、言ってくれるの。笑っちゃうわね」
緋「でも、せっちゃんも同じような事言ってます」
雪「え?」
緋「自分の幸せを犠牲にして、二人を守ろうとしていませんか?」
雪「私の幸せはどうでもいいの。智途たちのように半世紀以上の猶予なんて無いんだから」
それに、私がいくら不幸になったところで、私はすぐに死ぬだろうし、すぐに忘れ去られるでしょう。
それが、一番綺麗で望ましい状態じゃないかしら?
緋「・・・私も、せっちゃんの幸せを願っています。では私は、彼らのように愚かでしょうか?」
雪「愚か・・・いや。若いのよ」
緋「若くて結構です。どうせ、死ぬまで若いですから。せっちゃんと同じです」
どこまでも『同じ』と言いたいようね。腹が立ってきたわ。
緋「願わくば、みんなが生き残る術を。そうは、考えたくありませんか?」
雪「あったらいいわね」
緋「無理ですか?」
雪「わからないけど、都合はいいわ」
お互い、これが最後の手段になるでしょうけど。
雪「そうね。できるだけ、みんなが生き残る道を辿りましょう」
緋「はい」
緋柳は笑顔で応えた。

一方、こちらも施設の一室。
ハロ「――っだぁ、はぁ、はぁ・・・」
チト「こら、ハロ!休むな!」
俺たちは、雪花さんに『じゃあ取りあえずこれやっといて』と言わされて与えられたメモ通りに行動している。
ハロ「『懸垂百回』なんて、『取りあえず』の部類じゃねぇぞ・・・」
チト「しかし、やるしかないだろ」
ハロ「そ、そうだが。俺は運動しているお前の肢体を眺めて妄想をするほうが望ましい」
チト「・・・ちょっと話がある」
340 名前: 79 Le souhait 智途編9(2/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:18:32 ID:nFDVx5P0
ハロ「いいいい痛い痛い痛い!」
四の字固め。
ハロ「痛いけどなんだか素敵な感しょk・・・あだだだだ!」
ガチャ(SE:ドアの開く音)
雪「もう、騒がしいわね。何?」
チト「なんでもない」
雪「『なんでもない』じゃないでしょ?調教してないでさっさとハロ君離しなさい」
智途は言われたとおりに俺を解放した。
うーん、なんだか筋肉が伸びて動きやすくなった感がしないでもない。
チト「だって、ハロが運動する私をいやらしい目で見てたんだ」
ハロ「言いがかりだ!」
チト「って自分で言ってた」
ハロ「確かに言った!」
あ、間違えた。
雪「だって智途がいやらしい体してるもん。そりゃ私だって見るわよ」
ハロ「ほら」
チト「何が『ほら』だ!全然嬉しくないぞ!」
智途は機嫌を損ねたふうに、傍にあった椅子に座って足を組んだ。
チト「で?姉さんは私をからかいに来たのか?」
雪「もう、怒んないでよ。・・・ちょっと、二人に紹介したい人が居てね」
ハロ「交際相手ですか?」
雪「ふふ、断固否定♪」
さいですか。
雪「とにかく、入ってきて」
雪花さんが合図すると、ありえない組み合わせの二人が現れた。
ハロ「えーと・・・」
現れたのは、理緒のところのメイドさんの緋柳さんと、毒男の叔父さんの渋沢さん。
何コレ?と思って智途の顔を見るが、目が合ってしまった。
緋「実は私たち」
ハロ「アイドルグループだったのです、とか」
雪「黙って聞いててくれる?」
笑顔で怒られた。
緋「・・・私たちは、反オミナス団体、センチネルの団員なのです」
はあ。
ハロ「kwsk」
雪「前に話したでしょう?私のような改良した人間を作った団体。それがオミナスなのよ」
ハロ「だいたい把握した」
チト「そういえば、聞いたことがあるな、そのオミナスとか言う名前」
渋「・・・話を進めろ」
渋沢さんが口を開く。不機嫌なのだろうか、いつもの冗談めいた雰囲気は無い。
雪「私たちは今回、オミナスに向かって攻撃を仕掛ける事にしたの。覚悟はできてるわね?」
ハロ「・・・ああ」
チト「う、うん」
雪「よろしい。そこで、今回ハロ君に任される仕事はただ一つ」
ハロ「ただ一つ・・・」
雪「二つがいい?」
ハロ「いえ、一つの方向で」
雪「オミナスが張った特殊なバリアを解く事。何、格闘したり銃で打ち合ったりする事じゃないわ」
チト「よかった・・・」
ハロ「全然良くないぞ」
341 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:19:25 ID:nFDVx5P0
×銃で打ち合ったり
○銃で撃ち合ったり
ごめ
342 名前: 79 Le souhait 智途編9(3/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:20:32 ID:nFDVx5P0
ハロ「俺はそんな技術持ってないんですが」
雪「行けばわかるわ」
どういうことなんだ??
チト「わ、私はどうすればいい?」
雪「できるだけハロ君と一緒に居て。危ないからね」
何が危ないんだ?
全然意味がわからない。『行けばわかる』ってどういう事なんだ?さっきの懸垂百回の意味は?
ハロ「雪花さんたちはどうするんですか?」
俺が聞くと、三人で顔を見合わせた。
やがて、雪花さんが俺のほうを見て微笑んで言った。
雪「ハロ君たちにはできない事よ」
ハロ「・・・」
渋「とにかく、今日は家に送ろう。明後日の明朝、また迎えに来る」

渋沢さんと三人で乗った車の中で、俺たちは一切会話をしなかった。
見知らぬ風景を過ぎ、やがて知る風景になろうとも、不安は取れずに居た。
渋「・・・もうすぐ遥の家だ」
ハロ「智途の家で降ろしてくれ」
車は俺の家を過ぎた。
俺がそう言っても、智途は聞いていなかったようにただ窓の外の夜景を見ていた。

流した汗をシャワーで流した後、俺たちは寝室に向かった。
同じ布団にくるまる。
だが、いつものような気はおきない。
沈黙に押し殺されそうだ。
ハロ「なあ」
俺は耐え切れなくなって、智途に話しかけた。
チト「何だ」
智途は、向こうを向いたまま返事をした。
ハロ「俺たち、間違った事をしたんだろうか?」
チト「・・・そう思うか?」
ハロ「どうだろう。正直に言うとわからない」
智途はため息をついた。
チト「姉さんは、嘘をつくのがうまい」
智途は寝返り、こっちを向いた。
チト「もしかしたら全部嘘で、明後日の迎えも来ないで、そのまま居なくなってしまうかもしれない」
今回の作戦の内容も漠然としていた。ありえない話ではない。
チト「私たちの幸せを守ろうと、もしかしたら今回の作戦で死ぬ事も辞さないかもしれない」
ハロ「なんで・・・そんな」
チト「だって・・・!」
智途が体を寄せ、俺の胸板の辺りに額をつけた。
チト「私が姉さんだったら、そうするかも知れないって思ったんだ・・・」
智途の頭に軽く手を添える。
チト「でも、それは間違ってる。やっぱり、みんな生き残るほうがいいに決まってる筈だ」
ハロ「なら雪花さんもそれをわかってる筈だ。大丈夫。大丈夫だから」
誰かが死ぬだの死なないだの、そんな血なまぐさい事はごめんだ。
ハロ「もし明日の作戦に俺たちが参加すれば、俺たちはオミナスの標的になる」
チト「知ってる。・・・もう狙われてるっても言ってた」
ハロ「もしかしたら、明日の学校生活が最後になるかもしれない」
そういう意味を持って、『明後日』などと一日を置いたのだろう。
343 名前: 79 Le souhait 智途編9(4/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:21:22 ID:nFDVx5P0
チト「それでも姉さんを見捨てる事なんてできない。幼い頃から、私を育ててくれた。唯一の肉親だ」
智途は強い口調で言い放った。それから、すこしおとなしくなって言った。
チト「すまん」
ハロ「え?」
チト「全部、私のわがままだな。そのせいでハロも姉さんも苦しめてしまった」
智途の体は、震えているようだった。
ハロ「俺は別に、苦しんでなんかいないさ」
チト「別に、私に付き合ってくれなくてもいい。他人として振舞えば死ぬような危険も無くなるだろう」
ハロ「死ぬまで付き合うつもりでいるんだけど?」
震えが治まり、智途は俺の顔を見上げた。
ハロ「ずっと他人として振舞うよりだったら死んだほうがマシだし、臆病な俺は知らん顔もできな」
チト「ハロっ!」
凶悪な力で俺を抱きしめる智途。
ハロ「痛い痛い痛い!!」
でも胸が押し付けられて気持ちいい気がしないでもないぞ!
チト「バカッ!どこまでバカなんだお前は!いつからそんなキザな言葉吐けるようになった!」
ハロ「しょ、小二くらいからかな・・・」
俺を抱きしめる腕が緩まる。
チト「・・・冗談でも嬉しかったぞ」
ハロ「冗談じゃないって」
チト「わ、わかってるって言ってるだろ?///」
ハロ「い、言ってな」
窓から差し込む月明かりに照らされた智途の顔は、なんとなく紅潮して見えた。
チト「く、口説いてないでさっさと寝ろ!///」
智途は寝返りを打って向こう側を向いてしまった。
ハロ「おやすみ」
そう言って、俺は目を閉じた。
さっきのような不安は無い。
俺は、何かわかったような気がした。

――翌朝。
眠い。眠いな。50眠いだ。いや、60眠いを超える勢いだ。
どんな単位だ。
(SE:ガチャ)
チト「ハロ、そろそろ起きろ」
何か声が聞こえるような気がするが、起きない。
チト「起きろ。・・・困ったやつだな」
むにゃむにゃ。もう食べられないよ。
チト「・・・よし!」
なにやら気合を入れましたね。さ、どうやって起こしてくれるんでしょうかね?・・・!?
ハロ「え!?」
チト「起きたか。ほら、そろそろ朝飯だ」
唇に柔らかな感触が。
ハロ「今、何した?」
チト「何もしてない」
ハロ「顔が赤いぞ」
チト「赤くない!///」
ハロ「・・・あのな、目覚めのチッスと言うのはほっぺたにするもんだぞ」
チト「なっ――!///やっぱり起きてたんじゃないか!」
ハロ「正解」
344 名前: 79 Le souhait 智途編9(5/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:22:26 ID:nFDVx5P0
朝食を終え、いつもの時間に、いつもの通学路を通る。
急に、無言になってしまう。
『いつもの状態』であるがゆえに、いつもの態度が取れない。
今にでも実現できるはずだった過去の楽しい時間が、俺たちを阻んだ。
ユリ「あっ!」
ハロ「ん?」
後ろを見ると、由梨が駆け寄ってくるのが見えた。
ユリ「おにいちゃん!どこ行ってたの?心配したんだよ?」
ハロ「あー、ちょっとな」
ユリ「もう、ちゃんとゴハン食べてるかなとか、道に迷ってないかなとか、車に轢かれてないかなとか」
ハロ「俺は家出した猫か」
チト「大丈夫だ。うちで保護しておいたから」
ユリ「あー、それなら・・・」
いいんだ。
まあなんにせよ、誰かが居てくれてよかった。
ハロ「ありがとうな、由梨」
頭を撫でる。
ユリ「?えへへー」
チト「さ、さっさと行くぞ!」
手を引かれ、強制連行される。
ユリ「あ、待ってよおにいちゃん!」
ハロ「待ったら俺の腕が胴体からサヨウナラしてしまう!」
こういうところは子供なんだよな、智途は。これはこれで可愛いんだけど。

学校に到着。由梨と別れ、廊下を二人で歩く。
ハロ「なんて言いながら教室に入ろうか」
チト「いつもどおりでいいだろ」
ハロ「レディースエンジェントル棉!みたいにか」
チト「コラ。いつもはそんなのじゃないだろ。あ、私はここで」
ハロ「ああ。俺も後で図書館に行く」

教室に到着。自分の席に鞄を置く。
いつもどおり、ツン、蕪雲、毒男がこちらを見ている。
ハロ「な、なんだよ?」
ちなみに、これがいつものセリフだったりする。
蕪「図書館・・・」
ハロ「(ギクッ)」
毒「リアクション有り。陽性」
ツン「強制連行ね」
グイ、と俺と無理矢理腕を組み、俺を連行するツン。とあと他二人。
ハロ「ええ?何これ?何?」
なんか腕が柔らかいものに当たるんですけどこれはサービスですね?

連行されるがままに図書館。
ツン「ほら、居た!」
ツンの指差す向こうには、読書に勤しんでいる智途が居た。
チト「賑やかだな」
ハロ「ちょっとな・・・はは」
ツン「コラ、そこ!私を無視して話しない!」
345 名前: 79 Le souhait 智途編9(6/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:23:19 ID:nFDVx5P0
チト「で、何か用か?」
ツン「確かに、わたしはテニスで負けたわ・・・」
ハロ「何か語り始めたぞ」
毒「スキップできません」
ツン「・・・でもね!この決着だけは着けたいのよね!」
蕪「要するに智途様置いてとっとと立ち去れお」
な、なんと話題の古い。
ハロ「あ、あのな。今それどころじゃないんだ。っていうかお前テニスで負けたんだから潔く認めろ」
チト「今更ハロをどうのって・・・往生際が悪いぞ」
ツン「なっ、何よそれ!?どうしていつの間にかそんなに親睦が深まってるわけ!?」
蕪「いつのまに智途様の心が漏れから離れてハロへと移ってしまったのか情報kwsk」
倒れる蕪雲。
毒「気をしっかり!」
チト「むしろ、いつのまに私の心がお前にあった事になっていたんだ」
ツン「そんな事はどうだっていいのよ!」
確かに。
ツン「べっ、別にハロの恋愛事情が気になるわけじゃないんだけど、そういうことはちょっとぐらい教えてくれても
 いいんじゃない?幼馴染としてそういう態度を」
ハロ「いや要らないだろ」
ツン「だ、だって・・・私に内緒で」
だんだん涙目になってくるツン。
毒「謝れ!ツンさんに謝れ!」
し「図書館では静かにお願いします」

ハロ「ふう、ようやく行ってくれたか」
チト「そうだな」
図書館に、本来の静けさが戻る。
チト「まったく、ここだけ時間が止まっているようだったな」
ハロ「同感」
チト「姉さんも、こんなふうに感じていたんだろうか?」
ハロ「うーん、雪花さんはいつもこっちが驚かされるくらいマイペースだからなあ」
チト「だな」
嘘がうまい、か。
ハロ「でも、俺は昨日雪花さんが話したことが嘘とは思えないな」
チト「どうして?」
ハロ「いくら雪花さんが嘘がうまいとは言え、自分の寿命を言う時もかなり緊張していたじゃないか。それに」
チト「?」
ハロ「俺たちを巻き込むつもりが無いなら、最初から手がかりも何も残しておかないだろうし。やっぱ信じたいし」
チト「信じたい、か。プレッシャーのようにも思えるが」
ハロ「そんなに心配するなよ。結局は考えてもわからなそうなんだ。こうでっかく構えればいいんだよ」
手を広げて見せる。
チト「こうか?」
ハロ「あ、いやポーズじゃないんだ重要なのは」
態度の話だ。
ハロ「それはともかく、俺はどんな事になっても幸せで居られそうな条件をなんとなく悟ったんだ。だから大丈夫」
チト「そうなのか?」
ハロ「ああ。教えないけど」
チト「む」
ハロ「口に出すと忘れそうなんだよ。だからお前の口に出した事は無い」
チト「話を変えるな!バカか!///」
346 名前: 79 Le souhait 智途編9(7/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:24:26 ID:nFDVx5P0
ユリ「おにいちゃん、今日も帰ってこないの?」
ハロ「・・・ああ、そのつもりだ」
由梨は、悲しげに踵を返した。
放課後。
俺はそうとだけ伝えた。
チト「いいのか?」
ハロ「・・・」
もし、俺が二度とここに戻らないんだったら、由梨は一人取り残される事になるだろう。
ハロ「絶対、引き止めるだろうな」
チト「わたしは、何も言えない」
由梨だけじゃない。ツンもだ。蕪雲も。
俺たちが居なくなって悲しむ人間に今日会って、別れも告げず、もう二度と会うことは無くなる。
ハロ「お別れ会でもすべきだったかな?」
いかに俺たちが独善的な行動に出ようとしているかを、篤と思い知らされる。
チト「これが、姉さんの『最後の説得』なんだろうな」
ハロ「・・・」
チト「しのた、私が居なくなったら悲しむだろうな」
蕪雲の名は出てこなかったな。
チト「ふふ、どうしてだろうな。寸前で心を決めかねてしまう」
ハロ「どうしても何も、それが正常だろう」
チト「一緒に居ない限りは、もう十年もすれば私たちは思い出になってしまうんだぞ?忘れられるんだ」
ハロ「・・・」
なのに、どうしてだ。『俺たちはそれでいいけど』――他の人はどうなる。そう考えると。
誰もを納得させる言いわけが見つからない。
戦闘の結果はどうであれ、俺たちはツンたちと別れを告げなければならない。
ハロ「今回の戦いがうまくいけば・・・」
チト「?」
ハロ「もう、今後俺たちや雪花さんみたいな人が現れなくて済むようになる」
俺は自分に言い聞かせるように弁解を続けた。
ハロ「俺たちの活躍は誰にも知られる事は無いだろうが、・・・」
チト「まるで勇者だな」
ハロ「・・・もう、いいわけはやめよう」
くだらない理由で、俺たちはすべてを捨てる。
それでも姉を救いたいと言う、独善的態度。それを合理化し、人々のためと称する。
汚い。なんとも小汚い。
だが、『すべてを捨てる価値を持った人間かどうか』を判断しようとすることだって、十分汚い。
ハロ「今の生活も、すべてを捨てなければいけないなら、捨てればいい」
チト「それでどうするんだ」
ハロ「また作ればいい。俺たちが作ろう」
チト「私たちが?」
ハロ「願わくば三人で」
チト「よく、そんな屁理屈が思いつくな」
ハロ「・・・ダメか?」
チト「や、面白そうだ。すこし付き合ってやってもいい」

帰宅する。
智途の家にも別れを告げなければならない。
だが、それは苦ではない。
『三人で新しい生活を作る』なんて俺の見た夢想に酔わされているからだ。
チト「ハロ・・・」
ハロ「ん?」
347 名前: 79 Le souhait 智途編9(8/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:25:08 ID:nFDVx5P0
チト「風呂、終わったら・・・しないか?///」
智途は顔を赤らめて俯き、言う。
ハロ「あ、ああ俺はいつでも」
来るもの拒まずの精神で。
智途は着替えを持って、そそくさと部屋を出た。
ハロ「あ、そう言えば着替え・・・」
ピンポーン(SE:チャイム)
ハロ「ジャスト!!」
俺は玄関に走っていった。

玄関に向かうと、由梨が来ていた。
ハロ「おー、由梨、ありがとうな。見計らってたかのようなタイミングにありがとうな」
ありえないくらい気が利くな。
ユリ「でも、おにいちゃん、朝帰りは基本的にダメなんだからね?」
ハロ「気をつける」
ユリ「じゃ、おやすみ、おにいちゃん」
ハロ「・・・あ、由梨!」
ユリ「えっ?」
 [ア見送る
   キスする
ハロ「・・・じゃな、おやすみ」
ユリ「うん」
由梨は出て行き、玄関のドアは閉まった。
俺は無意識に延ばした右手を、強く、握り締めた。

風呂あがり、パジャマに身を包んだだけの智途の姿は、見るからに艶冶だった。
チト「冷めてしまうところだったぞ?」
風呂からあがった俺は、ベッドに座る智途の前に立った。
目の位置からして俺が上の筈なんだが、智途の態度と俺のM性がそれを感じさせない。
チト「で、何して欲しい?」
にやにやと笑いながら、俺を見上げる智途。完全にスイッチが入っている。
ハロ「中に思いっきり出したい」
チト「何を『してほしい』って聞いてるんだ!しかもそんな直接的に言うな!///」
スイッチoff。
ハロ「つい」
チト「まったく。まあいい。それはそれでさせてやるから横になれ」
そう言ってベッドをぽんぽんと叩く。
俺はwktkしつつベッドに仰向けになる。
チト「さて・・・」
智途は座りなおし、俺の股間に足の裏を当てた。
ハロ「えーと、着替え無いんですけど」
チト「じゃあ脱げ。全部だ」
ハロ「はい」
何故か敬語になってしまった件。

智途は再び俺の股間に足を当て、ペニスを足で扱き始めた。
弱点を心得た足が竿を蹂躙し、扱き上げていく。
ハロ「ぅ・・・」
チト「どうだ?やっぱり私のが一番いいだろ?」
ハロ「あ・・・う・・・うん・・・」
348 名前: 79 Le souhait 智途編9(9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:26:07 ID:nFDVx5P0
チト「こらこら、じっとしてろ。ふふ、腰が動いてるぞ?」
なかなか射精させてくれない智途の責めに、俺は堪えきれなくなっていった。
ハロ「くぅ・・・だっ、て・・・」
智途は足を離してしまった。
チト「ほら、お前が勝手に気持ちよくなろうとするからだぞ?」
ハロ「う・・・早く・・・」
チト「仕方の無いやつだな。ほら」
智途は両足の裏で竿を覆ってしまった。
チト「お前は私の足で満足してろ。どうせ足でもここを扱かれると気持ちよくて仕方ないんだからな」
ハロ「う、あ、あぁっ!――」
俺は智途の足の間から、噴水のように射精してしまった。
その様子を、智途はあざ笑って見ていた。それが気持ちよくてしょうがなかった。
チト「もっとしてやろうか?それとも、お前は中に出したいんだったかな?」
ハロ「はぁ、はぁ、な、中に・・・。・・・!?」
ぎゅっ、と力を加え、亀頭を足の指で押さえつけ、亀頭に刺激を与えながらそのまま足コキを始めた!
ハロ「う、ぁああ!」
チト「ほら、もう一度聞くぞ?どっちがいい?」
ハロ「あ、ああ、足・・・あひぃ・・・」
チト「足か?ふふ、それにしても情け無い声を出すな、お前は。面白いからもう少しいじめてやるか」
ハロ「あ、ああぁ・・・(もしかして危険日?)」

ハロ「あー、死ぬかと思った」
深夜(になってしまった)。
智途は家にある大切なものの整理をしている。
チト「大袈裟な事を言うな。四回ぐらいしか出してないだろう?」
ハロ「デッドラインが見えたぞ。俺のロンギヌスが磨耗した」
チト「そんなわけないだろ・・・っと、もう少し少なくまとめるか・・・」
ハロ「なんかもう心まで犯されて逆らえませんです智途様」
チト「蕪雲みたいな呼び方はよせ。・・・こんなもんか。姉さんも具体的なアドバイスが無くて困るな」
智途は元気だのう。若いのう。
チト「明日は早い。早く寝よう」
ハロ「あ、ああ。それより、心の準備はできたか?」
チト「・・・お前のバカみたいな提案が何故か私の支えになっているのでな。お前には既に考えがあるのだろう?」
ハロ「一応な」
チト「なら、十分だ」
智途は、部屋の明かりを消し、布団に潜り込んだ。
俺も後に続く。
ハロ「・・・続きは」
チト「無い」

――午前四時。
わずかな荷物を持って、玄関先に立つ。
ハロ「寒い」
チト「本当に来るんだろうな?」
そう言った直後に、車の音が聞こえてきた。
しばらくすると、昨日乗って帰った車があった。車は、俺たちの前で停まった。
渋「その調子だと、乗るようだな」
チト「そのとおりだ」
渋「・・・血迷ったか」
ハロ「どうかな?」
俺たちを乗せた車は、静かにその場を去った。
349 名前: 79 質問42 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:27:09 ID:nFDVx5P0
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「けも耳系のエロゲ探してるんだけど」
ハロ「知りません。ゲストは雪花さん」
雪「は〜い」
(´・ω・)つ[]<しのたにも愛を(ry
79「・・・エンディングに最も遠い」
雪「どんな話になる予定なの?」
79「知られざる熾惺学院の謎に迫る。驚愕の生徒会の実態が今明らかに」
ハロ「スクープか」
つ[]<ベホイミ
79「ベホマがあれば要らない子」
ハロ「経済的だしな」
つ[]<蕪雲×毒男GOD ENDマダー?
79「ウホッいいEND・・・いや無いから」
蕪「早退するお」
つ[]<毒男をアンタップします。
79「(´・ω・)?」
つ[]<「由梨編は終わったのか…。残念だ…。」って銀髪の方が。
79「手がかりが少なすぎてググれませんでした」
ハロ「純粋に残念だなあ、でいいんじゃないか?」
雪「もうちょっと由梨ちゃんに甘えて欲しかったのよね?」
ハロ「うん。まあ、あ、いや、その」
つ[]<天井裏から愛を込めて
79「今、急いで上を見た。星空が見えた」
雪「風邪引くわよ」
つ[]<愛人召喚符(***)←***にはお好きなキャラをどうぞ
79「[]愛人召喚符(風祭こn)」
ハロ「阻止。没収」
雪「何に使う気なのかな〜?」
ハロ「(;゚д゚)ギクッ」
つ ≡〜◇
79「あぶないから投げないように」
毒男へ]<「ユリたんユリたんって(ry
79「以前書いたときは『兄とは呼びたくない』って言ってたような」
つ[]<煎餅のプレゼント
79「縦長いな」
ハロ「のり付いてるやつじゃね?」
蕪「まるじゃないのかお」
雪「パッケージよ」
79&ハロ&蕪「ソレ( ゚д゚)か?」
350 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 03:27:54 ID:nFDVx5P0
すでにバッドエンドへの選択肢が二つくらいある件

次週へつづく
351 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 06:20:33 ID:MmC1EFek
今週は俺が誰GJ!

>すでに選択肢が
やべぇ、俺BAD一直線だ。
ユリを罠に仕立て上げる79氏外道。


つ[]<そろそろウィッシュが思い出になる季節
352 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 07:21:32 ID:jdJ1oM20
さすがに無理があったか。
銀髪の方とはセフィロスのことです。
「星痕を無くしたのか…残念だ…」

まとめ見てたらACネタが多かったもんで。
353 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/16(月) 13:25:58 ID:rm5aT2Od
79氏FootJob
ハロとチトの覚悟で泣けそうになった。
涙腺が緩いのか、それともBGMがロード(虎○竜)だからか…
バッドエンドしか無いのなら、せめて感動したい今日この頃

つ[]たまには79氏とハロ以外のコンビで『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』をやってほしい昨日昼ごろ
  
354 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/17(火) 02:11:54 ID:oSIn82Bh
今週も泣きそうになりました。
続きも楽しみに待っています。



つ[]<都会の空に星をください
355 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 22:50:46 ID:CxFaXGvt
 基本的に僕とツルの登校時間は早い方で、教室の中に入っても人影はまばらなことが殆
んどだ。ワンツーで乗り込んで無意味に時間を潰すことも少なくない。今日はいつもより
も更に早めに登校してきたので誰も居ないと思っていたし、実際音も全くしなかったので
どう時間を潰すのか考えていた。しかしその予想は外れて、しかもうっかりそいつに挨拶
するのを忘れてしまった。
 その理由は、眼前の人物がしていた行動がシュールだったからだ。
 悪い意味ではない。ただ声を掛けて良いものなのか迷っている内に、その機会を逃して
しまっただけだ。そうして眺めていること数秒、行為が終わったらしく、こちらを見ると
笑みを浮かべてきた。見る度に思うのだが、こいつ程笑顔が似合わない奴もそうは居ない
だろう。内面はとても良い奴なのに、損していると思う。
「おはよう、一真。お祈りはもう良いのか?」
「おぅ、ついさっき終わったところだ」
 そう、ついさっき一真がしていたのはお祈りだ。それを学校の中ですること自体珍しい
ものだが、それを更に妙なものに感じさせているのはその外見だ。一真は敬虔なキリスト
教徒の母親の精神を強く受け継いでいるらしく、十字架を片時も離さず身に着けている。
それだけならまだ良いものの、父親譲りの凶悪な面構えや短く刈り込んだ色素の薄い髪と
合わさって、誰もが一目で超不良だと思い込むようなものに仕上がっているのだ。そんな
見た目の奴が朝も早くから教室でお祈りをしているのを見ると、言葉では中々表現出来な
い不思議な気持ちにさせられる。僕もこれを見るのは初めてではないが、それでも未だに
慣れることが出来ない。
356 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 22:53:55 ID:CxFaXGvt
 ともあれ、久し振りに見る友達の顔だ。積もりに積もった話もあるし、まずは何から話
していこうかなと思っていると、
「アンタ、停学中じゃなかったの?」
 ツルがいきなり気不味い質問を投げ掛けた。
 しかし一真は特に気にした様子もなく、
「昨日までだ。事情を上が知ったから、その温情で短くなったんだろ」
 それを聞いて、良かった、と思った。
 そもそも一真は非が全くなかったとは言えないにしろ、それ程悪くはないのだ。停学に
なっていた理由というのも短く言ってしまえば簡単なもので、自分の正義に従っただけの
ことだ。その結果こうなってしまったことは一真にとっては不運だっただろう。
 ある日学食で昼食を食べていたとき、近くの席で喧嘩が起きた。そこで世話好きの一真
が仲裁に入り事情を尋ねたところ、どちらにも非があったことが分かった。それを聞いた
一真はその場で説教を始め、最後は拳骨で締めくくったのだった。しかしその最後の拳骨
が良くなかったらしい。幼い頃からそうされて育ってきた一真が自然にした行動だったが、
校内では暴力事件として扱われる。そうして一真は停学になったのだった。
「そんなこんなで、もうかれこれ……どの位だったっけ?」
「十日間だよ」
 たったそれだけと言うのか、それとも、もうそんなに経つと言うのか。ただ思っていた
よりはずっと短かった。何故か八週間近く、二ヶ月程会っていなかったような気がする。
「それっぽっちか」
「あ? 結構長いぞ? 勉強しかやることがなかったからそればっかりやってたら、いつ
の間にか大学ノートが大体三十冊が溜ってた」
 それは、こいつだけじゃないだろうか?
「ンなことはどうでも良い。それよりも、お前の変態列伝でも聞かせろ。十日もあれば何
かあっただろ?」
 ねぇよ。
357 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 22:54:51 ID:CxFaXGvt
 と言うか何でこいつは普通に訊いてくるんだろう、まるで僕が常日頃から問題を起こし
たり、奇行を行ったりしているかのように聞こえてくる。僕自身は常識でしっかりと考え
て行動しているのに、たまにそうじゃないんじゃないかと思えてくる。この病んだ社会で
平和に暮らしてゆくには、個人の力というのは少し足りないのかもしれない。
「おい、何で遠い目をしてるんだ?」
「デリケートな問題なのよ、昨日四天王認定されたし」
 思い出させるなよ、本当に。
「それに、少しずつ治ってきてるんだから、あんまり刺激しちゃ駄目よ。変態に戻るから」
 何だろう、この妙な気分は。珍しくツルが直接的に味方をしてくれているの筈なのに、
何故か攻撃をされているような気分になってくる。しかも僕が変態だという意見は、もう
共通認識になってきているらしい。つい最近までは少しエロい男子生徒位にしか思われて
いなかった筈なのに、どうしてこうなったのだろう。
「その、何だ。すまんかった」
「分かってくれれば良いんだ」
「でもよ、カメも悪いんじゃねぇか? 前張りの妙なエロ本買ったり」
「燃やされたよ」
 懐かしきは我が戦友、夜空の星に姿を変えて僕を見守ってくれているんだろうか。炎に
身を焼かれながらもこちらをじっと見つめていた巨乳お姉さんの姿は、きっと永遠に僕の
心の中に残り続けるだろう。思い出は心を片時も離れることはなく、また黄金色の輝きを
失ってしまうこともない。それこそが、僕が生きてきた証でもあるからだ。
 僕のその想いが伝わったのだろうか、一真は辛そうな目を向けてきた。まぁ、こいつも
何だかんだ言って男だし、それに人の痛みをよく分かる優しい奴なのだ。
「大変だったな。もしかしてコレクションも全部か?」
「その通りだ」
「意味分かんない!! 男って皆こうなの!?」
358 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 22:57:09 ID:CxFaXGvt
 女には多分、一生分かるまいよ。
「あの本だけじゃなく、お気に入りも沢山あっただろ。特に尻を延々と責めるやつとか、
ストッキング関係で色々やるやつとかは異常なくらいテンション上がってたからな」
 あ、馬鹿、こんにゃろ。言うんじゃねぇ。
 そう言おうとしても時既に遅し、恐る恐るツルの顔を見てみると鬼のような形相をして
こちらを睨みつけていた。眉間に大きく皺が寄り、眉を立たせ、普段から不機嫌にすがめ
られている目は今や刃物のような鋭さを持っている。口元は辛うじて笑みのように見える
ものの、端は怒りをもって捲り上がり、毒の言葉を今にも吐き出さんばかりの迫力で僕を
圧倒していた。蛇に睨まれた蛙、と言うのはこんな状況のことを言うのだろうか。成程、
今ならその蛙の気持ちがよく分かる。こうなった以上、獲物である自分はただ震え、相手
が気分を変えるのを待ちながら死の恐怖に震えるほかない。
「ねえ、カメ」
 妙に優しい声を出してツルが立ち上がった。そのまま一歩踏み出すと、僕の頬に手指を
伸ばしてくる。あまりの恐怖に一歩下がろうとするが、滑らかに下がった手が僕の襟首を
掴み、距離を取ることを許さない。腰が抜けて崩れ落ちそうになったが、驚異的な腕力を
もって片腕でツルが僕の体を支えていた。身長差は約40cm、体重にして約30kg程の明確な
差が存在するのに、ツルの涼しげな顔からはそんなことは全く感じさせない。
「怒ってないから、正直に答えなさい」
 怒ってますがな、というのは恐ろしくて言えない。こんな状況でいつものノリを持ち
込んでしまったら、それこそ命取りだ。まぁそれは過剰表現だとしても、日常生活を普通
に送ることが出来ないくらいには痛めつけられる。実際、過去に何度かそんな目にあって
いるのでそれは折り紙付きだ。
359 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 22:58:13 ID:CxFaXGvt
「どこに隠したの?」
「何のことかな?」
 襟首が強く捩られた。
「あのね、この前燃やしたときにはそんなのは見当たらなかったの。全部のエログッズに
目を通したから間違いないわ。さあ言いなさいさもないと明日モロッコに強制輸出でカメ
の股間の亀さんとおさらばになってしまうわよ!!」
「タンスの一番下の段の二重底の奥です!!」
 さらば愛しき夢の国。
「おはようございマス、って何をしてるんデスか?」
「あ、おはよう。これはね、日常をより良くする為のスキンシップよ。アメリカとか西洋
だと馴染みがないかもしれないけど、これが日本じゃ普通なのよ」
 この国以外で日本という名前の国家があるのだと初めて知った。少くともこの国で今の
ようなことが普通に行われているとしたら、国民的異性間コミュニケーション不全で国家
転覆寸前に違いない。外務省の人や国際交流活動家もさぞや国民性や文化の説明のときに
苦労をしているだろう。やはりエリートという人種は一味違う。
 と言うか、
「ンな訳あるか!! 妙なことを吹き込むな!!」
 無理矢理ツルの手を引き剥がし、距離をとる。手足が短いとはいえ、この台風のような
圧倒的な力で攻撃される恐れがある以上迂濶に近寄って和むことなど出来はしない。
 取り敢えず身を隠すように一真に近寄ると、目を丸くしてこちらを見上げてきた。
「どうした?」
「何で外国人が居るんだ?」
 そう言えばセンスが転入してきたときは、こいつは停学中だった。それにこいつは変な
部分で真面目すぎるところがあり停学中に連絡をとることも出来なかったから、会うこと
どころか知るのも今日が初めての筈だ。僕から紹介しようとも考えたけれどツルも黙って
二人を見ているし、本人達に自己紹介をしてもらった方が良いかもしれないので、僕の方
も黙って見ていることにした。
360 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 23:00:22 ID:CxFaXGvt
 数秒。
 一真はゆっくりと口を開き、
「ギブ・ミィ・チョッコレ……ヤンキーゴーホーム!!」
「何でいきなり媚びてから牙を剥くんだよ!!」
「うるせぇ俺も今混乱してんだ」
 やっぱり僕が紹介した方が良いだろうか。一真はちょっと意味の分からない状態になっ
ているみたいだし、言われたセンスもセンスで呆然としている。ツルに話を振るにしても、
今は少しタイミングが悪い。
 僕は吐息を一つ。
「こいつは転入生のセンス、日本語は通じるから妙な英語を使わなくても大丈夫だ。で、
こっちが僕の昔からの友達の一真。ヤンキーじゃない」
 宜しく御願いしマス、とお辞儀を一つした後でセンスは小首を傾げた。こちらを見ると
不思議そうな表情で、
「昨日までは居ませんデシタよね?」
「昨日まで停学中だったんだよ」
 言うなりセンスは顔を青くさせ、一歩後退してツルの後ろに隠れた。
「や、ヤンキー!! ビデオに撮られマスー!!」
「撮らねえよ馬鹿!! 話を飛躍させるんじゃねぇ!!」
「朝からうるさいわね。あ、一真アンタ停学解けたんだ」
「おめでとう、大変だったね」
 いつの間にか登校していたらしいコイと水樹が話に加わってきた。これで一真も含み、
皆が揃ったことになる。教室の中を見回してみると、他の生徒達もそれなりに増えていた。
こうなればもう大丈夫だろう、人に迷惑がかかるようなことを嫌うツルは、もう暴れたり
してこないと思う。だから安心して愛しい人に近付いた。
「帰ったら覚えておきなさいよ?」
 あれ、昨日も言われた気がするぞ? そして本当にエラい目にあった気がするぞ?
「カメ、アンタ顔が青いわよ?」
 コイにまで心配される程、ヤバくなっていたらしい。
「アンタを保健室に運ぶのあたしなんだから、面倒かけさせないでよね?」
 そっちかよ。

361 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 23:03:10 ID:CxFaXGvt

 放課後、一真の停学解禁記念打ち上げをツルの強い要望で明日に延ばして、僕とツルは
帰りのHRが終わるなり速攻で帰っていた。万力のような力で僕の腕を掴み、半ば引きずる
ように僕を引っ張って帰宅したツルは、自分の部屋に戻らずに僕の部屋へと入り込む。
「動いたら半殺すわよ」
 半殺されたくないので動かないことにした。
 それを確認するとツルは何の躊躇いもなくタンスの一番下の引き出しを開いた。そして
段ごと持ち上げて引っくり返す。普通なら衣服が落ちてくるだけなのだが、普通ではない
部分がある。崩れた衣服の山の上に薄いベニヤ板が乗っており、更にその上には黒い二つ
の長方形がある。それを見ると、ツルは目を細めた。
「燃やすわよ」
 そう言って黒い長方形、二本のビデオを手に取った。
「返事は?」
「はい」
「……良かった」
 その返事に安堵したのか、急に力なく座り込む。そして涙目で僕を見上げると、
「本当に、もうエログッズない?」
「残念なことに、これで本当に最後だ」
「……良かった」
 先程と同じ言葉を吐くと、ツルは抱き付いてきた。僕の胸に顔を埋めているので表情は
見えないが、低く漏れてくる声で泣いているのだと分かる。いつもと同じ、泣き虫なこの
娘はいつも僕に対して不満を持っていて、いらついていて、そして最後にはこうして僕の
腕の中で身を震わせるのだ。多分それは、一生変わらない。
 数分。
「ごめんね、また泣いて」
「気にするな、もう慣れた」
 ごめんね、と再び呟いた後でこちらを見上げ、
「ね、好きにして良いわよ」
 それは、どういう意味なのか一瞬理解出来なかった。
362 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 23:04:04 ID:CxFaXGvt
 視線で尋ねるとツルは顔を赤くして下を向き、僕の胸を指先で突いてくる。いけない、
あまりの可愛らしさに脳内の煩悩リミッターが強制解除されそうだ。
 目を伏せているせいで僕のその葛藤に気付かないらしいツルは、絞り出すような声で、
「その、好きなんでしょ? お尻とか、ストッキングとか」
 そりゃ、大好物だが。
「だから、して良いから」
 その一言で完全に火が付いてしまった。思わず尻とストッキングの黄金コラボレートに
飛びかかろうとするが、しかしそれは僅か数cm手前で届かなくなった。あと少し、ほんの
ちょっと体を乗り出せば届く筈なのにそれが出来ないというのがこんなにもどかしいとは
思わなかった。何故だ、という想いを持ってその原因であるツルを見てみれば、いつもの
ように鋭い状態でこちらを見ている二つの目がある。
「あの、ツルさん?」
「言っておくけど、もう本とかで架空浮気も駄目だからね」
「もろちん」
「それを言うなら勿論でしょ!! 何でそんな下品な間違いすんのよ!!」
 いや、何故かと言われても。
「良いだろ、これからもっと下品なことすんだから」
「何か急にテンション下がってきた」
 それはいかん、とテンションを上げるべくツルの尻に手を伸ばす。幼い体にふさわしく
あまり丸みを帯びていないが、それでも女性特有の曲線はそれなりに存在していた。張り
も強く、手指でほぐすように揉むと快い弾力でもってこちらを押し返してくる。滑らかな
素材の手触りとこの感触は、まさに最高の手触りだ。いつまでも撫でていたい衝動に駈ら
れていたが、ツルがこちらを切なそうな目で見ていたので一旦手を止めた。
「どうした?」
「その、ね……胸の方も」
「ははは、この淫乱ロリめ」
363 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 23:07:42 ID:CxFaXGvt
 しかしそちらも大好きなので手を伸ばす。スカートからYシャツの裾を取り出してそこ
から手を入れ、脇腹から手を滑らせて乳にまで手指を這わせてゆく。勿論、その間も尻を
触り続けることを忘れていない。これは今日のメインだ、おろそかにはしたくない。そう
してダブルの触感を楽しみながら触ってゆくと、あることに気が付いた。
「ノーブラ?」
「今日、熱かったし」
 それとノーブラに何の関係があるんだろう。いくら熱いと言ってもブラジャーを外した
程度ではそれ程涼しくなるとは思えないし、いくらスリップ越しとはいえそれは不安なの
ではないだろうか。ツルには確か露出する趣味はなかった筈だ。
「その、ね。熱いとパッドが蒸れて、パッド外すとぶかぶかで」
 成程、それでいつもよりも乳が小さく見えたのか。それに、いつも感じていた違和感が
消えた。裸と制服姿で乳の大きさが違うように見えていたのは目の錯覚じゃなかったのだ。
どおりで揉めそうで揉めないと思った、それ程なら揉めないのも無理はない。
「何納得したような顔してんのよ」
「なんでもない」
 言いながら乳首を軽くつねり、擦りあげる。それだけでツルは高い声をあげながら身を
よじらせた。いつも思うのだがよほどここは弱いらしい。先程僕に頼んできたのも、尻を
いじられる僅かな恐怖から逃れる為なのかもしれない。
364 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 23:09:39 ID:CxFaXGvt
 ここで方向性を変えていつもの前の穴に行こうかとも思ったが、足が首にかかってその
考えを止めた。すべすべとした感触が僕の頬を撫で、更に眼前にはスカートが捲れ上がり
露出した下半身がある。乳をいじる僕の手指の動きにあわせて揺れる尻が、心の中の冷静
な部分を削りとってゆく。
 思わずストッキングに手をかけて、しかしそこで止めた。
「どうしたの?」
 ツルがとろけた目と荒い息で尋ねてくる。
「破って良い?」
「……予備はあるから」
 僕は遠慮なく破き、尻の肌を露出させた。白い部分に黒い繊維がうっすらと食い込んで
いる光景を見て絶叫したくなった。夢にまで見たものが、しかもそれが愛しい愛しいツル
の体で再現されている。
「じろじろ見ないでよ」
「すまん」
 見ない代わりに、触る。直に肌を擦り、揉み、ほぐす。下着をずらし、愛液を指の先に
絡めて後ろの穴の周囲をなぞるとツルは大きく体を震わせた。そのまま穴の中に指を侵入
させてゆくと、こちらを見て熱く長い息を吐く。
「入ってんの、見える」
 言いながら軽く出し入れさせると、大きく喘ぐ。どうやら、指の一本分くらいは大丈夫
のようだ。続けて二本に増やしたが、問題ない。これならば多分、入れても良いだろう。
逸物の先端に愛液をからませると、尻穴の入口に先端を触れさせた。
365 名前: 『ツルとカメ』×8 [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 23:11:39 ID:CxFaXGvt
「うあぁ、これで私も変態の仲間入りか」
「大丈夫、世の中にはアナルエントリーというものがある」
「それは目的が違うでしょ!!」
 これだけ元気ということは、恐怖も殆んどなくなっているだろう。
「入れるぞ」
 返事を待たずに一気に突き入れた。前の穴とは違う快感が伝わってくる。酷く狭い入口
とは裏腹に奥行きは広い。ツルの場合、体格を見て分かるように前の穴は奥行きはそれ程
深くない。と言うよりも結構浅く、七割程しか入らないのだが、こちらは根元まで埋まる。
動かすと全体が粘膜に擦れ、かなり気持ちが良い。
 快感に任せて激しく腰を動かす。大丈夫かと思ってツルの顔を見てみると、苦しそうに
しながらも確かに喘いでいた。ほんの少しだが、自分から腰も動かしている。
「ね、カメ。気持ち良い?」
「やばい、もう出そうだ」
 唇を重ね、舌を絡ませながら腰の動きを更に激しくする。
「もう、出る」
 言葉と共に、中に放出する。
 尻穴から引き抜くと、そこから白濁した液体が泡の弾けるような音と共に溢れてきた。
上気した顔やとろけた表情、荒い息や全体で息をするように呼吸にあわせて揺れている
汗ばんだ体が合わさり、色っぽいと言うよりもいやらしく見える。
 しかし、それよりも一番似合う言葉は、
「綺麗だな」
「馬鹿、この変態」
 ツルは強い笑みを浮かべ、
「さ、燃やしに行くわよ」
 やばい、すっかり忘れていた。
 さらば我が青春。
366 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/10/18(水) 23:13:08 ID:CxFaXGvt
今回はこれで終わりです

>>330
やったことないけど興味沸いた

>>331
先生……ノーマルなキャラが、書きたいです……

>>335
どんまい、超頑張れ
かなり楽しみにしてる

>>337
実際に読めば分かる話だが、残念なことに皆そんなタイプじゃない

>>79
超マジGJ!!
文才を90%くらい分けてほしい


男が少なかった気がしたので、新キャラ追加
辛うじてノーマルですね?
367 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/19(木) 10:42:40 ID:dPs6bU4g
最初の頃は「おいおい、こりゃツンデレを通り越して鬼畜ちゃうか?」
とすら思ってたんですよ、ツルの事。
今回普通に萌えたのは何故なんだろうか…FJ。
368 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/19(木) 22:08:31 ID:fZxsV8+F
GJ!GJ!
乙です!
369 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/21(土) 15:00:32 ID:Uybrhjvs
ロボ氏GJ!
一真の「ギブ・ミィ・チョッコレ……ヤンキーゴーホーム!!」 に吹いたw

行為をしても廃棄は忘れない、それはツルのジャスティス?
370 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/21(土) 18:36:32 ID:tl6VZhVz
>>368
ロボ氏GJ!
カップリングが確定してきましたね
371 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 01:36:35 ID:KkltNXvE
チト……お前は大好きだけど、やっぱり俺はツンシナリオが気になるんだ。次にしのた。



つ[]<しのたん!しのたん!エボリューション!!
372 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:01:33 ID:EI074uR0
デデッデデデッデデレデレデレデレ デデッ デレレレ ツッツクツッツクツッツクツッツク・・・
の続きがツン→ハロの着メロ
>351
智途編みたいな殺伐とした状況だったら、由梨が出てきたところで飛びつきたくなるのも止むを得ない
その場合、せっちゃん助からないけど
>352
DVD持ってるけどわからなかったのでプチ遺憾
っていうかこのスレ見てても言うわけ無いだろwww思い出の中でじっとしてろwww
>353
何故ロードなのか気になr
まあそれぞれのエンドに相応しそうな曲が見つかればよいのだ
>354
なんだか落ち着いてますな。
>355(ロボ氏/『ツルとカメ』×8)
>その一言で完全に火が付いてしまった。
(*´Д`)'`ァ'`ァ激しく同意
>架空浮気も駄目だからね
( ;゚Д゚)!
き、鬼畜!宝を燃やしたんだぞ!人が死んだんだぞ!皆、煙となって天に昇・・・
架空ダメでも妄想は自由さね?なら気にする事でもないさね
でも文才90%とはハイリスク ノーリターンさね。 ダメ。ゼッタイ。さね
>371
ツンシナリオはもうちょい後ッス
373 名前: 79 Le souhait 智途編9(10/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:02:35 ID:EI074uR0
渋沢さんが運転する車の中では、会話は一切無かった。
まだ、自分たちのしでかした事が、しでかそうとしている事が実感できていないのか、無言だった。
――今なら、まだ戻れる。
そんな賢明な誘惑が、臆病な心の中には潜んでいた。
血迷った、なんて言われても仕方が無いさ。
別に今の生活が嫌だったから今の生活を捨てに走ったわけじゃない。
そうしないと智途を失う、というわけでもない。
だが、雪花さんを失う。
では、俺にとって雪花さんとは何なのか?
好きな人の姉でしかない。単なる姉じゃなく、可哀想な運命にあって、妹思いで、彼女にとっても大切な姉。
もし、智途が『雪花さんを見殺しにする決心がついた』なんて言ったらどうする?
それでも『俺たちと同じ運命に立たされるであろう不特定多数を助ける』だろうか?
そんな筈は無い。
端(はな)から、『誰かを助ける』気なんか無いんだ。
腹は決まってる。
凶弾が襲い掛かろうが、爆弾が落ちようが、例え四肢が無くなろうが、何があっても智途を守ってみせる。
絶対に。

大きな橋を渡り、高層ビルが立ち並ぶ見知らぬ土地まで車はやって来た。
幾つかの立体交差を越え――ここは本当に同じ世界かと、思うほどであった。
ビルを覆う無数の窓ガラスは、昇りかけた太陽の光を鏡面のようにギラギラと反射していた。
ふと、座席に置いた俺の手の甲に感触があった。
目を左手に遣る。智途の手が重なっていた。
俺は一瞬声を掛けそうになったが、やはり無言のまま、手を返し、智途の手を握った。
そしてまた、窓の外を見た。
道路の影が車を大きく覆って通り過ぎる。
そこから見えたビルは、無表情に朝日を反射し続けていた。

渋「もうじき、車を停める。停まったら緋柳の支持を受けろ」
車が街の中に入って数分。渋沢さんが口を開いた。
ハロ「わかりました」
車は角を曲がり、俺は視界に緋柳さんの姿を捉えた。
緋柳さんは相変わらずのメイド服姿だった。目立ち過ぎはしないだろうか。
車は何の合図も無しに停まった。
俺たちは急かされるように、互いのドアから素早く外に出た。
緋「こっちです。急いで下さい」
走って建物の入り口へ向かう緋柳さんを追って走る。
智途は俺の後からついて走ってきた。
昨日とは比べ物にならないくらい立派な施設である。
急いでいたのでよくは見えなかったが、少なくとも十階建てぐらいはありそうなビルだった。
立ち止まる必要は無い。
ハロ「智途」
手を差し伸べる。
智途はすがりつくように、差し出した手を握った。
俺は臆病な感情を噛み殺しながら、自らの進むべき道を走った。
緋柳さんの足は速く、俺たちより先にドアにたどり着いた。
数秒、ドアの前に立ち止まると、ドアは素早く開いた。
監視カメラのようなものも何も無かったが・・・その事は別に気にしないことにしよう。
再び走り出す緋柳さんの後を、俺たちは追った。
374 名前: 79 Le souhait 智途編9(11/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:03:16 ID:EI074uR0
緋「もう大丈夫でしょう」
階段を上り、真っ白で無機質な部屋にやって来た。
部屋には、観葉植物とソファーと低いガラスのテーブルが一つ、整然と配置されている。
窓は無いが照明が十分に照らしているため、部屋は明るかった。
緋「どうぞ、お掛けになってください」
言われて、俺と智途はソファーに座る。
チト「姉さんは?」
智途が聞いた。
緋「今、センチネルの組員たちに作戦内容を伝えているところです。長くなると思います」
ハロ「どうしてですか?」
緋「おそらくこれが・・・」
そこまで言って、緋柳さんは口を噤んだ。
チト「姉さんには、会えるんですよね」
緋「はい」
智途は安堵の表情を見せた。
緋「私もそろそろ行かなければなりません」
そう言って、緋柳さんは部屋の奥のドアへ向かった。
緋「会議が終われば、私かせっちゃんがここに来ます。しばし暇願います」
ハロ「ルームサービスは?」
緋柳さんは微笑み、
緋「・・・邪魔してはいけませんでしょう?」
と言って、部屋から出て行った。
ハロ「遠慮されちまったな。流石はメイドだ。気が利いてる」
ソファーに深く腰掛ける。
チト「・・・音がしないな」
ハロ「そうだな、何も聞こえてこない」
建物の中とは言え、都会の真ん中にある筈のこの部屋は、息遣いが聞こえそうなほど静かだった。
チト「怖くないのか?」
ハロ「全然怖くない」
チト「はは・・・私は急に怖くなってきてしまった。駄目だな、私は」
智途は隣のソファーから身を乗り出し、手を差し伸べてきた。
チト「な、なぁ。手を握っててくれないか?」
ハロ「ああ。お安い御用」
俺が手を握ると、智途は再びソファーに座り直した。
チト「ハロは強いな。虚勢には見えない。どうしてそんなに泰然と構えてられるんだ?」
ハロ「ふむ・・・そりゃ、俺は智途を守らなければならないからだ」
チト「どうして私なんかを命がけで。究極のところは他人じゃないか」
ハロ「そりゃ、お前が好きだからだ」
チト「む、簡単に言うんだな。その、熱血と言うか何と言うか」
ハロ「嫌か?」
チト「い、嫌じゃない!私も、その、ハロの事が好き///と言うか何と言うか」
それに俺は熱血と呼ばれるほど実直でもない。
ハロ「簡単には言ったけど、俺の気持ちは偽りじゃない」
チト「ハロ・・・」
ハロ「智途が信じられないような俺の行動は全部、智途のことが好きだからやったんだと思ってくれて相違ない」
チト「好き好きって言うな。恥ずかしいじゃないか///」
ぎゅ、と握る手に力が入った。痛い。
チト「ふふ、でも嬉しい。昨日の晩、あんなに喘いでいたハロが嘘のようだ」
ハロ「それは言いっこ無しにしてくれ」
ようやく、智途の笑顔を見ることができた。
375 名前: 79 Le souhait 智途編9(12/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:03:53 ID:EI074uR0
ハロ「・・・」
携帯電話で時間を確認する。
既に三十分が経過していた。
チト「長いな」
ハロ「ああ・・・」
ちょうどその時、ドアが開いた。
雪「・・・」
緋柳さんと雪花さんが現れた。雪花さんは俺たちを見るなり、真剣だった顔を悲しげな表情に変えた。
だが目を閉じ、決心したような顔で俺たちの方を見直し、口を開いた。
雪「作戦の内容を伝えるわね」
雪花さんは緋柳さんからペンとノートを受け取り、テーブルにそれを開いて置いた。
そして、淡々と説明を始めた。
雪「オミナス本社には、私たち特化人体を拒むバリアが張ってあるの。そのバリアは特化人体に組み込まれた
 特殊な塩基対に反応し、それを変質させ激しい痛みを伴わせながら死に至らしめるものなの」
組み込まれた特殊な塩基対――本当にそんなものが存在するのか。
一瞬そう思ったが、存在するらしい。現に目の前でその人が作戦を説明しているじゃないか、と。
雪「それによって今まで特化人体たちは反乱を起こすことなく大人しくしてたのよ」
俺たちは黙って説明を聞いているしかなかった。
雪「で、ハロ君たちにはそのバリアの解除に向かって欲しいんだけど・・・って、前も言ったわね」
チト「ね、姉さんは何をするんだ?」
雪「・・・特化人体以外のセンチネルは、オミナスがやっている事をマスコミに発表して、私たち特化人体は・・・」
雪花さんは微笑した。
雪「今更、隠してもしょうがないわね。戦闘をするのよ」
チト「戦闘って!それじゃ――」
そう言って智途は立ち上がったが、何か続けて言おうとした言葉を噤み、再びソファーに腰掛けた。
チト「大体、こうなるんじゃないかと勘付いていた」
雪「やっぱりね。ごめんね、智途」
チト「いい。姉さんには、姉さんの信じたとおりにやって欲しい。別に、寿命が短いからとかじゃなくて」
雪「わかってる」
チト「それだけで、ここまで来たんだ。今までずっと一人で戦ってきた姉さんの役に立ちたい」
智途は、膝の上に置いた拳を強く握った。
チト「例え足手まといになっても、私は・・・!」
諦観していたように、微笑んで智途の話を聞いていた雪花さんの頬に、やがて涙が伝った。
・・・雪花さんは智途を静かに抱きしめた。
智途も涙を流し、雪花さんを抱き返していた。
チト「だから姉さん、無事で帰ってきて・・・」
雪花さんは智途の頭を撫で、それから体を離した。
雪「残念ながらもう、時間が無いわ。緋柳」
緋「はい」
緋柳さんは、俺たちに移動するようジェスチャーを送った。
それに従い、雪花さんから離れて行ってしまうのを感じながら、俺たちは歩き始めた。
雪「ハロ君」
呼ばれて、俺は振り返った。
雪「よろしく、頼むわね」
ハロ「・・・はい。必ず」
俺が力強く返事をすると、雪花さんは笑顔を見せ、踵を返した。

ビルを出るとすぐに高速に入った。
緋柳さんは時折誰かと連絡を取りながら運転している。
智途はまた窓の外を見つめ・・・俺からはその表情を窺い知ることはできない。
376 名前: 79 Le souhait 智途編9(13/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:04:33 ID:EI074uR0
緋「通常・・・」
緋柳さんが突然、口を開いた。
緋「特化人体は『生まれる前』、オミナスの研究室で培養され、それから人体に移されます」
独り言のように続けた。
緋「とすればオミナス側は何らかの方法でバリアをクリアし、外界にそれをもたらしている筈です」
ハロ「一方通行なんじゃないですか?」
緋「かも知れませんが、オミナス側にバリアを解除する方法があると言うことは確かです」
ハロ「それはまあ、作った側ですから」
緋「それは、作った人間だけが解除できるという仕組みだそうです」
ハロ「はは・・・待て待て」
それは大きなミステイク。
ハロ「わかると思うけど、俺は普通の健全な男子学生であって、そんなバリア作った覚えは」
緋「不思議な事に・・・」
緋柳さんは俺の言葉を遮って言う。
緋「解析の結果、遥様は『解除できる体質』であるとの事です。当初、私たちも疑いを持って」
ハロ「俺の何を解析したんですか?」
緋「せっちゃんから色々採取してきてもらいました」
ハロ「例えば?」
緋「髪の毛や、汗、それと珍しいものではせいえk」
チト「それ以上言うな!」
緋「初めはサンプルになるかとさえ思」
チト「言うな!ああもう、姉さんも真面目なんだかそうでないんだか!///」
ハロ「落ち着け、ジョークだ」
チト「笑えないぞ」
って言う事は、俺の『せいえk』は緋柳さんを始めセンチネルの女研究員たちにも見られたのか。
『研究のためにあなたのせいえkが必要なの。出してぇ』とかそういうシチュ
待て待て。こんな時の妄想してどうする。一大事なんだぞ。
緋「もうじき着きます。お帰りの際、迎えを呼ぶにはこの玉を砕いて下さい」
そう言い、緋柳さんは後ろ手に小さな青い玉を俺に渡した。
光に透かして見るが、やはり青い玉だ。直径は3センチぐらい。
俺に分析できるわけが無いよな。
チト「ちょっと見せてくれないか?」
ハロ「おもちゃじゃないぞ」
チト「子ども扱いするな!貸せ!」
興味津津ですか。

緋「これ以上進めません。御武運を祈ります」
車は、塔のようにそびえるオミナス本社の前で停まった。
緋「ここからはバリア区域になります。車を降りたら脇の生垣の外から回って侵入して下さい」
ハロ「だ、大丈夫なんですか?」
緋「まだ我々の動きは覚られていません。もし覚られていたとしてもバリアシステムを過信しているでしょうから」
俺たちは半信半疑だったが、戸惑っている暇も無いようだ。
ハロ「行くぞ」
チト「わかった」
俺たちは決心し、車を降りた。
急いで生垣のほうに回り込む。もちろんバリアの影響は無い。
緋柳さんが乗った車は、すぐさまその場を去っていった。
敷地内には、誰も居ないし、何も無い。
見えない恐怖とプレッシャーを感じながら、俺たちは一心不乱に社内へと向かった。
377 名前: 79 Le souhait 智途編9(14/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:05:27 ID:EI074uR0
すんなりと社内に入ると、きらきらと輝くダイヤのような球体が俺たちを迎えた。
これが、とても人・・・特化人体を激痛の末、死に追いやるものだとはとても思えない。
チト「これがバリアシステムなのか?」
ハロ「そうみたいだな。取り合えず触ってみるか」
俺が何気なくその球体に触れると、あたりは真っ白な光に包まれた。
ハロ「!わっ!?智途!」
俺はとっさに智途の手を握った。
チト「な、何だ!?一体――」

・・・。
ハロ「う・・・」
目を覚ますと、俺たちは空虚の中に倒れていた。
何も無い、真っ白な空間だ。
右を向く。
チト「どうやら、無事だったようだな」
ハロ「ああ。取りあえずは」
俺たちはその場に立ち上がった。
何だ。何も無い。
ハロ「俺はバリアを解除しなきゃならないのに!罠にかけられたか!?」
?「少年」
ハロ「誰だ!?」
後ろを振り向くと、白衣を着た男が立っていた。
無表情で、機械的で、その男が人間である事を感じさせない表情だった。
だが、俺にはわかった。
あの目つき、あの髪の色、あの態度、そして、智途のこの反応。この男はまさしく、
チト「長岡、雪那(せつな)!」
雪花さんの、智途の父親。
チト「よくも、よくも姉さんを実験台に使ったな!絶対に許せない!」
セツ「少年」
ハロ「智途のことは無視するのか」
セツ「今すぐ引き返せ。そうすれば我々は今後一切お前たちに手を出さない事を約束する」
本当に、こいつは――
ハロ「せっかくですけど、これは大事な約束なんですよ、雪那さん」
セツ「・・・」
ハロ「せめて最期くらい、自分の娘の好きにさせてやろうとは思いませんか?」
セツ「少年。お前はここに侵入こそできたが、バリアの解除の方法など知らぬ。それで終わりだ。約束は不履行だ」
ハロ「確かに俺は知りませんよ。でもあなたが教えてくれるなら、もしくはあなたがご自分で解除できますよね?」
セツ「・・・今引き返すならば、智途には手を出さない」
ハロ「――!」
その一言に、俺の心は大きく揺らいだ。
チト「・・・ハロ?」
俺は自分の事だったらいくらでも投げやりにできる。多少のリスクなんて屁でもない。
だが、この、かけがえのないこの人の存在だけは失ってはならない。だがバリアを解除しなければ・・・。
その時、辺りが再び光に包まれた。
元の場所に戻される――そう思った。だが、目を覆う輝きが止んだ時、そこはまた、白い空間だった。
ハロ「!ち、智途!?」
居ない。俺と雪那を残してどこかへ消えてしまった。
ハロ「貴様!智途をどこにやった!」
雪那の胸倉を掴んで叱す。
セツ「偶然ではない・・・」
ハロ「何!?」
378 名前: 79 Le souhait 智途編9(15/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:06:22 ID:EI074uR0
セツ「智途は元居た場所に戻しただけだ。手を離せ」
ハロ「・・・」
俺は手を離した。
セツ「偶然では無いのだ。私が少年を呼び寄せた。私もお前と同じ、一対一で話したいことがあるのだ」
俺と同じ?俺の考えている事がわかるとでも言うのだろうか?
セツ「バリアを解くにはこのボタンを押せばいい」
雪那はポケットからタバコの箱程度の大きさの機械を取り出し、俺にそれを投げ渡した。
ハロ「何のつもりだ?」
セツ「昔、赤ん坊だった雪花を見て罪悪感に駆られた。それは表面上平静を保たねばならぬが故に大きかった。
 追い詰められていった私は、普通の人体を特化人体に近づける筈の薬を自分に打った」
ハロ「・・・それで、罪は償われたか?」
雪那は続ける。
セツ「薬は、至極相応な効果を私に与えてくれた。身体能力、思考力、それらの向上はオリジナルに近いほどまでに。
 だがその反面、罰と呼ぶに相応しい副作用が現れた。・・・感情の喪失だ」
ハロ「・・・」
セツ「感情は、徐々に失われていく。自己の能力が優れている事。反面、感情の無いこと。それはまるで自分が
 機械になったかのような錯覚を見せる。人間に作られた『物』になっていくような錯覚だ」
そういう雪那の顔は、最初と変わらないまま、無表情で居た。
セツ「少年。私は殆ど感情を失くした今でも感じるのだ。その恐怖を。だから人の心のあるうちに、人間らしい事を
 したいと願っているのだ。自分の娘の幸せを願う事を。それは表情にこそ表れないが・・・そうだ、少年」
雪那は、まっすぐな瞳で俺を見た。
セツ「この話は、雪花や智途には話さないでおいてくれないか?」
何故?俺はそう問いそうになった。
しかしこの人は失ったのだ。二人と人の心を持って接する機会を。もう二度と、その時間は還らない。
ハロ「わかりました」
雪那は目を閉じ、頭を垂れた。その目からは、涙すら流れてこない。
俺はそんな雪那を前に、受け取った機械のスイッチを切った。

・・・。
?「・・・ろ!ハロ!」
目を開ける。
ハロ「・・・あ、谷間」
チト「ってどこ見てんだ!///心配して損した!」
胸元を隠しながら、さっと体を離す智途。
ハロ「ここは、元の場所か」
見渡すと、輝く球体があった部屋・・・の筈なのだが、その球体はどこにも無い。
ハロ「ああ、バリア解除したから消えたのか」
チト「ば、バリア解除できたのか!?」
ハロ「ああ!俺にぬかりは無いのさ」
チト「道理で警報が鳴ってるわけだ」
ハロ「言おうよ早くそういう事はもっと!連絡!玉!玉砕け!俺のじゃないぞ!」
チト「わかってる!もう、これだな?」
智途はポケットから青い玉を取り出し、床に置くとそれを踏み砕いた。
ハロ「いたそう」
チト「冗談言ってる場合か!とにかく、あとどうすればいい!?もし誰かがここに来たら・・・」
ハロ「大丈夫だって。俺は主人公なんだから死ぬわけ無」
雪「伏せて!」
発砲音とともに、伏せた俺の頭上を通過していく銃弾。
ハロ「せ、雪花さん!」
雪「ハロ君。よくやったわね。あとで褒めてあげるから今は下がって!」
そんな事言われたら尻尾もぶんぶん振れるほどの喜
発砲音とともに、伏せた俺の頭上を通過していく銃弾。
チト「何やってるんだ!早く逃げろ!」
379 名前: 79 Le souhait 智途編9(16/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:07:02 ID:EI074uR0
こんなに本格的な戦いは、何年ぶりだろう。
こんなに迷いの無い戦いは、多分初めてだろう。
センチネルの部隊が合流。防衛システムに頼っているせいか、精強な社員こそ少ない。
だがシステムはもちろん、それによる罠や、やつらの知略にかかったら死は確実。
まずは如何に銃弾を届かせるか。
角が多いため、死角が広い。一つ一つに細心の注意を払う。
雪「後悔してない?」
緋「何をですか?」
雪「バカな事をした、無謀な事をした、って。私はただ、焦ってるだけなのに。・・・付き合わせてごめんって事」
緋「いいえ。せっちゃんは私の初めての友達ですから・・・」
前衛交代の合図をし、兵を先に進ませる。
緋「特化人体だと、理由もわからずに敬遠されてた子供の頃。自分と同じ人が居るなんて思いませんでした」
雪「言葉遣いも変わったわね。メイドとして働くようになってから」
緋「はい。理緒お嬢様が、ちょっとせっちゃんに似てるんです。見ていると、なんだか思い出されてきて」
雪「あのお嬢と?へえ・・・」
?「お喋りはそこまでだ」
二発の発砲。
私たちの背後の天井のタイルが二枚、床に音を立てて落ち、銃を持った人が天井からドサッと落ちた。
渋「お前たちはここで死ぬために生まれてきたのか?」
二丁のハンドガンを手に現れたのは、渋沢だった。
雪「随分遅い到着ね。重役出勤のつもりかしら?」
渋「ふっ・・・私もあのまま逃げても良かったんだが、無関係では済みそうでないんでな。誰かさんの『おかげ』で」
緋「これで三人揃いましたね」
にこ、と微笑む緋柳に、私と渋沢は顔を見合わせた。
渋「そう、だな。では行くか」
もう後戻りはできない。
でも私たちはいつだって、そういう気持ちで少ない残された時間を一秒一秒生きてきたの。
でも、それはハロ君たちにも同じ。
過ぎた時は、一秒たりとも戻ってくる事なんて無い。
だからあなたたちは、私たちとは違う、二人の時間を過ごして。
私はできるだけ多くの人に、大切な明日を残していくつもり。
緋柳と、渋沢と、センチネルの人たちと――。

ハロ「うむ、うまい」
チト「本当か?」
ハロ「智途はいいお嫁さんになれるな」
チト「・・・それってかなり的外れな」
ハロ「冗談だよ、冗談」
――熾烈な戦いが終わった。
俺たちは出立の二日前に居た、あの秘密の別荘にかくまわれた後、そのままそこに住んでいる。
だって誰も迎えに来ないんだもん。
今はのんきに朝食を摂っているわけだが、ほとぼりが治まったら学院にも顔を出そうかなと思っている。
チト「な、なあ。こうしてると、なんだかふ、夫婦みたい、じゃないか?///」
ハロ「ああ、そうだな。・・・」
"今から丁度一週間前、ITIAで起こったオミナス爆破テロ事件ですが、反オミナス団体、通称センチネル・・・"
ハロ「誰も信じちゃくれないと思ってたが、案外、うまくいくもんだな」
センチネルが流した情報は、警察や専門化によってその信憑性が裏付けられ始めていった。
俺は智途に雪那が遺した言葉を伝えてはいない。
雪那が雪花さんたちと対峙したのかも、誰が亡くなって、誰が生き残ったのかも、俺たちは知らない。
数字が好きなテレビは、ただ被害状況をテロップで流しているだけだ。
・・・。
380 名前: 79 Le souhait 智途編9(17/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:07:39 ID:EI074uR0
人々は歓喜の叫びを上げる。
オミナスは崩れ落ちた。まだ人々の興奮が冷めやらぬように、土煙もまだ宙を舞っていた。
渋「さ、そろそろ消えるか」
予てから計画していた、特化人体だけが住む、特化人体の理想郷。
私たちはこれから、そこに向かう事になる。
誰にもつけられない様に、慎重に慎重を重ねながら。
俗世を捨てる。もう私たちは完全に社会から見て異質な存在。
自分と違う存在に嫌悪感を抱く人間にとって、私たちはあまりに受け入れがたい存在。
賢い私たちは、そう判断して。
雪「ここでワイワイやってるやつら、本当に全員来るかしら?」
渋「さあ、な」
来ないにしても、彼らの持つ時間はあまりにも短い。
雪「さっきから、何情け無い顔してんのよ、緋柳?」
緋「いえ、別に」
雪「でっかい事やってのけたんだから、たまには笑わないとダメだぞ?」
どうしても、せっちゃんの笑顔を笑顔として見る事ができない。
私も、こんな顔してたらダメなのに。
渋「ふー・・・」
渋沢さんは大きくタバコの煙を吐いた。
渋「あの二人に会わなくていいのか?」
・・・せっちゃんはその言葉を聞いて、笑った。
雪「こんな時だけ優しい言葉を吐くのね?」
渋「手紙なら渡してやってもいいぞ」
雪「・・・。私はこれで本当に満足だから。今度会うときは、『死んだ』って伝えてくれない?」
渋「断る。私はもう戻らんのでな。そういうことは緋柳に頼め」
せっちゃんはすたすたとこちらに近付き、微笑む。
雪「冗談よ」
緋「せっちゃん・・・」
雪「緋柳も、理緒ちゃんに手紙でも書いたらどう?内容が喜べるものじゃなくてもいいから」
緋「はい。でも、私はせっちゃんについて行きます。私だって、せっちゃんの幸せを願う人の一人ですから」
雪「・・・ありがと。緋柳が友達でよかったわ」
渋「乗れ。そろそろ人が動き始めた」
私たち三人は車に乗り、誰にも見つからない、特化人体の理想郷へと進み始めた。
理想郷とは名ばかり。言っても待ち受けるのは残り少ないわずかな時間と、知人の死ばかり。
それでもいい。たとえ自分たちのした事が歴史に残らなくても、私たちは知る事ができる。
私たちと言う異端な存在は確かに存在したんだと、人間が犯した過ちから生まれた存在だったということを。
その罪を還し、罰を受け、・・・そこはまるで、あの世のようなところかもしれないね、せっちゃん。

一ヶ月経っても、雪花さんは戻らなかった。
理緒の力で俺たちが学院に留まらさせてもらってはいるが、あまり間隔が長くなるとまずい。
そして前々から、この日をこの隠れ家を出る出立の日にしようと決めていた。
懐かしい、熾惺学院前駅。懐かしい街並み。思わず、涙が出るほどに。
この日は平日。ツンたちに会う可能性は低い。が、それが逆に良かったのかもしれない。
ハロ「智途」
智途の家の前に立つ。
チト「・・・姉さん・・・」
ハロ「よしよし、泣くな。俺たちは、できるだけのことをしたんだ。した筈だろ」
なのに、涙がこみ上げてくる。
いつかこの日が来ると覚悟してはいたものの、それは口だけの覚悟でしかない。
その事を、智途と、俺と、雪花さんで三人で暮らしたこの家はわからせてくれる。
381 名前: 79 Le souhait 智途編9(18/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:08:31 ID:EI074uR0
帰宅した俺は、由梨からの涙ながらの歓迎を受けた。
学校でも大騒動になって、理緒とツンのケンカも見納めにはならなかった。
蕪雲も通常の三倍の速さで智途に近付いたが、俺が光の速さで跳ね除けた。
それからは殴り合い取っ組み合い、東雲てんてーに叱られ職員室に呼ばれ、いろいろな事がありました本当に。
俺たちがあのテロ事件に一役買ったと言うことは、誰も知らない。
毒男に渋沢さんの事を聞く、あるいは理緒に緋柳さんのことを聞くと、
毒「ま、確かに居なくなって見るとちょっとは寂しいかな。あんな叔父さんだけど」
理「せめて、緋柳にありがとうくらい伝えたかったですわ・・・」
などと、なにやら適当な理由をつけて別れられたらしい。
雪花さんを追う手がかりも――全く残されていなかったということだ。

――当初の予定からは、ちっとも外れていない。
敢えて智途と一緒に雪花さんを助けると言う名目でセンチネルの作戦に参加。
もちろん、雪花さんを普通の人間に戻すとか、そういう気はさらさら無い。雪花さんの死は前提の上だ。
ただ、何もしないで死なすよりは、何かして、できるだけベストを尽くしたような感じで死なせてしまったほうが、
智途にとって印象が良く、心に根ざすだろう罪の意識も軽くて済む。時間が罪の意識を取り除いて、終了。
雪那に俺の心情を多少読まれてしまっていたかのようなフシはあったが、結果的には問題ない。
俺は、すべてを智途を中心に行動していた。
俺は智途が好きだから。エゴでも構わない。俺は智途のものだ。

ハロ「ぅ・・・も、もう・・・」
チト「情け無いやつだな。そんな調子でいつ私の中に挿れられるんだ?」
智途は精液にまみれたニーソックスでさらに扱くスピードを上げた。
ハロ「――っ!」
俺は耐え切れず、またも智途の足に射精してしまう。
チト「あっ・・・///こらこら、どうしようもない変態だな。仕方ない」
朦朧とする俺の前で、智途は服を脱いだ。
チト「さて、ちゃんと子供ができるように中で出してもらわねばならん」
そう言いながら、智途は俺に跨り、手で竿を固定しながら・・・挿入した。
チト「ぅ・・・///ふう、無駄にでかいな、お前の・・・は///」
やや前かがみになり、両手で俺の両手を抑え、封じる。
チト「ふふ、せいぜい早漏呼ばわりされないように耐えてみる事だな。・・・んっ///」
ハロ「すでに呼ばr・・・ぅあっ!?」
智途はそのまま腰を動かす。
俺は両手を押さえられたことで妙な束縛感を覚え、動けない事が逆に興奮してしまう。
更に、目の前で揺れる豊満な乳房を見せ付けられ、耐えようと目を閉じれば今度は膣の感触が気になり始めて、
簡単に言うならば耐えられない。耐えるどころか、もっと犯して欲しいと思ってしまう。
ハロ「あ、ぁ、ああ・・・」
チト「んん?お前のがカチカチだな。もう・・・あっ、ああっ!///バカ、まだ出せって、言ってな・・・!///あ・・・///」
俺は智途の中に射精してしまった。
チト「・・・ふぅ、まったくお前は、・・・ハロ?・・・寝たか」

俺は智途と結婚し、幸せな生活を送っていた。
智途は誰からも好かれる。
蕪雲もしのたは今でもたまにうちに遊びに来る。尤も、俺は由梨を江川家に返してしまったが。
それでも江川家に行く時は、智途は当然『おねえちゃん』なので、智途も可愛い妹ができたと嬉しそうだった。
俺はどうも長期出張に耐えられず、同僚からはよく『父親の鑑だ』などと笑われたりもした。
まあ、これも智途への愛を以てすればの事だ。
ハロ「これからも愛を以て接する事にするぞ」
チト「な、なんだ突然///」
智途の過去に曇りは無い。俺が命がけでバリアを解きに行った、何度も俺が勇気付けた事しか。
だが、俺が踏み消した空白の過去を――あの父親の気持ちを、俺が捻じ曲がった画策をしていた事を、
その曇りが心の中から消え失せる日は、

果たして、来るのだろうか?

                                            -Le souhait-
382 名前: 79 質問43 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:09:24 ID:EI074uR0
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「今日は四枚!」
ハロ「・・・。智途」
チト「私にこのテンションをどうにかしろと?」
(´・ω・)つ[]<たまには79氏とハロ以外のコンビで『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』をやってほしい(ry
79「では変えましょう」
ハロ「対応早っ!」
蕪「して、どんなメンツにする気だお?」
79「筆者が無作為に選んだウィッシュ、由梨、毒男の三名です」
ハロ「それにしては作為的だな」
つ[]<そろそろウィッシュが思い出になる季節
ユリ「思い出になる季節・・・なの?」
ウ「ほえ?んー・・・そうなのかなぁ心当たりは無いけど」
毒「無いんじゃないですか('A`;)」
つ[]<しのたん!しのたん!エボリューション!!
ユリ「しのたんは人気あるなあ」
毒「出番皆無のくせにな」
し「何か言いました?」
毒「(;'A`)!」
ウ「あれなんて技?」
ユリ「わかんない」
つ[]<都会の空に星をください
ウ「星かぁ。確かに、流れ星は希望を与えてくれるよね」
ユリ「うんうん」
毒「でも夜って基本、外に出ないんだよな」
ウ「窓から見たら?」
毒「いや、窓も見ないし」
ユリ「夢が無いなあ」
毒「('A`)」

毒「なんだかんだ言って今のがが最後の一枚な件」
ウ「あ、本当だ!」
ユリ「少ないね」
毒「だから俺らにやらせたんじゃね?」
ウ「陰謀が見え隠れしてるね」
ユリ「まあ、ウィッシュちゃんは最近出番無かったし今日ぐらいは」
毒「それ全然フォローになってない(;'A`)」
ウ「・・・ひっく」
ユリ「わっ!ごめん泣かないで!ええとどうしよう」
毒「アホ毛を握れば止まるよ」
ユリ「本当?じゃあ」
ぎゅ。
ウ「私としたことが取り乱してしまいました。お騒がせして申し訳ありません」
ユリ「あ、いえ」
毒「やはり電波受信アンテナだったか・・・」
(※)嘘です
383 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:10:52 ID:EI074uR0
雪花さんの名は父親から一文字取られたものであるが、智途の名は・・・ここ試験に出るから

さーて来週はウィッシュ編ですけどウィッシュの更なる変身に注目
ITIAって何の略だっけ?
三番目の『I』なんだか忘れた
384 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:24:59 ID:8JqNZIH7
誰よりも早くGJ!
デデッ・・・ってビッグブリッヂだよね?


そしてセツナス(´;ω;`)
なんかもういろいろとセツナス



つ[]<課題終わらないんですけど手伝ってくれませんか
385 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 02:26:58 ID:/1OpzwhU
今週はリアルタイムで誰FJ!
センチネルさんたち.。・゚・(つД`)・゚・。.





つ[]<もんだい:いちばんデレてるのはだれ?
386 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 03:31:56 ID:KJIHc+fh
badendって言えばbadendだけどそこまでじゃなかったなFJ

つ[]問題:チトとハロの子供の名前は?
387 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 17:59:00 ID:9g9umDN2
僕は79氏から特別な属性を授かった!
めがねっ娘かつボクッ娘という、しのたんのための属性だ!
実はこの属性はみんなも持っている。
そう僕たちは兄弟なんだ!Le souhaitに隠れていた完璧な萌えキャラしのたんを選びし兄弟!
でも79氏がみんなの邪魔をしている。しのたんのルートを無くしてしまおうとしている!
だから!しのたんの出番は減り、しのたんを忘れそうになるんだ!
集めてあげるよ。そして79氏のところへ行こう!
家族で署名を集めて、79氏に直談判するんだ!

[リスト]<代表:カダー○ュ
388 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 20:13:08 ID:8u2MPhmd
[リスト]<理事長:せひろす
389 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/23(月) 23:22:24 ID:tj/cFRO1
79氏、今週は涙と鼻水が止まらない
一週間になりそうな希ガス(´・ω・)


つ[]焼きプリンを作りたいのですが・・・
390 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/24(火) 17:20:04 ID:9UZMhvgn
GJGJ!涙が止まらないね!
79氏はどうしてこう泣かせるのが上手いのだろう…

つ[千両箱]でも中身はローショ(ry
391 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/24(火) 22:53:11 ID:Duv/0IXZ
段々と終わってきてカナシス(´・ω・)
でも、着メロがビッグブリッジでちょっとウレシスw

こんなカードが落ちていた。どうする!?ハロ!どれにする?

もういちど見れるなら…
つ[ギルガメッシュナイト] [トゥナイト2] [A女E女]
392 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 14:49:05 ID:i0cQYbbs
つ[]最低でもこれだけは見るべきアニメはありますか?
393 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:23:52 ID:LmMEUhhQ
投下しますよ
394 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:24:19 ID:g1WzE94h
どーぞ
395 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:25:33 ID:LmMEUhhQ
 放課後。何だかんだで日程が延びていたのだが、皆の都合も今日なら合うということな
ので、一真の停学解禁打ち上げをすることになった。と言っても、していることは普段と
何ら変わりはない。要するに、皆で理由をつけて騒ぎたいだけなのだ。店もいつもの場所、
学校の近くにあるファーストフード店だ。
「そう言えばよ、アメリカ人から見たらやっぱり日本の食い物は小さいのか?」
 一真が典型的なアメリカ食品、ハンバーガーを眺めながら呟いた。今まで何度かセンス
と食事をしていたのたけれど、あまりにも日本に馴染みすぎていたせいで気付かなかった。
しかし、言われてみれば少し気になる。アメリカ人と言えばバケツサイズのコーラを飲み、
人間の頭部程の大きさもあるハンバーガーを食べているようなイメージがある。過剰表現
かもしれないが、テレビなどで映されている映像くらいでしか生態が分からないので、僕
からしてみればそれ意外にはどうにもイメージしにくい。
 センスは不思議そうな顔で、
「確かに少し足りない気もしますケド、普通デスよ?」
 そう言いながらかじるのは、この店で最大の大きさを誇るビッグバーガーだ。これでも
普通と言えるのだろうか、やはりメリケン国は侮れない。それに、その膨大なカロリーは
どこに行っているのだろうか。普段の様子を見ていると、特に腹に溜っているような気配
はない。ということは頭に、いや違う。
「乳か!! なるほど納得!!」
「カメ、あんた馬鹿なのが凄い勢いで漏れてるわよ」
「お前もそうだ、乳か? 乳なんだな!?」
 センスもコイも、どちらも大食いだということを考えればつじつまが合う。つまりこの
人体の神秘的なものを上手く使えば、ツルも夢の巨乳になることが出来るということだ。
それは同時に新たな可能性の発現をも意味する、幸せは目の前だ
396 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:27:31 ID:LmMEUhhQ
「なに人のことジロジロ見てんのよ?」
「ん? いやそのトマトバーガー美味そうだなって」
 取り敢えず誤魔化した。二人きりのときならいざ知らず、人目がある場所で乳がどうだ
とか言うのは不味い。拳による制裁を受けることは目に見えている。僕もそのくらいの事
は学習しているのだ、わざわざ自爆する程馬鹿ではない。
 ツルは疑うような目で見た後でこちらにバーガーを突き出し、
「一口だけよ? ガッツリ行くのも駄目だからね?」
 何気なしにかぶりついた。
「ツルさんは、そういうの平気なんデスか?」
「いや、今更だしね。間チューなんて言われても」
 確かにこういうことは昔からだし、言われても実感が沸かない。それに僕もツルも元々
そういったことは気にするタイプではない、普段の生活でもよくあることだ。他の人達と
そうしているのは見たことはないが、少なくとも二人の間ではそうなっている。
 しかし、
「直チューならどうだ!?」
「こうよ!!」
 激痛。
「ツルさん、フライチップスはそう使うものじゃないデス!!」
 流石この店自慢の皮付きポテト、熱くてカリカリで大きくて、更には塩が効いている。
 総合的に言うと、目が痛ぇ!!
 かすっただけなのにこれ程のダメージなのだから、もし直接刺さっていたのなら、どえ
らいことになっていただろう。
「馬鹿、もう少しで盲目になるところだっただろうが!!」
「良いじゃない、視姦不可能になって」
 僕は視姦なんてしたことはない。ただ女子生徒や女教師や街行く女性の体、主に乳とか
尻とか脚を食い込るように見つめることがしょっちゅうあるだけだ。確かに普通の人より
は若干多いような気がしないこともないけれど、それも微々たる差だろう。それに男なら
ば誰にでも搭載されている女体ウォッチ系レーダーは、意思とは無関係に働いてしまうの
だから、これはもう仕方ない。それに最近は少し自重しているのだ。
397 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:29:35 ID:LmMEUhhQ
 それなのにこの娘ときたら。
「鬼!!」
 エログッズを燃やしたのは、まさに地獄の業火。
「何とでも言いなさいよ」
「幼児体型!!」
「うっさいわね!!」
 こいつ、自分で何とでも言えと言っておきながら。
「二人とも、仲良くして下サイ」
「良いんだよ、二人ともあれでラブラブなんだから」
 そう言いながら、水樹は呑気にフランクフルトをかじりながら言った。こっちは本当に
身の危険に晒されているというのになんて薄情な奴だ。それとどうでも良い話だが、中身が
野郎とはいえ美少女な外見の奴が細長い肉の棒を口にくわえているというのは、心に響く
ものがある。視線を回してみると、それを見ていたせいで彼女にぶん殴られている男子が
何人か見えた。だけど許してやってくれ、これは本能なのだ。魂は理性を凌駕する。
「良いじゃねぇか、許してやれよ」
 あ、やはり一真もそう思うか。
「直チューしようとしたのも、ツルが好きだからだろ?」
 あ、そっちの方か。
「一真教授が仰る分には、そうらしいですよ?」
 ツルは舌打ちを一つ。
「あの、おツルちゃん?」
「……そのゴーヤバーガー、一口よこしなさいよ。そしたら許してあげる」
 僕は黙って食べかけの包みを差し出した。ツルはこちらを上目遣いでこちらを睨みつけ
ながら僕の手からそれを奪い取り、豪快にかぶりついた。いや、そんな表現も生易しい。
たった一口なのに、貪るという言葉の方がふさわしい。一度に残りの半分をもっていった
ツルは頬を大きく膨らませてこちらを見ると、小さく笑った。その仕草はかわいらしく、
目付きが悪いことを除けばまるで小動物のように思える。いや、目付きが悪いことを含め
小動物らしいのか。傍目から見れば分かりにくいが、近くで見ると、あいつらは意外にも
凶悪でグロい目をしている。ツルが小学生のときに飼っていたハムスターと絶対目を合わ
せようとしていなかったのは、トラウマだからだろう。
398 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:31:01 ID:LmMEUhhQ
 しかしここに居るのは、ペット鼠ではなくツルだ。目元は凶悪に鋭く、不機嫌に歪めら
れているが、グロくない。だからじっと見つめて、頬を指先で突く。こうぷっくりとして
いるとつつきたくなるのは、悲しい人の性だろう。
 擽ったいのか、ツルは目を弓にして、
「あれ、痛いよ?」
 僕の手首を物凄い力で掴むと捩りあげてくる。
 直後。
 強烈な衝撃と痛みが額に走る。ツルの十八番にして四十八の虐待方法の一つ『特別石頭
という訳でもないのに何故かしょっちゅう仕掛けてくるパチキ』だ。僕が適当に付けた名
が示す通り硬い訳でもないので、と言うかどいらかと言えば僕の方が硬いので当然ツルに
も痛みが走る。額を赤くしながら涙目でこちらを睨むと、噛んでいたものを飲み込んで、
オレンジジュースで口の中を潤した後、
「何すんのよ!! あと痛い!! それにこれ不味い!! おまけに氷が溶けてジュースが何か
やけに水っぽいしどうしてくれんのよアンタ!!」
「待て最初の以外は僕に責任は……痛いスミマセン全面的に僕が悪いから殴るのを止めて」
 本気で殴ってくるツルの拳を掴むと、諦めたらしくおとなしくなった。しかしその怒り
はまだまだ継続中らしく、こちらを恨めしげな表情で見てくる。
「……らぶらぶデスか?」
「……多分そうなのよ」
 ならコイもセンスも何故こちらを見ない?
「ツルもカメもよ、一回喧嘩しないで暮らしてみな?」
「そう言えばそうだね、毎日喧嘩してる気がする」
 そんな訳ではない。家で二人で居るときは喧嘩を殆んどしないし、何より夜ベッドの上
ではおとなし過ぎるくらいだ。感じやすい体質のツルは、少し体をいじったくらいで半分マグロ状態に……
「妙なこと考えてない?」
「いや全く」
 そう答えると、ツルは鼻で笑ってそっぽを向いた。
399 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:34:54 ID:LmMEUhhQ
 家に着くと、段ボールの箱が置いてあった。
「なにこれ?」
「段ボールの箱じゃない?」
 取り敢えず、見たままの答えを言ってみる。
「そうじゃなくて、中身の話よ」
 トマトじゃないだろうか、書き置きにもそう書いてある。
 それを確認すると、ツルは露骨に眉根を寄せた。それもそうだろう、ついさっきトマト
バーガーを食べてきたばかりなのに同じものを出されても困る。しかもこの箱のサイズが
結構大きいことを考えてみると、暫くは似たような料理が続くことになるのは決定済みの
ようなものなのだ。僕もツルもトマトは好きだけれど、それを考えると少し嫌になる。
「取り敢えず入れようよ」
 箱を持ち上げてみると、かなりの重さがあった。かなり詰まっているのだろう、乱暴に
持ち上げたにも関わらず中身が揺れたような気配はない。これは毎食料理に使ったとして、
多分軽く一週間分はある。しかし現実問題そんな訳にもいかないし、どうしようか。
「誰よ、送ってきたの。こんなにリコピンを摂取しても意味ないわよ」
「お隣のお姉さんらしい、そう書いてある。田舎から大量に送られてきたから、少しだけ
お裾分けだそうだ……少しだけ!?」
 これで少しだけって、お隣さんは今頃どうなっているのだろうか。今日の朝挨拶をした
ときに何故か疲れているように見えたのだが、どうにも気のせいではなかったらしい。
「取り敢えず晩御飯を……ちょっと待ってて、着替えてくる」
 そう言うと僕の手から箱を奪い取り、台所に向かって駆けてゆく。どうしたのだろうと
思ったが、ツルが奇行に走るのは珍しいことではない。なので特に気にしないことにして
僕も部屋に戻ることにした。
 軽音。
 着替えていると、ノックの音がした。
「入ってます」
「違うでしょ」
 軽い冗談なのに。
「開いてるから、遠慮なく」
400 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:36:34 ID:LmMEUhhQ
 入ってきなさい、と言い終える前に戸を開き、部屋着に
着替えたツルが入ってきた。フローリングの上で裸足独特の音がしている。夜にエロい事
をするとき以外で裸足なのは久し振りだ、しかもそれも電気を消しているのとツルが恥ず
かしがるせいでちゃんと見れることは少ない。だからその生足を一刻も早く見ようと思い
勢い良く振り向けば、
「おぅ!?」
 ツルが巨乳になっていた。
 数秒。
 どうやらあまりの出来事に意識が飛んでしまっていたらしい、そのくらい衝撃的だった。
しかし、どうしてこんなことになったのだろう。確かに僕のゴーヤバーガーを含めて大量
に食っていたが、それでも普段より少し多い程度のものだった。それに先程の食事が栄養
として吸収されるにしても早すぎるし、仮に成長期だといっても乳はこんなに急に膨らん
だりはしないだろう。昨日の夜にツル平野を舌や手で確認したから、それは間違いない。
 僕のそんな困惑を知らず、
「……どう、かな?」
 ツルは呟くように言ってきた。
 顔を赤く染めてそっぽを向くツルは、異常に可愛く見える。その期待に応えるべく乳を
中心に眺めるが、改めて見てみると、
「巨乳ロリって、そんな良いもんでもねぇなぁ」
 言葉のイメージや想像が先行しすぎていたようだ、実際に見るとそれ程良くもなかった
りする。見慣れているということもあるが、やはり乳が全く存在しない普段のツルが一番
に思えてくる。本人は気にしているようだが、幼児体型なのが最高だ。
 しかし中に何が詰まっているのか気になるのも事実だ。わざわざ見せに来たからには、
触るのも大丈夫なのだろう。きっと大丈夫だと自分に言い聞かせ、
「やっ、カメちょっと」
 両手で鷲掴む。
「止めなさい」
 焦っているのは、胸が弱いからだろうか。大きくなっても弱点であるのには変わりない
らしい。しかしここで止めるのは男じゃない、構わずに僕は揉みしだく。
「潰れるから」
 何が潰れるのだろう。
「止めろって言ってんでしょ!!」
401 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:38:47 ID:LmMEUhhQ
 衝撃。
 谷間に顔を埋めようとして膝立ちになっていたのが仇になった。下からかち上げてきた
ツルの膝が僕の顎に綺麗に当たり、思わずのけぞってしまう。それでも乳から手を離さな
かったのは執念の賜としか言えないだろう。
「この服高かったんだからね、染みがついて着れなくなったらどうすんのよ」
 もう母乳も出るのか、素晴らしい。これなら以前から一度はやってみたいと思っていた
搾乳プレイも可能だ。どうしよう、布越しも捨てがたいがやはり基本に忠実に脱がせた方
が良いのだろうか。
「満足した?」
 そう言うとツルは自分の乳をもぎ取り、僕の前に差し出した。
「って、トマトかよ」
「本物の乳な訳ないでしょ」
 しかし、別の意味で安心した。
「……嬉しかった?」
「いや、乳がないのが一番だ」
 そう言うと、嬉しそうに笑う。
「ごめんね、さっき蹴って。顎、見せて」
 言われて、ツルに見せるように顎を上げる。
「うわ、赤くなってる」
 そう言いながらツルは舌を這わせてきた。突然のことに思わず顎を引こうとするが、頭
を両手で固定されているので逃げようにも逃げられない。そのまま舌は上の方へと滑り、
やがて唇まで到達した。ツルの舌は唇をなぞり、歯を割って僕の口内へと侵入してくる。
 これはどうしたことだろう、いつもは誘い受けの筈なのに、こんなにも積極的に。
 表情を確認しようにも、近すぎるせいでよく分からない。ただ舌が絡まりあう粘着質な
水音だけが鼓膜を揺らし、脳髄に染み込んでくる。力が抜け、気が付いたときにはツルに
押し倒されていた。いつもとは逆の立場に、脳が付いてこない。
「ツル?」
「ねぇ、大きい方が良かった?」
402 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:40:46 ID:LmMEUhhQ
 それはさっき否定した。それにベッドの上で毎回訊かれ、そして訊かれる度に毎回否定
していることだ。それでもいつも訊いてくる。今回がいつもと違う部分があるとすれば、
それは真剣な表情だということ。いつもの気弱なものとは正反対の、強い意思がある。
「どうした?」
「だって、さっき超真剣に揉んでたし」
 数秒。
「でも安心して、去年よりは大きくなってるから」
 僕はじっくりと体を眺めるが、去年とどこも変わっていないように見える。いつも一緒
に居るから変化に気付きにくいとか、そんな次元じゃない。小学五年生辺りから、どこも
変化していないように見えるのだ。変わったところと言えば、目付きぐらいだろうか。
「念の為に訊くけど、どのくらい?」
「6mm」
 それは単純に、肥えたというのではないだろうか。その表現にしても、気付けと言われ
ない限りは気付かない些細な変化だ。およそ3で割っても2mm、3.14で割れば更に数字は
小さくなる。直径がそれだけしか増していないのに成長したとは言えないだろう。
「何よその目は。6mmって言ったら、カップが一つ増えるのの4分の1よ?」
 全然足りてねぇじゃねぇか。「ならば揉んで大きくするまでよ!! 覚悟しろ!!」
 逆にツルを押し倒し、シャツの裾から手を差し込んだ。指を這わせていくとブラに到達、
隙間から手指を差し入れる。トマトを入れることが可能なだけあって、見事にぶかぶかだ。
何故こんなに大きな下着を持っているのか疑問に思ったが、そういえば、いつもパッドを
入れる為に大きなサイズのものを着用していると言っていたことを思い出した。つまり、
このどう見ても不釣り合いなものがツルの標準なのだろう。
 味わい深いと思いながら、乳の先端を指の腹で転がした。たったこれだけでツルは充分
感じるらしく、身をくねらせる。更に転がすと我慢できなくなったのか、目尻に涙を溜め
ながら抱き付いてきた。気持ち良くなってくれるのは嬉しいのだが、布がまとわり付いて
いる僕としてはどうにもやり辛い。
403 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:43:05 ID:LmMEUhhQ
「半脱がすよ」
 胸に押し付けられた頭が擦れたことで、頷いたのが分かった。許可を得た僕は、ツルの
体を一旦引き剥がすと胸に顔を埋めた。両手で胸をいじりながら、釦を噛んで外す。これ
は最近身に付けた技術だ、こうすればツルの触感を楽しみながら脱がせることが出来る。
更には頭で体を押さえ付けることもでき、匂いもかぐことも出来るという一石三鳥のもの
なのでいつも使っている。人の進化とは素晴らしいものだ。
 果たして、綺麗な裸体が現れた。ブラを上方へとたくし上げると、目にも鮮やかな桜色
の二つの突起が見える。無限ホライゾンの中、無味乾燥であることを否定するように固く
立ち上がったそれを口に含むと高い喘ぎ声が漏れてくる。
 スカートの中に手を差し込み割れ目をなぞれば、生温い粘液が絡み付いてきた。前戯は
胸をいじっただけで股間には一切触れていないのに、既に下着越しでも分かる程に濡れて
いる。布を外したら、凄いことになるだろう。
 軽く指先で擦り、クロッチ部分を横にずらして手指を侵入させる。
「ツル、どっちが良い?」
「前」
 即答ですね。
「絶対に前」
 決意は固いらしい。
「あの後数日、あれ程トイレに行くのが辛かったことはないわ」
 下品な上に妙に生々しいことは言わないでほしかった。
「試してみる? 男にも尻の穴はあるものね」
「遠慮します」
404 名前: 『ツルとカメ』×9 [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:45:53 ID:LmMEUhhQ
 言いながら体制を整えた。このまま会話を続けていたら、力ずくで処女を奪われるかも
しれない。それだけは絶対に嫌なので、大人しく前の穴に入れることにした。しかしまた
いつか、頑張って挑戦をしたいと思う。頑張るのはどちらかと言えばツルの方だろうが。
 そんなことを考えつつ、指で割れ目を開いた。すると崩壊したダムのように愛液が溢れ、
指先を濡らしていたそれは手首までもを浸食してゆく。それに栓をするように亀頭を当て、
一気に押し込んだ。それだけで軽く達してしまったらしく、小刻みに締め付けてくる。
 それが気持ち良く、じらすように軽くストロークする。
「や、ちょっと待って。今敏感で」
 言葉を中断させるように強く打ち込むと、しがみつきながら悲鳴に似た声を漏らして背
をのけぞらせた。激しく突くと単音だった声は連続して、大きな喘ぎ声となる。いつもの
光景だが僕はこれが一番好きだ、何度見ても飽きないとすら思う。
 やがて声も途切れ途切れになり、締め付けも強くなってくる。普段よりも強く締め付け
てきて、粘膜や愛液が潤滑油になっているとはいえ痛い程の快感だ。
「早く、出して。もう、限界」
 僕もそろそろ限界だったので、躊躇うことなく中に放出する。
 引き抜き、ツルの隣に倒れ込んだところで横を見た。これだけのことで大きさに変化が
訪れる訳もなく、当然目の前には平らなものがあるだけだ。
 しかしこれで良いと、僕は吐息を一つ。
「何見てんのよ」
 不機嫌な声と共に、顔面に裏拳が叩き込まれた。
405 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:46:39 ID:LmMEUhhQ
今回はこれで終わりです

>>367
多分、変人濃度に慣れてきたから

>>368
君こそGJ、君こそ乙!
君なら出来る、君だから出来る!!

>>369
ジャステス!

>>370
確定も何も、タイトルが『ツルとカメ』

79氏
ある種のハッピーエンドですね


次回は10回記念ということで温泉編ですが、
79氏の過去ネタと被りそうで怖い
406 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/25(水) 22:53:54 ID:cyB0AU7r
リアルタイム更新キター
毎週GJ!
ネタが被ろうが萌えられれば気にせぬぞ拙者は
407 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/26(木) 17:07:06 ID:uRtgOkkK
>>405
使ってみて下さい

つ[薬]<中和剤
408 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/28(土) 14:19:17 ID:qY+eYJnI
つ[]のばら
409 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/28(土) 19:50:08 ID:lDI57Jwv
まとめサイトが6月から更新されてない件について
410 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/29(日) 16:26:36 ID:1ZPda2Z6
つ[]<てんてーENDを切に希望します
411 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/30(月) 02:39:13 ID:Z8LTuegh
明日投稿します。
412 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/30(月) 02:41:50 ID:0hYgfmya
>>411
了解!
さて…レポートレポートっと…
413 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/30(月) 02:48:39 ID:9WpJOyoF
じゃあ待ってます




裸足で。
414 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/30(月) 15:30:23 ID:Lg49+Ff0
本家に誤爆したやつでてこいwwwwwwwwwww
415 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/30(月) 17:40:59 ID:KyF71FVC
俺も思ったwwwwwwwwwwww
416 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/30(月) 17:52:22 ID:bXlcg5+F
うおっあぶねっ
感想入れる暇あってよかった

ハッピーだけど後味があまりよくない、そんなルートでしたね
できればチトグッドエンドも見たい気配


つ[]<ツンフィーバァァァアアアア!!!



もう…ほっといてくれ…orz
417 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:03:10 ID:8yIDrwwM
すまんね、ちょい遅れた
>384
これからはエンドエンドで毎週切ないかもしれないが
過去ログ見るか『明かされざるLe souhait』のうpに思いを馳せるかしてくり
>385
これが彼らにとって一番相応しいラストだと思うしかない
>386
だって全滅→終了。だったら( ゚д゚)ポカーンじゃないですか
>387
しのたんルートあるからwww『明かされざる(ryに同梱するヨテーイ
だから神羅カンパニーが粋を結集した爆弾から手を離すんだ
>389
それ花粉
>390
意味深な。よくわからないけどそういう文が思い浮かぶんだ
>391
なんでみんなビッグブリッヂだってわかるんだろう
ビッグブリッヂもいいけど、一番好きなのはFF4のラストの(=FF12のオープニングの)アレかなあ
>393(ロボ氏/ツルとカメ)
GJ乙でした
もうカメの宝を焼かれた鬱憤は、ツルで晴らすしかない。さあ受けてみろ受けてみろ受けてみr
ごめんなさい敏感なツルに萌えただけです
>409
タイトル変わる前からだったかな
まとめはあったほうがいいと思うけど、もう数回と無いし・・・
>412-413
すまんね
>416
雪姉ぬっ殺すルートだぞそれは
418 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(1/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:05:12 ID:8yIDrwwM
ウ『うるさいなあ。また来たの?』
執拗なノックの後、ようやくウィッシュが顔を出した。
正直、俺にはウィッシュをどうすれば元に戻せるのか、元に戻した後どうすればいいのか、全然わからない。
それでも、何かしないでは居られないし、通い慣れた足が俺をここに連れてくることも終わろうとしない。
本当に、『また来た』と言われても――俺がやってくるのが嫌なら、言われても仕方ないな。
ウ『早く消えてくれない?せっかく独りになろうとしたのに、台無しだよ』
いつもの口調、いつもの振る舞いで、さらっと真逆の事を言う。
でも今に限っては、それは『逆』じゃないんだ。
ハロ「ウィッシュ」
ウ『呼ばないで』
ハロ「どうして、どうして諦めようとする。今まで頑張ってきたのに」
ウ『はいはい』
ウィッシュは、やれやれといった仕草を見せた後、俺の目の前にしゃがみ込んだ。
ウ『別に、そういう前置きは要らないよ?どうせ抜いてもらいに来たんでしょ?』
ウィッシュはそう言いながら、ベルトに手をかけ、外しにかかった。
ハロ「ち、違う!」
ウ『満足したら帰ってよね。まったく、いい加減にして欲しいよ』
ウィッシュは順調に脱がしていき、ついにそれを露出させた。
ウ『勃ってないね』
ハロ「話を聞け!」
ウ『でも君、脱がされるのに抵抗しなかったよね?取り合えず擦るね』
ウィッシュは全く俺の話を聞こうとせず、竿を手で扱き始めた。
柔らかく、小さな手で擦られたそれが勃たないわけもなかった。
でも俺はそれに屈する事なんてできない。
真にウィッシュを望むなら、現状を何とか切り開いていかなければならないんだ。
俺は必死にウィッシュの責めに耐えながら、話を続けた。
ハロ「お前は毎日人々の願いを聴いて、それが叶うように祈りを捧げてる。それを続けたいのはわかるよ。俺もそう望む」
ウ『舐めてあげるね。私、これ得意だったよね?』
ウィッシュは俺の竿を咥え込んだ。
俺は声が漏れそうになるのを必死でこらえた。
ハロ「それが存在意義だと言うのなら、俺たち人間は何だ?俺たちには存在意義なんて無い。それを見つけるために
 一生を費やすんだ。結局、それが実は無いものであっても、それを探すことは無駄じゃない・・・」
ウ『ん・・・ちゅ・・・』
ウィッシュが裏の人格に変わってからというもの、その責めは以前より遥かにうまい。
元々フェラが得意だっただけに、余計にきつい。思考が狂いそうだ。
でも、今だけは屈してはならない。
ハロ「人間になるって、そういうことなんだ。今のウィッシュは、人間になる事から逃げてる」
ウ『ちゅぷ・・・ん、なんか出てきたよ?』
ウィッシュはいったん口を離すが、またフェラを開始した。
ハロ「(やっぱり、説得は無理なのか・・・?)」
そんな考えが頭によぎった瞬間、油断したのか痺れるような強烈な快感が襲った。
ウィッシュは一生懸命に精液を吸いだそうと頑張っている・・・ように見え、口の中に出したくなる衝動に駆られた。
俺の言葉が途切れたのに調子付いてか、閉じていた目を開け、上目遣いで俺の顔を確認してくる。
俺はそれに気付いて、体裁を保とうと表情を正すが、既に情け無い顔を見られてしまったらしく、一瞬にやっとした
目つきで俺を見た。そしてまた、責めを続ける。
その仕草が可愛くて、俺は思わず体を預けてしまいそうになる。
――ダメだ。こうなってはウィッシュの思う壺だ。
ハロ「ダメだ・・・ウィッシュ。諦めるな。俺の言葉すべてが偽善だと、戯言だと思ってくれてもいい。お前を人間にして、
 無限の時から開放して、一緒になりたい。それだけは確かで、それが偽善だと言われようと、俺は構わない」
419 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(2/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:05:58 ID:8yIDrwwM
ハロ「(くっ・・・もう、ダメか・・・?)」
快感のあまり、腰が震えている。
まともな思考もできなくなって・・・もう射精させられるのを待つだけだ。
ウ『ん・・・』
ウィッシュは口を離した。
俺はそれに安堵して、力の入らない腰はがくっと床に落ちた。
ハロ「はぁ、はぁ、・・・ウィッシュ」
ウ『・・・来るな』
ハロ「え?」
ウ『もう来ないで!二度と来ないで!』
ウィッシュは俺の眼前に手のひらを差し出した。数秒して、その手を引っ込めると、
ウ『消えて!』
俺を神社の外に押し出した。
バン、と音を立てて障子が閉まる。
とにかく、適当な処置を施し、息子を仕舞う。
ハロ「・・・ウィッシュ」
ポツ。(SE:雨音)
ハロ「あ?雨?」
さっきまで晴れていたのに、一気に土砂降りになった。かと言って、再び中に入れてもらうことはできないだろうし。
俺は家まで走る事にした。

猛烈な雨は、すぐそこまであった筈の視界を遮るほどにまでなっていった。
まさに滝のように、との形容がぴったりなほどの雨である。この降り続き、驟雨でもないようだし・・・。
ハロ「ひー!」
叫びながら走っている筈なのだが、その声も殆ど掻き消される。
?「そこのあなた」
ハロ「はい?」
立ち止まり、振り向く。
そこには、一匹の三毛猫が居た。
ハロ「(変だな。この轟音で自分の声も聞こえなかった筈なのに、誰かの声がはっきり聞こえた)」
・・・この猫じゃないよな?
そういえば、見覚えのある猫だ。いつかの雨の日も、こんな猫を見たことがあったような気がする。
ドッシャアアア!(SE:?)
ハロ「おわっ!?」
俺の進行方向を大型トラックが横切って行った。
ハロ「びびった・・・あのまま走って行ってたら死んでたかも」
?「死にましたよ」
また、声が聞こえた。
ハロ「誰だ?」
振り向くが、また猫しか居ない。
さて、ここで問題だ。ここで猫がしゃべったと認めてしまう場合、常識ある人間としてどうだろうか。
?「知らないフリですか?」
目の前で流暢に話されてしまっては仕方ない。奇妙な世界に引きずり込まれてやろうじゃないか。
ハロ「ありがとう、助かりました」
猫に礼を言うのは生まれて初めてだ。
?「いえ。彼女にはまだ、あなたが必要ですから」
ハロ「彼女?ウィッシュのことか?」
?「はい」
何でこいつが俺とウィッシュの関係を知ってるんだ?
ハロ「・・・ん?」
420 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(3/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:06:31 ID:8yIDrwwM
ハロ「お前、ポチじゃないか?」
そうだ。俺はウィッシュに連れられて、雨の中こいつを探しに行った事がある。
ポチ「私をそう呼ぶ人も居ますね」
違った。ハリー○だ。
ポチ「呼び名なら、それでいいです。この体ですし。それに本当のポチ君はあの時より以前に死んでいましたから」
ハロ「・・・え?じゃあ、あんたは一体・・・」
ポチと会話を始めてからは、不思議と雨の音が聞こえなくなっていた。その雨も、次第に止みつつあった。
ポチ「私は、彼女の願いで救われた人々の、感謝の気持ちです」
ハロ「感謝の気持ち?」
意味が全くわからないが。
ハロ「信じましょう」
ポチ「話が早くて助かります」
俺がドリーマーだから信じられたようなもんだぞ。命の恩人だから感謝せよとは言わないけどな。
ポチ「彼女があなたに掛けた呪いは、とりあえずは中和しておきました」
ハロ「え゙?呪いですか?」
ポチ「はい。本気で消しにかかってきたようです」
ハロ「・・・マジかよ」
俺は愕然とした。やはり、俺のしている事は逆効果なんだろうか?
ポチ「でも、あなたのしたことは立派でした。今回の呪いも彼女の裏人格がした、苦し紛れの、本気の抵抗ですから。
 間違いなく彼女の心は揺れ動いています。尤も今は、そっとしておくべきでしょうが」
なんで猫相手に恋愛の悩みの相談をせねばならんのだ。
ハロ「じゃあ、どうすればいいんだ?」
ポチ「私と一緒に彼女を説得しましょう。と言いたいところですが今は帰りましょう」
ハロ「んー、それなんだけど・・・」
俺は正直、自信を失くしかけていた。
ハロ「今まで何度も説得しようとしたんだよ。けど、まあ今日は一番酷いけど、どうにも・・・」
猫は弱音を聞く気は無いと言わんばかりに、足早に歩き出していた。
目で追う。俺の家のほうに向かっているような気がするんだが?
ハロ「待ってくれ。俺の家に行く気か?」
ポチ「はい」
『はい』じゃねぇっての。と言おうとしたが、今の段階では猫の手も借りたいばかりだ。などとうまい事を思いついてみる。
俺は仕方なく、その後を追った。

家の前に一人と一匹が立つ。
ハロ「俺には妹が居る」
ポチ「はい?」
ハロ「そいつの前ではしゃべるなよ。普通の猫らしく振舞え。便所も水洗を使え。ドアは自分で開けろ」
ポチ「その辺は、言われなくとも。あなた以外にはこの声は聞こえませんし」
ハロ「ならいい」

ユリ「わー!猫だ!猫猫!」
ハロ「知り合いから預かった。一日だけ置いてくれ」
ユリ「はーい!」
ハロ「じゃ、俺は風呂に入るから」
雨に打たれてきたからな。
ユリ「えっ?じゃあこの猫ちゃんお願い」
ずい、とポチを差し出される。
ハロ「洗うのか?」
ユリ「風邪引いちゃったらかわいそうでしょ?」
421 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(4/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:07:07 ID:8yIDrwwM
『風邪引いちゃったらかわいそう』、か。
ポチ「そう気に病まないよう」
ハロ「ああ。わかってる」
ユリ「?何が?」
ハロ「あ?あ、いや、独り言だ」
ユリ「変なの」

――翌日。学院にて。
当然、ポチは置いてきた。ここの関係者じゃないと学院には入れないからな。仕方ない事だ。
この前、ツンに心配掛けてしまったからな。謝らないと。
教室に一歩足を踏み入れる。
蕪「巫女萌え・・・」
ハロ「え?」
毒「巫女萌え?」
ハロ「な、なんなんだよお前ら?」
教室に入るなり、微妙な角度から言いがかりをつけられる。せっかく謝ろうと思って入ってきたのに。
ハロ「こらこら、避けろ。座れないだろ」
手で追っ払うジェスチャーをして、二人を離れさせる。
ツン「あんた、巫女萌えだったのね」
ハロ「・・・ツインテールも好きだけど?」
ツン「ま、別に『それ』はあんたの恋愛だし、私には全然関係無いんだけどね」
ツンは不機嫌そうな顔をしてペン回しする。俺にはできない。
ハロ「ごめん。あの時は何の連絡も無くて。心配掛けさせてごめんな。このとおり」
と、両手を合わせる。
ツン「別に。謝る事なんて無いわ。せいぜいその『巫女さん』とやらと幸せになる事ね」
ハロ「はあ・・・」
それが、そうもいかないんだよな、と溜め息をつく。
ツン「?」
ハロ「いや、なんでもない」
ツン「なんだかよくわからないけど、うまくいってないみたいね」
ハロ「う。」
ツン「ほら見なさい。私の勘は正しいのよ」
蕪「漏れもわかったのは気のせい?」
毒「遅楽」
ハロ「・・・」
俺は、何の気なしに聞いた。
ハロ「なあツン。もし俺がその人と別れたら、付き合ってくれるか?」
ツン「えっ?///」
一瞬硬直した後、ツンの顔はみるみる赤くなっていった。
ツン「わ、私は、別に。あんたが嫌じゃないなら、その・・・///」
ハロ「そうか。ま、聞いてみただけだ」
ツン「なっ!何よ!人が真剣に答えてあげようとしてるのに!バカ!知らない!」
酷い剣幕で怒鳴られた。
ハロ「それでも俺は、・・・いや、いい」
それでも俺は、ウィッシュを忘れられない。別れるなんてできない。例え殺されそうになっても、
諦めきれないんだよ。何もしてやれなくて、ああなって、そのままあいつが消えるような事があっては、と思うと、
なんだか、苦しくて。
422 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(5/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:07:51 ID:8yIDrwwM
ハロ「ごめんな、ツン」
ツンはそっぽを向いている。
もし俺があの時死んでしまっていたら、ツンの気持ちも聞けなかったと思ったからなんだろうか。俺が聞いたのは。
俺、また一人で危険に向かおうとしてる。
危険なんだよ。どんな魔法を使うかわからないやつが相手だし、でもこれはやっぱり俺の問題だ。
ツン「・・・ハロ?」
ハロ「え?」
ツン「そんなにしょげないでよ。私、そんなに怒ってないから」
ハロ「あ、ああ。さっきは済まんかった」
今までずっと、二人ぼっちで紡いできたラブストーリー。それを締めくくるのはやはり俺たち二人なんだろうな。
毒「俺たち無視されてね?」
蕪「面白い事言ってくれなきゃ困るお」
ハロ「悪かったな」

放課後、俺はポチを連れ、夕暮れの道を神社に向かう。
昨日は呪いをかけられるほどだったんだ。今日行くのも正直言って不安だ。
でも、一人で来るよりは、だいぶマシだ。
こいつにも不思議な力があるみたいだし、もしかしたら何とかなるかも。俺はそう思い始めていた。
こいつは以前のウィッシュに借りがあるから協力してくれるんだろうが、いや、借りがあるのは俺も同じ事だな。
ハロ「また呪いとかかけられたときはよろしく」
ポチ「はい」
でも洒落にならんな。

神社に戻る。
あたりは真っ暗。日が短くなっている事をまざまざと感じさせる。
境内を通り過ぎる。いつも縁側で祈りを捧げているウィッシュの姿を見ることができたのに。
・・・勝手口の戸に手を伸ばした時、昨日締め出された事が頭をよぎった。
ポチ「大丈夫です」
ポチが言う。
ポチ「消滅と存在の間で揺れ動く彼女を救ってあげられるのは、もう私たちしか居ないんです」
ポチは、まっすぐな目で俺を見、そう言った。
仮の姿なんだろうが猫にしか見えないので、猫に教えられたと思うとすこし滑稽だった。
そして浮かびかけた微笑を消し、目を閉じ、した事もない精神統一をする。
意を決し、戸を開ける。

薄暗い部屋に入るなり、ウィッシュは殺意剥き出しに俺を睨んできたが、やがて視線はポチに移った。
ウ『猫なんて連れてきて、何のつもり?』
ポチは歩み出て言った。
ポチ「お久しぶりです。ウィッシュさん」
ウ『・・・ああ、あの時の。君、喋れたっけ?』
ウィッシュは大して驚いた様子もなく対応した。
ポチ「私はウィッシュさんに救われた人々の感謝の気持ちです。神様が御使わせくださいました」
ウ『私はこんな猫、要らない』
ポチ「正確には感謝の気持ちが魂になった姿です。今度は、私があなたを助ける番です」
ウ『助ける?』
ポチは、近くに積んであった座布団の上に飛び乗り、話を続けた。
ポチ「あなたは、自分が苦しんでいる事に気付かないのですか?」
ウ『気付いてるよ?だからこの人に消えてもらおうと思ってるんだよ』
ポチ「そうですか」
423 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(6/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:08:29 ID:8yIDrwwM
ハロ「・・・」
ポチ「では、何故あなた自身は消えようとしないのですか?」
ウィッシュはため息をついた。
ウ『わかんないかな。私は願いを叶えるのが使命なの。この人と恋愛するのは使命じゃない。私が消えたら、
 願いは叶わなくなるでしょ?もちろん、この人が消えたら私は元に戻るよ』
ウィッシュは平気な顔をして言った。
やはり以前のウィッシュとは全然違う人格なのだろうか、俺はそう思ったが、それ以前に気になるところがあった。
『この人が消えたら私は元に戻る』。ウィッシュは自力で元に戻る事ができる、って言ってるんだよな?
ポチ「本当に、それでいいんですか」
ウ『いい』
ポチ「仮に遥君が消えてしまったとして、それであなたは元に戻れると思ってるんですか?」
ウ『・・・戻れるって言ってるじゃん』
ポチ「それに、願いを叶えようとしない今のあなたに存在意義はありません。彼が来ているからと言って、祈りを
 まったく捧げられないなんて事はありません」
ウ『なんで知ったように話すかな』
ウィッシュは昨日と同じように、手のひらをポチに向けた。
ウ『邪魔だよ』
ポチ「言いませんでしたか?私はウィッシュさんに救われた人々の感謝の気持ち。その気持ちが、ウィッシュさんを
 知らないとでも思いましたか?」
ウィッシュはしばし黙る。そしてやがて、手を下ろした。
ウ『誰も私の事なんか信じてないよ』
そう否定するが、目の前に居る猫が本当にそうでない限り、その猫はここに居る筈がない。
ハロ「・・・ウィッシュ」
ウ『私なんて居ないよ!!』
俺の言葉を遮るように叫び、表に出ていってしまった。
ハロ「ウィッシュ!」
ポチ「追いましょう!」

ハロ「ウィッシュ!」
俺たちはウィッシュを追って暗闇の中を走った。
月明かりのみを頼りに、通った事の無い山道を走る。どこが道で、どこがそうでないのか殆どわからない。
崖だったりしたら、踏み外したら終わりだ。
俺を本気で消しにかかってきたウィッシュなら、これは道を踏み外させる罠なのかもしれない。
暗闇に恐怖し足に力が入らなかったが、走り続けるしかなかった。
ポチ「・・・これからあなたが辿り着く場所は、あなたにとって衝撃的かもしれません」
ハロ「え?」
心許無かった俺に、ポチの声が届いた。
ポチ「何故彼女が無意識にそこへ向かったのかはわかりませんが、・・・」
ポチが口を閉ざす。
再び、落ち葉を踏む音と呼吸の音だけがあたりを支配した。
ポチ「それも彼女の決断でしょう」
ポチが何を言っているのかわからなかった。
ウィッシュを追うのに必死になっているうちに、その言葉も記憶から薄れていった。

ハロ「ここは・・・」
たどり着いた先は、旧、ウィッシュの居る神社。
夜にこの谷にやってくる事だけは勘弁、と言っていたが、まさかこんな事になろうとはな。
ハロ「確か、昔はこの神社に・・・ウィッシュは今の神社が建てられる前、ここに居たのか?」
俺は息を整えながら、ポチに問う。
ポチ「はい。それも、何百年の間」
424 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(7/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:09:35 ID:8yIDrwwM
ハロ「そんなに長い間・・・」
そう思って昔の神社を見る。
暗くてよくわからないが、相当古いようで、いたるところが朽ちている。相当な年代ものだ。
もちろん、崖の向こうに見る程度だったからここに入った事なんて無い。
ハロ「ウィッシュの姿が見えない」
ポチ「裏手に回ったのを見ました」
ハロ「よし、追おう!」

神社の裏手に回ると、ウィッシュが佇んでいた。
そのすぐ目の前には、ウィッシュの遥か頭上にある、壁のような崖に開いた穴から滝が流れ落ちていた。
ハロ「ウィッシュ!」
俺の声は、その轟音に掻き消され、聞こえなかった。
ウ『何で・・・』
ハロ「え?」
ウ『何で、私なんて好きになっちゃったの?』
ハロ「なんで、って・・・」
ウ『何で私なんて居ないのに、私のこと好きになっちゃったのって聞いてるの!』
ハロ「ここに居るじゃないか!わけのわからない事言うな!」
ウ『居ないよ!』
ウィッシュは、傍にあった石柱を指差した。
ウ『これ、誰の塚かわかる?』
ハロ「・・・ああ」
俺にはその石柱が生々しく、不気味にそびえているように見えた。恐ろしい気持ちになったが、辛うじて返事をした。
ウ『私ね、ここから落ちて死んだんだよ!?ここから滝壺に落ちて!もう居ないの!わかる!?』
ハロ「ウィッシュ、落ち着け。とにかく落ち着いてくれ」
涙目になって、込み上げる感情に震え、必死に俺に訴えかけるウィッシュが居た。
――そこには、確かにウィッシュが人間であった痕跡があった。
ウィッシュは、自分が人間である事をなかなか教えてくれなかった。
むしろ、誰にも会うことはないから言う必要が無かったのかもしれないが、しかし言うのを躊躇ったような嫌いがあった。
自らの墓を指差し、普通の人間である俺を目の前に、自分と相手とは結ばれないと、自分に言うように。
俺は、どうしようもないものを感じた。
これが俺とウィッシュに与えられた結論なんだろうか。
これですべてが夢物語だったと認めるしかなくなったのか。
脱力し、へたり込むウィッシュを目の前に、俺はなす術も無く呆然と立ち尽くしていた。
ポチ「もう、いいんです」
ポチが歩み出た。
ポチ「ウィッシュさんはもう十分、人の役に立てました。そろそろ自分のために生きてもいいのではないでしょうか」
ウ『・・・』
ポチ「あなたは道具ではありません。また、神でもありません。あなたは人間です」
ポチの声はあの時と同じように、轟音の中でもはっきりと聞こえた。
ポチ「あなたには、自分自身のために生きる権利がある。存在意義を失う事になろうとも。それを探していく、人間になる
 権利がある」
ウ『そんな手段、無いよ』
誰かが犠牲にならない限り。
ハロ「・・・まさか」
ポチ「今度は私がお役に立つ番ですね」
ハロ「なっ・・・死ぬ気か!」
ポチ「元々私はウィッシュさんに救われた魂。これでいい筈です」
ウ『駄目。今度はあなたがずっと苦しむ事になる!』
425 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(8/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:10:22 ID:8yIDrwwM
ポチ「違います」
ポチが振り返る。
ポチ「私は飽くまでウィッシュさんの呪縛を解く為にここに身を投げるのです」
ポチはとことこと滝のほうから離れた。
ポチ「尤も、今ではありませんが」
俺たちは安堵のため息をついた。
ハロ「何だよ、驚かせやがって」
ウ『ねえ』
ウィッシュが口を開く。
ウ『本当に、私は人間になれるの?』
ポチ「色々条件はありますが、今なら可能でしょう」
ウ『本当?本当に?』
ポチ「はい」
ハロ「条件って何だ?」
ポチ「・・・」
ハロ「教えてくれ!俺はもうなんでもする覚悟はできてる!やっと見えた希望なんだ!」
ウ『ハロ・・・』
ポチ「いいでしょう」
ポチは、再び滝壺に歩み寄った。
ポチ「しかし、ウィッシュさんは再び滝壺に落ちなければなりません。私と一緒に、ですが」
ハロ「なっ・・・!」
ウィッシュのほうを見る。
ウ『わ、私は・・・私は大丈夫だよ?このくらい』
ハロ「このくらい、ってお前・・・」
ウ『だって、今は前とは違う。希望を持ってる。だからもう、平気』
ハロ「そんな!」
俺はウィッシュが歩みだすのを見て、居ても立っても居られなくなった。
駆け出し、ウィッシュを抱き止めた。
ウ『う、嬉しいけど、もうちょっと待・・・あれ?』
ハロ「ウィッシュ?」
少し体を離すと、ウィッシュは朦朧とした顔をしていた。
ハロ「おい!しっかりしろ!」
ポチ「大丈夫です」
ハロ「え?」
ポチ「そのまましっかりと抱きしめてあげて下さい」
俺にはわけがわからなかったが、言われたとおりにウィッシュを強く抱きしめた。
ウ『ありが――』
そこまで聞こえたが、言葉は途切れた。
ポチ「ウィッシュさんは自分の意思でそうなったには違いありませんが、感情の変化がそうさせたものなのです。
 さ、もう離してみて下さい」
俺は恐る恐る、ウィッシュと体を離した。
ハロ「ウィッシュ・・・」
――そこには、元のウィッシュが居た。
何が起こったのかはわからない。わからないが・・・これほど。これほど良かったと思う事があっただろうか。
お前の人格がおかしくなってしまって、もうどうにもならないのかって本気で悩んだ。でも、もういいんだ。
元のウィッシュが居る。俺のところに帰ってきてくれた。
一時はどうなる事かと、本当に・・・。
自然と涙は頬を流れ落ち、眠っているウィッシュの顔にぽたぽたと落ちた。
ポチ「直に目は覚めるでしょう。さ、ここを離れましょう」
俺は情け無いことに、泣きじゃくっていてすぐに返事ができなかった。
426 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:11:16 ID:8yIDrwwM
俺はウィッシュを背に負って、ポチと一緒に元の神社に戻ってきた。
とりあえずウィッシュを布団に寝かせ、その目覚めを待った。
ウ「ん・・・」
ハロ「ウィッシュ!」
ウィッシュは眠そうに体を起こした。
ウ「ほえ?私、まだ飛び込んでないよね?」
ハロ「・・・」
ポチ「それはもう少し後でもいいでしょう」
ウ「そっか。・・・なんかすごくよく眠れたんだよね。誰かにおんぶされてたような?」
首を傾げるウィッシュを見て、俺とポチは微笑を交わした。
ウ「・・・あっ!」
ウィッシュは立ち上がり、明かりに頭をぶつけた。
ウ「いたっ!」
ハロ「落ち着け」
ウ「あう・・・あのね、私、君に酷い事言ったよね。本当にごめん。本当に・・・」
ハロ「いや、もういいんだ。俺はウィッシュが元に戻っただけでなんかどうでもよくなったよ」
ウ「根に持ってない?」
ハロ「忘れっぽいからな」
ウィッシュの目にじわ、と涙が浮かぶ。そして、俺に抱きついてきた。
ハロ「はは、よしよし、お帰り、ウィッシュ」
そう言い、ぽんぽんと頭を叩く。
ウ「うん、うん・・・私、ずっと怖かった。あんな事して、君が本当に居なくなっちゃうんじゃないかって、本当に・・・!」
ハロ「でもウィッシュに責められるという貴重な体験もできたわけだし」
体を離す。
ウ「それはいいの!」
ぺし、と頭を叩かれる。
ウ「それと、ポチもありがとう」
ポチ「いいんですよ。ウィッシュさんに感謝されるなんて光栄です」
ウ「さて、出発しますか!」
俺はずっこける。
ハロ「ちょっと待てよ。今日はもう暗いし、日を改めようぜ?な?」
ウ「そっか。あせりは禁物だよね」
まあな。って相変わらず会話が噛みあわねえ。
ポチ「それでは、わたしは失礼します」
ハロ「え?どこに?」
ポチ「お邪魔でしょうから、適当に場所を見つけて休みますよ。では」
そういって、ポチは器用に戸を開け、会釈し、戸を閉めて退室した。
ハロ「ジェントルマンな猫だな」
ウ「猫に気を遣われたのは初めてだよ」
ハロ「ふぅ」
ウ「?」
ハロ「なんか疲れた。俺もう寝るわ」
ウ「えー、もうちょっとお話しようよ」
ハロ「つべこべ言うと襲うぞ」
ウ「・・・はーい」
ウィッシュは渋々横になった。
明かりを消し、走り疲れたこともあって、俺はぐっすり眠れそうな気がした。
ウィッシュが無事に戻ってきたのはいいが、今度はウィッシュ(とポチ)が滝壺に落ちなければならないと思うと・・・
いや、もう臆病では居られない。ウィッシュとポチの勇気を忘れたのか。
ようやく手繰り寄せたハッピーエンドへの糸、絶対に逃すわけにはいかない。
427 名前: 79 質問44 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:11:47 ID:8yIDrwwM
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「智途ファンが増えたのも嬉しいが、しのたんファンが根強いのも嬉しいな」
ハロ「まともな事言うな。ゲストはポチ」
ポチ「よろしくお願いします」
(´・ω・)つ[]<課題終わらないんですけど手伝ってくれませんか
79「金だ、金の話をしよう」
蕪「ニコスwwww」
ハロ「は?」
ポチ「課題があるうちはしっかりこなしましょう」
つ[]<もんだい:いちばんデレてるのはだれ?
79「由梨。」
蕪「なんだかんだ言ってツンじゃね?」
ハロ「でもデレたとき可愛いのは智途かな。普段とのギャップが激しいからか」
ポチ「ウィッシュは出てこないんですか?」
つ[]<問題:チトとハロの子供の名前は?
79「ご想像にお任せします」
ポチ「チハ」
ハロ「電車か」
蕪「チロル」
ハロ「ボロンゴwwww」
[リスト]<代表:カ○ージュ
[リスト]<理事長:せひろす
79「FF7にはメガネ居ないから耐性無いんだろうか」
ハロ「つルード」
蕪「ウホッ・・・ねーよwww」
ポチ「しのた編鋭意製作中らしいのでお待ちいただきたいです」
つ[]<焼きプリンを作りたいのですが・・・
79「熱したフライパンにプリン乗せればいいんじゃないの?」
ハロ「バーナーで炙るんだろ?」
蕪「カラメルの代わりに鉄を流し込む」
ポチ「・・・」
つ[千両箱]でも中身はローショ(ry
79「つまり入れと」
ハロ「言ってねーだろwww」
つ[]<[ギルガメッシュナイト][トゥナイト2][A女E女]
ハロ「トゥハート」
つ[]<最低でもこれだけは見るべきアニメはありますか?
79「ラピュ夕」
つ[]<のばら
79「きさまら はんらんぐんだな!」
ポチ「絶えませんね」
つ[]<てんてーENDを切に希望します
79「これ以上増やすのは無理ポなので了承いただきたい」
ハロ「っていうかそれどんな顔して学院通えばいいんだよwwww」
つ[]<ツンフィーバァァァアアアア!!!
79「そんな君には、ツン編エンドは・・・
 1.濃厚なツンデレの世界。
 2.甘美なツレデレの世界。
 3.なんかもう全員ツンデレ。
のうちからどれか一つを選ばせてあげよう。参考にはしないがな」
ポチ「まさに外道・・・」
428 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:12:47 ID:8yIDrwwM
ポチは犬の名前だって誰が決めたのやら
固定観念だな、江口
ところで、何か誤爆あったんでしか?

次週に続く
カウント:3
429 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 01:25:38 ID:OAvfzzFz
久々の誰GJ!!!

ウィッシュ編もクライマックスか…
なんか最初に出会った大晦日が懐かしいな

というわけでツン2を選択する俺
誤爆?どこかのホウキ少女ですか?

時間が無くて色の続きが書けないのを深く陳謝


つ[]<オレは カウントアップ をつかった!!
79氏の ターンすうが 2あがった!!
430 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/01(水) 10:54:09 ID:1AokgVlT
GJ!
なんかもう愛してます
つ[]<蕪雲最近目立ってないねって俺の姪が
431 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/01(水) 12:49:05 ID:FShfeVhg
79氏GJです!
しかし、今回のハロ(の最初)は随分とカッコ悪いですね(ほめ言葉
それより、ウィッシュが元に戻って良かったです。

つ[]ハロよ、何故紳士猫が出て行った後に襲わなかったぁ!
432 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:15:24 ID:audQCkDE
投下しますよ
433 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:17:31 ID:audQCkDE
「長かったわね」
「あぁ、ツルはよく頑張った」
 そう言いながらツルの頭を撫でると、弱々しい目でこちらを見上げてきた。手は口元に
当てられ目は微かに潤んでいるが、感動している訳でもなければ欲情している訳でもない。
身を寄せられていることも普段なら大喜びするのだが、今回ばかりは離れたかった。
「ごめん。頭はもう良いから、背中を撫でるのに戻って」
 そう、バス酔いしているのだ。元々乗り物にやたらと弱いツルだが、その中でもバスは
特に苦手としていて、そんなものの中に数時間居たツルは非常に危ない状態になっている。
酔い止めは飲んできたものの体質なのかそれを遥かに上回る弱さのせいで、バスの中では
「殺して、もう死にたい」と何度もうわ言のように呟いていた。僕は過去に何度かゲロを
かけられた経験があるので、そんな事態にならないようにと切に願っていた。
「大丈夫デスか?」
「死にそうよ。センスは平気そうね?」
「あ、はい。スクールは基本バス通学でシタから」
 毎日長距離バスに乗っている姿を想像したのか、ツルの体が揺らいだ。このアメリカ娘
は無邪気な上に無自覚に爆弾を落としてしまうから恐ろしい。
「歩ける?」
「カメにおんぶしてもらう」
 それは良いが、間違っても頭にかけるなよ。初めてかけられたときはおんぶをしていた
ことを思いだし、軽く憂鬱になった。今のツルには、おんぶで歩く振動さえも凶器になる
ことを本人は覚えているのだろうか。
「ほら、袋要る?」
「うん」
 短く答えると、ツルは水樹から紙袋を受け取った。中にはビニール袋が重ねられている、
いわゆるゲロ袋というものだ。年頃の娘だというのに何の躊躇いもなく受け取る、正確に
言えばもぎ取るなんて、限界も近いらしい。せめてもの情けとして、皆に見えないように体で隠しながら背を撫でる。
「この辺で少し休んでこうぜ」
「そうしようか。ツルも……おいちょっと待て絶対に外に溢すなよ!?」
「うふふ、大丈夫よ。カメは私を嫌いにならないわよね?」
「溢すの前提か馬鹿!!」
 僕は急いで物陰へとツルを連れてゆく。
434 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:20:01 ID:audQCkDE
 何故こんな危険な状態になってまで、僕らはこんな場所まで来たのか。理由は簡単で、
商店街の福引で宿泊券が当たったからだ。三世帯家族宿泊券セットと書かれたチケットは
六枚組だけれど、生憎と僕とツルは愛しくただれた二人暮らし。しかし無駄にする訳にも
いかず、今日から夏休みということもあり皆で頑張って予定を合わせて来たのだ。しかし
思い出を作りに来たのに、最初に体験したのがゲロというのはあんまりだと思う。
 僕がツルに意識を向けないように考えている内に、終わってくれたらしい。マナー違反
かもしれないと思いながらゴミ箱に袋を捨て、口をゆすがせるとツルを背負った。目的地
の旅館までは歩いて1km程、荷物が少し重いもののこのくらいなら背負っていけそうだ。
 あまり刺激しないように歩くこと十分、旅館が見えた。しかし見えたのはそれだけでは
ない、何故か見覚えのある人影が数人見えた。錯覚だと思いたいが、目を擦っても変わら
ないことを考えると幻覚ではないらしい。
「あら、カメ君。どうしてここに居ますの?」
「お、カメ。奇遇だな」
 入口のところに、ホウ先輩やオウ先輩、アズサ先生やエニシ先生が居た。
「ホウ先輩こそ何で居るんですか?」
「何故も何も、ここはウチのグループの系列でしてよ」
 確かに重鞘旅館とあるが、それは土地の名前だと思っていた。
「わたくしの家系は元々この辺り一帯の大地主で、そこから身を起こしたんですの」
 ホウ先輩やオウ先輩が普通に居るのは分かった。
「で、何でアズサ先生やエニシ先生が居るんですか?」
「ここって肌に良いらしいから、ちょっと奮発して来ちゃったのよ」
「お湯の品質は保証しますわ」
 確かにホウ先輩やオウ先輩の肌はすべすべだ。
「でも、生徒の前だと気不味くないですか?」
「馬鹿なことを言うな!!」
 アズサ先生が普段は細い目を見開いて怒鳴ってきた。
「十代だからって良い気になるなよ!! お前らもあと十年経てば分かる!! それに、まだ
肌は辛うじて水を弾くんだ!! 気不味いことなどある訳がない!!」
435 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:22:30 ID:audQCkDE
 そうか、ギリギリだったのか。そりゃいつも煙草の匂いをさせているし、以前聞いた話
では酒も大量に飲むと言っていた。それだけでも私生活の荒み様は分かる、当然肌も危険
な状態になるだろう。ツルはそうならないようにしようと思いつつ、慰めの言葉を言おう
とアズサ先生の方を見ると、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「……アズサ先生」
「何も言わないでくれ。煙草の煙が目に染みただけだ」
 なら、何も言うまい。
「ところで、いつも一緒の性悪ロリは何処ですの?」
「……あ、そう言えば、皆居るのに姿が見えない」
 性悪ロリというのは言い過ぎではないだろうか。ツルは乱暴者で口が悪くて性格がひね
くれていて、おまけに低身長で幼児体型なだけだ。そんな蔑称で呼ばれるような人間では
ない、もっと崇高なものだ。敢えて言うのなら、
「合法的ロリ」
 思わず呟いた直後、首が強く絞められた。低い声だったが、背に密着していたツルには
ちゃんと聞こえたらしい。怒りが体調を上回ったのか、万力のような力で絞めてくる。
「あら、居ましたの」
「……凄い……ツルもカメも真っ青」
「ちょっと、カメの目が本気でヤバいわよ」
「大丈夫かカメ!!」
 一真とコイが必死に引き剥がしてくれたお陰でどうやら一命は取り留めたらしい。命は
大切なものだと改めて知った、これからはもう少し真面目に生きていこうと思う。
 受付でチェックインを済ませて、部屋に向かう。僕を含めた野郎連中は松一の部屋に、
ツル達三人は松ニの部屋だ。公平なのは良いことだが、水樹が居るせいでなんとなくそう
思えてこない。中身は男三人でも、外見は男二人に美少女一人だ。
 部屋に入ると、素敵なものが見えた。有料チャンネルではない。いや有料チャンネルも
大切だが、それ以上に大切なものがある。手始めに僕は服を脱ぎ、
「馬鹿野郎、せめて風呂場までは服を着てろ!! 全裸で向かう気かこの変態!!」
 ぶん殴られた。
「馬鹿はお前だ!! いきなりそんなカッ飛んだマネする訳ないだろ!!」
「え? じゃあいきなりエロ番組でちんこいじる気? それはちょっと」
436 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:25:30 ID:audQCkDE
 こいつらとは夜通し話をする必要がありそうだ。
「良いから人の話を聞け。ほら、そこにあるのが見えんのか?」
 僕が指差した方向を二人が見た。しかし一瞬でこちらを振り向き、
「やっぱり有料チャンネルじゃねぇか!!」
「その下だ馬鹿、浴衣があるだろ」
 そこでやっと納得したような表情を見せた。こいつらは普段、どんな目で僕を見ている
のだろう。出来れば知りたくないけれど、確認をする必要が出てきた。
 三人で着替えて、漸く余裕が出てくる。
 不意に一真が鞄から小冊子を取り出して、眺め始めた。何だろう、と思ってタイトルを
見てみると『月刊エロ和服』という文字が渋い色で並んでいる。こんな場所で、と思った
が、廊下を歩く人の足音でそれは間違いだと気付かされた。こんな場所で、ではなくて、
こんな場所だからこそ見るのだ。恐らく客の殆んどは浴衣装備、女将さんや中居さん達も
和服を着ているに決まっている。こういった超空間の中でいやらしい心を燃え上がらせる
それは、一種の聖書と化してしまうだろう。
「僕にも見せろ」
「直球だな。だが俺の楽しみを分ける義理はない」
 無理矢理覗き込むと、そこは調度僕好みのページだった。浴衣をはだけた女性がこちら
から目を反らすように座っていて、それだけでも目が釘付けになる。その上、崩した足の
間から確認できる股間には、和紙でマエバリがしてあった。
437 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:26:15 ID:audQCkDE
「貸せ、貸すんだ。貸しなさい!!」
「へぇ、何を?」
 背後からかかるのは、底冷えしたツルの声。どうやらバス酔いは完全に治ったらしい。
嬉しいことだ、これで何の躊躇いもなくツルとイチャ付くことが出来る。
「で、何それ?」
「僕は無実だ。一真は見せてくれないし、そもそも一真の備品だから」
「あっ、カメ、この野郎。汚ねぇにも程があるぞ」
 事実だから仕方ない。
 そんなことよりも、僕は一つ気になった。
「ツル、その下は全裸か?」
「ンな訳ないでしょ!!」
「だって、和服の下に下着は着けないだろ?」
「そうなんデスか!?」
 センスは顔を赤くして扉の陰に隠れた。アメリカ人は知らないのだろうが、下着の線が
出てしまうので基本的には着けないのだ。男の場合は風でめくれると最悪な結果になって
しまうので仕方のないことだが、個人的な意見としては女の子には着けないでいてほしい
と思う。特にツルがそうすると思っただけで、どうしようもなくなってしまう。男女差別
なのではなく、ツル区別と表現した方が良いのだろうか。
 いずれやってほしいと思いながら、吐息を一つ。
「準備は出来たのか?」
「うん、大丈夫」
 よし、風呂に行こう。
「覗かないでよ?」
「はい」
 今まで黙っていただけに、コイの一言は恐ろしかった。
438 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:28:04 ID:audQCkDE
 脱衣所で浴衣を脱いでいると、人がお湯に入ってゆく音やツル達の黄色い声が聞こえて
きた。どうやら既にビバノンノな気分らしいが、きちんとマナーを守っているのか心配に
なった。覗くなと言われたけれども聞くなとは言われてはいないし、緊急事態に備える為
に神経を張り巡らせる。準備体操なども必要だろう、いざという時にすぐに対処する為だ。
決して覗きやすいようにする為ではない、ツルの為に必要なのだ。
 全裸になってタオルを肩にかけ、シャンプーなどを持ったら準備完了だ。参加するのを
何故か嫌がる水樹をさておき、一真と二人円陣を組んで気合いの声を出す。
 両手で扉を開くと、
「おぅ!?」
 湯気の向こうに桃源郷があった。
「何でカメがここに居んのよ!?」
「覗くなっつったよね?」
「見ないで下サイ!!」
「カメ、お前という奴は」
 慌ててお湯に体を沈めるツル達とは対照的にホウ先輩やオウ先輩、エニシ先生は普通に
こちらを見返してくる。何故こんな状況になったのかと思い視線を横に向けると、一瞬で
理解出来た。僕が通ってきた暖簾とは逆方向、左側には女の文字が染め抜かれた赤い暖簾
がある。つまりここは混浴なのだろう。今時こんな展開があるとは思わなかったが、現実
にそうなっているので仕方ない。ホウ先輩やオウ先輩が平気そうにしているのは、ここが
混浴だと知っていたからだろう。エニシ先生はよく分からないが年上の余裕なのか、それ
とも逆レイプをかましてくるような痴女だからなのか。
 過程はどうであれ、今は結果を楽しむのが先だろうか。混浴なのだし、堂々と見るのは
覗きとは言うまい。約束も守ったことになる。それに今更見るなと言われても、脳に焼き
付いた光景は暫く離れまい。論理的に考えても、何の問題も無いだろう。因みに大きさの
順で言えばエニシ先生、センス、コイ、ホウ先輩、オウ先輩、アズサ先生、そして大きな
差がついてツルが居る。一際小さい、いや無存在の0カップがこれ程とは思わなかった。
0カップ、Oカップと文字は似ているが存在の量は天と地程の差が存在する。そこがまた
ツルの良いところだけれど。
439 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:30:00 ID:audQCkDE
「大体何で全裸なのよ!?」
「そりゃ風呂に入るときは全裸に決まっているだろう」
 ツルが顔を赤く染めながら妙なことを尋ねてくる。ツル達も風呂に入るときは全裸の筈
なのに、どうしてこんな当然のことを訊くのだろうか。
「ならカメ、早く目と股間を隠しなさいよ!!」
「そりゃ無理だ、タオルが一枚しかないから物理的に不可能だろ」
「それに何でちんこ立ててんのよ!!」
「そりゃ裸の女を見たからに決まってるだろうが。僕がホモだとツルも嫌だろ?」
 そう言うと、悔しそうな表情でこちらを睨んできた。何故だろう。論理的な展開が苦手
なのか理不尽な行動が多いツルだが、今日はいつもにも増して酷い。ツル本人は大丈夫と
言っていたけれど、やはりバス酔いの後遺症が残っているのだろうか。
 僕はそんなツルを安心させる為に笑みを向け、
「僕のことは空気だと思って、遠慮なく遊べ」
「そんな変態じみた空気は地球上には存在しないわよ!!」
 宇宙にも目を向けようということか、乳は小さいがスケールは巨大だ。
「空気だったら、吸っても良いのかしら?」
「あら、良いですわね」
 どこを見て言っているのだろう、この痴女コンビは。
 僕は敢えてホウ先輩をエニシ先生を無視して、センスとコイの方向を向いた。オウ先輩
は気持ち良さそうに、アズサ先生は関わりたくないという表情で離れたところに居るので
僕も関わっていかない方が良いのだろう。そうして消去法で選ばれた二人だが、まだ恥ず
かしいらしく鼻の下まで潜っている。
「センスもコイも、僕のことは気にしないで乳揉み式サイズ比べでもしろよ」
「する訳ないでしょ!?」
 なら僕が参加するまでだ。
440 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:31:30 ID:audQCkDE
 一歩踏み出し、
「カメ?」
 ツルの声に、一歩後退した。
「黒? 白?」
「灰色」
 疑った瞬間に罰する精神の持ち主のツルだから、白と言われない時点で黒と変わらない。
しかしツルはこちらを見て唇を笑みの形に歪めると、
「これからの行動で変わるわよ?」
 つまりは、挽回のチャンスを与えられたということか。
 僕はこの機会を活かす為に思考すること数秒、結論してツルを手招きした。不機嫌そう
に眉根を寄せながらも素直に寄ってきたツルの肩を掴み、捻って僕に背中を向けさせた。
そして背後から両乳を掌で押さえ、
「わー、ツルの大っきいー」
「嫌味かぁッ!!」
 顔を固定され、飛び上がるような状態で頭突きされた。
 何がいけなかったんだろうか。乳揉みの部分は掴める程存在しないので擦るような状態
になったがこれは物理的な問題なので仕方がない、ツルもそれは分かる筈だ。それ以外の
こととはつまり、某読みだったのがいけなかったのか。
 あまり言いたくないが仕方ない。僕は吐息で一拍開けると先程と同じようにツルの乳に
手を当て、出来るだけ感情を込めながら、
「わー、ツルの小っさーい」
「黙れ」
 激痛。
 低く押し殺した声と共に、僕の両脇腹に肘が叩き込まれた。
「ツル、どこでこんな技を」
「中学のとき、通信教育のバヌツを習ったのよ」
 成程、こんなことをされては流石のモリアーティ教授もやられてしまうだろう。
 僕はツルの綺麗な尻を見ながら、崩れ落ちていった。
441 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:33:10 ID:audQCkDE
 夕食を終え、僕は再び風呂に来ていた。一回目はお湯に入ったもののそれは股間から下
のみだったし、そもそも三分も入っていなかったからだ。せっかく温泉旅館に来たという
のに、これでは意味がないだろう。三泊四日なので時間的な余裕はまだまだあるものの、
1日目はやはりここの醍醐味である浴場を楽しみたい。
 そんな訳で独りお湯の中のんびりしている。
「極楽だぁ」
 ホウ先輩が自信を持っていただけあって、本当に気持ちが良い。アズサ先生も入浴の後
はやけに気分が良さそうだったし、他の面子も嬉しそうにしていた。ツルも心なしか僕に
優しくなっていたような気がする。肌に染み入ってくるこのお湯は、心の垢も落とすのだ。
 軽音。
「あ、やっぱりここに居た」
 バスタオルを巻いているのが残念だが、それでも目に優しい姿のツルが居た。掛け流し
であるせいで浴槽から溢れ出ているお湯を跳ねさせながら、ゆっくりとした足取りで僕に
向かって歩いてくる。一歩踏み出す度に聞こえる水音が、何とも耳に心地良い。
 ツルは僕の隣の縁に腰掛けると、覗き込むように体を見てきた。
「さっきはごめんね、まだ痛い?」
「平気だよ」
 目を細めて僕の顔を見ると、爪先で脇腹を突いてきた。
「何しやがる!!」
 本人は軽く蹴ったつもりなのだろうが、僕は本気で痛かった。
「うわ、ごめん。つい」
 お前はつい青痣を蹴ってしまうのか。
 苦笑を浮かべながらお湯に入り、ツルはもたれるように身を寄せてきた。水分を含んで
照明の光を強く反射する黒髪が綺麗で、つい見とれてしまいそうになる。
「久し振りだね」
 呟くような小さな声は、多分安心しているからなのだろう。
「二人でお風呂に入るの、十年ぶりじゃない?」
 もうそんなになるのか、時間の経過というのは早いものだ。
「その頃はこんな風になるとは思ってなかったし」
「七歳の頃から浴場プレイを考えてたとしたら、そいつは本物の変態だ」
442 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:34:44 ID:audQCkDE
 僕は考えていたような気がするが、きっと気のせいだろう。子供の頃から常識人だった
僕に限って、そんなエロい馬鹿のような思考をする筈がない。親戚のお姉さんと風呂に
入ったときに興奮して、更には思わず乳を揉んでしまい殴られた記憶があるだけだ。
「何で遠い目をしてるの?」
「いや、そう言えば隣のお姉さんに似てたなと思って」
 脳内合成をしながら、不審そんな目で見てくるツルの頭を撫でた。
 数秒。
「ね、カメ」
 声に振り向くと、唇を重ねられた。
 あまりの可愛さに思わず抱き締める。父親がするように膝の上に載せると、目を閉じて
僕に体重を預けてくる。その重みと体の柔らかさが気持ち良い。
「カメ? 当たってるんだけど?」
「すまん、つい」
 ふと思い付いた。
「浴場で欲情」
「うるさい!!」
 どうやら気に入らなかったらしい。仕方ないだろう、僕も他人の発言だったらば間違い
なく死罪の判決を下しているところだ。しかし和ませようとして言ったのを直接的に否定
されるというのは、思っていたよりも辛いものがある。
「それに私の前ならともかく、皆の前でこんなの出して」
「いや、仮性人じゃないからつい油断してた」
「脳は真性なのにね」
 随分と酷いことを言う娘だ。
「で、どうするの?」
「頼む」
 仕方ないわね、と言いながら僕のものを太股で挟んできた。割れ目に当てるようにして
体を上下に動かす、素股というものだ。いつになく積極的なのは嬉しいが、個人的な意見
としてはいつもの半マグロ状態の方が好きなのでツルの胸に手を伸ばす。少し邪魔だった
バスタオルを外していつものように両手で乳を擦ると、それだけで股間に温いものが絡み
ついてきた。ツルは息を荒くしながら、こちらを見上げてくる。いつもより頑張って耐え
ているせいか瞳はやけに潤み、首に回された手には強く力が篭っている。腰の動きは弱く
なったものの、まだ続けていた。
443 名前: 『ツルとカメ』×10 [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:37:01 ID:audQCkDE
 僕は右手を胸元からずらして股間に這わせ、とろけた穴へと指を滑り込ませた。擦る、
と言うよりも掻くような動きで指を動かせば、それに呼応してツルの動きが止み、背中を
丸めて大きな声を漏らす。二人きりとはいえ、少し問題がある程の音量だ。
 しかし残念なことが一つ、ここでは悶えるツルの体が見えない。
「これ程濁り湯が嫌だと思わなかった」
「私は、そっちの方が、良いん、だけど」
 途切れ途切れではあるが、こちらを睨みながら反論してくる。普段も灯りを点けること
を嫌がるツルらしい答えだ、鋭さを失わない目がかわいらしい。
 しかしそれに応えることは出来ない。僕はツルを抱えると、縁に腰掛けさせた。そして
外しておいたバスタオルを床に敷くと、その上に横たわらせる。光がある場所でツルの体
をちゃんと見るのは初めてだが、満偏なく僕好みだ。
「や、見ないでよ」
「見えるものは仕方がない」
「お湯に戻して」
「馬鹿、これ以上お湯に体液とか出したら有害だろうが」
 反論出来ないらしく、ツルはそっぽを向いた。
「それじゃ、遠慮なく」
 言って割れ目に息子を当てがうと、殆んど抵抗なく飲み込まれた。先程の素股で興奮を
していたせいか、意識していないのに腰が勝手に動き出す。奥を突く度に小さな体が揺れ、
切なく合わせてくる目線は心を強く掻き立てる。僕自身のせいだが一度中断された刺激が
再び与えられたことに加え、この特殊なシチュエーションのせいで今にも射精しそうだ。
僕は物理的な快感よりも寧ろそちらの方に弱いので、肉を打ち擦る音や、ツルの喘ぎ声に
よって出したくなってくる。声や音がよく響く大浴場なら、それは尚のことだ。しかし皆
にバレるのも問題なのでキスをしてツルの口を塞ぐ。舌を絡める音が脳に響いてきて、腰
の動きが一層激しくなった。
「もう、限界、なの? ビクビク、してる」
 本当に限界だ。
 僕は奥深くまで突き、ツルの中に放出する。引き抜くと普段よりも多い量が溢れてきて、
お湯の中でしなくて本当に良かったと思った。後に入る人の気持ちになってみれば、複雑
なものが込み上げてくる。
 取り敢えずツルや床を綺麗にしようと振り替えれば、
「あ」
「「「「「「あ」」」」」」
 調度戸を開いて入ってきたコイ達と目が合った。
444 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 15:40:16 ID:audQCkDE
今回はこれで終わりです

>>406
リアルタイムサンクス
萌えた?

>>407
使った結果がこの有り様
何に使ったのかは言えない

79氏
GJ!!
そしてツンマダー?
445 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 19:16:01 ID:7WWL8W7q
ツンデレスレじゃなくて『気の強い娘がしおらしくなる瞬間』かとオモタ
446 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/03(金) 00:31:01 ID:97OXeg1C
>>445
まぁ、向こうは実質ツクバさんのスレだけどなwwww
447 名前: 名無しさん@ピンキー [age] 投稿日: 2006/11/03(金) 10:14:01 ID:mPDjcFzq
ムハ
448 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/03(金) 13:52:00 ID:HbMyscul
温泉とは読み手の心までも和ませてくれるものなのか。

なんだかんだ言って結局いいコンビだよな、この二人…
449 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/03(金) 18:38:47 ID:DZWQfSQA
ロボ氏GJ!
オチに思い切り吹きましたw
450 名前: 名無しさん@ピンキー [age] 投稿日: 2006/11/03(金) 22:25:36 ID:GofH0uXO
ほ、保守じゃないわよ!その…さ、晒しageよ!ツンデレなんて騒ぐくだらないスレを晒しageしただけなんだから!
勘違いしないでよね!
451 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/05(日) 17:06:02 ID:dlMYetIV
保守
452 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:50:48 ID:f4FbRN5B
次スレ
ツンデレのエロパロ3
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162741169/

貼るには容量足りなくて。保守に協力していただきたく
453 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 20:26:57 ID:qHqDSWpq
454 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/07(火) 13:57:21 ID:CoSevwcB
455 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/07(火) 14:01:31 ID:fj1I4ZGG
456 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/08(水) 01:14:07 ID:GUgJqcc3
457 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/08(水) 23:17:21 ID:iWcNrlD+
膿め
458 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/08(水) 23:20:25 ID:vSd2KHOE
産め
459 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 02:53:33 ID:TgD9NLN4
生め
460 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/10(金) 23:56:44 ID:NKd6tg9b
倦め
461 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/14(火) 15:51:12 ID:AY5aqA7w
生め
462 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/14(火) 22:01:27 ID:mwQGCn1V
うにゅ
463 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 13:15:59 ID:qGp/odW9
無い乳放送局〜
464 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/18(土) 00:31:29 ID:EtisaBV0
うめ
465 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 19:49:24 ID:/FZ7U3TX
保守埋め
.。・゚・(つД`)・゚・。.
466 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/30(木) 23:53:12 ID:CkJM5XHv
足コキ…それは甘美な響き
467 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/03(日) 17:58:16 ID:LmW0EqrV

468 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/15(金) 02:30:38 ID:JvfkiHoR
まだいけるか?
469 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/23(土) 22:23:03 ID:yFi/lN1+
20KB近く余ってる上に一週間も放置されてる。
470 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 23:34:04 ID:Z6yJT969
20Kbほど中途半端な数字はないな
471 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/12/30(土) 23:44:06 ID:kg0bARH+
職人さんこないかなあ
472 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/01(月) 16:23:49 ID:0899evr9
君が職人になるんだ
さあ!
473 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/02(火) 13:05:47 ID:zwfgcFOY
『べ、別にアンタのマイホームなんて建ててやらないんだから!』