電気回路とは…


抵抗、コンデンサ、コイルの要素のみで構成された回路のこと。

よってトランジスタやダイオードなどは電気回路では扱わない。
これらは電子回路に属する。

また、それぞれの素子の原理は電磁気で扱うことになる。

ロボットで回路を作ろうとするといろいろな知識も必要になる。
だからといってすべてを理解するのは難しい。
よってロボットのための電気回路が必要になるわけだ。


基本:オームの法則

E=RI
電圧は電流と抵抗の積に等しい。
合成抵抗や分圧の概念はここから。

重要:電力

P=EI=RI^2
電力は電圧と電流の積に等しい。
オームの法則より電圧を用いない式にも変更可能。
これに時間を加えると発熱量となる。



これだけわかったら、電気回路部品の簡単な概念を説明しよう。


抵抗

もっとも標準的な回路素子。
直流、交流ともに同じ働きをする最も簡単な素子でもある。
オームの法則に出てくるように、電流と抵抗値の積が電圧となる。
LEDの保護抵抗に代表されるように、簡単に分圧することができる。
また、合成抵抗という概念では、直列なら和、並列なら積/和となる。
ポテンショメータやCdSセルは抵抗が変化する素子であり、工夫することでセンサとして用いることもできる。


コイル

直流成分を透過し、交流成分のみを減衰、抑制させる素子。
電流より磁場が発生するため、電流を蓄える性質がある。
モータもコイルの一種として考えることもできる。
問題として、コイルには抵抗値が存在するため、理想のコイルとしてそのまま使うことはできない。
昇圧回路によく使われることもある。
直流の定常状態では短絡として扱われる。逆にパルスを入力した瞬間は開放として扱われる。
銅線で輪ができるだけでコイルの成分が存在してしまうため、測定ノイズの原因となることもある。


コンデンサ

交流成分のみを透過し、直流成分を抑える素子。
電極板に電荷を蓄えることで電圧を蓄える性質がある。
直流では、電源に並列につなぐことでノイズの抑制を行うことができる。
直流安定化電源には最後の平滑化に使われる。
コンデンサの動作はFETのスイッチング動作にも関係している。
直流の定常状態では開放として扱われ、逆にパルスを入力した瞬間は短絡として扱われる。
特殊な方法を用いることで昇圧回路にも用いられる。
二つの銅線があるだけでコンデンサの成分が存在してしまうため、測定ノイズの原因となる。



ロボコンを意識した電気回路


ここからは、ロボコンのためだけの電気回路を進めよう。

ロボットには充電池を用いることが多い。
つまり、直流電源を用いた回路が多いため、交流の知識はあまり必要ない。
しかし、モータの動作を考えてくるとそうもいってられず、過度特性という強敵が存在する。
すべてをいきなり理解するのは難しいが、一つ一つ覚えていこう。

抵抗

上記のとおり用途はLEDの保護抵抗に代表される。
やはり大事なのはカラーコード。抵抗値がわからないければ、使うこともできない。
カラーコードは抵抗に5本以上の線が入っているものもあるが、4本を用いることがおおい。
第1,2色帯が数値、第3色帯が桁を示す。
カラーコードは次のとおり。
黒→0
茶→1
赤→2
橙→3
黄→4
緑→5
青→6
紫→7
灰→8
白→9
金や銀(たまに他の色もある)が誤差率を示す第4色帯となっている。これで向きを判断しよう。
一般的な抵抗は誤差率5%の炭素皮膜。許容電力もあまり高くないので気をつけよう。
1kΩ抵抗は、茶黒赤金となっているので参考に。

加えて可変抵抗を使うことも多い。
3端子の可変抵抗は、2端子の間を1端子が動く形となっている。
そのため2端子は一定の抵抗値を持ち、他のパターンは可変となる。
ポテンショメータも同じ原理を用いている。

大事なことは、抵抗が入っている限りそこに流れる電流は電源電圧÷抵抗値以下となること。キルヒホッフ則でそれが良くわかるはず。昇圧を除けば。

コイル

使わない。
使うとしたら昇圧回路のみ。


コンデンサ

電圧の変動を抑えるため、様々な素子の隣に置かれる。電源、IC、マイコンなど。
電源を切ってもLEDが少しの間消えないのはこの素子の影響。
セラミックコンデンサ、電解コンデンサを中心に使うことになる。
電解コンデンサに限り、電圧の向きと大きさに制限がある。間違えて爆発させないように。
モータにもノイズ対策として使われる。
抵抗と組み合わせることで遅延回路を組むこともできる。


発展的な電気回路

電気回路を理解しようとするときに必要な知識。

キルヒホッフ則

どのような回路でも、一巡した回路の電圧の和は0になる。
どの点でも流入する電流と流出する電流の量は等しい。

簡単に言えば、エネルギーは増えないし消えない。
回路の消費電力は、電源の電圧と電源から流れる電流の積になる。

電圧と電流


意外と電圧って概念はわかりにくい。

電流については、「断面を通った電子の数」って説明できるので。

中学校の説明では滝なんてものが有名。
実際、電子の位置エネルギーです。

さらに簡単に言うと、押す、または引く力です。
重い箱に力を加えても動かないのが、電池に何もつなげてない状態です。

箱が軽ければ押して動かせる、この箱の重さが抵抗です。

なんで電池の中は電流流れてないのって話になりますよね。

簡単に言うと、電池の中にはものすごい高い壁が存在します。
そのままではこの壁を超えることはできないので、化学的な変化を使います。
この化学変化の有無がコンデンサと電池の違いになります。

コンデンサはあくまで電気の力のみで電気を蓄えますので、
電流を流すほど電圧が高くなります。

しかし電池は電圧を加えると中で化学変化を起こして、
電圧が上がらなくなります。

逆に外の電圧が下がると化学変化で電気を流し始めます。

いわゆる平衡状態。

だから電池は電圧が決まってるわけです。

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最終更新:2013年09月07日 18:48