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*必至 **必至の優秀さ 必至というのは相手玉がどんな受けをしようが次の一手で必ず詰む状態を指します。「長い詰みより短い必至」という格言があります。長手数の詰みを一生懸命考えるのはいいことなのですが、実戦で長手数を読むというのはかなり無理があって、時間が足りなくなったり、実は詰みはなかったという事態になることがあります。この詰みがなかったというのが、詰将棋と実戦の絶対的な違いです。そういう意味でも確実に相手玉を詰ますための必至を使えという格言です。 ただこの必至というのはかなり高度な内容で、本などで勉強しようとしても初心者には難しすぎます。だからと言って優秀な必至を捨てるということはしません。必至にも簡単な形があり、最も実戦で使われるものがあります。基本にして最重要なのでこの形だけは覚えておいて損はありません。 #ref(必至問題図.jpg) さてこのいかにも実戦に現れそうな局面。次の一手は何でしょうか? ここを見ている人はこんな局面では、▲5二金と打ってしまう方がほとんどでしょう。これも寄せという点では問題ないのですが、ここでは必至を狙うのでもっと大胆に行きます。(ちなみに▲2二金は△同玉▲4一飛成△3一金で攻めが止まります。) 正解は▲4一飛成。 #ref(必至問題飛車切り.jpg) ばさーっと飛車を切ってしまいます。初めて見た方ならびっくりするでしょうね。攻めの柱である飛車を切ってしまうなんて普通に考えたら自殺行為です。しかしその先に狙いがあるのです。▲4一飛成に△同玉と進み、ここで▲2二金と打ちます。(結果図) (余談ですが、相手が駒損を恐れず大駒を切ってきたりしたら必ず狙いがあるので、そういったときは注意して相手の攻めを考えましょう。相手が大駒を切ってきたときは決め手であることが多いです。) #ref(必至問題結果図.jpg) (結果図) この局面をよく見てください。玉の移動できる範囲が左のと金と右の金で完全にふさがれています。そして手元には金が1枚。この状態で金を打てば詰みですが、5二と3二どっちに打っても詰みです。一応後手にすべての駒を持たせてみたので次の詰みを振りほどけないか考えてみてください。試しに玉の上にいる銀を別の駒に変えてみたり、と金を馬や龍などの成り駒に変えても同じく必至だということも確かめましょう。 振りほどけないことが分かったと思います。これが必至というもので、結果図は必至の中で最も有名で一番実戦で現れる形です。今回のこれは「挟撃」と呼ばれていて、玉を左右から挟み撃ちにして逃げ場をなくすテクニックです。この形を知っている人は▲4一飛成に△同玉とはできないので△2二玉と逃げるだけです。後は▲4二龍と銀も取って先手の勝ちです。 #ref(必至から寄せへ.jpg) **まとめ 「玉は包むように寄せよ」という格言があり、必至というのはまさにこの格言を実行しています。必至というのは基本的に上下左右からの挟み撃ちと考えてください。また捕捉で「王手は追う手」という格言もあり、最初に説明したような▲5二金だと玉が早めに脱出を試みると、玉を後ろから追うような形になり逃げられてしまうこともあるのです。終盤では玉の逃げ道をふさぐということも重要です。 必至というのはこれ以外にも形があるのですが、実践で使われることは多くはありません。まずはこの形を完全に覚えてください。 そして注意点が一つあります。必至というのは相手が次の一手で詰むという状態で、まだ詰んだわけではないので相手が自分を詰ましにくることもあります。その時点ですでに自分の玉に詰めろがかかっていたら意味がありません。必至に限らず攻める時はまず自分の玉の安全度を考えましょう。
*必至 **必至の優秀さ 必至というのは相手玉がどんな受けをしようが次の一手で必ず詰む状態を指します。「長い詰みより短い必至」という格言があります。長手数の詰みを一生懸命考えるのはいいことなのですが、実戦で長手数を読むというのはかなり無理があって、時間が足りなくなったり、実は詰みはなかったという事態になることがあります。この詰みがなかったというのが、詰将棋と実戦の絶対的な違いです。そういう意味でも確実に相手玉を詰ますための必至を使えという格言です。 ただこの必至というのはかなり高度な内容で、本などで勉強しようとしても初心者には難しすぎます。だからと言って優秀な必至を捨てるということはしません。必至にも簡単な形があり、最も実戦で使われるものがあります。基本にして最重要なのでこの形だけは覚えておいて損はありません。 #ref(必至問題図.jpg) さてこのいかにも実戦に現れそうな局面。次の一手は何でしょうか? ここを見ている人はこんな局面では、▲5二金と打ってしまう方がほとんどでしょう。これも寄せという点では問題ないのですが、ここでは必至を狙うのでもっと大胆に行きます。(ちなみに▲2二金は△同玉▲4一飛成△3一金で攻めが止まります。) 正解は▲4一飛成。 #ref(必至問題飛車切り.jpg) ばさーっと飛車を切ってしまいます。初めて見た方ならびっくりするでしょうね。攻めの柱である飛車を切ってしまうなんて普通に考えたら自殺行為です。しかしその先に狙いがあるのです。▲4一飛成に△同玉と進み、ここで▲2二金と打ちます。(結果図) (余談ですが、相手が駒損を恐れず大駒を切ってきたりしたら必ず狙いがあるので、そういったときは注意して相手の攻めを考えましょう。相手が大駒を切ってきたときは決め手であることが多いです。) #ref(必至問題結果図.jpg) (結果図) この局面をよく見てください。玉の移動できる範囲が左のと金と右の金で完全にふさがれています。そして手元には金が1枚。この状態で金を打てば詰みですが、5二と3二どっちに打っても詰みです。一応後手にすべての駒を持たせてみたので次の詰みを振りほどけないか考えてみてください。試しに玉の上にいる銀を別の駒に変えてみたり、と金を馬や龍などの成り駒に変えても同じく必至だということも確かめましょう。 振りほどけないことが分かったと思います。これが必至というもので、結果図は必至の中で最も有名で一番実戦で現れる形です。今回のこれは「挟撃」と呼ばれていて、玉を左右から挟み撃ちにして逃げ場をなくすテクニックです。この形を知っている人は▲4一飛成に△同玉とはできないので△2二玉と逃げるだけです。後は▲4二龍と銀も取って先手の勝ちです。 #ref(必至から寄せへ.jpg) **まとめ 「玉は包むように寄せよ」という格言があり、必至というのはまさにこの格言を実行しています。必至というのは基本的に上下左右からの挟み撃ちと考えてください。また捕捉で「王手は追う手」という格言もあり、最初に説明したような▲5二金だと玉が早めに脱出を試みると、玉を後ろから追うような形になり逃げられてしまうこともあるのです。終盤では玉の逃げ道をふさぐということも重要です。 必至というのはこれ以外にも形があるのですが、実戦で使われることは多くはありません。まずはこの形を完全に覚えてください。 そして注意点が一つあります。必至というのは相手が次の一手で詰むという状態で、まだ詰んだわけではないので相手が自分を詰ましにくることもあります。その時点ですでに自分の玉に詰めろがかかっていたら意味がありません。必至に限らず攻める時はまず自分の玉の安全度を考えましょう。

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