電池


ロボコンにおいては必須となる電源、電池について解説していこう。

電池は大きく三つに分類される。

  • アルカリ乾電池などの一次電池。
  • NiCd電池などの二次電池。
  • 太陽電池などの発電式電源。


一次電池

一度しか利用できない電池を、一次電池という。

アルカリ乾電池、マンガン乾電池、オキシライド乾電池などの乾電池を中心とし、他にもボタン電池などがある。

一本あたりの値段は非常に安いが、一度しか利用できないため使えば使うほど値段に対する効率は悪くなる。

充電できず、貯めてある電力量も少ないため、モータなどの高出力には不向き。
一方で、回路の動作など小規模の使用には十分用いることができる。

二次電池

充電して繰り返し利用できる電池を、二次電池という。

NiCd、LiPo、LiFe、Ni水素、鉛蓄電池などがある。

一本あたりの値段は高く、また何度でも充電して使用できるわけではない。

充電できるが、その特性は種類により大きく異なる。
また電池の内部抵抗も、ものによって異なる。

その原料の組み合わせにより、蓄電されている電圧は決まっている。
一つの部分で蓄電している電圧をセル電圧と呼び、これを1セルという。

すべての二次電池がこのセル電圧の整数倍となっている。

しかし、あくまでもセル電圧は蓄電している電圧であり、二次電池は充電するとセル電圧よりも高い電圧になる。

NiMH

二次電池の中でも単三乾電池など最もよく使われている。
メモリ効果があり1セル1.2Vと、特性はNiCdとほぼ同じと考えていい。
容量は最大1500mAh程度となっている


NiCd

二次電池の中でも、鉛蓄電池のように使われることが多い電池。
1セルが1.2Vとなっている。
一般的なパックは6セルの7.2Vで、たまに7セル8.4Vのものもある。

6セルの充電完了電圧は7.8V~8.0V、放電完了電圧は7.0V~7.2V程度となっている。

よくあるのが活性化の問題。
NiCdを含め二次電池は使わない状態が続くと放電特性が下がる、つまり内部抵抗が上がってしまう。
さらにNiCdはこの特性が強く、短期間充放電を繰り返さなければ本来の特性は発揮されない。
また温度にも特性は依存し、ある程温まっているほうが特性がいい。

さらにNiCdでもっともいわれている特性が、メモリ効果である。
NiCdを充電すると、その時点で蓄えられている電力が放出しにくくなっていく。
つまり残量が残っている状態で充電すると、電池の性能が下がっていくことになる。
これを減らすためにも放電器の使用をお勧めする。

容量は最大3000mAh程度。

LiPo

二次電池の中でも放電特性に優れた電池。
内部抵抗が非常に小さいため、放電による電圧降下が非常に少ない。
また非常に軽量で、同レベルの電力量の二次電池と比べると非常に小さく軽い。

ただし、放電特性に優れすぎるため、内部の発熱に耐えられなくなるケースがある。
これがLiPoのもっとも怖いところである。
その電力量、エネルギー密度ゆえ、発火または爆発する可能性がある。
取り扱いは非常に厳重に行わなくてはいけない。
内部に傷がつき、発火している事例もある。

さらに問題となるのは、過充電、過放電である。
どちらも危険で、特に過放電は次に充電してからしばらく経った後に発火することもある。

少し高いが専用の充電器もあるので、それを購入して使ってほしい。

1セル3.7Vと非常に高いものとなっている。
2セルや3セルが多く使われている。
複数セルのものは、バランサーを用いて充電する。

最近では最も容量に種類がある電池で、50mAhきざみで売っている場合もある。
6Ah程度まで購入できる模様。
最近の容量制限を1本で突破できる。

メモリ効果はないが、代わりに満充電状態で放置すると性能が低下する。
しかし自然放電は少なめ。
ある程度の放電をしておけば、それなりに長く持つのでコストパフォーマンスも良い。


LiPo用バッテリ監視回路作りました。
自動的に電源を落とします。
ただし、マイコンの電源は落ちないので、実験用にどうぞ。
シャットダウン回路

鉛蓄電池

二次電池の中でも取り扱いに優れた電池。
メモリ効果が少なく、充電も簡単にすることができる。

問題として二次電池の中でも非常に重い。
また過放電すると危険な状態となる。

1セル2Vであり、6個直列で12V出力となっているものが多い。

どんな電池にもいえることだが、経年劣化がある。
鉛蓄電池はメモリ効果が無いため、経年劣化のほうが強く感じる。
最終更新:2010年09月22日 19:25