ツンデレのエロパロ3
1 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs 投稿日: 2006/11/06(月) 00:39:29 ID:f4FbRN5B
ここはツンデレのSSを書くスレです
SS職人さんによるSSの、二次創作なんかも随時募集中です
GJなSSには素直にGJと言いましょう。職人さんたちのやる気の糧になります
そしてみなさん、和の心を大切に

などと真面目に言うのも飽きた。
2 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:40:10 ID:f4FbRN5B
初代スレ
ツンデレにこれって足コキだよなって言ったら
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123282035/
ツンデレのエロパロ
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1148839761/

前スレ
ツンデレのエロパロ2
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156287579/
3 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:41:08 ID:f4FbRN5B
『私』を使いたいのに、いつまでも『わたし』が変換される。お前はいつも私の邪魔ばかりする
・・・ちなみに、『このSSはパロディなんだろう。そう考えてた時期が、私にもありました』と言われても
残念ながら、かれこれ一年もだらだら続けてきたオリジナルなんですごめんなさい

前回の続きです
(前スレ)
>429
甘美なツレデレの世界か。やっぱツンデレでもデレ分が多いほうがいいかね?
>430
やめろよ、みんなが見てる
>431
まあダメ人間だからな。しゃーない
>433-(ロボ氏/ツルとカメ)
>そんな変態じみた空気は地球上には存在しないわよ!!
(´・ω・`)
だが話のふいんき的には大鋤
4 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(10/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:42:00 ID:f4FbRN5B
ポチ「おや?起こしてしまいましたか」
そう言いながら、紳士的な猫は障子を閉める。
ハロ「いや、寒いから起きたんだ」
傍らでは、ウィッシュはまだすうすう寝息を立てていた。
ポチが歩み寄ってきて言う。
ポチ「可愛いですね」
ハロ「・・・お前にはやらんぞ」
ポチ「ふふ、そういう意味ではないです」
ハロ「ああ。可愛いさ。でも可愛いばかり言ってられないよな」
無垢なその顔を見つめていると、『可愛い』が『可哀想』に変わってきてしまうんだ。
ハロ「お前はあの滝に飛び込むの、怖く、ないんだよな」
猫の形をしているが、中身はやはり人間なんだろう。俺は試しに尋ねてみた。
ポチ「後悔はしたくないものですから・・・」
ハロ「後悔?」
ポチ「いえ。何でもありません。私は前も言ったとおり、このこの助けになるなら何でもする覚悟です」
ポチはとことことウィッシュの枕元のほうに歩いていき、そこに座った。
ポチ「その覚悟は、あなたも同じでしょう?」
ハロ「そうだ」
ポチ「なら、今更お互いに聞き確かめる必要も無いでしょう」
ハロ「・・・」
こいつ、ウィッシュの何だったんだろう。
色々謎は多い。すべてわかっているような口ぶりで、まるで以前も同じことを体験していたかのようだ。
ウィッシュがあの滝から落ち、人柱となった頃の、何百年も昔の話。そんな頃の事、俺には知る術さえも無い。
ハロ「ところで、何やってるんだ?」
ポチは、その目の前に揺れるウィッシュのアホ毛にむかってちょいちょいと手を出している。
ポチ「どうも気になってしまって」
猫の習性か。
ポチ「できれば、私をここから離して頂けませんでしょうか?」
ウ「ん、んん・・・」
ウィッシュは寝返りを打つ。俺もポチもびっくりとして一瞬硬直した。が、ポチはまた手を出さんとする。
ハロ「何がしたいんですか?」
ポチ「な、何もしたくないんですが、つい」
俺はやれやれといった感じで、ポチの腋のあたりを支えて持ち上げた。
ウ「ふぁ〜・・・もう朝?」
そしてその時、ウィッシュは体を起こした。目をこすり、手を上げて伸びをしている。
やがて、枕元に立ってポチを抱えている俺に気付いた。
ウ「わっ!?何やってんの?」
ハロ「ジョギングしてるように見えるか?」
ポチ「それも的確な返事とは思えませんが」
ウ「何かいたずらしようとしたでしょ?」
ハロ「そんな事はない」
むしろ、助けてやったほうなんだぞ。
ウ「そういえば心なしか頭に違和感が」
ウィッシュはアホ毛をちょいちょいといじった。
ポチ「き、気のせいですよ」
ポチは俺を振り払い、綺麗に床に着地した。
ウ「そっか。ポチがそう言うならそうかな?」
うわっ、俺ってば信用無いな。今まで付き合った時間の差で圧倒的有利だった筈が猫に負けた。
すこし間があって、俺はその間に『さあ行こうか』という言葉を入れようとしたが、しかしそれが言葉になる事はなかった。
せっかくウィッシュを取り戻したと言うのに、別人格のウィッシュの期待を裏切り、まだ足踏みしていたい自分が居た。
5 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(11/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:42:29 ID:f4FbRN5B
ハロ「なあ、教えてくれ」
ポチ「何ですか?」
ハロ「お前とウィッシュが滝壺に落ちた後、どのくらいでウィッシュは転生するんだ?」
ウィッシュも、不安そうな顔をしてポチを見つめている。
ポチ「神が、それを許すまで」
ハロ「神?」
ポチ「そうとしか、言いようがありません。もともと非現実的な話ですから」
ハロ「そう、か」
本当に、望みの薄い話だったんだな。
ウ「で、でも、私は信じてるよ?きっとうまくいくって!」
ハロ「・・・ウィッシュ」
ウ「はえ?」
ハロ「俺、ずっと待ってるから。安心して行って来い」
ウ「・・・うん!」
ウィッシュは笑顔で応えた。
ハロ「さ、そろそろ行こうか」
差し出された手を、ウィッシュは力強く握り返した。
恐怖や不安は無いわけではなかった。況してや、それを無理して抑え込んでいると言うわけでもない。
ウィッシュの『願えばいつか実現するよ』という楽観的な考え方は、嫌いじゃない。『いつ』になるかわからなくても。
いつもウィッシュは人々に希望をくれる。自らがその願いを汲み、叶えていくことで。
でもその事は、ウィッシュを確実に人間から離れさせていく事だったんだ。やっぱり、そんなのはおかしい。
・・・なんて、真面目な事を言うつもりもない。
俺は単にウィッシュが好きで、だからここから連れ出そうとしているだけだと、そう言われたら真面目に言いわけするだろうが。
ああ、莫迦なやつだなあ俺は。
ハロ「どうせならもう一回くらい・・・」
ポチ「口に出てますよ」
ウ「バカ」
言われてしまった。
ハロ「い、今色々と思い出を振り返ってきたんだよ!そしたら、なんかさびしくなって」
ウ「むう。でもこんな時に言う言葉じゃないよ!」
ハロ「反省」
ウ「もう・・・」

落ち葉を踏みしめ、昨日ウィッシュを追って走ってきた道を通る。
昨日は真夜中だったから足元も見えないくらいだったけど、今はそうでもない。
だがこのあたりは鳥の声一つせず、なにやら物寂しい気分にさせる雰囲気があった。
ウ「ねえ」
ハロ「ん?」
ウ「昨日、ここ通ったよね?」
ハロ「ああ。追うのが大変だったぞ。もう必死だった」
ウィッシュは悲しそうな顔をして俯いた。
ハロ「おいおい、今更そんな事掘り返さなくてもいいじゃんか。俺は気にしてないって」
ウ「でも、ちゃんと謝ってなかったよね、その・・・ごめんなさい」
ハロ「謝んなって言ってんだろうがこのバカチンがぁ!」
ウ「えっ!?あ、ごめ・・・あ、うん」
慌てふためくウィッシュ。
ハロ「そりゃ、俺もあの時はどうすればいいか本気で悩んだけどさ、ウィッシュが戻ってきてくれた後からは、本当にもう
 どうでもよくなってきたんだ。だから心配しすぎるな。ハゲるぞ」
そしてそのアホ毛が抜け落ちるぞ。
ウ「はっ、ハゲないもん!」
6 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(12/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:43:26 ID:f4FbRN5B
森を抜け、古い神社の裏手に回り・・・そこには、当然ながら塚と滝があった。
昨日見たときも十分薄気味悪い場所だったが、昼間でもその雰囲気はそのままだった。
忘れ去られた土地。誰も来ない、気にも留めやしないところ。
人々は、形だけの新しい神社で願い事を続け、ウィッシュの塚はここに置き去りにしてきた。
その事をそいつらは知りもしないだろうが、それでも俺はそう考えると腹が立った。
壁のような崖の、遥か上方に開いた穴から流れる、巨大な滝。
すべてを流してしまいそうなその流れは、小さな滝よりも潔くすべてを流してくれそうな感じがした。
それが前向きな感情であるか、後ろ向きな感情であるか――それを考えるのとは別にして。
ウ「儀式とかはないの?」
ポチ「滝の音にも負けない大きな音がする楽器があればいいのですが」
ハロ「何でそんなものが要るんだ?」
ウ「神様に『やるぞー!』って伝えるためだよ」
ウィッシュが答えた。・・・わかりやすい解説だ。
ハロ「でも、そういうことは出発前に言って欲しかった気がしないでもない」
皮肉をこめてポチに言う。だがポチはそれを無視し、大きく息を吸い込んだ。
ポチ「オァ――――ォン・・・」
渓谷に、ポチの声が響いた。
なるほど、ポチの声は昨日もよく響いた。
ファンタジーな感じに例えれば、その声はまるで心に直接語りかけるような感じ、と言うのがぴったりなほど。
猫の声であることを忘れさせるような神秘的な響きの余韻が収まった後、ポチはこちらを振り返った。
ポチは、真っ直ぐにウィッシュを見つめている。
ウ「え?あっ、そっか!」
ウィッシュは滝の傍に駆け寄る。・・・俺と手を繋いだまま。
ハロ「こらこら、俺も道連れにする気か」
繋いでいる手を指差して言った。
ウ「・・・一緒に行く?」
ウィッシュは首を傾げ、可愛らしく微笑んでそう言った。
ハロ「御免こうむる」
が、丁重にお断りした。
ウ「あはは。冗談だよ、冗談」
ハロ「笑えねーよ、バカ」
ウ「じゃ、繋いでてくれなくていいから抱っこしてくれない?」
ハロ「抱っこ?」
ウィッシュの手のジェスチャーによると、お姫様抱っこのような感じらしい。体重が軽いから、出来なくはないが。

ウ「えへへ・・・///一回やってもらいたかったんだぁ」
ハロ「それは良かったな」
満足げに微笑むウィッシュ。
ハロ「でもやっぱりこの体勢は『心中しろ』ってメタファーに他ならない気がする」
ウ「こう、『ぽいっ』てやればいいじゃん」
ハロ「出来るわけねぇだろ!」
ポチ「決まったようですね」
滝の前に歩み出るポチ。決まってないよ。
仕方なく、俺もそのまま滝の前に歩み出る。
ハロ「・・・」
眼下には、数十メートルはあろうという谷があり、その底に溜まる霧に向かって、この大きな滝が流れ込んでいる。
落下地点など見える筈もない。恐ろしい轟音とともに、冷気が下から吹きだしている。
端的にまとめれば、怖い。
足が竦み、その深さにくらんで吸い込まれそうになる。・・・本当に、洒落にならんな。
ウ「ハロ」
7 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(13/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:44:03 ID:f4FbRN5B
ウィッシュの呼びかけに、意識を取り戻す。
ウ「大丈夫だよ、私なら」
ハロ「で、でも――」
思わず、その言葉が出た。いい加減にしろ。俺はもう、やるしかないんだ。
ハロ「わかった。絶対、戻って来るんだぞ」
ウ「うん」
ハロ「約束だぞ、破るなよ!」
目を強く閉じ、あらゆる感情を押し殺し、そう叫んだ。
ウ「うん。ハロが待っててくれるんだもん、絶対、戻ってくるよ」
ハロ「――っ。待ってるから!!」
俺はついに、ウィッシュをその奈落へと放り込んだ。直後、三毛猫が俺の脇を通過し、飛び降りた。
俺はその場に、がくんと膝をついた。
ハロ「う・・・あ。うあああああああああっ!!!」

・・・。
目が覚めると、青空が俺を迎えた。
どうやら俺は、どこかの草原に寝っ転がっているらしい。
草原はさわさわと音を立て、風は俺の頬を撫でた。
ハロ「ここは・・・?」
俺は上体を起こした。
丘のようだ。目の前には、雄大な景観が広がっていた。緑に包まれた山々、その間に位置する集落。
身を乗り出し、目を凝らす。
明らかに、現代じゃないような。それに、俺のこの服・・・?着物?
?「あっ!」
女の子の声がした。
声のしたほうを振り向くと、彼女は居た。
ハロ「ウィッシュ!」
そう、ウィッシュだ。草原をこちらに向かって走ってくる、あの姿。
?「ほえ?『うぃっしゅ』?」
ハロ「『ほえ?』とか言う、アホ毛を立ててるようなやつはウィッシュしか居ないだろ」
びし、とそのとぼけた顔を指差す。
?「頭でも打ったの?」
ハロ「うーん、どうやらそうらしい。ここがどこかもさっぱりわからないんだ」
?「じゃ、教えたげるね」
ウィッシュ?は、くすくす笑いながら自己紹介をはじめた。
?「私は『うぃっしゅ』じゃなくて『萩(しゅう)』。あそこにあるのは私たちの住む集落だよ」
ハロ「・・・萩?」
萩「わかった?」
ハロ「あ、ああ。何とか」
萩「じゃ、遊びに行こっか!どうせ、お仕事怠けて来たんでしょ?」
ハロ「うん、まあ」
萩は俺の手を取り、草原を駆け出した。
ハロ「ちょ、ちょっと待・・・!」

――後から気付いた事だが。
ウィッシュは初め、精霊に転生した後自分の名前がわからなくなってしまっていて、人が言っているのを聞いて
『響きが好き』だとwishを名前にしたと言っていた。
もし、この萩っていう子がウィッシュなのだとしたら、ウィッシュの響きに萩の音が重なったんだろうな。
俺は記憶喪失のフリをして、まあ半強制的にそう決め付けられて。萩に色々な場所を案内してもらった。
やっぱりここは現代じゃない。けど、不思議と不安はなかった。
8 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(14/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:44:38 ID:f4FbRN5B
萩は、今のウィッシュと変わらない、いやそれ以上に元気で、明るくて、そして優しかった。
ついさっき別れを告げてきたウィッシュがまた傍に現れたかのようで、ちょっと泣きそうになった。
萩「ここが、私の神社」
にこやかに紹介されたその神社は、驚いた事に、俺がさっきまで見ていた朽ちた神社とよく似ていた。
裏手には滝があって、それでそこに塚が――
ハロ「う、うわああああっ!」
萩「ハル!?」
すぐ目の前で俺を心配してくれている人間の墓が、いずれそこに建つ。
ハロ「ウィ――萩、行かないでくれ。行っちゃ駄目だ!そしたらお前は何百年も・・・」
萩「ハル?」
嘆願する俺の顔を、怪訝そうに見つめる萩。
萩「・・・知ってるの?」
ハロ「え?」
萩「儀式の事」
ハロ「あ・・・」
萩は俯いて言った。
萩「その事は『悲しむから言うな』って村のみんなに言われてた筈だったんだけど、やっぱり誰かから聞いたんだ」
ハロ「う・・・」
萩は屈託のない笑顔で、更に続けた。
萩「でも私大丈夫。みんなのためになるんだもん。それに、これって私にしかできないらしいし。私がやらないと」
俺はおそらく、萩を止めることができなかったんだろう。俺は半ば諦観して、尋ねた。
ハロ「いつ、儀式なの?」
萩「・・・」
萩は急に悲しげな顔になって、口を噤んだ。
ハロ「そんな事も教えてくれないのか」
萩「明日・・・」
ハロ「へ?」
萩「あ、明日だよ!私だって怖いんだけど、でも、もう明日なの!」
萩は涙目になって、俺にそう吐き捨てた。
萩「あはは。でもさあ、何でよりによって、儀式の前の日にばれちゃうかなあ。せっかく隠してきたのに・・・!」
自らを嘲笑しながらそう言った。
萩「さよなら、だね。ハルとはもっと色々、お話したかったな・・・」
ハロ「あ、おい!」
言うなり、萩は踵を返し、神社へと走って行った。
俺はその言葉がまるで自分にむかって言われたかのようで、呆然とその場に立ち尽くした。
本物のハルもこんな気持ちだったんだろうか。それともすぐに追いかけて、説得しに行ったんだろうか。
『さよなら』なんて言って欲しくなかった。
必ず帰ってくるって、そう言ったじゃないか。錯覚させるような姿で言うな!
俺は神社に向かって走り出した。

強引に神社の中に入り、萩の部屋らしきところの戸を開け、驚く萩の両肩を掴んだ。
ハロ「約束してくれ、行ってもいい。だから、必ず帰ってくるって約束してくれ!」
萩「え・・・?」
よく見ると、萩の目は涙で濡れていた。泣いたために熱った体温も感じる事ができた。
?「何やってるんだ!」
前の部屋で払いのけた見張りが俺を取り押さえた。
そうだな。何やってるんだ。萩にそんな事を言ったところで通じるわけがない。ただの錯覚だ。俺は自分に嫌気すら差した。
萩「その考えはなかった」
ハロ「・・・え?」
萩「うん、戻ってくるよ」
9 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(15/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:45:17 ID:f4FbRN5B
その後、俺は外に放り出された。
しばらくすると、俺の父親らしい人物が俺を引き取りに着て、神主さんに頭を下げていた。
俺は帰った後もそいつに酷く叱られたが、その言葉が耳に入ることはなかった。殴られてもだ。
ただ、月を見上げ、ボーっとしていた。

父?「お前のせいで俺はとんだ一日を過ごす羽目になった」
父親らしき人物は、朝から酒をあおり、俺に文句を延々と言っていた。
父?「今日はこんな田舎にわざわざ都の徳の高い僧がお見えになって、一生、いや何百年に一度になるかもわからない
 ありがたーい儀式を見せてくださるそうなのに、お前のせいでこのざまだよ!」
どん、と机の上に酒瓶を置く。
父?「儀式の変わりに辛気臭いお前を見てなきゃならねえなんてな、この世に地獄があるならこのことだぁな」
俺は立ち上がった。
父?「・・・何だ?妙な真似しやがったらただじゃおかねえぞ」
ハロ「萩が行ってしまう」
木の床を軋ませ、玄関へ向かう。
父?「待てこら!行かせるわきゃねえだろ!」
ハロ「でも俺は行く!」
父親らしき人物が立ち上がり、俺に追いつく前に家を飛び出した。

父親らしき人物は執念で俺のことをいつまでも追ってきた。
そこまで必死になって止めに来るとは、おそらく命がかかっているのだろう。俺も、ただじゃ済まないかもな。
このままだと過去を変えてしまうかもしれないが、ごめんな、ハル。もうちょっと付き合ってくれ。
どうせ、実際のお前もこうしたんだろ?俺には、なんとなくわかったんだ。

神社の奥からは、雅やかな雅楽の音が聞こえる。
――まだ終わってはいない。
俺は急いで神社の裏手に走った。

ハロ「萩!!」
突然現れた俺に、どよめく人々。見たこともない絢爛な衣裳を着た偉そうな人たちも居た。
その中に、萩の姿を認めた。萩もやはり、驚きの表情でこちらを見つめている。
?「ええい、続けろ、続けろ!」
誰かの声で、また笛の音が鳴り始め、萩は前を向きなおして、しずしずと滝のほうに歩き出した。
俺はあっという間に周囲の人に取り押さえられた。そして地に伏す俺の目の前に誰かが立ち、視界を遮った。
?「儀式の邪魔をするとは愚かですね」
ハロ「・・・」
どこかで聞いたことのある声だった。
だが、そんな事はどうでもいい。そこをどけ。せめて萩の姿を見せろ。さっさと失せろ!
?「あなたを今殺めてしまえば、巫女の儀式に障りを来たしましょう。終わるまで大人しくしていなさい」
そう言って、そいつは俺の前を離れた。
ようやく萩の姿を視界に捉えた頃には、萩のつま先は既に、地についていなかった。
萩は一瞬だけこちらを振り返り、いつもの笑顔を見せ、そして・・・その身を放った。
ハロ「しゅ、萩!!」
演奏が終わり、あたりに滝の轟音だけが残った。
ハロ「お前ら、よくも!よくも萩を殺したな!己の幸せを得るためだけに、よくもあいつにすべてを背負わせやがったな!!」
力を振り絞り、取り押さえていたやつらを振り払う。
さっき俺の視界を遮った侍の胸倉を掴む。
ハロ「お前!お前よくも萩を裏切ったな!味方じゃなかったのか!」
侍「・・・お前、何故・・・!」
――そこで、視界は真っ暗になった。
10 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(16/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:45:51 ID:f4FbRN5B
気がつくと俺は、先ほどの滝の前にうずくまっていた。
朽ちた神社、塚、・・・熾惺の制服。どう見ても、すべてが終わった、さっきの状態だった。
何が俺にあんな過去を見せたのかは知らない。
俺は昔のまま、ここで一人取り残される運命なのか。そして、消えていく運命なのか。
ハロ「・・・」
俺は愕然として、その場に立ち上がり、しばらく滝を見ていた。
萩、俺のもとにちゃんと帰ってきてくれたんだよな。
あの大晦日の夜に。願いの精、と姿を変えて。
ちゃんと、約束守ってくれたんだよな。
・・・。

――あれから、何週間が過ぎただろうか。
依然として、ウィッシュの消息は全くわからないままだ。あの猫の消息もつかめない。
居なくなって一ヶ月間くらいは毎日神社に通って様子を見ていたが、ウィッシュが戻ってきた気配は無かった。
最近になると、あれは俺が見ていた長い長い夢だったのではないかと思うようになっていた。
まるで真昼に見た夢のようだった。俺はそう例える。
ハロ「さ、授業も終わったし、帰るか」
ツン「私は別に構わないけど・・・部活は?」
ハロ「今日はいいや」
ツン「そんな事言うと、美佳ちゃんが怒るわよ?」
ハロ「・・・一緒に帰りたくないか?」
ツン「べっ、別にそんな事言ってないじゃない!それとは話が別でしょ?私がせっかく心配してあげてるのにあんたは・・・」
ハロ「わかったわかった。そう膨れるな
ツン「ふん!もういいわよ。さ、さっさと行きましょ?」

ユリ「お帰り、おにいちゃん」
ハロ「ああ、ただいま」
なんとなく、由梨の頬にキスをする。
ユリ「なななななななななな!?!??///」
ハロ「いや、なんとなく」
ユリ「おおおおにいちゃんったら、新婚さんじゃないんだからそういうことしなくていいの!///」
ハロ「いや、なんとなく」
動転する由梨を無視し、すたすたとリビングに向かう。
ユリ「はぁ・・・いつからそんなプレイボーイになっちゃったんだろ」
ハロ「お前がそんな言葉知ってるなんて意外だな」
今日は・・・十二月、三十日、か・・・。
ユリ「知ってるもんそのくらい!」
ハロ「ごめん。俺今日疲れてるから早めに寝るわ」
ユリ「え?うん」

俺は早めに自分の部屋に入り、明かりも点けずに月を眺めていた。
もうすっかり忘れた筈なのに、未練がましい俺は、今もこうやってあいつの影を心のどこかで追い続けてる。
でも、約束したよな?
同じ約束は二回も果たせないのか?俺の願いは届かないのか?
ハロ「答えてくれよ・・・」
急に寂しさに襲われ、目に涙が浮かぶ。窓の外に見たUFOの姿が懐かしい。
ハロ「ウィッシュ・・・」
できれば、あの頃に戻りたい。何も考えずに、ウィッシュと楽しく過ごしたかった。
俺は袖で涙を拭った。
コンコン(SE:ドアのノック)
ハロ「由梨か?」
ドアが開いた。
11 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(17/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:46:34 ID:f4FbRN5B
ウ?「わ、私は願いの精、ウィッシュ!本当は七夕のとき・・・」
ウィッシュ?・・・俺はあっけに取られた。何かのいたずらなら大成功だ。
ウ?「あ、あれ?リアクション薄いなあ」
ハロ「疲れてるんだな、寝よう」
俺はベッドの上に寝っ転がった。
ウ?「ちょっと待ったぁ!おかしいな、感動の再会の筈なのに?おーい、寝ないでよー」
俺はウィッシュが近付いてきたのを確認し、一気に抱きしめ、引き倒した。
ウ?「ひゃっ!?」
ハロ「お帰り、ウィッシュ」
ウ?「えーと、私ね、ウィッシュじゃなかったみたいなんだけど」
ハロ「え?じゃあ萩なのか?」
萩「どうしてわかったの!?あーあ、こっちが驚かせるつもりだったのに・・・」
ハロ「まあ気にするな。その事は後でゆっくり話そうな?」
萩「いいけど、その、なんでこんなに近いの?///」
ハロ「わかってるくせに」
俺は萩を仰向けに寝かせた。
萩「え、えっとね?私今人間だから、その、あんまり中に出しちゃダメだよ?」
ハロ「ほう。試してみるか」
ゆっくりと萩に覆いかぶさり、首筋を舐めながら、胸を触る。
萩「い、ぃやぁ〜///」
全然嫌そうじゃないので、体を舐めながら胸のほうに下を這わせ、右手はいよいよ秘所へと向かった。
巫女の衣裳で来たのが運のつきだっただろう、手はすぐにそこへ到着した。
萩「ひゃ!あっ、そんな所触っちゃ・・・!///」
ハロ「何言ってんだ。ここが弱点だったろ?」
萩「あうう・・・そんな事ばっか覚えてる・・・///」
すでにそこは濡れていて、俺はわざと音を立てるように割れ目をいじった。そして空いてるほうの手で袴の帯を解き、
頭をそこに向かわせていく。
萩「あ、あぅ・・・え、ええ?///」
今度は舌で割れ目を愛撫する。溢れ出る愛液が、俺の口元を濡らしていく。
萩「やあっ!ひゃ、あぅ、ダメ、そんなの・・・ダメぇ・・・!///」
萩は悶え、俺の顔に太ももがガンガンあたる。いつぞやもあったような気がするが、もちろん気にしない。
萩「は、はぁ、あぅ・・・は、はろ、も、私・・・///」
それを聞いて俺は口を離した。
ハロ「一人でイくなんて駄目だぞ?」
俺は既に我慢しきれなくなった息子を取り出す。
萩「で、でもそれ入っちゃったら多分」
返事も最後まで聞かずに、俺は挿入を試みた。
萩「あ、ああ、ぁぁああああぅぅー・・・!///」
案の定、萩は挿れた直後に震え、イってしまった。
相変わらず萩の中はきつく、長くは持ちそうにない。
萩「はあ、はあ、うう。あのね、中に出しちゃったらね、妊娠しちゃうからね、えと・・・///」
必死で説得を試みる萩。が、俺はそんな忠告を無視し、腰を動かし、萩を味わいはじめる。
萩「あっ、ああっ、だ、ダメぇ!えっちしちゃ・・・!///」
シーツを掴み、必死に耐えようとする萩。
俺はその姿に興奮してしまって、中には出さないつもりが、そんな気分も変わりそうになった。
萩「あ、あぅ。ま、また・・・!///」
きつい肉の襞に擦られ、俺の竿も限界に達しようとしていた。
ハロ「俺も・・・」
萩「だ、ダメぇ、はろ、抜いてぇ!///」
――寸前のところで竿を引き抜き、俺は萩の体に向かって射精した。その数発は、顔にもかかってしまった。
萩「あ、あぅ・・・///」
萩はとろんとした目で、天井を見つめていた。
12 名前: 79 Le souhait ウィッシュ編9(18/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:47:38 ID:f4FbRN5B
萩「もう、帰ってくるなりするんだからなあ!」
俺たちはその翌日、新しいほうの神社にやって来た。
ハロ「はは、ごめん。つい」
萩「『つい』、じゃないよ。もう」
ハロ「ところで、向こうにあるお前の墓、どうする?」
萩「あ。どうしよ。気味が悪いね」
まさか生き返るとは誰も思わなかっただろうしな。戻ってくるなんて考えたのは俺くらいだし。
いや、正確には『止まった時が動き出した』と言うべきか・・・。
萩「・・・あれ?」
ハロ「どうした?」
萩「あんな所に、猫の像なんてあったっけ?」
萩が指差す先、縁の下に、小さな猫の像があった。
結局、あいつの本名は聞けなかったな。俺たちに対して妙に恭しかったのも、せめてもの罪滅ぼしだったのだろうか。
紳士じゃなくて、武士だったんだな。
俺は縁の下からそれを拾い上げ、土ぼこりを払った。失礼だが、見れば見るほど、あいつに似ている。
ハロ「神社に奉納してもらおう。ここにはまだ、願いを持った人たちが来る」
萩「・・・だよね。願い、叶うといいね!」
無理をした感じではない。萩はいつもの屈託のない笑顔でそう言った。

ハロ「まさか、こんな願いが叶うなんて思ってなかったよ。お前が人間に戻るなんてさ」
二人は縁側に座り、延々と語り合った。
萩「そんなの私も思ってなかったよ。ハロが過去の世界に行って来たのも信じられなかったけど」
ハロ「そこなんだよな。結局ハルはお前を助ける事ができなかったし、おまけに殺されたし」
萩「え、死んじゃったの!?」
ハロ「確か。そっか、見てないんだったな。あのあと後ろから刺されたんだと思う」
萩「じゃあハロは誰の子孫なの?」
ハロ「・・・ん?じゃあ死んでなかったんかな?刀でみねうちされて気絶したのかも」
萩「びっくりさせないでよ、もー・・・」
ハロ「・・・」
萩「でも、その後誰かと結婚したってことだよね」
ハロ「(ギクッ)だ、だろうけどそれはそのー・・・」
萩は、ふふっと微笑んだ。
萩「そんなのどーでもいっか。今、こうして結ばれたんだし」
ハロ「そうだな、あー、遥かな道のりだったなぁ・・・」
萩「・・・そろそろ冷えてきたね。風邪引いちゃうよ、帰ろ?」
ハロ「ああ」

十二月三十一日夜、自室。
床に座ったまま、二人で一つの布団にくるまり、その時を待っていた。
俺が手に持ったデジタルの腕時計を、二人で見つめる。いつもは由梨と過ごす、くだらない行事の筈だった。
でも今は違う。きっと、これからも、この日は記念すべき日になっていく事だろう。
萩「もうすぐだね」
ハロ「ああ。・・・一分でも、待ってると長いな」
あったかい。お互いの鼓動が聞こえる。
ハロ「ウィッシュ、いや、萩」
萩「ほえ?」
ハロ「『ほえ?』じゃない。真面目に聞け」
萩「聞いてるよ」
ハロ「あのな、・・・今まで、お疲れ様」
一瞬間があって、萩は俺に寄りかかりながら返事をした。
萩「・・・うん」
時計の針が、十二時を指した。

                                            -Le souhait-
13 名前: 79 質問45 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:48:19 ID:f4FbRN5B
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「三枚しかなくて三枚に下ろされた気分」
ハロ「うまい事言うな。ゲストはウィッシュこと萩」
萩「ほい」
(´・ω・)つ[]<オレは カウントアップ をつかった!!
79「三((('A`)ササッ」
ハロ「スナイパーズアイでも装備すべきだったか」
萩「何この攻防・・・」
つ[]<蕪雲最近目立ってないねって俺の姪が
ハロ「まず姪に見せるなよwwww」
蕪「ふ。いいお漏れはどうせ脇役だお。脇役は脇役に徹するまでだお」
萩「それでいいの?希望は捨てちゃダメだよ!」
ハロ「それ勇気付ける相手ちがう」
萩「あれ?」
つ[]<ハロよ、何故紳士猫が出て行った後に襲わなかったぁ!
蕪「不埒」
ハロ「ちっとも不埒じゃないだろ、襲ってなかったんだから」
萩「って言うかなんでそんな事知ってるのこの人!?」
蕪「神の視点」
ハロ「ま、なんていうかそんな気分じゃなかったんだよ」
79「ページも危うかったしな」
ハロ「ちょwwww」
14 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 00:49:03 ID:f4FbRN5B
ユリ「おにいちゃん一人しか居ないはずの部屋から、二人居るような物音が!?」

今週で一周年と言うことはつまり来週はツン編です

カウント:2
15 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 01:00:17 ID:f4FbRN5B
ω・`)保守・・・
16 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 01:08:20 ID:SJ/zK9RD
GJ!!!俺は常に共にある

大晦日で分岐するストーリーは大晦日でしめる。唯一の受けキャラ編が幕を閉じたわけですね


一周年か…ほんとに一年なんだなぁと感慨
来週はとうとうツンか、泣きそう

つ[]<最初スレのダットを下さい…携帯変わってしまったから…
17 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 01:38:55 ID:D0z2AtCM
あぁ、終わりが近いというのは、分かってても切なすぎる…。
18 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 02:17:40 ID:ous5HYTw
一年か…
最初からいた奴挙手ノシ
19 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 02:46:39 ID:XeOQ5K1a
新スレと共にGJぅぅぅぅぁぇぉぃぅぅ!
萩かわいいよ萩、でも「はぎ」としか読み仮名が浮かんでこない俺小袖フェチ。

つ[]<ファンボックスだと攻略可能キャラが増えるんですよね?




最後に挙手 ノシ
20 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 03:55:55 ID:xaLSBJIJ
79氏に魅せられてこのスレにROM常駐するようになって…
時間の流れは速いものですなあ…

つ[]タブーを承知で訊くが、表の生活は大丈夫なんですか79氏は?
 あたしゃそれだけが心配で心配で…
21 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 09:35:41 ID:CKBqbi6m
新スレが勃っていたとは…
遅れながらGJそして保守
22 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 15:56:08 ID:+knETq9g
正直79氏以外のSSが見たい
23 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 16:53:34 ID:EZNmBsul
GJ!そして乙!!
いきものがかりの新曲聞きながら見てたら泣いてしまった
つ[]<次回作の予定は?あと次回作の予定は?そして次(ry)

>>18
ノシ
24 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 17:58:10 ID:W92K1ZLy
79氏GJです
ウィッシュ可愛かったなぁ〜、最後はちょっとうるっときました


つ[]巨乳に挟まれたいです
25 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 22:02:23 ID:ous5HYTw
>>22
YOU書いちゃいなよ
26 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 23:48:31 ID:ul2DYlad
>>18
ノシ
27 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/07(火) 02:17:54 ID:OI2H2heu
ウィッシュ・゚・(ノД`)・゚・
ガチで感動した、ナイス79氏!

萩かわええなぁwwwwwwwwww
次は誰編かな?とりあえず期待期待


つ[]<今からぶっかけます
28 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/07(火) 14:35:50 ID:fj1I4ZGG
79氏超GJ!!
ウィッシュもとい萩、幸せで良かったね

つ[]ところで、萩が部屋に入ってきたはいいけどユリは未確認
  つまりあれですか、萩蘇生直後に不法侵ny(ry

>>18
ここにいますぜ
挙手ノシ

>>27
>>14を見ろ、萩がかわいいのは分かってるから
29 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/07(火) 16:43:33 ID:NN9yuxJn
GJ!!
ウィッシュ改め萩が幸せになって良かったよホント。最後の年越しイベントのシーンで悶えた。

>>18
ノシ
これで4スレ目か……
30 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/07(火) 19:25:53 ID:VyIFdfFU
>>18
>>16でもうレスったけど、勿論最初から

だからといって途中から参加してくれた人がどうというわけじゃないけど

79氏の連載が終わったらcolor落としていきます
今度こそ
31 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/08(水) 19:43:38 ID:7onOqGwg
>>18
ノシ
最初からROMでしたが(蹴
32 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/08(水) 23:57:44 ID:WsRAe4n9
投下しますよ
33 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/08(水) 23:59:05 ID:WsRAe4n9
 高校生の夏休みといえば課題は沢山ある、山積みの問題集や読書感想文。科によっては
その他にもあるが、僕やツルは基本的なものばかりだ。それでも少なくない問題を終える
べく、僕達はノートに鉛筆を走らせていた。
 一段落着いたところで、まだ手を着けていなかったものがあることに気が付いた。
「ツル、プールに行こう」
「嫌よ」
 一言で切り捨てられたが、行かない訳にもいくまい。夏休みが始まってから三週間程、
残りの日数はまだ三週間はあるものの出校日には課題を全て提出しなければならず、その
部分では期限は十日程しかない。最低五回はプールに行かななければいけないので、今日
から行ったとしても殆んど余裕のない状態だ。今までツルが口に出さなかったので忘れて
いたが、我儘が言えるような状態ではない。
「だから行かないと」
「絶対に嫌よ」
 鋭い目でこちらを睨みつけ、低い唸り声のような迫力で言ってくる。手元のシャーペン
は金属製なのにも関わらず音をたてて軋み、今にも折れそうな状態だ。
「何でそんな場所に行かなきゃいけないのよ?」
「何でってそりゃ、課題だからだろ」
 しかしツルはテーブルにしがみつき、絶対に動かないという意思表示をしている。何故
こんなにも嫌がるのかを考え、去年の夏休みのことを思い出した。そのときは普通に僕と
プールに向かったのだが、帰る頃には周囲との体格差に酷く落ち込んでいたものだ。今年
は体育でプールの授業がなかったから、すっかり忘れていた。しかしツルからしてみれば
トラウマで、その悪夢が繰り返されるのが嫌で行きたがらないのだろう。可愛い奴だ。
「大丈夫だって、去年よりも乳は大きくなったんだろ?」
 6mmだが。
「だから心配ないって、皆がダイナマイトボディに驚くぞ?」
「円筒型ってこと?」
34 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:01:22 ID:7+fizNe0
 確かに漫画のダイナマイトはそんな形だが、そこまで卑屈になることはないと思う。
「良いから行くぞ!!」
「嫌、嫌、絶対に嫌!!」
 仕方ない、押して駄目なら引いてみろだ。僕はツルの体を引き剥がすと、一歩離れた。
突然引く力がなくなったことでバランスを崩しながら、ツルはそのことを不思議そうな目
で見上げてくる。それを確認すると、僕は敢えてツルに背を向けた。
「ツルが行かないなら仕方ない、一人で巨乳女子でも視姦してくるか」
 声が大きいのは多少わざとらしかったかもしれないが、出来るだけ感情を込めて言った
のでツルには本物らしく聞こえた筈だ。そのままウキウキ気分で部屋に向かう。勿論これ
は本心ではない、ツルを誘い出す為の巧妙な演技だ。繰り返すが、本心ではない。
 そして僅かに振り向くと、
「ちょっと待ちなさい!!」
 飛んでくるツルが見えた。
 これは比喩表現ではない。こちらに足を突き出したツルが僕に向って水平に、物理的に
飛んできている。空気抵抗でスカートが捲れ上がり、更に最近熱くなってきたという理由
で黒ストッキングの着用を辞めたので薄桃色のパンツが見えた。突然の幸福に頬が緩むが
それも僅か一瞬のこと。
 衝撃。
 背中に強い痛みが走り、堪えきれずに僕は倒れ込む。ツルはそのままうつ伏せになった
僕の背中に乗り逆マウントポジションを取ると、頭を殴打し始めた。
「私も、着いて、行くわよ!!」
「待て、意見を言うのか殴るのかどっちかにしろ」
 ツルは無言で僕を殴る。
 疲れたらしく漸く僕を殴るのを止めたツルは、暗い表情で自分の部屋に向かっていった。
僕も部屋に向かい、制服に着替えて玄関で待つ。
「ねぇ、行くの止めない?」
「止めない」
35 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:02:44 ID:7+fizNe0
 渋々着いてくるツルを自転車の後ろに乗せ、走り出す。夏だから仕方ないが、外は暑い。
大した差はないのだろうが、年々暑くなってきている気がする。
「ねぇ、カメ」
「どうした?」
「吐きそう」
 自転車は大丈夫だった筈なのに、どうやら暑さで参ってしまったらしい。学校まで残り
数分、僕の背中が大惨事になるのとプールに着くのはどちらが先だろうか。暫くの保険と
してツルにペットボトルのジュースを渡し、加速する。背後では物凄い勢いでジュースを
飲む音が聞こえるところからすると、本当に急いだ方が良いらしい。
 数分。
 思ったよりも早く着いたが、僕は汗だくだった。水分補給をしようとツルの方を見れば、
空になったペットボトルをゴミ箱に捨てているところだ。汁一滴すら残していないのに、
顔はまだ青い。ふらふらと歩いてきて僕に寄りかかり、
「うわ」
 色々と失礼なものが混ざっていそうなことを言いながら離れた。
「何だよ、うわって」
「あ、ごめん。何かベトベトしてたからつい」
 それは誰のせいだと思ってるんだ。
「良いから早く行こ、暑いし。カメ超汁塗れだし」
 もう何も言うまい、事実を受け止めよう。
 駐輪場から少し歩くと、プールが見えてくる。当然だが全員水着で涼しそうだ。場所的
のものもあるだろうが、皆がそうしているのを見ていると自分も涼しく思えてくる。
「ふん。はしゃいじゃって、皆馬鹿みたい」
「ひがむなよ」
「ひがんでないわよ、ただ羨ましいだけで」
 それを世間一般ではひがみと言う。
 ツルの意見はどうあれ本当に皆楽しそうだ、ツルもプールに入ってしまえば機嫌も良く
なるだろう。僕もその中に早く混ざろうと速攻で着替え、プールサイドに出た。
36 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:05:28 ID:WsRAe4n9
「あ、カメ。どうしたの? 性犯罪でもしに来た? 今ならまだ間に合うから早く帰って
自首してきなさいよ。大丈夫、助けを求めてきても他人のふりをしてあげるから」
「コイさん、はっきり言ったら駄目デスよ」
「否定はしないのかよ」
 かなり聞き覚えがある失礼発言の方向に振り向けば、コイとセンスが立っていた。この
学校は基本的に水着の指定は無しなので、生徒は思い思いのものを着用している。しかし
この二人のものはどうかと思う、何せ学校の敷地内なのにビキニなのだ。センスは目にも
鮮やかなワインレッド、コイは大人の雰囲気の黒色だ。二人とも乳が大きい上に雰囲気に
合っているし、着るものも個人の好みだろうと思うので注意は出来ない。
 しかし、
「なんだかなぁ」
「何よ、ビキニの人は他にも居るじゃない」
 視線を回せば確かにちらほらとビキニを着ている人が見える、マッチョな男から巨乳の
女子生徒まで様々だ。それに元々多種多様な水着が入り乱れている光景の中なので、特に
浮いた様子もない。しかし身内がこんなものを着ているというのは、少し妙な気分だ。
「ところでツルさんは居ないんデスか?」
「いや、一緒に来た」
 なのにツルが更衣室から出てくる様子がない、もしかして帰ったのだろうか。さすがに
それは無いと思うが、来るときも随分と嫌がっていたし引き込もっている可能性もある。
ここは僕自らが更衣室に乗り込んで無理矢理にでも引っ張り出してきた方が良いかもしれ
ない。別にいやらしい事故を期待してのことではなく、純粋にツルを心配してのことだ。
「カメ? 今アンタが考えてることがなんとなく分かったけど、実行したら泣くまで酷い
ことをするわよ。もしかしたら、泣いても許さないかも」
 それは困るので視線を女子更衣室から二人に戻す。
37 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:06:13 ID:WsRAe4n9
「そう言えば前から思ってたんだが」
「何よ?」
「ビキニは大丈夫なのに、何で下着は駄目なんだろうな?」
 形も露出度も似たようなものなのに、これ程の差があるのは何故だろう。
 二人をじっくりと観察する。 そして気が付いた。下着では道徳的に問題があるから、それに似たもので代用している
のだと。ビキニはブラとパンツ、ワンピースタイプはスリップドレスの代わりだ。だから
今着ているのは水着ではなく下着だと強く念じて目を閉じ、数秒間の瞑想。成程、赤や黒
ということは今日は勝負色、つまりそれだけ想いの篭ったものだ。大っぴらには出来ない
情熱がプールの各所からも伝わってくる。
「今新世界の扉がここに!!」
 目を開くと、
「死ね!!」
 拳が迫ってきていた。
 辛うじてそれを避け、コイとの距離を一歩分開く。
「何しやがる」
「こっちの台詞よそれは、何でいきなり視姦すんのよ!!」
 センスを見れば胸元を手で隠し、潤んだ目でこちらを見ていた。もう見慣れた光景だが
普段と違ってシャツがないので、押さえていることで強調された谷間がはっきりと見えた。
非常に興味深いが僕は慎ましいので近寄って見るようなことはしない、更に一歩離れると
直視しないように目を細めてセンスを眺めた。この距離ならば同じように胸を隠している
コイも同時に見ることが出来たが、それはきっと僕の意思とは関係ないことだ。
 顔を赤らめてこちらを睨むように見ていた二人だが、不意に視線がずれた。
「あ、ツルさん。遅かったデスね」
「すいませんでした!! やましい気持ちは宇宙程しか有りません!!」
38 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:08:15 ID:7+fizNe0
 僕は後方に振り返ると瞬間土下座、そして伺うようにツルを見る。着ているものは青い
ワンピースタイプのもの、乳が少し膨らんで見えるのはパッドを入れているからなのか。
いや、そんなことはどうでも良い。そんな些細なことは無視出来るくらい、ツルは可愛い。
 しかし口から吐き出されたのは、
「あら、巨乳の皆さんこんにちは。良いわねぇ、ビキニなんか着て、大層お似合いですね。
ほら、私なんかこんな慎ましい体なものですから、本当に……ブッ殺してやる」
 とんでもない毒だった。
 普段は仲良くしているセンスや、親友のコイにすら敵意を向けるなんて珍しい。確かに
二人の乳を見たのなら仕方のないことだろう、どうあがいても越えられない巨大な乳脂肪
の壁がある。幼児体型が原因でここに来るのを嫌がっていたのに、改めてその差を確認し
てしまったら辛さは半端なものではないだろう。
 中学のときから友達だったコイは慣れた様子で苦笑を浮かべているが、突然剥き出しに
された牙にセンスは戸惑っている。温泉のときは無事だったのだろうけど、ここは学校の
プール。乳人口の多さに理性のメーターが振り切れてしまったツルは、取り繕おうとせず
周囲にも鋭く不機嫌に細められた目を向けた。
「つ、ツルさん。落ち着いて下サイ、わたしは敵じゃないデス」
 センスは慌てて近寄るが、それは自殺行為だ。
 ツルは鼻を軽く鳴らし、
「へぇ、歩く度に乳なんか揺らして。そうね、センスから見れば敵じゃないものね」
 おもむろにセンスの乳を鷲掴んだ。
「この中には何が入っているの? ポテト? ハンバーガー? フライドチキン? 母乳
の代わりにコーラでも出てくるのかしら!? 米国の一子総伝巨乳技術万歳よ馬鹿ぁァッ!!」
39 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:09:16 ID:7+fizNe0
 言いながら縦横無尽に揉みしだく。小走りでも大きく揺れたのでも分かったが、肉質が
とても柔らかいらしい。ツルの手指の動きに合わせ、形状が自在に変化している。しかし
弾力もそれなりにあるらしく、ツルの小さな手の隙間からは綺麗な肌が溢れ出ていた。泣くような声と合わさって、それ
はとてもいやらしく見える。けしからん、全くけしからん。何が一番駄目かって、それを
見て楽しんでいる僕が駄目だ。
 もう暫く見ていたかったが、センスがあまりにも可哀想なので二人の間に入る。乳揉み
は人目のあるところではやってはいけない、物理的にも精神的にも倫理的にも痛い。
 無理矢理引き剥がされたことに腹が立ったらしく、今度は僕に鋭い目を向けてきた。
「カメは巨乳の味方するんだ。そうよね、良いわよ、好き放題眺めなさいよ。家を出る前
も楽しそうに視姦プランを練っていたじゃない。私は気にしないからご自由にどうぞ?」
 口の端を歪めて凶悪な笑みを作り、
「ただし」
 僕の体をがっちりとホールド。
「この試練を乗り越えなさい!!」
 そして、ぶん投げられた。
 轟音。
 水面に体が叩き付けられる衝撃で肺の空気が全て抜け、更には水が口や鼻から流れ込む。
このまま溺れてしまうのは不味いと立ち上がろうとしたが、
「痛ぇ!!」
 何故か両足が一編に攣ってしまい、立ち上がることすら不可能な状態になってしまった。
これは試練などではない、プールを利用した立派な刑罰だ
 僕が何をしたというのだろうか。
 意識が遠くなる。
40 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:11:37 ID:7+fizNe0
「何でこんな時期にここにお世話になってのよ? しかも両足攣るとか意味分かんないし」
「ごめんなさい」
 こともあろうに学校のプールで溺れてしまい僕は、夏休みだというのに保健室のお世話
になっていた。エニシ先生は今日は休みらしく、ツルは保健室使用の報告やら手続きやら
があるとかで居ないのでコイと二人きり。お互いに水着なので妙な気分になる。
「二人になるの、久し振りだね」
「そうだな」
 必死に頭の中から追い出そうとしていたのに、この娘は何故口に出してしまうのだろう。
動揺が悟られないよう平静を装ったが、現れていなかっただろうか。
「ねぇ、カメさ。溜ってない?」
「ないよ」
 否定するように顔を背けるが、視界の端に寄ってくるコイの姿が見える。わざと谷間を
強調するように腕を寄せ、胴を跨いで覆い被さってきた。肩を押さえるようにして僕の体
を崩し、赤らめた頬で見下ろしてくる。
「ちょっと待て本当に」
「あのね、こんなときに言うのもアレだけど」
 一拍。
「あたしね、アンタが好きよ」
 それは、以前にも同じようなことを聞いた。
「アンタとツルが付き合ってるのは知ってる、この前現場も見ちゃったし」
 それは出来れば忘れてほしかった。あの後は皆と気不味い雰囲気になったり全裸のツル
に殴られまくったりと、本当に大変だった。帰るまでその妙な雰囲気は続き、これまでの
短い人生の中で一番居心地の悪い旅行だった。ただし旅行に限定されなければ、今の状況
も五本の指に入る。因みに一番気不味かったのはツルの後ろの穴の処女を奪った翌日だ。
普段は何かしら悪口を言ってくるツルが何も言わず、尻に気を使いながら無言でこちらを
見てくるのは大分キツかった。無言の圧力がこれ程恐ろしいと思ったことはない。
41 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:14:41 ID:7+fizNe0
 思考で現実から目を背けている間にも谷間は迫り、
「でもね」
 顔が埋まった。
「待て待て待て待て」
「でもちんこは反応してる」
 ちんこの馬鹿!!
 胸が視界を塞いでいるが、見なくても何をしているのかは感触で分かる。手指の冷たさ
が腹に当たり、それが滑ったと思った直後、股間が空気に晒された。
「相変わらず大きいね」
 誉められているのか、エロ人間だと言われているのか。喜んで良いのか分からず黙って
いると、快感が背筋を走った。この感触は手で擦っているのだろうか、細く柔らかい手指
が股間に絡み付き、弱い力で全体を刺激してくる。かと思えば笠の周りを指の腹で撫で、
鈴口に軽く爪を立てるようにして刺激する。一体こんな技術をどこで付けたのだろうか。
そう思うのも一瞬で、掌で亀頭全体を包むように撫でられて思考が途切れてしまう。
「うわ、どんどん大きくなってくる。それに、何かベトベトしたものが出てきたよ」
「実況するな!!」
「アンタも前やったでしょ」
 それはそうだが、勘弁してほしい。以前のコイもこんな気分だったのだろうか。
「ほら、これはどう?」
 コイは先走りの汁を広げて伸ばすように先端に塗り付け、滑りが良くなったことで高速
でしごいてきた。少し強めだがぬめる潤滑油があることで殆んど痛みはなく、寧ろ与えら
れる快感が強くなっている。今にも射精しそうになったが、それは根本を握られることで
止められてしまった。
「もうちょっと我慢してね」
 乳が離れたことで視界が開け、コイの顔が確認出来た。こちらを見下ろす顔は赤いが、
それとは別の感情が混ざっているのが見える。とろけた表情で上体を起こし、コイは僕の
ものを太股に挟んだ。自分の腕が邪魔にならないように後ろ手で握っているので、自然と
腰や豊かな胸を突き出すような姿勢になっている。
42 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:15:59 ID:7+fizNe0
「エロいな」
「うっさいわね」
 言いながらコイは手を外して、挟む太股の力を強めた。肉付きの良いそこは柔らかくも
程良い弾力があり、適度な気持ち良さを与えてくる。乳の感触に似ているが、それとは別
の良さがある。思わず視線を顔から股間に向けると、愛液が滲み色が濃くなっているのが
確認出来た。僕のものを弄っている内に濡れてきていたらしい。
「動くわよ」
 最後の『よ』の発音と共に、コイは腰を動かしてきた。滑らかな太股だけではなく、蜜
によってざら付きながらもよく滑る水着の生地の感触も気持ち良い。僕がうめくような声
を出すと、コイは楽しそうに腰の動きを激しくした。センスやホウ先輩もそうだったが、
乳の大きさと嗜虐趣味の度合いは変わってくるのだろうか。逆に考えてみれば、半分は僕
が原因であるけれども無乳のツルは半マグロ状態だし、オウ先輩の手での責めもそんなに
弄ぶような感じではなかった。アズサ先生が口でしたときもこれ程激しくはなかったし、
もしかしたら本当にそうなのかもしれない。
 それを証明するようにコイの動きはますます激しくなる。竿は音をたてて擦れ、コイの
乳は大きく揺れ動く。いつの間にか上の水着は外れて、綺麗な桜色の突起が見えていた。
押さえるように胸を揉み、乳首を指の腹で摘み、擦り、押し潰し、つねり上げる。動きを
変える度にコイの口から喘ぎ声が漏れ、体をはしたなくよじらせた。腰がくねり、生地が
様々な部分を刺激してくる。コイの股間は今や洪水で、溢れた愛液が互いの太股を塗らす
程のものだ。竿全体がぬめり、滑りが良くなったそこを勢いをつけて擦ってくる。
43 名前: 『ツルとカメ』×11 [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:17:25 ID:7+fizNe0
「ごめん、出る」
「出して、良いよ」
 挿入れてしまいそうな程に強く割れ目を押し付けられて、ざらついた生地が僕のものを
包み込む。亀頭全体に痛みにも似た感触が来て、思わず射精した。先端から弾ける白濁液
がコイの腹を汚し、肌を伝って垂れる軌跡がいやらしい模様を描く。
 コイのがりのものを絞るように太股に挟んだまま、引き抜きながら膝立ちになると白い
液体が黒い生地の上を滑るのが見えた。それは股間を滑り、丁度中心までくると細い糸を
引きながら垂れた。愛液の水溜まりが出来ているシーツに軽い音をたてて落ちると低い山
を作り、やがて染みを作りながら広がっていった。汚してしまったという意識のせいか、
それは酷く卑猥に見える。
「お前、これどうすんだよ」
「大丈夫、今日はあたしがシーツ変える当番だから」
 狙ってたのか。
「でも匂いはどうすんだ?」
 僕もこのままではツルに会えない。
 どうするのかとコイに視線を向けてみれば、困ったような表情をしていた。
「どうしよう」
 どうやら考えていなかったらしい。
 これからのことを考えつつ、僕は溜息を吐いた。
44 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:18:14 ID:7+fizNe0
今回はこれで終わりです

前スレ
>>445
上手くツンデレが書けていないようだ、すまん

>>447
ムハ!!

>>448
しかしイチャ付いてるようには見えにくい罠

>>449
前から暖めていたネタなので、気に入って貰えて嬉しい

>>450
これは良いツンデレですね


今スレ
>>18
ツン
そして今じゃこのザマだ

>>22
俺で良かったらこのまま進む


最初はツルとのスク水プレイを考えていたけど、コイの出番が少なく個性も薄いので一応
45 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 04:28:54 ID:nF7Zp2Nh
こんな時間だけど誰GJ!!!
コイキタ━━━━━━ヽ(`Д´)ノ━━━━━━!!!!!
46 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 17:15:48 ID:99Zg81LT
ロボ氏G〜J〜!!

何でコイはこうもエロいんでしょうか!
動き度に揺れるとかけしからんです、卑猥です(ほめ言葉
47 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 20:49:00 ID:uYjQf2Y+
79氏もロボ氏もGJダヨー!!



つ[]<好きな人が、できました。
48 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 22:37:58 ID:ap7f2Etp
主よ、「汁塗れのカメ」で邪な妄想を抱いてしまった事をお許しください。
49 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/10(金) 17:26:29 ID:ba3uGbWu
 
50 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/12(日) 14:09:46 ID:snlDgaWX
ちょい
51 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/12(日) 20:36:55 ID:mVvr4Kcu
大好きなウィッシュ編だっていうのに、長い長い規制に巻き込まれ…
最終手段で携帯から。遅くなりましたがGJ!

つ[]<Le souhaitってウィッシュのことだよね?

最後に>>18
ノシ
52 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:10:39 ID:ZDv3r5O9
最初から『自分以外に続けられそうな人が現れたら退こう』と思ってたんだけどまさか一年も続けるとは思わなかった
最初から見ていてくれた方々(9名+α名)にありがとう
>16
まあ由梨も受けだけど、とにかく今週の誰GJ賞をあげよう
>17
突然、よりかマシかなと思ってカウントしてみたんだけど・・・
>19
後半はそう打ってtいやあのごめ
>20
しかしみんな『一周年』って聞いて急に感慨深くなるんだなあ。自分はむしろ驚きを感じたけど
>21
字、まちごうとるで
>22
ご覧になって下さい
>23
全部平仮名だとすぐにエロゲかと反応してしまう廃人がここに居るぞ
>24
言ってることとハガキの内容が違うな
>27-29
そして突然の萩の来訪とハロとのラブラブ具合に納得のいかない、由梨との闘争が始まるのであった
>31
THX
>30
color頼みます
>32-44(ロボ氏/ツルとカメ11(イレブン))
まさか貴方もスタメンだったとは
ちんこの馬鹿!!にワロタ
ハロの場合は常時ポケットティッシュやら消臭剤やら持ち歩いてるんだけど惜しかったなあカメは
拷責はもう慣れだ。体で慣れるんだ。そうすればだんだんプラスに感じてきて(ry
>51
一度だけ規制のせいで投稿できなかった時があった。dだ濡れ衣だったよ
53 名前: 79 Le souhait ツン編11(1/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:12:34 ID:ZDv3r5O9
『・・・前線の影響で、夜通し雪が降り続いております。今朝窓の外の景色を見て、驚かれた方も多いのではないでしょうか』
テレビのニュースでは、そんな事を言っていた。
暖房をつけたばかりでまだ十分に暖まっていないリビングで、私はクッションを抱いて何気なくニュースを見ていた。
窓のほうを向く。確かに、外は真っ白。
歩きたくないなぁ。でも、ハロはいつもどおりに来るんだろうな。
ハロの事だから、寝坊するかも?『布団から出たくない』とか言っちゃってさ、妹さんに迷惑かけて。
こんな寒い中で私を待たせる気だったら承知しないわよ。本当。
『さて、十二月も中旬。いよいよクリスマスですね』
ツン「あっ」
そうだ。もうクリスマスなんだった。
『クリスマスケーキの予約は、もうお済でしょうか。今日は、クリスマスの装飾に彩られた、町の商店街から・・・』
そ、そうよね。もうあちこちで・・・なんだったかしらあの歌。
ジングルベル、ジングルベル、すすが出るみたいな歌詞の・・・。すすだったかしら?変な歌。
違うに決まってるじゃない。『ジングルベル』でいいんだったかしら?
違う違う。そんな事どうだっていい。問題はハロよ。
何よあいつ。もうすぐクリスマスだってのに、何の音沙汰も無いわ。
『ずっと内緒で用意してたんだよ』っていうパターンじゃないのは確かだわ。ハロがそんなに気がつくわけがないし。
大体、全体的に鈍感なのよね。わかってるんだかわかってないんだか・・・。
あ、あそこは敏感なくせに・・・///
な、私ったら朝から何・・・。は、ハロじゃあるまいし、そんな事考えるなんて。ああ、バカバカ。
違うんだってば。
ハロが私に何も言ってこないのが悪いのよ。
クリスマス、どれくらい重要な行事かわかってるのかしら?
ツン「・・・」
なんか、去年もこんな事言ってたような。
あの時はハロ、何してくれたんだっけ?
確か買い物に行ったのよね。そして、そう、服を買ってもらったのよ。あー、あの服、その時買った服だったの。
もちろん覚えてるわよ。そうそう、そうだったわ。
でも・・・。
ずっと付き合ってきたわけだけど、私たちあんまり進展してない気がする。
そ、そりゃ、色々あったわよ。あったけど、でも。やっぱりハロは、私だけを見ていてはくれない。
理緒の強引さが、ちょっとだけ羨ましくなった。
私がもっとハロをしっかり繋ぎとめておけたなら、理緒が来ようが来まいが関係無かった筈なのに。
ハロはいっつも、あちこちに気を取られてふらふらしてる。
そうだ。
今日学院に行ったら、それとなくクリスマスのことを言ってみよう。
あいつ、気付くかしら?

『・・・今朝窓の外の景色を見て、驚かれた方も多いのではないでしょうか』
ハロ「やっかましね!!」
テーブルを叩く。朝の食卓が揺れた。
ユリ「もう、大きな声出さないでよ。びっくりしたなあ」
由梨はそんなのんきな事を言いながら、パンを一片取った。
ハロ「お前なあ。外真っ白だぞ!?」
ユリ「昨日までは雪なんて殆ど無かったのにねー」
ハロ「のほほんとすんな!また雪かきの季節だぞ!?しかも毎朝寒くてつらい!なんだよこの冬の装い!」
ユリ「しょうがないじゃん」
ハロ「・・・ま、そりゃそうだけどよ」
由梨に説かれたように、おとなしく食事を続ける。
ハロ「はあ・・・」
54 名前: 79 Le souhait ツン編11(2/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:13:15 ID:ZDv3r5O9
ユリ「でもほら、悪い事ばっかりじゃないよ」
由梨がテレビを指差す。
ハロ「あん?」
『クリスマスケーキの予約は、もうお済でしょうか。今日は・・・』
口に咥えていたパンが落ちた。
ユリ「え?どしたの、おにいちゃん?」
ハロ「由梨、今日何日だ?」
ユリ「えっと・・・十七日かな?」
あと一週間か。
ハロ「そうか、もうそんな時期か」
パンを取り直し、何事も無かったかのように食事を続ける。
ユリ「がんばってね!」
にこやかに言う由梨に、俺はずっこけた。
ユリ「どしたの、おにいちゃん!?」
ハロ「どうもこうも・・・どう受け取ればいいんだよその言葉を」
ユリ「え?ほら、秋奈先輩。クリスマスなんだし、デートしてあげるんでしょ?」
ハロ「ああ、まぁそのとおりだ。お前、何ともない・・・いや、なんでもない」
ユリ「変なの」
ハロ「しかしクリスマスなんて元は冬至じゃないか。一月六日とかに延ばしたほうがいいんじゃないか?」
ユリ「そしたら正月が大変じゃん。冬至かどうかは知らないけど、でもロマンチックな日だと思うけどな」
ハロ「そうかなあ」
ユリ「そうなの」
頭をかく。
ユリ「だから、秋奈先輩にはとびっきりのプレゼントを用意してあげなきゃ駄目だよ?」
由梨は人差し指を立てて力強く言う。
ハロ「把握・・・」
ユリ「うんうん。私の事なんか気にしないでごゆっくり」
それもまたどうとっていいのかわからないセリフだな。

ハロ「よぉ」
降りしきる雪の中、ツンは待っていた。
通学路の、いつもと同じ角。ベージュのダッフルコートを着、手袋をし、白い息を吐いて。
俺はいつもと同じ時間に来た筈だけど、怒らせたかな?
ツンは俺が近付くや否や、
ハロ「痛!」
叩いた。
ツン「何でもうちょっと早く来れないのよ!?」
ハロ「早くも何も俺はいつもどおりに来たぞ!時計を見てみろ!最近買ったやつなんだがな、なかなかいいデザインだろう!」
間違えた。
ハロ「時間だ、時間を見ろ!いつもより三分も早い。区間賞を狙える勢いだ。な?」
ツン「何が『な?』よ」
じっと俺を睨みつけるツン。
ツン「私、ずっと寒かったんだから!バカ!バカバカ!」
ポカ ポカ ポカ!
ハロ「いたい いたい!」
ツンの手が止まる。
ハロ「どした?」
ツンはちょっと考えた後。
ツン「なんでもないわ。あーもう、寒い!早く行くわよ!」
ハロ「ああ」
55 名前: 79 Le souhait ツン編11(3/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:14:12 ID:ZDv3r5O9
学院に到着する。
ハロ「お、早いな」
雪が降ったにもかかわらず、毒男と蕪雲の悪友コンビが教室に待ち受けていた。
俺は鞄を机に置いた。
ツン「ね、ねえハロ?」
ハロ「ん?」
ツン「そろそろ、寒くなってきたわよね?」
何を今更。
ハロ「こんなに雪も降ってることだしな」
ツン「・・・ハロ、そろそろあの時期だなーって思わない?」
ハロ「え?」
俺は背後の二人に意見を求めた。
ハロ「(いきなり世間話からはじめたのだが、君たちはどう考える?)」
蕪「(何か大きな事を頼もうとしてるんだと思われ)」
毒「(銀行から融資を受けるときと似ている)」
ハロ「(だよな。なんか怖いな)」
ツン「何コソコソ相談してるのよ?」
ハロ「いや、なんでもない」
ツンは面白くないような顔をして言った。
ツン「まさか、本当に気がつかないの?」
ハロ「クリスマスだろ?な?」
毒「あーもうちょっと粘れよバカ」
蕪「空気嫁(^ω^;)」
ハロ「うるせえな」
ツン「あんたたち、ちょっと」

ツン「で、クリスマスの事だけど」
それぞれ一発づつビンタを喰らい、黙る二人。ビンタ自体は俺も属性がないから、痛いだろうなあと思う。
ツン「別に強制はしないわ。いい物を買って欲しいとか、そういうんじゃなくて」
ハロ「あ、いいのか」
ツンは顔を俺の目の前に近づける。
ツン「いい!?『強制はしない』の意味わかってるわよね!?気を利かせるのよ、気を!」
ものすごい威圧感だ。ナイアガラの迫力を超える。
ハロ「ああ、わかってる」
ツンは顔を離す。
ツン「それに、そういう事はいつだってできるのよ。でも私は正直なところを言うと、言うと・・・///」
強気だったツンの表情が、急にしおらしくなる。
ツン「その、あ、あんたたち、出て行きなさい!」
蕪雲たち二人を教室から追い出そうとし始めるツン。
蕪「詳細キボンヌ」
毒「俺たちのことは窒素だと思って話せばいくね?」
ツン「うるさい!」
二人を追い出し、教室のドアまで閉める。
ツン「あ、あのね?笑わないで聞いて欲しいんだけど」
ハロ「うん」
ツン「こ、ここ今年のクリスマスは――」
理「遥君!」
ガラッ、と教室のドアを開け、理緒が突入して来た。
ハロ「なんとー!?」
俺は簡単に抱きしめられた。避けないから。いや、避けようとは思うんだけどつい。
56 名前: 79 Le souhait ツン編11(4/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:14:50 ID:ZDv3r5O9
理「ねえ遥君、今年のクリスマスは何か予定がおあり?」
と言いながら、人差し指で顎をなぞる理緒。
ハロ「あ、いえ、今のところは」
ツン「駄目よ!はーなーれーなーさいっ!」
ぐいっと理緒を引っぺがす。
理「何するんですの?今、せっかくいいところでしたのに」
ツン「そう思ってるのはあんただけよ!って言うかそれはこっちのセリフよ!」
理緒はふぅ、とわざとらしくため息をついた。
理「こんな暴力的な女に、表に締め出されて震えている子犬を見かけましたわ」
ツン「暴力的とは何よ!あの二人が空気読めないから・・・」
理「いいえ!」
びし、とツンを指差す。
理「遥君を独占しようとする独占欲にまみれたあなたは十分暴力的ですわ!」
ツン「って、あんたにだけは言われたくないわよ!」
理「でも、遥君は嫌がってませんでしたわ」
ツン「それは単にハロが変態だからでしょ!」
ハロ「『単に』って何だよ!」
ツン「何よ、『変態』とか言われて悦ぶくせに」
ハロ「くっ・・・!」
毒「否定汁」
ツン「とにかく!今年のクリスマスは私がもらうの!」
グイ、と俺の右腕を引くツン。このままではありがちなパターンで俺真っ二つ。
理「いいえ、今年は理緒の家でパーティーですわ!」
グイ、と俺の左腕を引く理緒。フッ・・・完成だ。
毒「悲鳴に手を離したほうが勝ち」
蕪「それなんて裁き?」
痛さは別として、腕に当たる感触からして大きいのはやはり理緒のほうだな。
チト「何だ?朝から騒がしいな」
今度は、智途が教室に現れた。
チト「騒がしいと思って覗いてみれば、何やってるんだ?」
蕪「智途さm・・・ウボアー!」
裏拳が頭にヒット。転がり、悶え転げる蕪雲。
チト「あ、そうだ。ところでハロ、今年のクリスマスは空いてるか?」
毒「この状況見て言うとは随分強硬な姿勢だなおい('A`;)」
ツン「ダメ!残念だけど今年は空いてないわよ!」
理「そうよ。今年は理緒と過ごすんですわ!」
ツン「何勝手に決め付けてるのよ!?ああもう、ハロ、あんたはどうなのよ!?」
ハロ「・・・え?」
硬直する場。
皆の視線が集まる。
ハロ「そりゃあ、もちろん」
 [アツン
  理緒
  智途
  由梨
  中に出す
ハロ「ツンと過ごすよ」
笑顔でそう言う。ツンは豪く驚いたような顔をしていた。
ハロ「え?何?」
俺何か変なこと言った?教えてママン。
57 名前: 79 Le souhait ツン編11(5/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:15:22 ID:ZDv3r5O9
ツン「と・・・」
と?
ツン「当然よ!」
腕を離し、ツンはふんぞり返って言った。
理緒も腕を離す。
理「あーあ。もうちょっと楽しみたかったですのに」
チト「呆気無いな」
ハロ「お前らやる気無いだろ」
プレッシャーがようやく解けた俺は、安心して自分の席に座った。
理「ま、そんな事はわかってましたわ。曲がりなりにも二人はお付き合いしているわけですし」
ツン「曲がってないわよ」
蕪「って言うか智途様の場合は、漏れが既に予約してるんで無r」
ゴッ(SE:裏拳)
毒「妄想乙」
敬礼する毒男の傍を、ごろごろ転げていく蕪雲。
理「問題はぁ」
理緒はゆっくりと俺に近付き、顎を指で軽く持ち上げて言った。
理「クリスマスまでの夜をどう過ごすか、ですわ♪」
ハロ「そう、なのか?」
好きすぎるシチュエーションに、つい動揺してしまう。心はもう服従の構えだ。
理「一日ぐらいいいでしょう?」
ハロ「ええっと・・・」
どうかな。上と話し合ってみないと・・・。
ツン「コラぁ!なに人の彼氏を誘惑してんのよ!さっさと離れなさい!」
理「じゃ、後でね」
ハロ「あ、うん」
ツン「って何約束してんのよバカぁ!あー、もうやだ」
ツンはがっくりとうなだれた。その様子に、顔を見合わせる一同。
ツン「みんなして、私をからかって・・・」
ハロ「あ、ツン、あのな」
ツン「あんたたちなんか、あんたなんか・・・あんたなんか、大キライよ!」
ハロ「あっ!?」
ツンはそう叫び、教室の外へ走って行ってしまった。
ハロ「・・・」
俺は唖然とし、智途を見た。が、智途は視線を逸らした。
蕪「BAD直行の予感」
ゴッ(SE:裏拳)
理「ご、ごめんなさい。理緒、少しからかい過ぎてしまいましたわ」
申し訳なさそうに理緒が言う。
ハロ「いや、俺がはっきりしないから」

俺、何も思ってなかった?
ツンの事。
『こ、ここ今年のクリスマスは――』。
続く言葉がわからないでもない。何か特別なものであって欲しいんだ、今年のクリスマスが。
俺はクリスマスの事なんか興味無い。ただのイベントでしかないなんて思う、ロマンのかけらも無いやつだよ。
だから、今年もいつもどおり、何か買ってやって、それをクリスマスプレゼントとして、それで終わらせるつもりだった。
『終わらせるつもり』。なんていい草だ。ツンは楽しみにしてたのに。
今までもツンをからかっては面白がってたんだけど、流石に今日のはまずかった。
ツンの気持ちを踏みにじるなんて。彼氏のすることか。死ね俺。
58 名前: 79 Le souhait ツン編11(6/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:16:21 ID:ZDv3r5O9
死んでる場合じゃない。
ハロ「謝りに行くよ」
俺は立ち上がる。
理「・・・」

至る所を捜したが、ツンはどこにも居なかった。
驚いた事に、ツンは一校時の授業にすら出なかった。
ハロ「(そこまで落ち込むことかな・・・)」
おそらく、ツンは帰ったのだろう。
でも、俺はそれを追うことなく、今授業を受けている。
尤も、授業は聞いていない。だけど時間が過ぎていく。
謝ろうと思っていたのに、だんだんその気持ちも蔑ろになっていくのに気付いた。
行って謝ってもいい。
けど、それでどうするんだよ?謝って許してくれなかったらどうする。
たぶん許してはくれない。でも、どうすればいいんだ。俺には方法がわからない。
クリスマスにデートする約束もした。今日だって、来る時もずっと一緒だった。
心のどこかでツンを軽視してた。
ハロ「・・・」
隣の席にツンは居ない。
ハロ「・・・」
俺は居たたまれない気持ちになった。

その授業が終わった休み時間、俺は学院を出た。
もちろん、授業は終わっていない。帰りにはいつも熾惺の生徒が歩いているのだが、当然こんな時間に帰るやつは居ない。
交通量の少ない道に、サクサクと雪を踏む音が響く。
その音は、次第に早くなっていった。
ハロ「ツン・・・」
商店街に差し掛かる。
早くもクリスマスの装飾をしている店々からジングルベルが聞こえてくる。
このままじゃ、クリスマスどころじゃない。
ツンから『キライ』なんて言われたのは初めてだ。
今まで、嘘でもそんな言葉は言わなかった。
『バカ』『変態』『邪魔』色々言われてきたが、・・・。
足が止まる。
俺の『好きだ』なんて、その言葉まで嘘だとは思われてないよな?
首を振る。そしてまた走り出す。

ようやく、ツンの家の前にやってくる。
切らした息を深呼吸で整え、また深呼吸。
そして、インターホンを押す。
ピンポーン♪(SE:チャイム)
ハロ「・・・」
ツン「どちら様ですか」
ツンの声が聞こえた。
ハロ「あ、ああ。俺だけど」
インターホンはプツッと電源が切られた。
ハロ「おい!開けてくれよ!」
ここで会えなきゃ意味が無い。俺は必死になって玄関のドアを叩く。
すると、玄関のドアがそっと開いた。
ツン「近所迷惑」
59 名前: 79 Le souhait ツン編11(7/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:17:16 ID:ZDv3r5O9
リビングに招き入れられる。
ツンは今までここに居なかったのか、暖房のスイッチを入れた。
・・・ツンは本当に疲れた顔をしていた。
ハロ「ツン、あのな、俺・・・いや、ごめん。謝る。本当に・・・ごめん」
ツン「・・・」
反応が無い。顔を上げる。ツンは聞いているようないないような、そんな虚ろな目で俺を見ていた。
ハロ「その、俺、いままでツンの事、なんていうか軽視してた。からかってばかりで、気持ちなんか考えないで」
ツン「・・・」
ハロ「彼氏失格だった。もう俺の言葉なんか信じられないかもしれないけど、もうそんな事しない。許してくれ」
また頭を下げる。が、やはり反応は無い。
伺うように、頭をゆっくり持ち上げる。
ハロ「なぁ、もうキライか?俺は今でもお前の事が好きなんだけど」
ツン「言わないで」
ハロ「え?」
ツン「来ないで!」
ツンは涙目になって、その悲憤の表情を俺に向けた。その体は怒りに震えていた。
ツン「私は嫌。あんたなんかキライ。大キライ。謝りに来たって許さない!理緒のところにでも行っちゃえば?」
ハロ「行くわけないだろ!」
ツン「どうかしら?私の事なんか放っておいて、すぐふらふらあちこちに行っちゃうくせに、今更私の事を好きだなんて言われても
 あんたが言うと安っぽく聞こえて仕方がないのよ!」
ハロ「――・・・」
ツンは言い放つと、その場に膝をついた。
その目からはやがて涙が零れてきたが、俺は声を掛けてやることができなかった。
ツンが怒ってる理由はからかう事なんかじゃなかった。そんな事もわからなかった。気付いてやれなかった。
本当に嫌気がさした。この嫌気で自分が殺せたらと思うほどだ。
掛けてやる言葉が、見つからない。泣き崩れるツンを目の前にして、俺は。
ハロ「・・・」
俺はツンを抱きしめた。
ツン「!何するのよ!やめて、離して!」
どうしたらいいんだ。どうしたらいいのか、わからないんだ。俺じゃ不器用すぎて・・・。
ツン「・・・ハロ?」
どうしようもできなくて、俺は泣くしかなかった。悲しいけど、ツンを離したくない。どう伝えればいいのかわからない。
誰かに流されるのももう終わりにするから。お前はいつも俺の傍で慰めてくれたじゃないか。だから行くな。
ツン「・・・」
ツンは、ぽんぽんと俺の背中を叩いた。
ツン「もうわかったわよ」
ハロ「・・・」
体を離す。
ツン「情けない姿晒さないでくれる?」
俺は袖で涙を拭いた。
ツン「全く、この寒い中。その様子だとコートも学院に置いて来たのね?」
俺は頷いた。ツンはため息をついた。
ツン「昔とおんなじ。あんた、泣き虫治ってなかったの?こっちが情けなくなってくるわ」
ハロ「・・・ごめん」
しばし、静寂が続いた。その間に、俺は呼吸を整えた。
ハロ「言うとおりだな。俺、何も変わってない。寂しがりやで、泣き虫だ」
ツン「お母さんが居なくなってから、なんて言ってたわね?」
ハロ「ああ。あの時俺は泣いてばっかりで、そばにずっと居てくれたお前にお礼を言えなかった。お前はそれこそ何もせず
 俺のそばに居てくれただけだったけど、あの時俺はかなり慰められたんだ。ありがとう」
ツン「・・・。ね、ハロ」
60 名前: 79 Le souhait ツン編11(8/9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:17:56 ID:ZDv3r5O9
ツン「今年のクリスマス、どうするの?」
ハロ「どうする、って」
俺には何も思いつけなかった。
ハロ「ツンが決めてくれ。俺、やっぱりプレゼント・・・それぐらいしか思い浮かばない」
ツン「そう・・・」
ハロ「・・・」
ツン「でも、自分で考えなさいよ?」
ハロ「え?」
ツン「私が強引に引っ張って行っちゃったら、それは今までと同じ事じゃない。やっぱり、あんたが考えないと」
ハロ「そう、だな」
ツン「それに、あんたがこう、私をびっくりさせるようなプレゼントをしてくれれば、嬉しい・・・でしょ?///」
ハロ「びっくりするような、か。・・・わかった」
ツン「本当!?き、期待しないで待ってるわ」
そういった後、ツンは気付いたように壁掛け時計を見た。
ツン「そろそろ、学院に戻ろうかな。ハロ、その、悪かったわ」
ハロ「何謝ってるんだ。もともと悪いのは俺のほうだったんだから。けど、そうだな。授業もあるし」
俺は立ち上がろうとした。
ハロ「おっと」
が、よろめいてツンを押し倒す格好になってしまった。
ツン「ど、ドサクサに紛れて何やってるのよあんたは!?///」
ハロ「足が痺れて・・・ずっと正座だったから」
ツン「とにかく、手首掴んでる手を離して。そういうところを無意識に確保しないでよバカ」
ハロ「ああ、ごめん」
俺が何とか手を離し、両手のひらを床についた。そしてその次の瞬間、ツンが俺の唇を奪った。
ツン「・・・これで、仲直りよ」
ハロ「・・・」
ツン「な、何よ。不満?///」
呆気に取られる俺を見て、ツンは顔を赤らめてぷいと横を向いた。
ハロ「欲求が不満」
顔を近づけ、ツンがこちらを向いたところを今度は逆に唇を奪い返した。
が、迂闊だった。ツンはもともとキスがうまく、首に腕を回されると、逆に口内を犯されていってしまった。やがて唇は離れる。
ツン「あんた、震えてたわよ?大体、あんたが上だなんて百年早いのよ」
生意気な事を言うツン。腰を下げて正座に近い格好になる。今度は胸を触って責める。というか触りたいから触った。
ツン「あ・・・///」
両手でそのふにふにとした感触を楽しむ。体にこんな気持ちいいものがついてるなんて、やっぱり女体は神秘だなあと思う。
ツン「いいいつまで触ってるのよ!///」
ハロ「飽きるまで」
ツン「この変態!///マゾのくせに・・・!」
ツンは足を俺の股下をくぐして曲げると、ズボンの上からでも形のはっきりしているそれを足でいじり始めた。
ハロ「う・・・」
ツン「ほらほら、このままイきたくないでしょ?ズボンが汚れるじゃない」
ハロ「わかった、手、離す」
ツン「ダメよ、こういうのにもちゃんと耐えられるようにならなきゃ!」
ハロ「む、無茶言うなよ制服だぞ。洗うの大変なんだから」
ツン「あんたね、人に散々かけてるくせに、自分のは大切なの?」
足は、より素早くズボンの上からそれをまさぐり始めた。
ハロ「う、うう。だって・・・」
ツン「ほら、我慢我慢」
耐え切れなくなって、俺はベルトに手をかけた。
ツン「こ、こら!勝手に何やってるのよ!」
61 名前: 79 Le souhait ツン編11(9/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:23:26 ID:ZDv3r5O9
ハロ「い、挿れたい・・・」
既に勃ちきったそれを取り出して、我慢しきれず言った。
ツン「何言ってるのよ、これから授業なのよ!?」
既に勃ちきったそれを見て、赤面しながら言った。
ハロ「もう休まない?」
言いながら、スカートをめくる。
ツン「ダメって言ってるじゃない、変態!///」
ばさっとスカートを押さえる。
ツン「わ、わかったわよ。でも舐めるだけよ?それでいい?///」
ハロ「なんでもいい・・・」
俺は体を離し、足を投げ出す。ツンは起き上がり、それに顔を近づけた。
ツン「ありがたく思いなさいよ、まったく・・・///」
言った後、それを口に咥えた。
ハロ「う・・・」
吸い上げながら、ツンはやや激しめに頭を動かす。我慢汁ごとすべて吸い上げられているような感覚に、思わず悶える。
ツン「ん、ん、んん、///」
ハロ「ちょ、激し・・・!」
何が嫌なのか、最短記録を目指しているのか、事情は知らないが、凄まじい責めを受ける。
眼下に揺れるツインテールを見ると、ツンの表情や口はうかがい知る事ができないものの、その激しさを物語るには十分
などと実況してる余裕は無い!後ろについていた両腕も震え、もう限界だ。
ツン「ん・・・んっ!?///」
我慢できず、とうとう俺はツンの口の中に出してしまった。全然『とうとう』じゃない。どう見ても早漏です本当に(ry
ツンは迷わず台所に走っていき、それを吐き捨て、水で流した。
そして、こちらにすたすたと歩いてきて。
ツン「さ、学院行くわよ」
ハロ「マジですか!?」
ツン「マジよ。はやくその、えと・・・しまう!///」
何だよその素早い切り替わりは。俺はふてくされながらそれをしまった。
ツン「さ、早く行くわよ!」
ハロ「口、大丈夫か?ガムとか飴ならあるけど」
ツン「気が利くわね。じゃあ貰うわ」
俺からのど飴を貰った後、すこし考えるツン。
ハロ「どうした?」
ツン「なんで用意してるのよ!?」
ハロ「や、偶然だ、偶然」

雪は止んでいた。
二人ぶんの足音が辺りに響く。俺は、ここを来たときの事を思い出した。
ハロ「もう、怒ってないか?」
ツン「え?」
ハロ「ほら、俺・・・」
ツン「もうその話はいいのよ」
ハロ「あ、うん」
サクサクと雪道を進む。
ツン「もうあんたのこと、キライだなんて言わないから」
ハロ「俺も言わない」
ツン「そういえば、あんたから『キライ』って言われた事無いわね」
ハロ「な?」
言った途端、ツンの顔がボッと赤くなった。
ツン「な、ななな何が『な?』よ!カッコつけてんじゃないわよバカ!///」
そういいながら早足で進むツン。雪道をもろともしない。
ハロ「待て待て!どこへ行く!?」
62 名前: 79 質問46 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:24:45 ID:ZDv3r5O9
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「限界までハジけろ!!」
ハロ「わけがわかりません。ゲストはツン」
ツン「久々ね」
(´・ω・)つ[]<最初スレのダットを下さい…携帯変わってしまったから…
79「まぁそれは私じゃなくともできる事であって」
ツン「やけに冷たいじゃない」
つ[]<ファンボックスだと攻略可能キャラが増えるんですよね?
79「うん」
ハロ「出んのかよ!?!!???」
蕪「てんてー狙いの香りがぶんぶんだお」
ツン「何の話よ?」
つ[]<タブーを承知で訊くが、表の生活は大丈夫なんですか79氏は?
79「命に別状はありません」
つ[]<次回作の予定は?あと次回作の予定は?そして次(ry)
79「全く予定は無いッス。どこかでまた会うかもしれないッスけど、やはり『79』とは名乗らないと思うッス」
蕪「ペンギン乙」
ツン「ま、書き続ける性分の人はこれからも書き続けるだろうし。そういうことね」
つ[]<巨乳に挟まれたいです
79「なかなか難しい」
ハロ「雪姉は抱き癖があったけどな。しかもわざと俺の顔をそこに導くようにして」
ツン「・・・」
ハロ「うわ何をするやめr」
つ[]<今からぶっかけます
79「印刷でもするんですか」
蕪「画面に直接じゃね?」
ツン「・・・なんであんたたち、二次元前提で話してるのよ」
つ[]<ところで、萩が部屋に入ってきたはいいけどユリは未確認。つまりあれですか、萩蘇生直後に不法侵ny(ry
79「それも煙突から」
蕪「老人乙ww」
ツン「煙突無いでしょ」
萩「失礼な事言わないでよ!ちゃんと窓から入ってきたんだもん!」
ハロ「え」
つ[]<好きな人が、できました。
79「善きかなぁ」
ツン「いいんじゃない?応援してあげるわ」
ハロ「随分好意的だな」
ツン「まぁ、ね」
蕪「相手がハロじゃないとわかってるからだお」
ツン「は、ハロは関係ないでしょ!」
つ[]<Le souhaitってウィッシュのことだよね?
79「( д) ゚ ゚」
ツン「・・・何とか言いなさいよ」
79「そうだけどちがわい!わずかな希望に賭けるドゥラーマをだな」
ハロ「ウィッシュも最終的には萩に落ち着いたわけだし、スエそのものではなくなったのかもな」
蕪「ヌエに見えたの漏れだけ?うわやめr」
63 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:25:36 ID:ZDv3r5O9
何だ『連続投稿ですか??』って!!!11!それが仕事なんだよ!!!11!!1!

久々にvipのあたり覗いてみたんだけど、名前欄が変わってたりして驚いた
本題はそこじゃなくて、SSで扱われてた→( ^ω^)の名前が『内藤』じゃなくて『別府』になってた事に驚いた
まぁそれだけです。もう寝るぽ

しかし今週は無事完結したように見える(ニヤリ)
でも来週に続く

カウント:1
64 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 02:31:43 ID:SeUvd/MB
誰GJ!!
そしてラスト1…

ニヤニヤしつつ読んでたらいきなりフリーズしてびっくり
65 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 04:43:39 ID:6gqNUbr0
GJ!!

ツン編は超常現象がないぶん、ハロの内面の葛藤が主題ですな
ある意味ラストにふさわしいかと

つ[]<本当に今までお疲れ様でした。思い返せばこの一年、俺は毎週この時間を79氏と共にありました。
また、自分も物書き志望故に、ラスエは文章での雰囲気づくりをする上で多大な参考になりました。
いつか、またどこかでお会いできることを楽しみにしています。
66 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 15:42:20 ID:z0EykLRk
GJ!!
つ[]誰かVIPに誘導してください
67 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 16:24:09 ID:8M5hbuwV
GJ!
これが最後の葉書になるんだね
終わるのは寂しいけど気が向いたらいつでも投下してくれ!
つ[ナマモノ]<涙と鼻水と俺がついたハンカチ
ありがとう!バイバイ!
68 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 22:00:08 ID:dv0SyoVw
GJ!いよいよ……次回で最後なのか……
そういえばこのスレがきっかけでVIP行ったんだったな……

つ[]今まで……本当にお疲れ様でした……ッ!
69 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 23:16:15 ID:zryOvRMu
逆にびっぷから来て、もはやあっちは見なくなった俺もいたりする
そして乙。
70 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 23:46:59 ID:4A7QTIsN
>>63
>本題はそこじゃなくて、SSで扱われてた→( ^ω^)の名前が『内藤』じゃなくて『別府』になってた事に驚いた
それって相当前じゃね?

>>66
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1163425428/
71 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/14(火) 01:42:53 ID:Feiip918
最初はツンデレにこれって足コキ(ryだったんだよなwww
72 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/14(火) 18:22:44 ID:D2uoN5HR
このスレって、デフォルトネーム以外も有り?
73 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/14(火) 20:36:50 ID:ypa/2wL2
79氏GJ!
残りの灯火がわずかでも、俺は応援し続ける!!

つ[]ありがとうは言おう、だがさよならは絶対に言わない!
  お疲れ様でした、我々に夢と希望と妄想+αをありがとう!
74 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/14(火) 20:41:35 ID:8I7lktax
>>72
あり
職人さんの好きな名前で書いてある
75 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 02:12:54 ID:0GOcogl0
79氏蝶GJ!!
次で79氏のシリーズは一段落か。思えば、79氏のおかげでこのスレはここまで発展したんだよな。
本当にお疲れ様でした。

つ[]<本当にお疲れ様でした、79様。また会う日まで、今は、さよなら。
76 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:30:57 ID:NjuuQaWz
投下しますよ
77 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:32:07 ID:NjuuQaWz
 朝から酷い雨だ、しかも風も強い。天気予報ではお姉さんが今夜は台風が直撃をすると
言っていたし、気が滅入ってくる。唯一の救いといえば、家に帰るまでは大丈夫そうだと
いうことくらいか。しかしバスに乗って帰ることになるので、ツルは始終不機嫌そうな顔
をしていた。今はツルの女の子の日と重なっているので、余計に大変なのだろう。ツルの
もの幼い外見に反してはかなり思い部類に入るらしく、いつ吐いてしまうのかと冷や汗を
かきっぱなしだ。帰るまで保つだろうか。
 そんな状態が丸一日続いて今はもう六時限目、あと少しなのでもう大丈夫だろうと安心
してしまったからかもしれない。急に眠気が襲ってきた。定期テストが来週に控えていて、
テスト範囲を早めに終わらせた今は自習時間だ。担当のアズサ先生には悪いけれど、今は
休ませてもらおうと机に顔を突っ伏した。
『カメ、起きて』
 水樹の声がして、顔を上げる。視界に入ってくるのはスカートと柔らかそうな太股だが
油断をしてはいけない、こいつは飽くまでも男なのだ。目の前の神秘布を捲ってしまえば、
がっかり棒が見えてしまう。本当にがっかりだ、身内の中では僕基準でツルの次くらいに
可愛い外見をしているというのに。この責任は、一体どうやって取ってくれるのだろうか。
『やだ、あんまり見ないでよ』
 いかん、つい凝視してしまったか。
 焦って周囲を見回してみるが、誰も居ない。帰ったのだろうか、だとしたら薄情な連中
も居たものだ。せめて起こすなり一声かけるなりしてくれても良さそうなものなのに、僕
は今やそんなに気不味い存在になってしまったのだろうか。そんな状態になってしまった
僕を待ってくれているなんて、やはり水樹は親友だ。本当にありがたい。
『皆起こしたのに、カメが『うるせぇ、パンツ燃やすぞクソアマ』とか言ったから』
 そんな危険発言をしてしまったのだろうか。記憶にはないが、寝惚けて言ったとしたら
僕も大したものだ。それだけのことを言ってしまったら、確かに皆諦めるだろう。ツルが
キレて僕を叩き起こさなかったのは、単純に体調が悪かったからだろう。
78 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:33:54 ID:NjuuQaWz
『ほら、早く帰ろ。台風もどんどん強くなってきてるし』
『体を揺らすな、寝起きなんだ。あとスカートの中身が今にも見えそうだから気を付けて
くれ、僕は無意味にがっかりしたくない』
『そんな、あたしはこれでも女の子なのに』
『男だろ!!』
『酷い!!』
 酷くない、こいつがY染色体を持っているのは事実なのだ。だが声には本気の悲しみの
色が混じっていて、僕はどうフォローすれば良いのか分からなくなってくる。今まで常に
冷静だったのに、どうして急にこんなトチ狂った発言をしたのだろうか。
 少し考えて、結論が出た。
『とうとう脳が完全に駄目になったか』
 いつかはこんな日が来るのではないかと思っていたので、覚悟はしていた。しかし駄目
人間になってしまっても水樹は僕の親友であることには変わりはない。今まで水樹が僕を
助けてくれていたように、今度は僕が水樹を助けていこうと思う。
『介護師の免許は必要になるだろうか』
『だからあたしは女の子だってば』
 吐息と共に、目の前の布が僅かに上がった。
『少し恥ずかしいけど、証拠、見せるね。大丈夫、相手はカメだから平気だよ』
 繊細な手付きで摘まれたスカートの裾が、ゆっくりと上がってゆく。しかしその中身は
分かりきっている、いつものボクサーパンツだろう。そう思い黙って眺めていたが、何故
だか太股が見えたままだ。そろそろパンツの端の方が見えてもおかしくないところまで裾
が上がってきているのに、そんな様子は見られない。
 僕が混乱している間にもスカートの裾は上がり、黄緑色のパンツが見えてきた。しかし
どう考えてもそれは女物、外見が女だからとはいえ男が気軽に穿いてよいものではない。
何段階も考慮を重ね、それでも駄目だという決断が下る代物だ。それなのにこいつは何故
当然のような顔をして穿いているのだろうか、僕ですらツルのものを借りようとして骨を
折られかけた経験があるのに。いくらこいつの姉貴が変態でも、気軽に貸すような真似は
するまい。泥棒も絶対にしない性格だから、残る可能性は只一つ。
79 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:35:55 ID:NjuuQaWz
『買ったのか』
『? 当然でしょ?』
 そして全貌が明らかになり、僕は自分の目を疑った。次に自分の脳を疑い、最終的には
世界をも疑ってしまった。それだけ、目の前の光景が信じられなかったのだ。
 無い。
 これだけ肌に密着した小さな布地なのに、ちんこによる膨らみが存在しないのだ。目の
前に広がる光景は他の女子のものと変わらない、いや女子そのものだ。どういうことだろ
うか、以前温泉旅館に行ったときや中学時代の修学旅行では確かに股間のものをしっかり
と目撃した筈だ。なのにそれが綺麗さっぱり消えている。
 理由を考えて、一つの仮定に辿り着いた。
『すまん、少し調べるぞ』
『え? 変なことしないでよ』
 上から雑音が聞こえてくるが、知ったことではない。
『そりゃ』
 声にも気合いを入れパンツの縁に手を掛けると、太股の半分辺りまで引きずり下ろした。
眼前に薄い毛に覆われた割れ目が見え、女性だということを示している。だがこれは偽物
だという可能性もあるのだ。以前クラスメイトのSFX部員が何の目的があるのか、精巧
な女性器の模型を作って女子に袋叩きにあっていた。もしかしたら水樹は、それを股間に
取り付けているだけなのかもしれないのだ。
 じっくりと眺めるが繋ぎ目は見えない、しかしあれだけ精巧なものを作れるのなら、見えないようにしている可能性が
ある。外見だけで判断してはいけないと思い直し、掻くように割れ目の周囲に指を這わせ
てみる。不自然な部分はなく、触感も普通の肌と変わりない。
『ちょっと、何してるの!?』
 水樹はスカートから手を離して叫び、よろめいた。脚にパンツが引っ掛かっているので
動き辛いのだろう。しかしこれは本当のことを調べる為だ、心を鬼にして水樹を睨む。
『スカートをきちんと上げていろ、見えないだろうが』
 言うと水樹は身を震わせ、目尻に涙を浮かべてこちらを見つめてきた。可哀想だが仕方
ないことなのだ、白黒はっきり付けなければ皆がぎくしゃくしてしまう。
80 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:37:35 ID:NjuuQaWz
 割れ目に手指を当てて擦るように往復させ、中へと侵入させる。僅かに濡れていて楽に
入れることが出来た。ぬめりを持ちながらも奥へと誘い込もうとひだがうねり、指を複雑
な動きで絡めとってくる。思わず股間が反応してしまいそうな程の精密さだ。
 軽く中で指を動かしてみる。すると悲鳴のようなものを出しながら、水樹は腰を捻って
引き抜こうとした。それに対抗するように僕は手を前に突き出して、指先を先程よりも奥
へと侵入させる。何度かそんなやりとりをすると粘着質な水音の他に、雨漏りのような水
が軽くタイルを打つ音が聞こえてきた。音のする方に目を向ければ、太股を伝った液体が
垂れて床に落ち、小さな水溜まりが出来ている。男ではこうはなるまい。
 僕は指を水樹の割れ目から引き抜くと、今や手首まで濡らしている液体を舐める。個人
の差はあるのだろうが、これは間違いなく女性の出す蜜の味だ。つまりこれで、実は水樹
が女の子だったということが証明された訳だ。心にかかっていた霧のようなものが晴れ、
僕は安堵する。明日からも、普通に接することが出来るだろう。
『良かったな、万事解決だ』
『良くないよ』
 弱い声で言いながら、水樹は座り込んだ。体に力が入らないらしく、支えになっていた
僕の手がなくなったことで堪えきれなくなったようだ。机に手をかけていることで辛うじ
て姿勢を保っているが、それすらも危うい雰囲気だ。
『カメ、お願いだから最後まで……』
「起きろ!!」
 大音量に思わず体が震え、顔を上げた。続いて額に強い衝撃が走り、椅子に座っている
のにも関わらず倒れそうになる。何が起きたのだろうかと額を擦ってみると、指先に白い
粉が着いていた。舐めると独特の味があり、それがチョークの粉だと認識する。どうやら
先程の衝撃は、チョークをぶつけられたときのものらしい。
 それが何故かと視界を回せば、クラスメイトが一生懸命勉強をしているのが見えた。
「まだ授業中か」
「そうだ、自習だからって寝ることは許さん」
81 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:39:12 ID:NjuuQaWz
 こちらを睨むアズサ先生の指の間にはチョークが数本、僕に投げたのはそれだったのか。
何て恐ろしい精度と破壊力なのだろう、これが全て投げられていたかもしれないと思うと
ぞっとする。早めに目を覚まして正解だった。
 ということはつまり、今までのことは夢だったのだろう。
 今になって現実を認識し、水樹を見て、続いて隣の席のツルに目を向けた。
「何よ?」
 相変わらず不機嫌そうだ。
「水樹って男だっけ、女だっけ?」
 夢のせいで少し混乱してきた。
「男でしょ、何を今更。それとさっきのカメ、妙な声を出したり空中を撫でたり、かなり
気持ち悪かったわよ? どんな夢見てたの? ものによっては」
 ツルは親指で首の上を一直線に撫でる。
 とてもじゃないが、素直に言う気にはなれなかった。正確に言ったら殺されてしまう。
「水樹が自分は女の子発言をして、それを調査する夢だった」
 これくらいならセーフだろうか、ツルを見ると僕の発言を無視して再びノートに鉛筆を
走らせていた。自分から訊いておいて、なんという対応なのだろうか。
 しかし、何故あんな夢を見てしまったのだろう。もしかして、溜っているのだろうか。
ツルが女の子の日以外は毎日していたから、少し止めただけでこうなってしまったのかも
しれない。この期間は常に苛々しているのでそんな話題も出せないし、この前はもう一度
だけ尻の穴でしたもののツルが予想以上に大変そうだったので、女の子の日だけは本当に
何もしていないのだ。口や手でしてくれるとは言ってくるものの、あまりツルの体に負担
をかけたくないので断るようにしている。
82 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:40:19 ID:NjuuQaWz
 だが水樹まで夢に出してしまうのは末期かもしれない、どうすれば良いのだろうか。
 僕は天啓を受けた。
「人魚プレイだ!!」
 ツルといえば半マグロ、漢字で書けば半鮪になる。つまりは半分が魚、これは人魚の姿
を示しているのだ。確か昔は飾っていた鯉のぼりが押し入れに入っていた筈だから、それ
を下半身に着ければ外見的には問題ないだろう。しかもその姿になることで下半身の穴が
使えないことも論理的に納得出来るから不満は出ないし、より自然に見えるようにシーツ
の海に寝せれば体にかかる負担も少なくなる。全てにおいて無駄や隙といったものがない。
素晴らしい、僕は歴史に名前を刻む程の天才かもしれない。
「さぁ、ツル!! 今すぐ家に帰って試してみよう!!」
「あのね」
 低い声で呟き、ツルは鉛筆をへし折った。
「私はカメと違って、勉強しないと良い点をとれないの」
 僕だってそうだ。
「だから、邪魔しないでくれる?」
 僕は黙って姿勢を正す。
「カメ、言っただろ」
 今度はアズサ先生の声だ。こちらも低く、唸るようなもの。
「今は、授業中だ」
 黒板消しが飛んできた。
83 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:42:46 ID:NjuuQaWz
 ツルはコイに勉強を教えてもらうらしく掃除当番の僕を置いてさっさと帰ってしまい、
寂しい勉強時間となってしまった。僕は人に教えるのが苦手なので仕方のないことだが、
やはり一人だというのは辛いものがある。目の前にバーチャルツルを作りながらノートに
鉛筆を走らせること一時間、不自然なくらいにこやかで優しいツルが励ましてくれたお陰
か思ったより勉強が進み、一段落したところで風呂場へ向かった。雨に濡れながら帰って
きたツルは湯が沸いてある状況に感激するだろう。もしかしたら、自ら鯉のぼりを出して
人魚プレイをしてくれるかもしれない。やはり人魚は陸ではなく水辺で踊るものだ。
 鼻唄を歌って浴槽を念入りに洗い、ついでにタイルの隅々までもを綺麗にする。そして
蛇口を捻ったところで玄関のチャイムが鳴った。予想より少し早いが、ツルが帰ってきた
のだろうか。しかし問題はない、まだ湯は完全に溜っていないが大した時間もかからずに
満タンになるだろう。そうすれば後は僕の天下だ、思う存分楽しめる。
 足取りも軽く玄関に向かい、意気揚々とドアを開いた。
「何だ、センスか。僕は今いやらしいことを考えながらツルを待つので忙しいから、用件
はなるべく手短に頼む。うわぁ、そんなことまでするのか!?」
「何でいきなり理不尽に不用宣言するんデスか!? それと後半思考が漏れてマスよ!?」
 いかん、幸せが抜け落ちるところだった。幸福の御裾分けは絶対にしたくないので忠告
をしてくれたセンスには感謝をしなければいけないだろう。
 しかしそれと用件を聞くのとは別問題なので、僕は黙ってセンスを見た。
「で、何の用だ?」
「あの、ちょっと濡れてしまって」
「股がか!?」
 痴女はコイだけで充分だというのに。
「服がデスよ?」
 成程、浮かれていたせいでちゃんと見ていなかったけれど、改めて観察してみれば雨の
せいなのか制服が濡れて、うっすらと透けている。注意して見ればブラの色だけでなく、
模様までもがはっきりと分かる程だ。
「黒のレースか」
「どこ見てるんデスか!?」
84 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:45:02 ID:NjuuQaWz
 どこって、胸しかないだろう。そこ意外の部分を見てブラのことが分かる人が居るなら
それはエスパーか神に違いない。僕の周囲の女は論理的に物事を考えることが苦手な人が
多いけれど、頭が良いと思っていたセンスもそうだとは思わなかった。
「それで、少しの間で良いので雨宿りさせて下サイ」
 最初からそう言えば良いのに、随分と話をややこしくする娘だ。
「まぁ、上がってくれ」
「その、重ね重ねすみませんが、シャワーを使わせて貰っても良いデスか?」
 僕は少し考え、頷いた。ツルが帰ってくるまでにはまだ時間がある、少しくらいならば
使わせても問題はないだろう。僕はセンスに風呂場の案内をして、着替えを取りに部屋へ
向かった。我が家の洗濯機が最新のものだといっても、シャワーが終わる前に乾燥させる
程高性能ではない。濡れた服をまた着せるのも可哀想だろう。
 まずは自分の部屋に入り、何を着せるか考える。ツルの服は乳を中心に不可能だと思う
ので、シャツは僕のもの。ジャージとトレーナーとYシャツのどれにするか考え、決めた
ものはYシャツだった。特に深い意味はない、なんとなくこれが一番似合いそうだと脳内
の神が告げてきたからだ。人魚プレイを授けてくれた程の神様だ、従うのが最善だろう。
 次に下着を手に入れる為にツルの部屋に入り、タンスを開いた。下着は下から二番目の
棚だと知っているので迷いはない、堂々と開いて中を物色する。フリーサイズで伸縮性が
高いものをツルは好むので、パンツは簡単に決めることが出来た。問題はブラだが、ツル
のもので合うだろうか。何故か絶対に使うことがないだろうDカップのものが入っていた
が、センスはFカップなのは事前に調べてある。2ランク下のものだとかなり辛いだろう
から使うことが出来ないし、これ以上のサイズのものはない。
 どうすれば良いのか。
 一拍。
 深く考えた結果、ブラなど不用という結論に辿り着いた。取り敢えずYシャツとパンツ
を持って風呂場へと向かった。楽しそうな鼻唄が聞こえてきて、使わせて正解だったのだ
と思う。人に喜んで貰えると、それだけで嬉しくなるものだ。
85 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:47:15 ID:NjuuQaWz
「ひゃあぁァッ」
 不意に悲鳴が聞こえ、何事かと浴室のドアを開く。目の前には体を抱く姿勢のセンスが
居て、涙目でこちらを見上げてきた。原因は何かと視線を巡らせれば、勢い良く水の出る
シャワーが目についた。
「説明してなかったか」
 ボイラーが暖めているお湯の殆んどはバスタブに入るように設計されているので、それ
意外の蛇口から出るものを強くすれば自然と水の割合が増して冷たいものになる。今回も
それを知らずにシャワーの勢いを強くしてしまい、その冷たさに驚いたのだろう。過去に
何回か泊まりにきているが、そのときは大丈夫だったので知らなかったのだろう。
「全く、驚かせて」
「み、見ないで下サイぃ!!」
 視線を下に向けると、鋭い拳が飛んでくるのが見えた。
 激痛。
 股間を強打され、僕は思わずその場に崩れ落ちた。座っている姿勢だというのに、随分
とキレの良い拳だ。威力はツルに劣るものの、その精密さは恐ろしいものがある。
「あ、すみまセン」
「良い、拳だな」
「あ、はい。向こうでエクササイズに空手を習っていて、ブラックベルトを貰いまシタ」
 黒いのはブラだけじゃなかったのか。
「そんな物騒な武闘派エクササイズを人に向けるんじゃねぇ!!」
 思わず乳を掴み、揉みしだく。それだけではない、温泉で見たときから気になっていた
陥没した乳首に指を差し込んでほじるように指先で擦る。豊かな胸の先端に指が差し込ま
れる光景というのは、予想以上にいやらしい。柔らかいと思っっいてたコイと比べてみて
も格段に柔軟なそこは指の第一間接まで簡単に呑み込み、乳房は吸い付くような感触で掌
を受け、包み込んでくる。あまりに気持ちの良い感触に、こねる手が止まらない。
「駄目、デスよ。そんな」
 仰向けに崩れて身をよじらせる姿に興奮して、胸に与える刺激を強くした。ときに弱く、
ときに激しく、悶える姿に合わせて様々に変えてゆく。大分感じてきたらしく、埋もれて
いた乳首が固さをもって顔を出してきた。今度はそれを摘んで少し痛いくらいに擦りあげ、
転がしてゆく。普段の柔らかい雰囲気は消え、目尻にいつもの恐怖や驚きとは違う種類の
涙を浮かべ、口の端からは唾液を溢しながら喘いでいる。
86 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:49:05 ID:NjuuQaWz
 箍が外れたのか、更にはジーンズを穿いた僕の太股に割れ目を押し付けて、擦るように
腰を振っている。ざらついた生地が気持ち良いのか必死に体を動かし、僕が膝を軽く揺す
ると歓喜の声が漏れてきた。今や僕の股はずぶ濡れだが、それは降り注ぐシャワーのお湯
だけが原因ではない。脚を離そうとしても無理だと言わんばかりに絡み付くセンスの脚が、
その証拠だ。積極的に快楽を求める姿は、もはや別人とさえ思える。
 バスタブに湯が溜り、蛇口を閉めようと無理矢理センスを引き剥がして立ち上がる。
「これで良し」
 蛇口を捻ると、ジーンズの裾が引かれた。
「良く、ないデスよ」
 肩で息をしながら、潤んだ瞳でこちらを見上げてくる。
「お願いデス、最後まで」
 いかん、いつもツルにやる要領でやっていたのだが、センスを相手にそれは不味かった。
何とか逃げようとするものの、脱力している体からは想像も出来ないような握力で足首を
掴まれているのでどうすることも出来ない。さすが黒帯持ちは鍛え方が違う、万年帰宅部
の僕では勝てそうもない。それに加え、僕の股間はしっかりと反応している。
 決断は一瞬、僕は股間の竿を取り出した。
「これで我慢しなさい」
 竿をセンスの割れ目に当てて、擦り始める。
 入れてしまうのは不味いし、僕も我慢が出来なくなってきている。このまま何もせずに
放っておくことも出来ないので、苦渋の決断というものだ。これ自体も不味いような気も
するが、辛うじてセーフと言えるラインだろう。コイがこの前素股を選んだ理由がなんと
なく分かったような気がした。
 入れてはいないもののセンスは気持ち良いらしく、タイルを打つシャワーの水の音にも
負けないような声を出している。声がより響く風呂場なだけに、音にすら思考を奪われる
ような感じがする。脚を僕の腰に絡ませて積極的に動くセンスに、全てが取り込まれそう
になるような錯覚を覚えた。
87 名前: 『ツルとカメ』×12 [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:50:51 ID:NjuuQaWz
「気持ち、良い、デス」
 センスは腰を浮かせ、固く隆起したクリを押し付けるようにして腰を振る。擦っている
僕自身も気持ち良く、柔らかく挟んでくる割れ目の感触と合わさって出したくなる。
「ふあっ、もう、イきマス」
 言葉を吐いた直後、大量に溢れ出した愛液が糸を引いてタイルに落ちた。ねばりを持つ
それはお湯とは違うゆっくりとしたリズムでタイルを打ち、しかしすぐに流される。
 僅かな間隔を置いて、僕はセンスの腹の上に白濁した液を吐き出した。湯で流されそう
になるそれをセンスは指で掬い、音をたてながら弄ぶ。手指を開き、細い橋を作ると口に
運び喉を鳴らして飲み込んでみせる。口の端から精液を溢しつつ眉根を寄せた笑みを僕に
向け、緩やかに上体を起こした。離れたことでお互いの股間を繋ぐ糸が出来るが、それは
シャワーによって簡単に切断される。
「いっぱい、出まシタね」
「……そうだな。何と言うか」
 電子音。
「ただいま、雨に濡れて寒いのなんの。カメ、激甘ドリンク作ってよ」
 ツルの声が聞こえ、僕は慌ててシャワーで股間を綺麗にすると玄関に向かった。
「……そんなずぶ濡れで、どうしたの?」
「雨に濡れて寒いのなんの」
「へぇ」
 ツルは眉を寄せ、
「部屋着で?」
 しまった。
 後悔したときにはもう遅い、ツルの拳が飛んできた。
88 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:51:45 ID:NjuuQaWz
今回はこれで終わりです

>>45
コイが相手でそんな反応が貰えるとは思わなかった

>>46
コイはエロキャラだから仕方ない
今回のセンスも少し被っているが

>>47
読んでくれた君もGJダヨー!!

>>48
アウツ

>>49


>>50
ちょい?

79氏
ずっと待ってたツン編GJ!!
やっぱりツンが一番萌える
最後に記念ということで、リクがあったらそれ書きます
89 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:51:56 ID:lFXVKpDG
異常なまでの早さで誰GJ!!

カメはもはや末期ですらないなwwwwww
90 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 22:53:05 ID:NjuuQaWz
ツルの大好物『激甘ドリンク』の作り方
― 糖尿病一直線なので、健康に自信のある方はお試し下さい ―

・牛乳を沸騰させて、表面の幕を全て取る
・砂糖を適量だと思う量の二倍から三倍入れる
・ココアの粉をガッツリ入れる
・甘さが足りないと思ったらもっと砂糖を入れる


砂糖はコクのあるザラメ、風味豊かな蜂蜜、独特の風味が個性的なメープルシロップ
安さが売りの漂白糖から好きなものをお選び下さい
個人的には牛乳の代わりに水を、砂糖はザラメを使うのがオススメ
91 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/11/15(水) 22:55:52 ID:hfbht6JP
79氏GJ!そしてお疲れ様でした!
またいつでも帰ってこいよ!
92 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 23:02:33 ID:TsG9s0tl
>>90
なんだその飲み物はw

よし、近々試すか
そしてGJ
93 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/16(木) 17:51:47 ID:iYfxqvk+
ロボ氏超GJ!
前回のコイもそうだがセンスもデカい。
そんなセンスにも一緒にGB(Good Bust)!

激甘ドリンク…甘党の俺は試すしかないじゃないか!
ついでに、どうでもいいが一発変換で「げきあま」が「撃天」になった件。
天に召されよってことか?
94 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/16(木) 17:54:04 ID:OyOjh6Ex
作った。


牛乳+白砂糖+蜂蜜+ココア=(´Д`)・:∵


甘いのは嫌いじゃないが、これはそんなのを超越しているぜwww
95 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/17(金) 17:54:18 ID:sZGWTEgt
79氏GJ!!今週もお疲れ様です!


つ[]今にも目からこぼれそうな
涙のわけが言えません。
96 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/17(金) 18:28:57 ID:p3X3+Dyn
>>93です。

暖めた牛乳+砂糖(スプーンで5杯ほど)+メイプルシロップ少々=( д) ゚ ゚

甘いの大好きだし、上のも飲めたが歯科医の世話になりそうで怖いww
97 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/17(金) 23:13:39 ID:yDj3ERbS
ツン編キター!
つ[]今日も明日も明後日も
何かを探すでしょう。
98 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/18(土) 01:48:51 ID:LV8XW6zw
牛乳+砂糖(大匙8杯)+蜂蜜(大匙3杯)+バナナ(1本)=ウボァー
糖尿病が再発しないか心配
99 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 00:30:06 ID:T6b0j6fF
>>95,97
ちよ、おまいらwww
100 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 00:36:31 ID:hlfbE1Nu
最後のACネタ…

つ[]<ずっと、いてくれたんだよね。ありがとう。
101 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 00:55:26 ID:49foMiyN
あぁ、もう最後か………
光陰矢の如しとは言ったもんだ

⊃[]<蕪&毒のコンビに栄光あれ!!!11!!
102 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 01:21:03 ID:vJRlGKxQ
しのたんフェラまでしたのに…
103 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 01:41:43 ID:v+CRjpsT
じゃあ俺が最後に相応しいお便りを


つ[]や ら な い か ?
104 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:10:34 ID:btZfr2PY
今日で最後か…


つ[]お尻だけは勘弁してください…orz
105 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:27:12 ID:6sswbpmB
今週も多分規制かかるけど気長に頼む
>64
すまん
>65
急展開ってのも飽きたので
>68-69
vipからって言うのが正規だと思ってたので意外
>70
どうみてもただの自意識過剰です。本当にありがとうございました。
>71
ごせんぞさまはたいせつにしておけ
>73
ありがとうございます
>75
住めば都って感じでしたけどね
>76-(ロボ氏/『ツルとカメ』×12)
早くも1クールですね。
書き手として、このスレをお願いしますね。もちろんあなただけではございません。
内容と関係ないレスで申し訳ありません。
リクエストですか。
では猫耳など
>91
はい、ありがとうございます
>101
そうですね。一年とは、言葉にすると短すぎます。
>102
頑張って書いたので、落としてください。
106 名前: 79 Le souhait ツン編11(10/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:27:48 ID:6sswbpmB
『もうあんたのこと、キライだなんて言わないから』。
ツンなりの愛の告白だったんだろうか。
ツンはからかうとすぐ怒るし、多少ひねくれてるところが可愛いんだけど、ツンはそんな自分に納得がいかないみたいだ。
素直なのがいいとは必ずしも限らな・・・いや、素直なのがダメというのは無いか。
いや、騙されやすいとかいう場合もある。
奥さん、どうですかこの包丁。従来のものと比べて、なんと入れる力が半分でも物を切れちゃう優れもの。
力が半分ですって!?わらかしてくれるわ。そのような刃物、このわしに通じるとでも思うてか。
何っ!?貴様、奥さんじゃないな。名を名乗れ。
よかろう、貴様を殺す男の名、しかと心に刻みつけよ。
っていうかまず眼科行けよセールスマン。
ハロ「な、ツン」
ツン「何?」
ハロ「変な事聞くけど、いいか?」
ツンは怪訝そうな顔をした。
ツン「ま、いいわ。言ってみなさい」
ハロ「自分のこと、好きか?」
それを聞くと、ツンは哀しげな顔をした。
ツン「キライよ」
ハロ「どうして」
ツン「どうしても何も、キライはキライ」
ツンは口をとがらせた。
ハロ「ふーん」
ツン「何よ。あんたはどうなのよ」
ハロ「俺?」
ツン「そう。あんたは自分のことが好きなの?」
ハロ「別に。かといって、嫌いでもないな」
ツン「そう?変態が嫌だとか、変態が嫌だとか、変態が嫌だとか、そういうのはないの?」
全部同じじゃねーか。昼間っから誘導尋問かよ。
ハロ「変態は嫌じゃねーよ。むしろ誇りに思う」
ツン「あんたはそれでいいの・・・」
ツンはため息をついた。
ハロ「そこじゃないって。俺はほら、ツンが好きなんだけど、ツンは自分が嫌いって言うだろ?」
ツン「まあね」
ハロ「だから、もしツンが変わってしまったら、俺はツンが好きでなくなるかもしれないぞ?」
ツン「え・・・そうなの?」
ハロ「かも」
ツンは考え込んだ。
ツン「じゃ、じゃあ。仮に、私がどういう感じになったら嫌?」
ハロ「そうだな」
ツインテールをやめるとか・・・外見じゃない。でもニーソは欲しい。許しておくれ。
なんとなく言ってみたけど、俺って結構心広いのかも。見た目が変わらないなら。
見た目で判断してるわけじゃないんだけど、なにが嫌かな。
ツン「無いの?」
ハロ「出てこないな」
ツン「何よ、つまんない」
遊びでやってるんじゃないですよ。
ツン「あ、あんたはさ、」
ハロ「?」
ツン「『ツンデレ』っていうのが好きなんでしょ?」
核心に迫る。
ツンがその意味をわかっているのといないのとで今後の展開が分かれる。
107 名前: 79 Le souhait ツン編11(11/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:28:45 ID:6sswbpmB
ハロ「あ、ああ。まあ」
こうなったら臨むところだ。
まさかツンが演技で今までやってたとは考えにくいが、もしそうだったらと思うとヒモ無しバンジーな気分である。
俺が悶々としている間、ツンは次の質問を投げかけた。
ツン「『妹』も好きなんでしょ?」
ハロ「え?あ、ああ、まあ」
ツン「『クール』な子もいいんでしょ?」
ハロ「どこで覚えたんだ」
ツン「『メイド』も?」
ハロ「待て待て待て待て待て」
ツン「好きなの?」
ハロ「誤解を招くような誘導尋問はよせ。俺は正常だ」
ツン「異常な人はみんなそうやって言うのよ」
ハロ「言わないだろ!あのなぁ、そういう今みたいな『』がついてるやつは飽くまで二次元の話であって、三次元の話ではない。
 例えば、痴漢の疑いでつるし上げられた男が『おれは幼女にしか興味は無い』って言ったら余計面倒な事になるのと同じで、
 つまり二次の話を三次に持ってくると困った事になる」
おっ、うまくまとまった。
それでもツンは不機嫌な顔をしている。
ハロ「そりゃ、天然と呼ぶに相応しいほど根底からツンデレなお前を、まったくそう見なかったってわけじゃないけど」
ツン「・・・」
ハロ「なんて言えばいいか・・・」
まずい。
どうしよう、せっかく持ち直したのに、今頃になって俺の変態さがカウンターパンチ。
さっきは『誇りに思ってる』とか言ったけど、今なら撤回できる。エロゲもやったうちの中から半分くらいは諦めよう。
ハロ「えー・・・」
ツン「浮気しない?」
ハロ「は?」
ツン「浮気しないかって聞いてるの」
ハロ「しないよ。絶対しない」
ツン「理緒が襲ってきてもしない?」
ハロ「ぐっ・・・なんとか逃げよう」
ツン「雪花さんが襲ってきても?」
ハロ「ぐぐっ・・・あの人が相手だと半強制的に射精させられてしまうからな」
ツン「昼間っからしゃ・・・とか言うんじゃないわよ、バカ!///」
ばしっ、と肩を叩かれる。
ハロ「だって、雪花さんは怖いだろ」
ツン「ん、まあ・・・///」
ハロ「?なんで赤くなってるんだ?」
ツン「き、気のせいよ!」
ツンって雪花さんに襲われたことあったっけ?あの人ならやりかねないけどな。でも無いだろ。
ツン「そろそろ学校ね」
ハロ「ああ、そうだな」
見てみると、学校がすぐ近くに見えてきた。
今、何校時目だろう。
休み時間だったら入り込みやすいよな。うん。
でも、てんてーは俺のこと目の敵にしてる。いつも『小さい』って言うのを気にしてるんだろうか。
本人は『気にしてない』っていうけど、やっぱりツンみたいにそれなりのプライドってものがあるんだろう。
って酷い言い方だな。

俺たちは、校門に差し掛かる。
108 名前: 79 Le souhait ツン編11(12/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:29:34 ID:6sswbpmB
ツン「待って、ハロ」
ハロ「ん?」
校門に入ろうとする俺の袖を、ツンが引っ張った。
ツン「仲直りして」
ハロ「さっきしたじゃないか」
ツン「違うくて、その、おでこでいいから///」
ハロ「でこピンか」
ツン「潰すわよ」
ハロ「おk、俺が悪かった」
最近エロいキスしかしてなかったからな。ちゃんとできるだろうか。
俺はツンの両肩を掴む。
ツン「えっ、ちょ、おでこでいいって言ってるでしょ!?///」
ツンはそんな事を言うが、俺が顔を直前まで近づけると、大人しくそれを待った。
ツン「ん・・・///」
唇が離れる。
ハロ「じゃ、行こうか」
ツンは俯いたまま、俺の手を握った。
俺はなんだか照れくささを感じながら、学院へ戻った。

ハロ「あー、寒かった」
学院の中は、暖房が利いていて暖かかった。
授業はまだ続いているようで、とてもじゃないが教室には入れなかった。しかもてんてーの授業と来た。
ハロ「庭園にでも行くか」
今は生徒会による『サボり魔撲滅キャンペーン』の最中じゃないから、多分行っても大丈夫だ。
なんか忍者みたいなやつが来たときは死ぬかと思った。しのたと知り合いだったみたいでなんとかなったけど。
足を一歩踏み出す。
が、ツンは繋いでいた手を引いた。
ハロ「なんだよ?」
ツン「二人っきりがいい///」
ハロ「・・・」
さあどういうことでしょう。
微塵のツンツンも無く素直にこの発言。しかも不覚にも萌えた。
ハロ「でも、このまま廊下にいるわけにもいかないだろ?」
が、高鳴る胸の鼓動(≠動悸)を抑え、冷静に対応する。
ツン「部室・・・」
ハロ「え?」
ツン「あんたの部室、どうせ誰も居ないんでしょ?だから終わるまでそこに居たいって言ってるの」
ハロ「んー、じゃあ行くか」
おかしいな。ツンが相手なのになんかドキドキしてきたような。
珍しくデレデレな面を表すからいけないんだぞ、全く。あー驚いた。
ああもう顔を赤らめて俯くな手を握るな時折こっちを見るなバカなんだこれどういう事。
表情がにやけてきてしまうのは俺だけか。いや俺だけじゃないはずだなんとなく。見ないようにしないと。

部室は正直言って寒かった。
ハロ「今、ストーブ点けるから」
ツン「うん」
金が有り余ってそうな学院だけど、こういうところはやっぱり節電してるんだよな、と、寒さで実感した。
ハロ「まあ座って」
言われると、ツンは傍のソファーに座った。
ツン「これ、あんたたちが買ったの?」
とんとん、とソファーを指差す。
109 名前: 79 Le souhait ツン編11(13/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:30:18 ID:6sswbpmB
ハロ「ああ。部の収入で買ったんだ」
ツン「部の収入って、あんたたち何かやってるの?」
ハロ「まあくだらない事ばっかりだよ。重要なところはやっぱり生徒には見せられないみたいで、でもパソコン使いたい
 頭の固そうなおっさんにアドバイスしたりするくらい。ポスター印刷したりとか」
部の名前は超適当なんだけど、やってる事は普通なんだよ。
しのたにも言われた事だ。悪いかこんちくしょう。
ハロ「しのたも最近ではある程度機械使えるようになってきたし、あれはいいOLになれるぞ」
OLどまりっぽく聞こえるのが世知辛い。
ツン「ふーん・・・私も入ればよかった」
ハロ「え?」
ツン「な、なんでもないわよ!///」
ハロ「お前は機械ダメだろ」
ツン「だからなんでもない・・・!しかも、ダメってほどできないわけじゃないし、それにそのうちできるようになるんでしょ?」
ハロ「まあ」
ツン「あーもう!私をバカにしてる暇があったら、いいプレゼントでも考えてなさいよ!」
ハロ「あ」
そうだ、クリスマスプレゼント。
ツン「何よ、今の『あ』は。まさか忘れてたわけじゃ」
ハロ「じょ、冗談召されるな!ちゃんと考えてるさ」
ツン「何か思いついた?」
ハロ「言っちゃ面白くないだろ」
ツン「ふふ、そうね」
ご機嫌なツンを前にして、ちょっとだけ罪悪感を感じた。
いろいろ考えてみるか。いっそダイヤとか高いものにしてみようかな?理緒を味方につければ・・・いや、無いか。
ダイヤ、ダイヤねえ。多分無理だな。十数万円するだろ?無理無理。
こんなでかい炭素からこれっぽっちしかできないんだぞ。不思議にもほどがあるだろ。
何の話してたんだっけ?
キーン コーン カーン コーン(SE:チャイム)
授業が終わったようだ。
ハロ「そろそろ教室に戻ろうか」
ストーブを消す。
ツン「そうね」
ハロ「手、繋ぐか?」
ツン「べっ、別にいいわよ!人も居るし・・・まあ、あんたがどうしてもって言うなら///」
ハロ「どうしても」
ツン「あんた、本気?」
といいつつも、恐る恐る俺の手を握ろうとするツン。
ツン「や、やっぱりいい!あんたも我慢しなさい!///」
さっと手を離してしまった。
ツン「くだらない事してないで、さっさと行くわよ!」
事実上サボり扱いなのにそんな堂々とされても。

さて、プレゼントどうしよう。
毒男や蕪雲はネタしか言ってこないだろうし、真剣に聞いてくれるとしたら・・・。
ま、妥当なところで智途だな。教室も近いし。
ツン「ちょ、どこ行くのよ?」
ハロ「プレゼントの相談」
ツン「・・・なら、いいけど」
ハロ「すぐ戻るから」
ツン「は、早くしなさいよね!」
俺は智途から相談を受けることにした。
110 名前: 79 Le souhait ツン編11(14/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:31:10 ID:6sswbpmB
チト「なんだ、仲直りできたのか」
ハロ「『なんだ』とはなんだ」
智途は読んでいた本を閉じた。
ハロ「まあそれはそれとして、ちょっと相談に乗ってくれないか?」
チト「・・・月岡のか?」
なんだかダメそうだな。
でも取りあえず聞いてみよう。
ハロ「やっぱり女の子って、宝石とか貴金属が好きかな?よくわからないんだよ」
チト「ふむ。まあそれ自体が好きという人も居れば、そうでない人も居る」
ハロ「それ自体が好きじゃない?」
チト「印象に残るだろ?」
ハロ「ああ、なるほど」
智途はにやにやしながら俺を見ている。
ハロ「何が可笑しい」
チト「いや、学生のくせにそんなませたプレゼントをするつもりだったとは」
ハロ「飽くまで候補だよ」
チト「月岡はそういうの好きそうだからな。ダイヤとかいいんじゃないか?」
み、見抜かれている。
ハロ「友達だと思ってたのに!」
チト「・・・私に相談しに来たこと、月岡に伝えてやろう」
俺は逃げ出した。
ハロ「覚えてろ!」

そうこうしているうちに授業が始まってしまった。
智途がダメだったんだから、当然理緒もダメだな。ということは由梨かしのたに聞いてもいいかもしれないが、
でも理緒は俺ともツンとも幼馴染なわけだし、いいアドバイスをくれそうなんだけどな。
ひたすらペンを回す。

理「仲直りできたみたいですわね?」
休み時間の途中、教室で理緒と再会した。
ツン「まあ、ね」
理「と、いう事は遥君も戻ってきてますのね?」
ツン「でも、ハロはもう浮気しないって言ってくれたから」
理緒は驚いたような顔をする。してやったりな気分。
ツン「だから、もう何をしても無駄なの。わかった?」
私は勝ち誇った。
理「そう」
が、理緒はそっけない態度をして見せた。
ツン「な、何よ?いつものあんたらしくないじゃない」
もうちょっと食い下がると思ったのに。
理「私が何故、熾惺に戻ってきたか知ってますわね?」
ツン「・・・ええ」
理「本当に遥君がそうだとしたら・・・」
ツン「情けでもかけて欲しいの?」
理「違いますわ!でも、大体わかってました」
ツン「え?」
理「今更、このブランクが埋まるとも思ってませんでしたし」
どういう事?今までのは遊びだったっていうのかしら?それはそれで許せない。
理「私、ここに戻ってきた時、あなたと遥君が未だに一緒に歩いてるのを見た時から、なんとなく覚悟してましたわ」
ツン「敗北宣言のつもり?」
111 名前: 79 Le souhait ツン編11(15/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:32:00 ID:6sswbpmB
ツン「別に応援するわけじゃないけど、そんなに張り合いの無いあんたは嫌いよ」
私の口からは、なぜかそんな言葉が出た。
『キライ』。私はいつも何かをそう言う。何が『好き』なんじゃなくて、何が『キライ』なのかを。
『好き』って言えれば一番いいのに。
そういうとき、ハロがちょっと立派に見えてくる。
理「ふふ。まさかあなたに励まされるとは思いませんでしたわ」
ツン「何よ。悪い?」
理「いえ。よきライバルですもの」
ツン「そう。それでいいのよ。あなたが遊びのつもりでハロを奪おうとしていたなら、私は許さない。だって私は、私は、
 その、ハロを、本気で、いままで、えっと・・・///」
理「さらっと言ったほうが目立ちにくいと思いますわ」
言い返そうとしたが、敢えて言う事を聞くことにした。呼吸と整え、顔を上げる。
ツン「ハロを本気で好きだったから。」
数秒して、顔が一気に赤くなってしまった。
ツン「な、ななななななんか言いなさいよ!言ってこの、ほら、あとの空気なんとかしなさいよバカ!///」
私、またからかわれた!?
やっぱり許せない。この女、いけ好かないわ。あー、励ますんじゃなかった!赤い顔見られたくない・・・。
理「遥君は、あなたのそういうところが好きなんですわ、きっと」
ツン「何うまくまとめようとしてんのよ!?罪滅ぼしのつもり?そんな事しても懲役七年執行猶予五万年の有罪判決なんだから!」
理「昔から変わってませんもの」
ツン「・・・どうせ私は子供っぽいわよ」
理緒は首を振る。
理「そうですわね、子供っぽいわ」
ツン「元に戻したらそれでムカつくわね」
理「ほっほっほ・・・」
わざとらしい。もう何考えてるかわからないわ。意味不明よ。

ツンに直接聞くのはタブーだしなあ。
幼馴染のくせにわからないな、俺。
うーん、印象に残るもの、印象に残るもの。ツンが好きそうなもの。俺が好きそうなもの。
雑念が入った。
相変わらず、全く授業を聞いてない俺。
耐え切れなくなって、ツンのほうを向く。すると、ツンと目が合った。
ツンはすぐに目を逸らそうとしたが、再び向きなおし、ヒソヒソ声で話しかけてきた。
ツン「どう、決まった?」
ハロ「見てのとおり、考え中だ」
ツン「言っておくけど、私は本当に何でもいいからね。別に期待してないし」
一番困らせるセリフだぞ、それ。
ツンは再び前を向く。
ハロ「あ」
ツン「え?」
ハロ「や、なんでもない」

――クリスマス当日。
あんなに降っていた雪は無く、俺たちはいつもと変わらずに学校に来て、授業を受けていた。
なんとも空しいなあ、と。
俺なりに考えたんだけど、これで大丈夫だろうか?
もうすぐ、授業が終わる。
胸の鼓動が早まる(≠動悸)のがわかる。俺ってこんなに純情だったっけ?『ド』がつくほどの変態だった筈。
ツンに感化されたかな。
112 名前: 79 Le souhait ツン編11(16/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:32:53 ID:6sswbpmB
キーン コーン カーン コーン(SE:チャイム)
終わってしまった。皆一斉に席を立ち始める。
心なしかよそよそしい雰囲気に包まれる。毒男や蕪雲は自然体だが。
ハロ「ツン」
ツン「そうね。私たちも行きましょ」
ハロ「その前に、ちょっと渡したいものがあるから」
ツンの動きが止まる?
ツン「・・・え?早すぎない?」
といいつつ、期待に満ち溢れた顔を向ける。
ハロ「いや、今のうちに渡しておきたいんだ」
ツン「しょ、しょーがないわね。あんたがそこまで言うんだったら、行ってあげるわよ///」
その虚勢からの声も、すこし震えて聞こえた。

ツン「な、何で屋上なのよ」
ハロ「人が居ないから。雪が降ってたらどうしようと思ってたよ」
どこに行っても誰かが張り込んでいるだろうから、ここでプレゼントして一気に街に繰り出すしかないと思った。
ツン「だったらあんたの家で・・・?」
ハロ「はい、メリークリスマス」
俺は平静を装いつつ、小奇麗にラッピングされた箱をツンに渡した。
ツンは俺の表情を伺いながら、そっとそれを受け取り、開けた。
ツン「・・・」
ツンは箱から取り出した二組のリボンをまじまじと見ている。
うう。何か言ってくれ。
ツン「こんな高いの、もらっていいの?」
ハロ「よくわかったな」
ツン「バカにしないで。あんたよりわかるんだから」
確蟹。
ハロ「街に行った後だと、着ける必要が無いだろ?だから、今渡そうと思って」
ツン「・・・あ、ありがと///」
ツンはそう言うと、早速髪を解き、そのリボンで結びなおした。鏡が無くても出来るんだなと、すこし感心。
ハロ「ツンは何が欲しいのかわからなくてさ。俺がいつも見てるそのツインテールに気付いて、それでそのリボンにして
 みたんだけどいかがでございましょうか」
ツン「悪くないわ・・・じゃなくて、どうも、ありがとう///」
ぺこ、とツンが頭を下げる。
ハロ「なんか気持ち悪いな」
ツン「どうすりゃいいのよ!?」
ハロ「さ、そろそろ行こう」
ツン「何よ、またごまかして!ふん・・・」
そう言いつつ、ツンは俺の手を握った。

俺たちが街に入ると、ちょうど雪が降り始めた。
ツン「制服じゃ寒いわね。ハロ」
ハロ「そうだな、いったん帰ろうか」
ツン「何か買ってよ」
ハロ「・・・飛ばしすぎだろ」

雪はその後も降り続き、街のツリーも、店頭のイルミネーションも、照明も石畳もあちこちが白く染まった。
俺たちは一度帰って着替えてきた。
ツン「まだお金ある?」
ハロ「どうして割り勘という発想が出てこないのかね君は」
113 名前: 79 Le souhait ツン編11(17/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:33:40 ID:6sswbpmB
そんな時、由梨としのたに出会った。
ハロ「あっ、いいところに」
俺は二人を手招きした。
し「なんですか?」
ハロ「お金を」
し「嫌です。さ、いきましょう由梨ちゃん」
ユリ「ごめんね、おにいちゃん」
ハロ「・・・なんと薄情な」
ツン「随分と早かったわね」
買い物袋が重い。笑ってくれ。俺の所持金が皆これらに化けたのだ。プレゼントは済んだ筈なのに、これは別腹とか。
別腹も何も全部自腹だぞ。この腹黒。
ハロ「そういえば、あいつらはあいつらのクラスでパーティーやるんだったっけ」
ツン「じゃ、帰りましょう」
やっとか、と思ったが口には出せない。

ハロ「お前な、何のためらいも無く俺の家なんかに来ちゃってどうするの」
重たい荷物を置きながら言う。
ツン「泊まるんだけど」
ストーブの電源を入れる。俺の部屋はまだ寒く、上着が無くては居られない状態だ。
ハロ「無理にしなくてもいいんだぞ」
ツン「じゃあ、あんたはどっちがいいのよ」
ハロ「・・・そりゃ、一緒に居たいけど」
ツン「ならいいじゃない。私も、嫌じゃな・・・一緒に居たいし・・・///」
ツンは正座のまま顔を俯かせ、その膝の上で拳を作った。またもや危険な状態だ。
ツン「どうせ、やらしいことしたいんでしょ?変態」
聞こえるような聞こえないような、そんな小さな声で言う。
それはまだいい。でもいつもなら俺を変態呼ばわりする時は責めなのに、なぜか今回は責めてきそうにも無い。
それどころか俺を挑発するようにずっともじもじしている。
俺は知らない間に、座っているツンの両肩に手を付いていた。
そのまま押し倒したツンの顔は、紅潮しているのがよくわかった。
ハロ「可愛い」
ツン「な、何言ってんのよ?///」
ハロ「今日のツンは可愛い」
ツン「わ、わかったから早く何かしなさいよ。今日は、好きにさせてあげるから///」
ツンのコートを脱がせ、服も順番に脱がせていく。ツンは全く抵抗することなく、視線を横に向けている。
ツン「寒い」
ハロ「え?」
ツン「あんたも脱げばわかるわよ。布団に入りましょう」

言われたとおりに脱ぐと、まだ暖まりきっていない部屋に裸では寒かった。
布団にくるまれていると体が見えにくいが、それが体の近さと助長して、かえって俺たちを興奮させた。
布団にもぐりこみ、ツンの胸の辺りから、その柔らかな体を舐めていく。自分の鼻息が体に当たって跳ね返るほど、その中は
暗く窮屈だった。
ツン「ん、んん・・・ハロ、ハロぉ・・・///」
布団の外から、ツンの喘ぎ声が聞こえる。
中の俺には聞こえないと思ったのだろうか、いつもより多く俺の名前を呼んでいるようだ。
快感に、時折体をくねらせるツン。俺はその空間の中で、だんだん理性を奪われていった。
起き上がり、勃起したそれを割れ目にあてがう。
俺はそのとき興奮のあまりツンを伺ったりしかったが、ツンはそのまま俺を受け入れた。
ツンはシーツを掴んで、俺の挿入に耐えた。それでも挿し込んだ後は、また俺を呼ぶのだった。
114 名前: 79 Le souhait ツン編11(18/18) ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:34:33 ID:6sswbpmB
もっと近くに、もっと一緒に、そう思って、お互いにこの体を離したくないと、幾度も体を近づけあう。
互いの存在を、互いの気持ちを確かめ合うように。
好きだ。
俺からさびしさを奪ってくれたお前が、ずっとそばに居てくれたお前が、何より大切なものだってわかった。
離したくない。離れたくない。
その気持ちを言葉にすることができず、不器用に肌を重ね続ける。
そこになにがあったのかはわからないが、取りあえず、俺はお前を離さない。
離せばまた刺すような冷気が襲ってきて、離れた事を俺たちにわからせ、さびしさを感じさせるだろう。
いやらしい音が響く。
ツン「は、ハロぉ・・・私、あ、ああ・・・」
ハロ「俺も、もう・・・」
――俺は微塵も体を離すことなく、ツンと深く抱き合ったままその中に射精した。
体から力が抜けていくのを感じたが、脱力してもなお、俺はその体を抱き続けた。
・・・。

翌日。
クリスマスが過ぎた次の日。
俺たちは何の変わりも無く、学院に来て、また授業を受けている。
そして今、また一日の授業が終わった。
ツン「ハロ」
俺はツンに呼ばれ、屋上に向かった。

屋上の隅には昨日降った雪がまだ多く残っていた。
冷たく乾いた風が、優しく頬を撫でた。
ツン「あのね、ハロ」
ツンは俺の顔をまっすぐ見て、話しはじめた。
ツン「私ね、このリボンもらった時、凄く嬉しかった」
ハロ「どうも」
ツンは二、三回深呼吸した。
ツン「私、ハロの事がずっと前から好きだった」
ハロ「え・・・」
数秒して、ツンの顔がみるみる赤くなった。
ツン「な、なななな何よ!早くなんとか言いなさいよ!///」
ハロ「よく言った」
ツン「ふん、また子ども扱いして。そんなに面白い?」
ハロ「いや。ツンの口からそうやってまっすぐ聞けるとは思わなかったからさ。ちょっと驚いただけだ」
ツン「・・・」
ハロ「・・・」
ツンは目を閉じた。
長いようで短く、大きな隔たりがあった。
風の音は俺の中で止み、肌寒さはどこかへ消えてしまった。
一歩、ツンに近付く。その唇に軽くキスをしてから、俺はツンを抱きしめた。
ハロ「ツン、好きだ。・・・で、ありがとう」
不安だったのは、俺のほうだったのかもしれない。
ツン「うん・・・」
体を離す。
風に、ツインテールがさわさわと揺れた。

                                            -Le souhait-
115 名前: 79 質問47 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:35:30 ID:6sswbpmB
蕪「今週もやってまいりました」
ハロ「『住人のお手紙にSSの登場人物が答えるレス』!」
79「それも今日で終わり」
ハロ「感慨深いな」
(´・ω・)つ[]<色
79「こちらこそありがとうございました。私があったのも、毎週GJを下さった、あなたをはじめとする読者の方々があってこそ
 だったと思います。ありきたりな言葉で申し訳ありませんが、しかしやはりそれでスレは成り立っているのだなあと再認識
 させるものです。では、またどこかで」
つ[]誰かVIPに誘導してください
79「1スレ目の時にその動きがありました。私がそれとなく拒んだところ、今は完全に独立しています。vipのように流れの
 早い所ではなく、流れの遅いこちらのほうが性に合うと言う方もいると言う所以であるのでしょう」
つ[ナマモノ]<涙と鼻水と俺がついたハンカチ
79「『俺』って」
つ[]<今まで……本当にお疲れ様でした……ッ!
79「ありがとうございます。このスレのことは忘れません」
つ[]<ありがとうは言おう、だがさよならは絶対に言わない!
79「ええ。また『ありがとう』と言い合える日が来るといいですね」
つ[]<本当にお疲れ様でした、79様。また会う日まで、今は、さよなら。
79「『様』・・・まあいいや。では、お元気で」
つ[]<今にも目からこぼれそうな涙のわけが言えません。
79「『目にゴミが入っただけなんだからっ!』って拭うといいと思います」
つ[]<今日も明日も明後日も何かを探すでしょう。
79「それが過去のものでなければないほどいい」
つ[]<ずっと、いてくれたんだよね。ありがとう。
79「ツン編とかぶってて焦りましたが」
つ[]<蕪&毒のコンビに栄光あれ!!!11!!
79「彼らが見ているのは本当に小さな世界。彼らに相応しい人物はまだ現れていませんが」
つ[]<や ら な い か ?
79「お断りだ」
つ[]<お尻だけは勘弁してください…orz
79「こんな終わり方」
ハロ「ノーコメント」
116 名前: 79 ◆sKDRdae3Hs [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:36:41 ID:6sswbpmB

明かされざるLe Souhait(しのた編、たると編)
カサマツnana23835.zip パス『souhait』
『zip無理』とかその辺はみんなで協力してくれ

と、言うわけで私の時代はこれで終わりです。
みなさん、今まで本当にありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

79
117 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 03:56:23 ID:AlVtJaz8
>>79
GJもといFJ!!!
ツンデレにこれって足k(ryからずっと見てきました
いつかまた新作が読める日を楽しみにしています

とりあえず、アニメ版渋沢さんの渋さと本名に吹いたwwww

118 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 07:24:12 ID:oSNJM5ys
79氏、FJ!!
みんながありがとうコメントはしてくれたので、先週はしませんでした。
でも言わせてください。 ありがとう。 私もツンデレにこれって足コk(ryから見ておりました。

足コk(ryバンザ・・・じゃなくて、ツンデレのエロパロスレ万歳!・・・足コk(ryが好きとかじゃないんだからね!///

お疲れ様でした。 また会えることを楽しみにしています。
119 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 09:19:11 ID:aD5Ktlmh
巨星墜つか...
120 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 11:21:10 ID:ek1fE7Kd
グッジョーーーブ
やべぇ、泣きそうだ
121 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 16:55:23 ID:PL9M0Jy8
79氏最後まで超GJ!
皆と同じく「ツンデレにこれって(ry」から見てました。
終わりと言うのは悲しいものですね、必ず何処かでまた会いましょう!

79氏万歳!79氏に栄光あれ!!
122 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 18:41:32 ID:hlfbE1Nu
79氏FJ!!!
本当にお疲れさまでした

そして早速zip見れない罠…
12月2日に誰か再うpしてくれないか…?
123 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 20:14:05 ID:WUyOpQte
79氏ありがとう。
毎週月曜をこんなに楽しみにしてたことなんて、いままでになかったよ…。

最後に頂いたファイルはzipすら捨てられね〜yo orz

お疲れ様でした。お体に気をつけて。
124 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/22(水) 01:49:17 ID:p0KMB4AN
79氏GJ!
覚醒編のベルゼットにはとても腹が立ちましたが、今回の三篇とも読んでる最中に
終わるんだなとか考えるとホロリと来ました。
なんでしょうかね、とてつもなく寂しい気分です
とにかく、お疲れ様でした。
125 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/22(水) 03:32:15 ID:gS9RkJLG
……通りすがって見たのですがコチラは何か神の如き書き手さんが大作を書き上げられた模様。
じゃあ今なら自分みたいな三流モノ書きでも需要があるのでしょうか……。
126 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/22(水) 14:55:10 ID:V3/GGBOT
あるあるwwww
127 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/22(水) 22:58:25 ID:Mycp5N1A
あるあ..........あるあるwwwwww
128 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:29:32 ID:2A0orRUB
投下しますよ
129 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:30:42 ID:2A0orRUB
 期末テストも今日が最終日。午前で終了ということやら解放感やらで、殆んどの生徒は
遊びに出掛けるようになる。それは僕達も同じで、いつものようにこの家に集まっていた。
僕はやらなければいけないことがあるので参加はしていないけれど、背後からは盛り上が
っている声が聞こえてくる。皆がやっているのは懐かしいファミコンのゲーム、センスが
是非やりたいと言ってきたものだ。ツルの趣味で揃えてあるので最新のものも幾つかある
けれど、ボタンが多いのはあまり好きではないらしい。逆にボタンが少ないものは楽しい
らしく、昔のアメリカ大統領と同じ名前のヘリが工場を破壊する音が鼻唄に交じって耳に
届いてくる。やられっぱなしのコイは、逆に唸り声のようなものを出していた。
「センス、あんた何でそんな強いのよ!?」
「普通デスよ? 毎日5時間練習しましたデスけど」
 テスト期間だというのに、僕が貸したゲームばかりやっていたらしい。それでも僕達の
中で一番勉強を分かっているから現実は残酷だ。練習の成果なのか才能なのか、圧倒的に
不利である筈の1Pでもセンスは押している。2Pは基本的にマイクコマンドでミサイル
を射つのが主な作業なのに、それも満足に行えていないらしい。どれだけ悲惨な光景なの
か興味が沸いて振り返りそうになるが、慌ててパソコンの画面に視線を戻す。
 背後に気を取られてしまったことを不覚に思いながら、最後の仕上げにかかる。テスト
期間は作業を続けたくても出来なかったので、こうやって完成に近付いていくのは何とも
言えない感情が沸き上がってくる。微調整をする手にも力が込もるというものだ、手汗が
酷いというツルの言葉も今は気にならない。
「で、カメは何をやってるの?」
 背後から覗き込んできた水樹の額に裏拳を叩き込んで、画面を見られないようにする。
涙目になりながら頭を引く水樹の姿を横目で確認すると少し罪悪感を覚えたけれど、これ
は例え相手が誰であろうと見られる訳にはいかない。それが親友である水樹が相手でもだ。
僕の夢が詰まったこれは、完成した後で披露してこそ意味がある。
130 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:32:34 ID:2A0orRUB
「意地悪はなしデスよ」
 今度はセンスが覗き込んできた。
「見るな、僕は今真剣なんだ」
 空手の黒帯を持っているセンスには、打撃が効かないだろう。ならば別の方法が必要だ
と考え、乳を鷲掴む。身長や3サイズは把握しているので計算は完璧だ、狙い通りに絶妙
な位置で五指が食い込み、センスは悲鳴をあげながら慌てて後方に下がった。僕の考えは
正しかったらしい、これで作業に集中出来る。
「カメよ、何をそんなに頑張ってるんだ?」
 逆効果だったか、皆の興味を引いてしまったらしい。しかしもうじき完成するので少し
くらいは我慢してもらいたい。特にツルには喜んでもらえる筈だ。
「関わらない方が良いわよ。こんなときのカメって、しょっちゅう馬鹿なことするから」
「つまりたまに輝いているということだな!?」
「何であんたはそんなにポジティブなのよ!?」
 何故も何も誉めてきたのはツルの方なのに、意味の分からないことを言う娘だ。
「で、何を作ってたの?」
 ツルの質問に答えるように、僕は印刷ボタンを押した。ついこの前買い換えたばかりの
高性能プリンターが小気味良い音をたてながら紙を吐き出してゆく。画面に写っている図
が次第に顔を出し、それが十二枚揃ったところでクリップで挟む。保存しておきたいので
なるべく紙を傷めないように緩衝剤としてウレタンを挟むことも忘れない。そしてそれを
壁にかければ完成だ。我ながら良い仕事をしたと実感出来る。
「……何よコレ?」
 見て分からないのだろうか。ポスターのように見えるが、下の方には数字が並んでいる。
つまりはカレンダーだが、何故そんなことを訊くのだろうか。今まで生きてきて、一度も
見たことがないなんてことはないだろう。今朝までは別のカレンダーが壁にかけてあった
のだし、そのカレンダーもツルが買ってきたものだ。
131 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:34:05 ID:2A0orRUB
 ツルは僕手作りのカレンダーを叩きながらこちらを睨み、
「何で、私の写真なのよ?」
「それがベストだと思ったんだよ」
「意味分かんない!!」
 叫ぶように言ってきた。
 だがそう言われても、手作りのものならば好きなものを使うのが当前だと思う。そして
僕の一番好きなものといえば、ツルの他には居ない。二番目に好きなものであるおにぎり
と比べても、それは大きな差だ。それにおにぎりの写真などを載せても、ただの悪趣味な
ものになってしまうだろう。しかしツルの写真を使えばどうだ、途端に華やかなものへと
変わる。これ以上のものはそうそう無いだろう。
「大体、この写真はなんなの?」
 隠し撮りしたのが良くなかったのだろうか。一瞬そう思ったが、しかしすぐにその考え
を否定した。ツルは勉強は苦手だけれど、決して頭が悪い訳ではない。わざわざカメラを
向けてそれに反応したのなら、自然な写真は撮れないだろう。そのくらいは分かっている
筈だ。つまりはそれ以外のこと、理由は何だろうと思って写真に目をやり、そして原因に
気が付いた。今まで気が付かなかった自分が腹立たしい。
「つまりは、冬のページは冬の服にしろということか」
 確かに一年中春の服や夏の服ではおかしいだろう。
 一考する。
 この時期、冬の服を着てもらうことは不可能だ。
「なら、全裸はどうだ!?」
 素晴らしい、自分の閃きに背筋が震えた。全裸ならばそれこそ季節は関係ないだろう。
どの季節においても違和感はないし、今からでも充分に間に合わせることが出来る。
 僕はツル以外の皆を見て、
「すまん皆、ちょっと部屋を出てくれ。大丈夫、すぐに終わる」
「あんたの脳が大丈夫じゃないわよ!!」
132 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:36:11 ID:2A0orRUB
 脇腹にキレの良い拳を受け、思わず蹲ってしまった。
「で、どうして私のカレンダーなんか作ったの?」
 出来れば最初からそう言ってほしかった。だがこれからの課題も見付かったし、これは
これで悪いことではないと思う。人類は日々進歩していくものだ。
「早く言わないとこれも燃やすわよ」
 燃やされたくないので僕は立ち上がった。
「これには特別な使い方があるんだ」
「へぇ? 下らないものだったら殴るわよ?」
 殴られる心配は無さそうなので、僕は安心をしてカレンダーに近付いた。
「まずは普通にカレンダーを見るだろ」
「思ってたより普通デスね」
 しかし本当の使い方はこれからだ。この高さならば、距離は50cmといったところだろう。
僕はそのまま視線を僅かに上に向けた。計算が正しいならば、これでスカートの中を見る
ことが可能な筈だ。不機嫌そうな顔の写真も、単に照れているように見える。
 しかし、僕は困惑した。
「馬鹿な!? 何故パンツが見えないんだ!?」
「馬鹿はあんたよ!!」
 叫びと共に、壁に頭部ごと叩き付けられた。殴られてはいないから、これは素晴らしさ
を認めてもらったと思って良いのだろうか。しかもカレンダーと生のツルに挟まれたこの
状況は、正に極楽だ。こんなに幸せなことがあっても良いのだろうか。
「なぁ、これはどんな反応をすれば良いんだ?」
「反応したら駄目よ、伝染るから」
「だからツルさんもあんな風になってるんデスね?」
「もう少し柔らかく表現しようよ」
 背後から皆の声が聞こえてくるが、今は気にならない。
「大体、何でそんなのに頼るのよ」
「だって人前だと気軽にパンツ見せを頼めないだろ?」
 二人きりのときでさえツルはエロいことを拒む傾向が強い、だとしたら残る方法は別の
もので解消するしかないということになる。これならば法的にも論理的にも何も問題ない
と思ったのだが、どうやら気に入らなかったらしい。あれも駄目これも駄目とは、我儘な
娘も居たものだ。しかしそこもまたツルの可愛い部分なのだから仕方がない。人は誰もが
愛の奴隷なのだと昔に何かで読んだ気がするが、一体何だったろうか。パンツが関係して
いたような気がしないでもないが、多分気のせいだろう。
133 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:37:21 ID:2A0orRUB
「ねぇ、そんなにパンツが見たいの?」
「お願いします」
 僕は瞬間土下座。コイ達は関わらないことに決めたらしく四人でレースゲームをやって
いるので、そちらの視線を気にすることもないだろう。ツルも安心して僕にパンツを晒す
ことが出来るだろう、皆の気遣いに感謝だ。
 そして視線を上げると、ツルがスカートの端を押さえて遠ざかっていた。すぐに見れる
と思っていたので残念だが、しかしこういった状況も悪くない。やたらに見せたがるより
は慎み深い方が興奮するというものだ。
「そんなに見たいの?」
 吐息しながらツルが訊いてきた。
「じゃあ、ちょっとゲームをするわね」
 ツルは両手をポケットに入れると、引き抜いて僕の方に突き出した。
「どちらかにパンツが入ってるから、それを当てて」
 成程、当てることが出来たらそれが僕のものになるということか。分かりやすく、確率
も50%と高いので僕は笑顔で頷いた。わくわくしながらツルの両手を見つめ、どちらの拳
にパンツが入っているのかを真剣に見比べる。大丈夫、僕ならばやれる筈だという想いが
ある。何しろ殆んど毎晩ツルの生パンツを見ているのだ、間違える筈がない。
「冗談だったんだけど、何を真剣な目をしているの?」
 いや、まだ分からない。もしかしたら僕を惑わす為の巧妙な嘘かもしれないし、本当に
当ててしまい皆の前に晒されているのを少しだけ恐れているのかもしれない。だがそれは
杞憂だ、僕は紳士だから無闇に恥をかかせるような真似はしない。
 だがまずは当てることが先決だ。僕は拳に鼻を近付け、匂いをかいだ。
「分かった、両方だ!!」
「うるさい!!」
 両方の拳が叩き込まれる。
 パンツは夢のまた夢か。
 僕はカレンダーを再び見たが、やはりスカートの中身は見えなかった。
134 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:39:15 ID:2A0orRUB
 夜になり、僕はカレンダーとは別の作業をしていた。流石にこれはプライベートすぎる
ものな為、皆が居る前では作ることが出来なかった。パソコンと違い絶対に見られるし、
見られたら何を作っているのかは一目で分かってしまう。
 軽音。
「入るわよ」
 風呂から上がったらしいツルは、許可も得る前に入ってきた。いつものことなので気に
することでもないが、たまに一人で気持ち良くなっているときに入ってきて、理不尽に僕
を責めてくるのが困りものだ。架空の人物を相手に一人でするのも浮気に入るらしい。
 視線をツルに向ければ手にあるのは1リットルの牛乳パック、身長や乳を大きくする為
に毎晩飲み続ける努力は涙ぐましいものがある。
「カメ、今度は何を作ってるの?」
 牛乳を飲みながらツルが手元を覗き込んできた。昼間のことは気に入らなかったらしく、
未だに目元は不機嫌に細められたままだ。しかしこうして風呂上がりに僕の部屋に入って
くるということは、実はそれ程でもないのだろうか。ツルのことなら殆んど分かっている
つもりなのだが、たまによく分からないときがある。
 それはともかく、無意味に隠す必要もないので僕は手元の布をツルに見せた。サイズは
完璧に把握してあるので、問題はないだろう。これを着たツルを想像するだけで、思わず
鼻血が吹き出しそうになる。
「パジャマ?」
「今のやつはもう一年以上も着てるだろ? だからプレゼントだ」
「ありがと、でも随分とメルヘンな外見ね。私はこれでも高ニよ、流石に着るのは……」
 そうだろうか、と首を捻る。
 家庭科の成績が5である僕の技術を結集して出来たパジャマはワンピースタイプのもの、
フードには猫耳を付けている。デザインもさることながら、このゆったりとした大きさも
我ながら良いと思う。実年齢はともかくとしても、外見が小学生のツルが着れば可愛いく
なると思う。想像の中だけでも悶絶するくらいだ、実際に着たものを目の当たりにしたら
発狂ものだろう。
135 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:40:50 ID:2A0orRUB
 しかし本人が嫌がるのなら仕方がない。僕は念の為に用意しておいた他のものを箪笥の
中から取り出した。パジャマも合わせて合計三種類、どれもツルに似合うと思う。因みに
左から順番に言うと、全裸+香水、僕のYシャツ、そしてパジャマになる。
「どれが良い?」
「今のものを着続けるっていう選択はないの?」
「ない」
 珍しく困ったような表情をして尋ねてくる。暫く迷い、ツルが手にしたのは僕手作りの
パジャマだった。あまりの嬉しさに叫びそうになったが、近所迷惑になるので言わない。
特に隣の家のお姉さんは今日がニ日目なので、あまり負担をかけたくない。世間の繋がり
は、こうした細やかな気遣いが大切なのだ。
 しかしそれとは逆に、堪えきれないものがあるのも事実だ。
「早く着替えてくれ」
「良いけど、覗かないでよ?」
 勿論そんなせこい真似はしない、堂々と凝視するつもりだ。
「一旦部屋を出ろっつってんのよ!!」
 僕は渋々部屋を出た。
 数十秒。
「入っても良いわよ」
 喜んで扉を開くと、
「ん?」
 ツルがパジャマを着ていた。それは良いのだが、一番大切なのフードを被っていない。
折角の猫耳が見えず、僕は少し落胆した。このままでも世界最高クラスで可愛いが、まだ
それでも七割といったところだろう。全開には程遠い。
「フードを被ってくれ。あと、出来れば猫言語で頼む」
「馬ッ鹿じゃニャいの!?」
 超見事だ。今なら世界一などとケチ臭いことは言わず、宇宙一と言っても過言ではない
だろう。今のツルの愛らしさは尋常ではない、今にも頭がおかしくなりそうだ。
「ちょっと噛んだだけよ!! ニヤニヤしないで!!」
 我慢出来ずに、僕はベッドの上にツルを押し倒した。
「や、ちょっと」
 唇を重ね、フロントのボタンを外してゆく。一つ一つが大きく外しにくいのが問題だ、
外見にこだわりすぎて機能面をおろそかにしてしまったことを少し悔いた。だが一度コツ
を掴んでしまえば後は楽なもので、幾らもかからない内にツルの胸が空気に晒された。
136 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:42:56 ID:2A0orRUB
 大きくはだけた隙間から手を侵入させると、滑らかな肌が掌に当たった。風呂上がりの
独特な湿り気があるせいかしっとりと張り付くような感触があり、気持ちが良い。ブラは
当然着けておらず、弧を描くように手指を動かしてゆくと乳首の少し固い感触が当たった。
円を狭めるように螺旋を描き、辿り着いたところで転がすと、すぐに固さが増してくる。
僕に抱き付くように体を丸め、溢れる熱い吐息が首筋を擽ってきた。
 視界に入る猫耳を見て、一つ思い付く。ツルの尻の辺りを探り尻尾を見付けて掴むと、
裾を一気に腹の上まで引き上げた。そして尻尾の先端を露出したシンプルな白い下着の上
に押し当て、擦り始める。普段出来ない一人素股的尻尾プレイだ、見ていて興奮する。
 中にウレタンを入れている尻尾は圧力に負けて簡単に折れるが、それでも弾力によって
戻ろうとし、弱い力で割れ目を圧迫している。ただ布の上からでは刺激が弱いのか、普段
と同じ半マグロ状態ではあるものの今一感じていないようだ。
「ツル、パンツ下げるぞ」
「え?」
 戸惑うような視線を受けながら、宣言通りに下着を膝まで下ろす。割れ目と布地の間に
透明な橋がかかったものの、やはりいつもの大洪水に比べたら量が少なく思える。白濁も
していないし、もう少し刺激が強い方がツルも良いだろう。
 僕は胸を吸いながら割れ目に指を侵入させ、中を軽く掻き回す。引き抜き指で広げると、
どろりとした粘液が溢れ出してきた。これでこそいつものツルだ。
 しかしここでは終わらない。再びツルの割れ目に尻尾を当て、動かし始める。只でさえ
それなりにざらつく生地なのに愛液で濡れたことにより表面が固くなって、弾力の弱めの
ブラシ状になったらしい。それでクリを責めるように擦ると、ツルは先程とは比べようも
ない程に大きな声を出し始めた。かなり刺激が強いらしい。
「カメ、もう、駄目」
 僕を抱いている腕が震える、限界が近いらしい。
137 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:45:45 ID:2A0orRUB
 胸を吸う力を強くし、尚も割れ目を責めたてるとツルは盛大に潮を吹いた。一気に脱力
したツルは腕を離すと、肩で息をしながらとろけた視線で見つめてくる。凶悪な目が普通
に戻る、数少ない瞬間だ。いつもの不機嫌そうなものも好きだけれど、こちらの一切毒気
のないものも好きだ。無防備な雰囲気が堪らない。
 フードの中に手を入れ、髪を撫でながら挿入する。いつもよりも蜜が多く出ているのか
ねっとりと絡み付いてくるが、締め付けはいつもよりも強い。絶頂に達した余韻で規則的
に収縮する膣内は、普段とは少し違った刺激を与えてくる。動かさなくても充分に達して
しまいそうだけれど、僕は貪るように腰を動かした。
 声が、跳ね上がる。
 敏感になっているのか少し動いただけで腰を浮かせ、頬には涙が滑り落ちる。視線は僕
を捕えておらず、与え続けられる快感に悶えて黄色い声を出し続けている。ひたすらに身
をくねらせ、割れ目から溢れる蜜はお漏らしをしたとさえ思える程に、シーツに大きな図
を描いていた。ここまでなのは、今まで殆んど見たことがない。
 更に刺激を与えようと僕は先程のように尻尾でクリを擦り、もう片方の手で胸の先端を
つねり、押し潰すように擦りあげる。ツルの一番感じるやり方だ。
138 名前: 『ツルとカメ』×13 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:46:42 ID:2A0orRUB
 目の前で猫耳が揺れ、それが気になって思わず噛んだ。神経は繋がっていない筈なのに、
一際喘ぎ声が大きくなったような気がする。偶然なのだろうけれど、それが面白く、噛み
千切れる程に口に力を入れる。また甘噛みをしたり、ときには舌で転がしたりもして様々
に変えてゆく。その度に声色が変わってゆくのがまた面白い。
 やがて、食い千切られるかと思う程に締め付けが強くなった。痛みすら感じる程に窮屈
になり、えぐられるような快感が襲ってきた。お互いに限界が近いのが分かる。
「出して、欲しい、にゃ」
 単にろれつが回らなくなっているのか、僕の猫言語の頼みを覚えていたのか。
 それとも、心まで猫のようになってしまったのか。
 思考する暇も殆んど与えられず、僕はツルの膣内に射精する。
 竿を引き抜くと、ツルはぼんやりとした目で尻尾を見た。続いて頭の猫耳を触り、軽く
吐息をして僕を見上げてくる。ぼんやりとしているその瞳は、どこか悲しそうだ。
「明日、着れないわね」
 耳と尻尾にはウレタンを入れてあるから、確かにそうだろう。無理に水分を絞り出そう
としたら変形したりしてしまうし、そうしたらずっと着れなくなってしまう。
「大丈夫だ。まだ三択の内の二つが残ってる」
 明日はYシャツと全裸香水、どちらにするのだろうか。
「馬鹿」
 そう言って、ツルは苦笑を浮かべた。
139 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 00:48:51 ID:2A0orRUB
今回はこれで終わりです

>>89
×3くらいまでは比較的まともだった気がするのにね

>>90
元気ですか?

>>93,96
巨乳キャラは書くのが楽しい
ドリンクは本当に昇天しそうですね

>>94
ツルはそれを日常的に飲むんだぜ?

>>98
ちゃんと注意書きしたのに
無茶しやがって

>>79
今までありがとうございました
俺みたいなので良いのか不安ですが、取り敢えず毎週頑張ります

>>125
バッチコーイ!!


普通の猫耳だと面白くないと思って、こんなネタになりました
普通の猫耳を期待した方には申し訳ありません
140 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 03:45:03 ID:x07e56Jf
真夜中に誰GJ!


ツルはもうどうしようもねぇな(褒め言葉)

猫パジャマと聞いて思い浮かべたのは白魔導士タンだったり。あれ?じゃあ次はお兄ちゃんプレイですか?




イメクラ|  λ...
141 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 04:43:08 ID:8vUnIXXt
125だけどとりあえずSS作成に入る。
俺個人オリジナルだけど。そんなに早くは書けないだろうけど。
オリジナルならいらん場合は言って。去る。
142 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 05:02:40 ID:+zqX9W0N
>>141
大丈夫だ、このスレにオリジナル以外が投下されたことはない
143 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 16:43:12 ID:xj1wzIzK
ロボ氏GJ!
毎度ながら美味ですな、猫耳ナイスです。
次は何だろ…猫ときたら犬?

>>141
>>142の言う通りだ、ここはオリジナルオンリーだ
好きに考え、好きに構築し、好きにヤる、ただそれだけだ!
144 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 17:54:57 ID:89GfNhs3
>>139
ロボ氏GJ!
なんだ、この例の極甘牛乳以上の甘々バカップルぶりは。

>>141
どれだけ遅くても構わないから、気長に、焦らず、自分の書きたいように書いてくれ。
何か問題があれば俺たちスレ住人全員でバックアップするよ。
ペーペーのド新人がベテランの超一流になる過程を俺たちに魅せてくれ。
145 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 19:15:37 ID:UmsfBF+8
>>139
少年漫画のキャラの能力のインフレに負けないほどの、カメの変態度のインフレぶりにGJ
146 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/24(金) 02:56:59 ID:w+isI84e
つーか今更だけど、セックスしてる時が一番マトモだよねこのバカップル
(注:誉めてる)
147 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/24(金) 04:34:13 ID:h0zhhLRO
にくちゃんねるが閉鎖するらしい…
148 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/25(土) 13:52:47 ID:QPEQ4a1i
カメとみんなの絡みがアホ過ぎて好きだwwwwwwww
149 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/27(月) 00:47:19 ID:6KieFZc9
この先に道はあるの?(まあ無くても歩く意味はあるよ)
少しでも聞こえる声援に 歩こう偶然から永遠に

久しぶりにmagic number聞いたら79氏っぽいなと思った
150 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/27(月) 04:41:48 ID:K/ZliXYF
待てども人はこず、か……_ノ乙(、ン、)_
151 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/27(月) 17:53:46 ID:/Vg8FGA2
自分で書いちゃいなYO
152 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:30:53 ID:vY55SIYn
投下しますよ
153 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:31:44 ID:vY55SIYn
「本当に行っちゃうのか? 思い返すなら今の内だぞ、今からでも充分に間に合う」
 僕は外泊セットを持ったツルを見て言った。しかしツルは呆れたような表情をして溜息
を吐く。続いて不機嫌そうに眉根を寄せ、みぞおちにキレの良い拳を打ち込んできた。
「いつものことでしょ!?」
 今日はセンスの両親が仕事で帰ってこないらしいので、女だけで泊まり込んで夜通し遊
ぶ予定らしい。本当は僕も行きたいのだが、それをツルに話したところ奥歯を叩き折られ
そうになってしまい泣く泣く断念した。いつもの面子だけならばなんとかなったかもしれ
ないけれど、他の友達も居るとのことで強制却下らしい。特に珍しいことでもない、こう
したことは普段からある。だが慣れるかどうかはまた別の話だ。
 ツルが居ない状況を想像してみる。なんて寂しい風景だろう。馬車馬か召し使いのよう
にこき使われることもなければ、ネットのエロサイト巡りをしてぶん殴られることもない。
舌打ちが聞こえてくることもなければ、理不尽な八当たりを受けることもないのだ。絶望
という言葉が思い浮かんだが、冷静に考えれば逆かもしれない。
 しかし、ツルが居るのと居ないのでは何かが違う。たかが一泊、されど一泊だ。世間的
に見れば大したものではないかもしれないが、僕にとっては今生の別れのようなものだ。
自然と、涙が浮かんでしまう。
「そろそろ行くけど良い?」
「着替えはちゃんと持ったか? 歯磨きセットはあるか? おやつは三百円までだぞ? 
寝る前には間食をするんじゃないぞ? パンツとブラはちゃんとあるか?」
「あ、忘れた」
「しっかりしろ!! ツルは他の人の下着はサイズ的に着れないんだぞ!? センスのものは
物理的に不可能だろうが!! ノー下着で過ごすつもりか!? もう堪らん!!」
「うっさいわね!!」
154 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:33:58 ID:vY55SIYn
 危ないところだったが、そんなこともあろうかと準備しておいた僕はポケットからブラ
を取り出した。色は清純派の白、ところどころにある刺繍がかわいらしい。ツルが一番気
に入っているものなので、これで文句はないだろう。そして帽子を脱ぎ、その下に被って
いたパンツを取り外して目の前に突き出した。これも色は白、ブラとセットになっていた
ものだ。こちらもブラに負けずかわいらしく、それを着ているツルの姿は、間違って天界
から降りてきてしまった天使の姿を思わせる程だ。下着姿の天使が居るのなら見てみたい
けれど、そう表現する他はない程だったのだ。これなら乳が足りなくてもセンス達を遥か
に上回ることが出来るだろう。我ながら素晴らしいフォローに、笑みが溢れてくる。
 僕は少し屈んで目を合わせ、
「もう大丈夫だ」
「どこがよ!?」
 頭突きをされた。
「何でポケットに私の下着が、って言うか何で頭にパンツ被ってんのよ!?」
「手頃なサイズだったんだ」
「馬鹿!!」
 今度は鼻に頭突きをされ、逆流した鼻血が口の中を鉄の味に変えてゆく。
「ま、待て。これ以上の頭突きはアウトだ」
 今度はこめかみを連続で殴ってきた。
 約十発程打ち込まれたところで漸く解放されて、僕は床に崩れ落ちる。視線を上げると
こちらを見下ろす凶悪な目と薄青色のパンツが見えた。普段は単体で見ているけれども、
こうした視線で捉えてみるとまた違った趣があって良い。スカートという布一枚でこれ程
変わるのだから、世の中は本当に不思議なものだ。
「どこ見てんのよ!?」
 僕の視線に気付いたらしく、頭を凄い勢いで踏まれた。このままでは答えることは無理
だと思うのだが、何故か足が離れる気配はない。ツルの方からの質問だというのに、これ
ではまるで理屈が通らない。ツルは一体、どうしたいのだろう。
155 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:35:03 ID:vY55SIYn
 そして踏まれている状況が嬉しく思えてしまうのは一体どうしたことだろう。僕は変態
ではないつもりだが、ツルの足が僕の頬に密着していると思うと何故だか息が荒くなる。
「これが愛か!!」
「意味分かんない!!」
 吐息。
「で、本当にもう行くからね。私が居ないからって、妙なことしちゃ駄目よ」
 僕がいつ妙なことをしたというのだろうか。常に論理的に考えて動く僕がそんなことを
する筈がない。つまりこれはツルなりの心配なのだろう、可愛い娘だ。そんな少し母性的
な部分も堪らない、ツルはどこまで魅力的なのだろうか。
「ところで、行ってきますのチュウは?」
「しないわよ気持ち悪い」
 何てことだ。
 絶望に囚われてしまった僕を置き去りにして、ツルは家を出ていった。
 数分。
 僕はパソコンの画面に釘付けになっていた。今までに隠し撮りしたツルの写真を眺め、
それをお茶受けに珈琲をすする。生のツルではないが、高解像度のデジタル写真のものは
心に潤いを与えてくれる。いつもの不機嫌そうな表情をしたツル、目を鋭く細めたツル、
残酷な笑みを浮かべているツル、様々なツルが僕を慰めてくれる。よく見れば邪悪な顔の
ものしか存在しないような気もするが、それはきっと気のせいだろう。
 全ての画像を一通り堪能し、僕は伸びをした。時計を見れば夜の十時、かれこれ二時間
眺めていたことになる。このままでは目にも悪いし、小腹も空いたところだ。明日も休み
なことだしこのまま小休止を挟んで夜更かしでもしよう、そう思い席を立つ。冷蔵庫に何
か入っているかと思ったが、毎週日曜日に買い出しをしているので殆んど空であることを
思い出した。炊いた米も残っておらず、備蓄用のパック麺も昨日食べきった筈だ。つまり
本格的に食糧がなくなった状態だということだ。
156 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:36:48 ID:vY55SIYn
「買い出しにでも行くか」
 近所のスーパーは丁度閉店している頃なので、足は自然とコンビニに向かうことになる。
二十四時間営業な上に、徒歩でも十分程度。地方コンビニだがコンセプトは守られており、
更には独自の奇抜なメニューも多数あることでこの辺りの生活のオアシスとなっている。
僕やツルだけではない、皆が大好きな『SHOPオリハマ』は、この街の基盤の一つだ。
 店に入ると、隣のお姉さんが眠そうな顔をして僕を出迎えた。新らしくバイトを始めた
と言っていたが、ここだったのか。深夜なんて大変だろうに、将来の肌が心配になったが
僕は笑みを向けた。最近メイクの乗りを気にしているような人に、敢えてトドメを刺す真似
はあまりしたくない。これまで円満に築いてきた関係を壊すのは駄目だ。
 籠にパックのうどんとお茶のペットボトルを入れ、レジに向かったところで見慣れた人
が見えた。出来れば気のせいであってほしいが、どこからどう見てもアズサ先生だ。身に
着けているのは普段の黒いパンツスーツではなく、上下共に黒いジャージ。いくら気楽な
独身の一人暮らしであっても、あんまりだと思った。
 アズサ先生はこちらに向かってくると、自動ドアをくぐる。僕も人のことを言えた義理
ではないが、担任の女教師が夜にジャージ姿でコンビニに入る姿はあまり気分の良いもの
ではない。心が切ない痛みを訴えてきた。
「カメ、何故会うなり悲しそうな表情なんだ?」
「そんな残酷なこと言えませんよ」
 不思議そうに首を傾げながら、アズサ先生は躊躇うことなく酒類売り場に向かっていく。
そして大量のビールや焼酎を籠の中へと放り込み、更にはスナック類や揚げ物のつまみを
持ってこちらに戻ってきた。風呂上がりなのか髪はしっとりと濡れているが、シャンプー
の良い匂いはしない。いつもと同じ煙草の強い匂いに加えて、酒の匂いまでしてくる。
157 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:38:44 ID:vY55SIYn
「呑んでたんですか?」
「あぁ、しかし足りなくなってな。お前も呑むか?」
 訊いてくるが、答える余地はない。断ろうとしても手指ががっちりと僕の襟首を掴み、
逃げ出すことは不可能に思えた。生徒に酒を進めるなんてとんでもない話だ、顔には出て
いないけれど多分かなり酔っているのだろう。そうでもなければこんなことはしない筈だ。
「呑むんだな? 来い!!」
 沈黙をどう誤解したのか、僕を捕えたまま会計を済ませると、引きずられるように店の
外に出る。そのまま移動するのは僕の家とは反対方向、必死に抵抗するもののやけに強い
力で引っ張られているせいでどんどん家から離れてゆく。
「ちょっと待って下さい、僕は未成年ですよ?」
 漸く立ち止まり、アズサ先生はこちらに振り返る。
「高校生になれば、酒くらい飲むだろう。それとも」
 悲しそうな顔をして、
「私と飲むのは嫌か?」
 今にも泣きそうな表情で言われ、何も言えなくなった。甘いと言われればそれまでだが、
普段はクールなアズサ先生のこんな表情を見てしまっては、どうすることも出来なくなる。
いつもは強気に振る舞っている人の弱い部分を見て、抵抗する気が失せてしまった。
「分かりました。付き合います」
「すまんな……うっ」
 折角真面目に話が進んでいたと思ったのに、突然アズサ先生が口元を押さえた。そして
道路の端にしゃがみ込むと勢い良く戻し始める。普通に暮らしているのに半年も経たない
内に二度も女性の嘔吐する現場を見てしまうなんて、それも身内が吐いている所だなんて
どうしたことだろう。割合的に見て正常だろうか。
158 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:40:12 ID:vY55SIYn
 取り敢えず僕はアズサ先生の背中を撫で、ペットボトルのお茶を差し出した。苦しそう
にそれを受け取り蓋を空けようとするが、どうも上手くいかないようだ。僕が蓋を空けて
アズサ先生の口元まで運ぶと、溢しながらではあるがゆっくりと飲み始める。
「すまんな、私はもう大丈夫だ」
 ペットボトルを返されるが、正直どうしようか迷う。半分以上残っているが、ゲロ吐き
後の口が付いたものはあまり飲みたくない。それが例えツルのものだとしても出来ること
なら遠慮したいところなのに、それが他の人のものならば尚更だ。
 取り敢えず受け取ると、アズサ先生を背負った。背中でゲロを吐かれるのは困るけれど、
行き倒られるのはもっと困る。このままなら充分逃げ切れることは分かっているけれど、
それが原因で夢見が悪くなるのは絶対に嫌だ。
 道を教えてもらいながら歩いて数分程した頃、僕の首に回った腕に強く力が込められた。
「どうしたんですか?」
「喜ばないな。やはり幼児体型でないと駄目か」
 首を絞められて喜ぶ人はそうそう居ないと思うし、人を気軽に変態扱いしないでほしい。
僕の好きなツルは確かにロリ体型だが、だからといって別にロリコンという訳ではない。
好きになった女の子の体型がたまたま小学生レベルだったというだけのことだ。つまり、
法的には辛うじてセーフの範囲に入っている。
「礼になるかと思ったんだが、やはりエニシくらいにならんと駄目か」
 言われて漸く気が付いた。僕の首を締めていた訳ではなく、乳を必死に押し当てていた
ということか。さすがにツルよりは大きいものの、あまりにも貧乳なので気付かなかった。
そう考えてみれば、背中に何か柔らかいものが当たっているような気がする。
「いや、気のせいか。存在しないものが当たるなんて」
 本格的に首を締められた。
159 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:42:14 ID:vY55SIYn
「落ちる、落ちますアズサ先生!!」
「大丈夫だ、バランス感覚には自信がある」
「僕の意識が落ちますよ!!」
 思わず倒れそうになったところで、やっと開放された。
「お、着いたぞ」
 腕が伸びる方向を見れば、少し古いアパートが確認出来た。
「二階の201号室だ、頑張ってくれ」
 ここまで来てしまったからには引き返すことは出来ない、僕は意を決して部屋の前まで
歩いてゆく。それに、アズサ先生の部屋の中に少し興味があった。男っ気が無いにしても、
仮にも大人の女性の一人暮らしだ。この扉の向こうには甘美な世界が待っているだろう。
どれだけエロスな世界なのか、期待に胸が高まってくる。
 ドアを開き、
「あ、カメ君」
 急いで閉じた。
 部屋を間違えてしまったに違いない。今のアズサ先生は酔っ払った状態だ、その可能性
も充分に有り得るだろう。何しろ嘔吐する程の状態だ、正常な思考が出来なくなっていて
も何の不思議もない。若しくは、僕が幻覚を見てしまったのだ。ツルの居ない状況では、
いくらタフな精神を持つ僕でもおかしくなってしまうだろう。
 仮説は幾らでも出てくる。
 とにかく、あんなものがアズサ先生の部屋だとは思いたくなかった。
 部屋の中は酒の瓶と煙草の吸い殻で溢れ、隅には大量のゴミ袋と脱ぎ散らかされた衣服
が溜り、更にはベッドの上にバスタオル一枚のエニシ先生が居るだなんて、神が許したと
しても僕の倫理感が許さなかった。これは絶対に何かの間違いだ。
「本当はどこですか?」
「いや、ここだ」
 嘘だ。
 そう思おうとしたが、それは部屋の扉が向こう側から開けられたことで崩壊した。
「どうしたの? あらアズサ、良い仕事したわね。おんぶなんて羨ましい」
160 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:43:09 ID:vY55SIYn
 僕を迎えたのはバスタオル一枚の非常識な姿をしたエニシ先生、どうやら先程のは錯覚
ではなかったらしい。しかし相手が僕だから良かったものの、他人だった場合はどうする
つもりだったのだろうか。下手すると、この場で性犯罪が起きてもおかしくない状況だ。
「ま、入って入って。薄汚いとこだけど」
 笑顔で僕を部屋の中に誘うが、結構キツいことを言う。薄汚いなんて、単に汚いと言う
よりも残酷に思えた。自分の部屋ではないというのに、なんという言い草だろうか。僕も
見た直後に同じような感想を持ったのだが、言わないでおこう。
 なるべく部屋の中を気にしないようにしてベッドに運ぶ。シーツは思っていたより清潔
で、普通の光景の筈なのにやけに浮いて見えた。白いシーツに違和感を覚えるなんて日が
やってくるとは、夢にも思わなかった。そのくらいこの部屋は薄汚い。
 アズサ先生をベッドに寝かせ、踵を返す。
「待て」
 だが一歩踏み出したところで脚を掴まれバランスを崩してしまった。不幸なことは続く
もので、うっかり瓶を踏んで足を滑らせて転び、更には後頭部を別の瓶に強打する。普段
ツルに殴られている上に痛みには強いので大した被害ではないが、こうも間抜けな流れに
晒されてしまうと悲しくなってくる。しかし泣かない、僕は男の子、強い子だ。
「強く打ったな。これ以上頭がおかしくなったら救えないぞ?」
 何て酷い言葉だ。
「カメ君大丈夫? 腫れてない?」
 そしてエニシ先生は、何故この流れでベルトを外すのだろうか。打ったのは頭で、別に
股間を打った訳ではない。しかし注意をする前にジッパーを下げられ、ジーンズも膝まで
下げられてしまった。あっという間に僕のものが空気に晒される、何て早業だ。
「あら、やっぱり腫れてる」
161 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:45:04 ID:vY55SIYn
 いかん。エニシ先生がバスタオル一枚なせいで谷間だけでなく乳首まで見えていたが、
それを凝視しすぎたのが良くなかったか。僕の意思とは殆んど無関係に、股間の竿が元気
になってきている。心を落ち着けようとしたが乳を見ているのが一番落ち着くと気が付き、
それは寧ろ逆効果になってしまうので迷ってしまった。
 不意に、ぬるりとした感触が亀頭を包んだ。
「何するんですか!?」
「え? 腫れには唾を着けるのが一番かなって思って。だったら直の方が効くでしょ?」
 エニシ先生は言い終えると、再び口に僕のものを含む。
「酔ってますか?」
「うふふ、まさか。たかが日本酒一合空けたくらいで」
 よく見れば頬には僅かな赤みが浮かんでいた、間違いなく酔っている。引き剥がそうと
しても、エニシ先生の凶悪なテクニックの前では力が入らない。舌でこんな動きが出来る
ものだろうか、そう問いたくなる程に自在に僕の竿や先端を刺激してくる。アズサ先生も
かなり上手かったが、エニシ先生のこれはもはや別次元のものだ。
「ん、どんどん腫れてきた。どうしたのかしら?」
「なら私も手伝おう。元々散らかした私が悪いんだしな」
 ベッドから身を下ろし、アズサ先生までしゃぶりついてきた。
「前のときより、固いな。それに、熱い」
「い、淫行教師!!」
「黙れ変態生徒」
 こちらを上目遣いで見て、アズサ先生も本格的に舌を動かし始めた。人数は倍になった
だけだが、与えられる快感は何倍にもなって僕を刺激する。舌遣いが抜群に上手い二人、
しかも年上の女性がこうしているというシチュエーションも手伝って、思わず声が漏れて
しまう程の気持ち良さだ。気を抜いてしまえば、今にも射精してしまいそうになる。
「なかなか出さないな」
162 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:47:09 ID:vY55SIYn
 今出してしまったら、早漏決定だ。正直今すぐ出してしまいたいけれど速撃ちガンマン
として扱われるのは絶対に嫌なので、必死に射精感を堪える。
「強情ね。でも、これはどうかしら?」
 一旦エニシ先生は離れると、バスタオルを取り払った。そして豊かな双丘で僕のものを
挟み、扱きあげる。アズサ先生も僅かに遅れて全裸になり、僕のものを舐めあげてきた。
 それだけではない、手指で自分の秘所を弄り始めた。僕のものを舐めるのとは別の水音
が部屋の中に響き始める。アズサ先生の呼吸が荒くなり舌の動きが弱くなったが、視覚的
なものでより射精感が強くなってくる。
「アズサ、あたしのも」
 は、という吐息がアズサ先生の口から漏れた。それが了解の合図だったのか、両手を乳
に伸ばしているせいで使えないエニシ先生の代わりに、アズサ先生の手が股間に伸びる。
指を割れ目に侵入させるとエニシ先生は眉根を寄せ、体を小さく震わせた。
 同時に、僕も射精する。
「わ、濃い。やっぱり若いわね」
 一度は萎んでしまったけれど、二人がお互いに顔にかかった白濁液を舐め取っているの
を見ると再び固くなってきた。ねぶるように動く二つの赤い舌が、とてもいやらしい。
「まだ腫れてるわね」
「仕方のない奴だな」
 そう言うと、二人は重なってこちらに腰を突き出してきた。蛍光灯の光が二人の股間を
照らし、小さく収縮している割れ目や尻の穴が丸見えの状態になる。既にどちらの股間も
しどしどに濡れていて、いつでも僕のものを受け入れることが出来るようになっている。
妖しく光を反射する愛液を見て、なんとなく炎に飛込む迷い蛾の気持ちが分かった。命が
焼かれそうになると分かっていても、心を惑わす光に向かわずにはいられない。不思議な
魅力というものが、魂の秤を極端にずらしてしまうのだ。
163 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:49:12 ID:vY55SIYn
 軽く馴染ませるように二人の割れ目をなぞり、下に居るアズサ先生の膣内へと挿入する。
「ごめんね、カメ君」
 何故エニシ先生が謝るのだろうか。
「アズサ、本当は今が初体験なんだけど、昔あたしがアズサの処女を貰っちゃって」
 侵入を止め、アズサ先生の顔を見る。冗談であってほしいと願ったけれど、アズサ先生
は困ったように眉根を寄せて僕を見つめてきた。弱気なものであるがその視線に嘘はない。
「残念だったか」
「そんなことないですよ」
 本当はドン引きしたけれど、僕は笑みを浮かべて答える。今まで彼氏が居たことがない
のは知っていたが、まさか男との体験を差し置いてアブノーマルなプレイをしているとは
思わなかった。言われなければ、きっと永遠に知らなかっただろう。出来ることならば、
知らないままの方が良かった。知らぬが仏と言うが、知った今では別の意味で仏になって
しまいそうだ。僕のものも思わず萎んでしまう。
「おい、小さくなってるぞ」
「大丈夫よ、こうすれば」
 エニシ先生がアズサ先生の胸を吸うと高い声が漏れ、膣内が強く締まった。ざらついた
壁にカリ首を擦られ、勢いが失せかけていたものが再び固くなってゆく。アズサ先生は頬
を赤く染めながら唇を噛むと、腰を動かし始めた。僕もそれに合わせて動き出す。必死に
押し殺しているのだろうが、たまに漏れてくる声が可愛らしい。
「カメ君、あたしのも」
 アズサ先生から引き抜き、今度はエニシ先生の中へと挿入する。アズサ先生の内は狭く
ざらついていたのに対し、エニシ先生のものは熱くとろけるような感触で絡み付いてくる。
164 名前: 『ツルとカメ』×14 [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:50:16 ID:vY55SIYn
 腰を大きく動かすとこちらは大きく声を出した。貪るように激しく腰を揺らして、遠慮
することなく僕のものも奥へと誘い込んでくる。大きな声が不味いのか、それとも快楽に
よるものなのか、二人は唇を重ねた。舌が絡み、淫媚な水音が聞こえてくる。さっき僕の
精液を舐め取っていたときもそうだったが、女性同士のキスや舌を絡めている様子という
のは、見ていてとても興奮する。それに反応して、僕の腰の動きも激しさを増してゆく。
「カメ、私のも、もっと」
 エニシ先生から引き抜いて、交互に出し入れをした。正反対の二人の内部は比べようも
ないけれど、どちらも堪らなく気持ちが良い。連続して与えられる二種類の快感が一つに
混ざる感覚がして、再び射精感が沸き上がってきた。
 僕は二人の割れ目の間に竿を差し込むと、腰を一層激しく動かす。変則的な素股の状態
だが二人ともクリが擦れて気持ち良いらしく、挟む力を強くしてきた。こりこりしたクリ
の感触が伝わり、ぬめる小淫唇と合わさって我慢がきかなくなる。もっと長く楽しみたい
という気持ちもあるが、これ以上は無理だ。
「出し、ます」
 軽く腰を引き射精すると、二人の割れ目に精液がかかる。エニシ先生がアズサ先生から
降りて腰を離すと、粘着質な音と共に二人の割れ目の間に汚れた細い橋が出来上がる。
「凄い。二回目なのに、濃い」
 エニシ先生は手指でそれを掬い舐めとると、美味しそうに笑みを浮かべた。もう一掬い
して今度はアズサ先生の口元に運ぶと、それをとろけた表情で舐め取っている。
「うふふ、二人同時に子供が出来たらカメ君大変ね」
 その言葉を聞いて、固くなりかけていたものが一気に萎んだ。
165 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 23:52:15 ID:vY55SIYn
今回はこれで終わりです

>>140
妹プレイはあまり好きくないけど、多分その内にやるっぽい

>>141
俺もオリジナルだし、楽しみに待ってる

>>143
犬プレイ……次々々くらいにはセンスが雌犬の予定

>>144
それが『ツルとカメ』

>>145
今回は真面目人間にしたつもりだけど、そう見えないね

>>146
本当は全編馬鹿な話で進めたいけれど、エロと馬鹿を同時に書くと文字数が今の1.5倍に
なるという面倒で厄介な事情があるのです

>>148
普段は真面目なSSばかり書いているので、はっちゃけられるこっちは全員アホになる

>>150
一緒にcolorを待とうぜ
きっと書いてくれると信じてる


3Pは文字数がマジでヤバい、一気に増えそうになる。いつもの小ネタとかエロシーンを
かなり削って書いたけれど、それでも殆んどいつもと同じ文字数になった
166 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/30(木) 00:33:17 ID:J/083Ouy
>>165
誰GJ!
そういえば同時期に個人的ねこみみブームだった人を本家で見たんですが…
167 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/30(木) 02:06:25 ID:CurW8n+L
強烈にGJ!

カメの変態っぷりはそろそろ末期だと思う。
んで、360゚=0゚理論発動で真人間化する、と。


そんなベタ展開、誰も望んでなんかないんだから!
168 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/30(木) 13:07:39 ID:rI/5yX80
>>165
ロボ氏GJ!!
自覚してなかったのかこのド変態はwww
169 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/30(木) 18:08:30 ID:EUjR4TEC
>>165ロボ氏
14度目のGJ!いや、2回くらいFJとBJにしてたかもしれんけど

>「い、淫行教師!!」
>「黙れ変態生徒」
ここ吹いたw
どれを読み返しても面白いのがここのクオリティーの高さを表してると思う
170 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/03(日) 22:57:49 ID:wtOhm+oJ
ロボさんGJ!!
カメの頭がおかしいのは天然なのだろうか

79氏みたいな質問コーナーが少し見てみたい
171 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/04(月) 10:19:15 ID:y/TYiARf
質疑応答って一歩間違うとウザレスになるんだよ……
172 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/04(月) 16:41:05 ID:pvtwQw26
79氏のうまかったところは上手くキャラを動かし1レスに納めていたところだと思う
173 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/04(月) 22:05:25 ID:/MOVAeu4
79先生の次回作にご期待ください
              終
174 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/05(火) 11:27:19 ID:pwkG0mKu
最近忙しくてこれなかった…
しのた編とか覚醒編とかみれなかったよ…

色は覚えてたらもう少し待って
175 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:26:03 ID:kcZ2CCmT
 調理実習である四時限目が終わり、いつもの如く僕達は集まって談笑していた。しかし
普段と違う部分がある、いつもならば率先して喋り僕を蔑んでくるコイが黙り込んでいる
のだ。普段が饒舌なだけに、何とも表現しにくい違和感のようなものがある。意気消沈と
しているコイは、例えるのなら電池切れの玩具のようなものだ。見ていて何となく寂しい
気持ちになってくる。
「どうした?」
「何でもない」
 何でもないという様子ではないが、言いたくないのならば仕方がないだろう。無理矢理
に言わせるのはあまり好きではないし、そんなことをしたところで誰も喜ばない。敢えて
気にしないようにして、机の上に広げてあるクッキーのを口に入れた。先程の調理実習の
ときに皆が作ったものを混ぜてあるが、誰が作ったのかは味で大体分かる。
「また外れか」
「あの、美味しくなかったデスか?」
 そんな訳ではないが、ツルが作ったものが未だに食べれていないことが悔しい。センス
が作ったものもそれなりに美味いけれど、味は関係なく二番目になってしまうのだ。因み
に一真のものと水樹のものは班の混ぜる係だった娘が砂糖と間違えて塩を入れてしまった
せいかしょっぱいもので、その娘には悪いけれど正直美味くなかった。そのせいもあるの
だろうが、基本的に慣れているのだろう。センスのものは美味い。
「良い出来だな」
 そう言うと、センスは不安そうな表情を一転させて笑みを浮かべた。
「はい。向こうでは休日はいつも、ママと一緒に作ってまシタから」
 なるほど。やはりアメリカ人は休日に家族と菓子を作ったりするのか。そうして家庭の
味は受け継がれ、やがてビア樽のような体型になったセンスが自分の娘に高カロリー菓子
の作り方を教えるのだろう。それが永遠にループする、何とも微笑ましい光景だ。
176 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:28:29 ID:kcZ2CCmT
 胆っ玉母さんになる前にしっかりと今のセンスの姿を目に焼き付けるようにしながら、
また新しいものを口に含む。こちらに向けられるのはツルの視線、ついに当たりを引いた。
「美味い、愛情入りがこれ程に美味いとは思わなかった!!」
「黙って食べなさい!!」
 噛み砕く前に強制的に全てを口の中に叩き込まれ、思わず吐き出しそうになる。しかし
大事なツル手作りの愛情たっぷりクッキーだ、粗末にしてはいけない。粉々になったもの
が広がり口がやけに乾くが、それを我慢して飲み込んだ。
「やばい、ツル、その珈琲、くれ」
「何で片言なのよ。それにカメには自分のがあるでしょ?」
「ツルの唾が混じったのが良い!!」
「うるさい、せめて口を付けたのって言いなさいよ!!」
 照れているんだろう、可愛い娘だ。
 そのまま幾つか食べていて気が付いた。
「コイのが無いな、どうした?」
 コイは気不味そうに目を反らし、
「何でアンタのクッキーが一番美味しそうなのよ」
 漸く口を開いたかと思えば妙なことを言われた。そんなこと言われても、普通に作って
いて上手く出来たのだから仕方がない。僕はツルと二人暮らしである為自然と家事が身に
着いたからということもあるだろうが、教科書に従って作ればこのくらいは出来るだろう。
一番美味そうに見えるのも、多分たまたまオーブンの温度が丁度良かっただけだと思う。
「だから気にするな、皆のと味は大して変わらん。僕のあげるからさっさと出せ」
 混ぜたものの他にツル専用として取っておいたクッキーの袋を開き一枚差し出すと、脅
えたような視線を向けられた。そして少し躊躇った様子の後、おずおずと受け取ってゆっ
くりと口元に運んでゆく。だが一筋縄ではいかなかった。まるで小動物のような仕草で匂
いを確かめ、舌で舐め、それを何度か繰り返してからやっとかじりだした。クッキーを一
つ食べるまでに、随分とかかったものだ。
177 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:29:16 ID:kcZ2CCmT
「で、小芝居はもう良いからさっさとお前のを見せろ」
「嫌」
 この野郎、折角ツルに全てあげようと思っていたクッキーの内の一枚をやったというの
に、何て奴だ。五枚の内の一枚、約二割分の大損害なのにも関わらず、コイはすました顔
で僕のクッキーを美味そうにかじっている。
「見せろ」
「嫌よ、この腐れチンコ。何で見せなきゃいけない訳?」
 こいつめ。
「クッキー返せ」
 僕が言うなりコイは残りのものを全て口に含み、紅茶で流し込んだ。そして一息吐くと
こちらを真顔で見て溜息をつく。ティッシュで口元に付いたカスを拭いながら一言。
「無理よ」
「だったら黙って見せやがれ!!」
「カメ、あまりコイを責めないで」
 いや、今回ばかりはツルがどんなにかばおうが勘弁ならない。
「仕方ないのよ。コイは、その、料理がかなり苦手なの」
「だからってなぁ」
「本当に、下手とかそんな次元じゃないの。粉ジュースもまともに作れないの。中学の頃
一度だけ試したけど、あれは本当に危険なのよ。だから許してあげて」
「ツル、フォローになってないわよ」
「え、あ、ごめん」
 しかし粉ジュースで失敗なんて、現実的に有り得るのだろうか。ただ粉に水を注ぐだけ
なのだから、失敗するも何もそんな余地が存在するとは思えない。だがコイに視線を向け
ると、悔しそうな表情で目を背けられた。どうやら本当らしい。
「ねぇ、カメは料理の下手な女ってどう思う?」
 呟くようにコイが言ってきた。ツルやセンスの視線も向けられて、ここは上手い具合い
にフォローしなければと考える。個人的な考えとしては、正直どうとも思わない。それは
得意ならばそれに越したことはないけれど、誰にでも苦手なものはあるものだし、個性の
一つだと思っている。只ひねくれ者のコイのことだから、ストレートにそう言ったとして
も素直に受け取らないだろう。数秒考えて、僕は結論した。
178 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:31:11 ID:kcZ2CCmT
 コイの目を真剣に見つめ、
「料理に大事なのは味じゃない」
「おぅ、カメさんがまともなことを言ってマス」
「たまには普通の答えも出すのね」
 センスとツルには何か大きな誤解があるようだが、今は放っておく。
「コイ。料理に一番大事なのは何だ?」
「えっと……味の素?」
 話にならない。僕は黙ってツルとセンスを見た。代わりに答えろと理解したらしい二人
は少し考え込み、同時に顔を上げた。どうやら二人は分かっているらしい、と言うかツル
には分かっておいてほしいと思う。
「はい、センス」
「砂糖、塩、酢、醤油、味噌デスね?」
 この馬鹿め。巨乳が馬鹿だという俗説は、実は本当なのだろうか。
「はい、ツル」
「愛情?」
「正解だ!!」
 やはりツルは分かっていてくれた、嬉しさのあまり抱き締め頭を撫でる。次の瞬間には
強制的に振りほどかれたものの、それでも僕の嬉しさは止まらない。今夜は御馳走を作り
盛大に祝わなければいけない、メインはツルの女体盛りやワカメ酒だろうか。いや、ツル
は生えていないから、正確には鮑酒か。
「カメ、何で私の股間を凝視しているの?」
 いかん、つい興奮して慎みを忘れてしまった。
 僕は咳払いを一つ、改めてセンスとコイを見る。この二人は言われてやっと気が付いた
らしく、感心したような目でツルを見つめていた。
「分かったか。愛情さえあれば、正直あまり美味くなかったクッキーでも世界ランキング
ぶっちぎり一位になることが出来るんだ。つまりだな……」
「カメ、後で話があるわ」
 ツルから誘ってくれるなんて、どんな用事だろう。今から心がわくわくしてくる。
179 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:33:44 ID:kcZ2CCmT
 数時間後。
「何でこんなことになってるんだ?」
 楽しいことをしてくれるというツルの言葉に騙され、僕はリビングの椅子に縛り付けら
れている状態だ。しかも目の前にはエプロンを装備したツルとセンス、そしてコイ。気の
せいかもしれないけれど、もしかして料理でもするつもりなのだろうか。しかも多分僕が
毒味役、あれだけヤバいと言っておきながらツルは何を考えているのだろうか。
「止めろ、僕はまだ死にたくない!!」
「大丈夫よ。多分死なないわ、カメは変態だし」
 何てことだ、穏やかな表情をしているが目が笑っていない。このままいつものように、
ツルは何の躊躇いもなく僕を酷い目に遭わせてくるだろう。いつもなら相手がツルという
だけで無条件で受け入れるが、今回ばかりは駄目だ。
 ツルに救いを求めるのが駄目なら、センスはどうだろうか。
「これは何デスか?」
「粉ジュースだ、水を入れるだけで不味いジュースが出来る」
 口を開き、不思議そうに中を眺めている。
 自分で言って気が付いたが、何故こんなところに粉ジュースがあるのだろうか。まさか
作る料理というものは、粉ジュースだとでもいうのだろうか。それは確かに調理する必要
はあるが、料理なんてレベルではない。これは、さすがにコイを馬鹿にしすぎではないの
だろうか。同情したくなってくる。
「さ、作るわよ」
 だから、作るも何も。
 まずは手本にと、ツルが作る。と言っても袋の口を開き、水道水を中に入れ、ストロー
で掻き混ぜるだけの作業だ。これは失敗の仕様がないだろう。センスもツルと同じように
作り、飲んで不味そうに眉を寄せている。アメリカ人には受けが良さそうだと思っていた
けれど、どうやらおきに召さなかったらしい。
 コイを見ると、まだ何もしていなかった。
「早くしろ、大丈夫だ。仮に妙なもんが出来ても僕が責任持って飲んでやる」
 更に数秒躊躇い、漸くコイは粉ジュースを作り始めた。そんなに緊張しなくても、失敗
のしの字もある筈がない。そう思って言った言葉だったが、それは僕の勘違いだった。
180 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:35:01 ID:kcZ2CCmT
 コイはゆっくりと袋を開き、水道水を恐る恐る入れた。その直後、何故か核爆発か何か
が起きたようなキノコ雲が吹き出した。更にストローで掻き混ぜると、白かった煙が黒く
変色して不気味にゆらゆらと揺れている。煙の形がなんとなく頭蓋骨に見えているのは気
のせいだろうか。ごく単純な作業の上に失敗の余地などないと思っていたのだが、それは
僕の間違いだったらしい。こいつはこんなものでも失敗しやがった、ツルの言った通りに
下手などという言葉では済まされない。世の中には不思議なこともあるものだ。
「……飲む、わよね?」
 脅えた表情でコイが差し出してくる。
 煙がやけに目に染みるが、それを我慢して中を覗き込むと、何故か紫色のどろりとした
液体が見えた。目の錯覚かもしれないと思いパッケージを見れば、メロンソーダの文字が
確認出来た。間違ってもグレープソーダではない。仮に何かの製造ミスでグレープソーダ
が入ったとしても、普通ならば、もっとさらさらとしたものではないだろうか。見る限り
では一発で窒息してしまいそうな粘度で、しかも炭酸とは別の大粒の泡が不思議な音を響
かせながら幾つも弾けている。突っ込み所は満載だ、これは本当に飲み物なのだろうか。
 視線を僅かに上げればエプロン越しでも分かる程の大きな乳、ではなく悲しそうな表情
が視界に入ってくる。自分でもこれは無理だと悟っているのだろう。
「無理しなくても良いよ、捨てるから」
 だが、ここで断れば男じゃない。こんな辛そうな女の子を見捨てる程、僕は鬼ではない。
「待て」
 僕はストローを口に含み、一気に吸った。ゆっくりとした速度で上ってきた謎ドリンク
が口に入った瞬間、悶絶する。甘味、塩味、酸味、苦味、旨味、その他様々、人間の舌が
感じることが可能な全ての味が一編に襲いかかってきた。脳が大音量でエマージェンシー
コールを鳴らし、体は毒素を排出しようと物凄い勢いで嘔吐を促してくる。
「だい、じょうぶ?」
「うん、美味い」
 あれ、なんだろう。
 目が霞む。
181 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:36:45 ID:kcZ2CCmT
 体を揺すられて、目が覚めた。眼前に広がるのは泣きそうなコイの顔、先程のことは夢
だと思っていたが、どうやら現実だったらしい。粉ジュースを飲んで倒れた人間なんて、
恐らく僕が人類史上初だろう。あれが本当にジュースに分類して良いのかは疑問だが。
「良かった。もう目を覚まさないのかと思った」
 思うなよ。
 首を回して周囲を見てみれば、他には誰も居ないことに気が付いた。
「皆は?」
「薬を買いに行ってる」
 大袈裟、という訳でもないか。現に意識不明の重体になった訳だし。
「そんなに酷かった?」
 酷いなんて次元ではなかった。
「ちょっと試しに」
 いきなりコイが唇を重ねてきた。抵抗しようにも体を椅子に固定されているせいか身の
自由がきかず、只されるがままになってしまう。コイは僕が抵抗出来ないのを良いことに
強引に体を押し付け、口の中を思うままに貪ってくる。頬の内側、上顎、更には歯茎や舌
の裏側までねぶりつくされ、そこで漸く唇を離した。
「うわ、不味」
「失礼な!?」
 叫び、気が付いた。
「あ、ジュースの方か」
 いがらっぽかった口内の感触が消え、すっきりしている。コイは僕の口に残ったものを
舐め取っていたらしい。紛らわしいにも程がある、と言うか、
「顔を赤らめるな!!」
 意識しないようにしたところで、無理だろう。
「うぁ、初キス」
「ノーカンだ、ノーカン!! 今のは無しだ!!」
 今のはキスの内に数えてはいけない、飽くまでも応急処置だ。今までにも何回かエロい
ことをしたが、これでは後戻り不可能だ。そうでも考えないと、発狂しそうになる。
182 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:39:06 ID:kcZ2CCmT
 だがコイは僕の葛藤を知ってか知らずか、とろけた表情で体を擦り付けてくる。駄目だ
と分かっているのに、何故だかどんどん可愛く見えてくる。これはいかん、いかんですよ。
官能的な弾力が体の各所に当たり、思わず股間が反応してしまう。
「おい、待て」
「待たない」
 コイは悪どい笑みを浮かべ、ジッパーを下げてくる。
 制止の言葉を言う前にコイは僕のものをくわえ、巧みな動きで舐めあげてくる。
「あは、大きくなってきた」
 いつもの展開だ、こうなったコイはもう止められない。
 コイは胸元をはだけ、ブラを外して迫ってくる。柔らかな感触が僕の顔を挟み込んで、
女性特有の甘い匂いが鼻孔を擽ってくる。乳の気持ち良さに溺れそうになる思考を無理に
奮い立たせ、僕はコイの顔を見つめた。
「これ以上は」
「うん、分かってる」
 そう言いながら、コイはゆっくりとパンツを下げてゆく。どう考えても分かっていない、
エロモードに入ったコイは正に無敵状態だ。あげく僕は身動きのとれない状態、もう観念
するしかないのだろうか。
「観念しなさい」
 僕のものを舐めながら、コイは自分の股間に手指を這わせ、細い息を吐いた。そして
指先で割れ目を広げると、軽い音をたてて愛液がフローリングの床に落ちる。
「ね、もうこんなになってるの」
 股間を撫でていた指を僕の眼前に掲げて、広げて見せてくる。指先は蜜が光を反射して
いやらしく輝き、その間には銀色の細い橋が何本かかかっていた。コイは目を三日月の形
にすると僕の唇を割って手指を押し込んでくる。少し塩味のする独特の風味が広がって、
改めてコイが濡れていることを実感する。
「もう、大丈夫だよね」
 何が、と訊く前にコイが僕の太股の上に乗ってきた。亀頭が割れ目に当たったかと思う
と、一気に飲み込まれる。入口は狭く、しかし奥行きは広い。今までの誰よりも高い温度
で締め付けてくるそれは、名器というものだろうか。多分初めてだからなのだろう、少し
動かすだけでも辛いものがある。コイは自ら腰を振り初めているものの、その額には僅か
に汗が滲んでいる。だが快楽が遥かに痛みを上回っているらしく、熱い吐息が首筋を撫で
コイの体の反応を伝えてくる。
183 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:40:54 ID:kcZ2CCmT
 大丈夫じゃない。何が大丈夫じゃないかって、縛られて動けない奴を相手に、しかも逆
レイプをして初体験をしようなどという危険思考が大丈夫じゃない。これが正気の行動だ
とは思えないが、よく思い出してみれば今までも全て似たようなものだった。あの毒飲料
が原因かと一瞬思ったが、どうやら違うようだ。もしこれが毒飲料が原因だったならば、
どれだけ気が楽になっただろうか。
「この変態娘」
「だったら、こうして、元気に、なってる、アンタは、何なのよ?」
 一言ごとに腰を揺すり、その度に強い快楽が加えられる。とても初体験だと思えない程
の激しい動きに、僕は言葉が出てこない。喋ろうとする度に刺激が与えられて、結局何も
言えなくなる。悔しいが、それだけコイの膣は恐ろしい程の動きで僕を襲ってくる。
「それに、さっきから、あたしの、胸ばっかり、見てるし」
 あまりにも楽しそうに揺れるものだから、つい見入ってしまった。多分両手が自由なら
今頃は揉みに揉んでいただろう、何とももどかしい話だ。それなのに僕の目の前では巨乳
が揺れ放題、思わず顔を埋めてしまう。ふかふかの感触が快い。
「そんなに胸が好きなの?」
「大好きだ!!」
 いかん、つい本音が漏れてしまった。
 コイは嬉しそうに目を細めると、両腕で胸を寄せた。只でさえ大きなものなのに、これ
によって更に谷間が強調される。揺れることはなくなったが、外見的な凶悪さが増した。
目に毒なんてもんじゃない、それはもはや煩悩直撃型凶器だ。
「どう?」
184 名前: 『ツルとカメ』×15 [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:42:07 ID:kcZ2CCmT
 僕は何も言わずにむしゃぶりついた。コイは今までより高い声を漏らすと、腰の動きを
激しいものにする。必死に我慢していたが、これではすぐにでも出してしまいそうになる。
「あ、ビクビクしてる。もう出そうなの?」
 もう、とか言うな。これでも標準時間だ、多分。
「出して」
 直後。
 コイの膣内に放出し、脱力する。
 僕にもたれながら、コイは不安そうな目を向けてきた。
「ありがと。ね、クッキー食べてくれる?」
 朦朧とした意識の中、僕は頷いた。
 コイがポケットから取り出したのは、不思議な小型の円盤だった。これはクッキーなの
だろうか。普通の生地とココア生地を使ったものだと思うのだが、何故だかピンクと灰色
のマーブル模様になっている。どのような調理をしたらこうなるのだろうか。
「……いただきます」
 僕は覚悟を決めて謎クッキーをかじる。
「……どう?」
 ヤバい、目が、霞む。
「カメ……カメ? カメーェッ!?」
185 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 23:43:38 ID:kcZ2CCmT
今回はこれで終わりです

>>166
別人じゃね?
最近は半竜娘がマイブームだし

>>167
一回くらいは真人間に戻る話を書く予定
ネタは既に出来てるっぽい

>>168
カメは常に論理的に動いています
その論理が普通と違うだけです

>>169
今までGJしてくれてありがとうございます
面白いと言われると、書いた甲斐があるってもんです

>>170
下のレスにある通り、上手く書けそうにないので質問コーナーはやりません
それにパクリはあんまり好きくないです

>>174
ハリー! ハリー!!



今回は何か出来がイマイチでした
いつものはどうなんだと訊かれたら、何も言えません
巨乳って良いよね
186 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/07(木) 00:29:33 ID:FWr5DGi6
たまには誰GJでもしてみましょうか。

珍しくまともなカメが見れてちょっと嬉しいwww
いや、いつもに比べて相対的に、だがな。

しかしコイにドジっ娘属性とは意表突きますな
(これをドジっ娘と言っていいのかは甚だ疑問だが…)
187 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/07(木) 03:28:59 ID:C4OWgzqJ
>>185
爆裂にGJ!
間もなく訪れるであろうどろどろ展開に期待sage


>>186
むしろ毒っ娘だとオモ
188 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/07(木) 12:24:18 ID:kY+P8tnX
>>185ロボ氏
いつもGJ!今回もGJ!これからもGJ!
巨乳は人類の宝だと思います

しかし、粉ジュースが一瞬で毒薬に変わり、クッキーも毒をもつ…
それなんてポイズンクッキング?


>>186
ドジッ娘で巨乳とか、度がつくほどストライクゾーンな俺ガイル
189 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/08(金) 01:35:15 ID:TY6yVxyc
>>185
ロボ氏GJ!
>「そんなに胸が好きなの?」
>「大好きだ!!」

即答するとは、素敵な変態さんになりましたね。
俺も即答するけどね。
190 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/13(水) 20:48:50 ID:T+ZULl5+
ホシュ
191 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:42:29 ID:mxVDxKPl
 一人での登校なんて寂しいものだ。いつも隣に居てくれたツルが居ないというだけで、
何とも味気無いものになってしまう。今までは薔薇色に染まって見えていた通学路が灰色
に染まって見え、気分が悪くなってくる。いや、ここは心を前向きな方向に持っていく方
が良いだろう。灰色だから何だというのだ、大したことはない。ツルが最近よく着用して
いるパーカーだって灰色だ、そう思えばこの世界の色も悪くない。まるでツルに包まれて
いるようじゃないか、その光景を想像してテンションが上がってきた。もう辛くはない、
寝坊して日直のツルに置いていかれたことも気にならなくなった。
「それに、寝坊した理由は分かるだろう、君」
『分からんのう』
 誰も居ない空間に語りかけたつもりだったが、何故か答えが返ってきた。だがそれも今
の僕にとっては些細な問題だ、きっと世界が僕に答えの提示を求めているのだと解釈する。
僕は声が聞こえてきた方向に向かってポーズをキめた。
「昨日はツルと四回戦までいった上、愛用のツルボイス目覚ましの声を何度も聞いてたら
こんな時間になってしまったんだ。全く、時間というものは残酷だね?」
 数秒。
 今度は何の反応も返ってこなかった。当然だ、世界や時間も反省して言葉が出てこない
のだろう。僕も同じ立場だったならば、反省と感動でぐうの音も出てこなくなる。しかし
世界レベルで感動を与えることが出来るなんて、ツルの可愛さはどこまで凄いのだろうか。
『のう、兄さん』
「何だ?」
『お主、馬鹿じゃろう』
 何て失礼なのだろう。いや、これは寧ろ世界中の幸福を一点に集めてしまっている僕に
嫉妬しているのか。それならば構わない、どんどん嫉み妬んでくれれば良い。それで済む
のならば安いものだ、甘んじて罰を受けようじゃないか。そして傷付いた僕をツルが癒す、
正に幸福の無限ループだ。こんな発見をしてしまえる自分が時々怖い。
『ところでの』
「何だ?」
 折角盛り上がってきたところだったのに水を差すなんて、無粋にも程がある。
『助けてくれんかの、今にも死にそうじゃ』
「おい、大丈夫か!?」
192 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:44:54 ID:mxVDxKPl
 声のした方へと駆けてゆく。僕がつい先程まで会話していた相手は世界の大いなる意志
などではなく、今にも死にそうな誰かだったらしい。何てことだ、あまりにも呑気な声を
出していたものだからすっかり気が付かなかった。このまま放置して人死にを出してしま
ったら、ツルに顔を合わせることが出来ない。
 だが逆に考えたら、
「僕達は更に激ラヴに!!」
『後で何でもするから頼む、マジでヤバいんじゃ!!』
 声に急かされる。成程、救出時間が短ければ短い程に得点が高いのか。しかも基本的に
得点が高ければ高い程に景品が豪華になるのが、人間社会のルールだ。つまり、今すぐに
でも見付けることが出来たならば、それはもういやらしいツルを拝めるということになる。
人の命を救うというのだから、平凡代表人間である僕などでは到底想像もつかないような
半端じゃないエロさのツルが待っている筈だ。
「たまらん!!」
『早くせい!!』
 いかん、難しいことを考えていたせいで少し時間を食ってしまった。だが、それにより
やる気が急激に増したのも事実。相手が誰かは分からないが、加速する。
「うわ、危ね」
 それが悪かったのか、普段なら絶対に嵌らないであろう排水溝に足を取られそうになる。
間一髪でそれを避け、バランスを取りながら周囲を見回した。声はこの辺りから聞こえて
きた、近くに居るのは間違いない筈だ。だが人影一つ見当たらない、どういうことだろう。
『お主、儂を殺す気か? 踏まれるとこじゃったぞ!!』
 声のした方向に顔を向けた。
「どこだ?」
『下じゃ、下じゃ。ここに居る』
 下、と言われても足元には排水溝があるだけだ。幅が20cm程、深さも同じくらいのそこ
は例え赤ん坊だろうと体は収まらないだろう。そもそも、そんな気配自体がない。
『ここじゃと言うとろうに、お主の目は節穴か?』
193 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:47:29 ID:mxVDxKPl
 しゃがみ込んで排水溝の中を注意深く見ると、僅かに動くものがあった。小さな亀が足
をばたつかせて、起き上がろうと必死にもがいている。まさか、僕に語りかけてきたのは
こいつだろうか。いや、そんな筈はない。あまりにも非現実的な自分の考えに思わず苦笑
を漏らしそうになった。亀にテレパシーなど使える筈もないし、そもそも下等生物が人間
と同じ思考を出来る筈がない。動きが可愛らしいのでもう少し見ていたかったが、今は人
を助ける方が先だ。僕は立ち上がると、再び周囲を見回した。
『こりゃ、早く助けんか。何故見捨てようとする』
 やはり、さっきの亀なのだろうか。
「つかぬ事をお聞きしますが」
 何故か敬語を使ってしまった。
「貴方は亀ですか?」
『儂が亀以外のものに見えたのならば大したもんじゃ、一度脳を調べて貰った方が良い』
 随分な言い草だが、僕は正常な人間だ。だとしたら今まで話をしていた相手は今も醜く
もがいている哀れな亀だということになる。しゃがみ込み亀を拾って道路に出してやると、
お礼でもするように頭を軽く上下に動かした。
『ふぅ、助かったわい。少年、礼を言う』
「どう致しまして」
 亀にお礼を言われた人間なんて、僕か浦島太郎ぐらいのものだろう。
『さて、礼は何が良いかのう?』
 最初に言われたことだが、亀が語りかけてくるという珍事のお陰ですっかり忘れていた。
しかし何かお礼をすると言われても、亀に何が出来るのだろうか。それに元々お礼なんて
期待してのことではなかったし、僕は首を振った。
『お主、なかなか良い奴じゃのう。だがこのままでは儂の気が収まらん、これから用事が
無いんじゃったら暫く共に着けてくれんかの? そのとき、礼をする』
「いや、これから学校があるし」
『おぉ、寺子屋か。ならば尚更じゃ。読み書き算盤、何でも出来るぞ?』
194 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:49:29 ID:mxVDxKPl
 亀のくせに随分と芸達者な奴だ。
 数秒考えて、吐息する。
 そしてティッシュで亀の体を拭ってやると、そいつを胸ポケットに入れた。
『すまんの。儂ももう少し早く歩けたら良いんじゃが、亀は足が遅いものと昔から決って
おるでの。ところでお主、名前は何と言う? いつまでもお主じゃ他人狭義じゃろ』
「皆にはカメって呼ばれてる」
『奇遇じゃのう、儂もよくそう呼ばれる』
 それは当然だと思う。
『だがそれじゃ味気無いでの、好きに呼んどくれ』
 僕は少し考え、
「ミチルなんてどうだろう」
 するとミチルは嬉しそうに首を上下させた。
 こいつは意外と話が上手く、話をしながら歩いているとあっという間に学校に着いた。
「おはよ、カメ……アンタまたしょうもないことをして。マスコットのつもり? その亀
が可哀想でしょうが、さっさと元居た場所に戻してきなさいよ」
 会うなりコイはいつもの如く失礼な言葉を吐いてくるが、僕は安心していた。前回僕が
クッキーを食べて倒れたことを気にしていたみたいだったが、今やすっかり元の状態に
戻っている。これで僕も何の心配もなくツルとイチャ付けるというものだ。
「あ、亀さんデス、可愛い。言っておきますケド、カメさんのことではないデスよ?」
 笑顔で失礼なことを言う娘だ。自覚はないのだろうが、素直にそう言われるとなかなか
キツいものがある。別に可愛いと思われたい訳ではないが、さりげない棘が痛い。
195 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:50:16 ID:mxVDxKPl
 遊ぶように手指の先をミチルの顔に近付けていたセンスだったが、拒否するように顔を
背けられると複雑そうな顔をした。話上手だったので愛想が良いと思っていたが、こいつ
にも好き嫌いというものはあるらしい。
「ところで、どこで拾ってきたんデスか?」
「通学路で助けを求められた、まさか喋る亀が居るなんて思わなかったさ」
 センスは笑みを浮かべて目を反らし、その視線の先に居たコイは顔の前で手を立て軽く
横に振った。言葉は無かったが、何が言いたいのかはなんとなく分かる。フォローを求め
ようと一真を見ると、水樹と何かアイコンタクトをしながらこめかみの辺りで人差し指を
回していた。水樹までもが、その失礼なジェスチャーに苦笑いで頷いている。どうやら、
何か誤解があったらしい。それはそうだ、僕だって実際に声をかけられるまではにわかに
信じられなかった話だ、気が触れたと思われても無理はないだろう。
 だから僕はミチルの頭を軽く撫でて、
「ほら、ミチル。皆に挨拶しよう」
 言ったが、反応が来ない。
「どうした? まさか具合いでも悪いのか?」
「悪いのはアンタの脳じゃないの?」
 コイが失礼なことを言ってくるが、今は無視だ。
「私はカメの言うことを信じるわよ、カメはその亀と会話が出来たんでしょ?」
 さすがはツルだ、僕のことをよく分かってくれている。普段の魔眼と見間違えんばかり
の凶悪な目付きも、今や母性の塊のように優しく弧を描いている。背後からは後光が見え、
心なしか乳も膨らんで見えてくる。いや、恐らく乳の方は勘違いだろうが。
 軽やかな手付きでツルは僕の肩に手を置き、目線を合わせてきた。
「でもねカメ、驚かないで聞いてね。亀は絶対に喋らないのよ?」
「信じてねぇ!?」
196 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:52:11 ID:mxVDxKPl
「保険証ってどこにしまったっけ? て言うか、いつもの病院に精神科ってあったっけ?」
 現在進行形でツルが一番酷い、あまりのショックで頭がおかしくなりそうだ。いや、頭
がどうとかそんなレベルじゃない、今にも死にそうだ。だがこのまま死んでいくのは絶対
に嫌だ、まだまだやり残したことが沢山ある。
 それが叶わないというならば、
「せめてツルの乳の中で!!」
「それを言うなら胸の中ででしょ!! あ、こら、それは家に帰ってから」
 家に帰れば尻を撫で放題だということか、それを聞いて生きる気力が再び沸いてきた。
今回はツル自ら許可も出してきたので、さぞや楽しいことになるだろう。何の咎めもなく
尻を撫で、食事をし、尻を愛で、テレビを見て、尻を揉み、二人で布団に入り、尻を撫で、
尻を慈しみ、尻をたっぷりと堪能する。成程、情けは人の為ならず、今朝の善行の見返り
はこれだったのか。やはり良いことはするものだ、命は大切だ。それにミチルには感謝を
しなければいけない、こんな素晴らしい機会が出来たのはミチルのお陰だ。
「後で高級な餌を買ってやろうな」
 僕の話を聞いているのかいないのか、首を甲羅の中に引っ込めた。
197 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:53:53 ID:mxVDxKPl
 楽しみなことがあると、時間が経つのがとても早く感じる。あっという間に一日を終え、
僕は気が付けばツルの部屋の中に居た。いやらしいことが目的なのではない、日直の仕事
で帰宅が少し遅れるツルの代わりに準備をしなければならないからだ。箪笥の一番下の段
を開くと、色とりどりの布が現れる。ツルの下着の数々だ。下着を吟味し、熟考に熟考を
重ねて、僕は数枚を手に取った。これは変態的理由からではなく、ツルの為だ。僕が存分
に尻をいじることは決定しているが、それで擦り切れたりほつれたりするとツルは困って
しまうだろう。僕としても、そんな傷んだ下着を穿かせて惨めな思いをさせたくはない。
『お主、何しとるんじゃ?』
「黙れ、今大事なところだ」
 校舎に入ってからは一言も喋らなかったミチルが再び話しかけてくるが、今はそんなの
は対したことではない。パンツの耐久力を確かめる為に僕は頭に被り、軽く撫でた。本当
ならば実際のものと同じ条件でやるのがベストだが、僕が穿いたら変態確定してしまう。
しかしたゆんだ状態では確認の仕様もなく、言うなれば妥協策というものだ。
『カメ、自分の姿を客観的に見てどう思っとる』
 言われた通りに客観視したが、何もおかしなところはない。
「どこがおかしい?」
『……もう良い、お主に訊いた儂が悪かった。ちょっと儂を降ろしてくれんか』
 言われた通りに床に降ろすと、その体が光に包まれた。目が眩む程の乳白色の光の塊は
一瞬で大きくなり、やがて光が霧散すると中からは人の姿が現れる。
「ふぅ、どうじゃ? なかなか良い体じゃろ?」
「お前、メスだったんだな」
「せめて人の姿のときは、女と言ってほしいのう」
 女も何も。
198 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:55:38 ID:mxVDxKPl
 体には何も身に纏っておらず、胸や股間が露になっている。腰まで届く長い黒髪は一点
の曇りもなく艶やかで、見ているだけで吸い込まれそうになってくる。切長の目は余裕と
自信を湛えて、僕を真っ直ぐに見つめてくる。
 美しい、その一言しか思い浮かばないが、
「幼女じゃなぁ」
 さすがにそれは言い過ぎだと思うが、ツルと同じレベルの体型だ。
「な、何じゃこれは!?」
 慌てて自分の体をまさぐっているが、それで体型が変わる訳がない。先程の余裕は完全
に消え失せていて、今や申し訳なさそうな表情をしてうなだれている。
「すまんの」
 ふと気が付いた。
「人の姿になれるなら、それで脱出すれば良かったんじゃないか?」
「馬鹿者、そんなことをしたら挽き肉になってしまうわい」
 まぁ、よく考えるとそうかもしれない。
「さて、こんな姿で申し訳ないが礼でもするかの」
「その前に服を着ろ」
「構わん、睦事に服は要らんじゃろ」
 待て、お礼とはつまり変形合体のことか!?
「要らん」
「遠慮するでない」
 そう言われ、睨まれた瞬間体が動かなくなった。金縛りというやつだろうか、どんなに
体を動かそうとしても指先一つ動かすことが出来ない。
 ミチルは僕の襟首を掴むと部屋を出て、強制的に部屋へと運んでゆく。そのまま体を
ぞんざいにベッドの上に投げると、ズボンのチャックを下ろしてきた。
「安心するが良い、伊達にお主の30倍は生きておらん。すぐに天国に連れていってやろう」
「このロリババァ!!」
「ふふ、今にそんなこと言えなくなるでの」
199 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:57:49 ID:mxVDxKPl
 唇の端を曲げると、ミチルは僕の股間に吸い付いてきた。言うだけあって、エニシ先生
と同じくらいの技術で刺激を与えてくる。その小さな体からは想像も出来ないくらい深く
くわえこみ、全体を包むような舌遣いで僕のものを舐める。そうしたかと思えば急に引き
抜き、音をたてて吸いたててくる。薄いがとても柔らかい唇でカリの部分を擦りたてて、
裏筋を舌でえぐるように舐め、唇の先で先端をついばんできたりもする。多種多様な動き
に堪えられず、いつもならまだ我慢出来る筈のところで射精してしまった。
「はは、濃いのう」
 わざとらしく喉を鳴らしながら精液を飲み込んでゆく、それに合わせて上下に動く喉が
とてもいやらしい。そしてこちらを見つめてくると、外見に似遣わしくないとろけた笑み
を浮かべた。口の端から垂れる白濁液を舌で舐めとり、再び音をたてて飲み込んでゆく。
そしてやけに赤く見える唇を三日月の形にして、僕の首筋に唇を這わせてきた。
「まだ、出せるじゃろう?」
 耳元で囁き、僕の竿にしなやかな手指を絡ませると、固さを取り戻してきた。元の状態
どころか、先程よりも更に勢いが増している。今までは体質なのか少しの休憩時間が必要
だったのに、それが嘘だとでも言うようにいきり立っていた。出した直後で敏感になって
いるそこを弄びながら耳を甘噛みし、丹念に体を擦り付けてくる。
「気力も戻ったことだし、本当の姿を見せてやるかの。腰を抜かすでないぞ」
 僕を見下ろすように膝立ちになると、ミチルの体が光に包まれた。一瞬後には、長身の
美女が現れる。顔には面影が残っているが、体は殆んど別人だ。平野のようだった双岳は
大きく張り出し、滑らかな曲線を描いて下へと続いてゆく。そこから到達した腰は細いが
痩せているという印象はない、女性特有の柔らかさを感じさせるラインで、その胸をより
強調するものとなっている。尻はふっくらとしていて、今までに見た誰よりも完璧な体で
あると思わされた。これ程に綺麗な体は、まさに人外のものだ。
200 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 00:58:52 ID:mxVDxKPl
「ふふ、どうじゃ?」
 Yシャツの釦を外しながら、股間を竿に擦り付けてくる。完成された女性の体は先程の
子供の体とは比べ物にならない程に柔らかく、そして気持ちが良い。ミチルは全ての釦を
外すと僕の体を舐め、たっぷりの唾液を塗りたくってきた。そして自身の乳房を僕の胸に
当て、ゆっくりと体を動かし始める。唾液が潤滑油となって、ぬめる肌が今まで味わった
ことのない快楽を与えてきた。コイのものやセンスの乳も大きく柔らかかったが、ミチル
のこれはもはや別格としか言いようがない。
 ミチル自身も気持ちが良いのか、荒くなった息が顔に当たり擽ったい。熱い吐息を送り
込むように唇が重ねられ、それを冷まそうかとでも言うように大量の唾液が流し込まれて
くる。続いて舌が差し込まれ、何か意思を持った別の生き物のように僕の舌に絡み付いて、
溶けるような快楽を与えてくる。口の隅々までねぶられ、僕はそれだけで二度目の射精を
してしまいそうになっていた。
「カメ、入れるぞ」
 待て、と言う暇はない。
 キスの間中ずっと割れ目をなぞっていた男根は既に愛液でべとべとに濡れており、股間
を当てがわれると力を込めるでもなく飲み込まれた。すんなり入ったというのにその膣内
は驚く程に窮屈で、それなのに狭い中で動くぬめりを帯びたひだがそれぞれ動いている。
只でさえ出しそうになっていた状態だ、ミチルが腰を使うまでもなく放出してしまいそう
になる。油断をしていたら、きっと今頃は二度目の射精をしてしまっていただろう。
「全部飲み込まれたな、動くぞ」
 最初は遅く、だが徐々に動きを激しくして腰を前後に動かしてきた。抜き差しする上下
の動きではない、ひたすらに中の壁を擦る動きだ。その為に常に全体が包み込まれていて、
休む暇などなく快感を与えてくる。痛みすら感じる程の感覚に意識が朦朧とし、その中で
先端にこりこりとした感触を感じた。子宮口なのだろうか、それを擦る度にミチルは口の
端から唾液を垂らし、大きな声を出す。
201 名前: 『ツルとカメ』×16 [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 01:00:38 ID:mxVDxKPl
「お主も、動いて、くれ」
 覆い被さるように四這いになったミチルと唇を重ね、胸を吸いたて、それぞれの手で胸
と股間の肉芽をつねりあげる。少し強めに刺激を与えると、より激しく腰を動かし始めた。
「もう、駄目、じゃ」
 今にも達しそうなのだろうか、膣壁が万力のような力で締め付けてきた。食い千切られ
そうな程の収縮の中、僕はこじるように先端を子宮口に当てて射精する。
「ふう、満足、したか?」
 名残惜しそうにミチルの秘所は僕のものを緩やかに扱き続けているが、敏感になった今
のままでは危険なので引き抜いた。ミチルは肩で息をしながら僕の上から降りると、床に
座り込む。冷たい感触が気持ち良いのか、そのまま横になり僕を見上げてきた。
「のう、カメ。お主さえ良かったら、また……」
 不意に、足音。
「ただいま。カメ、さっきからうるさいけどどうしたの?」
 眉根を寄せながらツルが部屋に入ってくる。
「……カメ? 私、架空浮気も駄目って言ったわよね? なのに何でついさっき射精した
ような匂いなのかしら? 分かりやすく教えて頂戴?」
「ま、待て。これはミチルが……居ねぇ!? どこ行きやがった!?」
 ツルに振り向けば、既に腕を高く上げて鞄を投げる姿勢に入っている。
「反省しなさい」
 有り得ない風切り音をたてながら投げられた鞄が、僕の股間にぶち当たった。
202 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 01:01:37 ID:mxVDxKPl
今回はこれで終わりです

>>186
え?
もしかして普通の方が受けが良い?

>>187
普段何スレに居るのか一瞬で分かった
しかし残念ながら『ツルとカメ』はドロドロしません

>>188
だよな?
特に金髪巨乳外人とか良いよな?

>>189
×2からそんな感じだったがな
それだけなら辛うじて普通人だったのに……



また新キャラかよ、と思った人にはすみません
あと一人出す予定です
203 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 01:02:49 ID:14BSi1oT
リアルタイム更新ktkr
204 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 11:12:16 ID:OZK3mNi5
キテ烈にGJ!
カメが明らかに統合失調症なんだが(´Д`)


そして残念だが>>186が考えてるようなスレ住人ではないと思われ。
205 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 16:41:17 ID:jML1a2w2
ロボ氏GJ!!
今年のクリスマスは中止らしいけどツルとカメは
どんな感じで過ごすんだろうね
何はともあれあと1人の新キャラ、期待してます!

206 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/14(木) 18:58:01 ID:/c93AiE2
素晴らしくGJ!
カメが亀を拾うなんてベタな展開を見事に変えてくれたロボ氏にもう一度GJ!


ところで、今回の話みたいなエロ漫画があった筈なんだが…思い出せん
207 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/15(金) 02:38:23 ID:JvfkiHoR
>>206
なにその夢のある漫画

そして変態GJ
208 名前: 名無しさん@ピンキー [age] 投稿日: 2006/12/18(月) 15:48:02 ID:pGtx7Iv7
前スレがすぐ下にあることを危ぶみあげてみる
209 名前: 206 [asage] 投稿日: 2006/12/18(月) 16:49:27 ID:cIyXDdLe
>>207
家の中探したらあった
亀じゃなくて河童と竜だったけど…
いーむす・アキと言う人の奴だった
後はぐぐるなりしてほしい
だが、好みじゃなかろうと責任は持たんからそこんとこヨロシク
210 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/12/20(水) 22:52:49 ID:jrO7rPOw
すいません
明日投下します
211 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/20(水) 22:57:44 ID:JZPQY5yc
ワクテカ
212 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/20(水) 23:01:18 ID:CKksHFGA
wktk
213 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:24:37 ID:LlsMKi5B
投下しますよ
214 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:25:49 ID:LlsMKi5B
 日照りは収まってきたもののまだまだ残暑が厳しい今日この頃、皆様はいかがお過ごし
でしょうか。僕達は文化祭の準備の真っ最中、と言いたいところだけれど、他のクラスが
次々と出し物を決めてゆく中で僕のクラスだけが唯一決まっていない状態だ。皆我が強く
個性的なものにしたいらしく、そのせいで教室の中は混沌とした状況になっている。
「カメ、空中に視線を向けていないでちゃんと話し合いに参加しろ」
 教室中の視線が僕に集まるが、それで良い案が浮かんでくる筈もない。目欲しいものは
殆んど他のクラスや部活に奪われているので、思い付くものは平凡なものばかりだ。それ
で皆が満足する筈もなく、結局グダグダになってしまう。
「何でも良いんだ、言ってみろ」
 何か良いアイディアは無いかと廊下を見れば、全裸のマッチョが集団で通り過ぎて行く。
あれは確か男子バスケ部の全裸演劇だっただろうか、産まれたままの姿で役になりきって、
より文化的に作品のイメージを伝えたいと今朝校門前で部長が言っていたのを思い出す。
演目はリア王だったか。まさかシェイクスピアも、全裸のマッチョ達に演じられるとは夢
にも思っていなかっただろう。しかしヴェニスの商人じゃなくて良かった、そんなものを
演じていたら違うタイトルが流れかねない。
「……妙なものは無しだからな?」
 同じく廊下を見ていたアズサ先生が、眉根を寄せて言ってきた。だが僕は変態ではない、
そんなことを注意されるなんて随分とナメられたものだ。しかし、答えを期待されている
のもまた事実、ここは本腰を入れて応えるのが人の筋というものだろう。
「……カメ、被害のないものにしなさいよ?」
215 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:27:54 ID:LlsMKi5B
 背後からツルの声が聞こえてくるが、心配無用だ。是非ともツルが涙を流して喜び、更
には興奮して全裸で抱きついてくるような素晴らしい答えを出してみせる。いや、ここは
慎み深いツルの性格を考慮して力をセーブし、半裸程度で収めた方が良いだろうか。
「寧ろその方がエロい!!」
「何いきなり馬鹿言ってんのよ!!」
「良いから、早くしろ」
 アズサ先生が急かしてくるので、僕は瞬間的に考える。
 ツルの好きなものと言えば、洋菓子と珈琲だ。それだけだとつまらない、普通の喫茶店
になってしまう。となれば、食べ物以外で他にはない要素が必要になってくる。例えば、
何があるだろうか。メイドは隣のクラスが射的をやっているのでパクリになってしまうし、
獣系のものは何故か虎姉妹が乱入して場を仕切っているD組の独壇場だ。脱衣系のものも
考えたがありふれているので却下として、他には何があるのだろうか。
 視線を見回してみればコイと目が合った。
 天啓がくる。
「巨乳喫茶だ!!」
「何よ、その差別的な発想は?」
「……仕方ない、それで行くか」
「アズサ先生まで何を言ってるんですか!?」
 我ながら良いアイディアだ。これならツルが他の男に視姦されることも無いだろうし、
幸いうちのクラスには乳がでかい女子が多い。男子を見回してみれば感心したように頷く
者が多いし、過半数の賛同は得られている。他は知らん。疲れているのかアズサ先生も特
に注意をしてくることも無いし、何の問題も無い。それに巨乳は文化だ、文字通り文化的な祭を象徴していると言っても
過言ではないだろう。
 さて、半裸になっているかと背後を振り向けばツルの拳が顔面に突き刺さった。
216 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:28:42 ID:LlsMKi5B
「あのね、最近は自身を持ってきてたの。カメは馬鹿でエロいけど、私を大切にしてくれ
ているし、貧乳でも構わないと思っていたのよ。でもね……」
 ツルは久々に見る邪悪な笑みをこちらを向けて、せせら笑うように顎をしゃくった。
「良いじゃない、楽しみなさいよ。渡米してホルスタインと暮らせば? 乳がでかくて、
更には毎日牛乳飲めるなんて最高じゃない、健康的だし。この乳マニア!!」
 何て言い草だろうか。こちらは真剣に考え、悩みに悩み抜いて思い付いたというのに、
その対応は酷すぎる。しかしその一方で、ツルの言葉が嬉しくもあった。最近は体型を気
にすることも無くなってきたという発言は、僕の愛が実をしっかりと結んでいるという事。
二人きりのときは泣き虫だったのも治ってきているし、これだけで御飯バケツ三杯は余裕
で食べることが出来る。いや、五杯はいけるだろうか。
「お前ら、イチャ付くなら外でしろ」
 これはつまり、アズサ先生直々に許可が出たということだろう。
「さぁツル、保健室に行こう」
「行かないわよ馬鹿!!」
 照れているのか、可愛い娘だ。
 照れ隠しの拳がみぞおちに打ち込まれると同時に、HR終了のチャイムが鳴った。
 休み時間、いつもの如く皆が集まってくる。残念ながら一真は他のクラスメイトと一緒
に衣装の材料の買い出しに出掛けていて、個人的に少し居心地が悪くなっている。エロい
奴が他に居ない状態というのは、この企画にとって命取りだ。
「言うに事欠いて、そのボインカフェって何なのよ」
 予想通り、開口一番でコイに睨まれた。
「間違えるな、ボインカフェじゃなくて巨乳喫茶だ。つまりは、店員は皆巨乳という……」
「嫌味?」
 ツルが半目でこちらを見つめてくる。
「それって、男の人もデスか?」
 それは普通に無理だろう。
217 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:30:47 ID:LlsMKi5B
「アタシは行けると思うけど、他の男子はちょっと」
 水樹が苦笑を浮かべてスカートの端を摘んだ。
 巨乳になった水樹を想像してみる。悪くない、と言うか個人的にはツルの次くらいには
可愛いと思っているので、例え男であろうともそこらの女子よりずっと良い。幼馴染みと
しての贔屓目もあるのだろうけれど、巨乳姿で言うならば下手をするとセンスやコイより
破壊力があるように思えた。因みにツルの巨乳姿は過去に一度だけ見たことがあるけれど、
個人的には今の姿の方が可愛く思える。やはり幼児体型であってこそのツルだ。
 その気持ちを込めて笑みを浮かべツルを見ると、気味悪そうに一歩引かれた。
「で、何の差別意識で巨乳喫茶なのよ?」
 案外しつこい、何か思うところでもあるのだろうか。だが何故かと言われても、コイを
見たときに最初に思い浮かんだのが巨乳という単語なのだから仕方がない。文句ならば、
そのはしたない大きさの自分の乳にでも言って貰いたいものだ。折檻をするというのなら、
微力ながら僕も手伝いたいと思う。
 それは兎も角、
「巨乳喫茶なら、ツルは裏方になるな。正直、表に出ると広告に嘘発見で生徒会に捕まる」
「悪かったわね、乳がなくて」
「話は最後まで聞きなさい。だからツルは、僕と一緒に愛の共同作業だ。愛の共同作業だ!!」
「何で二回も言うのよ」
 コイが疲れた目で言ってくるが、惨めなものだ。羨ましいのだろう、それだけ僕とツル
の間にある愛は強く固く深いものだということだ。それに対して、ツルは珍しく顔を赤く
染めてそっぽを向いている。だが嬉しそうなのは、何となく雰囲気で分かった。
「仕方ないわね。か、勘違いしないでよね!! カメと一緒に仕事をするのが嬉しいんじゃ
なくて、ただ知らない奴らに媚を売るのが嫌なだけなんだから!! 分かった!?」
218 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:31:50 ID:LlsMKi5B
 おぉ、×17にして初めて露骨にツンデレスレっぽい言葉を聞いた。
「め、メタな話は駄目デスよ」
 しかしツンデレガールは将来大丈夫なんだろうか。基本的に何かとどもってしまうし、
意思疎通が苦手なようだ。社会性もあまり高いと言えないだろうし、苦労するに違いない。
ツルは別だが、何となくそう思った。
「よそから怒られる発言は止めようよ」
 構わない。
「大体、何でそんな妙なこと言い出すのよ?」
「作者が年末年始に連続デスマーチ決定だから、精神的に疲れているらしい。その影響だ」
 これ以上は止めよう、いつもの『ツルとカメ』ではなくなってしまう。
 数秒。
 皆はいつもの雰囲気に戻ると、真面目に文化祭のことを話し始めた。自分で考えたこと
ながらふざけた企画名なのに、内容は思ったよりもまともになってきている。まあ店員が
全員乳がでかいという以外は至って普通の喫茶店になるので、それも当然かもしれない。
僕の意見が出るまではグダグダだったのにこんなに協力しているなんて、うちのクラスは
本当にひねくれ者が揃っていると思う。
 僕も内装や制服を考えていると、ミチルが興味深そうに頭を出してきた。
『お主ら、何をしとるんじゃ?』
「ん? ミチルは知らないのか?」
『去年までは興味無かったからのう、基本的に池の中に居たしの』
 知らないらしいミチルに、簡単に説明をする。
 毎年九月の半ば、織濱第二高校では文化祭『二織祭』がある。それ事態は普通の文化祭
だが、生徒数が異常に多いことと期間が五日間と長いことでそれなりに有名らしい。子供
の頃から地元に居たので特別なイメージは無いのだが、これを目当てに隣の市から来る人
も居るらしい。高校に入ってから知ったことだが市自体とも何かの提携をしているそうだ。
そんな訳で、文化祭の範囲には収まらないようなものになっているらしい。
 そこまで言ったところでミチルを見てみれば、つまらなそうに首を甲羅の中に引っ込め
眠っていた。自分から訊いてきたというのに、随分と失礼な亀だ。しかしどうも怒る気に
なれないのはミチルの性格故だろうか、僕は吐息をすると再びノートに向かい巨乳喫茶の
内装を考え始めた。きっと成功させようと、そう思う。
219 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:33:46 ID:LlsMKi5B
 あれから三日、何故かクラス代表に決まって忙しくしている内にそれだけ経った。今も
折角の休日だというのに学校に来てデスマーチ中だ、ツルと一緒に居れる分には構わない
けれどそれなりに辛いものがある。特に夜中トイレに出掛けたときに、その帰り道の暗い
廊下で男子バスケ部に会ったときなどは泣きそうになった。
 他にも様々なことがあり色々な意味で刺激的な生活だが、ポケットの中に居るミチルは
人気の無い場所でないと会話も出来ないので不満を漏らしていた。先程、やっとのことで
なだめすかして静かになってもらったものの、今度は呟くような声で、
『暇じゃのう』
 を連発している。亀というものは気が長いものだと思っていたけれど、違うらしい。
「すまん、後で相手をするから」
『良い、カメにも仕事が有るのじゃろ? なら仕方ないわい。だからと言っては難じゃが、
少し厠に連れて行ってくれんかの?』
「女子トイレに入ったら捕まるぞ?」
『男ので構わん』
「せ、性犯罪亀!! お前がそんなだとは思わなかった」
 物凄い説教を食らった。
「で、何するんだ? 個室だから他人には見られる心配が無いのは分かるけど、水遊びを
ここでするのは良くないと思うぞ。下手をすると流されるし、僕も個人的にトイレの水に
入ったのをポケットに入れたくない」
『大丈夫じゃ、少しばかり人の姿になるだけだからの。いざ、トータス! ロータス! 
ブルータス、お前もか!!』
 ポケットから出て便座に着地し、ミチルは珍妙な言葉を
叫び始めた。以前には無かったような気もするけれど、突っ込んではいけないのだろう。
只のノリだという可能性も捨てきれないが、それは変身の呪文か何かだったらしく、次の
瞬間にはミチルの体が白い光に包まれる。それはすぐに人間程の大きさになり、以前の姿
が脳裏によぎった。大きさ的に、今回はいきなり美女モードらしい。
220 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:35:35 ID:LlsMKi5B
 ん、人間の姿?
 思わず叫びそうになったが、必死で声を堪えた。思い出すのは前回ミチルが変身をした
ときのことだ。そのときは全裸で、今回もそうである可能性が高い。何しろ亀に限らない
が動物の基本的な格好は全裸。これで誰かが駆け付けようものなら、この学校のことだ。
妙な噂が一瞬で広まり、やましい部分が無い潔白の身であっても結果的にツルに半殺しに
されかねない。実際、センスと素股をしたときなどは死を覚悟した。
 果たして光が晴れ、ミチルの姿が現れる。
「こんなもんかの」
 制服姿だった。似合っていることは似合っているが、どう見ても高校生には見えない。
全身から溢れ出る色気のせいで、どちらかと言えば特殊な性癖を持った良い年をした大人
が無理を押してでも着ているといった、そんな雰囲気がある。しかも油断は出来ない、何
しろ相手は亀だ。制服を着ておいて、他には何も着ていないという可能性もある。
「すまん」
 事前に謝れば大丈夫だろう、僕は乳を揉み続いてしゃがみ込んだ。便座の上に仁王立ち
をしているのでスカートの中も良く見える。調査した結果、ノーブラだがパンツを穿いて
いたのが分かった。これなら表に出ても大丈夫だろう。
「そろそろ行っても良いかの?」
「あまり派手にやらかすなよ」
 不思議そうに小首を傾げながら問うてくるミチルに答えると、嬉しそうにトイレを出て
いった。数秒後に外から男子や女子の叫び声のようなものが聞こえてきたが、これは多分
ミチルとは関係ないものだろう。きっとそうだ、そう思いたい。
221 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:37:17 ID:LlsMKi5B
 僕もトイレから出ると、知っている顔があった。
「センス?」
 の筈だ。だが身に着けているのはいつもの女子制服ではなく、巨乳喫茶の制服だ。もう
完成しているとは思わない、恐らく仮縫いの状態なのだろう。気を使っているのかどこか
動き辛そうにしていて、歩く姿も少し不自然だ。あまり刺激すると衣装が崩れてしまうと
思うので、背後から観察する。残念なことに後姿なので巨乳喫茶の味である乳は見えない
が、ゆったりとした服の上からでも尚分かる尻も中々の眺めだ。一歩動く度に左右に動く
豊かな肉は、健康的な発育の良さを視覚で伝えてくれる。
 暫く眺めていると、糸屑が付いているのに気が付いた。まだ完成していない状態といえ、
これでは良くないだろう。折角の可愛い衣装も台無しというものだ。
「センス、ちょっと待て」
「何デスか?」
「ゴミが付いてる、ちょっとじっとしてろ」
 腰の辺りにある糸屑を取ろうと軽く引くと、何かが切れたような音がした。
「え、え? 何デスか今の音!?」
 答えは、制服が教えてくれた。
 驚いてこちらを振り向けば、その激しい勢いに押されてバラけた布地が軽い音をたてて
床へと落ちる。遥か昔からのお約束的に、下着姿になったセンスの体が現れた。何故かは
分からないがブラも着けておらず、個人的にチャームポイントだと思っている陥没乳首も
まる見えの状態だ。頭に着けているオプションの犬耳と合わさり、それは正に雌狗だ。
「ひ、ひあぁァッ!!」
 なんて馬鹿なことを考えている暇など無かった。脇腹に空手有段者の拳を受けつつ乳が
揺れているのをいつまでも見ていたいと思っていたが、流石に廊下でこんな有害な格好を
させたままにしておくのは不味い。いくらここが変態学校であろうと、守るべきルールは
存在する。許可も取っていないのに半裸は危険すぎる。僕は慌てて布を掻き集めて、顔を
赤く染めたセンスを連れてトイレに駆け込んだ。個室に入り鍵をかけ、漸く吐息する。
222 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:38:51 ID:LlsMKi5B
「すまん、今代わりの服を」
 持ってこれない。
 離れようとしたが、袖をセンスにがっしりと掴まれていた。どういうことだと顔を覗き
込むと、頬は赤いままだが笑みが浮かんでいる。吐く息は酒臭く、酔っているらしい。
 センスはそのまま僕の胸に頬を寄せてきて、匂いをかぐように鼻を軽く鳴らしている。
こうして見ていると本当に犬のようだ。更に恐ろしいところはやけに似合っていて、普段
の様子からは想像も付かないような光景なのに何の違和感も無いところだ。センスは笑み
をとろけたものに変えると股間に手指を伸ばし、ジッパーを下げてくる。二人きりでエロ
モードに入るのはコイだけだと思っていたが、とんだ誤算だった。
 僕のものを下着から取り出すと、センスは嬉しそうに笑い声を出した。
「カメさんの亀さんデスよ〜」
 こいつ、あまりの下らなさに作者も使いたがらなかったものを。
「畜生、誰だ酒を持ち込んだのは!?」
「コイさんデスよ」
 あのエロ巨乳め、今度会ったら揉みしだいてやる。
「とにかく、落ち着いて……」
「いただきマス」
 これ以上は流石に不味い。ここは学校で、しかも他の泊まり込みの生徒も少なくない。
見付かったら只では済まないだろうし、見付からなくても個人的に駄目だと思う。だが僕
の意思とは反比例するように、舌による刺激を受けた股間の竿は、どんどん元気になって
きている。音をたてて凄い勢いで吸われ、思わず声が漏れそうになったが、廊下から響く
物音に気が付いて口を塞ぐ。
 数秒。
 声が遠ざかり、安堵したのも一瞬のこと。今度は胸で挟んできたセンスを見下ろすと、
僕の先端に楽しそうに唾液を垂らしている。それを潤滑油にして扱き始めると、僕は再び
声を漏らしそうになった。竿を挟む豊かな双岳による刺激と先端を挟む唇と舌の感触に、
腰が抜けそうになる。もう半分そんな状態だというのに、僕が出さないのが不満らしく、
動きはますます勢いを増している。
223 名前: 『ツルとカメ』×17 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:40:03 ID:LlsMKi5B
「センス、そろそろ」
「あ、分かりマシた。気が付かなくて済みまセン」
 漸く分かってくれたか。
 直後、床に押し倒されていた。
「えへへ、カメさん大好きデスよ〜」
 そう良いながら股間の布地を僅かにずらし、センスが腰を下ろしてくる。ぬめる感触と
僅かな抵抗感の後にあっけなく呑み込まれ、きつい圧迫感が全体を包み込んだ。センスが
腰を動かし始めると容赦なくひだが僕のカリを責めたててきて、今まで我慢していた声が
ついに漏れてきてしまった。愛液はあまり多くなく滑りにくいけれども、それがかえって
ざらつく構造を助けるような状態になっている。強い摩擦があるが、体全体を揺すること
で抜き差しをしているせいで大した問題にはなっていない。寧ろそれによって横の動きが
加わり、通常のものよりも与えられる快楽が強くなっている。蜜の量の少なさ故か、低く
響く粘着質に肉を擦る音が、やけに大きく聞こえてくる。
「どう、デスか?」
 息が詰まり、答えられない。
 不満そうに低く唸り、センスは腰を下ろしてきた。えぐるように腰を左右に捻り、
「どう、デスか?」
 再度、尋ねてきた。
「気持ち、良い」
 今度は一転嬉しそうに鳴き、再び腰を激しく動かしてくる。
 限界が、来た。
 引き抜こうとしたが深く腰を落とされているせいで逃げることも出来ず、達している窒
の容赦なく絞ってくる動きに負けて、奥に放出してしまう。十秒以上をかけて全てを絞り
出され、僕はそこでやっとセンスの膣内から解放された。
「えへへ、カメさん気持ち良かったデ……」
 言い切る前にセンスは顔を青くし、便器に突っ伏した。
「気持ち悪いデス」
 あれだけ激しく動けば当然かもしれない、酔いが全身に回ったらしくセンスは胃の中の
ものを全て吐き出そうと嘔吐を始めた。僕としては不本意ながら慣れたもので、震える背
を撫でつつ股間から垂れてくる液を拭う。吐く女性に対して手慣れるのは、人としてどう
なのだろうかと少し悲しくなってくる。ここはそんなスレではないというのに。
「畜生、三人目だよ」
 何故か視界が滲んで見えた。
224 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:41:21 ID:LlsMKi5B
今回はこれで終わりデス

>>203
リアルタイムで見てくれた君にGJ

>>204
病気にはあまり詳しくないが、何か頭が駄目になるのは理解出来た

>>205
時事ネタを出したいけど、作中時間はまだ秋口
クリスマスは、まぁ、デレ多めだと思う

>>206
ベタな話は大好きです
変化球な話はもっと大好きです

>>207
ついにカメではなく変態になったのか
でも仕方ないと言えば仕方ない

>>208
大丈夫じゃね?
取り敢えず毎週書くから落ちはしないと思う

>>211.212
wktkレスは本当に励みになる
二人ともデラサンクス


次回は文化祭本番編
ポロリは多分無いよ
225 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 00:43:36 ID:4PBw14s9
リアルタイムGJ!!
いつみてもエロ面白くてイイ!!

これからも頑張ってくだしあ
そして今年はありがとう、来年もよろしくお願い致します


ちょっと早いけどね
226 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 03:01:28 ID:V9K+W2po
カメ以外が変態になってきた件
227 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 03:02:52 ID:V9K+W2po
失礼、忘れ物した
つGJ!!!
228 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 04:16:46 ID:I7Jn9nT+
熾烈にGJ!


次週ポロリはないけど股間のピッコロさんが大活躍なんですね!?
229 名前: 206 [sage] 投稿日: 2006/12/22(金) 17:02:00 ID:DH1YOwIc
ベタも変化球も大好きです!GJ!!
学校に酒持ってくるほど悪い子だったのか>コイ
そして揉みしだかれるんですよね!?


さて、来週のロボ氏は?
1、トイレから出て行ったミチルのその後
2、コイの胸を揉めよカメ!
以上の2本でお送りされるかもしれません
230 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/26(火) 00:49:18 ID:3dmIzRLc
カメの思っている事(特にヤバい物)が口からダダ漏れな件。
変態だらけDEATHネ。
231 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 02:08:55 ID:fPEVtcNw
このSSって何時からまともな人が居なくなったんだろう


そんなSSを書くロボさんGJ!!
嫁になって下さい!!
232 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:41:52 ID:fPEVtcNw
投下しますよ
233 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:42:54 ID:fPEVtcNw
「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!! 見てて楽しい、お触り厳禁!! 巨乳喫茶は如何
でしょうか? そこのカップル!! いちゃ付いてんじゃねぇ!!」
 表の呼び込みの奴が元気に叫んでいるのを聞いて、ツルが溜息を吐いた。
「あの文句、何とかならないのかしら?」
 例え相手がツルであろうと、ケチを付けるのは許さない。僕が徹夜で考え結論したもの、
それにはこの巨乳喫茶の集大成が詰まっていると言っても過言ではない。それにキャッチ
コピーは分かりやすい方が良いだろうし、現に今もそれなりに賑わっている。パッドなど
養殖的なものに頼らずに、天然ものの乳で挑んだのも良かったのだろう。世の中の人間は
いつだって、本当に良いものを望んでいるということだ。
 因みに現在の人気トップ3はコイ、センス、ミチルとなっている。本来ならばミチルは
生徒では無いので店員参加は出来ない筈なのだが例の魔法的なパワーで皆を洗脳、不自然
にクラスメイトに成り済ますことで参入することになった。そうでもしなければ、あの日
の惨劇が再び蘇ったことだろう。
 思い出すのも忌まわしい。
 網膜に焼き付いているのは、累積した生徒の上で誇らし気に笑みを向けてきたミチルの
猛々しい姿だ。どうやらトイレから出た直後に声をかけられて、生徒ではないというのが
バレたと思い、つい勢いで殴り倒してしまったらしい。それを他の生徒に見られ、証拠を
隠滅する為にその生徒も殴り倒す。後はそれの繰り返しで、気付けば計数十人にもなって
しまっていたという。中には女子生徒も居たのだから、恐ろしい話だ。
「……問題起こしてないだろうな?」
 心配になり覗き窓から店内を見てみれば、無理に乳を揉もうとした客にセンスとミチル
の拳が叩き込まれていた。この程度なら大丈夫だ、安堵してツルとの愛の共同作業に戻る。
今日のツルは制服にエプロン姿。家庭で何度も見ているし、調理実習でも何度も見たもの
だが、文化祭の中で着ているとなるとまた違って見える。捲った袖口から見える細い腕や
真剣な横顔が何とも可愛いらしくて何と言うか堪らなくなり我慢が出来そうになくなって
ええぃまだるっこしいこれならどうだ!!
234 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:44:35 ID:fPEVtcNw
「うわ、何すんのよ!?」
 思わず背中から抱きつくと、綺麗に一本背負いをされた。しかし今日だけでも数度目に
なるので慣れたものだ、僕は綺麗に受け身を取ると颯爽と立ち上がるツルが。悔しそうに
舌打ちをしてくるが、これはきっと照れているのだろう。
「カメ、何度も何度も何やってんのよ?」
「カメじゃない、今の僕は店長だ」
 声に振り向けば、コイが呆れたような目をして立っていた。乳が強調されるデザインの
制服は、見ているだけで揉みしだきたくなってくる。いや、揉みしだくべきだ。今になり
思い出したが、あの日に決意した乳揉み式お仕置きをまだしていなかった。今回の機会を
逃せばまた忘れてしまいそうなので、その愚行を防ぐべく僕はコイの乳を鷲掴んだ。
「ちょっと、何すんのよ馬鹿!!」
「うるせぇ、テメェ酒を持ち込みやがって!! お陰で酷い目に遇ったんだ馬鹿野郎!!」
 上下左右に揉みしだき、赤く染まっていたコイの表情がとろけてきたところで中断する。
これ以上刺激をして万が一エロモードに突入されてしまっては、僕の貞操が危ない。本当
ならば後小一時間は揉みたかったところだが、妙なことになる前に引くのも立派な勇気だ。
無謀と勇気は違うもの、昔の人は良いことを言ったものだ。
「カメ、次に揉んだら切り落として煮込んで食わせるわよ?」
 何を、とは言わない。
 僕は瞬間土下座をして、ついでに下着の色を確認する。今日は白だ。
「……私だって、少しは成長してるのに」
 呟くような声だが、僕にはしっかりと確認出来た。あまりのいじらしさに細い体を抱き
しめて、頭を撫でる。降りほどこうとする様子はあるが力がさほど入っておらず、本気で
嫌がっていないのは簡単に分かった。
235 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:47:08 ID:fPEVtcNw
「馬鹿、こんなのは二人のときにだけしなさいよ!!」
「すまん、ついツルが魅力的で。それと……」
 不思議そうにこちらを見上げてくる様子も可愛いが、僕は心を鬼にする。
「成長してるなんて、嘘は良くない」
「うっさい馬鹿!!」
 手加減無しで蹴られた。
 取り敢えずオチは着いたので、だらしなく座り込んで肩で息をするコイを見下ろしつつ
作業を再会する。珈琲がそろそろ良い感じになってきた。珈琲好きのツルが調理している
だけあってかなり売れ行きが良い、先程から珈琲メーカーを回しっぱなしでキリが無い。
「そう言えば、何でこっちに来たんだ?」
 今更のような気もするが、聞いてみた。休憩時間まではあと三十分程、何かあったのか。
「アンタにお客さんよ」
 誰だろうか。僕やツルの両親はまだ海外の筈だし、仮に帰ってくるとしても連絡が無い。
親戚は皆他県だし、こちらも来るという連絡が無かった。中学の友達は皆ここの生徒だし、
他には心辺りがない。クレームならアズサ先生の方に行くだろうし、一体何の用件だろう。
 首を傾げながら店内に入ると、見知った女の子が居た。客は男連中が殆んどで、他には
僅かなカップルがTPOをわきまえずにイチャ付いている状態。なので女の子一人という
状況というのは、少し浮いて見える。おまけに店員の乳を熱心に見つめているのだ、知り
合いじゃなかったら妙な趣味でもあるのだと思っていたに違いない。正確に言えば、現在
そうなってしまっているのではないかと少し不安に思っている。何せ彼女が着ているのは
織濱女子高校の制服だ。僕は男なので実体を目の当たりにしたことは無いが、女子高の寮
というものは、殆んどが文字通りの花園状態になっていると聞く。全く、羨ましい話だ。
 彼女、チーちゃんは僕に気が付くと、立ち上がり軽く会釈をした。
236 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:48:44 ID:fPEVtcNw
「久し振りだね、一年半振りくらいだっけ?」
「もう、そんなになりますか。楽しい時間というのは短いものですね、今は現在進行形で
一秒が一時間程の超スローペースになっていますが。取り敢えず土下座して下さい」
 暫く見ない間に髪が随分と伸び、外見も乳以外は大人らしくなったけれど、中身は全く
変わっていないらしい。相変わらずの毒舌で、会った途端にくじけそうになってくる。
「カメ。誰よ、この失礼な娘は?」
 そう言えばツルが僕の家に来たのは高校入学と同時だったから、チーちゃんとは殆んど
入れ違いの状態になる訳か。それまでは他県に居たし、今はチーちゃんが他県に居るので
面識が無いのも無理はないだろう。だが二人は初対面な筈にも拘らず、何故か真正面から
睨み合っていた。人の目が無ければ、今にも殴り合いを初めてしまいそうな勢いだ。
「どうした、二人とも」
「カメさん、この失礼な娘は誰ですか?」
「あ、そう言えば紹介がまだだったか。こっちはツル、幼馴染み兼僕の嫁だ」
 へぇ、と軽い声を出しながらチーちゃんはツルを見下ろした。
「こっちはチーちゃん、僕の幼馴染みで一真の妹。織濱女子高に通ってる。僕は嫌われて
いるみたいだけど、根は良い娘だから仲良くしてやってくれ」
「嫌ってはないですよ、恨んでるだけで」
「カメ、あんた何したのよ?」
 ツルが眉根を寄せて言ってくる。
 と言うか、まだあのことを恨んでいるのか。いや、仕方が無いのかもしれない。無垢な
チーちゃんをある意味傷物にしてしまったのだから、何と言われても反論は出来ない。
237 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:50:13 ID:fPEVtcNw
 あれは僕らがまだ8歳だった頃の話だ。当時は僕や一真だけでなく、今は良識派の水樹
までもが悪餓鬼だった。現在は女装趣味ながらも皆のフォロー役として活躍しているので
自分でも信じられないことだが、その頃は三人揃って悪さをしていたものだ。その頃学校
で流行っていたのはスカート捲り、被害者は多数に及んだ。だが彼女が被害者になったことでそれは幕を下ろした。
 当時僕らがやっていたのは極悪スカート捲り。水樹がスカートを捲り、一真がパンツを降ろし、僕が生の尻穴に浣腸を
するというもの。その頃はさして他人が感じるダメージを気にしていなかった為に、遠慮
という概念を持ち合わせていなかった。だがそれは、あくまでも加害者側のもの。被害者
チーちゃんは心と尻に強烈な傷を負い、三日三晩部屋に引き込もってしまった。それを気
に病んだ僕らは謝りに行ったのだが、頭を下げた直後に金属バッドで殴打されてしまった
のだ。それが学校中に伝わり、間もなくスカート捲りの文化は消えていった。
 だが微妙なわだかまりが消えることはなく、現在もこうして恨まれているという訳だ。
「本当に、ごめん」
「気にしないで下さい、解決したことを恨むのは私の我儘ですから」
 そう言ってチーちゃんは軽く睨んできた。本当に恐ろしい。
「ねちっこい」
 ツルが小さな声で言った。
「どういう意味ですか? さっきから突っ込みたかったんですけど、この子供は何ですか。
会ったなりにいきなりガン飛ばしてきて、正直第一印象最悪ですよ。まさかこの人が本当
にツルさんじゃ無いですよね? 兄に聞いた話だとカメさんがべったりだってんですから、
それはもう綺麗な人の筈です。こんな目付きが悪くて幼児体型の人な訳無いです」
238 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:50:53 ID:fPEVtcNw
 いきなりのマシンガントーク、突発的に大量に喋るのはチーちゃんの面白い癖だ。だが
今回は面白くない、好きな人を馬鹿にされて黙っているのは性に合わない。確かにツルの
見た目は少しアレだけど大切なのは中身だし、何より泣き虫なこの娘は絶対に傷付いて、
今も心の中で泣いている。外見にコンプレックスを持っているのは、僕が一番知っている。
だから例えそれが負い目のある相手だろうと、許す訳にはいかないのだ。
 チーちゃんを睨みつけると、言葉を詰まらせて視線を反らされた。
「あのね、僕が何と言われようとそれは構わない。けどさ、ツルを悪く言うのは止めろ」
 数秒。
「……ごめんなさい」
 悪いことをしたらきちんと謝るのは、チーちゃんの良いところだ。僕は頭を撫で、笑み
を浮かべて視線を合わせた。不服そうに尚も目を反らそうとしてくるが、頭をがっちりと
掴んで首を回し、強制的に視線を合わせる。目を閉じているのは、最後の抵抗なのだろう。
幼い頃から素直でないと言うか、ひねくれたところのある娘だった。そんな部分は、少し
ツルに似ているような気がする。ツルのひねくれ具合いの方が格段に上だが。
 目を閉じたままでも良いか、と思い吐息する。
「今度また遊びに来い、美味い和菓子を用意して待ってるから」
 チーちゃんは僕を潤んだ瞳で見上げ、
「和菓子は嫌いです。それと、あまり髪に触らないで下さい。カメさん、手が脂性なんで
すから少しは気を遣って下さいよ。髪に手汗が付くじゃないですか、ギトギトですよ」
 こいつ、僕が密かにコンプレックスに思っていたのに。
 僕が愕然としている間に、チーちゃんは勝手に教室から出ていった。
239 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:52:20 ID:fPEVtcNw
「ほら、次行くわよ」
 スカトロお化け屋敷というキワモノを見た直後だというのに、ツルは怯むことなく次の
出店へと向かって進んでゆく。先程のことで泣くかもしれないと思っていたので、元気に
歩き回ってくれるのは嬉しいことだと思う。だが出店がキワモノしか存在しないのもまた
事実で、個人的にはもう少しペースダウンしてくれても良いのではないかと思う。それに
しても、右を見ても左を見ても妙なものばかりというのは、高校の文化祭としてどうなん
だろうか。僕の考えた企画も内容の良し悪しは別にして、高校の文化祭にふさわしいかと
問われればグレーゾーンだ。乳を売り物にするのは、少し違反かもしれない。まぁ良いか、
ツルが居れば全て解決だ。主に僕の脳内でだが。
「早く来なさいよ、この鈍ガメ!!」
 急かされて駆け寄ると、手を握られる。
「愛だな!?」
 無視をされた。
 そっぽを向いたまま何か考えてる様子だったが、空中に向かって何度か頷くとこちらを
見上げてくる。笑顔付きだが、それはやはり例の極悪笑顔。他人を心の底から馬鹿にした
ような、口の端を歪めたものだ。見慣れている光景だけに、余計質が悪い予感がしてくる。
「脂性ね」
 だから、それは言うなというのに。
「でも、とろとろしてはぐれても困るから、我慢してあげる」
 人前でこんな風に甘えてくるのは珍しい。普段ならばスキンシップを図るのは専ら僕の
方からで、不用意に触ろうもんなら殴る蹴る投げる極るの暴行がやってくるのに、こうも
素直だと恐ろしい程に可愛く見えてくる。普段の冷たい態度も堪らないが、これもまた別
の趣があり、別腹的なものがどんどん膨れてゆく。このままでは過剰摂取で小太り青年に
なってしまいそうだ、激しい運動をして一刻も早くカロリー消費をしなければならない。
どこか人目の当たらないところは無いだろうか、考え込んでいると掌を強く握られた。
240 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:54:20 ID:fPEVtcNw
「早く歩きなさい、とろとろしてんのはあんたの掌だけで充分よ」
 上手いことを言ったつもりなのだろうが、久し振りに本気でツルを殴りたいと思った。
普段ウェットティッシュを持ち歩き、こまめに掌を拭わなければならない人種の気持ちが
分かっているのだろうか。いや、きっと分かっていないだろう。分かっていたのならば、
こんな残酷な発言は出来ない筈だ。本人も体型に劣等感を持っていた筈だが、そんなこと
は記憶の遥か隅の方へ消えてしまったのだろうか。
「優しいあの娘に戻っておくれ」
「何言ってんの? それより、着いたわよ」
 着いたも何も、ツルに引かれてやってきたのは屋上だった。階下では賑やかに大量の人
が歩いているものの、展示物も何もないここには当然人影が無い。校舎が広いので屋上も
当然それと同じで広く、普段ならば生徒が居るお陰でそれなりに楽しい場所でも今は少し
寂しく見える。キャンプファイヤーの時間になればそこそこ埋まるのだろうが、今は僕達
で貸し切りのような状態になっていた。こんな場所に連れてきて、一体何をするのだろう。
「ぬぁ、ツル!?」
 普段只でさえ低い位置にあるツルの頭が、更に低くなっていた。具体的に言えば股間の
高さ、ジッパーから数センチも離れていない場所に顔がある。驚いて腰を引こうとしたが、
ベルトを掴んで固定されていたので動くことが出来ない。ツルはジッパーのタグを噛むと、
首を縦に動かして下げてきた。
「何をしとるデスか!?」
 噛んでいたタグを放し、頬を赤く染めながら横を向く。
「ご褒美、みたいな? 最近結構頑張ってたみたいだし」
 さっきかばわれたとき、嬉しかったし。
 呟くように言った後半部分が本音だろうか、本音であってほしい。
「可愛すぎる!!」
241 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:56:25 ID:fPEVtcNw
 更に、エロモードなのだから完璧だ。こんなことも有ろうかと持ってきておいたものを
ポケットから取り出し、目の前に広げた。現れるのは巨乳喫茶の制服、しかしツル仕様に
ということで乳の部分を小さくしたものだ。巨乳目的とは若干ずれているが、相手がツル
なので問題は無い。いやしかし本当に、持ってきておいて良かった。家で楽しもうかとも
思っていたが、やはり文化祭の衣装は文化祭中に着てもらうに限る。
「何でこんなものがあるのよ?」
「いや、デザインが良かったからツル専用に作ったんだ。頼む着てくれお願いします!!」
 土下座をすると、吐息と僕から離れてゆく足音が聞こえてきた。
 数分。
「素晴らしい、美が天上から舞い降りた!!」
 制服を身に纏ったツルは、予想以上に可愛かった。ポケットに入るように極限まで布を
薄くしたり無駄を省いたりした為、少しの風でも下着や体のラインが現れる。それがまた
堪らなく可愛いくて、思わず抱きついてしまった。ここは人目が無いので振りほどこうと
する様子もなく、大人しく僕に体重を預けてくる。いつもと同じ、背後から抱き締める、
ツルのお気に入りの姿勢だ。僕は壁に背中を預け、暫くツルの感触を堪能する。
「カメ、その」
 分かっている。
 本来はワンピースタイプのデザインだったのだが、僕はポケットに収納するために上下
分割にしてある。それが上手い具合いに働いた。僕は上着の裾から手を滑り込ませ、手指
を脇腹に這わせてゆく。細く、少し骨っぽい部分を上り、辿り着いたのはお馴染の先端だ。
自分から誘ってきたのだから、こうなることは分かっていたのだろう。いじるでもなく、
指先が触れたときには既に固くしこっていた。こねる力を最初は弱めに、次第に強くして
いくと、幼い外見には似つかわしくない程の切なそうな吐息が漏れてくる。エロモードに
なると感度が異常に高くなるツルは、胸の先端を指で転がしているだけなのに、既に自分
で立つことも出来ないような状態になっていた。
242 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:58:27 ID:fPEVtcNw
 ツルが首を捻り、唇を重ねてきた。熱い吐息に、体の中から焼かれそうになる。互いの
舌を絡ませ、熱によって乾いた喉を潤わせるように唾液の交換をする。僅かに口の中へと
広がってゆく甘い味と香りは、先程食べた生クリーム&カスタードチョコバナナの味か。
見ているだけでも相当辛い代物だったが、こうして味わうと美味く感じる。
 ツルの舌を味わいながら腰を支えていた腕を動かし、スカートの中へと侵入させてゆく。
形の良い恥骨をなぞるように手を滑らせ、股間へと動かしたところで、妙な違和感に気が
付いた。本来は有る筈のものが無く、掌には直接肌の感触がやってくる。
「ツル、パンツは?」
「替え、持ってきて、ないし、濡れると、駄目、だから」
 息も絶え絶えに答え、自分で言ったのが恥ずかしいのか顔をより紅潮させる。割れ目を
指で擦ると、身を小さく震わせて強く目を閉じた。感じすぎているのか目尻にはうっすら
と涙が滲んでいて、とろけた表情を艶やかに飾っていた。
 上も下も、色々な意味で濡れている。
 そう言うと、ツルは無理に笑みを作ってこっちを睨んできた。
「下のは、カメの、手汗よ」
 こんなときまで残酷な!!
「なら、確かめてみるか」
 ツルを離すとその体を壁に預けて、前に回り込んだ。スカートを持ち上げて手に握らせ、
密で濡れて光る割れ目に顔を近付ける。舌を這わせると腰が砕けて落ちそうになったので、
慌てて尻の下に手を滑り込ませた。柔らかい尻の感触が、掌に快い。
「で、僕のとは違う味がしたけど」
 自分の手汗を舐めたことは無いが。
「ほら、それに量もこんなに出る訳ないし」
243 名前: 『ツルとカメ』×18 [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 22:59:50 ID:fPEVtcNw
 割れ目を広げると、糸を引いて愛液が床に垂れた。コンクリートの上に染みが生まれ、
連続する音と共にその数は増えてゆく。栓をするように指を差し込み音をたてて動かすと、
ツルは声を漏らさないようにスカートの端を口にくわえて俯いた。ツルの本領発揮である、
半マグロの状態だ。抵抗出来ずに快楽に耐えている姿は、恐らく宇宙で一番可愛いだろう。
「入れるぞ」
 耳元で囁くように言うと、小さな頷きが返ってきた。
 それを合図に、差し入れる。
 場所が場所だけに興奮しているのか、愛液の量が普段よりも更に多い。膣内に侵入した
途端に溢れて床に小さな水溜まりを作ったが、それは尚も溢れてくる。普段よりも余計に
ぬめる感触を味わいながら僕はツルと唇を重ね、舌を絡ませる。腰の動く激しさを増すと、
ツルはそれに応えるように積極的に舌を動かしてくる。は、という吐息と共に口の端から
唾液が溢れ、喉や制服を僅かに濡らした。
「どこに、出す?」
「ね、中に、出して」
 奥まで突き込み、放出する。
 引き抜くと、割れ目から溢れてきた精液が黒い布地に広がった。それを見て、辛そうに
息を切らしながらツルがこちらを見上げてくる。
「これ、どうするの?」
 しまった、こんな状態ではポケットにしまえない。
 だが何もしないよりはマシだ。取り敢えず僕はスカートを脱がし始め、
「何すんのよ馬鹿!!」
 顔面に膝蹴りを食らった。
244 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 23:00:40 ID:fPEVtcNw
今回はこれで終わりです

>>225
リアルタイムサンクス
投下した直後に見てくれる人が居ると、とても嬉しい

>>226,227
織濱第二高校は変態学校です
皆、地が出てきたんでしょう

>>228
おかあさんといっしょ、って番組名なのに
ジャジャ丸に両親が居ないのを思い出した

>>229
単品は無理なので、いつもの如く小ネタとして
もう少し面白くしても良かったと反省

>>230
仕方ない、疲れてたんだよ
俺がな!!

>>231
中学生と間違われることもある上にちんこ付いてますけど
それでも良いなら嫁に貰って下さい



今年も残り僅かです
皆様、よいお年を
245 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2006/12/27(水) 23:02:49 ID:fPEVtcNw
おまけ
取り敢えず皆出たので、キャラの名前リストを作ってみました

カメ:阪田・孝道(さかた・たかみち)
ツル:川浜・美鶴(かわはま・みつる)
水樹:伊藤・水樹(いとう・みずき)
コイ:峰岸・恋(みねぎし・こい)
センス:センストファー・F・J・ハートスミス
一真:奥土・一真(おくど・かずま)
エニシ先生:里中・縁(さとなか・えにし)
アズサ先生:弓木・梓(ゆみき・あずさ)
ホウ先輩:重鞘・芳華(かさや・ほうか)
オウ先輩:オウキストリーニ・ズダヤ・ガヤスダ
ミチル:阪田・満(さかた・みちる)
チーちゃん:奥土・千歳(おくど・ちとせ)
隣のお姉さん:円谷・円(つぶらや・まどか)

【基本的に、本名設定は使われません】
246 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2006/12/27(水) 23:43:45 ID:FyVEmVy/
GJ!!


だがセンスとオウ先輩に無理がありすぎるwww
247 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/28(木) 04:28:35 ID:+JfS60aw
裂烈にGJ!


>高校の文化祭にふさわしいかと問われればグレーゾーンだ。

漆黒だよ!
っていうか学校全域で地底探険が必要なくらい業が深いよ!



そんな変態SS書きのショタっ漢ロボ氏の旦那には、俺こそ相応しいと算出されます。
どうぞ皆様、よいお年をお過ごし下さい。
248 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/28(木) 16:03:16 ID:F9h95zb6
爽快にGJ
コイの胸を揉みしだき、ミチルのその後もちゃんと書いてくれたロボ氏に感謝!
いや、これは感謝じゃ足りない!
と言うわけで俺がロボ氏の嫁にn(ry
249 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/29(金) 18:10:03 ID:cqLwm+0O
カメとミチルの名字が同じになっていることに萌えた件 GJw
250 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/30(土) 00:44:36 ID:omhfMYPr
今理解しました。
織濱第二高校は変態しかいない変態高校だったんDEATHネ。
感動しました。
251 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/12/30(土) 10:24:55 ID:vgwWmeED
今回のツルはいつにも増して萌えますな。
そしてチーちゃんとの今後の展開にwktk

つーかおまいらロボ氏は1人しかいないんだから
次々プロポーズしても困るやろ!










…逆に考えるんだ。
おまいらがロボ氏の嫁になりゃいいんだなw
252 名前: 248 [sage] 投稿日: 2006/12/30(土) 22:45:23 ID:wyNwgfpZ
>>251
何を言っている?
俺が既に嫁にとw
253 名前: 名無しさん@ピンキー [sageよいお年を] 投稿日: 2006/12/31(日) 18:59:20 ID:wAjJ1DTu
あんた達、21歳越えてるいい大人が嫁だ旦那だって、精神年齢はどれだけ子供よ?
オスかメスかもわからない電子の妖精に求婚したって意味ないじゃない!


ちょっ……あたしの方を見たって何も出ないんだからね!
「よいお年を」なんて絶対言ってやらないんだから馬鹿ァ!
254 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/01(月) 01:41:54 ID:oGFV+udr
新年明けましておめでとう
255 名前: 【だん吉】 [sage] 投稿日: 2007/01/01(月) 17:22:41 ID:ZEveMAFz
AKEOME KOTOYORO
256 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/02(火) 22:26:55 ID:1B2XkK05
ちと遅くなったが新年明けましておめでとう
今年も多数のツンデレが集まることを切に願う次第
257 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/03(水) 20:45:51 ID:Z9kkH6au
すみません
明日投下します
258 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/03(水) 21:02:52 ID:cyPyLnIC
あやまることないぜ
259 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 13:53:29 ID:bnxVjcut
投下しますよ
260 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 13:54:24 ID:bnxVjcut
 いつもの如く生徒会室に呼び出されて、僕はその重厚な扉の前に立っていた。深く息を
吸い、溜息として吐き出す。正直、油断をしていた。夏休みが終わってからは期末テスト
や文化祭の準備、その他にも色々と忙しかったので呼び出されていなかった。だから心に
隙が出来ていたのだ、今こうして暗い気分になる程に。今まではホウ先輩もオウ先輩も、
なんとなく見過ごしていてくれたに違いない。しかし、それにも限度があったのだろう。
きっと今回も扉を開いた瞬間に、ホウ先輩が毎回の如く理不尽な意見を突き付けてくるに
違いないのだ。それを思い、再度溜息が口の端から漏れてくるのを自覚した。
 軽くノック。
『入りなさい』
 扉越しでもよく分かる、高く澄んだ声が響いた。了承の合図が出たことを確認し、僕は
遠慮がちに扉を開く。文化祭の後処理や前半期の部費の決算などで忙しいらしく、二人は
こちらに視線を向けることなく書類に物凄い勢いでペンを走らせている。生徒数が多く、
また割と自由な校風なので自然と大量の書類が出るらしい。二人の傍らには驚異的な速度
でも減る気配が一向に見えない程の、山のような量の書類が積まれていた。
「遅いですわ、こちらには時間が無いというのに」
 なら呼び出さないで欲しい、と言おうと思ったが、言ったら睨まれそうなので止める。
見るからに苛々としているホウ先輩をわざわざ刺激する程、僕は馬鹿ではない。変に話が
こじれて前回のような展開にになったら、今度こそ人として完全にアウトだろう。
「こんな見苦しい姿で失礼しますが、カメ君も遅かったのでおあいこですわね」
 今まで下を向いていたので気付かなかったが、顔を上げたホウ先輩は眼鏡をかけていた。
キツい顔立ちをしているので、細いフレームの眼鏡がよく似合う。いかにも仕事が出来る
女性といった雰囲気で、なんとなくアズサ先生を思い出した。アズサ先生のように、嫁に
行くのが遅くなりそうだと思ったのは敢えて言わないでおく。大丈夫、焦っていてもまだ
辛うじて二十代中盤と言うことが出来る。アズサ先生にも、きっと良い未来がある筈だ。
261 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 13:55:56 ID:bnxVjcut
 納得して頷けば、ホウ先輩が妙な目で見てきているのに気が付いた。
「どうしたんですか?」
「何でもありませんわ、それより」
 いよいよ例のお叱りが来るか。
「カメ君は、生徒会の選挙に出ませんの?」
 唐突な言葉に、僕は首を傾げた。言っている意味は分かるが、生徒会に僕の名前が結び
付く理由が分からない。そもそも普段から呼び出しを食らっている僕だ。自分で言うのも
悲しくなってくるが、そんな生徒が生徒会長を勤めるのは無理があるだろう。それに次の
会長は、理事長の孫娘である織濱さんが継ぐ筈だ。上の方に何の縁もない僕がなることは
多分無いように思えるし、周囲もそう思っているだろう。
 それに何よりも、生徒会に入ればツルとイチャ付く時間が極端に減ってしまうだろうし、
それだけは絶対に避けなければいけない。書類を眺めるよりもツルの尻を眺める方が僕に
向いているし、ペンを走らせるよりもツルグッズを作っている方が良いだろう。
「だから、出ません」
「何がどう『だから』なのか分かりませんが、出ないのですか」
 途端に不機嫌な目付きになり、その表情は鬼と化した。それでこそホウ先輩だ、直視を
するのも嫌になる。正直逃げ出したい気持ちで一杯だが、蛙を前にした蛇のような雰囲気
がそれを許さない。金縛りに遭ったように動けない僕を睨みつけると、ホウ先輩は眼鏡を
取って立ち上がる。そして一枚の書類を手に取り、こちらに歩み寄ってきた。誰かに助け
を求めようにも、この部屋の中に居るのは僕とホウオウコンビのみ。そのオウ先輩は僕と
ホウ先輩のことなど気にした様子もなく、黙々と書類を処理している。
262 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 13:56:45 ID:bnxVjcut
 いかん、冷静になれ僕。そうだ、大丈夫、ホウ先輩は僕のところまでは辿り着けない。
アキレスとカメの原理を利用すれば、近付くことは出来ても追い付けないと古代ギリシャ
の偉い哲学者が言っていた筈だ。それを信じて心にゆとりを持ち、楽しいことを考えよう。
例えば、ホウ先輩のけしからん乳の揉み方を。
「いかん、乳にも永遠に辿り着けない!!」
 おのれ、ゼノンめ!!
「何を言っているんですの?」
 故人に向いていた視線を現実に向ければ、眼前に乳がある。衣替え期間のせいでシャツ
の上にブレザーを着ているが、そんな状態でも大きさがはっきりと分かる程の豊かな乳だ。
以前温泉ではっきりと確認した、シャツの胸元を押し上げる二つの塊は、圧倒的な存在感
を持って自己主張をしている。これは、揉まない方が失礼だろう。
 手は自然に伸び、気付けば僕の掌はホウ先輩の乳を鷲掴んでいた。食い込む左右の五指
に伝わってくる弾力が、幻想でないことを教えてくれる。手指を軽く動かせば形は自在に
変わり、まるで意思でも持つかのように僕に応えてくれた。
「これぞ、リアル」
「何がですの!?」
 激痛。
 股間を蹴られ、思わず蹲った。痛みに鈍い体質で、しかも普段からツルの打撃に耐えて
いる僕だが、これは我慢出来ない。女性の筋力とはいえ足の力は腕の約三倍、しかも急所
を容赦なく打撃されて無事でいる男などこの世界に存在しないだろう。
 涙目になりながら視線を上げると、そこにあるのはピンク色の総レースの下着。可愛い
らしさと色気が上手い具合いに同居した見事なものだ。凝視し、蓮の模様があるのも確認
すれば心が不思議と落ち着いてくる。
「いい加減にしてくれませんこと!?」
 ホウ先輩は頬を赤く染めながら慌ててスカートの裾を押さえ、再び蹴ってきた。
263 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 13:58:22 ID:bnxVjcut
「何するんですか!?」
 ホウ先輩といいセンスといいアズサ先生といい、僕の周囲には打撃系の女性ばかりだ。
「そんなことより」
 僕の人権を無視して、ホウ先輩が睨みながら見下ろしてくる。手に持っているのは先日
文化祭で行った『巨乳喫茶』の報告書だが、何か不備でもあったのだろうか。提出をする
前にきちんと内容を確認したので問題は無い筈だが、どこが悪かったのだろう。
「こんな破廉痴な内容のもの、どうして出したんですの?」
 そうか、ホウ先輩が知らなかったのも無理はない。事前に案を提出したときには分類上
では喫茶店としていたし、備考欄を書くときも、巨乳云々の話は記入していなかったよう
な気がする。準備中はあまり絡まれたくなかったので書類上は当たり障りのないものにし、
事後承諾にしてもらうつもりだったけれど、今の様子を見るに承諾して貰えそうにはない。
全く、世の中は中々ままならないものだと再確認をする。
「でも、他のクラスの方が法に触れてたような気がしますけど」
 際物揃いの中で僕のクラスが若干浮いていたような気がしないことも無いけれど、それ
は良い意味でだと思う。法に触れることは無いし、比較的落ち着いたものだった筈だ。
 それを言うと、ホウ先輩は声を詰まらせた。
「と、とにかく後で罰を受けて貰いますわ!!」
 何だかよく分からない理屈で部屋を追い出された僕は、首を傾げるしか無かった。

264 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:00:01 ID:bnxVjcut

「どうだった?」
 教室に戻ると、水樹が紙パックの牛乳を飲みながら声をかけてくる。しかしどうだった
と問われても、僕も説明をしにくい。敢えて事実を端的に述べるとするならば、
「現実を再確認しようとしたら、股間を全力で蹴られた。あとピンクの総レースだった」
 と言うしか無いだろう。
 蹴られた、のフレーズで水樹と一真の顔が青ざめ、僕に同情の視線を向けてくる。一真
は兎も角、水樹が股間を押さえている姿を見ると危うく思えてくる。中身は男だが、外見
に限って言うのならば学年屈指の美少女なのだ。ブレザーを着たことで胸元が隠れて乳が
無いことも気にならなくなってきているので、その傾向は、尚更顕著になってきている。
今朝などバスの中で痴漢にあってしまったと涙目で言ってきて、正体を知っている僕でも
一瞬倒錯的な趣味に走りそうになってしまった程だ。幼馴染みでなかったら、どうなって
いたのか分からない。そしてついでに、ツルと今度痴漢プレイをしようと決心した。
「それって、そんなに痛いんデスか?」
 センスが小首を傾げて言ってくるが、あれは痛いなんて問題ではない。例えるのならば
灼けた鉄球で内部を掻き回され、更には体内を通って喉元まで競り上がってくる感じだ。
地獄が本当にあるのかは分からないが、有るのだとしたらきっとこんな感じだろう。鬼に
鉄の棒で股間を強打される光景をリアルに想像して、僕は思考を切り替えた。
「それで、現実を云々ってアンタ何したのよ? どうせまたエロいことでしょ? 最低ね」
 コイにだけは、エロいこと関係で文句を言われたくなかった。それに、無意味にした訳
でもない。あぁでもしなければ僕の精神が保てなかっただろうから、止むに止まれずだ。
「しかし、乳を揉んだくらいで股間蹴りは酷いな」
「……カメ?」
 愛しい声に振り向けば、ツルが普段の三倍は不機嫌そうな目でこちらを見つめている。
「待て、僕は無実だ」
 ツルは口の端を吊り上げ、目を弓にした。形こそは笑みに近いものの、しかしその奥に
ある瞳は笑っていない。怒りと憎しみが冷たい色を伴って爛々と光を放ち、僅かに開いた
唇からは獲物を食い千切る直前の獣のような唸り声が聞こえてくる。僕が恐怖に一歩後退
すると、ツルは嘲笑を浮かべて一歩歩み寄ってきた。
265 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:01:05 ID:bnxVjcut
「良いわよ、別に無理しなくても、気にしてないから。カメは大きな乳が大好きだものね、
巨乳喫茶を開くくらいだし。あの馬鹿女の乳を揉むのも当然だと思うわ。今回も、いつも
みたいに鷲掴んだんでしょ? 楽しかった? あの下品な乳は? あ、ついでにパンツも
見たんだっけ? 良いわねぇ、楽しそうで」
「違う、乳なんて脂肪の塊だ!!」
 ツルは楽しそうに鼻を鳴らし、
「ふうん、なら一番下の引き出しにあった本は捨てて良いわね。それに私、買ったら駄目
って言ったわよね? あれは何の当て付けか説明してくれる? タイトルは『巨乳天国』
だっけ、また随分と直球できたものね。本当に腹が立つわ」
「あれは一真が置いてった奴だ」
 ツルが一真を見て舌打ちを一つ、一真は慌てて首を振った。
「馬鹿野郎、俺を巻き込むな!! それにお前も楽しそうに見てたじゃねぇか!!」
「へぇ」
 また一歩、ツルがこちらに踏み込んでくる。僕との感覚は約1.5m、あと一歩踏み込んで
こられれば、それは僕の死を意味することになる。本気になったツルは、その化物じみた
戦闘能力で股間を殴ることを何とも思わない。痛みは先程の比ではない筈だ、下手すれば
ショック死をしてしまう可能性も充分に有り得るだろう。
「あれは、ツルに似てたから」
「どっちかと言えば、センスに似てたがなぁ」
 一真の不用意な発言に、久し振りにセンスは胸元を押さえてこちらを睨みつけてくる。
目尻には涙が浮かび、口からはえげつないスラングの数々が飛び出していた。懐かしい、
と思う間もなくツルが更に一歩踏み込んでくる。
「死ね」
 低い呟きと共に細い腕が空間を走り、
 激痛。
 僕は今までの人生で一番の絶叫をした。
266 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:02:42 ID:bnxVjcut
 どうしてこんな状況になっているのだろう、僕は身動きのとれない状態で考えた。
 引いてくれない痛みと背後からの視線に耐えつつ午後の授業を受け、HRまでこなして
いたことは辛うじて覚えている。そして学校から解放されると意識し、後はツルと仲直り
するだけだと油断をしたのが良くなかった。気を緩めてしまった途端に意識が遠くなるの
を感じ、保健委員であるコイが僕を保健室まで連れていってくれたのも思い出した。肩を
借りた際に乳に手が触れていたことも思い出し、しっかりと揉んでおけば良かったという
後悔の念もある。そこまでは認識出来ているのに、そこから先がどうしてこうなっている
のか、そこがさっぱり分からない。保健室でベッドに入り、意識を飛ばし、
「何で僕は縛られているんだ?」
 現在僕は何故か生徒会室の中で、椅子に座って縛りつけられている。動こうにも随分と
上手く固定したらしく、力を込めても痛みが来ない代わりに身じろぎ一つ出来ない状態だ。
脱出は不可能かと諦め、僕は眼前に居る人を見た。
「どうして僕はこんな場所に居るのでしょう?」
「……ゴメン、拉致った」
 背後から聞こえてくるのはオウ先輩の低く穏やかな声、だが内容は穏やかという言葉が
当て嵌りそうもない物騒なものだ。こんな状況に、いつぞやのことを思い出す。ズボンの
ジッパーを急いで確認すれば、まだ開いた様子は無い。取り敢えず今はセーフだったこと
に吐息するが、安心するのはまだ早い。昼に罰がどうとか言っていたし、これからそんな
状況になる確率も決して低くはないのだ。何せ相手は淫乱金髪巨乳弩Sお嬢様生徒会長だ、性的な罰がよく似合う。
 不安を消すようにホウ先輩を見て、
「何で拉致ったんですか?」
「罰、ですわ」
 やはりそうか。
「具体的な内容は?」
267 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:07:08 ID:bnxVjcut
 ホウ先輩は小さく声を漏らし、目の前の椅子に腰掛けた。そして靴を脱ぐと僕の股間に
脚を伸ばし、爪先で軽く擦ってくる。天性の才能なのか、それとも練習をしたのか、多分
前者だろう。絶妙な力加減で動かす脚は、やけに厭らしく見える。脚を動かす旅に下着が
見え隠れし、股間に伝わる刺激も加わって血液が集中してくるのが分かった。
 これは、いかん。
 何が駄目かって、だんだん気持ち良くなってきている僕のドラ息子が駄目だ。静めよう
と精神を集中しても言うことをきかず、ついには最大にまで大きくなってしまった。股間
のものは痛い程に布地を押し上げ、誰の目に見ても分かるようなテントが出来ている。
「ふふ、大きくなってますわね」
 いちいち説明しないでほしい。
 ホウ先輩は楽しそうに笑いながら、器用にジッパーを下げてきた。そして下着も降ろし、
脚だけで僕のものを取り出し、直で扱き始める。高級品であろうニーハイソックスの表面
は驚く程に滑らかで、柔らかなホウ先輩の足と共に、吸い付くような感触を与えてくる。
過去にツルやセンスにやられたりしたこともあったが、脚でこれ程の快感が与えられると
思っていなかった。雰囲気がどうこう言う以前に、物理的な快楽でもって僕のものを責め
たててくる。リズミカルに、時には不規則に、抵抗する意思そのものを奪い取ろうとする
ような動きは紛れもなく才能だ。認めたくないがその動きは確実に僕のツボを捕えている。
 流されまいとなけなしの意地を持ってホウ先輩を睨んだが、愉悦にとろけた表情と目が
合うだけで終わってしまった。カリ首をえぐられて、悶え、つい視線を反らしてしまった。
だが、ホウ先輩の表情は、網膜にしっかりと焼き付いている。以前にも見た、他人が快楽
に溺れそうになっているのが心から楽しい、といったものだ。
268 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:09:33 ID:bnxVjcut
「ふふ、最初は只の罰のつもりだったんですけど、楽しくなってきましたわ。やっぱり私
の目に狂いはありませんでしたわね、ねぇカメ君?」
 問いながら、捻るようにこねてくる。
「最初に見たときに、ピンときましたの。カメ君は、私を楽しませてくれるって」
 ピンとこなくても良かったのに。正直限界が近い。
「でも、ちょっとしぶといですわね」
 ホウ先輩は眉根を寄せて、竿を軽く蹴り飛ばした。散々いじられた後では、それすらも気持ち良い。そしてホウ先輩は
粘着質な笑みを浮かべて指を鳴らし、それに応えるように背後に居たオウ先輩がホウ先輩
の隣に並ぶ。褐色の肌のオウ先輩と白い肌のホウ先輩は良い意味で対照的、外見のタイプ
も真逆で互いが互いを引き立てあっている感じがする。一瞬、見とれそうになった。
 本当に、一瞬のことだった。
「オウ、手伝って頂戴」
 ホウ先輩が僅かに体をずらし、オウ先輩が空いたスペースに腰掛ける。そして靴を脱ぎ、
ホウ先輩のように竿に脚で触れてきた。上手すぎるホウ先輩と比べると多少ぎこちないが、
それでも気持ち良い。それにオウ先輩は白のハイソックスな為、褐色のふくらはぎや太股
が惜しみもなく露出されていて、それが白いホウ先輩の脚となまめかしく絡んで一種独特
な色気をかもし出している。僅か二色で形成された芸術は、僕のものを貪欲に求めてきた。
四本の脚が餌を捕えた触手のように動き、少しでも多く絞り取ろうと絡みついてくる。僕
が堪えきれずに声を漏らすと、ホウ先輩は楽しそうに脚で応える。
269 名前: 『ツルとカメ』×19 [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:10:23 ID:bnxVjcut
「まだ、出ませんの?」
 二人の足の動きが早くなり、その動きの差が現れる。脚だというのに絡みつく動きと、
少し乱暴ながらも丁寧に擦ってくる動き。種類の異なる二つの刺激に、僕もそろそろ我慢
が効かなくなってきた。息を合わせたように二人に同時に強く圧迫されれば、堪えていた
ものが奥から競り上がってくる。これ以上は、もう無理だ。
「っ、出ます」
「あは、出しなさい」
 二人の脚に、射精する。
 白く濁った液体が二人の脚を汚した。特にオウ先輩の褐色の肌に垂れたものは見ている
だけで、再び固くなりそうになってくる。ホウ先輩の脚をハンカチで丁寧に拭い、続いて
自分の脚を拭うとオウ先輩は僕の股間に顔を埋めてきた。
 ホウ先輩は竿に付着した精液を舌で拭うオウ先輩の姿を満足そうに見た後で僕の耳元で、
「また、覚悟しておきなさい」
 囁くように言い、僅かに耳を甘噛みした後で顔を遠ざける。
 次も、あるのか。
 今度はどうなってしまうのか考え、僕は盛大に吐息した。
270 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:13:39 ID:bnxVjcut
今回はこれで終わりです

>>246
無理があっても気にしない
どうせ本名はラストまで使わないし

>>247
大丈夫!
たまに皆真面目になるから!!

>>248
ラヴミー?
ラヴユー!!

>>249
まぁ、ペットだし
それに家族だし!!

>>250
そんなシリーズだから仕方ない
×1でロリコン発言するのが主人公だし

>>251
ツンデレハーレムを思い付いた
精神的に結構キツくね?

>>252
ハロー、未来の旦那様
これから宜しく

>>253
萌えた
嫁になってくれ

271 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 14:15:27 ID:bnxVjcut
>>254
こ あ
と け
よ お
ろ め

>>255
Happy New Year!!

>>256
俺もそう願う
職人様カモン!!

>>257
優しさに感動した
心から愛してる


少し遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます
今年も宜しくお願いします
ダブル脚コキって、何か良いよね?


追伸
水樹って攻略対照にした方が良いのだろうか?
と、昔エロ小説と間違えて買ったBLエロ小説を読みながら思った
272 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2007/01/04(木) 16:53:50 ID:LbHPHHPm
GJ!!
とか言いつつ足コキはちょっと苦手だったりもしますはいすいません


水樹……個人的には大好きなので是非カメとの絡みを入れてくれると嬉しいDEATH。
273 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 17:28:22 ID:KTXiX+bV
結局カメは選挙に出るのだろうかwwww


そして自己安価には突っ込んだ方がいいのだろうかwwww



水樹には突っ込んだ方がいいのだろうよwwwww
274 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 19:20:46 ID:bNblmflT
こないだ某同人誌で準たんのエロシーンを見てしまった俺から言わせれば、



水樹は俺の嫁。
275 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/04(木) 22:05:38 ID:eaNxAMFy
新年1発目は足コキ!
やったね俺!

新年は控えめに、これからドンドン過激なプレイがあると信じています
選挙の得点の為にハメ倒しとか、ツルとの痴漢プレイとか、今から楽しみで仕方ない俺ガイル

だがそれより、>>248=>>251だけじゃ飽き足らずに>>253にも手を伸ばすロボ氏に渇望
276 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/10(水) 09:42:05 ID:hFfa2Q4r
保守
277 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:40:23 ID:ngNiKAAf
投下しますよ
後半BL注意報
278 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:41:23 ID:ngNiKAAf
 いつもの如く皆で家に集まり、僕達は話し合いをしていた。していた、と過去形なのは
つい一時間程前までの話だからだ。取り敢えずの課題であった修学旅行の自由見学の場所
も決定して、今はノートと地図の代わりに酒と肴がテーブルの上に並んでいる。高校生が
こんなことをしていて良いのだろうかという疑問があるけれど、もう毎回のことなので気
にならなくなってきた。しかし忘れてはいけない、基本的に酒と煙草は二十歳から。
「ほら、飲みなさいよ」
 考えた側から、コイが酒を差し出してきた。手に持っているのは親父秘蔵の超ジョッキ、
2リットルもの容積を持つそれにビールが並々と注がれていた。流石にその量は、かなり
キツいものがある。が断ろうにもコイの目が許してくれなかった。酒が好きな癖にやたら
と弱いこの娘の目は、今や完全に座っている。もし断りでもしたら普段の暴言だけでなく、
このジョッキでの打撃を頭に打ち込まれるだろう。と言うか実際、最初に飲んだ日にそう
されてしまったのだ。二日酔い以外で頭が痛くなる日が来るとは思わなかった。
 仕方なくジョッキを受け取ると、場が沸いた。
「腐れちんこの良いところ、ちょっとあたし達見てみたい!!」
 苦笑しているツルを除き、皆が音頭に乗ってくる。続くのは一気コール、酔ったセンス
が強制的にジョッキを傾けてきて無理矢理に飲まされる。僕はザルだけれど、それでも水
が2リットルもあるのだ。しかも炭酸付きで。その量を一気に飲み下すと、かなり堪える
ものがあった。普段は親の仇が集団でやってきたのを見るように歪んでいるツルの目も、
心なしか心配しているように見えた。ありがとう、ツル。僕はそれだけでまだ戦うことが
出来る、ビア樽五杯は楽にいけそうだ。
「いや、寧ろアワビ酒を!!」
「いきなり酔ってんじゃないわよ!!」
279 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:43:12 ID:ngNiKAAf
 抱きつこうとすると、空になったジョッキで殴られた。どんな目的があるのだろうか、
象が踏んでも壊れないというキャッチコピーの超硬質なものは反則だと思う。
「酔ってねぇよ」
「だから嫌になるのよ」
 尻を触りながら言うと、ぞんざいに手を弾かれた。ツルは新作のチューハイを一口飲み、
不味そうに吐息する。僕もツルも、と言うか親戚全員だが酒に強い。なので上手い具合い
に酔いが回らずに、なんとなく寂しい気分になってくるのだ。それは酒も不味くなる。
「二人きりなら、もっと気楽なのにね」
 ツルは呟くように言った後に、頬を赤く染めてこちらを睨みつけた。
「忘れなさい、今すぐに。私としたことが、とんだ失言だわ!!」
 あまりの可愛さに再び抱きつこうとすると、
「カメさん、一緒に飲みまショウよぅ」
 背後から襟首を掴まれ、引っ張られた。独特の米国訛りが入った日本語で喋るのは、僕
の周囲には一人しか存在しない。それが誰かは分かっていたのだが、敢えて思考の外側に
置いていたのだ。ピッチが早かったのか、それとも本当に弱いのか、かなり酔いが回って
いるらしい。言葉と共に酒臭い吐息をし、一真がパック豆の袋を破り損ねただけでも爆笑
して、しまいにはアメリカ国歌まで歌いだす。
 まぁ、いいか。今のところエロくなる雰囲気はなさそうだ。流石にツルの前でエロ合体
を迫られるのは勘弁だが、こうしてうるさくされるのは許容範囲の中だろう。お隣さんが
少し気の毒だけれど、後でしっかり謝っておけば良いだろう。
『賑やかじゃのう』
 眠っていたらしいミチルが首を伸ばし、皆を見回した。
「すまん、起こしたか」
『構わんよ、こんな雰囲気は嫌いじゃないでの』
280 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:44:33 ID:ngNiKAAf
 亀のくせに、人間よりよっぽど人格が立派だ。僕はこの余裕を少し尊敬した、やはり亀
の甲より年の甲というやつなのだろうか。ミチルは年寄りな上に亀だけれど。
「今度は参加させてやるからな」
『期待しとるよ』
 軽い調子で言い、ミチルは首を引っ込めた。
「カメ、ペットと話なんかしてないでこっちにおいでよ」
 水樹に手招きされるままに、立ち上がる。個人的にはツルと飲んでいたかったが、視線
を向けるとつまらなそうに目を反らされた。行け、と言うように手をひらひらとさせて、
本人はコイとセンスの間に移動した。外見に似合わず、意外と気遣い上手なのだ。
 隣に座ると、超ジョッキに並々とビールが注がれた。出来ることならツルにやってほし
かったが、当のツルは自分のグラスに先程のチューハイを注いでガン飲みしている。酔い
を他の皆のペースに合わせようとしているのだろうか、飲む勢いが物凄い。
 それを眺めていると、袖を引っ張られた。
「カメ、飲んで飲んで」
 言われるままに飲み下すと、水樹が歓声をあげた。
 ここで、違和感に気付く。
「水樹、かなり酔ってないか?」
 普段から女の子のような格好をしていて、行動もそれらしい水樹だが、今は中身が完全
に女の子状態だ。過去に一度だけ体験したトラウマが再発しようとして、必死に違う筈だ
と思い込む。水樹は酔ってなどいない、今はまだ辛うじてほろ酔い状態だ。ましてや中身
が完全に女の子にシフトチェンジしている訳がない。無理矢理に心の中で叫んで、改めて
水樹を見た。きっと、普段の水樹のままだと信じて。
281 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:46:12 ID:ngNiKAAf
 後悔した。
 酒が回ったせいで頬は薄く桃色に染まり、とろけた瞳は薄く閉じられた瞼と長い前髪に
よって僅かに隠れていることにより、一層輝きが増して見えている。長い睫がその周囲を
縁取り、その二つの宝石の中心から下に真っ直ぐと延びる鼻梁は低く細い。しかしそれは
小さな輪郭の顔に驚く程似合っていて、まるで西洋の陶器人形のように見せている。暑い
のか大きくはだけられた襟口からは細い鎖骨が見え、吸い込まれそうな程の色気をかもし
出している。僕の超ジョッキに三杯目を注ごうとする手指は細く、どこまでもしなやかに
動いていた。男相手に使うのが気色悪い言葉だが、それが素直に当て嵌る程に今の水樹は
色っぽく、そして女の子らしいのだ。
 そして何より僕の目を引くのは桃色の薄い唇と、その奥で妖しく揺れているる深紅の舌。
思い出したくないけれど、見てしまった瞬間に思い出してしまった。
 僕の初チューはツルということになっているけれど、性別を考えなければ違う。初めて
の相手は、何を隠そう水樹なのだ。ツルがこの家に越してくる前の日、合格発表その日に
事件は起きた。水樹と二人で合格祝いに飲みまくっていると次第に女の子化し、不意打ち
で唇を奪われてしまった。それも一度きりではない、連続でだ。最後には舌も入れられて、
その後暫くは水樹の顔面を直視出来なかった。
 思い出せば、寒気が込み上げてくる。何か消毒出来るものはないかと視線を回し、ツル
が飲んでいるチューハイが目に入った。アルコール消毒、これしか方法は無いだろう。
「ツル、それを一口くれ」
「はい」
 まだ開けていないものを手に取ったが、それでは駄目だ。
「口つけたやつが良い!!」
「何でよ!?」
282 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:47:32 ID:ngNiKAAf
 何を警戒しているのか分からないが、僕には一刻の猶予も無い。プルタブを開いて時間
をかけているなどまどろっこしい真似をしている間に、もしかしたらホモ菌が伝染って脳
が同性愛回路を作ってしまうかもしれない。だから僕は警戒を解く方法を考えて、そして
瞬時に結論した。怯えを消すべく微笑を浮かべ、なるべく愉快な発音で、
「缶チューハイで間チューしよう!!」
 大型缶の方を投げつけられた。
「それで脳を消毒しなさい!!」
 いかん、被害は既に脳に達しようとしていたのか。口だけだと危険だと悟り、なるべく
量の多いものを選んでくれたツルに感謝する。流石はツルといったところか、僕のことは
全てお見通しなのだろう。愛とは実に素晴らしいものだ、愉快な気分が止まらない。
 ともあれ、いつまでも浸っている訳にはいかない。フルタブを引き、投げられたせいで
溢れる炭酸に気を付けながら大きく一口を含む。ツルが愛情を込めて渡してくれたものだ、
汁一滴といえども無駄にする訳にはいかないだろう。
 飲み込むと、酷い苦味が口の中に残った。
「愛の味に溢れてるな、愛とは苦いものらしいし」
 愛は甘いものだと思っていたが、勘違いだったらしい。そういえば、ツルが作る食事も
色が黒く苦いことが多い。あれは焦げていたのではなく、愛に溢れていただけなのか。
「カメ、それ美味いのか?」
 失礼なことを一真が言ってくるが、実は美味いものではない。思い返してみれば、ツル
もどことなく不味そうに飲んでいたような気がする。気になりラベルを見てみれば、そこ
には苦瓜チューハイという文字がある。こんなものをどこの会社が出したのかと思えば、
やはり織濱食品だった。これは成功例に入っているのだろうか。
283 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:48:30 ID:ngNiKAAf
「織濱って言えば、僕が生徒会長に立候補したらどう思う?」
 何故か全員に目を反らされた。
「カメ、身の程を知りなさいよ」
「変態会長は嫌デスよ」
「あはは、カメ酔ってる?」
「織濱が居るだろ」
 他の連中の言葉を無視して、ツルを見た。
 ツルはいつもの邪悪な笑みを浮かべ、
「冗談も程々にしときなさいよ。でも、本気なら良いかもね」
 あまりの嬉しさに、ツルを抱き締める。僕には副音声が聞こえたからだ。「冗談も程々
にしときなさいよ。(これ以上私と二人きりの時間を減らすなんて)でも、本気なら良い
かもね(二人で生徒会も楽しそうだし、応援するわよ。カメ格好良い、愛してる。ラヴ!!)」
なんとなく、生徒会長に立候補するのも良いかもしれない。
「うざい、離れろ!!」
 照れて顔面を殴打してくるが、今の僕は無敵状態だ。痛いどころか、殴られる度に体力
が鰻登りで回復してくる。この調子なら、生徒会選も余裕で勝てるだろう。
「ところで、どんな学校にするつもりよ?」
 気味が悪いものを見るような目でコイが尋ねてくる。
「個人的にはゴミが無く、緑溢れる爽やか学校だな」
「思ってたよりまともデスね」
「で、本当は何だ?」
 一真の声に僕は頷き、
「個人的には粋があり、乳尻溢れる学校だな」
「地獄に堕ちろ」
 鈍痛。
「止めろ、これ以上は吐く」
 ツルは僕の言葉も聞かずに、無言でボディブローを打ち続けた。
284 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:50:18 ID:ngNiKAAf
 あれからかれこれ二時間、僕と水樹を除いて全員が酔い潰れてしまった。今回は珍しく
ツルもダウン、さんざん暴れまわったせいか酒が回ってしまったのだろう。時折眉を寄せ
苦しそうにしているけれど、その直後には安らかそうな表情になる。桜の花びらのような
小さな唇から漏れてくる僕の名前が嬉しくて、そっと髪を撫でた。
 全員に毛布を被せると、僕はトイレに向かった。別に催した訳ではない、ぐったりして
いる水樹の救助の為だ。皆が眠ったと思った直後、水樹は顔を青くしてトイレに向かって
歩いていった。仕方ない、水樹もかなりの量を飲んでいたから具合いが悪くなって当然だ。
雰囲気を壊したくなかったのだろう、堪えきっただけでも表彰ものだ。
 薄く明かりが漏れてくるドアを開くと、涙目でこちらを見上げてきた。
「ごめん、汚しちゃった」
 見ると溢れたゲロが僅かに床に広がり、据えた臭いを発している。しかしそれは些細な
問題だ、一番の問題は今の水樹の格好だろう。ゲロが洋服にまでかかった水樹を見ると、
なまじ外見が良いだけにより悲惨に見えてくる。肩を貸して立ち上がらせると、再び僕に
謝ってきた。酔って中身の性別が変わっても、律儀なのは相変わらずだ。
「吐くのはもう大丈夫か?」
「うん、平気。カメってやっぱ優しいね」
「普通だ」
 念の為に常備しているミネラルウォーターを飲ませると、漸く笑みを浮かべた。脱衣所
に入ると、シャツを脱がせて洗面台に投げ込んだ。マークをきちんと確認しているので、
浸け置き洗いでも大丈夫だと判断する。続いてスカートに手をかけると、恥ずかしそうに
こちらを見上げてきた。相手が男だと分かっているし、そもそも幼馴染みの顔だ。
 だけど、
「可愛いな」
285 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:51:56 ID:ngNiKAAf
 思わず口走ってしまった言葉に、戦慄する。頬を赤く染められて、鳥肌が立った。気色
悪いからではなく、あまりにも心を刺激する表情だったからだ。
「ごめんね、迷惑かけて」
「気にするな、そんな中じゃないだろ」
 平常心を心掛けて全裸に剥くと、風呂場に放り込む。少し温めにシャワーを設定し、湯
をかけた。僕が高校に入る少し前に新しくした給湯器は瞬時にお湯を暖めて、それが細い
体に降り注いでゆく。セミロングの髪を重くし、滴り落ちた滴はきめの細かい肌を滑って
床に到達、不規則な旋律をたてた。
「ほら、座れ」
「うん」
 余計なものが見えない後ろ姿は女の子そのもので、危うく股間が反応しそうになった。
華奢な肩からお湯が滑り、今にも折れそうな腰を経て小振りの尻に到達する。普段はこの
相手がツルだから、起伏の少ない体に注目してしまったのかもしれない。
 明日は是非ツルの体を洗おうと思いながらシャンプーをして、適当に流した。リンスを
髪に馴染ませていると、なんとなく気が付いた。普段ツルが言っていることだ。
「これで良いのか、髪質的に」
「大丈夫だよ、普段も適当に安いの使ってるし」
 こんな部分は男だな、と思う。
「体、自分で洗えるか?」
 流石に男の体をなでくり回すのは勘弁したい。
「うん、大丈夫だよ。それより、さ」
 水樹はこちらに振り向くと、いきなりシャワーを浴びせかけててきた。濡れたシャツが
張り付いて気持ち悪いし、ジーンズもこわごわの状態で不愉快だ。
「何しやがる!!」
「あはは、濡れちゃったね」
 濡れたも何も、お前がやった事だ。
「脱ぎなよ、それ。良いじゃん、男同士なんだし。それとも」
 妖しく目を伏せると、軽く舌なめずりを一つ。
「あたしが脱がせてあげようか」
286 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:53:09 ID:ngNiKAAf
 言うなり、ベルトに指をかけてきた。手際良くベルトを外すとジッパーを下げ、パンツ
を降ろして僕のものを取り出した。洒落になっていないが、抵抗をしようとした瞬間に力
が抜けてしまう。その原因は視線を下げれば一瞬で分かる、水樹が僕の竿をくわえていた。
頭に手をかけたが抵抗にならず、目だけで微笑むと水樹は根本まで飲み込んでくる。
「なに、してんだ」
 皆を起こさないように小声で言ったが、そもそも大きな声が出せそうにない。それだけ
水樹の動きは僕のツボを捕えていた。音をたてて吸いながら頭を引き、吸盤のような音を
たてて口から引き抜くと水樹は体を震わせた。俯いているので表情は分からないが、漏れ
てくる声で笑いを堪えているのだと理解できる。
「お礼、しなきゃね」
 言っている間も股間のものを扱き、刺激を与えられる。
「いつも、こんなあたしに優しくしてくれて。女装してるのに、普通の人と同じように。
それがね、あたしは嬉しいんだよ。痴漢されるのは嫌だけど、カメなら良いよ。それ以外
の人は嫌だけど、カメが相手だったら良いんだよ」
「今の痴漢はお前だがな」
 そうだね、と言って再び僕のものにしゃぶりついてきた。柔らかく竿を甘噛みし、唇と
舌を滑らせる。豊富な唾液が唇の端から溢れ出して、細い糸を引きながらタイルに落ちた。
それは一瞬で流されるが、次々と新しいものが落ちてシャワーとは別の音をたてる。
「男の子の一番気持ち良いところは、男の子が知ってるんだよ」
 それはそうだが、これは不味い。誤魔化しが効く状況じゃない、誰か他人に見られでも
したら完全にアウトだ。その相手がもしツルなんかだったりした日には、浮気だけでなく
同姓相手ということで不味いどころの話ではなくなるだろう。
287 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:54:49 ID:ngNiKAAf
 だが止めるように言っても水樹は聞かずに、寧ろ余計に刺激を与えてくる。動きは早く
ないものの、丁寧で、じっくりと舐め、吸ってくる。例えるのなら温いカスタードに包み
込まれているような感触、それがゆっくりとした速度で這い擦り回っているようなものだ。
「えへへ、気持ち良い?」
 気持ち良いとは言えずに、黙ってそっぽを向いた。しかし股間の息子は欲望に忠実で、
我慢出来ずに水樹の口の中に放出する。それを受け止めると涙目で咳き込んだが、直後、
音をたてて飲み下していった。挙げ句の果てには唇の周りに着いたものを指先で拭って、
綺麗に舐め取ってゆく。とても男とは思えない仕草に、心臓が高鳴った。
「ね、カメ。あたしの初めて、貰ってくれる?」
 嫌だ。
 そればかりは無理だと言おうと思ったが、何故か言葉が出てこない。暫くの無言に瞳に
涙が浮かび、悲しそうな目で僕を見つめてくる。捨てられた子犬のような無差別に救いを
求める瞳、愛されることに飢えているものの目だ。それが直視出来なくて、気が付けば僕
は水樹の体を抱き締めていた。そして水樹には悪いが、酒のせいにして唇を重ねる。
「ちょっと、苦しいよ」
「あ、すまん」
 腕を離すと、まだ酒のせいで脱力している水樹は仰向けに倒れた。立ち膝だったせいで、
腰を自然とこちらに突き出す姿勢になっている。股間のものが強調されていて、やはり男
を相手にしているんだと、妙な実感が沸いてきた。
 僕の視線に気付いたのか、慌てて股間にタオルを被せてこちらを睨んでくる。愛らしい
顔なのにツルと違い全く迫力がが無い、と言うより可愛く見えてくるのは性格の違いから
だろうか。体を飾るように滑る雫が色っぽく見せているのも原因の一つかもしれない。
「や、見ないでよ。それより、お願いだから、こっち」
288 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:55:59 ID:ngNiKAAf
 言って、尻の肉を開いてきた。肉質が柔らかいからだろう。五指が食い込むように歪み、
独特のいやらしい雰囲気を持っている。その中心にある色素の薄い尻穴は、今にも獲物を
飲み込もうと僅かに収縮していた。
 僕は念の為にボディシャンプーを手に取ると、菊門の周囲に塗り付ける。手指を動かす
度に高い声が漏れ、その体をくねらせた。中にも馴染ませるように軽く指を入れて混ぜる
と、更に大きな反応が返ってくる。声を聞かれては不味いと思い口に手を当てると、指を
熱心にしゃぶってくる。どうやらかなりキマっているらしい。ちょっとした好奇心が沸き、
僅かに掌に残ったものを平たい胸の先や股間の竿に塗り付けると尻程ではないにしろ反応
が返ってきた。どうやら一番弱い部分は尻の穴らしい、男としてそれで良いのだろうか。
 疑問に思いながら、先端を穴の入口に当てた。
「大丈夫か? 力抜けよ」
 男相手に言うセリフではないし、言う日が来るとは夢にも思わなかった。だがここまで
来たからには、そんな野暮な突っ込みは無しだろう。吐息して頷いたことを確認すると、
腰に力を入れた。すると、それは大した抵抗もなく奥へと飲み込まれてゆく。幾らもせず
竿は根本まで飲み込まれ、股間にとろけそうな快感が走る。
「全部、入ったけど……やけにあっさりだな」
「うん……一人でするとき、こっちもいじってたから」
 通りで尻での反応が良すぎる筈だ。
 なるべく負担を与えないように軽く動かすと、恥ずかしそうに顔を両手で覆ってそっぽ
を向いた。だがもう一度動かすと、今度は薄く開かれた唇から甘い声が漏れてくる。
「や、駄目。そんなに動かしちゃ」
「お前から誘った癖に」
289 名前: 『ツルとカメ』×20 [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:57:34 ID:ngNiKAAf
 言いながら水樹の竿を擦ると、一際大きな声が出た。泡を着けているとはいえ、タオル
のざらついた生地では少し刺激が強いのだろう。悶えながら、しかし溺れるように水樹は
腰を動かし始めた。腰をくねらせ、快感を貪欲に得ようと激しく動かしてくる。初めてと
言っていたけれど、それがまるで嘘のような動きだ。ぬめる内部が断続的に収縮して亀頭
を締め付け、扱きあげてくる。途切れ途切れに聞こえる呼吸は強い熱を持っていて、奥を
突く度に僕の胸板を焼いてくる。腰に捻りを加えると、掻き回す度に背中に爪をたてた。
目尻に涙が浮かんでいるが、それは痛みではなく快感によるものだと表情が教えてくれた。
 限界が近いのか締め付けが強くなり、腹に擦れている水樹の竿が小さく脈打っている。
僕も限界が近く、今まで気遣って押さえていた速度を上げると腰に脚が絡んできた。
「中に、出して。あたしは、大丈夫、だから」
 そりゃ大丈夫だろう、男だし。
 そう言おうと思ったが、唇を重ねられて叶わなかった。舌が絡み、お互いに吸いあう。
全身が溶け合うような錯覚に陥った直後、僕は水樹の奥に射精した。
 は、と吐息をしながら唇を離すと、二人の顔の間に銀色の糸が引く。一瞬残ったそれは
すぐに細くなり、やがてシャワーのお湯によって完全に切れた。それを水樹は名残惜しい
と感じたのか舌で舐め取り、悪戯した子供のように唇を三日月の形にした。
 それを見ながらゆっくりと引き抜くと、広がった尻の穴から白濁した液が溢れてくる。
タイルの上に白い水溜まりが出来たが、これもシャワーの勢いでかき消されて、横たわる
水樹の側を通り過ぎて排水溝に流れていった。暫くそれを眺めていたが、恥ずかしそうに
身を起こした水樹によって遮られた。
 苦笑を浮かべて、水樹が僕の胸に頭を預けてくる。
「あのね、あのときはノリで言っちゃったけど、本当はカメが生徒会長でも良いと思うよ。
いつもふざけてるし、エロいし、馬鹿だし、どうしようもないなって思うときもあるけど」
 一拍。
「心の奥では、いつも他の人のことを考えていられる人だから」
 何だか、嬉しかった。
 やはり持つべきものは親友だと、そう思う。
「ありがとうな」
「どういたしまして」
 そう言って、水樹は小さく笑った。
290 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:58:34 ID:ngNiKAAf
今回はこれで終わりです

>>272
すまない、俺は大好物なんだ
作者権限というのは便利なんだぜ?

>>273
出るよ、多分次々々々くらいに
そして、突っ込んだよ

>>274
俺なんか抜いた後にBLだって気付いて
しかも、その後にまた抜いたんだぜ?

>>275
今回は過激と言えるのだろうか?
ジャンル的な意味では、はっちゃけた



まぁ、何だ
反省はしているんだ、BLだしさ
ってか初めてBLを書いたんだが、それっぽくないね?
291 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 00:59:53 ID:pYcwiEqX
うわああああああああああああああああああああああああああ
292 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 01:57:23 ID:IIxg8gNw
>>290
BLで勃起したのは初めてです。本当にありがとうございました。
つーかいつも以上に気合入ってるwwwww
293 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 03:12:43 ID:Lemed4qz
過激にぐっじょ………ぶ(with吐血


新年一発目と比べて随分パンチが効いてるぜ。
しかしBLBL言いながら、あまり薔薇臭がしないのでぎりぎりセーフ?


きっとロボ氏はぷにぷにとかいう単語に反応するんだろうな。ぷにぷに。
294 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 03:58:24 ID:z5gFJLo3
超GJ!!!
なぜかツル編の時より勃起(ry
水樹可愛いよ水樹

801には見えないくらいよかったんだぜ?
295 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 16:26:34 ID:LcG+IWiH
かわいい男の子見つける旅に出かけたくなったGJ

ぷにぷに。
296 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 19:31:09 ID:FoeYN9Xl
801の筈なのに嫌悪感がほぼ無く読めた…何故だ!?
俺にそっちの気は無いはずなんだが…

まぁ、これ以上は自分の首を絞めそうだから止めておこう
ロボ氏GJでした

ぷにぷに さわさわ
297 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/11(木) 22:12:09 ID:A6CW+l/9
敢えて言おう。

水樹にはデレ分しか無いと!w

さておき、数字モノ経験者として言わせて頂くと、
…先生、本当にBL初書きなんですか?
なんつーかクオリティ高いよ冗談抜きにGJ!!

マジレスするとBLって書き手の主観や願望が
手前勝手にぶち込まれた自分だけが楽しいブツが
大半だからねぇ…今回はスレ住人の希望が強かったせいか?www

ともあれ乙です、終わり方を綺麗にしたのがポイントMAXなり。
298 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/12(金) 18:21:53 ID:Sm9cbMWB
>水樹にはデレ分しか無いと!w

内容が読者に対してツンツンしてるじゃないか。
299 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2007/01/14(日) 04:39:34 ID:TP3MPKDC
塩「ちょっとひろゆき!私あんたのせいで凄い迷惑してるんだけど!」
ひ「・・・・・・」
塩「ねぇ、ちょっと聞いてるの?」
ひ「・・・・・・」
塩「いい加減にしなさいよ?そっちがその気ならこっちにも考えがあるんだから!」
ひ「・・・・・・」
塩「フン、あんたなんかもう知らない!・・・・・・ほんとに・・・・・・どうなっても、知らないから」
ひ「・・・・・・」
塩「ひろゆきのバカー!」

塩「グスッ・・・・・・ひろゆきのバカ・・・・・・」
300 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/14(日) 14:40:19 ID:1BzBMDs7
>>299
最大の失敗はエロパロにしなかったことだな

>>ロボ氏
ぷにぷに
301 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/14(日) 18:39:01 ID:RokddTaz
前準備も無しに肛門で性交をするとポッキーができるらしい…
302 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/15(月) 13:29:02 ID:PDQFgW6B
ポッキーデコレ
303 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/16(火) 20:55:56 ID:cIGipAx6
メンズポッキー
304 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/17(水) 01:52:47 ID:wGtVwcy+
極細ポ(ry
305 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/17(水) 19:41:12 ID:HYfRXkE0
明日投下します
あぁもう、休日ってどんな意味だっけ?
306 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/17(水) 21:13:54 ID:T97knlHo
人が木に寄り掛かって休む日ですよ

   プニプニ
(´∀`)σ)∀`)
307 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/17(水) 21:17:11 ID:wGtVwcy+
二つ合わせればのAA貼ろうかと思ったがいい口上が浮かばなかった
308 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:20:09 ID:k0OYEnE2
投下しますよ
309 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:20:59 ID:k0OYEnE2
「あぁ、もう腹立つ!!」
 ここ数十分で何度目になるのだろうか、ツルは僕の脇腹を殴りながら叫んでいた。今回
のことに関しては、僕は悪くない。先程の電車の中でのことが原因だからだ。
 今日は修学旅行二日目、自主見学の予定なのだが、今は僕とツルの二人だけだ。本当は
皆と映画村に向かっていた筈なのだが、その途中の電車の中でツルが痴漢に襲われたのだ。
いつも通りに発車二分でダウンしてしまっていたツルだが、そんなヤバいときにパンツを
撫でられてブチ切れてしまったらしい。その感情は体調不良をものともせずに小さな体を
駆動させ、僕が気付いたときには力の限り痴漢、正確には痴女をパワーボムの餌食にして
いた。電車の床板を豪快に鳴らす程の威力は、寒気さえ感じた程だ。そんな傷害事件的な
ことをしでかしてしまって駅員さんに怒られている間に、他人のふりをしたコイ達に置い
てけぼりにされてしまい、更には急いで追い掛けたのだが道に迷ってしまったのだ。何を
隠そう、家の家計は酒には強いが地図に弱い。僕がそうであるように従姉妹であるツルも
勿論例外ではなく、二人仲良く馬鹿を見ているという状態だ。それもこれも、あの痴女が
原因だ。ということで一度は収まった溜飲が再び沸いてきたツルが僕を殴っているという
訳だ。まぁ、僕としてはツルと二人きりなので何の問題もない。
「しかしなぁ」
「何よ? あぁ腹立つな、もう」
 僕は腹が痛い。
「ツルの体型で欲情するなんて、やっぱ変態って全国に居るんだな」
 コイやセンスみたいなエロ肢体で興奮するならまだ分かるし、水樹も当然乳はないのが
何だか触りたくなる外見だ。寧ろ地元民と違って男だという予備知識が無い分、躊躇いが
存在しなくなるだろう。そんな美味そうな獲物が三人も居るというのに、どうして犯人は
ツルを狙ったのだろうか。何しろ美幼女だとはいえ、吐く寸前までいった顔は凶悪な獣の
ようで、表情といえば地獄の鬼も即時に土下座してしまう程のものだったのだ。尻を愛で
ようにも、これより酷いものはそう無かっただろう。正直、宇宙で一番ツルを愛している
と言っても過言ではないと自負している僕でもアウトだった。
310 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:22:57 ID:k0OYEnE2
「変わった奴も居たもんだ」
「カメを筆頭にね」
 心にもないことを言うなんて、ツルは相当参っているらしい。ここは僕が何とか元気に
しなければいけない場面だ。ここでのフォローが男を見せるチャンス、上手くいけば何か
ツルが感激して、更には愛の力で乳が膨らんだりするかもしれない。
 僕は考え抜き、そして結論した。
「ほら、おツルちゃん。これでもお食べ」
 そう言い、僕はツルに京都名物の『おたべ』を差し出した。完璧だ、何て隙の無い慰め
なんだろう。怒りを消すには笑いが一番だし、京都という土地のものをを上手く駄洒落に取
り込んでいる。これにより今は修学旅行中だということを思い出し、前向きになることが
出来るという寸法だ。それに、駄洒落だという部分も良いだろう。一気に気分を変えるの
ならば、難解なジョークよりもシンプルなものの方が良い。今のシリアスな場面ならば尚
のこと、不条理ともとれるインパクトの強い言葉の方がが良い。それだけでなく甘いもの
を摂取することによって脳や心がリラックスするし、笑ったことによって諺パワーで福が
来るかもしれないのだ。ここまで配慮されたものを瞬間的に思い付くなんて、僕は自分の
才能が恐ろしい。いや、ここまで引き出したツルとの愛の力だろうか。
 数秒。
 ツルは道端の排水溝に唾を吐き捨てると、横目で睨みつけてきた。昨日ホテルでは美味
そうに食っていた筈だったが、飽きたのだろうか。この抹茶味というのも悪いかもしれない。僕は和風のものが好きなの
で大丈夫だが、洋菓子派のツルからしたら気に入らない部分があったのだろうか。
 恨めし気にこちらを見ていたツルだったが、何だかんだ文句を言いながら僕からおたべ
を奪い取ると食べ始めた。噛む動作にも一々怨念が感じられることには、敢えて触れない
でおいた方が良いのだろう。流石にこれ以上の腹パンチは堪えるものがある。
「しかし本当に、ここどこよ? まさかこんな人の多い町中で遭難するとは思わなかった
わよ、疲れたしもう最悪。カメ、何とか出来ない? その無駄なエロパワーとか使って」
311 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:24:22 ID:k0OYEnE2
 甘いものを食べたというのに、回復するどころか一層やさぐれているような気がする。
ツルは溜息を吐きながら石垣に寄りかかると、目を眇めて空を見上げた。曇一つ無い空は、
順調に行っていたなら、さぞ綺麗なものに見えただろう。しかし今の精神状態で見ると、
かなり馬鹿にされているように思える。
「馬鹿みたい。ね、カメ。せっかく京都まで来たのに何も見れないで、更には遭難とか」
「おたべ食っただろ」
 逆に言えば、それくらいしかしていないけれど。
 だがツボに填ったのか、ツルはおかしそうに肩を揺らして僕の顔を見つめてきた。
「何か、逆にそっちの方が私達らしいね」
 そうかもしれない。
 電子音。
「誰だ?」
『いつまで待たせるつもりよ、この遅漏。脳年齢に体が追い付いてきたとか? そのまま
老化現象進みまくって衰弱死すれば? 二酸化炭素の排出量が減るし』
 そこまで一気に巻くし立てられ、何故か一方的に電話を切られた。コイの方からかけて
きたというのに、この理不尽な対応にはどうしたら良いのだろうか。意味がさっぱり分か
らず、不思議そうに視線を向けてくるツルに対して首を振った。こればかりは、僕も説明
の仕様がない。しかし、今更過ぎるが携帯を使うべきだった。僕とは正反対で、一度見た
だけで場所などをある程度理解することが出来るセンスならば助けてくれるだろう。日本
文化を学べると言って楽しそうに地図とパンフレットを見ていた彼女なら、少しくらいは
道を外れていてもフォローしてくれるに違いない。
 メモリからセンスの番号を呼び出し、発信する。こちらからの連絡を待っていたのか、
僅か3コールで繋がった。すぐに彼女独特の発音の日本語が聞こえてくる。
「おぅ、ワシだワシだ。そう、お前のグランパじゃわい」
『……切っても良いデスか?』
 何て酷い娘だ。
「待ちなさい、道に迷ったんだ。ちょっと助けてくれ」
『タクシー乗ってこいよ、俺らもそうだったし』
 畜生、だから駅の近くに居なかったのか。
312 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:26:12 ID:k0OYEnE2
 十数分。
「待たせたな……ツル、吐くなよ?」
 今日二度目の乗り物酔いにふらつくツルを支えながら映画村に入ると、着物を着た皆が
出迎えてくれた。和服は基本的に乳がでかい人には向いていない筈なのだが、何故かコイ
もセンスも普通に似合っている。巨乳和服も中々エロい感じで良いものだ、谷間が見えず
とも充分に見て楽しめる。当然のように水樹は女ものの着物を着ているが、何の違和感も
無い。と言うか、四人の中で一番似合っている。乳が無いからということもあるが、水樹
の家は女形をやっているので慣れているからというのもあるだろう。そもそも、こいつが
女装をしているのも家の仕事が原因だ。家業は兄に任せる予定らしいが、それでも女装を
続けているのは元来真面目な性格だからだろう。
 そして一番面白いのは、
「おぃ、何だよそのバテレンは?」
 一真の格好だ。
 不良じみた顔付きのせいで今にも人に斬りかかろうとしている浪人風になっているし、
何よりこんな場所でも外さない十字架のせいでキリシタンのように見える。総合的に見て
みると、今にも島原の乱に参加しそうなヤバい外見になっているのだ。一真も自分で気に
なっていたらしく、こちらを一度睨み付けるとそっぽを向いた。
「カメ、言っちゃ駄目だよ。さっきも散々言われてたんだから」
 やはり皆そう思ったらしい。何気に全員口が悪いから、傷付いていたのかもしれない。
「すまん」
「気にするな、この十字架は俺の誇りだ。それより早く着替えてこいよ」
 そうしよう。
 数分。
「恐ろしい程似合わないな、お前は」
 侍風の衣装に着替えて皆に見せると、一真がぼそりと呟いた。自分でも似合っていない
のはよく分かっている、姿見の前に立ったときにそれは確認した。似合っているかどうか
という話だったら、まだ一真の面白い組み合わせの方が本物らしいだろう。しかし他人に
言われるのは、分かっていてもかなり傷付く。皆にバテレン呼ばわりされた一真も、多分
こんな気持ちだったのだろう。さっき笑ったことを深く反省した。
313 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:27:52 ID:k0OYEnE2
「それにしても、昔の日本は凄いデス。建物も不思議で、それに密集してて活気がアって」
「楽しいか?」
「はい、とても。向こうに居た頃から、ここには是非来たいと思ってマシた。田舎だった
ので、こんな風に独特の文化を知る場所も少なくて、だから嬉しいデスよ」
 やはり日本慣れているように見えても、センスは外人だということか。通行人を見ては
驚き、水樹に色々と尋ねている。無邪気というか素朴と表現するのか、久し振りにセンス
のそんな場面を見たが可愛いと思う。外見は年相応以上だが、表情はまるで幼い子供だ。
好奇心に身を任せて楽しそうにしているのを見ると、素直な良い娘だと思う。
 それにしても、ツルはまだだろうか。僕より早く衣装を選んですぐに着替えに行った筈
なのだが、やけに時間がかかっているようだ。元々着替えがあまり早い方ではないけれど、
それでもここまでかかるのは不自然だ。もしかして、何かあったのだろうか。
「おまたせ」
 建物の陰に隠れるようにして、こそこそとツルが顔を見せた。しかし肝心の着物を見せ
ようとせず、こちらを伺うようにその場を動かないでいる。恥ずかしいのだろうが、ここ
ではそんなに臆することも無いと思うのだが、どうしたことだろうか。
「早く来いよ。僕はツルの着物姿が楽しみで来たようなもんなんだ」
「笑わない?」
 何を笑うことがあるのだろうか。ツルの着物姿だ、愛しく思うことはあっても小馬鹿に
する要素などがある筈もない。それなのにツルときたら、睨むようにこちらをじっと見て
いるだけで、一歩も動く様子がない。どうしても見られたくないらしい。
「ツル、僕や一真より酷いものは無いだろ。だから怖がるな」
「笑わないでね、絶対よ?」
 頷くと、漸くツルが出てきた。あまりの似合いっぷりに、一瞬驚いてしまった。凹凸の
無い体型なので不自然な部分は欠片も無いし、寧ろ僕の中では水樹を抜いて一番になった。
気恥ずかしさの為か赤くなっている顔を袖口で隠しているのも奥ゆかしく、一歩踏み出す
度に僅かに覗くふくらはぎなどはもう、堪らないものがある。しかもどこかで見たような、
そんな懐かしい雰囲気まで漂わせているのだ。日本人の遺伝子は、確かに僕の中にある。
314 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:29:32 ID:k0OYEnE2
「呪われそうだな、おぃ」
「そうね、髪とか伸びそう」
 そりゃ生きているんだから、髪くらい伸びるだろう。しかしそうか、どこかで見たこと
があると思っていたら、婆さんの家にあった市松人形によく似ている。どんな仕組みなの
か髪が伸びる不思議なもので、幼い頃はよく床屋さんごっこに使っていたものだ。どれ程
カットしても翌日には戻っていたので、気に入っていた記憶がある。あれは僕が小学校を
卒業した年に四隅に塩を盛った倉の中にしまわれたが、どれ程伸びているか気になった。
今度婆さんの家に行ったら、また見てみたいと思う。
「子連れ狼みたいデスね」
 恥ずかしがって僕の背後に隠れた隠れていたツルが、身を小さく震わせた。大五郎とは
性別が逆だが着物のせいか妙に幼く見えるツルと、逆に妙に老けて見える僕の組み合わせ
では、そう見えるかもしれない。最近時代劇にハマったらしいセンスから見れば、素直に
頭に浮かんできたのだろう。因みに侍で思い出したのだが、センスは空手だけでなく剣道
と弓道の黒帯も持っており、近中遠距離全てに対応出来るオールレンジな武闘派らしい。
アメリカ産のくせに、やたら日本人じみている武闘派も居たものだ。
「子連れ狼」
 確認するように呟き、服を握る力が強くなった。
 不味い。
「子供で結構よ、この巨乳!!」
 これは、泣く。
 慰めようと思ったが、当のツルは駆け出していた。僕も慌てて追い掛ける。
「来ないでよ変態、幼い子供を追っかけやがってこの馬鹿!」
 畜生、無駄に足が早い上に妙な暴言まで吐きやがる。だが僕は変態ではないし、ツルも
子供ではないので構わずに追い掛けた。僕は男の子だ、こんなときくらいは意地を張って
も良いだろう。ツルは女の子だし、恋人である僕が慰めなければいけない。いや、性別や
恋人がどうのこうのではなく、僕が純粋に側に居てやりたいと思う。
315 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:30:50 ID:k0OYEnE2
 それなのに、
「このスプリンターめ」
 同じ帰宅部のくせに、この差は何なのだろう。着物に下駄というハンデをものともせず、
草履の僕よりも格段に早い速度で走っている。おまけ何分も全力疾走しているせいで息が
切れて、本当に変質者から逃げ惑う幼女の構図になってきた。
「止まれコラァ!!」
「止まらないわよ馬鹿ァ!!」
 こちらを振り向いて叫んだのが悪かった。ツルは石に跌くと、まるでミサイルのように
水平に飛んだ。猫科の獣のように空中で身を捻って着地したが、今度はバランスを崩して
尻餅をつく。情けない話だが、そこで漸く僕は追い付いた。
「何で来るのよ、馬鹿みたい」
「馬鹿で結構だ。僕は馬鹿でもツルの彼氏たからな」
「うっさい馬鹿」
 言いながら立ち上がろうとするが、再びバランスを崩して僕の胸に倒れ込んだ。足元を
見ればお約束のように鼻緒が切れている、これでは歩けないだろう。
 僕はツルを抱き抱えると、近くの茶屋に入った。もがくようにツルは暴れたがこの程度
のことは日常茶飯事だ、上手くいなしながら個室に入ると畳敷きの床に放り投げた。店員
のお姉さんに適当に注文をすると、改めてツルに向き直る。
「ツル、あれはセンスが悪いけどな、ツルもキレ過ぎだ。今は取り敢えず頭を冷やして、
それからちゃんとしような。分かったか、返事は?」
 小さく答えると、ツルは上目遣いでこちらを見上げてきた。
「カメって、たまに超真面目よね」
 失礼な、僕はいつでも激しく真面目だ。
 運ばれてきたモナカを食べつつツルを見ていると、帯がほどけかけているのに気付いた。
先程転んだときにやったのだろうか。ツルは気付かない様子でヨウカンをちまちまやって
いるが、このままではいけないだろう。仲直りなのだから身なりをきちんとしておいた方
が良いし、そちらの方が後で遊ぶ分に問題も少なくなる。しかしこれをきちんと直すには、
一旦ほどかなければいけない。これをどう切り出すべきか。
316 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:32:48 ID:k0OYEnE2
「なぁ、ツル」
「何よ?」
 焙じ茶をすすりながら、睨むようにこちらを見てくる。
「帯グルをやろう」
 素直に言うよりも、少し遊び心を加えた方が安心出来るだろう。後は元気になったツル
の帯を僕がほどけば完璧だ。そして半裸姿を堪能し、最後は笑いながら着衣を正せば良い。
迷子になったときのフォローといい、今日の僕は本当に冴えている。
「……良いよ」
 暫く悩んでいた様子だったが、ツルは躊躇いながらも頷いた。僕はテーブルを隅の方に
寄せると、立ち上がったツルの帯の端を引っ張りだす。そして迷うことなく、勢い良く帯
を引いた。後は慣性に任せ、ツルの体が回るだけだ。
「どうしたの?」
 動かない。
 やけに素直だと思っていたが、体は正反対。力の限り抵抗している足元から視線を上げ
ると、悪どい笑みを浮かべているツルの顔があった。どうやら簡単に回させてくれる気は
全く無いらしい。ここまで来て、なんというどんでん返しだろうか。
 だが帯グル遊びは僕が密かに憧れていたものの一つだし、諦める訳にはいかない。ツル
がこんな態度を取るというのなら、僕も目標達成の為に頑張らせてもらおう。
 僕は右手を帯から離すと、それを襟の合わせ目に突っ込んだ。着物なので着けていない
だろうと思っていたのだが、残念なことに指先にブラが当たった。パンツを穿いていたの
は運んだときに確認していたのだが、まさかこっちもだとは思わなかった。しかし小さく
とも乳は乳、胸が特に弱いツルなので仕方がないかもしれない。擦れると痛かったりする
のは僕には分からない感覚だが、夏にぼやいていたのをよく覚えている。熱くてうっとい
のをとるか、擦れて痛いのをとるのか、真剣に悩んでいたツルは可愛かった。そんな姿を
思い出しながらブラの中にまで指を潜り込ませて、先端を指先で刺激する。ツルはつまむ
よりも擦る方が感じるらしいので、こねるようにして転がした。
317 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:35:18 ID:k0OYEnE2
「ちょ、駄目」
 脱力した瞬間を見計らい再び帯を引くと、今度は片手だというのに簡単に回った。回転
に合わせて裾や綺麗な黒髪が翻り、実に愛らしい。胸への刺激だけでなく三拌器官の弱さ
もあり、完全にほどけると床に倒れ込む。締めていた帯が無くなったせいで前面がはだけ、
薄い胸や黄緑色の下着が視界に入り込んでくる。肩で息をしながら潤んだ瞳で見つめられ、
僕は思わずツルの上に覆い被さった。唇を合わせると、途切れ途切れな息が熱く喉を焼く。
「……頭冷やすのに、もう少し時間が必要みたい。だから、ね」
 それ以上の言葉はいらない。
「着物って、普通は下着付けないんだよね?」
 それに応えるようにもう一度唇を重ね、舌を割り込ませ、絡み合わせる。手指を腰骨の
辺りで滑らせ、擽るように動かしながら背骨のラインに合わせて上へと這わせていった。
やがてホックに辿り着く。視線で許可を貰って、ホックを外してブラをずり上げた。体は
もう反応していて、既に先端は固く立っている。いつもならば胸をいじるところだが今は
平日の真っ昼間な上に、部屋は茶屋の個室だ。あまり大きな声を出すのは不味いので、唇
を重ねて背中を撫でた。胸程ではないが、敏感なツルは背中でも充分に反応してくれる。
首筋に舌を移動させようと思ったが、少し考えて止めた。夜はホテルの大浴場に入るので、
クラスメイトに見られるかもしれない。そうなったら恥ずかしがり屋のツルは困るだろう。
その代わりに普段よりも強く舌を絡め、口内を貪っていく。
「何か、いつもと、違う」
「ほら、場所が場所だし」
 それでも止められない僕は馬鹿だろうか、いや違う。これは僕の責任だが、この行為は
ツルへの愛があってこそのものだ。はだけた和服がエロ過ぎるからとか、そんなやましい
考えは半分程しかない。僕は残りの半分を重視するタイプなので大丈夫だろう。
318 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:36:45 ID:k0OYEnE2
 エロさ関係のマイノリティ意見を自覚して、背骨に指を走らせる。突然の刺激の変化に
ブリッジ状態になり、そこで胸が擦れたのかツルは高い声を出した。慌てて唇を重ねて声
がこれ以上漏れないようにするが、スイッチが入ったらしいツルはいつもの半マグロ状態
と違い積極的に体を押し付けてくる。綿のざらついた生地が気持ち良いのか胸を押し当て、
まるでマーキングでもするかのように執拗に体を擦っている。普段のものも悪くはないが、
これはこれで艶めかしい感じで堪らない。先程のように背中に指を走らせ、肋骨を通って
腹まで動かす。臍の周囲に円を描くようにすると、大きく体を震わせた。
 不意に、太股に濡れた感触が着た。視線を向けてみれば、ツルが股を僕の太股に擦って
いる。クロッチ付きだが、それをも越して滲み出ている密が袴に薄い染みを作っていた。
幸いなことに袴の色が濃いのでよく見ないと分からないが、耳を澄ませれば独特の粘着質
な水音が聞こえてくる。太股を離して指先を股間の布に押し当てると、一気に滲んだ愛液
が指先に絡み付いてきた。文化祭のときに気付いたが、ツルは特殊な状況では愛液の量が
普段よりも多くなるらしい。更に指で擦ったせいか、どんどん量が増してくる。
「ねぇ、着物には、下着、付けないん、でしょ?」
 耳元で囁かれ、我慢のリミッターが壊れてしまった。
 下着を取り去ると、僕は固くなった暴れん棒将軍閣下を割れ目に押し当てた。密の量が
多いせいか、普段と違い僅かに力を入れただけで根元まで飲み込まれる。それに押し出さ
れるように潤沢な愛液が溢れ出して、綬絆の上に水溜まりを作った。防水性が高いらしく、
下に染みずに広がっていく。それを見て、僕は少し安堵した。
319 名前: 『ツルとカメ』×21 [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:37:29 ID:k0OYEnE2
 そして遠慮なく腰を動かし始める。
 一突きする度に小さな体は揺れ、目尻に大粒の涙を浮かべて悶えている。僕は口の端を
伝う唾液を舌で拭うと、そのまま上へと滑らせて涙を舐め取った。舌を顔から離すとツル
は首を引き寄せ、舌を伸ばして唇を舐めてくる。そのまま口の中へと侵入してきた舌は、
先程の涙を味わおうとしているように口内全てを舐め取ってくる。僕の溢れてくる唾液を
舌で絡め取ると、喉を大きく鳴らして飲み込んだ。その間もツルは僕に体を擦り付けるの
を忘れずに、寧ろより激しく腰を動かしていた。
 奥まで竿をねじ込むと、達したらしく締め付けが強くなった。その刺激で、僕も一番奥
の部分で精液を放出する。貪欲に動く膣内のひだが、残った全ての液を絞り出してくる。
割れ目から引き抜くと、鈍い音をたてながら大量の白濁した液が溢れ落ちてきた。普段と
違う場所で興奮していたのは、僕も同じだったらしい。
「頭、冷えたか?」
「……うん、ごめん」
 ハンカチで割れ目を拭きつつ、僕は隅に置いた帯を見た。
 ふと、疑問が沸く。
「ツル、自分で帯結んだよな?」
 ツルは首を降った。
 どうすれば良いのだろう、僕は帯の着付けなど出来はしないのに。
320 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:38:54 ID:k0OYEnE2
今回はこれで終わりです

>>291
落ち着きなさい
俺も初めてのBLではそうでした

>>292
一種のトラウマだったからな
そりゃ気合いも入ろうよ

>>293
多分ちんこ描写が少ないから
あとそんな言葉には反応しない。ぷにぷに。

>>294
801らしくない書き方をしたからな
内容は普段と同じだし

>>295
俺々、俺はここに居るよ
ぷにぷに。

>>296
ぷにぷに。
さわさわ!?

>>297
本当に初めてですだよ
クオリティの話は、その、何だ。照れる

321 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 01:40:11 ID:k0OYEnE2
>>298
すまん

>>299
ごめん、俺アホじゃけぇ
そっちの話はよく分からん

>>300
ぷにぷに。

>>301-304
ボッキーでポ……すまん、疲れてるんだ
こんな色んな意味の糞駄洒落とか駄目だ俺

>>306
明日は休み!!
庭にある大量の木で癒されてくる

>>307
メインヒロインはツルだし、小五ロリで良いんじゃね?
あの考えはマジでヤバい



水樹の話で一番レスが多いなんて、最近の若者はよく分からん
と言うか、スレ違いどころか板違いすまんかった
322 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 04:35:04 ID:yNOETnuJ
リアルタイムじゃないがGJ!!
ツルは一回ぐらい巨乳にして夢みせてあげようぜ?
323 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 07:28:47 ID:wy0JBH4e
こいつぁ朝から眩激にGJ!
それにしても

>「帯グルをやろう」
明らかに論理回路がショートしてるだろwww
では久しぶりに投函。


つ[]<ツルを巨乳にしてあげて
324 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 09:25:15 ID:3NjprBQ1
かわいい男の子を探す旅には出ないで、ロボ氏を嫁にします。

着物を着崩すなんてけしからん!たまらん!GJ! 
つ[]<水樹もパンツはいてないのかな? ちょっと おじさんに みせてごらん ぷにぷに。
325 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/19(金) 09:26:04 ID:3NjprBQ1
[]<着物の下にね。
326 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/20(土) 00:41:01 ID:lewuAb8b
つ[] ツルをぷにぷににしてあげてくださいぷにぷにに

ぷにぷにに
327 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/20(土) 23:22:50 ID:u4OR7Qmp
2chにアクセスしづらかったのは、ツン指数が上がったからだろうか。
328 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/21(日) 14:45:02 ID:f+zbS1JO
ロボさんGJ!
出来れば水樹との帯グ……何でもない

つ[]水樹ってトイレのときどっちに入るの?
329 名前: 名無しさん@ピンキー [sgae] 投稿日: 2007/01/22(月) 01:31:44 ID:rvj7OxNf
このスレの保管庫ってあります?あったら見たいんですが・・・・
330 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:16:57 ID:LmMEUhhQ
投下しますよ
331 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:17:55 ID:LmMEUhhQ
 電子音。
 ぼやける視界に入ってくるのは、長い黒髪。そこから下に続くのは背の低い、幼い体だ。
秋も深まってきて気温も下がり、寒さに弱い僕には人肌の体温が何とも気持ち良い。昨日
はエロ運動をしていなかったけれど、ツルも何だかんだで肌が恋しくなり、ついこちらに
来てしまったのだろう。僕としては構わないと言うか、寧ろ喜んで受け入れたいと思う。
普段は強情を張っているツルがこうして甘えてきてくれるのは、世界的に幸福なことだ。
 そんなことを考えながら、僕はツルの乳を擦った。いやらしい理由からではない、最近
の寒さに対抗する為だ。ツルも僕と同様に寒さにあまり強い訳ではないから、あまり体を
冷やしてしまうのは良くない。女の子なのだから、取り返しのつかない一大事になるかも
しれないのだ。そんなことを避ける為に、僕は念入りに揉みほぐす。
 いや、こんなことでは生温い。
 眠気でぼやける思考を全力で回転させ、そして結論した。
「脱ぐしかない」
 冬山では遭難したときの最終手段として、人肌で暖めるという手段が存在する。僕達は
今も密着しているし、体温も伝わってくるが、直に触れ合った方が熱伝導の効率が良いに
決まっている。こうすれば、より暖まることが出来るだろう。
 決まったら、善は急げだ。僕は高速で服を脱ぐと、ツルを抱き寄せた。ツルは恥ずかし
がるかもしれないので無理に脱がせることはしないが、その代わりに寝巻き代わりに着て
いるYシャツの隙間から腕を侵入させる。こうして地肌を直接触れ合わせれば、人の温度
は伝わっていく筈だ。勿論、胸や腹を撫でるのも忘れていない。
332 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:19:30 ID:LmMEUhhQ
 まだ寝ているのだろうが、ツルはもぞもぞと動いて僕のものを太股で挟んできた。体は
自然と温度の高いものを選んでいるのだろうか。朝の生理現象によって元気になり、血液
が集まっていることで高い熱量を持つそれを自分の股間に押し付けるようにしている。
 快い、と思いながら胸を軽く揉んでいると、一つ違和感に気が付いた。
「少し大きくないか?」
 僅かな差だが、少し大きくなっているような気がする。一昨日に触ったときは、完全に
0だった筈だ。しかし今は、ほんの少しだが山が出来ている。角度にして一桁だろうが、
何だかツルではないような気がするのだ。おかしいと思いながら腹を撫でていた手を腰に
回すと、やはり僅かではあるがくびれのようなものがある。これも一昨日までは、完全な
ずんどう。と言うか、幼子特有のぽっこりお腹だったような気がするのだ。
 疑問に思いながらも、行為は止めない。これはきっと、僕からの愛が結果に結び付いた
のだと解釈して続けてゆく。第一、この家の中では他に人は居ない。だから、相手はツル
しか有り得ない。消去法で考えれば、これしか無いだろう。
「ん」
 寝返りを打ち、穏やかな眠り顔が見えた。
「朝から元気なのは良いが、何故裸なんじゃ?」
 ミチルだった。
 最近は人間の姿になることも少なく、そのときもエロボディの状態で過ごしていたので
すっかり忘れていた。そういえば、最初に人間の姿になったときもミチルはこの幼児姿を
していたのだ。しかし何故今更この姿なのだろうか、紛らわしいにも程がある。
「大体、何で人間モードなんだよ?」
「夜中に少し小腹が空いての。いつものメシも無くてな、そこの土産を食う為に」
 今度から餌はなるべく多目に用意しておこう。
333 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:20:48 ID:LmMEUhhQ
 ともあれ、相手がツルでなければこれ以上は良くない。僕は布団を剥がすと伸びをして、
ゆっくりと立ち上がった。全裸だが、たまには全身で朝の空気を浴びるのも悪くない。
「カメ、朝よ」
 思考が凍りついた。
「待て、開けるな。僕は今全裸だ」
「いつものことでしょ?」
 ツルが部屋を開け、今度は思考だけではなく部屋の空気も凍りついた。
 思考を整理する為に、僕は部屋の状況を再確認してみる。
 部屋の中央に立ち、ベッドに向かっている僕。その先にはYシャツ一枚、しかも今更に
なり気付いたのだが、何故かノーパンのミチル。勿論手を出そうとしているのではなくて
必死に隠そうとしていただけなのだけれど、幼女を襲おうとしているように見えないこと
も無いだろう。何せ朝の生理現象によって、股間は元気になっているのだ。更にはツルは
幼女ミチルのことを知らないので、未成年略取の疑いもかかっている。これは不味い。
「待て、落ち着け」
「私は落ち着いてるわよ、落ち着かないのはカメのちんこでしょ?」
 いかん、落ち着いていない。
「ここで三択。警察、病院、鋏、どれにする?」
 どれにする、と言いながらツルの手は既にペン立ての鋏に向かっていた。その間に舌が
軽く鳴っているが、これは時間制限などではなく苛立ちによる舌打ちだ。いや多分これは
時間制限でもあるのだろう、僕が地獄に落ちる時間の。
「早くしなさい」
 時間の経過と共に眉を立てながら、今度は鋏までもを鳴らしてゆく。金属が冷たい音を
たてながら擦れあい、悪夢のような旋律を奏でていた。恐ろしすぎる、何故こんなことに
なったのだろうか。僕は何もしていないというのに。
「いいか、ツル。よく聞け。こいつは亀のミチルだ」
「あんたのミチル? 既にお試し後か、この変態野郎!!」
 上手く意図が伝わってない!!
334 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:23:11 ID:LmMEUhhQ
「だから、ペットのミチルだよ」
「ペット!?」
 待て待て死ぬ死ぬ鋏は危険だ!!
「普段ポケットに入ってるアイツだよ」
「そう、必要なのは病院ね。ついでに脳と去勢の手術を」
「落ち着け娘」
「何よ?」
 ツルが視線を向けた直後、ミチルの体が白光に包まれた。次第に小さくなり、やがて光
が弾けると普段の亀の姿が露になる。ミチルは僕とツルの姿を交互に見ると、再び体を光
で包んで、幼児の姿になった。一連の光景を見て、ツルは納得したらしい。
「どうして先に言わないのよ?」
 言ったのに、勘違いしたのはツルだ。
「誤解を与えたのは儂が悪かった、カメを責めないでやってくれんかの。娘、願いを一つ
叶えてやるから上手いこと手打ちにしてくれんか?」
「巨乳にしてくれ!!」
 思わず叫んだが、ミチルとツルの冷たい視線が帰ってくる。
 数分。
 頭を捻っていたツルだが、何かを小さく呟くとそっぽを向いた。どうやら願いを言った
らしいのだが、聞き取れなかった。一体、何をお願いしたのだろうか。
「それで良いのかの?」
 どうやらミチルは聞き取れたらしいが、妙なものだったらしい。何やら複雑そうな顔を
してツルと僕を交互に見ると、溜息を一つ吐いた。僕が再度ツルを見ると、顔を耳まで赤
く染めて視線を床に向ける。どれだけ恥ずかしいものだったのだろう。
「何なんだよ?」
「……ぅ」
 聞き取れない。
「巨乳だっつってんのよ馬鹿!!」
「それで良いんじゃな? いくぞ? マジカル☆ミラクル☆おっぱいボイーン☆」
 何て最低な呪文なんだろう、寒気がした。ツルなどは顔を掌で覆って、しゃがみ込んで
しまった。まぁ仮に僕がツルと同じ立場でも、そうしたかもしれない。こんなアホな言葉
で乳を大きくされるくらいなら、現状維持の方がマシかもしれない。
335 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:24:13 ID:LmMEUhhQ
 数秒。
 妙な間が開いた後で、ツルの胸が白光に包まれた。そして光は大きくなり、弾けると、
ツルは見事な豊乳となっている。 シャツが何とも苦しそうだ。
 僕は頷き、乳を鷲掴む。
「こら、いきなり過ぎよ馬鹿」
「動くな」
 ツルは普段は小さな体を少しでも大きく見せたいのかサイズが幾らか上の服を着ていて、
今は乳が大きくなったことで丁度良く見える。だが安心するのは良くない。こんなに巨乳
になったからには、何らかのペナルティが付随してきてもおかしくない。良いことだけが
ある、なんて上手い話がある訳がないからだ。それに仮に何の異常が無かったとしても、
まだまだ問題がある。漫画などでは過食により体の幅が急激に増えて、服の釦が弾け跳ぶ
といった表現が存在するし現実でもまれにある。今の乳の急成長から考えて、その可能性
が無いと言いきれないだろう。家の中でなら僕が嬉しいだけだが、外に出たらそうもいか
ないだろう。ツルは恥ずかしい思いをしてしまうし、下手をしたら捕まってしまう。
 だから、念入りに調査する。
 案の定シャツの前面は、釦が今にも飛びそうな状態だ。全く、けしからん乳だ。それに
今日は見栄っ張りブラではないのでホックも外れている。壊れている可能性もあるので、
後で買いにいかなければならないだろう。取り敢えず今は着けていても意味が無いので、
襟口から手を差し込んでブラを引き抜いた。
336 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:25:55 ID:LmMEUhhQ
「こっちも青か」
 まるで海のような包容力を持っていると主張しそうな色だが、今のミラクルバストには
敵わなかったようだ。当然だろう、ツルはそんなちっぽけなもので収まるような小物では
ない。宇宙を表現しているような、黒の見栄っ張りブラなら大丈夫だったかもしれない。
体の異常が無いかブラの匂いを嗅いで確認。ツルが妙な視線をさっきから送ってきている
けれど、直で乳の匂いの確認をするような変態行動よりはましだろう。因みに異常は確認
されなかった、喜ばしいことだ。何かあったら乳を楽しむどころではない。
 僕はブラを頭に被り、調査を再会する。これも変態行為ではなく、実益を兼ねたものだ。
肩から近い位置にあるので有事の際もこれならばすぐに手に取ることが出来るし、体に常
に触れていることにより無くしてしまう心配もない。今年は例年より寒いらしいので防寒
が必要だし、人肌の温度の布ならば最適な防寒具といえるだろう。最後に乳を持ち上げ、
揉み、擦って、調査は何事も無くして終了した。
 結果、問題なし。
 あると言っても服のサイズが少しキツいというだけなので、非常時には僕のものを着て
もらえばれば大丈夫だろう。安心させる為に僕は笑みを浮かべて、
「何の問題もない」
「あんたの頭が問題よ!!」
 みぞおちに拳が叩き込まれた。
 僕の頭に問題があるというが、どこが悪いのだろうか。少し考え、納得する。僕が頭に
被っているのは、ホックが壊れてしまったブラだ。意外と綺麗好きなツルは傷んだものを
身に着けるのはみっともないと思い、苦言を呈しているのだろう。ツルは料理は苦手だが、
その分裁縫や洗濯などの衣類に関するものは僕よりも遥かに得意としている。そんな違い
からツルなりのこだわりが生まれ、言ってきたのだろう。
337 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:27:40 ID:LmMEUhhQ
「で、儂はもう寝るが構わんな? 物凄く眠いんじゃ、もう寝るぞ」
 大欠伸をして、ミチルは僕のベッドに横になった。そのことでツルは一瞬嫌そうな表情
を見せたが、すぐに諦めたのか吐息をして部屋を出ていった。
「なぁ、ミチル」
「うるさい、起こすな。次に睡眠妨害などしたら、迷わずちんこを破裂させるぞ?」
 恐ろしい。
 ちんこを破裂させられるのは絶対に嫌なので、なるべく刺激しないように部屋から出る。
ドアを開いたときに僅かな音がしたが、幸いなことに軽く舌打ちをされるだけで止まった。
もしあれで破裂させられていたかもしれないと思うと、気が気ではない。
 廊下を歩いていて、ふと思い出した。
「ブラを返さないと」
 ツルの部屋のドアをノックすると、着替えたツルが出てきた。釦シャツ系のものは駄目
だと思ったのか、今はニットのセーター姿。なるほど、これなら伸縮性が高いので多少は
乳がでかくても問題なく着ることが出来るだろう。それにセーターは柔らかそうな印象を
見た者に与えるので、巨乳との外見的相性も抜群だ。流石はツルなだけはある。
「何よ?」
「可愛いな」
 何故か蹴られた。その際に豊かな乳が見事な躍動感を持って揺れ、思わず視線が釘付け
になってしまった。以前ツルが偽巨乳をやったときは大して良いものだとは思わなかった
けれど、ロリ巨乳ではなくツル巨乳だと思えば堪らないものがある。
 僕はツルを抱き締め、そしてベッドに押し倒した。
「ちょっと今は朝よ!?」
「すまん、つい」
 僕はツルから離れると土下座をした。
「頼む、一生のお願いだ!! パイズってくれ!!」
338 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:29:25 ID:LmMEUhhQ
 エロいことをする度に乳が大きくなるようにと努力していた僕だが、最近は諦めかけて
いたのだ。しかもこんな転機が訪れるとは思っていなかったので、同様に諦めかけていた
願いなのだ。この乳がいつまで続くか分からないので、今のこの瞬間を逃してしまったら
次のチャンスは一生来ない気がする。これならば本当に、一生のお願いを使っても文句は
ない。寧ろ今以外に使うことは無いだろう。
 無言。
 一生分を使っても駄目なのか。
「良いよ」
「良いのか!?」
 神は僕を見捨てなかった、ビバ女神!!
「て言うか、一生のお願いをこんなのに使わないで」
 本気で嫌そうな顔をしている。
 了承を貰えたので、僕は遠慮なくツルに唇を重ねた。そしてセーターをたくし上げると、
揺れながら現れた胸に手を這わせる。掌に吸い付いてくるような柔らかな感触は、正しく
巨乳特有のもの。しかも布越しではなく直で揉むと、その柔らかさがよく分かる。少し力
を加えるだけで全体を包み込むような感じで指の間から溢れ、存在を強く主張してきた。
この柔らかさはセンスと同じか、それ以上かもしれない。
 普段と勝手は少し違うが、それでも揉んで刺激していると、いつものようにツルの息が
荒くなってきた。大きくなっても、ここが弱点であることには変わりないらしい。先端を
甘噛み、舌で転がしつつ吸う。赤子のようにそうしていると、不意に疑問が沸いてきた。
「母乳、出るかな?」
「それは、流石に、私も、引く」
 悶えながらも、常識は忘れていないようだ。
 しかし引くと言われても、男には譲れないロマンというものがある。男として産まれた
からには、一度は搾乳プレイをしなければ嘘だろう。赤ん坊の頃の話なので母さんの乳を
吸った記憶は当然無いけれど、以前本で見た記憶を頼りに少し強めに噛んでみた。敏感で
デリケートな部分なので傷は付けられないが、文字通り吸い出すような感じて刺激する。
339 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:30:34 ID:LmMEUhhQ
 直後。
 口の中に甘い味が広がった。牛乳などの強い味ではなく、もっと水っぽい感じのものだ。
舌で受ける感触もそれに近く、さらさらとしていて、それなのに飲み込んでも消えること
なく僅かに香りと後味が口内に漂っている。あまり美味いものではないが、心を強く掻き
立てられるような不思議な風味と、ツルの乳が出したもの
だという意識のせいで次々と飲みたくなってくる。吸う力を強くすれば、その欲求に応え
大量の母乳が吹き出してくる。どんな感覚か分からないが、その度にツルは身を震わせた。
「カメ、あんた、責めすぎ」
 いかん、つい毎回のノリでやってしまった。
 ツルは重く息をしながら上体を起こすと、口で加えてジッパーを下げた。そして下着も
噛んで下げ、僕のものを露出させる。熱くなっている部分が冷たい空気に触れ、それだけ
で何だか気持ちが良い。途切れ途切れにツルの吐く息が当たり、くすぐったかった。
 最初は躊躇うように舌を伸ばし、軽く舐める。そして全体にゆっくりと唾液をまぶすと、
おもむろにくわえ込んだ。身長に比例して小さな口は、きつく、そして熱く僕のドラ息子
を締め付けてくる。上手く収まりきっていないせいだろう、口の端から垂れている唾液が
何とも色っぽい。ツルが顔を動かす度に水音が部屋に響き、鼓膜を震わせてくる。
 軽く弾けるような音をたてて一旦竿を口から引き抜くと、ツルは胸を寄せた。
「ちょっと待て」
 せっかく母乳が出るのだから、これを利用しない手は無いだろう。僕は乳首を刺激して
母乳を出させると、丹念に胸に塗りたくった。特に胸の谷間の部分に多く塗れば、準備は
完了だ。自分の出したものが塗られるのが恥ずかしかったのか、ツルは顔全体を真っ赤に
染めながら僕の上に乗ってきた。
「うわ、熱い。何食べたらこんなになんのよ?」
340 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:32:15 ID:LmMEUhhQ
 憎まれ口を叩きながらツルが体重をかけると、僕のものは胸の間に飲み込まれてゆく。
ツルの唾液と母乳によってぬめり、胸の柔らかさによって緩く包まれる。コイにもパイズ
られたことがあったが、それともまた違う感覚だ。ツルが胸を揉んで、動かす度に言葉で
表現出来ない快感がやってくる。どこで覚えたのか大きく胸を動かされ、先端を舐められ
ると我慢出来ずに腰が動いた。それに気を良くしたのか、
ツルはより胸を動かして亀頭を舌でねぶってくる。
「ツル、凄い、な」
 舌があまり動かず、ろれつがろくに回らない。普段の半マグロ状態になっているときの
ツルの気持ちが、少しだけ分かった。確かにこれは辛い、思考が上手く回らない。
「カメが、変態な、だけ、でしょ?」
 区切りながら言い、一言ごとに強めの刺激を与えてくる。強弱を付けられ、より我慢が
出来なくなってきた。普段ならばまだ大丈夫な筈なのだが、快楽の波によって我慢中枢が
馬鹿になってきている。今にも出してしまいそうだ。
「く、ツル、出る」
 ツルが先端を口に含んだ瞬間、僕は思いきり射精した。一度出し始めると堪えが効く筈
もなく、むせて口を離したツルの顔や髪にも白濁した液が容赦なく降りかかる。
「出しすぎよ、この馬鹿ちんこ」
 言ってから喉を鳴らして飲み込むと、唇の端に着いたものを指先で拭って口に含んだ。
唇から引き抜かれた指の先は唾液で輝いており、それを見て股間が再び元気になってくる。
「わ、また」
 今度は普通にプレイしようか、と考えながら髪に着いたものを拭いていると、突然部屋
のドアが開いた。視線を向ければ、不機嫌そうな目をしたミチルが仁王立ちをしている。
「うるさい!! 起こすなと言ったじゃろうが!!」
 振り上げられた手にあるのは、陽光を鈍く反射する鋏。
「遊ぶのは良いがの、少しは静かにせんかあぁァ!!」
 怒鳴り声と共に、凶器が飛来した。
341 名前: 『ツルとカメ』×22 [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:34:08 ID:LmMEUhhQ
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「て言うか、これって前のパク……」
亀「黙れ。葉書が来たから仕方ないんだ」

>>322
水「なったね、あたしは現場に居なかったけど」
亀「あれは良い乳だった。昼には戻ったのが残念だ」

つ[]ツルを巨乳にしてあげて
水「ほら、カメが普段乳がどうとかばっかり言うから」
亀「行動もしてるから問題ない。吸ったり揉んだりと努力はしているからな」
水「人としてどうなの!?」

つ[]水樹もパンツを〜
水「穿いてるよ、見せないけど」
亀「普段はボクサータイプで、たまに女物を穿いてるよな」
水「言わないでよ!!」

つ[]着物の下にね
亀「穿いてなかったな」
水「え、だって下着の線とか見えるの嫌だし」
亀「ははは、ノーパン野郎」

つ[]ツルをぷにぷにに〜
亀「元からぷにぷにだぞ、最高だ!!」

つ[]水樹ってトイレの〜
水「あたし男だよ!?」
亀「でも毎回個室だよな。個室に固執」
水「カメってたまに酷い駄洒落言うよね」
亀「黙れ。そういえば一回全部の個室が埋まってて、普通にしたことあったな。あのとき
  後ろから見たが、恐ろしい程の衝撃を受けた。あれはない」

水「ところで、何でMCがあたしとカメなの?」
亀「エロシーンが一番人気だったから」
水「サブキャラな上に男の子なのに!?」
342 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 00:35:20 ID:LmMEUhhQ
今回はこれで終わりです


久し振りにカメのエンジン全快
馬鹿思考は書いてて楽しいものですよ?
343 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 01:38:47 ID:omhfMYPr
誰GJ!
もはや暴走が通常運行になったな。
344 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 02:52:43 ID:D6+sRwus
困ったな、今回全然変態っぽくないような希ガス充満。
俺も遂に毒されてきた模様。
345 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 03:16:15 ID:SGyJtcyA
GJ!!

今回のカメ見たときに気持ち悪っ!と言ってしまった俺は多分負け組。
ロボ氏、これからもがんばってくださいな。

あ、ちなみにミチルさん、好きです
346 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/25(木) 10:26:25 ID:xwHXRBFK
ミチルと水樹を選べと言うのか・・くそう・・・

間をとってロボ氏を嫁に(ry   GJ!
347 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/27(土) 00:35:35 ID:RuYfgNZz
じゃあバイリンガルな俺がセンス頂いていきますね。
348 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/28(日) 04:16:22 ID:EQBivkMu
じゃあバウリンガルな俺が犬耳ツルを
349 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/28(日) 22:28:44 ID:DNwKctGl
あ、俺誕生日だ
350 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/28(日) 23:03:49 ID:1W8fgg0N
誕生日おめでとう

俺の誕生日は今年の国立後期受験とかぶるから困るwww
351 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/29(月) 11:12:57 ID:fcmq+4TF
ヒント:21禁
352 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/29(月) 11:15:50 ID:osASMCoI
つ 試験官
353 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/29(月) 11:24:00 ID:fcmq+4TF
なんという柔軟な発想・・

誰の胸くらい柔軟だろうか
私の発想はツルの胸
354 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/29(月) 11:35:14 ID:uuz8N/5K
どうみても試験官じゃないだろ、常識的に考えて…
355 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/29(月) 11:40:44 ID:5T0EfkBR
三浪とレスするもんだと思ってた俺の予想の斜め上を
356 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/29(月) 11:50:14 ID:PmfUJz+B
試験官を試験管と読み違えてニヤニヤした俺はいったい
357 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/29(月) 14:37:29 ID:+4y5EUiI
試験管ベイビー?

あの言葉が流行ったのって何年前だっけ?
358 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/30(火) 20:56:37 ID:l3NTbQxP
新ヒント:国家一種も国立試験
359 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/30(火) 22:48:31 ID:tPq/ILrC
後期があるのか?
360 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 01:24:24 ID:lrfnshfa
単純に日程が同じなだけだと思ったが。
361 名前: 350 [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 08:45:58 ID:8w0l9HLZ
いやまぁ大学受験ですよ
ついでに現役です(ぉぃ

21禁.........3回留年したということで(汗
362 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 08:51:22 ID:d5gyGDq+
帰れ。
363 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 11:27:47 ID:wtfIPIPt
かえれっつの
364 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 11:52:40 ID:Hxs5jnlM
あとわかりました、すいませんみたいなレスもいらんからな
365 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 14:27:05 ID:eUslNg93
>>362-364
なんというツンツンっぷり……
366 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 17:00:38 ID:Brt5knNK
帰れ帰れ
367 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/01/31(水) 18:33:07 ID:qGC+F43M
『大人になるまで待っててあげるから・・・///』っていうデレはないんすかw
368 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:26:51 ID:BnvtkLlm
投下しますよ
369 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:27:43 ID:BnvtkLlm
 いつもの通りに早めに家を出て、早めに教室に入る。電車を使えば急がなくても良いし
安全だ、と普通の人ならば思うのだろうが、乗り物に弱いツルの為を考えれば電車などは
言後道断。無事に学校に着くのは物理的に不可能だ。だから早めに登校しているのだが、
今日は早めと言うよりは早すぎだったらしい。教室に誰も居ないのは普段通りだけれど、
十五分を数えても誰も入ってこない。窓の外からは野球部やサッカー部、陸上部の掛け声
が響いてくるが、予令が鳴るまで入ってこないだろう。
「暇ね」
「そうか?」
 僕はツルが隣に居ればそれだけで楽しいのだが、ツルはそうでもないらしい。僕一人で
楽しむのも申し訳ないし、ここは何とかして楽しんでもらう方法を考えなければいけない。
やるからには僕は本気だ。高校生らしく健全で、しかも実用を兼ねたものがベストだろう。
何があるか、考える。勉強に関したものは真面目が過ぎると思うし、中間試験の予習時期
としても些か早いものがある。それにどちらかと言えば、ツルは体を動かす方が好きだ。
「鬼ごっこでもするか」
「脱がないわよ」
 畜生、先を読まれていた。走ると暑くなるし、制服が机のフックに引っ掛かると教室が
酷いことになる。そこまで完璧に理論を組み立てていたのに、一瞬で崩された。仕方ない、
全裸鬼ごっこは後で家に帰ってから再度頼むことにしようか。
「腕相撲なんかどうだ?」
 これなら断られないだろう。腕相撲なら身長差もあまり関係無いし、筋力も殆んど互角
なので良い勝負になるだろう。正確に言えば、それなりに毎日筋トレをしている僕よりも
ツルの筋力の方が何故か強いのだが。それはさておき、何よりもツルの手を握れるという
のが嬉しい。小さくて細くて柔らかい天使の掌のようなそれが、精一杯に僕の手を握って
くるのだ。これはもう堪えられないものがある、腕相撲万歳だ。
370 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:29:27 ID:BnvtkLlm
 わくわくしながら腕を差し出すが、ツルは握り返してこない。
 数秒。
「どうした?」
 ツルは汚いものでも見るような視線を僕に向け、溜息を吐く。
「だってカメ、脂性だし」
 本気で殴ろうかと思った。
 チビだとかロリだとか貧乳だとか幼児体型だとか、ツルがそんな言葉に反応するように、
僕も脂性という言葉には弱いのだ。僕は確かに人よりも幾らか手汗をかきやすくウェット
ティッシュを常に持ち歩いているが、それはあまりにも残酷だ。脂性なのではなく、少し
手汗をかきやすいだけ、そんな体質なだけだ。何度でも言う、人よりも少しだけだ。
「ごめん、そんなに落ち込むなんて」
「気にするな、ツルは可愛い」
「前後の文が繋がってないわよ!?」
 そうだろうか。
 気を取り直して、何をするか考える。
「電車ごっこなんかどうだ? 社会に出たら頻繁に使うだろうし、いつまでも嫌々言って
られないだろ。今はイメージトレーニングだけでも良いから、少しずつ治さないと」
「珍しくまともね。でも、確かに言う通りね」
 珍しくは余計だが、どうやら賛同してくれたらしい。
 僕は頷くと、ツルの尻に手を伸ばした。電車の弊害は幾つかあるが、いきなり電車酔い
の想定をするのは不味いだろう。人が僕達以外に居ないのでラッシュアワーの対策をする
のも無理だと思う、強いイメージにはそれなりの素材が必要なのだ。残るものと言えば、
痴漢くらいのものだろう。乳は無いので揉まれることはないだろうが、逆にこの可愛い尻
には注意が必要だ。元に京都でもツルは被害にあっている。だから将来のことを見据えて
考えれば、こうするのが最適だ。変なことを考えている訳ではない、と言えば嘘になる。
しかし尻が触りたくなったという僕の意思は九割程しか入っていないし、あくまでもツル
の為に行っていることだ。あぁ、何て柔らかくて触りがいのある尻なんだろうか。
371 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:31:25 ID:BnvtkLlm
「ちょ、やだ、やめて」
 肌に吸い付いてくるような触感といい、絹のような肌の滑らかさといい、どれを取って
も一級品だ。軽く前屈みになったことで張りが強くなった尻が押し付けられて、気合いが
余計に入ってくる。少し小さなサイズの下着を穿いてきたのだろうか、僅かに食い込んで
いるのかまた情欲をそそる。今の状態でも良いが、これから寒くなるのでストッキングも
穿くようになるだろう。それを想像して、心がまた弾む。
「駄目、駄目だって」
 寒いのは駄目だが、ストッキングのことを思えば冬の辛さなど、
「駄目だって言ってるでしょ!?」
「痛ェ!?」
 ツルに腕を捻り上げられ、激痛が走った。間接が本来は曲がる筈がない方向に向かって
いて、少しでも動かしてしまえば限界を容易く突破してしまうだろう。指先一つも動かす
ことが出来ず、冷たい汗が額から流れてきた。何なのだろう、この状況は。
「何をやってるんデスか?」
「カメさん、おはようございます」
「何を朝っぱらからやってんだ馬鹿」
「あ、チーちゃん、センス、一真。おはよ痛ェ!!」
 声の方向に振り向くと、その振動で痛みが酷くなる。完全に極まっている腕は毎秒単位
で骨が鳴り、悲鳴をあげていた。三人は僕を不思議そうな目で見ていたが、しかしすぐに
席に向かう。僕の腕はそろそろヤバい状態なのだが、いつものことだと思ったようだ。
 いや、一人だけ違う人が居る。
「離して下さいよ、カメさん涙目じゃありませんか」
 チーちゃんが、そう言ってツルを睨みつける。
「腕もこんなになって」
 軽く叩かれ、思わず声が出た。こんなに、と自分で言っているのに刺激をするなんて、
チーちゃんは何を考えているのだろうか。顔に浮かべているのはいつもの無表情なので、
いまいち考えが読み取り辛い。昔からそうだったし、高校生になった今でも相変わらずだ。
372 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:34:17 ID:BnvtkLlm
「ん?」
「どうしたんですか?」
 あまりにも当然のようにしていたので気付くのが遅れたが、
「何でここに居るんだ?」
 クラスや学年が違う以前に、チーちゃんは隣の県にある織濱女子高に通っていた筈だ。
それが何故こっちに居るのだろうか。制服も向こうセーラー服のままだし、それに自覚を
すると、こっちの制服を見慣れている僕には若干浮いて見える。
「何か文句でもあるんですか?」
 軽くポニーテールを揺らし、再び腕を叩いてきた。痛さにもがけば、それでまた間接が
悲鳴をあげる。まさに悪循環、最低の永久機関がここにあった。
「あの、ツルさん。カメさんが本気でヤバいデスよ?」
「え? あ、ごめん」
 漸く気が付いてくれたらしく、やっとのことて腕が解放された。痛みは残ったままだが、
それ以外の腕の感覚が戻ってこない。恐らく折れるか外れるかする寸前だったのだろう、
これ以上だった場合のことを考えると寒気がした。打撃系ならある程度は耐えられるので
まだ良いけれど、ツルはたまに容赦の欠片もない攻撃を仕掛けてくるから恐ろしい。
 後悔と反省はきちんとしているらしく、ツルは心配そうに腕や肩を撫でてくる。これは
幸福だが、惜しむらくは腕の感覚が無いことだ。それさえあったならば、どれだけ気持ち
良くなっていたことか。抱き付くようにしているツルの感触の、何と良いことか。
「で、何でここに居るんだ?」
「兄さんから聞いてないですか?」
 言われて一真を見ると、つい今思い出したような顔をしている。
「すまん、言うの忘れてた。チーは今日からここの生徒だ」
「は、何それ?」
373 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:36:21 ID:BnvtkLlm
 ツルは露骨に嫌そうな顔をしてチーちゃんを見た。以前に文化祭で一度会っただけだが、
どうも印象が良くなかったらしい。折り合いが悪そうなのはそのときの短い会話だけでも
分かったが、これからは本格的にエラいことになるかもしれない。文化祭のときも思った
ことだけれど、二人とも僕の幼馴染みなので出来れば仲良くしてほしいところだ。
 それなのに、
「何よ?」
「何ですか?」
 お互いまだ何もしていないというのに険悪な空気を漂わせ、睨みあっている。最初から
こんな状態では、仲良くさせるのは難しいかもしれない。どうしたものだろうか。
「おいおい、仲良くしろよ」
 あまりにも酷い空気を読んだのか一真が出てきたが、
「兄さんは黙ってて下さいよ。私はこのミニに用があるんです」
「ミニ!? ちょっと表に出なさいよ!! 一真、アンタの馬鹿妹に少し教育してあげるわ」
 物凄い剣幕で二人に言われ、雨に濡れた子犬のような顔をして引き下がった。触らぬ神
に祟り無しという言葉があるが、これはそんな穏やかなものではない。下手に絡めば地獄
の戦争に巻き込まれてしまいそうな、そんな雰囲気がある。
「け、喧嘩は駄目デス」
「「黙れ乳」」
 もはや名前でなく部分単位で呼ばれ、センスは力なく床に座り込んだ。瞳には力はなく、
目尻には大粒の涙が浮かんでいる。好きで大きくなった訳じゃないデス、と言いながら、
こちらに潤んだ目を向けてきた。頭を軽く撫でてやると、センスは腰にしがみ付き大きな
声で泣き始める。これは一体どんな地獄絵図なんだろう、僕も泣きたい気分だ。
「カメ、おは……教室間違えたかな?」
 神は存在した。
「水樹、助けてくれ」
374 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:38:06 ID:BnvtkLlm
 水樹ならきっと、エントロピー増大傾向にある今の状況を何とかしてくれる。そう願い
振り向けば、苦笑を浮かべて軽く首を振っていた。末端冷え症な為に一早くストッキング
に包まれた綺麗な足は、既に後退の一歩を踏んでいる。身内の中で数少ないフォロー役の
水樹でも、これは無理があるらしい。頭を腕で防御しているのは、金属バットのトラウマ
が蘇ってきたからだろうか。あの事件以来チーちゃんを少し苦手がっていたが、根本的な
部分がやられていたらしい。やはりここは、僕がやるしかないのだろうか。
 覚悟を決めて一歩を踏み出す。
 息を一つ吸い、
「喧嘩は止めろ」
 尻を撫でた。
「何で尻なのよ!?」
 いかん、頭を撫でるつもりだったのに間違った方向に行ってしまった。全く悪い右手だ、
今度お仕置きをしてやらないといけない。しかしツルにも過失はある、正確に言うのなら
ツルの尻だ。可愛いすぎるのが良くない。僕は悪い尻を目指してスカートに頭を入れる。
「悪い尻め!! 右の尻か!? 左の尻か!? それとも両方か!?」
「や、何してんのよ馬鹿!?」
 頭部に思いきり膝を叩き込まれた。
「……もう、良いです」
 ツルの尻を鷲掴みながら振り向けば、呆れたようなチーちゃんの顔があった。
「すいませんでした、これで失礼します」
 どことなく寂しそうにポニーテールを揺らしながら、チーちゃんは教室を出ていった。
もしかしたら、幼い頃からの仲間を取られたと思っていたのかもしれない。ツルにばかり
かまけていたが、もう少し構ってやれば良かった。放課後にもう一度、話をしてみよう。
375 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:39:02 ID:BnvtkLlm
 放課後、教室を出るとチーちゃんが居た。朝の人が少ない時間帯でもそうだったのに、
廊下に人が溢れかえる今の状況だと余計に浮いて見える。しかし浮かべているのは無表情、
周囲の視線を気にすることなくこちらに歩み寄ってくる。度胸があるというよりは、興味
の沸かないものは関係ないと思うタイプなのだ。逆にどんな形であれ、興味が沸けばそれ
に向かって一直線に突っ込んでゆく。だから一度敵対心の沸いたツルと険悪な仲になって
いるのだろう。チーちゃんは遠慮なく敵意を向けるし、ツルは敵には全力で向かう正確だ。
今朝は折り合いが悪いと思ったが、正しくは相性が悪いのかもしれない。
「カメさん、学校案内して下さい」
「クラスの連中に頼みなさいよ」
 また空気が重くなる。
 僕は吐息を一つ。
「ツル、お前はお姉さんだろ? それに今日はメシ当番だし、先に帰ってくれ」
 何か言いたそうな顔をしていたが結局何も言わず、そっぽを向くと僕の脛を蹴ってきた。
乱暴な足取りで教室に入ると荒く鞄を掴み、周囲に睨みを効かせながら廊下を進んでゆく。
その際に僕の足を踏み付けてゆくのを忘れていない。それを心配そうな表情をしたセンス
とコイが追い掛けていった。本当にわるいことをした、後できちんと謝らなければ。
「さ、行くぞ」
 取り敢えず歩き出すと、後ろからチーちゃんが着いてくる。幼かった頃は、この感じが
普通だった。何故かチーちゃんは兄である一真よりも僕に懐き、どこに出掛けるにも一緒
だったような気がする。水樹や一真とばかり遊ぶと小さな嫉妬をしていたし、思い出して
みれば遊べなかった日の翌日はむくれていたものだ。そういえばツルが来ていたのが理由
で遊べなかったときが何回かあったのだが、そのときは酷く怒っていた。もしかしたら、
その頃から今のようになるというのは決まっていたのかもしれない。
376 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:40:39 ID:BnvtkLlm
 そんなことを考えながら適当に歩いていると、体育館に着いた。テスト週間なので当然
部活をしている者は居らず、ただでさえ広い場所が余計に広く見えた。床を踏んで歩く音
は、寂しくすら聞こえてくる。今日は体育が無かったのか、チーちゃんは珍しそうに中を
見回していた。文化祭でも体育館を使っていた筈だけれど、中に何もない状態で見るのは
初めてだからだろう。去年建て替えたばかりなので、向こうのものとは少し違うも彼女
の興味を引いているのかもしれない。
「あれ? 開いてますよ?」
 裾を引かれて目線を動かせば、用具入れの扉が開いていた。不用心だと思いながらも、
興味が沸いたらしいチーちゃんに続いて中に入る。特に珍しいものは無いが、状況だけで
考えると少し胸が弾むものがあった。人気のない用具入れというものは、何故だか楽しい
場所に思えてくる。無意味に跳び箱などで遊んでいると、不意に人の足音が聞こえてきた。
「カメさん、隠れて」
 そんな必要はないと思うが、ついマットの陰に隠れた。
 直後。
 チーちゃんは慌てて扉を閉める。続くのは金属が噛み合う冷たい音、鍵が閉まる音だ。
僕はきちんと注意しなかったことを後悔した。ここは防犯の為に自動ロックになっている。
しかも内側に鍵は付いていないので、中からは絶対に開けることが出来ないのだ。泥棒が
閉じ込められて酷いことになったという良い話もあるし、ここに無闇に入ろうとする馬鹿
な生徒の減少にも役立っているシステムだが、今の状況は不味い。
「どうしましょう?」
 チーちゃんもそれに気付いたらしく、こちらを見てうなだれた。
「取り敢えず人が来るのを待つか」
 と言うか、それ以外に方法はない。
 数十分。
「来ませんね」
「来ないな」
 当たり前かもしれないが、物音一つ聞こえない。
377 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:42:25 ID:BnvtkLlm
「でも、良い機会かもしれません」
 チーちゃんはこちらをじっと見つめ、
「カメさん」
 吐息を一つ。
「私の卒業式の日、告白を断ったのはツルさんが理由ですか?」
 それは違う。
 その頃はまだツルの気持ちにも気付いていなかったし、僕もツルのことをただの乱暴な
従姉妹だと思っていた。彼女も居なければ、好きな人だって居なかった。それでも断った
のは、単純にチーちゃんをそんな目で見ることが出来なかったからだ。妹のように思って
いたし、適当な気持ちで付き合ってしまうのも気が引けた。それが理由だ。
 説明を終えると、そうですか、と小さな呟きが聞こえる。
「私は、今でもカメさんが好きですよ」
「気持ちは嬉しいが」
 腹に鈍い衝撃を受けて、僕は倒れ込んだ。しかも頭を妙な感じに打ってしまったらしく、
動かそうとしても体が動かない。更にはマウントポジションを取られ、唯一動かせた首も
固定をされてしまった。真摯な瞳が顔を覗き込んでくる。
「好きです」
 唇を、重ねられた。
「好きなんです」
 舌が絡み、僕の全てを絞り取ろうとでもするように強く吸ってくる。慣れていないのか
初めてなのか、恐らく後者だろう。ぎこちないながらも、それを補うかのような強い力で
貪り、ときたま逆に与えるように唾液を流し込んでくる。
 は、という吐息をしながらチーちゃんが唇を離すと、僕達の唇の間に銀色の橋がかかる。
「何を」
「好きです」
 三度目のキス。
 今度は舌の動きに加え、体を押し付けてきた。胸に当たる二つの膨らみは意外に大きく、
思い出の外側での成長を物語っている。記憶にあるチーちゃんの裸はまだ小学校の低学年
のときのもので、膨らみどころか女性特有の曲線さえ欠片もない。当然と言えば当然だが、
チーちゃんも高校生になり、体もそれなりに立派になったものだと思う。生温かい吐息が
顔を擽り、舌の感触と共に首筋へと降りてゆく。
 下方へ動いた体は一定の場所で止まり、押し付ける力を強くした。
378 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:43:57 ID:BnvtkLlm
 女の感触に反応した股間は固くなり、チーちゃんは割れ目を擦るように腰を動かして、
刺激してくる。不規則なリズムで吐かれる吐息が、じわじわと僕の喉元を焼いてくる。
「チーちゃん、おかしいぞ?」
「そう、おかしいんですよ」
 言いながらも、動きは止まらない。
「昔、カメさんに酷いことをされてから、お尻が気持ち良くなったんです」
 尻が?
「一人でするときも、いつも後ろの方で。それに思い出すのは、いつもいつもカメさんに
指を突き立てられた思い出で、そればっかりになって、でも気持ち良くて」
 僕の、せいか。
「今日もお尻を触られたとき、本当に気持ち良くて」
 テントの先端に尻を当て、チーちゃんは気持ち良さそうに声を漏らす。激しいテンポで
腰を動かし、ごじるようにする度に身を震わせた。表情は既にとろけたものになっていて、
普段とのギャップで息子がますます反応をする。
「ツルさんを触っているときなんか、羨ましくて」
 顔を動かせないので見ることは出来ないが、どうなっているのかは分かる。
「濡れちゃって」
 溢れ出た愛液が、股間を濡らしていた。スラックスや下着を通り越し、染み込んできた
蜜が僕の竿をも濡らしていた。その為に中で下着の生地と擦れ、ぬめりを帯びたそれは、
ざらついた木綿の表面を刺激の材料に加えてくる。敏感な先端やカリ首をえぐられるよう
に擦られ、思わず声が漏れた。部屋に二人分の声が響き、脳を融かしてくる。
「も、駄目だ」
「駄目ですよ」
 根元を強く握られ、声が詰まる。
「出すのは、こっちで」
 チーちゃんはジッパーを下げると、僕のものを取り出した。そして顔を抱き上げ、下着
に指をかけてずらし、局部を露出させる。視界に入ってくるのは愛液に濡れそぼり、赤く
充血した綺麗な割れ目。だが僕が注目したのは、その下にある尻の穴だ。今まで何人かと
そっちの方で行為をしたが、ツルのものよりも、水樹のものよりもいやらしい外見だ。
379 名前: 『ツルとカメ』×23 [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:45:31 ID:BnvtkLlm
 前から垂れてきた愛液で夕日の光を反射している尻穴は、まるで口のようだ。餌を待つ
動物の子供の口のように小さく動き、痙攣して、好物が入ってくるのを待ち構えている。
入ってしまったら、二度と出られないのではないかとさえ思える程だ。
「こんなにした責任、取ってくれますよね?」
 僕の返答を待たず、チーちゃんはゆっくりと腰を下ろした。だが元はと言えば排泄する
為の機関で、しかも穴は小さいものだ。なかなか入らず、抵抗も強いのか、チーちゃんの
顔に苦痛の色が浮かんだ。口の端から垂れた唾液が、軽い音をたててシャツに落ちる。
「無理しなくても」
「大丈夫、です」
 瞬間。
 何かを突き破る感触と共に、一気に根元まで飲み込まれた。
「入り、ましたよ」
 再度頭を抱えられ見てみれば、血に染まった息子が見えた。
「動き、ますよ」
 言うなり、チーちゃんは腰を激しく動かしてくる。痛みが激しいのだろう、口から出る
息は相変わらず苦しそうなものだ。それなのに強引に身を振り、強引にストロークをして
僕のものを扱きにかかる。強い締め付けに加えて、異物を排出しようと内部が巧みに僕の
ものを絡め取り、刺激してきた。先程から限界が近かったので、気を抜けば今にも出して
しまいそうだ。痙攣される度に、我慢が効かなくなってくる。
「やっぱり、本物は、凄い、ですね」
 血が潤滑材になっているのか慣れてきたのか、次第にチーちゃんの声に喜色が混じって
きた。腰の動きも無理にしている感じがなくなり、一定のテンポで滑らかに上下してくる。
初めてだというのにチーちゃんも限界が近いらしく、奥を突く度に締め付けが強いものに
なってきた。前の穴からは蜜が大量に滴り落ち、僕の腹を大きく濡らしている。
「ほら、出して、下さい」
 声と共に力が込められ、食い千切られそうになる程強烈に絞められた。
「ごめ、チーちゃん」
 中に放出すると同時、チーちゃんも達したらしい。一瞬だけ体を弓なりに反らし、僕の
胸の上に倒れ込んできた。肩で息をする振動が、体温と一緒に伝わってくる。
「どう、でしたか?」
「それは……」
 電子音。
 聞き慣れたシンプルなメロディは、携帯の着信音だ。
「そうか、携帯使えば良かった」
「今頃気付いたんですか?」
 思い付いていたのなら、早く言ってほしかった。
 自分の馬鹿さ加減に呆れ、僕は吐息した。
380 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:46:49 ID:BnvtkLlm
今回はこれで終わりです

>>343
それが無いと『ツルとカメ』にならない

>>344
一番怖いのは、変態思考を理解出来ること
だからまだ大丈夫

>>345
そうかそうか
でもな、ミチルって亀だぞ?

>>346
だから、俺にはちんこが付いて(ry

>>347
このSSのタイトルを確認しなさい

>>348
犬耳はセンス
ツルは猫耳

>>349
遅くなったけど、誕生日オメ

>>350
俺は高卒だし、受験とかよく分からん

>>353
かなりぷにぷにだぞ?
体積は0だがな


そろそろ他の職人さんも来て良い頃じゃないかと思う
このままだと俺一人専用の馬鹿SSスレな感じに
て言うか、colorとか黒き色彩とか続き頼みますマジで!!
381 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 00:55:49 ID:BENj/Yvd
>>380
うふふ、色々大変なんです











382 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 04:33:22 ID:iZG/3ZEn
>>380
ま た 尻 か !




'`ァ,、ァ(*´Д`)'`ァ,、ァGJ'`ァ,、ァ(*´Д`)'`ァ,、ゥッ


>>381
気長に待ってます。
383 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/01(木) 16:32:30 ID:pZ7CN/jY
ツルの胸はぷにぷに・・ないのにぷにぷに・・
でも水樹キュンのストッキング・・・

(*´Д`)たまらん・・・GJ


つ[]<ぷにぷに ロボ氏 ぷにぷに
384 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/02(金) 16:55:59 ID:stuHV7Bw
GJ!!
つ[]カメはものすごいヤリチンですが登場人物のみなさんどう思いますか?
385 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/02(金) 22:24:24 ID:pmdmI1bb
つ[]<チーちゃんの前の穴も貫通させてやってください是非!!
386 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/03(土) 01:24:16 ID:jN+1VFZy
>>ロボ氏
プニポヨーン
387 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/06(火) 23:24:03 ID:mY/9As8a
GJ!!
カメってツルが絡まないと結構まともだよね
逆にツルが絡むとド変態だけど

つ[]これからやってみたい、もう一度やってみたいってプレイは?
388 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:22:03 ID:tqSNTpXK
 中間テストの答案も今日で帰ってきて、今年の学校行事も残り少なくなってきた。特に
冬休みに入るまでは生徒会選挙以外にはこれといった行事もなく、クラスの中には緩んだ
空気が流れていた。それはどのクラスにも共通していることで、隣のクラスからは奇声が
聞こえてくるし、窓の外を見ればロープ非固定式バンジーをする者が見える。こんな馬鹿
みたいな光景も今でこそ見慣れたものだが、保育園に居た頃は何が何だか分からずよく
泣いていた。トラウマ的光景を避ける為に保育園から帰宅する道が変えられた程だ。
「カメさん、ポリスを呼ばなくても良いんデスか?」
 そう言えば、いつも皆と一緒に居るので忘れていたが、センスがこちらに来たのは今年
からだった。ある程度しっかりしているが、流石に今のは応えたのだろう。顔を真っ青に
してシャツの裾を引いてくる。毎年のことなので昔からここに住んでいる連中にとっては
見慣れたことなので気にしている様子はないが、真面目なセンスには辛いようだ。
 安心させる為に僕は笑みを浮かべ、頭を撫でた。
「大丈夫」
「カメさん」
「来年には、僕達がああなるから」
「駄目じゃないデスか」
 がっかりしたような顔でセンスは目を背けるが、すぐに身を震わせてこちらを見つめて
きた。何だろうと思って廊下に視線を向ければ、全裸で廊下を走っていた先輩が生活指導
の教師にぶん殴られていた。この学校は服装には厳しくないが、廊下を走るなどのマナー
には厳しい。急いでいたのだろうが、守るべきものは守らないといけないのだろう。
「センスも廊下を走るなよ?」
「そんな問題なんデスか!?」
 本格的にキツくなってきたらしいセンスはもはや涙目で、今にも泣きそうになっている。
泣き虫といえばツルが最初に思い浮かぶが、思い返してみれば、センスも結構なものだ。
初めてこちらのクラスに入ってきたときはアズサ先生の妙な言葉のせいで泣きながら罵ら
れたし、初めて家にやってきたときもビビって泣いていた。今は普通に接しているけれど、
最初の頃は随分と嫌われていたものだと、少し感慨深くなる。
389 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:24:57 ID:tqSNTpXK
「カメ、アズサ先生遅いわね。何か聞いてない?」
「また何かやったの? この腐れちんこ」
 またも何も、今まで一度も叱られるようなことはしていない。せいぜい乳を揉んだり、
尻を触ったりした程度だ。それなのに人を不審車扱いするなんて、毎度のことながらコイ
は僕をどんな目でいるのだろうか。二人きりになると逆レイプを仕掛けてくるコイの方が、
よほど質が悪いと思う。ツルに聞かれると色々と不味いので敢えて口には出さないけれど、
いつか灸を据えてやらなければいけないだろう。そうなれば、場所はやはり乳だろうか。
女子高生にふさわしくない大きさのそこには、悪意とエロがたっぷり詰まっているに違い
ないだろう。それを擦り、絞り、吸い出せば、僕への態度も柔らかくなるだろうか。だが
そうすれば乳も小さくなるだろうし、ついでに言うならば左右のどちらに詰まっているの
かも問題だ。適度な量がどの位かも分からないし、問題は多い。
「カメ、急に黙ってどうしたの? 変態行為に心当たりでもあった?」
「黙れ、今難しいこと考えてるんだ」
 今の半分程を取れば言葉責めも利用可能であり、しかし大きさ的には今がベストか。
「センス、分からないことがあったらお前はどうする?」
「え? 取り敢えず問題点を見直してみマス」
 流石、全教科で95点以上を取った奴の言葉は違う。僕は頷き、問題点を見直すべくツル
の乳に触れた。揉むことは不可能だが、それなりに得られるものがあった。次にコイの乳
を鷲掴んで、揉みしだく。ツルの乳と比較すると、普通サイズでも良いような気がする。
考えてみれば、小さいのは問題ではなかった。ツルの乳に触れたことで、改めて理解する。
大きさは関係なく、乳の存在概念を重要視するべきだった。それに小さくても形が良く、
更には全体のラインを見れば丁度良いと思えるものもある。分かりやすい例がエニシ先生
とアズサ先生で、二人の乳は対照的だが、しかしどちらもスタイルが良い。補足をするの
ならば、ミロのヴィーナスが挙げられる。あれは見事な曲線だが、人間の大きさに縮尺を
すれば乳はCの小さめなのだという。つまり、ツルくらいのレベルにならない限りは何の
問題もないということだ。これで安心して乳内毒素を出すことが出来る。
390 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:27:54 ID:tqSNTpXK
「良かったな、コイ」
「何がよ!?」
「カメ? さっきのは何のつもりなの?」
 いかん、大事なことを考えるのに夢中で、ついコイの巨乳を揉みっ放しだった。通りで
考えがスムーズに進むし、コイからの視線がいつもよりキツいと思った。結論を出す為に
必要だったとはいえ、少し揉みすぎたかもしれない。
「何か言い残すことはある?」
「ツル、愛してる」
「ば、馬鹿!!」
 罵りながらではあるが、顔を赤く染めてツルは振り上げていた椅子を下ろした。危ない
ところだった、僕の愛を完全に伝える前には死にたくない。しかも今回またツルの可愛い
部分を見てしまったので、更に生きる必要が出来たようだ。このままのペースで行けば、
寿命が何世紀分あっても足りなくなるような気がする。気に恐ろしきはツルの可愛さだ。
「ところで、何を考えてたのよ? 乳のこと?」
 コイめ、成績は悪いけれど鋭いな。
 誤魔化して喋るのは性分に合わないし、後ろめたいところもない。何しろコイを真人間
にする為の方法を考えていたからだ。だから自信を持って頷いたのだが、何故か再びツル
が椅子を持ち上げた。コイはコイで胸を抱くようにして、こちらを睨みつけている。腕の
形に歪曲しながらも、弾力によって溢れた乳が何とも良い具合いだ。乳についての思考を
協力してくれているのだろうか、答えは既に出ているが視覚的にありがたい。
「また見てる、いい加減にしなさいよ!!」
「ま、待て。エロいことは考えてない!!」
 激痛。
 椅子で頭部を強打され、僕は思わず床に転がった。
「すまん、遅く……カメ、ふざけてないでさっさと座れ」
 漸くアズサ先生が来たのだが、教室に入るなり責めるなんて酷いにも程がある。僕とて
好きで寝ている訳ではないし、さっと席に戻ったせいで今日のツルのパンツの色チェック
を出来なかったのも惨い。踏んだり蹴ったりというのは、まさにこのことだろう。いや、
少し待て自分。踏む人がツルならそれはそれでアリだ、寧ろかかってこい。
391 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:30:44 ID:tqSNTpXK
「さぁツル、激しく頼む!!」
 無視をされた。
「早く座れ!!」
 何だかアズサ先生も苛々しているようなので、僕も大人しく席に着く。
「カメ、後で保健室に来い。さ、HRを始めるぞ」
 しかし、何故こんなにも苛々しているのだろうか。アズサ先生の女の日までは一週間程
日が空いているし、確か重いものではなかった筈だ。英語のテストの結果も普段通り悪く
なかったし、今の寝転びだって残念なことにしょっちゅうだ。進路の担当もしていない筈
だったので忙しくない筈だし、結果をまとめて言うのなら普段と何も変わらないのだ。
「カメ、本当に何もやってないの?」
「さっぱり心当たりがない」
 ツルは疑わしそうな目で見てくるが、本当に理由が分からない。
 そういえば保健室と言っていた。保健室といえば居るのはエニシ先生だ。敢えて指導室
に呼ばずに保健室、しかも二人が待っているということは、何か個人的な用事だろうか。
そんなことを考えている間に、いつの間にかHRは終わっていた。
「カメ、頑張ってね。代わってあげれるなら、代わりたいよ」
 多分本気で心配しているだろう水樹の言葉に、不覚にも泣きそうになってしまった。
 HRが終わると、急いだような足取りでアズサ先生は教室から出ていった。緊張に包まれ
静かになっていた教室が、再び緩んだ雰囲気に戻った。しかし空気に含まれているのは、
それだけではない。僕への同情が、クラスの隅々にまで満ちていた。コイすらも不思議と
優しい目付きになっていることから、その度合いは分かるだろう。そういえばコイの乳に
悪意が入っていると結論したが、もしかして違うのだろうか。そうだった場合は問題点を
考え直す必要があるが、まずは現物を見て確認した方が良いのだろうか。ただ、皆の前で
見るのは非常識だから揉んだ方が良いかもしれない。今日のコイのブラはワイヤー入りの
ものだったので形は崩れていないが、空白が出来ている筈だ。元々肉質は柔らかいけれど、
僕の手にかかれば違いははっきりと分かるだろう。
392 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:34:28 ID:tqSNTpXK
 結論し、僕は立ち上がると、
「すまん」
 乳を揉んだ。
 結果は本物、どうやら乳と悪意は関係なかったらしい。
「アンタ、また……もう良いや」
 一瞬睨まれたが、コイは再び先程の優しい顔付きに戻った。普段があれだけ酷い態度で
接してくるので、優しいコイは何だか逆に気持ち悪い。一体どうしたことだろう、こんな
コイはコイではない。コイはもっと性格が捻れてて、こちらを向く度に汚物でも見たよう
な表情を浮かべていて、口を開けば『腐れちんこ』を始めとする暴言を吐いてくるような、
そんなえげつないタイプの人間だ。特に乳を揉んだ後などは暴力を振るうことはしないが、
泣く程惨い台詞を連発して奈落の底に叩き落とし、更にはそこに埋めようとする程だ。
 おかしい。
「悪いものでも食ったか?」
 まさか、自分で作った料理でも食ったとかではないだろうか。いや違う、あれは食えば
少しおかしくなる程度では済まされないだろうし、一緒に食った昼飯のときにも刺激臭は
漂ってこなかった。見た目も綺麗だったから、間違ってもコイの料理ではないだろう。
「今日で最後だろうから許してやるわ。今まで馬鹿やってたけど、アンタのこと嫌いじゃ
なかったもの。だから、安心して保健室に向かいなさい」
 まるで僕が死んでしまうような言い草だが、流石にそれは無いと思う。幾ら怪我をして
しまったとしても、エニシ先生が取り敢えず手当てをしてくれるだろう。だからよほどの
ことが無い限りは、葬儀屋に頼るどころか病院に世話になるなんてことも無いだろう。
「待て、それが狙いか!?」
 幾らでも手当てが出来るということは、幾らでも攻撃出来るということだ。気付きたく
なかった恐怖理論に気付き、途端に保健室に向かう気が失せていった。ぼんやりと理由を
考えていたのではっきりと覚えていないが、そういえばアズサ先生はこちらをギラ付いた
目付きでずっと見ていたような気がする。あれは恐らく、狩人の目だったのだ。
 うなだれる僕の肩をクラスメイト全員が叩き、励ましながら教室から出てゆく。
「ツル、愛してる」
 せめて死なないようにしよう。そして出来るなら利き手を残しておこう、僕はまだまだ
ツルの尻や乳を触り足りない。あのプニポヨーンとした感触をこれからも楽しむ為、僕は
絶対に帰ってきてみせる。脳内のツルからエールを受け、下がっていた視線を上げた。
393 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:36:27 ID:tqSNTpXK
 ノック。
「入れ」
 許可を受けて保健室のドアを開くと、視界が白に包まれた。元々全体的に白いイメージ
がある保健室だが、それは清潔な色のものだ。しかし今は濁った白によって、室内が白く
上塗りされている。立ち込めているのは煙草の煙、消毒液の独特の匂いを打ち消して鼻を
刺激してくる。アズサ先生の自室にも、いつものパンツスーツにも染み付いているそれは、
もはや僕にとっては嗅ぎ慣れたもの。変な意味ではないが、アズサ先生そのものの匂いだ。
何故か窓を閉めきっており、カーテンまで閉めているので余計に強くそれを感じる。
「遅かったな」
 どう返して良いのか分からず、僕は苦笑を返した。
「それより、何かエニシ先生の姿が見えないんですけど」
「あいつには席を外して貰っている」
 どういう意味だろう、と考える暇もなくアズサ先生は立ち上がると、こちらに向かって
歩いてきた。殺られる、と思って身構えるが、それを素通りするとドアに鍵をかけた。
 これで外から見えることもなく、誰かが入ってくることもない。完全な密室に二人きり、
思い出すのは何度かアズサ先生と行った体験だ。あるときは口で、あるときはエニシ先生
も交えて、そうしたことがあった。強い煙草の匂いが、より鮮明にイメージを蘇らせる。
「あのですね」
「黙れ」
 背後から抱きつかれた。
「友達が、また一人結婚したんだ」
 力が、強くなる。
「皆が旦那を持っていく中で、取り残される。不安なんだ、辛いんだ」
「だからですね、アズサ先生はアズサ先生のペースで」
 何度言っただろうか、この言葉を。
「私なんかにも、好きな相手くらい居る。だがその馬鹿は十歳近くも年下で、彼女も居て、
おまけに当て付けのようにいつも一緒で笑ってるんだ。人の気持ちも知らずに常に笑顔で、
しかも悔しいことにそれが一番だと私が一番理解しているんだ」
394 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:38:04 ID:tqSNTpXK
 言葉が、何も出てこない。アズサ先生が誰のことを言っているのかなんて、物凄い馬鹿
か鈍感野郎じゃなければ誰にでも分かるだろう。今の言葉に答えるのは簡単だが、応える
ことは難しい。僕自身が何かを言って良いのだろうか、その疑問が言葉を失わせる。
 数秒。
「その馬鹿は、最悪ですね」
 僕は、物凄い鈍感野郎になる決意をした。
「本当に馬鹿です、アズサ先生の魅力に参らないなんて」
「そんなに悪く言わないでやってくれ。馬鹿で変態だが、悪人じゃないんだ」
 悪人じゃない、か。
 その言葉が持つ意味は、大きい。
「でも、辛いんですよね?」
「あぁ、だから、慰めてくれ」
 振り向くと、唇を重ねられた。いきなり舌を絡める、濃厚で強烈な大人のもの。自分の
存在を相手に強く刻み付ける、意思のあるものだ。普段のクールさの欠片も見られない、
そんなキスに今のアズサ先生の気持ちがはっきりと表れていた。
 唇を離すと、二人でもつれるようにベッドに転がり込んだ。固めのマットが僅かに窪み、
二人分の体重に押されたフレームが鈍い音をたてる。けぶる空気に据えた雰囲気、それが
独特な空間を作り出し思考を甘くとろかしてゆく。校舎の中の筈なのに、この保健室だけ
切り離されたような、別の空間なのだと錯覚させる。
 体を擦り合わせながら、アズサ先生の指先が股間をまさぐってきた。布越しであるにも
関わらず、僕のものは柔らかな刺激に反応する。撫でられ、握られ、上下にしごく。白魚
のように細く綺麗で、驚く程に長いアズサ先生の手指。それがまるで別の器官のように、
絶妙な力加減で絡み付いてくる。練習したのだろうか、以前に比べても恐ろしい上手さだ。
「もう、こんなになっているのか。待ってろ、今楽にしてやる」
395 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:39:02 ID:tqSNTpXK
 ジッパーを下げて竿を取り出すと、おもむろに口に含んだ。アズサ先生と最初にやった
のは、口でのプレイだ。こちらも指の動きと同様、かなり上手くなっている。潤沢な唾液
を全体に絡ませ、全体でねっとりと絡んでくる。顔を上下に動かす度に激しい水音が響き、
与えられる快楽が脳に染み込んでゆく。温いクリームに突っ込んで掻き回しているような
肌に馴染む感触、切なく細められた鋭い目、潤んで輝く深い黒色の瞳、その全てが快い。
いつまでも続けていたい程のものだが、それが不意に途切れてしまった。
「ふふ、どうだ?」
 代わりに来たのは、指による刺激。
「エニシと違って胸ではしてやれないが、こっちも悪くはあるまい?」
 艶めいた笑みを浮かべ、手指を絡めてくる。布越しではない刺激に加え、今度は先程の
ものよりも更に激しい動きだ。少し冷たい掌で包むように持ち、高速で動かしてくる。
「練習、したんだぞ?」
 指の腹でカリ首を一周し、裏筋をひっかくように撫で降ろし、鈴口を爪の先でこじる。
唾液で濡れたことにより、ぬめる感触が容赦なく僕を責めたてた。しかし、それでもまだ
足りないと言うようにアズサ先生は先端に唾液を垂らし、我慢汁と混ぜながら塗り広げて、
撫で回してくる。敏感な部分を休みなく責めたてられて、とうとう声を漏らしてしまった。
「ほら、出しても良いんだぞ?」
 言われ、一舐めされると限界が来た。アズサ先生の顔に思いきりぶちまけてしまったが、
それを気にする程の余裕がない。荒い呼吸をしながら寝転がると、アズサ先生は四つ這い
で覆い被さってきた。至近距離にある顔には粘度の高い液がこびりつき、淫媚な化粧をし
飾りたてている。自分で出したのだけれど、酷いものだ。
「見えているか? 凄い量だな、それに濃い。匂いだけで妊娠してしまいそうだ」
 小さく笑うと、顔に着いたものを指先で拭って舌で舐める。白とは対照的な赤い唇と舌、
それは背筋が震える程の色気があった。普段の冷たい姿しか見たことのない普通の生徒が
これを見たら、さぞ驚くだろう。驚くどころか、別人だと思うかもしれない。
396 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:40:53 ID:tqSNTpXK
「さて、次は本番だ」
 アズサ先生は身を起こすと、スーツのジャケットを脱いだ。続けてYシャツのボタンを
外し、スーツパンツを膝まで下ろす。下着と割れ目の間には透明な糸が引き、触れずとも
充分に濡れていることが分かった。黒いスーツとは真逆の白い肌に、使い込まれていない
のが分かる桜色の乳首と割れ目。特に濡れた体の中心は、煙で弱められた蛍光灯の明かり
を鈍く反射して、目眩がする程に色っぽい。それを含めて、改めて大人の色気という言葉
の意味を実感する。アズサ先生は、確かに年上なのだ、と。
 見入っていたそれを指先で広げると、生々しい音が聞こえてくる。それは静かに下がり、
やがて僕のものを飲み込んだ。ゆっくりと根元まで腰を下ろすと、アズサ先生の口からは
熱い吐息が溢れてきた。入れただけでも、大分感じているらしい。
 しかし、僕の方がもっとキツい。先程達したばかりで敏感になっていたそこは、アズサ
先生の膣内で痛いと思える程の刺激を与えられ、今にも限界に近くなっていた。二度目と
いうのは大抵時間を空けてするものだったし、今までもそうしていたので慣れていない。
それなのに今のように連続で刺激を受けてしまい、思わず腰が砕けてしまった。
「どうした?」
 アズサ先生は締め付けを強くし、腰を動かしてきた。思考がこの部屋のように白く埋め
尽くされ、ひたすら押し寄せてくる快感に塗り潰されそうになる。気を抜いてしまえば、
今にも達してしまいそうだ。引き抜こうにも相手に主導権のある騎乗位なので、今の僕に
出来ることといったら耐えることしかない。
「ほら、もう出そうだぞ。強く脈打って、本当にエロいちんこだな?」
 不味い、この言葉責めは効く。
 僕のものを舐めている間にも感じていたのだろうか、入れて間もないというのにアズサ
先生の膣内も小さな痙攣を始めた。限界が近いらしい。僕も正直限界だ。只でさえ気持ち
よい状態なのに、小刻にうねるひだがえぐるように包み、締め付けてくるのだ。
397 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:42:03 ID:tqSNTpXK
「は、もう、限界だ」
 一段と締め付けが強くなり、食い千切られそうになる。腰を深く沈められて、引き抜く
ことも出来ずに僕はアズサ先生の膣内に放出した。いや、騎乗位でなくても引き抜けなか
ったかもしれない。股間だけでなく、体力も限界に来ていたからだ。
「はは、二度目だというのに凄い量だな。安全日でなくても危ないかもしれん」
 恐ろしい。
「また、慰めてくれるか?」
「さっさと馬鹿に告白して、振られて下さいよ」
「そう言うな、私はこれでも小心者なんだ」
 どこが、と突っ込みを入れたくなったが、珍しく楽しそうに笑う姿が何だか眩しくて、
なんとなく言葉を出せなかった。これでは悪い奴じゃなく、ただのお人好しだ。
 仕方ない、僕は吐息して乳を揉んだ。
398 名前: 『ツルとカメ』×24 [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:43:47 ID:tqSNTpXK
亀「もうパクリだとか、そんなのはどうでも良い。『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「開き直ってる!? はぁ、今回は三つのレスと四つのバガキだね」
亀「今回からはゲストもIN!! 僕の愛天使、ツルよカモン!!」
鶴「何なのよ、そのテンションは?」

>>380
亀「待ってます!!」
水「何か、作者も限界が近いとか何とか」
鶴「カメの変態癖は精神状態が影響してるのかしら?」
水「あれは単純な趣味らしいよ?」
鶴「最悪だわ」

>>382
鶴「また、って何よ?」
亀「待て、僕は無罪だ!!」
水「でも、カメってあたしのも……」
亀「余計なことを言うな!!」
鶴「尻が好きなら、私が手伝ってあげるわよ」
亀「何それ!? 無理無理入らない」

つ[]ぷにぷに〜
水「作者は体脂肪率低いよ?」
鶴「そもそも、男にこんなハガキを送るのが間違いじゃない?」
亀「つまり僕のように、清い愛を貫けば」
鶴「うっさい、変態」

つ[]カメは物凄いヤリチン〜
水「あたしは別に」
鶴「へぇ、カメ?」
亀「僕は悪くない!! この馬鹿息子が悪さを」
鶴「勘当する?」
亀「ひぎぃ!!」

つ[]チーちゃんの前の穴も〜
鶴「あの根性悪!! カメ、やっぱり勘ど……」
亀「ツル、冷静になれ。後ろはセーフだ多分!!」
鶴「なさけむよう」
水「ちょ、そんなので殴ったらカメ死んじゃうよ!?」
亀「ツル、愛して……ひぎぃ!!」

>>386
亀「使ってみたけど、見事にハマるな」
鶴「もう意味が分かんない、大体何でメインヒロインなのに貧にゅ(ry」

つ[]これから〜
水「どうなの?」
亀「ダブル足コ……ツルの足コキは良かったなぁ」
鶴「何言ってんのよ馬鹿(///)」
水「これからは?」
亀「髪ズリとマエバリプレイを是非とも」
鶴「どっちも嫌よ。そういえば、こないだ掃除したときにまた『月刊マエバ……」
亀「また来週!! 絶対に見てくれよ!!」
水「何て強引な引きを」
鶴「誤魔化されないわよ。カメ、覚悟は良い?」
水「カメ、死なないでね?」
亀「次回は久し振りにコイがヒロイン、お楽しみに!!」
鶴「天誅!!」
399 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 01:45:23 ID:tqSNTpXK
今回はこれで終わりです

明日も仕事早いのに、何やってんだ俺
二月は暇? 客が少ない?
知らん知らん!
400 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 11:01:17 ID:9QJrzKy+
獣烈にGJ!

エニシ先生とのやりとりで、カメの思考速度がなかなかの物と判断します。
しかしナチュラルな変態は手に負えないなwww


つ[]<乳くらべを見たいです
401 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/08(木) 16:38:23 ID:uXC8/Ust
GJ!
カメ最近乳揉みすぎじゃね?


つ[]エニシ先生は俺が貰っていきます
402 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/09(金) 13:08:04 ID:27dBUv4g
GJ! アズサ先生たまらんね
ある意味悪い奴だぜ、カメ

っ[]<小さくてぷにぷになツルが魅力的すぎます。 なのにチョイ役の水樹に目が行っちゃうよ?
403 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/09(金) 13:53:00 ID:XLln2sIU
>>402に水樹フラグが立ったようです。
404 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/10(土) 22:05:10 ID:CZ6RA26D
誰か!このツンデレ板の中にフラグクラッシャーの方はいらっしゃいませんか!?
>>402様が錯乱状態です


と冗談もかましたところでロボ氏GJ!
最後に何で吐息しながら乳揉むのかが謎過ぎ
では懐かし(再来)の質問を

つ[]<朝のHRから一時限目の間ってヤるほど時間あるのでしょうか?
405 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/10(土) 22:52:28 ID:d92c8H/3
とりあえずワッフルでも食って落ち着けや
( ゚Д゚)ノシ≡囲)・∀・)←>>702
406 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/10(土) 22:54:19 ID:d92c8H/3
どれだけ未来レスしてんだよ_| ̄|  ....〇
407 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/12(月) 15:41:59 ID:Ra6+e1Nt
>>702まで行けるか?現在380KBだ。

つ[]<もうカメがどんな変態行為をしようがどんな変態思考をしようが驚きません。
408 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/13(火) 00:41:41 ID:dhZ6rAn1
カメの変態行為を驚くことはないが笑うことはあるなwww
409 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/13(火) 02:25:54 ID:+ktbMqE0
コイとセンスの協力奥義がみたい
もちろん胸をつかt(ry
410 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:35:11 ID:VY8SU0fi
投下しますよ
411 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:36:09 ID:VY8SU0fi
 昼休み、それは皆の憩いの時間であり、教室にも和やかな空気が流れている。放送部の
趣向なのか延々と軍歌が流れている意外は至って普通の光景だ。カップル率が異常に高い
この学校では普通の光景、皆が人目を憚ることもなく、寧ろ見せつけるようにして手作り
である弁当を互いに食べさせあっている。それは教室の中だけには止まらず、窓から中庭
を見下ろせばウフフイヤンバカという言葉が聞こえてきそうな熱愛カップルが見えるし、
きっと校庭の隅にある部室棟の中でも同じような光景が繰り広げられているのだと思う。
特に男子バスケ部の部室の中では、誰もが目を覆いたくなる程のものがある筈だ。男男の
組み合わせだが不純同性交遊は禁止されていないし、恋愛は自由だという判断から学校側
は特に何も言っていないらしい。センスも最初は驚いていたが、これが日本とアメリカの
文化の違いというものだろうか。アメリカは銃と無修正の国だが、それなりに責任もある
からだろう。そんな意味では、こちらは平和なものだ。
 平和といえば、焦りが限界を突破したのか、それとも僕の数度に渡る説得が効を成した
のか、最近はアズサ先生も苛つきが収まってきた。日々チーちゃんとツルの溝に頭を痛く
している僕としては、それだけでもありがたい話だった。
 これだけ平和だというのに、しかし暗い顔をしている者が居る。
「大丈夫か?」
「うっさいわね、腐れちんこ。何それ、嫌味? アンタのちんこ海苔巻きにして尻の穴に
突っ込むわよ? 嫌だったら黙って水樹の尻でも眺めてなさいよ」
 一言目の腐れちんこというフレーズでお馴染み、食事時であるにも関わらずえげつない
言葉で罵倒してくるコイだ。言葉は普段よりも刺々しいものだが、対照的に表情は暗く、
沈んだものになっている。普段ならば睨みつけてくるその綺麗な薄茶色の瞳は、今は重く
伏せられていた。親切心で言った言葉を無下にされたことよりも、そちらの方が気になる。
412 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:38:16 ID:VY8SU0fi
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だから気にしないで。ただ、次の時間が」
 ツルの言葉にコイは気弱な態度で返す。それについては何だか釈然としないものがある
けれど、中学時代からの親友だから、という理由があるからだろう。
 そして、先程の言葉でコイが沈んでいる理由も分かった。
 次の時間は、家庭科なのだ。それも調理実習、コイの一番苦手な分野なのだった。普通
の生徒ならばこの授業内容には嬉しさを感じるものだが、コイは違うのだ。嫌がる理由は
単純なもので、料理が苦手だからである。それも半端なレベルではなく、僕も一度は病院
送りになってしまった程である。思い出すのもおぞましい、あの人間の五感や味覚を全て
刺激する要素を持ちながらも全く調和せずに脳に襲いかかってくるという、言葉にすれば
全く意味が分からない食い物が記憶から蘇ってきた。
「気にすんなよ、死にはしない」
「医者が言うには、一歩手前だったらしいわよ?」
 通りで目が覚めた後、看護婦さんが驚いていた筈だ。医者も心の底から意外そうな顔を
していたし、皆も総出で見舞いに来てくれた訳だ。ついでに言うなら、その後看護婦さん
のストッキングに包まれた見事なラインの脚を見るのに夢中になってツルに殺されかけた。
マウントポジションを取られて体が動かない状況な上に、毒クッキーのせいで体が弱りに
弱りきっていたので、あのときは本当に死を覚悟した。顔を固定する為に挟む太股の感触
が無ければ、今頃は浮遊霊となり覗き放題だがお触り厳禁という超地獄ライフを味わって
いたに違いない。地獄というものはこの世にあるのだと聞いたことがあるが、まさにそれ
のことだろう。やはり、人は触れ合わなければいけないのだ。
「このように」
 ツルの尻を撫でれば、紛う事無き極上の弾力が返ってくる。地獄がこの世にあるのなら、
天国もこの世に存在する。天国には天使が付きものだし、ツルは間違いなくそれだろう。
一欠片の真実を、肌に馴染んだ快い感触が教えてくれた。
 しかし、まだ満ち足りない。
「いざ二人で楽園へ!!」
「うっさい馬鹿!!」
 殴られた。
413 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:39:05 ID:VY8SU0fi
 これはソドムやモゴラの町を焼いた制裁か、いや違う。今の状況が究極だと僕に教えて
くれたのだろう、全くどこまでも素晴らしい愛天使だ。楽園へ導くのではなく、居る場所
が自動的に天国ランクインするなんて、僕は多分世界一の幸せ者だ。
「カメさん、楽しそうデスね」
「楽しいとも!!」
 人はハイになると、幸せのお裾分けをしたくなる。独り占めをしようとしても不可能と
思える程の幸福量は余裕を与え、人にも与えたくなってくるのだ。僕も例に漏れず、そう
したくなった。全員がこう考えれば世界からは争いがなくなると、崇高なことも思い付く。
 その第一歩として、僕はセンスの尻を揉んだ。
「ひゃぁァ!!」
 これは良い、なかなかの感触だ。今まで乳にばかり気を取られていたが、尻も柔らかく
気持ちが良い。豊かな尻肉は乳程ではないが簡単に指を受け入れ、飲み込んでくる。薄く
平べったいツルの尻も良いが、これは別の趣きがある。指に力を加えるごとにセンスは身
悶えをして、その度に手指の先が大きく飲み込まれる。また指の腹に当たる下着の布地の
感触も良い、乳とは別のいやらしさがあって力が込もってしまう。
「な、何でこんなことをするんデスかァ!?」
「平和の為だ」
 確かに幸せを与えたいと思ったが、脳に近い乳を揉むのではすぐに思考が許容量を越え
パンクしてしまうだろう。だからそこよりは遠い尻を選んだのだが、それでもセンスには
刺激が強かったらしい。パンツの上から撫でてもそうだから、こちらは無理なようだ。
 ならば、脚か。
414 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:40:38 ID:VY8SU0fi
 左右に分散させる為に太股の間に頭を突っ込むと、簡素な白いパンツが見えた。米国の
女性はもっと際どいものか馬鹿みたいなデザインのものを穿くというイメージがかるが、
天然素朴カントリー系娘であるセンスは違うようだ。ノースカロライナの田舎が育んだ、
巨乳娘センスの純情な感情100%に乾杯をしたい。
 更に幸せを与えようと、すべすべした太股に頬を擦り寄せ、
「何やってんのよ!!」
 激痛。
 頭をさすりながら振り向けば、肩で息をしながらツルが椅子を振りかぶっていた。先程
の衝撃はこれだったか、物騒な娘も居たものだ。
「センス泣いてるじゃない」
 いかん、本当だ。
 見ればセンスはスカートを押さえながら、涙を浮かべてこちらを見ている。ツルは更に
連続で椅子殴打をかましてきた。しかもフレーム部分、これは不味い。
「カメ、頭大丈夫か?」
「大丈夫じゃない」
「自覚はあるんだな」
 どういう意味だ、と一真に問い正そうとしたところで、予鈴が鳴った。
「大丈夫? ほら、痛いの痛いの飛んでけ飛んでけ」
 頭を撫でてくれる水樹の手に、涙が溢れてきた。
415 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:41:52 ID:VY8SU0fi
「うぁ、失敗した」
 ツルの手元を覗けば、フライパンの上にある野菜炒めが所々黒く焦げているのが見える。
相性が悪いのだろうか、家で作っているときもツルは焦がしてしまうことが多い。それも
また可愛いのだが、ツルはそれを気にしているらしかった。僕としてはツルの作ったもの
ならば例え排泄物味のカレーでも喜んで食べるのだが、負けず嫌いなツルは悔しそうな顔
で自分の皿に取り分けている。そのいじらしい姿に、僕は思わず頭を撫でた。
「ツルのは失敗じゃない」
「でもさ」
 視線が向けられたのは、水樹とセンスの皿。二人とも焦げ目一つなく、それどころか色
を全く失わずに野菜が輝いている。続いて目を向けられた僕の皿は、それ以上だ。普段は
交代制で料理を作っているのだが、そんな僕と自分に差があるのが辛いのだろう。
 少し考え、僕はツルの作った野菜炒めを一口食べた。焦げのせいで若干の苦味があるが、
それでも美味い。ツルが頑張って作ったというだけで、そこらの料理など豚の餌レベルに
感じてじまう程だ。心配そうな顔をしていたが、笑みを向けるとツルも嬉しそうな表情を
浮かべた。普段の態度はキツく可愛いらしいものだが、これもまた良いものだ。
「あーあー、良いわねツルは料理が上手くて」
 和んでいると、横からやさぐれた声がする。乳量の差を見せ付けられたツルと同じか、
それ以上の酷い声だ。振り向けば、コイがつまらなそうな目をしてこちらを睨んでいた。
416 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:43:06 ID:VY8SU0fi
「そんなにすねるなよ」
「すねるわよ、そりゃ」
 言いながら、フライパンの上に野菜を落として炒め始めた。
「大丈夫だって、前に練習しただろ? きっと料理も上達してる」
 作ったのは粉ジュースな上に失敗もしたのだが、それは言わない方が良いだろう。
「上達? だと良いけどね」
 直後、信じられない現象が起きた。
 フライパンから火柱が立つくらいのことはなんとなく想像していたのだが、コイの場合
はそれ以上だった。火柱が上がっているにはいるのだが、その中心では何故か野菜が氷に
包まれ始めているのだ。それだけには止まらず、完全に氷塊に埋まった後で、野菜が焦げ
始めている。もしかしてと思って胸ポケットを見たが、ミチルは眠ったままだ。どうやら
あれはコイ本人の実力によるものらしい、有り得ない。
「ほら、やっぱり失敗した」
 辛そうに言うと、コイは取り敢えず氷塊を皿の上に載せる。
「えっと、食べれば美味しいかもしれまセンよ?」
 そこで僕を見るな。
 センスは苦笑を浮かべつつ、氷だけでも砕こうと包丁で打つが、金属が打ち鳴らされる
ような高音が響いただけで終わってしまった。溶かそうともう一度フライパンに乗せるが、
どんなメカニズムが働いているのか氷の体積が増すばかりである。
「もう、良いわよ」
 吐息をして、コイはゴミ箱にその元野菜達を捨てた。
417 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:44:49 ID:VY8SU0fi
 家庭科室のドアを開くと、案の定コイがフライパンを洗っていた。教室の掃除が終わる
なり飛び出していったのだが、予想は外れていなかった。お世辞にも成績は良いとは言え
ないけれど、真面目で努力家なのは短い付き合いの中でも分かっていた。無理なようなら
捨てるから良い、と担当の先生に言われたのに、コイは必死でフライパンを擦っていた。
「何よ、笑いに来たの?」
 一歩踏み込むと、こちらを睨んでくる。
「さぞ愉快でしょうね? こんな厄介な女が酷い目に遭ってるんだから」
「そんな言い方はないだろ?」
 舌打ちをして、コイは作業を再開した。
「手伝いに来たんだよ」
「あっそ、要らない」
 取り付く島もない、とは正にこのことだろうか。ツルもかなりの意地っ張りだが、コイ
もなかなか強情な娘だ。こんな共通点があるから、二人は親友になったのかもしれない。
無理に手伝おうとすると絶対に一人でやろうとするタイプ、そんな人間だ。こんなタイプ
は少し引いた方が良いと過去の経験で知っているので、僕は黙って椅子に座った。
 なかなか良い眺めだ。
 力を込めて擦っているせいなのだろう、焦げを落とす鈍い音に合わせるように形の良い
尻が左右に揺れている。スカートが規定よりも大分短いのでパンツが見えそうで見えない
という限界な構図も良いし、綺麗なラインを描いている脚も素晴らしい。微妙に脚の線を
隠すエプロンも、これはこれで趣きがあった。
「ねぇ」
「はぃ!?」
 いかん、つい手を伸ばしてしまったが、気付かれただろうか。今度ツルにバレてしまっ
たら、頭蓋骨殴打では済まされないかもしれない。下手をすれば死亡、良くても下半身が
不随、もしくは勃起不全症候群になってしまうかもしれない。未来がある高校生に、それ
は酷いものがある。若いうちのちんこは、放尿の為だけにある訳ではない。あまりの恐怖
に、普段ならば色々と濁してしまう言葉が頭の中で乱舞する。
 恐る恐る顔を上げると、しかしコイはこちらを見ていなかった。
418 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:46:32 ID:VY8SU0fi
「何で、来たの?」
 何でって言われても、本当に手伝いに来たとしか言いようがない。笑うつもりも無いし、
馬鹿にするなんてこともしない。ただ一人だと辛いだろうと思ったから、来ただけなのだ。
誰も居ない教室の中で一人でフライパンを擦るコイの姿を想像して、
「心配になった」
「また失敗するかも、って?」
 こんなときまで、彼女は皮肉を忘れない。顔は見えないが、随分と痛々しい。きっと今、
コイは昼休みのときのような憂鬱な顔をしているのだろう。無理をしなくても良いのに、
自分らしさを守るために。言葉の棘を武器にして、蕀の鎧で自分を守って。
「何すんのよ、腐れちんこ。脳が腐るから止めて」
 気付いたら、僕はコイの頭を撫でていた。
「またツルに怒られるよ?」
「大丈夫だ、愛があれは」
 それに怒られるのが怖くて友達を見捨てるのならば、それは自分を裏切ることになる。
コイが自分である為に言葉の棘を出すのなら、僕は自分である為にその頭を撫でてやる。
蕀の冠を外し、もう強がらなくても良いと教える為に。
「その愛の十分の一でも、分けてくれたらね」
 呟くように言っった直後、コイは小さく痙攣して手を引っ込めた。見れば長く綺麗な爪
は割れて、僅かに血が滲んでいる。どうやら引っ掛けてしまったらしい。
「ほら、ちょっと貸せ」
 コイからタワシを奪い取り、僕はフライパンを擦り始めた。テフロン加工の筈なのに、
何故か頑丈にこびり付いていてなかなか焦げを取ることが出来ない。だがそれでも所々底
が見えている、きっと頑張って取ろうとしたのだろう。細い腕の、弱い力で。
「何で、そんなに優しくすんのよ?」
「友達だからな」
 結構筋力はある筈なのに、びくともしない。何だ、野菜炒めを作っていただけなのに。
「優しくしないでよ。応えられないなら、優しくしないで」
「すまん」
 一旦手を止めて振り向くと、泣いているコイの顔が見えた。
「馬鹿、最低、腐れちんこ」
「すまん」
 本当に馬鹿で最低で腐れちんこだ、僕は周りの女の子を泣かせてばかりだと思う。
「ごめん、最低だ、あたし。カメは悪くないのに」
419 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:47:26 ID:VY8SU0fi
 数秒。
「逆レイプまでかまして、必死に振り向かせようとして。本当に、馬鹿みたい」
「すまん」
 謝った直後、唇を奪われた。
 襟を引く強引な動きで押し付けられ、前歯がぶつかり小さな音が鳴る。やり方を知らず、
ただ当てるだけの子供のような稚拙なキス。涙に濡れた目を閉じて、一方的に自分の想い
を伝えるだけのもの。仄かな塩味は、涙のせいだろうか。
 一瞬だけ続いたそれを終えると、コイは胸板に頭を預けてきた。
「すま……」
「謝らないで、カメは何も悪くない。悪いのはあたし」
 それに、と言葉を続け、
「そんな真っ直ぐなカメだから、好きになったの」
 しゃがみ、股間に顔を近付けてくる。なんとなく、こんな展開になるのは予想がついて
いたのだが、やはり慣れるものではない。コイを筆頭に周囲の女性全員としている僕など
が言えた義理ではないかもしれないが、それでも心が痛んでくる。
「うわ、大きくなってる」
 正直者が得をするなど、誰が言ったのだろうか。現に僕の息子さんは正直になりすぎて、
地獄に直行しようとしているところだ。コイの頭を掴んで離そうとしても、
「元気な馬鹿ちんこね」
 言われ、舐められて力が抜けてしまった。最近はツルがガールズディでご無沙汰だった
からだろうか、それでも数日間しか間を開いていないにも関わらず股間は舌の感触に反応
していた。足腰に力が入らずに椅子に座り込むと、コイは更に深く顔を埋めてくる。
「お前、反省したんじゃ」
 強く吸いながら顔を引き抜くと、コイは涙の余韻が残る瞳で見上げてきた。
「これは、違うのよ。今までのじゃなくて、やりたいからしてるの」
420 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:49:14 ID:VY8SU0fi
 僕はやられたくない、と言いたかったが、普段ならば絶対に見せることのない弱気な顔
にやられてしまった。ツルのは勿論だが、アズサ先生といいコイといい、僕はギャップに
随分と弱いらしい。誰かが見せる弱い一面を見れば手を差し伸ばしてしまうのは悪い癖だ、
自覚しているのに直すことが出来ないから余計に質が悪い。
 ここから先は、泣いているのを慰めるのとは意味が少し違う。
「これで、最後だぞ?」
 今まで誰に、何回言ったのだろうか。思い出すのが面倒なくらいに言っているような気
がするし、もしかしたら今が最初かもしれない。コイの舌が与えてくる快楽に思考が溶け、
何も考えられなくなってくる。アズサ先生やエニシ先生と比べると、あまり上手いものと
言うことが出来ない。正直に言ってしまえば、たまにツルがしてくれるものの方が上手い
けれど、その真剣な態度が心を震わせた。過去に何度かされたが、そのどれよりも丹念に
舐め、奉仕してくる姿は愛しくさえ思えた。頭を軽く撫でてやると、コイは目を細めて舌
の動きを激しいものにする。まるで幼子のようだと、そう思った。
「カメって、胸、好きだよね?」
 上手く喋ることが出来ずに頷くと、コイはエプロンを脱ぎYシャツのボタンを外した。
現れるのは青いブラだが、観察する暇もなくホックを外す。胸が大きい人は前ホック式の
ものを外すのが少し面倒な筈だが、慣れているからか簡単に外れた。使わない状況が一番
だが、後で参考にさせて貰おう。ツルが再び巨乳になったとき、ブラ係は僕しか居ない。
「また妙なこと考えてる?」
「僕は常に真面目だ」
 そう?、と言って僕のものを豊かな丘で挟んできた。あまり体験したことはないけれど、
この感触は癖になりそうだ。柔らかな弾力がまんべんなく包み込み、人肌の温度で優しく
刺激してくれる。膣内の締め付けや口での奉仕も好きだが、それらとはまた次元が違う。
近い感触といえば素股だが、それとは別の良さだ。
 唾液を垂らして全体にまぶすと、コイは胸で扱き始めた。
「どう?」
「気持、ち、良い」
421 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:50:35 ID:VY8SU0fi
 ここまで欲求不満だっただろうか、と思ってしまうくらいに快い。コイも興奮してきた
のか、胸で擦りつつ自分の乳首を弄んでいた。力を込める度に舌が小さく痙攣し、細かな
振動でカリ首をえぐるように舐めてくる。開きっぱなしの口からは唾液がただ漏れ状態で、
べとべとに濡れた胸が動く度に粘着質な水音が教室の中に響いた。
「ごめん、もう、我慢出来ない」
 あと僅かで限界、といったところでコイは体を離した。
「入れるよ」
 そして僕に抱きつくようにして股間に跨ると、愛液に濡れた下着をずらす。指先に蜜が
絡み小さく音が聞こえてきた、胸をいじっているだけで準備は出来たらしい。
 腰を降ろすと、僕のものが根元まで飲み込まれた。一気に奥まで辿り着き、溢れた吐息
が首筋を擽ってくる。入れただけで軽く達してしまったらしく、動いてもいないのに竿を
断続的に絞り取るように絡み付いてくる。本番は数えて二度目の筈だがよく馴染んでいた。
 腰を軽く上下に揺すると、刺激が強すぎるのか声を漏らして頭を掻き抱いてきた。顔が
胸に押し付けられて、柔らかい感触に包まれる。耳に入ってくる長い吐息は、声を必死に
押し殺しているからだろうか。
 胸を揉み、クリと乳首をひっかくように刺激すれば、我慢出来なくなったコイは黄色い
声を漏らした。それで箍が外れてしまったのか、自ら腰を動かし始める。
 縦の動きではなく、横の動き。
 既に子宮の入口に達しているそれを、更に奥へと押し込むように、こじるような動きで
腰を回してくる。ざらついた部分で敏感な部分を擦られ、ねぶられ、今にも出したくなる。
視界に入った胸の先端をくわえ、舌で転がし、潰すと、より強く胸に顔が押し付けられた。
高く脈打つコイの鼓動が、耳を通さずに直接脳に響いてくる。
 イキっぱなしなのか夢中で腰を降るコイの膣内は、胸を刺激したことで、より締め付け
を強くしてきた。左の胸を吸いながら右の胸を刺激し、もう片方の手でクリを摘みあげる
と強く収縮してきた。大きく達してしまったらしい。
 僕も、限界だ。
 奥に放出し、吐息をするとコイが唇を重ねてきた。
「おい」
「ごめん、でも、もう少しこのままで」
 目を閉じて、強く抱き締めてくる。
「すまん」
 頭を軽く撫でてやると、コイは嬉しそうに小さく笑い声を漏らした。
422 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:52:23 ID:VY8SU0fi
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!! いつも爽やか純情少年カメと!!」
水「何故か人気の男の娘、水樹がお送りします!!……うぅ、恥ずかしい」
亀「ドンマイ」
水「今週は五枚の葉書と、四つのレスだね」
亀「今週のゲストは巨乳女子高生のコイです!!」
恋「うわ、そのテンションうざ」

つ[]乳くらべを〜
亀「どうだ?」
恋「しないわよ!! 頭おかしいんじゃないの!?」
水「言い過ぎだよ」
恋「じゃあ、ちんこ比べしろって言われたらどうすんのよ?」
亀「すまんかった」

つ[]エニシ先生を〜
水「アズサ先生じゃなくて?」
亀「是非貰って下さい!!」
恋「嬉しそうね?」
亀「逆レイパーはもう充分だ!!」
恋「だから、謝ったじゃないのよ!? この腐れちん……」
水「それでは次の葉書をどうぞ」

つ[]小さくて〜
亀「よく分かってるな、だがツルは絶対にやらん」
水「それよりも、後半が」
恋「腐ってるわね」
水「何度も言うけど、あたしは男。それに前回は一行も出てなかったような気が」
亀「僕の主観での話だからな」

>>403
水「立ってないよ!?」
亀「フラグとは本人の気が付かないところで立ってるものだ」
恋「アンタが言うと重みがあるわね」
亀「そうか?」
恋「ツルにも確認してみる?」
亀「ひぎぃ!! すまん頼む止めてくれ!!」

つ[]朝のHRから〜
恋「早漏だから?」
亀「違う。ここで注目したいのは、最初の部分だ」
水「『今日でテストが返ってきて〜』だね」
亀「そう、帰りのHRなんだよ。あと僕は早漏じゃない」

423 名前: 『ツルとカメ』×25 [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:53:34 ID:VY8SU0fi
>>406
亀「ほら水樹、フォロー」
水「なんであたしが」
恋「半分アンタのせいだし」
水「えと、大好き!!」
亀「凄い良い笑顔だな、見せれないのが残念だ」

つ[]もうカメが〜
恋「客観視できる人は良いわね」
水「本当にね」
恋「あたしは扱い辛いからって、セクハラと料理下手オンリーだし」
水「あたしも女装ネタと痴漢ネタくらいしか」
亀「帰ってこい、今の目はヤバいぞ?」

>>408
恋「笑われてるわよ」
亀「僕はまともなのに」
水「え?」
恋「どこがよ?」

>>409
恋「だから、しないってば」
亀「そうだな。するとしても、皆で酒飲んで酔っ払ったセンスとコイが居なければ、まぁ
  実現は不可能だろうな。だから無理無理、これはない」
水「その割には随分と具体的で、有り得そなプランが出てきたね」
恋「どうなのカメ?」
亀「あ、もうそろそろ時間だ!! また来週!! 次はホウオウコンビ、何だか質問コーナー
が見辛そうになりそうですね? それでは、貴方のハートにマジカル☆チェックイン!!」
恋「何よそのうすら寒い引きは!?」
水「それではまた来週!!」
424 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:54:14 ID:zVsl4svh
リアルタイムGJ!!!


まぁ…水樹が一番かな…
425 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 00:55:22 ID:VY8SU0fi
今回はこれで終わりです

ラブコメの王道のつもりでしたが、何だか違いますね?
ツンデレの王道のつもりでしたが、これもやっぱり違いますね?
キュンと切ない話が書きたいです
426 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 01:19:21 ID:zVsl4svh
おっと、少し先走った
謝罪、ツルの胸に

水樹の尻のせいだ
427 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 02:26:18 ID:iZtftrq8
GJ!!
カメの変態行為はもう神ですね

つ[]アズサ先生とエニシ先生のダブルパックをください
もう一枚
つ[]水樹とコイマダー?
428 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 08:42:04 ID:Hm5/dw0S
刃烈にGJ!

コイの料理は別宇宙の物理法則が適用されてるみたいだな。
といって伏線らしきものを暴露してみたりせんとす。


つ[]<もういっそのこと死に瀕したカメの妄想でよくね?
429 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 13:58:26 ID:cbCQRfNI
GJ!!
>「カメ、頭大丈夫か?」
>「大丈夫じゃない」
>「自覚はあるんだな」
ここステキ

っ[]<カメがやらないなら、俺が水樹の尻を眺めるよ。俺が痛いの痛いの飛んでけしてもらいたいよ。
    てかエプロン?水樹クンのエプロン? 軽い兵器ですな・・・。
    男の子だから一人称「ぼく」と言って欲しいが、だが「あたし」も捨てがたいぜ・・・    あれ?水樹のことばっかりに?
430 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/15(木) 16:32:44 ID:tpakf48B
ロボ氏GJ!!
毒舌なのに時折見せる弱さがステキですね→コイ

つ[]「嫌だったら黙って水樹の尻でも眺めてなさいよ」の下りでツルの前に水樹の名前が来たのは仕様ですか?


>>294
頭大丈夫かの下りに同意。
431 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/16(金) 01:35:48 ID:n5C5ad2e
GJ!!


つ[]一真×水樹マダー?
432 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/18(日) 03:37:36 ID:w1a9IK+H
今回もGJ!!

つ[]水樹女体化or巨乳化キボン
433 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/18(日) 11:31:42 ID:YfJ4F0+Y
おまえら水樹水樹ってなあ…
このSSの主役はツルとカメだって事を完全にシカトする
てめぇらの血は何色だ――――――――っっ!!!!!!






てな訳で百合分の少ない昨今にツル×コイが見たいとか。
コイは百合だとガン受だと思ってるのはワシだけでいい。
434 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/18(日) 18:40:19 ID:D/nz+1vu
ツルはマグロ
しかしマグロ>コイとゆー大胆解釈と
まな板のコイとゆー諺を合わせれば
ツル×コイは有だと

ただ「まな板」をツルと解釈した場合
まな板の「上の」コイであるからして
コイ×ツルがないとも言い切れない
435 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 08:02:15 ID:c86kQpOy
>>434
お前頭いいな。

しかし百合は強い否定派がいるから、仮に投下するなら事前に宣告するのがベスト。
そしてそんな餌が撒かれた場合、食いついて離さない俺ツル×コイに一票。
436 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 12:14:24 ID:DgX5iz2R
>>434の想像力に脱帽

しかし百合否定と言われても、アズサ先生の処女って(略
437 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 17:36:58 ID:G3/au29a
ロボ氏を他スレで発見
さすがとしか
438 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:23:24 ID:iSPPuQQu
投下いたします。

メイドものです。一応。
439 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:23:56 ID:iSPPuQQu
 藤森はじめの両親は少しばかり変わった職業をしている。

 父親は料理人。テレビにも出演するほどの凄腕の料理人で出版した
本もたくさんある。もとより藤森家は裕福な家庭だったが、父親の
代になってさらに資産を増やしたようだ。
 母親は写真家。主に危険な場所――世界の悪路ベストテンに入る場所等――
を撮ることが多いため、世界中を飛び回っている。父親ほど有名では
ないものの、そっちの世界ではなかなかの好評を得ている。

 二人が会うことは年に数回ではあるが、夫婦仲は良好。二人共家に
帰ってきた日にははじめが気をきかせて外泊するほどである。

 このように部分的に見れば完璧な夫婦である。

 しかし完璧なように見える両親にも欠点がある。
 父親は料理バカであるため、はじめが父の後を継がないと言ったときには
親戚から後継者を探して来て家に住まわせた。
 母親は家をよく開けるため息子に対して心配性で、自分が面倒を見れない
代わりに、ということで近所に住む女の子にはじめの面倒を見るようにと
頼み込んだ。

 その結果、父の後継者の女性と近所に住むはじめの幼馴染が藤森家に
居候することになった。しかしそれだけならまだしも、面目を保つために
その二人を家政婦として雇った。
 はじめは二人が住むことに対して反対だった。二人がいい人だということは
知っている。しかし、二人とも性格がきついのだ。それさえなければずっと
一緒に住んでもいいというのに。
 とはいえ、反対したところで二人が住むことは両親によって決定済みであった
ため、はじめは二人の女の子と同棲生活をすることになってしまったのである。

 それ以来、藤森家に住む人間は三人になった。
 現時点で一人息子のはじめ、父親の後継者の藤森やよい、はじめの幼馴染の
古畑(ふるばたけ)マナが藤森家には住んでいる。
440 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:24:41 ID:iSPPuQQu
・ ・ ・ ・ ・ ・

「ちゃんと乾いてるかな・・・・・・」
 
 ゆっくりと、ゆっくりと爪の先で塗装面に触れる。
 触れた部分を見たら爪の跡は残っていなかった。
 もう一度触れる。今度は指の腹で。

「――うん。よかった。ちゃんと乾いてる」
 
 はじめは手に持ったプラモデルのパーツを台の上に置き、我慢していた息を
吐きだした。
 彼が手に持っていたのはバイクのプラモデル。先日難しい黄色の塗装を終えて、
デカールを貼ってからクリアースプレーを吹き終わったところだった。あとは
塗装面を鏡面仕上げにしてワックスをかければ終了である。

「明後日には間に合うかな」

 彼の趣味はプラモデルを作ることだった。12歳のころにのめりこんでから
五年少々。今では学校の友人に代理で作ってほしいと頼まれるほどの腕になっている。
 しかし今回作っているものは自分から人にプレゼントするために作っている。

「あいつ、もらってくれるかな。要らないとか言われなければいいんだけど」

 まさかそこまでひどいことを言われないとは思うが、普段のはじめに対する態度を
見ていると心配になってしまう。でももしかしたらプレゼントしたら喜んでくれる
かもしれない。そう思うと俄然やる気が沸いてくる。

 はじめが次の作業に移ろうとしたそのとき。

「はじめくん。ご飯の時間です。出てきてください」

 ノックの音と共に静かな声が聞こえてきた。

「やよいさん? ご飯にはまだ早くない?」
「もう七時です。早く出てきてください」
「先に食べててよ。僕やることがあるから」
「だめです。ご飯は必ず三人で食べるよう先生に言われてるんですから」

 やよいははじめの父親を『先生』と呼んでいる。彼女にとっては師匠のような
ものだからこう呼んでいるのだ。
 出てきてくれと言われてもせっかく乗り気になっているのだから途中で
やめたくない。そう思ったはじめはやよいの呼び出しを拒否することにした。
441 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:25:14 ID:iSPPuQQu

「今日は僕だけ遅くしてくれないかな?」
「いけません。理由も無いのに先生の言いつけは破れません」
「父さんの言いつけはやよいさんにとっては絶対なの?」
「絶対的ではないですけど、かなり優先されます」

 とりつくしまもない。しかし今の気分のままで完成させたいはじめとしては
ここは譲れなかった。だからつい今まで一度も言ったことの無いことを
言ってしまった。

「じゃあ今晩は僕のご飯は要らないよ」
「・・・・・・わかりました。そこまで言うのでしたらもう何も言いません」

 意外なことにやよいが引き下がった。珍しいこともあるものだと思ったが、
今はありがたい。はじめは早速次の作業にとりかかることにした。

 しかし、ドアの向こうからまたしてもやよいの声が聞こえてきた。
 
「今度は力づくで引っ張り出します」

 は――?と声をあげようとしたら。

 ドガァン!!

 と、派手な音を立てて扉が開いた。――否。やよいに蹴破られた。

 はじめは唖然として声も出せない。いくらやよいでもここまで強硬な手段に
出たことは一度もなかったからだ。
 廊下に立っているやよいはいつもと変わりない。肩まで伸びたショートヘアーは
一切の乱れもない。いつも身に着けているロングスカートのワンピースも卸したての
ようにしわひとつない。ワンピースの胸元が大きく膨らんでいるのも相変わらずだ。
 ただ一ついつもと違うことと言えば、普段より厳しい、責めるようなまなざしで
見つめていることだった。
 
「先生からの言いつけです。
 『はじめが夕食を食べないと駄々をこねたら無理やりにでも食べさせろ』。
 悪く思わないでください。はじめくん」
「・・・・・・」

 やよいに腕を引っ張られ、はじめは部屋を出て行った。

 出て行った後には、鍵を破壊されたドアがキィキィと音を立てながら揺れていた。
442 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:25:56 ID:iSPPuQQu
「はじめ! 遅いわよ!」
「ああ、ごめん。マナ」

 マナは居間に一人で正座して待っていた。テーブルの上には既に三人分の食事が
並べられている。メニューは白米、味噌汁、さば味噌、大根の煮物、そして漬物。
いずれもやよいが作ったものである。

「今日は大好きなさば味噌だったから楽しみにしてたのに。
 はじめのせいでおあずけになっちゃったじゃないの」
「だから悪かったって」
「反省の色が無いわね。だいたい何やってたのよ。最後にはすっごい音がしてたし」
「あ――いいや。別に何でもないんだ」

 マナにプレゼントするためのプラモデルを作っていた。とは言えなかった。三ヶ月も
かけて作ったのだ。ここでそのことがバレてしまっては今まで秘密で作ってきたことが
全て水の泡になってしまう。
 ごまかしたつもりだったがマナはさらに問い詰めてきた。

「ふーん。まさか人に言えないこと?」
「ま、外れではないかな」
「ほうほう。――なるほどね。
 そっか。はじめも男の子だからね。こんな可愛い女の子二人と同居してたら
 欲望を持て余すのも無理はないよね」
「たぶんマナの考えていることとは違うよ」

 人に言えないこと、というのは正解だがそれに続いた言葉はまったく見当違いの
ものだった。ものすごい勘違いをしている。
 しかし、可愛いという点においては否定できない。やよいは可愛いというより綺麗と
言ったほうがふさわしいが、マナは可愛いと言いたくなってしまう女の子だ。
 身長ははじめの肩に届くぐらいであるのに加え、ぱっちりと開いた黒目が黒のワンピース
と白いエプロン――いわゆるメイド服――を事務的なものからドレスのような愛らしさ
にまで引き立てている。さらに長い髪をポニーテールにしているリボンとの組み合わせで
彼女を少女のように見せてしまう。欠点といえば胸も少女らしい大きさだということ
だろうか。

「ごまかさなくてもいいわよ。でも、もし考えてることを実行に移そうとしたら
 バイクでこの辺一帯を引きずり回すからね」
「考えてもいないし、実行しようとも思わないよ」

 もう一つの欠点はこういうことを平気で言う彼女の性格であろう。

「二人とも。お話はそれぐらいにして夕食にしましょう。
 今日のさば味噌はせっかく美味しくできたんですから」
「そうね。私もおなか空いちゃったし」

 三人がそれぞれいつもの席につく。やよいとマナは隣同士に。はじめはテーブルを
挟んで彼女たちと向かい合わせの位置に。
 
「では、二人とも手を合わせて」

 やよいの言うとおりにして二人が自分の手と手を合わせた。

「「「いただきます」」」

 三人同時にいただきますをして、夕方の晩餐が始まった。
443 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:27:35 ID:iSPPuQQu
・ ・ ・

 三人揃っての夕食を終えたあと、はじめは風呂に入っていた。

「ふうううううう・・・・・・」

 檜風呂に浸かりながら今日何度目かのため息を吐く。それは三人で
同棲生活を始めてからというもの、彼にとっては日課のようなものになっている。
 しかし今日はいつもより落胆が大きい。まさかドアを蹴破られるとははじめも
思っていなかった。この家はそれなりにお金をかけて建てられているので、
ドアと鍵もちろん頑丈なものになっている。はじめの部屋も例外ではない。
 それだというのにやよいは蹴りの一撃で鍵を破壊した。まさかこんなことをする
ような――いや、できるような人だと思わなかった。

(父さんが何か仕込んだのかな)

 はじめの父は大柄で、料理人というよりはプロの格闘家と言ったほうがしっくりとくる
風体をしている。昔格闘技のようなものを習ったという話を聞いたことは無いが、
聞いていないだけで真実は分からない。それはつまり、やよいに何か仕込んでいる
可能性があるということである。

(あの人にはなるべく逆らわないでおこう)

 そう結論づけてはじめは風呂から上がることにした。

・ ・ ・ 

 はじめの部屋にあるプラモデルを作成するための机。その上には作成途中の
バイクのプラモデルがバラバラになって置いたままになっている。
 やよいが部屋に訪ねてきたときには完成させたくて仕方がなかったが、今は
作る気分になれなかった。
 
「マナもあんなこと言うなよな。人の気も知らないで」

 今はじめが作っているプラモデルはマナが乗っているバイクと同じもの。
 何故これを作ってプレゼントするのかというと、明後日がマナの誕生日だからだ。
 なんだかんだ言ってやよいとマナには世話になっているので誕生日には何か
贈るようにしているはじめだが、一度も喜ばれたためしがない。

「今年こそは喜ばせようと思ったんだけど、やっぱりだめかなあ・・・・・・」

 ついそんなことを考えてしまう。しかし、すぐに思い直した。

「いやいや。きっと、今度こそは喜んでくれるさ」

 そう自分に言い聞かせたはじめはそのまま部屋の明かりを消して
ベッドで眠りについた。
444 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:28:42 ID:iSPPuQQu
・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 翌日の昼。
 
 はじめは通学している高校の3-Aの教室で友人と食事をとっていた。

「知っているか? メイドさんの正しい表記は『メード』なんだ。
 しかし英語をしゃべるときには――――」
「もうそれは聞き飽きたよ。卓也」

 何故かメイドについてはうるさい友人のうんちくを聞かされながら
やよいが作ってくれたお弁当を食べる。これはいつもの光景だ。
そしてこの男が毎日同じ話を繰り返すのも同様である。

「卓也。メイドメイドって言うけどそんなにいいもんじゃないぞ。
 ものすごく昔ならともかくメイドさんだって仕事でやってるわけだし。
 それに自分の言いたいことははっきり言うんだぞ」

 それもはっきりと、ずけずけと言い放つ。現実を知っているはじめは
メイド、もしくは家政婦についていいイメージを持っていなかった。

「分かっていないのはお前だ。はじめ。メイドさんが自己主張するなど当然だ。
 無論人間な訳だから機嫌が良い日もあれば悪い日もある。
 しかし! その上で誠心誠意尽くしてくれる姿に俺は憧れる!
 メイドさんは人間的であるからこそ萌えがあるのだ!」
(少しは『素』を抑えてくれてもいいんじゃないかと思うけどね)
「そして今流行のメイド服はなっていない!
 メイド服はロングスカートでなきゃ認めん! ミニスカートなど論外っ!」
「あ、このきんぴらごぼう美味い。卓也も食べるか?」
「なんだその投げやりな態度は! 貴様自分が二人も美人メイドを
 侍らせているからと言って調子に乗っているな!」
「はいはい。ごちそうさま」

 やよいが作ってくれた弁当を完食して、手を合わせて軽く一礼をした。

「ふうう・・・・・・美味しかった」
「くそう! なぜお前だけいい思いをするんだ! 
 神よ! もし天におわすのでしたら私にツン九割デレ一割のメイドさんを与えてください!
 ここにいるのんきな男の家でメイドをしている女性なんか理想です!」
「じゃ、卓也おやすみー」
「神よ! 何故現れてくれないのですか! やはりあなたはいないのですか!」

 ――いるわけないじゃん。いたとしても適当にサイコロを振ってるだけさ。

 声には出さずに心の中で呟き、はじめはひと時の休息についた。
445 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:31:31 ID:iSPPuQQu
前編、とりあえず投下終了です。
後編は明日か明後日にでも。

ロボさんのいるスレでメイドものを書くのは勇気がいりますが・・・・・・
とりあえず前後編は完結させます。









(もし好評だったらその後も続きを書きたいな。なんて。)
446 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:44:08 ID:BibhyZYR
GJです! 面白かったですよ!
後編の後も、是非続きを書いてほしいですね!
447 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 21:57:57 ID:DgX5iz2R
全身全霊を賭けてwktkさせて頂きます。

ドアを蹴破るメイドって時点で3日は戦えるなwww
448 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/19(月) 23:02:36 ID:G3/au29a
超ガンバ!

と、急がして色書けない俺が言ってみりゅ
449 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 01:11:45 ID:tUils8Bm
GJ!

「執事とメイドさんは絶対に武闘派」という真理が俺の頭の中で固まった。
450 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 02:43:35 ID:TRsadkqb
ウィンフィールド、バトラー
ロベルタ、まほろさん
451 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 03:15:16 ID:vX1pfcdc
なんかキター!

しかし俺は辛口批評家!この俺から「GJ」をもぎ取りたければよき後編を期待しますwktk!
452 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 16:55:44 ID:gM/+gYdt
これはwktk
蹴破られたときにプラモが壊れちゃって困るやよいたんをお仕置き(性的な意味で)
だと思ってたのに外した
つまりwktk
453 名前: 番外編 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 21:27:40 ID:P94PhCnH
>>452
こんな感じ?


「今度は力づくで引っ張り出します」

 は――?と声をあげようとしたら。

 チャッ カチャリ

 小さな物音が聞こえてきた。そして次の瞬間。

 ガゥンガゥゥン! 

 二発の銃声。次いで、

 ドガァン!

 扉が開く音が聞こえてきた。
 扉の向こうからやよいが早足で近づいてくる。

「先生からの言いつけです。
 『はじめが夕食を食べないと駄々をこねたら手足を撃ち抜いてでも食べさせろ』。
 悪く思わないでください。はじめくん」
「なっ――!」

 やよいの両手にはリボルバーが握られている。

「お覚悟を。はじめくん」

 やよいがはじめに銃口を向けてきた。
 ――こんなところで、死んでたまるか!

「動けー! 僕の作った作品たちよ! やよいさんを追い払え!」

 はじめの掛け声と共に部屋に置いてあるプラモデル・ラジコン・フィギュアが
動き出した。一斉にやよいに襲い掛かってくる!
454 名前: 番外編 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 21:28:28 ID:P94PhCnH
「小賢しいです。こんなもの」

 リボルバーをホルスターに納めたやよいは無手の戦闘態勢に移った。
 棚からフィギュアが飛び出す。しかしやよいは全く表情をを変えずに叫んだ。

「参ります!」

 その掛け声と同時にやよいはフィギュアを迎え撃つ。
 前から飛んできた美少女のフィギュアを左ジャブで破壊し、左からやってくる
ロボットのプラモデルに向かって左裏拳を放つ。プラモデルは粉々になった。
 やよいの目が険しくなる。いつもの冷静な表情は戦士の顔に変わっている。
 
「料理の基本はさしすせそです!
 まずは『刺』!」

 飛んできたフィギュアを貫き手で破壊。

「次に『疾』!」

 高速の手刀がラジコンヘリの胴体を切り落とす。

「三つ目は『擦』!」

 畳の上を走ってきたプラモデルの車を踏み込みで押し潰し、残骸を畳に擦り付ける。

「そして『背』!」

 背後から近づいていたラジコンヘリを後ろ回し蹴りで粉砕。

「最後は、『総』!」

 ホルスターから拳銃を抜き放ち、左右へ向けてそれぞれに構える。

 ――ガゥンガゥンガゥンガゥンガゥン!

 踊るようにスカートを翻らせながら回転し、拳銃を打ち始めた。

 ――ガゥンガゥンガゥンガゥンガゥゥン! ・・・・・・ガチ、ガチガチン

 最後まで弾を撃ちつくしたとき、動いているものははじめとやよいだけだった。
455 名前: 番外編 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 21:29:47 ID:P94PhCnH
「先生に最初に教わった技です。お楽しみいただけましたか? はじめくん」
「くっ・・・・・・!」

 どう見てもはじめは観念するしかない状況である。
 しかし――

「まだ、終わりじゃないですよ。やよいさん」
「負け惜しみはよしてください。私達二人以外に動いているものなどいません」
「やよいさんも動けないんじゃないですか?」
「――え?」

 やよいはそう言われて初めて気づいた。

「体が、動かない・・・・・・? 何をしたんですか! はじめくん!」
「これを使ったんですよ」

 はじめが持っていたものはメイド服を着たのフィギュアだった。
 左胸には『やよい』と書いてある。

「このフィギュアに僕が念を送り続けている限りやよいさんは動けません。
 ――ちなみに僕が気絶しないかぎりはその念が止まることはありません」
「くっ・・・・・・! とんだ失態です。先生に顔向けできません・・・・・・」

 やよいは歯ぎしりしながら俯いた。その後頭部にはじめは声をかける。

「やよいさん。僕は怒っているんですよ。あれ、見てください」
 
 はじめが指を指しているものは作業台。それはもう見る影も無く破壊されている。

「あそこにはマナにプレゼントするためのプラモデルが置いてあったんです。
 もう、粉々になっちゃいましたけど」
「あ――。ごめんなさい。はじめくん。私・・・・・・」

 はじめは手を下ろし、やよいの前に立った。

「やよいさんには、おしおきをする必要があるみたいですね」
「え・・・・・・? きゃ!」

 やよいが悲鳴をあげる。無理も無い。
 はじめがメイド服のブラウスのボタンを外していたのだから。
456 名前: 番外編 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 21:30:30 ID:P94PhCnH
「はじめくん! なにをしてるんですか!」
「だから、おしおきですって――ほら」
「あ! ん・・・・・・やめて・・・・・・」

 ブラウスのボタンを外し終えたはじめはやよいの乳房に手を当てた。
当てただけだというのにやよいは切ない喘ぎ声をあげる。

「やよいさん? どうしたんですか。触っただけですよ」
「いけません。はじめくん。こんなの・・・・・・」
「いけないことはこれからするんですよ」

 エプロンを脱がし、スカートの中に入っているブラウスを抜き取る。
 はじめの目の前にはやよいの大きな胸がブラジャーに包まれた状態で
さらけだされた。過剰なまでに存在を主張している。

「もう、やめて。はじめくん・・・・・・こんなの、私・・・・・・」
「本当は好きなんじゃないですか? 無理矢理されるのが」

 やよいの背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。
 
「いやっ・・・・・・何をするの・・・・・・」
「こうするんですよ!」

 やよいのブラジャーを上にずらすと、二つの乳房が飛び出した。
 ずり上げられた勢いで上下に揺れている。

「すごいですね・・・・・・やよいさんのおっぱいは。ブラジャーをしてないのに形を保っている・・・・・・」
「いやぁ・・・・・・言わないで、恥ずかしい・・・・・・」
「そんなことを言われたらもっといじわるをしたくなりますね」

 はじめはやよいの左胸に触れた。柔らかな、弾力のある肌触り。
 そして両手で乳房を包み込み、揉み始めた。

「あ、んっ。んやぁ、やめて、はじめくぅん」
「いい声で啼くんですね。もっと聞かせてくださいよ」
「ああ! だ、め。乳首に、乳首は弱いの、ぉ。
 んあ、そんなあ、・・・・・・もっと優しくしてぇ、あ、じめくん・・・・・・」

 乳首をつまんだらさらに切ない声をだした。
 だんだんその声が色っぽくなっているのがはじめには分かった。
 はじめは笑顔を浮かべ――

「――じゃあ、やめておきますね」
「え? あ・・・・・・」
「どうしましたか? 残念そうな顔して」
「・・・・・・なんでもありません。それよりやめるんでしたら早く服を着せてください」

 凛とした声。いつものやよいに戻っている。
457 名前: 番外編 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 21:32:01 ID:P94PhCnH
 居間へ向かって歩きながらやよいははじめに話しかけた。

「はじめくん。今日のことは・・・・・・」
「内緒にしてくださいね。特にマナと父さんには」
「いえ、その・・・・・・もしああいうのが好きなんでしたら、これからも・・・・・・」
「え?」

 はじめがやよいの顔を覗きこんだ。途端に顔を紅く染め、そっぽを向くやよい。

「な、なんでもありません!」

ーーーーー

・・・・・・なんてね。
両手に拳銃を持ったやよいを書きたかっただけです。ごめんなさい。

これはフィクションのフィクションです。先日の内容とは似て非なるものになります。
少しだけ共通しています。はじめにはあんなことできませんのであしからず。


あと、今日は後編を投下できなさそうです。
これで勘弁してください。
458 名前: 番外編訂正 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 22:02:06 ID:P94PhCnH
>>455
>はじめが持っていたものはメイド服を着たのフィギュアだった。
はじめが持っていたものはメイド服を着たフィギュアだった。
                          ↑
「の」は要りませんでした。ごめんなさい
459 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 00:35:26 ID:oK73l979
こんな生殺しなんて……!でも幹事長っ……!ビクビクッ
460 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 01:32:52 ID:6JLfWQhw
>>458
GJ!w
やっぱりメイドさんは武闘派じゃなきゃNE!

>>459
それは狙ったのかそれとも単なるタイプミスなのか。
何にせよ笑ったZE!
461 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 08:27:58 ID:rp7l/sAy
>>459の書き込みがタイプミスなのかという件について。

・「感じちゃう」を「幹事長」と打ち間違ったのか?
>>459は幹事長にそんなことをされたことがあるのか?
462 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:10:56 ID:pJAfV1tT
投下しますよ

前半は水樹の話
後半は百合
苦手な人はスルーだぜ?
463 名前: 『ツルとカメ』×26(前半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:12:09 ID:pJAfV1tT
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
 女中さんの尻ラインを拝めなかったのは残念だが、その悔しさを一欠片も出すことなく
僕は笑みを浮かべて礼をした。どんな修行を積んでいるのか水樹の家の人達は皆ガードが
鉄壁の如く頑丈で、一度も背後から眺めたことはない。幼い頃から遊びに来ているので、
かれこれ十数年間見逃していることになる。いつかは見たいと思っているのだが、実際に
見るにはもう数年かかりそうだ。まだまだ僕は未熟らしい。
「で、何がどうなった?」
 水樹が煎れてくれた茶を飲みながら尋ねると、顔を赤くして俯いた。
 今日水樹の家に来たのは他でもない、目の前で黙り込んでいるこいつに呼ばれたからだ。
どうにもお人好しが過ぎるらしい僕は、泣きそうな声でエマージェンシーコールを数分に
一度の割合でかけてきた親友を見捨てることが出来なかった。基本的には僕がフォローを
してもらうことが多いので、こんなときくらいは助けるのが筋だと思う。
 しかし何だろうか、見る限りでは何の問題もない。違う部分といったら着物を着ている
くらいだが、水樹の場合は家業の手伝いをする為に、外出する予定のない日はこの格好が
デフォルトなので違うだろう。外見は普段の水樹、女物の衣装が反則的に似合う男の子だ。
「カメ、アンドロギュヌスってどう思う?」
 いきなりの言葉に蒸せてしまった、突然何を言い出すのだろうか。こいつは身内の中で
誰よりも常識人だと思っていたが、とうとう壊れてしまったらしい。無理もない、周囲は
変人奇人の山だし毒されても仕方がないと思う。ただ問題があるとすれば、信頼していた
幼馴染みが無様に狂っていくのを見ていられないということだけだ。
 しかし今までエロには殆んど口を出さなかったのに、フタナリから責めるなんて随分と
コアな世界に足を突っ込んだものだ。例えるなら胴着を勝って貰った幼稚園児がいきなり
ルール無用の暗黒バトルに参加するようなものだ、無事に脱出することは不可能だろう。
464 名前: 『ツルとカメ』×26(前半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:13:54 ID:pJAfV1tT
「せめて最後は、安らかに」
「何を勝手に完結させてんのさ」
 いかん、流石に失礼だったか。
「で、フタナリが何だって?」
「あのさ、好きか嫌いかで言ったら?」
 再び俯き、袖口をいじり始めた。何が何だか分からないが、どうやら水樹は僕の見解を
聞きたいようだった。探究心は強いようで何度も視線を送ってくる。しかし訊かれても、
どう答えて良いのか分からない。基本的に僕はノーマルなので、それに興味が沸いたこと
は何度かあったのだが毎回敬遠していたのだ。
 だが単純な好きか嫌いかの二択で言うならば、
「好き、かな?」
 正確に言えば、嫌いではない、だ。
 それに安堵の表情を浮かべると、水樹は立ち上がった。そしておもむろに、下半身部分
の着物を捲り上げる。相変わらず綺麗な脚のラインだが、突然の奇行にまたもや茶を吹き
出してしまった。先程のフタナリ嗜好は許容出来ても、これは無理だ。
「早く降ろせ!!」
「違うんだよ!!」
 何が違うんだ、この痴漢め。
 こんなに股間を、
「膨らんで、ない?」
 目を擦ってもう一度確認するが、何故か膨らみが無い。いや、あるにはある。女パンツ
の中に若干の膨らみは見えるのだが、それは細く大きさも魚肉ソーセージの半分程だ。
 おかしい。
 慌ててパンツを擦り降ろすと、見慣れたものがあった。男なら袋が当然付いている位置、
そこには袋は無くて代わりに谷間が存在している。一真以外の身内に漏れなく存在する、
ピンク色の不思議な入り口が。これではまるで、フタナリだ。
「お前、袋はどうした?」
「分かんない、何か朝起きたらこうなってて」
 目尻に涙を浮かべ、息をすすりながら答える。
 僕は、今朝のミチルの言葉を思い出した。
『カメよ、マズった』
『どうした? 餌を溢したか?』
『いや、妙な風邪を引いてしまってな。妙な感じで力が暴走して、町内に妙なことが妙な
具合いで妙に連発しているかもしれん。だから先に謝っておく』
 成程、妙を連続で言うだけあって確かに妙なことになっている。
 しかし、これをどうするか。
465 名前: 『ツルとカメ』×26(前半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:15:29 ID:pJAfV1tT
「安心しろ、泣くな、男だろ?」
「そうなのかな?」
 判断が難しいところだが、実は完全に女になったのではないかと思う。外見といい股間
の秘密クレヴァスといい、ちんこが付いていても男だとは言えないだろう。もしかしたら
染色体もXXになっているかもしれない、そうなれば男だと証明出来るのは戸籍ぐらいだ。
言えば本格的に泣き出すかもしれないので、これは黙っておいた方が良いだろう。傷口に
塩を塗り込むような趣味は、僕には無い。
「でもさ、もしツルにちんこが生えたら女の子だって言える?」
「うん、仮にちんこが生えてまんこが消えても女の子だろ」
「そりゃ幾ら何でも無茶ってもんだよ!?」
 そうだろうか。
 しかし本当に本物みたいだ、いやミチルの謎パワーで作られたものだから本物なのか。
以前にツルが巨乳になったときも本物だったし、何のおまけか母乳まで出たくらいだ。
 そんなことを考えながら普段ツルにするように刺激を与えていると、指先に熱い液体が
絡み付いてきた。誰のものをベースにしているのか感度がやたらと高いらしく、まだ中に
指を入れてもいないのに手首を濡らす程になっている。膝は震え、僕の頭を掴んでやっと
立っている状態だ。指の動きに合わせて水樹の口からは吐息が漏れ、少し強めに撫でると
体をくの字に折って頭を痛い程に掻きむしってきた。
「ちょっと、カメ、人が、来ちゃ」
「あ、すまん」
 いかん、うっかり忘れていたけれと今僕達が居るのは水樹の家だった。例え秘裂が存在
するとしても、目撃をされて変に誤解をされてしまったら完全にアウトだ。僕はこれから
一生同性愛者の烙印を背負っていくことになるだろう、それは人として良くない。アウト
なんて生易しいものではなく、完全に精神崩壊まっしぐらとなってしまう。
466 名前: 『ツルとカメ』×26(前半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:17:04 ID:pJAfV1tT
「でも、少し興味あるかも」
「待て落ち着け水樹深呼吸だ!!」
 水樹は僕に唇を重ねると、深く吸ってきた。
「今はあたし、女の子だから」
 ね?、と言って僕の手を股間に導いてくる。ミチルの変態パワーは、体だけでなく脳も
バグらせてしまったらしい。おまけに何だろうか、この心の奥から沸き上がってくる熱は。
理性では危険だと分かっているのに、妙な衝動が手指を動かしてしまう。必死に袖を噛み
耐えている姿も色っぽく、着崩れした胸元が視覚的に心を刺激する。
 いつしかの酒よりも甘く脳髄をとろかして、普段の性別が思考から消えてゆく。
「すまん」
 一言断りを入れて僕は水樹の襟を広げ、覗いた乳首に吸い付いた。筋肉の着きにくい体
は細く、胸板は薄い。まるでツルのようだと思いながら舌で転がし、押し潰す。唇で弱く
挟んでこねれば、我慢出来なくなったのか高い声が漏れてきた。
 下の口に指先を這わせ、沈めてゆくと、背をのけぞらせて涙を溢した。膣内が勢い良く
締まり、吹き出した潮がシャツの肘の辺りまで濡らしてゆく。こんなに派手に反応をする
のはツルでも滅多にないことだ、体が余程敏感になっているのだろう。
 指を一旦引き抜くと、脱力した体は支えを失って床に崩れ落ちる。余韻があるのか舌を
だらしなく出し、体を上下に揺らしながら仰向けで寝ている。割れ目の上にある竿が少し
違和感を感じさせるが、それも含めていやらしく見えた。
 僕は濡れて既に意味を殆んど成さなくなっている下着を引き抜くと、少し考えた。ツル
が相手なら次は舌で責めるのだが、水樹にそれをすると顔に棒が触れてしまう。元より竿
をくわえるつもりも無いし、出来れば穏便に行きたいところだ。
「カメ?」
 僕は唇を胸に這わせると、手で竿を扱き始める。反対の手は前と後ろの穴を同時に責め、
ほぐしてゆく。指が簡単に二本入ったということは、処女ではないのだろう。以前後ろの
穴の初めてを奪ってしまったが、前の穴の初めてはそれに連動しているのかもしれない。
寧ろそちらの方が良いだろう、痛みは少ない方がお互いの為になる。
「カメ、早く、来て? お股が、熱くて」
467 名前: 『ツルとカメ』×26(前半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:18:35 ID:pJAfV1tT
 言われるままに僕のものを割れ目に当てがい、腰を進める。熱く僕のものに絡み付いて
精液を絞り取ろうとする内部は、まさに名器だ。それだけでも半端じゃない快楽を与えて
くるのに、水樹は僕の腰に脚を絡めると激しく腰を使い始めた。正常位で良かったと思う、
これがもし騎乗位だったらどうなっていただろうか。
「ちょ、激し、すぎ」
「でも、でも」
 でも何だ、こんなに動かしてきた人は過去の中でもエニシ先生くらいのものだ。もはや
音でバレることを気にしていないのか、声を我慢せずに喘いでいる。ぬめる粘膜が擦れる
度に水音が部屋の中に響き、声と共に淫らな音楽を奏でていた。
 やられっぱなしでは性に合わないので、僕は水樹の竿を強く握る。
「や、何を」
 それを扱くと、水樹の声が一層大きなものになった。動かすのが困難になる程に締まり
が強くなり、腰が抜けそうになる程の快楽を与えてきた。
「や、やだ、やだやだ」
 涙に濡れた顔を覆い隠すように手を当て、しかし腰は逆に動きを激しいものへと変えて
ゆく。抜くどころか引くことすら出来ない程に脚で僕の腰を捕え、腰の捻りで奥をこじり
まとわりついてきた。もう我慢が利かなくなる。
「出して、お願い」
 奥に放出すると、漸く脚の力が緩んだ。
 僕はそれを引き抜き、
「あの」
 不意の声に目を向けると、障子の向こうに人影が見える。襖が躊躇いがちに開き、
「あの、さっき届いたお菓子があったのですが……お邪魔でしたね?」
 その言葉に、一瞬意識が飛んだ。
「いや、邪魔じゃないです!!」
「もっと見ろ、ってことですか?……ははは、ご冗談を。嫌あぁァッ!!」
 顔を恐怖で引き攣らせ、女中さんが光速で背を向け駆け出してゆく。
 初めて女中さんの尻を眺めることが出来たのに、嬉しさは全く沸いてこなかった。
468 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:20:10 ID:pJAfV1tT
前半戦はこれで終わり
次からは後半戦
次もフタナリ注意報
469 名前: 『ツルとカメ』×26(後半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:22:51 ID:pJAfV1tT
 コイは残り僅かとなった水割りを一気に煽ると、勢い良くテーブルに叩き付けた。硝子
で出来たグラスは鈍い音をたてて揺れながら、蛍光灯の光を不思議に反射している。
 今日はカメが久し振りに水樹の家に泊まると言ってきたので、私もセンスの家に泊まる
ことにしたのだ。最初は家に居る予定だったけれど、カメが居ない独りの夜は何だか嫌な
感じだった。私はたまにコイやセンスの家に泊まりに来るけれど、私と付き合ってからは
カメはよその家に泊まろうとしない。何かあったときの為に、と言ってくれた。私も同じ
心構えで家に居ようと思ったけれど、どうにも居心地が悪く来てしまったのだ。やっぱり
カメは凄いな、とか甘えてばっかりだ、とか今まで悪いことをしてたな、って思う。
「こら、何を暗い顔をしてんのよ?」
 半目になりながら、コイがブランデーを注いでくる。いけない、どうやら顔に出ていた
ようだ。せっかく泊まりに来てるのに、何だか悪いことをした気分。
「あの腐れちんこのこと?」
「今度は何があったんデスか?」
 今度は、って言われても仕方がないかもしれない。カメは基本的には良い人だと思うし、
優しいし、勉強も運動も結構出来るし、背もかなり高いし顔も悪くはないと思う。完璧と
いかないまでも、周囲の男子に比べたら立派なものだ。私自慢の彼氏だし、そんなカメを
大切に思っている。カメ自身もこんなひねくれ者でチビで幼児体型のあたしを大切にして
くれているし、ここまでなら完璧だと思う。
 ただ、この世に完璧な存在など居ない。カメの良いところを打ち消す、大きな問題は、
「変態なのよね」
 吐息をしてブランデーを煽る、喉を焼く刺激が心地良い。
470 名前: 『ツルとカメ』×26(後半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:24:27 ID:pJAfV1tT
 カメは変態だけど、スケベ、とは微妙に違うのだ。何故かは分からないけれど、真剣な
表情で普通にセクハラをする。一度暇な時間に理由を訊いてみたけれど、理論展開が全く
理解出来なかった。悪意が無いのは分かったけれど、それだけだったのだ。変態的な部分
はそれだけではない、グッズ作りも趣味の一つとなっている。部屋をこまめにガサ入れし
毎回捨てているものの、部屋に入る度に大量の私グッズが置いてある。1/1サイズの私の
フィギュアが置いてあったときなんか混乱して、自分の人形にバックドロップを仕掛ける
という間抜けな行動をとってしまった程だ。エロ本やエロビデオを買わなくなったのは、
嬉しい。しかし情熱が全て私に向けられると、何かが間違っていると思えてしまう。
「それさえ無ければね」
「良い人なんデスよね」
「そうね」
 カメの前では酷いことばかり言うけれど、何だかんだ言ってコイも認めているらしい。
私も照れや恥ずかしさのせいで本人の前ではつい罵倒したり殴ってしまったりするので、
あまり人のことは言えないけれど。そんなとき、素直にカメの良いところを言えるセンス
が少し羨ましくなる。あまり仲良くされるのは困るけど。
 羨ましいのは性格だけじゃなく、
「少し頂戴よ」
 言って、センスの乳を掴む。私には無い膨らみは容易く指を飲み込んで、掌に収まらず
溢れた肉が豊かさを示していた。何を食べたらこんなに大きくなるのだろうか。
「このくらいあったら、カメも喜ぶのに」
 ミチルに巨乳にして貰ったときの、カメの喜び具合いは異常だった。普段は殆んど何も
してあげられないから、せめて乳だけでも大きくなりたいと思う。
「や、やめまショウよ。新しいDVD借りて来てるので、それ見まショウ。ほら前にツル
さんが見たいって言ってた『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』デスよ?」
 いけない、つい揉んだままだったみたい。
「ツル、何だかカメに似てきたわね」
 そうだったら、何か嫌だ。好きな人と似るのは嬉しいけれど、変態部分は勘弁だ。
471 名前: 『ツルとカメ』×26(後半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:25:19 ID:pJAfV1tT
 思考を切り替えるようにリモコンを手探りで探し、掴むと妙な声が聞こえてきた。目を
向けるとそれはセンスのスカートの中だった、どうやら手で動かしている内に変な部分に
当たってしまったらしい。さっき乳を揉んだことといい、エロいことの連続だ。
「ツル、何やってんの?」
 言いながらコイがテレビをつけた、手にはリモコンが握ってある。
「テレビをね」
 何かがおかしい。
 リモコンはコイの手の中にある、ならば私が握っているものは何だろうか。引き抜こう
としても引き抜けず、手を動かす度にセンスはおかしな声を出す。そういえばリモコンと
比べると若干細く、しかも体温と同じくらいの熱があった。
 まさか、
「ちんこ?」
 嘘でしょ!?
「ひ、ひあぁァッ!! なんデスかコレ!?」
 センス自身も身に覚えが無いらしく、スカートを捲った先の光景に驚いている。目尻に
涙を浮かべて見つめてくるけれど、私に訊かれても分からない。私だって突然の事態に、
頭が混乱しきっているのだ。センスには悪いけれど、フォローする余裕なんて無い。カメ
ならば何か言えるかもしれないけれど、私には不可能だった。
「違いマス夢デスよこれは夢デスよ」
 現実を認めたくないのか、センスはグラスを一気に煽った。
 数秒。
 黙って俯いてしまったセンスが心配になり、顔を覗き込もうとすると、突然面を上げた。
浮かんでいるのは笑顔だが、それは普段の明るいものではなく色っぽいものだ。無意味に
陽気な笑い声を出すと、その視線をコイに向けて立ち上がった。
「コイさん、良い体デスね?」
 嫌な、予感がした。
 センスはふらふらとコイに歩み寄ると、何の躊躇いもなく唇を重ねた。こちらに聞こえ
てくる程に激しく音をたてて吸い、情熱的に舌を絡ませる。コイは苦しそうな表情をして
いるけれど、そんなことは全く気にしていない様子で胸に手を伸ばした。
472 名前: 『ツルとカメ』×26(後半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:27:34 ID:pJAfV1tT
「センス、アンタね」
 唇を離して文句を言おうとしたコイだけれど、眉根を寄せて喋るのを止めた。センスが
指先で背中を撫で、胸に円を書くようになぞっている。今まで見たこともないエロい光景
に、つい見入ってしまった。動こうとしても、何故か体が動かない。それどころか、この
二人から目を離すことが出来なかった。
 行為はエスカレートしてコイの服は半脱ぎにされ、もはや意味を成していない。今では
ただ布を体にまとわらせているだけの状態だった。センスは露出した胸に吸い付き、両手
で胸と股間をまさぐっている。コイはされるがままの状態になっていて、喘ぎ声を出して
下着をしどしどに濡らしていた。いけない、見ていると何だか股が熱くなってくる。
「イきマスよ、コイさん?」
 センスはコイの下着を降ろし自分のスカートを捲ると、固くなったそれを割れ目にぶち
込んだ。よほど快感が強かったのか、コイはブリッヂ体制になって絶叫する。
 電子音。
『おい、もしかして誰かフタナリになってるか?』
 鋭い。
 普段ならば毎回の頭がおかしい質問だと思うだけで終わるけれど、今回は事実に見事に
当てはまっていた。これは、本当のことを言うべきだろうか。
「何を頭がおかしいこと言ってんのよ、この変態!!」
 うぁ、つい普段の癖で言っちゃった。
『それと、何だか後ろからセンスとコイの黄色い声が』
「普段からエロいことばっかり考えてるから幻聴が聞こえんのよ馬鹿もう切るね」
 一息で言い終えると、通話ボタンを押した。ついでに電源を切って、溜息を吐く。これ
以上話をややこしくしたくないし、何よりカメを巻き込みたくなかった。
 コイ達に目を向けると、二人でぐったりとしていた。センスはスピードタイプらしく、
一回目はもう終わったようだった。それにしても、重なりあって潰れている二人分の巨乳
というのは目に毒だ。見ていると何だか苛々してくる。
「次は」
 センスが起き上がって、こちらを見つめてきた。背筋に寒感が走り、この場所に居ては
いけないと本能が告げている。慌てて逃げようとしても、股間が熱く、しかも腰が抜けて
いて上手く立ち上がることが出来ない。でも、逃げないと。
 這って進もうとしたけれど、
「逃がしまセンよ?」
「一人で逃げないでよ」
 二人に足首を掴まれた。
473 名前: 『ツルとカメ』×26(後半戦) [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:28:44 ID:pJAfV1tT
 それからの行動は早いもので、先程までぐったりとしていたのが嘘のように手早く服を
脱がされてしまった。両手両足を押さえ付けられ、動けなくなる。
「ふふ、一緒に堕ちようよツル」
 嫌だ!!
「あは、ツルさんのおっぱい可愛いです」
「や、胸は駄目」
 舌を這わされ、指先でいじられて、我慢出来ずに声が漏れてしまった。荒い呼吸を吸う
ようにコイが唇に吸い付き、舌を絡めてくる。全身を隅々まで見られ、愛撫されていると
いうのに、恥ずかしさではなく快感が込み上げてきた。体に、力が入らない。
「入れマスよ」
 もう、どうでも良い。
 頷くと下着を剥かれ、熱くて固いものが当てられた。それは一気に奥まで入り、子宮の
入口まで突いてきた。カメ程ではないけど大きなそれは中を圧迫し、少し苦しくなった。
しかし隙間なく詰め込まれたそれが動く度に、中を引きずり出されるような程に擦られ、
苦しみはすぐに消えてゆく。熱いそれで中を掻き混ぜられる度に、思考が溶けてゆく。
「ツルさんの、小さくて、キツくて、ぬるぬるしてて、気持ち良いデス」
 いきなり動きが激しい。中を擦り切らそうとでもするようにセンスの腰は高速で動いて、
奥を少し乱暴に突いてくる。コイは自分の割れ目をいじりながら、舌で私の体を舐めあげ
てきた。ぬるぬるとした舌と、肌に触れる大きな胸の柔らかな感触が気持ち良い。
「ひぁ、駄目駄目、もうイく」
「あは、あたしも限界」
「ひぅ、出マス!!」
 大量の汁を出されると同時に、イってしまった。
 直後。
 突然玄関のドアが開く音がして、続いて廊下を走る音が聞こえてくる。
「大丈夫かツル!!」
 いきなりドアを開き、カメが出てきた。
「……良かった、相手が野郎じゃなくてセンスで……」
 カメは少し黙り、
「って良くねぇェ――!!」
 絶叫した。
 うるさいけれど、こんなに私を心配をしてくれたカメが嬉しかった。
 カメ、大好きよ。
474 名前: 『ツルとカメ』×26 [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:31:11 ID:pJAfV1tT
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は七枚の葉書と、八個のレスをご紹介!!」
亀「ゲストは今回の話の大元、可愛いペット亀のミチルです!!」
満「すまんかったの」
水「あれ? でも今回のゲストって確か先週に……」
亀「黙れ、作者の都合だ」

>>424,426
水「だから、あたしは……もう何でも良いよ」
亀「投げやりだな、ドンマイ」
満「と言うか、こやつは水樹しか頭に無いのか?」
亀「ツルの乳に謝罪、ってゼロってことか」
水「言っちゃ駄目だよ!!」

つ[]アズサ先生と〜
亀「良いよ」
水「だってさ」
満「年寄りになる前に結婚、それが一番じゃな」
亀「ロリババァが言ってもなぁ」
満「フタナリにするぞ?」
亀「ごめんなさい」

つ[]水樹とコイマダー?
亀「有るか?」
水「無いよ、作者もそのつもりらしいし」
満「無かったら自分で書けば良いのじゃ、それがSSスレじゃからの」

つ[]もういっそのこと〜
亀「良くねぇよ!!」
水「でも最近しょっちゅう死にかけてるよね?」
満「その度に儂が治しておる」
亀「マジで?」
満「嘘じゃ」

つ[]カメがやらないなら〜
亀「まぁ今回、もっと凄い展開になった訳だがな」
水「誰も予想しなかっただろうね」
満「しかしレベルの高い変態じゃな、カメの一歩手前か」
亀「え?」

つ[]「嫌だったら〜
亀「知らん、水樹説明頼む」
水「他の女に目を向けるくらいなら、まだ男の方が……って話だって」
満「作者はそんな部分、無意味に凝るからのう」
水「でもコイの料理下手は只のギャグで伏線じゃないらしいし、分かりにくいよね?」

つ[]一真×水樹マダー?
亀「無いな」
水「無いね」
満「残念じゃが、完全に脇役だからのう。仕方ない」

475 名前: 『ツルとカメ』×26 [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:32:07 ID:pJAfV1tT
つ[]水樹女体化〜
満「成功、ではないのう」
亀「フタナリだったしな」
水「作者の趣味丸出しだったしね……死にたい」
亀「ドンマイ」

>>433
水「少し違ったね」
満「一種の地獄じゃったな」
亀「見たかった!! 居たかった!!」
満「またやるか?」
亀「頼む」
水「止めて、じゃないと殴るよ?」

>>434
亀「要約」
水「どっちでも行けるんじゃない?、ってことだね」
満「言葉遊び、というやつじゃな」
水「あたし達の名前と同じだね。分かってると思うけど、テーマは目出度いもの」
亀「『ツルとカメ』で、長く二人で幸せにって意味らしい。イヤッホゥ!!」

>>435
亀「それも考えたらしいがな、また趣味に走って」
水「職場でも平気で『金髪巨乳外人大好き!!』とか言うらしいしね」
満「最低じゃのう」
亀「金髪巨乳外人大好き!!」
水「うわぁ」

>>436
水「そうなの?」
亀「正気に戻った後で暫くトラウマになった」
満「記憶を消してやろうか?」
亀「いや、寧ろ消さないでくれ」

>>437
水「どこだろ?」
亀「投下したことのあるのは、ここも含めて四つだな」
満「最近一つ長編を終えたところかの?」
亀「それっぽいな」

>>455
水「GJ!!!!」
亀「メイド……ナナミは作者の変な趣味の集大成だから、気にしなくて良いと思う」
満「最後はメイドじゃなくなるしの、っと作者の他のSSの話はスレ違いじゃな」
水「とにかく、応援してます。頑張って下さい!!」
満「それではまた来週」
亀「ごきげんよう!!」
476 名前: ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 14:33:40 ID:pJAfV1tT
今回はこれで終わりです

気が付けば2クール、半年ですね
なので少しスペシャル版でした
477 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 15:17:22 ID:8AM4EHRf
GJ!!
ふと思う
一真以外の登場キャラ全部食べてない?
478 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:04:15 ID:6JLfWQhw
>>476
GJ!!!!
ついさっきまで「ハヤテのごとく!」を読んでたので「ハヤテ=フタナリっ娘」が俺の脳内で確定した。

>>477
よし!カメ×一真をうわなにをするやめ
479 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:24:54 ID:qwTQw0tl
投下します。

後編ではなく、中編ですが。

480 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:25:37 ID:+zRBn/Zx
ツル視点は初めてですかねぇ…ぐっじょb        って言うか、


あまりに予想の斜め360゜上を行きすぎだああああああ!!!!!!
いい意味で期待を裏切りまくりますな…
まさかふたなりで来るとは、まさかセンスで来るとは。
そしてまさか真っ昼間から投下されてたとは!

いいんですかいこんな切り札サービス大解放的なネタ出しちゃって…w;
481 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:25:47 ID:qwTQw0tl
・ ・ ・ ・ ・ ・

 自宅に帰ってきて、自分の部屋を見たはじめは絶句した。
 目の前にはあるのは今朝までの塗料の瓶や雑誌が散乱する部屋ではなくなっていたからだ。
 足の踏み場も無かった――かろうじてあった――畳の上にはゴミひとつ落ちていない。

 ここまで完璧な掃除をする人間はこの家には一人しかいない。
 そしてその人物はすぐに見つかった。

「ふ〜ふふ〜ふふふふ〜ふふ〜 ふ〜ふふ〜ふ〜ふふふふふ・・・・・・
 あれ? おかえり。はじめ」

 マナだった。鼻歌を歌いながらはじめの部屋を掃除している。

「何してるんだよ。マナ・・・・・・」
「見ればわかるでしょ。掃除よ掃除。
 今まで鍵が閉まってたから入ったことなかったけど、見たときびっくりしたわよ。
 同じ家に住んでるのにこんなところがあったなんて知らなかったわ」

 昨晩やよいに蹴破られてドアに鍵がかからないということをはじめは失念していた。
その結果マナが部屋に入り込み掃除を行った、というわけだ。
 普通なら感謝するところだろうが、はじめのような人間にとっては余計なお世話でしかない。

「何やってるんだよ!プラモデルを作りやすいように部屋のレイアウトを設定していたのに!
 雑誌なんかどこにあるかもわかんないじゃんか!」
「本とか雑誌は一箇所にまとめてあるわ。
 それに部屋のレイアウトはほとんど変えてないわよ。
 だいたい私がそんなへたくそな掃除の仕方すると思う?」
(言われてみれば・・・・・・)

 道具などは整理されているもののほとんど位置は変わっていない。
雑誌は本棚に整理されきちんと並べられている。

 さらに、机の上もしっかりと片付けられている。何も乗っていない。

「ええええええええええええええ!?」
「きゃ!? な、何よいきなり」
「マナ! この上にあったものはどうした?」

 嫌な想像がはじめの頭をよぎる。

「ああ、あのバラバラになってたやつ?いらないと思ったからゴミ箱に入れちゃったわよ」
「どれに入れたんだ!?」
「たしか・・・・・・あれの中に入ってるはず」

 マナが指を指したところに置いてあるゴミ箱にとびついて中を覗いた。
 バラバラになって他のゴミと一緒になっているが、確かに昨日まで机の上に
置いてあったプラモデルの部品が入っていた。
482 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:26:57 ID:qwTQw0tl
「はああああ。よかったあ。心臓が止まるかと思ったよ」

 実際、机の上に何も乗っていないのを見たときには心臓が止まってしまったような気分になった。

「おおげさねえ」
「おおげさってなんだよ。これを作るのに僕は――」
「僕は、なに? もしかして全身全霊をかけていた、とか?」
「・・・・・・僕にだって理由ってものがあるんだよ」

 それも大事な理由だった。
 仕事とはいえ、はじめがやよいとマナに世話をしてもらっていることに変わりはない。
 そしてはじめはそのことを思うと肩身の狭い思いをしていたのだ。
 だからせめて、二人の誕生日ぐらいは心を込めたプレゼントを贈りたい。
 精一杯の感謝の意を込めて。

「理由って何かしら? 聞かせて欲しいな」
「・・・・・・なんでもないって」
「言いなさいよ。ほら」

 マナがしつこく声をかけてきた。だから、さっきから苛立っていたはじめはつい
怒鳴り声を出してしまった。

「なんでもないって言ってる!!」

「えっ・・・・・・」
(! しまった・・・・・・)

 怒鳴り声を聞いたマナは固まっていた。自分の失態に気づいたはじめは声をかけられない。
 そのまま二人揃ってしばらく固まっていると、マナの表情が変化した。
 呆けた表情から怒りの表情へと。

「何よ・・・・・・何怒ってるのよ!」
「ごめん! 怒るつもりは無かったんだ! 本当に!」

 はじめは深く頭を下げて謝った。しかし、マナの怒りはそれでおさまるようなものではなかった。
483 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:27:47 ID:qwTQw0tl
「怒るつもりはなかった、ですって?
 そんなこと言われてもね、怒鳴られた人がそれで納得できると思うの!?」
「すまない! もう言い訳しないから!」
「ふざけないで! さっきからなんなのよ! 
 部屋が散らかってるから掃除したらいきなりなにやってるんだ、ですって!?
 掃除してるに決まってるでしょ! 見ればわかるじゃない!」

 マナの怒声は止む気配を見せない。そしてさらに加熱していく。


「あんたに理由があるように私にだって、他の人にだって理由があるのよ!
 それなのに何? 自分だけが被害者みたいな言い方をして!
 馬鹿じゃないの! たかが――」

 マナの怒りは止まらない。そして――

「たかがおもちゃじゃないの!」

 勢いそのままに無思慮な言葉を発してしまった。


「・・・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・」
「! ・・・・・・ご、めん。今、私・・・・・・」

 そのときのはじめは喋れなくなっていた。言葉の内容にショックを受けたのではなく、
マナが冷静さを失くすほどに怒っていることが分かったから。

 ――僕はマナの喜ぶ顔を見たかったのに。
 ――なんで、喜ばせるどころかこんなに怒らせてしまったんだ?

 
「――ごめん! はじめ、ほんとにごめんっ!」

 そう言い残すとマナははじめの部屋から出て行った。廊下を走る足音が次第に
遠くなっていく。そして扉が開く音、次いで閉まる音が聞こえて静寂が戻った。
 部屋にははじめが一人で残された。
484 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:28:50 ID:qwTQw0tl
・ ・ ・ ・

 その日の夜七時。夕食どきにやよいがはじめの部屋を訪ねてきた。

「はじめくん? 居ないんですか?」
「・・・・・・居ますよ。ここに」
 
 はじめは部屋の明かりをつけずに座っていた。マナと喧嘩してしまったことで
何もする気になれなかったのだ。喧嘩したのは今日が初めてではないが、自分が
原因で喧嘩をしてしまったのは初めてだった。

「もしかして、マナと喧嘩したんですか?」
「・・・・・・」
「マナも部屋から出てきませんし。
 今日はご飯は要らないと言っていましたから鉢合わせしませんよ」

 マナに会いたくないから部屋を出ないのではない。それなのにまるで拗ねている
子供をあやすようなやよいの態度にはじめは苛立ってしまった。

「やよいさんは、マナを無理やり連れ出そうとはしないんですね」
「はい。そのことについては何も先生から言われてはいませんから」
「また・・・・・・父さんですか。そればっかりですね、やよいさんは」

 本当はこんなことを言いたくはなかった。でも口は止まらない。やよいを
責め立てるために棘のある言葉を続けて投げかける。

「先生先生って、父さんの言いつけなら何でもするんですか!
 僕の部屋のドアを壊したりするのは平気なんですか!」
「! そんなことはありません! 昨日だって仕方なくああしたんです!」
「やっていることは同じです! 結局やよいさんは父さんの言いなりじゃないですか!」
「・・・・・・はじめくん。いい加減にしないと私も本気で怒りますよ」

 やよいの目の色が変わった。普段見せる冷静なものではなく、怒気を含んだものに。
485 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:29:25 ID:qwTQw0tl
「勝手ですねはじめくんは。今日だってマナはせっかく掃除をしてくれたのに
 それについてマナを責めて。そしてそのまま喧嘩をして。
 さらに私にまで八つ当たりをする。自分が悪いということを認められないんですか?」
「う・・・・・・」

 図星だった。自分が悪いということは自覚していたから反論することもできない。
 
「何も言えないでしょう? 本当は自分が悪いと思っているのでしょう?
 だったらなぜマナに謝らないんですか。意地を張っているんですか?」

 当たっている。はじめはマナに謝りたくなかった。それは本当にちっぽけな意地。
『なんとなくマナには謝りたくない』という子供じみたものだった。

「意地を張らずに謝ってください。私は二人といつまでもこんな状態でいたくありません。
 ・・・・・・多分、許してくれますよ。マナは」
「・・・・・・・・・・・・」

 今の叱責はやよいなりの励ましだったのかもしれない。その時のはじめには
理解できていなかったが。

「少し、言い過ぎましたね。ごめんなさい。
 ・・・・・・今晩は強制はしませんけど、後でご飯食べに来てくださいね」

 そう言うとやよいは部屋の前から離れていった。

「・・・・・・ごめん。マナ・・・・・・」

 一人でならば謝罪の言葉をいくらでも言えるというのに。
 はじめはマナの拒絶を恐れてそこから動くことができなかった。
486 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:30:09 ID:qwTQw0tl
・ ・ ・ ・ ・ ・

 翌日の朝、朝食を摂らなかったはじめは家を出る前にマナの部屋を訪ねていた。

「マナ。起きてるか?」

 ・・・・・・・・・。返事は無い。
 いつもこの時間にはもう起きているから、たぶん無視されているということだろう。
 それでもはじめはドアの向こうにいるマナに向かって話しかけた。

「昨日はごめん。言い訳はしない。僕が悪かった」

 ・・・・・・・・・・・・。

「家に帰ってきたら渡したいものがあるんだ。
 僕なりにどんなものがいいか考えて用意した誕生日のプレゼントなんだ。
 だから・・・・・・それだけでも受け取ってほしい」

 今のはじめにはそれだけ言うのが精一杯だった。

「それじゃ、僕は学校に行ってくるよ」

 はじめが部屋の前から離れていったときも最後までマナは声を聞かせてくれなかった。
487 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:31:14 ID:qwTQw0tl
・ ・ ・

「はあ・・・・・・」

 登校中、何度目になるか分からないため息をはじめは吐いていた。
 扉越しだったからマナに話しかけられたものの、家に帰ってきてから彼女を目の前に
して同じことを言えるかは分からない。はじめは自分の臆病者ぶりに落胆していた。

(結局は誕生日プレゼントを渡さないといけないんだけど。せっかく完成させたんだから)

 昨晩、一人になってからプラモデル作りを再開した。
 ゴミ箱から部品を全部拾い集めて組みなおし、最後の仕上げまで終わらせたのだ。
 普段作ったものに対しては必ず反省すべき点を見つけてしまうはじめだったが、
今回作ったものに対してはそれが無かった。
 自分の持てる力の全てを込めて作ったと言える出来だった。

(仲直りできたらいいな・・・・・・)

 プレゼントを贈ったからといって許してくれるとは限らないが、一晩経って
少しは怒りがおさまっていたら望みはある。そうはじめは思った。


 通学路の途中にある商店街。高校生が登校する時間帯には買い物客の姿は無い。
いつものように路肩にワゴン車が何台か停まっているぐらいだ。
 
(うん。家に帰ったらマナに即謝って、その後はいつもどおりに話をしよう。
 それが一番だ。いつまでも昨日のことをひっぱっているのはだめだ)

 そんなことを考えながらワゴン車の左を通り過ぎたとき。

『ゴァァッ!』
 
 突然ワゴン車のドアが開き、中から大柄な男が飛び出してきてはじめの
制服の襟を掴み車の中に連れ込んだ。

「ええ! だ、誰だよあんた!」

 はじめは訳がわからず声をあげた。しかし。

「しばらく静かにしてろ。用事が終わればすぐに開放してやる」
「なにを! ――ぅあがあっ?!」

 男の持っていたスタンガンで体に電流を流されて気絶してしまった。
488 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:31:49 ID:qwTQw0tl
・ ・ ・

 はじめが気絶させられていた頃、藤原邸の玄関では自称メイドの小柄な女性が
膝を抱えて座っていた。

「・・・・・・まだ、かな」
「さっき登校したばかりでしょう? まだはじめくんは帰ってきませんよ」

 その隣には自称家政婦の女性が姿勢良く立っている。
 ちなみに彼女たちの自称が違うのは「かわいいから」「私は家政婦です」という
それぞれの理由からである。それ以外の意味は無い。

「はじめが来たときにすぐ飛び出していればよかった・・・・・・」
「まだ謝るチャンスはありますよ。――そうでないと困ります。
 私も昨日は厳しいことを言ってしまいましたから」

 マナははじめが朝訪ねてきたときに起きていたが、すぐに彼が学校へ行って
しまったので謝ることができなかった。
 同じくやよいも朝食を食べにこなかったはじめに会っていなかった。
 彼に昨夜のことをちゃんと謝るつもりでいたというのに。
 
「早く謝りたかったのに・・・・・・」
「心配しなくても五時ごろには帰ってきてくれますよ。
 だって今日はマナの誕生日なんですから」
「・・・・・・うん。そうだね」

 はじめは渡したいものがあるとマナに言っていた。それに彼女たちの誕生日に
彼が帰ってこなかった日など一度も無い。今日もきっと一緒に居てくれる。
 そう考えてはいるものの、不安は尽きない。もしかしたら今年は一緒に
過ごせないのではないかと二人は思っていた。

「・・・・・・大丈夫だよね? やよい」
「ええ。絶対に帰ってきてくれます」

 マナの問いに対して、やよいは自分に言い聞かせるように応えた。

「さあ、早く立って。今日はマナの誕生日ですからたくさん料理を作らないと
 いけません。もちろん手伝ってもらいますからね」
「うん。もちろん――」

『プルルルルルル ルルルルルルル』

 二人がキッチンに向かおうとしたとき、電話が鳴り出した。

「もしかして、はじめかな?」
「でも、この時間は授業中のはず・・・・・・」

 不審に思いながらやよいは電話を取った。
489 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:32:49 ID:qwTQw0tl
「はい。もしも――」
『あ、やよいさんですか!? 俺です! 卓也です!」
「あら、卓也さん? 今日は学校のはずでは?」
「なーんだ。卓也かあ。期待して損した」

 電話の相手ははじめの友人の卓也だった。
 以前卓也は藤森家に遊びに来たことがあり、そのとき二人にも会った。
 それ以来、メイド好きの彼は二人にさまざまなアプローチをしてきた。
 しかし、全く相手にされていない。

『今の声はマナちゃん!? 損したって何を?!』
「マナ。そんな風に言ってはいけませんよ。聞こえないように言わないと」
『ちょ、そりゃ無いよ! やよいさん!』
「ああ、ごめんねやよい。卓也のために喋るのももったいないから今度から心の中で罵倒するわ」
『たった今罵倒してるじゃないか! 冷たいよマナちゃん!』

 こんな感じでいつものようにあしらわれている。

「それより、何故電話をかけてきたんですか?」

 電話をかけてきたときの慌てぶりが気になったやよいは卓也に質問をした。

『そうだった! 実ははじめがさらわれてしまったんです! 登校中に!』
「――え・・・・・・」
「「ええええええええええええっ!!」」

 卓也の回答を聞いた二人の絶叫が、藤森家に響いた。

・ ・ ・

『――と、こういうことがあってはじめは誰かにさらわれてしまったんです』

 はじめがさらわれた経緯についてふたりは卓也から事情を聞いていた。

「わかりました。知らせてくださってどうもありがとうございます」
『やよいさん。あまり気を落とさないでくださいね。きっとはじめなら大丈夫ですから。』
「はい、ありがとうございます。報せていただいたお礼はいずれ必ずいたします。
 それでは卓也さん。ごきげんよう――」

 やよいが受話器を静かに置いた。
 すると、すかさずマナが玄関に向かって駆け出した。
490 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:34:20 ID:qwTQw0tl
「マナ! いけません!」
「だって、はじめがさらわれたんだよ?! 早く助けに行かないと!」
「駄目です。はじめくんがどこにいるのかもわからないのに動いては。
 犯人から連絡が来るまで待って・・・・・・」
「そんなの待ってられないよ! そんなことしている間にもしものことがあったら・・・・・・
 どうしよう。・・・・・・私のせいだよきっと。昨日喧嘩なんかしちゃったからだ」

 マナが自分の肩を抱いて床にしゃがみこんだ。目には涙が浮かんでいる。

「嫌だよ・・・・・・。仲直りしないまま、もう会えなくなるなんて。
 今朝もはじめが謝ってくれたのに、私、何も言わなくって・・・・・・。
 帰ってきたらまたいつも通りに戻れると思ってたのに・・・・・・」
「マナ・・・・・・」
「ごめん、はじめ。私が昨日掃除なんかしちゃったから・・・・・・。
 ・・・・・・ごめん。ごめん、う、ぅぅぅ・・・・・・・・・・・・」

 謝罪の言葉を呟きながら嗚咽を漏らしだした。
 やよいはその姿を見て声をかけられなかった。彼女も本当は泣き出したかったのだ。
 親しい人ともう二度と会えないかもしれないという恐怖。仲直りをしなかったという後悔。
 その二つに押し潰されそうだった。
 ただ、自分まで座り込んでしまったら誰もはじめをこの家に連れ戻すことができないという
ことをわかっていたからなんとか立っていることができた。
 
「・・・・・・部屋に戻って犯人から電話が来るのを待ちましょう。
 それから交渉を行って――」

『プルルルルルル ルルルルルルル』

 再び電話が鳴り出した。
 また卓也から電話がかかってきたのか?そう考えながらやよいは受話器をとった。 

「はい。もしもし」
『そこは藤森はじめの家か?』

 卓也ではなかった。そして、やよいには聞き覚えの無い声だった。

「――え? 失礼ですが、どちら様で・・・・・・?」
『・・・・・・今、藤森はじめの身柄を預かっている者だ』
「――なんですって?!」


 聞いたことが無いはずだ。相手ははじめをさらった人間だったのだから。
491 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:38:33 ID:qwTQw0tl
中編、終了です。

ごめんなさい。デレ描写は後編になります。
エロは他の書き手の方に比べて薄めになりそうです。

あと、NTRはありません。
492 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/21(水) 22:47:26 ID:+zRBn/Zx
うあ、微妙に割り込んでしまった;

これまたGJっす!
こちらも予想外の展開ですね…wktkが止まらない。

そして卓也の扱いのひどさにワロスw
493 名前: 名無しさん@ピンキー [sage幹事長] 投稿日: 2007/02/22(木) 00:29:10 ID:mubE7CjR
>>476
究極苛烈に
*      ∩_
   +.    | E) *
       / /
  _( ゚∀゚)/ .ノ   *
/  GJ! /  +
//   /*     +
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
もうご馳走様としか言いようが無いよ!
2クール突破お疲れ様でございます。
これからも期待しております。


>>491
NTRは回避…なんていい宣言だ…
しかしエチシーンがまだな現状では、この「GJ」を渡すわけには…っ!

Nice Job!
494 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/22(木) 02:00:23 ID:ojgS0Xd1
>>475
猛烈にGJ!まさかフタナリとはwww



つ[]<今回の件で水樹が母になる可能性は?
495 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/23(金) 23:21:28 ID:PHxbhjiZ
ロボ氏GJ!
水樹とセンスのフタナリがこれほどの破壊力とは…

そして>>494の質問に便乗して質問です

つ[]同時に、センスが父になる可能性は?
496 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 00:52:27 ID:AkZAUHN5
>>476
GJ!!
まさかの展開ワロタw

つ[]センスって実は元から男だったんじゃね?

>>491
GJ too!!
やよい可愛いよやよい
さあ早く後編を!!
497 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 13:25:54 ID:UUbT1mVu
>>476
>「や、やだ、やだやだ」    水樹、もう おまえしかみえねえ・・・ お前がNo.1だカカロット
ミチルには変態といわれるし、大満足       ……あれ?

>>491
とてつもないwktk
498 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 22:45:47 ID:V+tYs2Uo
投下します。

また予想以上に長くなってしまいました。中編その2です。
499 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 22:47:18 ID:V+tYs2Uo
・ ・ ・

 薄暗く、ホコリっぽい廃工場の中ではじめは手足を縛られ座らされていた。
 廃工場の中を照らしているものは頭上三メートルほどの位置にある窓から差してくる陽光だけ。

 目の前には男が三人。いずれも大柄ではじめよりも年上のように見える。
 武器のようなものは何も持っていない。手に持っているものは携帯電話ぐらいだ。

「・・・・・・今、藤森はじめの身柄を預かっている者だ」
『―――――?!』
 
 男の一人が携帯電話でどこかに電話をかけていた。
 相手が誰なのかはわからない。しかし、だいたいの予想はついていた。

『――――――!』
「安心しろ。無事だ。声? 悪いが聞かせられないな。こっちにはあまり時間が無いんだ」
 ・・・・・・嘘だと思うなら信じなければいい。藤森はじめの命が惜しくないならな。
 こちらの用件を伝える。金目のものを持って今すぐ隣町の――」

 廃工場の位置を電話の相手に伝えている。
 男の話にから推測すると、ここは隣町にある廃工場だということになる。

「用件は伝えた。ちなみに警察には連絡するな。騒ぎを大きくしたくはないだろう?
 ――じゃあな。早く来るんだぞ」

 用件を伝えた後、男は電話を切った。

「今、僕の家に電話を・・・・・・?」
「ああ、そうだ」
 
 男は気だるそうにため息をついた。その姿にはじめは違和感を覚えた。
 その男だけではない。残りの二人にも同じものを感じる。
 男三人は顔を突き合わせて話し出した。

「なあ、ほんとにいいのか? こんなことして」
「警察に連絡でもされたらどうするよ」
「・・・・・・たぶん、その心配はしなくても平気だろう」

 てっきり自分を殺す算段をするのだと思っていたはじめはその会話を聞いて混乱した。

(やっぱりおかしい。話していることに計画性が無さ過ぎる。普通警察に連絡がいくことも考えるだろう?)

「・・・・・・やっぱり俺は降りるよ。危険すぎる」
「馬鹿! ようやく借金を返せるかもしれないんだぞ!」
「でも、もし家の人がごつい人を連れてきたらどうするんだよ! 勝てるわけないぞ!」

 男達が口論を始めた。仲間割れだろうか?
 この隙に逃げだしたいところだが、手足を縛られているはじめは動けなかった。
500 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 22:48:18 ID:V+tYs2Uo
 男達は数分間口論したあと、意見がまとまったようだ。

「――すまん。藤森はじめくん」
「は、はい?」

 男の一人が声をかけてきた。何故誘拐犯が謝るのだろう?

「実は、君をさらうようにある人から言われていたんだ」
「ええ?! 誰ですかそれは?」

 なんとなくそんな気がしていたものの、本当に当たってしまうとは思っていなかったはじめは
驚いて開いた口が塞がらなかった。どこの誰がそんなことを?

 はじめの手足の拘束を解くと、男が口を開いた。

「実は――――――――」
『ドロロロロロロ ロロロロロロロロ』

 突然大きな音が聞こえてきて、聴覚を遮られた。音は外から聞こえてくる。
 心臓を打たれたような錯覚を覚えた。静かな廃工場の中の空気をも震わせるほどの音量である。
 はっ、としてはじめは口を開いた。

「この音はたしか・・・・・・マナのバイクの音?」
「なんだって? もう来たのか!」

 目の前の男が頭を抱えている。まだマナがやって来ないと踏んでいたんだろう。
 それもそのはず。藤森家から隣町までは混雑する国道を通らなければならないので、20分以上はかかる。
 いかに機動性に優れるバイクとはいえ、連絡してからこれほどの早さで着くなど考えられない。
 常識的に考えれば。

「外に来てるのか・・・・・・」
501 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 22:53:19 ID:V+tYs2Uo
 バイクの排気音は工場のすぐ近くで止まった。ドルドルドル、というアイドリングの音が聞こえてくる。
 男の一人が肩を落とし、かぶりを振った。

「はあ・・・・・・一体どうやって説明すればいいんだ・・・・・・ふう」

 ため息をつきながらそんなことを言っている。振り向いた顔には疲労の色が映っている。

「藤森くん。君も少しだけフォローしてくれないかな? 俺達のやったことに対して怒ってるかもしれないけど」 
「は、はあ・・・・・・」
 
 そう言われてもはじめには呻くことしかできない。正直なところ、状況がさっぱり掴めていない。
 この誘拐事件を起こした人間のことも、三人の男達が何者なのかも。
 一つ分かっていることは、彼の知り合いがバイクに乗って工場にやってきたということだけだ。

 男がもう一度嘆息し、工場の入り口へ向けて歩き出す。

『バオオオオオッ! ブォォオオオオオォゥン!』

 瞬間、一際大きな排気音が廃工場に響いた。反射的に耳を押さえてしまうほどの爆音。

 それは段々大きくなって近づいてくる。そして――


「はっじめぇぇぇぇぇっ!!!!」

 音が工場内へ響いてきた。同時に、女の声がはじめの名前を叫んでいるのも聞き取れた。
 その場にいた全員が音のする方向、上を向いた。

 陽光を取り入れていた窓ガラスが割れていた。
 飛び散った窓ガラスが陽光を反射しキラキラと光っている。
 その光景に、黄色いバイクが一台混じっている。バイクには女中服を着た女性が二人乗っていた。
 背の低い女の子と無表情のままの女の子。それが誰だかはじめにはすぐにわかった。

(マナ! と、やよいさんも?!)
502 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:01:07 ID:V+tYs2Uo
「な、なんだぁぁぁぁ!?」

 入り口近く、はじめの前方三メートルの位置にいた男が驚愕の声をあげる。そして、彼の上空には闖入者のバイクが。

「こぉの、お邪魔虫ぃぃぃぃぃぃ!」
 
 男の視界が黄色――バイクの車体色――で埋め尽くされる。
 彼が最後に目にしたものは、黒いタイヤだった。

「あがぁぁぁっ!!」

 後輪のタイヤに顎を直撃され、男は半回転してうつぶせに倒れた。
 同時に、バイクも着地する。ハンドルを握っているマナ一人だけを乗せた状態で。
 やよいはというと、バイクが着地するより前に飛び降りて駆け出していた。もう一人の誘拐犯の方へ向かって。

「ちょっと待って、これは――」

 男が手を体の前に出して何か言おうとするが、やよいの耳には届いていない。
 目にも止まらぬ速さで標的の懐に入り込んだ女は、一瞬の溜めの後に跳躍。
 がごっ、という音がしてやよいの飛び膝蹴りが男の顎に突き刺さる。そのまま後ろに倒れ、男は昏倒した。

「あと、一人――!」

 やよいの鋭い眼差しが残る標的を捕らえた。はじめを挟んで向こう側に一人だけ残った犯人が立っている。
 それを確認した彼女は胸元から銀色のボールペンを取り出し、右手の人差し指と中指で挟むと後ろに振りかぶった。
 
「はじめくん。動かないでください」
「え?」

 短く、抑揚の無い声で呟くと、やよいは体をひねりペンを投擲した。
 そのペンは一直線に突き進む。座っていたはじめのこめかみを一陣の風が通り抜けた。
 
「ぎゃああああ!?」

 はじめが振り向くと、右掌にペンを刺した状態で悲鳴をあげる男の姿があった。
 本来筆記用具であったはずの物は正しい使い方をされることなく、人間の手を貫き半ばまで突き刺さっていた。
 膝をつき、しばらく悲鳴を上げ続けていた男は顔を上げるとやよいの目を睨み付けた。

「このアマ! 甘くしてやったらつけあがりやがって!」

 血に塗れたペンを投げ捨てると、男はやよいへ向かって襲い掛かった。
 
「・・・・・・」

 それを見たやよいは男に背を向けた。興味を失ったかのように。
 しかし走り出した男は止まらない。怪我をしていない左手を振りかぶり、無防備な家政婦の後頭部に振り下ろす。

 刹那。
 
「噴ッ!!!」

 やよいの右足を軸に回転して放たれた左回し蹴りが、標的の右側頭部を直撃した。
 男が放った左拳の打ち下ろしの一撃はやよいの右手に進路を曲げられ、不発に終わった。

 最後の抵抗も空しく、誘拐犯は脱力してその場に崩れ落ちた。
503 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:04:10 ID:V+tYs2Uo
 自分より大柄な男三人が女性二人の手にかかって瞬く間に倒された。
 その事実も驚きだが、その女性二人が知り合いだということもはじめにとっては驚きだった。

(本当にやよいさん、強かったんだ)

 もしかしたらとは思っていたが、これほどだとはさすがに予想していなかったようだ。
 それともう一つ。

「ふん、はじめをさらうからこんな目に会うのよ! 自業自得ね!」

 誘拐犯からの電話があってから10分と経たないうちに廃工場に到着したマナの運転技術にも驚かされた。
 彼女はというと、誘拐犯全員をその辺に落ちていたロープで縛り上げているところだった。

「やっぱり亀甲縛りがいいわよね。そして町中をバイクで引きずりまわすの。楽しみだわぁ」

 うふふふふ、と笑いながら複雑に縄を縛っていく。

(マナにも逆らわないほうがいいな。これは)

 一歩間違っていたら自分も誘拐犯と同じ目に会わされていたかもしれない。
 はじめは昨日マナと喧嘩した自分自身の愚かさに後悔した。
 
「はじめくん!」

 名前を呼ばれたはじめはその声の主――やよいが目の前にいることに気づいた。
 その目はいつも自宅で見かける冷静なものではなく、今にも泣き出しそうな目であった。

「大丈夫でしたか? 怪我は?」
「どこにも無いです。あの人達は僕に危害を加えようと考えてはいなかったようですし」
「そうですか。それは良かったです・・・・・・ん!?」
「? どうかしましたか?」
「はじめくん。ここ」

 やよいが手を差し出してこめかみに触れた。その途端、はじめの脳にちくりとした痛みが走る。
 こめかみに触れた指先を見ると、赤い液体が付いていた。
 男たちに殴られたりはしなかったので、はじめにはその怪我に心当たりがなかった。
 しかし、やよいは自分の指先を見つめると息を呑んだ。

「もしかして、さっき私が投げたペンがかすって・・・・・・?
 ごめんなさい! ごめんなさいはじめくん! ごめんなさい!」
「あ、大丈夫ですよ。これぐらいかすり傷です」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。まさか怪我をさせてしまうなんて、私・・・・・・」

 さらに何度も謝り続ける。はじめはその姿を見ていたたまれなくなってきた。
504 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:07:13 ID:V+tYs2Uo
「もう大丈夫ですって。こんなもの、怪我のうちにも・・・・・・」
「駄目です! 今、すぐに消毒をしないと!」
「え、でも」

 消毒できる道具なんてどこにも、と言おうとしたらやよいの手が頭に触れた。
 はじめの頭は彼女の顔の近くにまで引き寄せられた。

「・・・・・・れろ」
「うひぇっ?! やよいさん!? いきなり何を!」
「ですから、消毒です。私の舌で舐めて消毒しますから」

 やよいがはじめのこめかみを舐め始めた。血の流れている部分に何度も舌を這わせる。
 ぴちゃぴちゃという卑猥な音が聞こえてくる。

「うわ、わ、やよいさん。そんなこと、しなくてもいいです、から」

 その言葉を聞いてやよいが一旦舌を止めた。

「・・・・・・まだ駄目です。血がまた滲んできました」
「ですから、これぐらいなら放っておいても」
「駄目と言ったら駄目です! 放っておいたら化膿してしまいます」
 
 再びやよいがこめかみを舐め始めた。今度は先ほどまでの血を舐めとる動きではない。
 舌を突き出し、全体を使って血が滲んでいる部分に唾を塗りつける。
 
「わ、あわあああ、はぁ、ぁうあああ・・・・・・」

 未知の体験をしているはじめには、やよいを止めるという選択肢が思い浮かばない。
 ただこめかみを舐め続ける舌が止まるまでそのまま待ち続けるしかなかった。

「・・・・・・うん・・・・・・血が止まりましたよ。はじめくん」
「へ。あ、そ、ですか。あはははは、は」
「良かった・・・・・・」

 ぎゅっ・・・・・・とやよいがはじめの頭を強く抱きしめた。
 形のいい胸に少年の顔が埋め込まれる。

「む?! うわ、柔ら――いや、やよいさん、手を離し、て?」

 頭を抱きしめる腕が小さく震えていた。同時にはじめの頭も小刻みに揺れる。
 もしかしたら泣いているのかもしれない。そう思ったら彼は何も言えなくなってしまった。
505 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:10:00 ID:V+tYs2Uo
「本当に、ごめんなさい」
「でも、あれはわざとじゃないんでしょう?」
「いいえ。それだけじゃなくて、昨日のことも」
「あ・・・・・・」

 そう言われてはじめは思い出した。昨日、やよいと口論になってしまったということを。
 それをやよいが気にかけているということを知って彼は心苦しくなった。
 
「でもあれは僕が悪いじゃないですか。今朝だって僕の方から避けたのに」
「違うんです。そうじゃなくて――なんて言ったらいいかわからないです。・・・・・・ごめんなさい。
「・・・・・・」
「ごめんなさい。何度でも謝るから、だから居なくならないで。はじめくん」
 
 やよいは謝りながら抱きしめる腕に力を込めてきた。胸の谷間にはじめの顔が沈む。
 エプロンの生地越しに未体験の感触が伝わる。
 優しく受け入れながらもそれを弾こうとして柔らかく押し返す。そんな感覚。
 しかし、最初は気持ちよさを感じていたはじめも、抱きしめる力の強さに我慢できなくなってきた。
 頭を締め付けられ、脳に圧力がかかる。やよいが喋るたびにその力は強くなっていく。

「昨日も本当はあんなことを言うつもりじゃなかったんです。ただ、二人に仲直りしてほしくて。 
 それなのに喧嘩してしまって、そしてはじめくんがさらわれて、二度と会えなくなると思ったら・・・・・・。
 お願いです。許してください。はじめくん」
「あ、が、だだだだだ、それより、い、やよいさん。ち、からが強す、ギ・・・・・」
「居なくならないでください。ずっと、あの家に居て」
「・・・・・・ぅ・・・・・・ぁガ・・・・・・・・・・・・ギ・・・・・・」

 後頭部からプレス機のような力をかけられて、額をやよいの胸板に押し付けられる。
 はじめにはその胸の肉感的な柔らかさはもう感じられなかった。
 暴力。理不尽。拷問。そんな単語しか思い浮かばない。
 
「私にできることなら、なんでもしますから・・・・・・だから、ずっとあの家に居て・・・・・・」
「・・・・・・ぁ・・・・・・め・・・・・・・・・・・・ぇ・・・・・・・・・・・・ぅ」

 抱きしめられている少年は声を出すこともままならなかった。呻き声を漏らすだけで、呼吸さえできない。
 やよいの腕を振りほどく力も余裕も、今のはじめには残されていない。

 女性に抱きしめられながら死ぬというのは幸せな場合ばかりではない。
 はじめはそう思いながら繋ぎとめていた意識を手放すことにした。
506 名前: ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:11:14 ID:V+tYs2Uo
投下終了です。

今度こそは後編を投下します。
507 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:12:21 ID:AkZAUHN5
リアルタイムGJ!!
やよいさんテラツヨスwww
もちろん後編は3Pですよね?
508 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:24:29 ID:ZD8ZF3tY
やよいさんカッコヨスwwwwwwwww
舐めてるのを見たときマナがどう思ったか気になるwwwwwww
509 名前: 訂正 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 23:39:49 ID:V+tYs2Uo
>>505
>「違うんです。そうじゃなくて――なんて言ったらいいかわからないです。・・・・・・ごめんなさい。

の閉じ括弧が抜けていました。ごめんなさい。
510 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/25(日) 00:40:06 ID:07ZBH5sU
これは後半に向けてwktkが止まらない!

Fain Job!
511 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/25(日) 00:44:54 ID:jqtso5HB
>>510
それはfineと言いたいのか…
512 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/25(日) 01:38:17 ID:HUT8fsmw
fain
副詞
1 喜んで(…したいのだが)
2 むしろ(したい)

うん、むしろマナとしたい
513 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2007/02/25(日) 15:51:55 ID:/v3JuLQj
保守
514 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/25(日) 22:12:09 ID:EcSCKsvN
n
 ( l    _、_
  \ \ ( <_,` )
   ヽ___ ̄ ̄  )   グッジョブ!!
     /    /
n
 ( l    _、_
  \ \ ( <_,` )
   ヽ___ ̄ ̄  )   グッジョブ!!
     /    /


515 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/26(月) 01:13:48 ID:5ePVavF8
ここって別に短編でもいいんだよね?
長編しかないみたいだけど
516 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/26(月) 02:12:00 ID:WiTRL1vr
>>515
wktk(゚∀゚0)
517 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/26(月) 04:46:45 ID:WiTRL1vr
アクションシーンの躍動感がGJ!
これからのめくるめくキャッキャウフフにwktkが止まらない!



> それを見たやよいは男に背を向けた。興味を失ったかのように。

>(中略)

> やよいの右足を軸に回転して放たれた左回し蹴りが、標的の右側頭部を直撃した。


これなんて天の道を行き総てを司る人?w
518 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/26(月) 14:24:55 ID:+2OaCIgx
今初めから読み終わったんだけど、コイはカメの事諦めるのか?そんな事ないよな?な?
激しく気になったから書き込んだ。流れぶった切りすまん
519 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/02/26(月) 17:59:06 ID:/rBTNKJr
やはり時代の最先端は武闘派使用人か。
520 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2007/02/28(水) 20:22:34 ID:JYMk5li/
あげ
521 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/28(水) 21:10:56 ID:r6vYIRwU
投下します。最終話です。
522 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/28(水) 21:12:05 ID:r6vYIRwU
・ ・ ・ ・ ・ ・

『はじめくん。私のおっぱいを触ってください』
『な?! そんなことできるわけがないじゃないですか!』
『嫌なんですか? ・・・・・・嫌だというのならば、無理矢理にでもやらせていただきます』
『うわ! そんな抱きしめられたら、息ができなく……』
『はじめくん。私の胸の中で眠ってください』
『そ、そんなのは――――』

「御免です!!!」
「きゃあ?!」
 夢から覚めたはじめは上体を勢い良く起き上がらせて叫んだ。
 彼が目を覚ましたときに見たものは見慣れた自分の部屋と、目を丸くしているメイドの顔だった。
「……大丈夫? ちゃんと起きてる?」
「……うん」
「なんだかうなされてたけど、何の夢を見てたの?」
「えっと、やよいさんが僕に――」
 ここまで言って、はじめは言葉を止めた。マナの顔があからさまに不機嫌になり、半眼で見つめていたからだ。
 そのまま両者ともじっと見つめ合ったまま動かなくなる。その場の空気がとげとげしいものに変わっていく。
 居づらさを感じ始めたところでマナが口を開いた。
「……続きは? やよいが、何?」
「その、せ、折檻をする夢を見たんだ」
「ふうん……夢の中でも仲がよろしいことで。現実でも気絶するまで抱きしめられてるんだもの。当然よね」
 腕を組み、はじめから顔を逸らして右を向いた。
「私はいいのよ、別に。二人がどれだけ仲良くしようと。どうぞご自由に。
 でも人前でいちゃつくのはやめてよね。さっきみたいな場所でもご法度」
「さっきの場所、ってそうだ! あの人たちは?」
「聞きたい? ――聞かないほうがいいわよ。あまりに馬鹿馬鹿しいから知っても意味が無いわ」
 マナが冷めた反応を見せた。てっきり誘拐犯の男たちに激怒しているものだとばかり
思っていたはじめは、彼女の様子に対して疑問符しか浮かばない。
 それに馬鹿馬鹿しいとはどういう意味なのだろう。
 さらわれた当事者でありながら何も状況を掴めていないはじめはその言葉の意味が分からなかった。
「教えてくれないか、マナ」
「それじゃあ、教えてあげる。あの男たちはおじさまに雇われたやつらよ」
「な、なに?」
「だから、誘拐事件を起こすようにあの三人に頼んだのはあんたの父親。――ね、馬鹿馬鹿しいでしょ」
「…………」
 彼女達が誘拐犯に尋問をしてみたところ、黒幕がはじめの父親だと白状した。
 男たちは金で雇われただけの無職の青年達で、本物の犯罪者ではない。
 父親がなぜそんな依頼をしたのかは彼らにも知らされていなかったらしい。
「なんでこんなことをしたのかはやよいがおじさまに直接尋ねるそうよ」
「……聞かなければ良かったよ。ほんと」
 誘拐事件の黒幕が父親だと分かると、あの三人に対して申し訳ない気持ちになる。
 はじめはあまりのくだらなさに呆れ果てて嘆息するしかなかった。
「真剣になった僕の方が馬鹿みたいだ。一時は命の心配もしたのに……」
「こっちは慌てて損したわよ。まったく、何で私があんたの心配なんかしなきゃいけないのよ」
「ごめん。心配させて。」
「別に……謝らなくてもいいわよ。本気で怒ってるわけじゃないから」
 マナははじめのことを心配してくれていたようだ。
 今朝のことについて、はじめは言っておきたいことがあった。
「それに、昨日もひどいこと言っちゃって、ごめん」
「昨日? って何のこと…………あ!」
 そのことに今触れられるとは思っていなかったのだろう。もしくは彼女自身もそのことを忘れていたか。
「……もういいのよ。そのことは。こうやってまた話せているんだから、蒸し返す必要も無いわ」
「うん。ありがとう」
 笑顔を浮かべるマナにつられてはじめも微笑んだ。もう、二人の間に険悪な空気は流れていない。
 いつも通りの二人の関係。近所に――いや、同じ家に住む幼馴染の関係である。
523 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/28(水) 21:13:42 ID:r6vYIRwU
 はじめはふと、思い出した。いつも通りと言えば今日のことを忘れてはいけない。
「そういえば、さ。朝僕が言ったこと聞こえてた?」
「ああ、渡したいものがあるって……え。本当にあるの?」
「当たり前だろ。僕がマナの誕生日を忘れてた日なんかあったか?」
「……無い」
 はじめがベッドから下りて机の上に置いてあったものを持ってきた。
 この日のために長い時間をかけて作ってきたプラスチック製のバイクである。
 それを手渡されたマナは、最初のうちこそ怪訝な顔つきをしていたが、すぐにあることに気がついた。
「これ……私のバイクと同じの? もしかしてはじめが昨日言ってた
 『言えない理由』って、これのことだったの……?」
「うん。今日まで内緒にしておきたくてさ。でもむきになって隠す必要もなかったかな……って!
 なんで泣いてるんだよ!」
 はじめの前で、マナが泣いていた。
「……ぅえっ……ごめ……昨日、何も考えずにあんなこと言っちゃって。
 私のためにって、考えて用意してくれてたのに、それなのにあんな、ひどいこと……」
 膝の上で手を握り、俯いている。彼女の小さな握り拳の上に涙の雫が落ちてきた。
 嗚咽をあげるたびにマナの肩が上下に揺れる。
「ひっ、く……う、ぇぇぇぇ……」
「あ、その……」
 はじめが泣いているマナを見るのは初めてだ――この家に住み込むようになってからは。
 二人で遊ぶことの多かった小学生のころには彼女はよく泣いていた。
 それを泣き止ませるのが昔のはじめにとっては日常に組み込まれたパターンであった。
 もっとも、マナが一足先に中学、高校と進学していってそれも無くなっていったのだが。
「なんで・・・私……っく、あんたにひどいことばっかり……言っちゃうのかなぁ……」
 昔は彼女が泣いているとき、それを泣き止ませる役目を負ったのははじめだった。
 それは何年も経った今でも変わらない。そう彼は思っていた。
 腰を落としてマナと目線の高さを同じにする。
 彼女の髪に右手を乗せて、髪形を乱さないように左右にゆっくりと動かす。
「ん……? は、じ、め……?」
「大丈夫。マナは何も悪いことなんかしてないよ」
「本当に……そう思ってる?」
「うん」
「…………あり、がと」
 マナの嗚咽がおさまってきた。撫でられたまま、頬を紅く染めはじめの目をまっすぐ見つめてくる。
 さっきまで泣いていた彼女の瞳は潤んでいて目尻が垂れ下がっている。
 守りたいと、そう思わせてしまう瞳をしている。
 そのまま抱き寄せてしまいたくなる衝動を抑えるために、はじめは彼女を撫でる手を止めた。
「もう、大丈夫か? マナ」
 はじめがマナの頭から手をどける。
「……待って」
 彼女の手がはじめの手首を掴んだ。
 握る力は弱いが、決して離さないという強い意志がその手には込められていた。
「もう少しだけ、このままでいさせて……」

 マナに手を握られながら、はじめは彼女について色々と考えていた。
 古畑マナ。年は19才。家は藤森家の近所とは目と鼻の先ほどの位置にある。
 家が近い上に同年代ということもあって二人はすぐに仲良くなった。
 どれほど仲がいいのかという例をあげると、一緒に成長してきた、ということが挙げられる。
 幼稚園から小学校へ。小学校から中学校へ。中学校から高校へ。
 物心付く頃から一緒に成長してきたのだ。そんな二人の仲が悪いはずがない。
 現在では、同じ屋根の下で暮らしているのだから。
「はじめ……」
 しかし、男女の関係に発展することはなかった。それはもう一人同棲している家政婦の存在の
せいかもしれないし、ただ二人がその気にならなかっただけなのかもしれない。
「はじめぇ……」
 それはつまり、二人がその気になれば男女の関係になることも可能だということでもある。
 とはいえその気になる、というのが難しいのが幼馴染という関係だ。
 長く一緒に居ると、お互いのことを知りすぎてしまう。
 知っている、知りすぎている、というのは恋愛関係に踏み込むための道の『入り口』に水溜りが
広がっているようなもので、あえてその先に進む気分にさせないのだ。
524 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/28(水) 21:15:18 ID:r6vYIRwU
 しかし、その気になれば進むことはできる。きっかけと、覚悟さえあれば。
「なあ、マナ。そろそろ離してくれないか――」
「はじめぇっ!!」
 はじめの手を握っていたマナが、その手を離すと同時に抱きついてきた。
 突然のことに驚いた少年は、幼馴染の行動の真意を理解することができなかった。
 しかし、すぐに理解することになる。
「あの……マナ?」
「……もう、我慢するのはやめる」
「え? それって一体……」
「はじめ。私――――」

・ ・ ・

 一方、その頃――

「やよいさん。はじめは?」
「お部屋で寝ています。今はマナがついているところです」
 学校帰りの卓也が藤森家に訪ねてきていた。
 やよいが彼に「はじめが無事だった」ということを連絡したのだ。
 今回、はじめがさらわれたと連絡をしてくれたのは卓也だ。
 彼のおかげでマナとやよいは慌てることなく事態に対処することができた。
 普段卓也に対しては冷たいやよいも今回ばかりは彼に感謝しきりだった。
「いやー、ほんとによかった。やよいさんとマナちゃんが無事で」
「あら。はじめくんの心配はされないのですか?」
「どうせこんなことだろうと思ってましたから。
 はじめみたいな高校生よりももっと小さな子供をさらうもんですよ。誘拐犯は」
 うなずきながら卓也は玄関をあがり、廊下を歩く。
 彼と並んで歩きながらやよいはからかうように喋りだした。
「あら? その割には電話をかけてくださった時に慌てている様子でしたけど」
「え? あ、あーーー……」
「本当は、はじめさんのことが心配だったのでしょう?」
 ふふ。と嬉しそうにやよいが笑う。その顔を見た卓也は目を大きく開いて、同じく口を大きく開けた。
「や、やよいさんが、笑った?! 初めてだ、こんなことは……これが、デレというやつか……」
「今まで私の笑顔をご覧になったことが無かったのですか?」
「無いです。ただの一度も。
 ――おお、神よ。ようやく私のもとにやよいさんを遣わせてくださる気になられたのですね……」
 恍惚とした表情で天を仰ぎながら祈るようなポーズをする。歩きながら。
 涙を流しそうなほど――実際に心の中で泣いている――感動しているようだ。
 そんな卓也の様子を気にもせず、やよいは廊下を進む。鍵が壊れているドアの前で立ち止まった。
「――あら? はじめくんの声がしますね」
「あのーー、なんでドアの鍵が壊れてるんでしょうか?」
「お気になさらず。勝手に壊れたのです」
「は、はあ……」
 有無を言わせないその口調に卓也は口をつぐんだ。
「はじめくん。マナ。入りますよ」
 やよいがノックをせずにドアを開けた。
 すると。

「私、好きなの! はじめのことが! ずっと昔から!」
 マナの大声がやよいと卓也の耳に届いた。
 やよいはドアノブを握ったまま固まっている。
 卓也は部屋の中を覗きながらやよいの右で固まっている。
 部屋の中にいる二人は抱き合ったまま目を逸らさない。明らかに、普段とは様子が違っている。
 誰も動かない。藤森家の中は一種の膠着状態に陥った。
「な……」
 それを破ったのは客人である卓也の叫び声だった。
「なんじゃそりゃああああああああ!!」
525 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/28(水) 21:16:35 ID:r6vYIRwU
 卓也の上げた大声を聞いて、三人はそれぞれに違う動きを見せる。
 はじめは肩を揺らした後に部屋の入り口を振り向いた。
 マナはドアの向こうにやよいが立っているのを見ると、はじめから離れた。
 やよいは右にいる男の顔面に裏拳を叩き込んだ。
「ぶげぇっ?!」
 ごす! という音がしてやよいの拳が埋め込まれる。卓也は鼻血を吹いて仰向けに倒れた。
 倒れた男を廊下に放置したまま、やよいは部屋のドアを閉めた。
 音も立てずにまっすぐ歩き、部屋にいる二人の前で停止した。
 彼女の様子は普段と少し違った。マナを責めるような目で見つめると、そのまま問いかけた。
「マナ。どういうことですか?」
「あの、これは、つい…………」
「つい、じゃありません。約束を破るだなんて、最低ですよ」
「ああぁぁぁ……」
 無表情なのに怒りを感じさせる彼女の迫力に、マナは呻き声を洩らした。
「あ、あの……」
 この声ははじめである。どうやらいろいろなことが一度に起こって混乱しているようだ。
 マナが突然告白してきたこと、それについてやよいが何故か怒っていること。
 どちらも彼にとっては予想外だった。
「はじめくん」
「は、はいっ?!」
「さっきのマナの告白についてですが。もう返事は決まっていますか?」
「…………いいえ。その、なんと答えたらいいのかと思って」
「それはつまり、決めてはいない。ということですね」
 その問いに対して、はじめは無言でうなづく。
 うなづくはじめを見てマナが俯いた。悲しそうな顔をして。 
「……やっぱり、迷惑だったよね。私なんかが告白してもさ。ごめんね、はじめ――」
 そう言ってマナははじめの前から立ち去ろうとする。が、その進路をやよいが塞いだ。
「? やよい……?」
 やよいに進路を塞がれたマナが疑問の声をあげる。
「マナが告白したのならば、私もしないわけにはいきませんね……」
「や、やよいさん?」
 はじめも疑問の声を上げる。その顔に向けて、やよいが声をかける。
 頬を紅く染め、真摯な眼差しで見つめながら。
「――はじめくん。その、実は……私もあなたのことが好きなんです」
「え」
「聞こえませんでしたか? ではもう一度。――私は、はじめくんが好きです。以前からずっと」
「え、えぇえええええええ?!」
 その言葉は、今度こそはじめの思考を混乱へと導いた。
 やよいさんが僕のことを好きだって、今言ったのか?いやいや。おかしいぞこれは。
 いや、おかしいと言えばそれだけじゃない。さっきマナも同じことを言った。
 二人ともが、僕のことを、ずっと昔から好きだったなんて冗談だとしか思えない。
 そう考えたはじめは、告白の真偽についてやよいに聞き返すことした。
「あの、それって本気、なんですか……?」
「私は本気です!」
 はっきりとしたやよいの口調。その言葉に冗談が入り込んでいるようには思えない。
「はじめくん。返事を聞かせてください」 
「あ、の……やよいさん……」
 はじめは答えを出せなかった。
 もちろんやよいのことは好きだ。しかし、やよいは親戚であり、従姉なのだ。
 従姉でも婚姻関係を結ぶことはできるということは知っていた。
 恋愛関係になることが「社会的」には許容されているということも理解していた。
 そうは言っても簡単に受け入れられるものでもない。だがやよいの告白は嬉しい。
 好きではあるが、受け入れがたい。この感覚をどう言葉にして伝えればいいのかと考えていると。
「はじめっ!! もちろん私も本気だから!」
 マナがやよいと同じく、冗談が入り込んでいない真剣な表情ではじめの前に割り込んできた。
 そして、またはじめの腰に手を回した。今度は、先ほどよりも強い力を込めて。
526 名前: グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日: 2007/02/28(水) 21:17:44 ID:r6vYIRwU
「もう、約束なんて守ってられない……。私ははじめが好き! 絶対に離れない。
 ずっと、ずっと昔から好きだったんだから。やよい、はじめは渡さないからね!」
「ちょっと、マナ……」
 マナから熱烈な愛の告白を聞かされて、はじめが困ったような声を漏らす。
 その姿を見たやよいがマナに向かって声をかけた。
「ふむ――ではどちらがはじめくんを手に入れるか勝負しましょうか。この場で」
「勝負?」
 抱きついたままのマナが聞き返す。
「はい。この場で――はじめくんからより多く寵愛を受けたものが勝ち。このルールでどうです?」
「ふうん…………悪くないかも。そのルールなら、私たち二人の約束も破られないしね」
「……約束?」
 さっきから出てくる「約束」という言葉についてはじめは疑問を持った。
 首をかしげるはじめに向かってやよいが声をかける。
「約束というのは、はじめくんに対して抜け駆けを行わないという内容のものです。
 はじめくんから、私たち二人のどちらかを選んでもらうために作りました」
「でも、はじめがいつまで経ってもなんにもしてこないから」
 マナがはじめの体から離れた。
「このままずるずると家人とメイドのままの関係でいるのかと思ってた。
 だけど、考えてみればそんな回りくどいことをせずにこうしていればよかったわ」
 そう言って、マナがはじめのシャツのボタンを外し始めた。
「え」
「はじめ、じっとしてて。大丈夫。すぐに私のことを好きだって言わせてあげる」
「ちょっと、待って! 何をする気なんだ!」
「とぼけなくてもいいじゃない。わかるでしょ?」
 怪しい笑顔でマナが笑う。その顔を見て、はじめにはある予感がした。
「まさか、僕を……」
「おそらく、はじめくんが考えている通りです」
 とやよいが言った。白いエプロンを脱ぎながら。
「私たちで、はじめくんの体を満足させてあげます。初めてですけど……出来る限り、何でもしてあげますよ。
 だから、はじめくん――私のこと、好きになってくださいね?」
 そう言い終わる頃には、やよいは既に白い下着だけの姿になっていた。肌の色と、見分けがつかない。
 はじめは彼女の肢体の美しさに体を熱くしたものの、それを振り払って声を出す。
「待って! 僕は二人とも好きなんです! だから、そんなことしてもらっても選ぶことなんか――」
「できない、って?」
 はじめのシャツのボタンを外し終えて、ベルトに手をかけながらマナが言った。
「そう言うと思ったわ。はじめは私たちには優しいから。
 ――でもね、いい加減に私もそれに我慢できなくなってるの。
 そしたらもう無理やり……じゃなくて、こっちから積極的にいかないとね」
「今、『無理やりにでも』って言おうとしただろ?!」
「もう、観念したら? この部分みたいにさ」
 そう言いながらマナがはじめの股間を下着の上から撫でてくる。
 股間のその部分だけが、下着を着たままでもわかるほどに大きく膨らんでいる。
 はじめから突き出しているモノの先端を、マナが親指の腹を使って撫でる。
「うあっ、マナ、やめろよ……っ?!」
 はじめがその快感から逃れようと後ろに下がる。しかし、後ろにはやよいが立っていた。
「駄目です。どちらが好きか、はっきり答えるまでは逃がしません。
 ――でも、私のことが好きだと言ってくれたら逃がしてあげます。
 そのあと、私の部屋でゆっくりと二人きりで、語り合いましょうね? ふふふ」
「そうそう。素直に『マナのことが好きだ』って言ってくれたら、ココから手を離したげる。
 その後で今度はじっくりと、たぁっぷりと楽しませて、それから、はじめの欲望を受け止めてあ・げ・る。
 何回でも、何十回でも――して、いいからね?」
 二人がそれぞれにはじめを誘う。しかし、はじめは諦めなかった。
「ええぇっと……そうだ! やよいさん、父さんに事情を聞きましたか?!」
「ええ。私がはじめくんを守れるかどうか、それを試したかったらしいです。
 そんなことをしなくても、私ははじめくんを守り抜きますし、離しはしないんですけど」
 耳元で囁きながらやよいがはじめを抱きしめた。
「そんなどうでもいいことではごまかされませんよ。はじめくん。大人しく、私の――――」
「私のものになって! はじめ!」

 はじめは、やよいとマナ、その二人に押し倒された。