セリフ集 > OVA第03話


Aパート

伸恵「ん、あれ、んっんんー?」
伸恵「ん」
伸恵「はぁ」
伸恵「んま・・・いっか」

千佳「たっだいまー!」
伸恵「けだるい」
千佳「酔っ払ってるだけじゃん」
千佳「自分の部屋行けば?」
伸恵「明日から連休コンボか」
伸恵「うち、なんか予定あったっけ?」
千佳「別にないんじゃない」
伸恵「なーんで予定ないんだよ!」
千佳「ううっ」
伸恵「せっかくの連休に家にこもってるなんて悲しくねぇかー?」
千佳「どうせお姉ちゃんいつも同じじゃん」
千佳「だいたいあたしに絡んでも仕方ないっしょ」
伸恵「けっ、所詮連休なんて関係なし、ですか」
伸恵「いーよなーちぃはクールで」
千佳「んぅ・・・」
千佳「あのね、あたしだって連休くらいお出かけしたいよ」
伸恵「お、出たな本音が」
伸恵「飲むか?」
千佳「同じクラスの子なんか、家族揃ってハワイだって」
千佳「いーなー」
伸恵「いーなーって、お前行きたいかハワイ?」
伸恵「地球の裏側で、氷の世界だぞ」
千佳「ウソつくな!ハワイくらい知ってるよ」
伸恵「ふん、ムキになるなって」
伸恵「どうせ行けないんだし」
千佳「むぅ・・・」

アナ「連休は・・・家で過ごす予定ですわ」
千佳「そうなの?」
千佳「アナちゃんはお出かけかなって思ってた」
千佳「こないだイギリス行ったんでしょ?」
アナ「は、はい」
アナ「いとこたちに案内されてロンドン巡りなどを」
千佳「いーなー」
アナ「言葉も通じませんし、疲れました」
千佳「え?」
アナ「あのブリテンのガキども、この次は巣鴨のとげぬき地蔵通りにほったらかして、存分にうろたえて頂きますわ」
アナ「十倍にして返さないと気がすみません」
茉莉「アナちゃん、何かあったの?」
アナ「ふえっ!?」
アナ「ま、茉莉ちゃんは連休どうするんですの?」
茉莉「えっとね、次の夏休みおじいちゃんち行くんだけど」
千佳「夏休み?」
アナ「まだ春先ですが」
茉莉「うん。だからね、今から体力蓄えなきゃいけないし、連休はお出かけなしなの」
千佳(どんな体力だろそれ)
アナ(動物の冬眠みたいですわ)
伸恵(茉莉ちゃんだから許す)
千佳「そ、そうなんだ」
千佳「うあーん。どこでもいいから出かけたい」
伸恵「なーに拗ねてんだよガキじゃあるま・・・」
伸恵「っぶ何すんだこのー!」
千佳「お姉ちゃんが言いだしたせいでしょうが」

美羽「元気だしなよちぃちゃん」
美羽「あたしだって予定もお小遣いもないのに健気に生きてんだよ」
千佳「うぅ・・・ありがと」
美羽「これでも食べて。はい、あーん」
千佳「ん?んん・・・あー、ん」
千佳「ふぁ、あいっ」
千佳「ぎっ」
美羽「がん!」
美羽「なんだいらないの?」
千佳「うーん・・・」
美羽「はむ」
千佳「ってそれあたしが作ったやつでしょ!」
美羽「もーいつまで拗ねてんだろうねぇ」
伸恵「いや、お前が追い打ちかけてんだろ」
美羽「んじゃあれ出すか」
伸恵「あれって?」

美羽「おや?うーん」
美羽「んん・・・確かこのへんに」
美羽「あったー!」
伸恵「あったじゃねぇ」
千佳「国民宿舎伊豆風美宿泊券・・・お姉ちゃんこれどうしたの?」
伸恵「えっと、たしか・・・」
伸恵「正月にスーパーの福引で当たったんだっけ」
伸恵「興味ないから忘れてたけど」
茉莉「国民宿舎ってなぁに?」
アナ「健康保険加入者が、格安で利用できる施設で・・・」
茉莉「あぁ、ユースホステルのこと?」
アナ「うぃっ、ん・・・そうとも言いますわね」
千佳「ねぇ、行ってみようよ」
伸恵「やーだね。めんどくさ」
千佳「ふむぅ・・・」
千佳「なーにもー期待させといてー伸姉のバカアホー」
アナ「いつも予定なし。千佳さんわびしいでしょうね」
茉莉「うん。あたしだったら泣くかも」
伸恵「あーあー、同情されてるぞーちぃ」
アナ「あぁいえ、そんなわけでは・・・」
茉莉「うんうん」
伸恵「しかし、ちぃと二人で行ってもつまらんしな」
美羽「はい参加します!」
伸恵「お前は却下」
千佳・美羽「伸姉のバカアホー」
伸恵「おぉ息合ってるじゃん」
千佳「知らない!」
美羽「ひらばい!」
千佳「ぷっ、ぷくくく・・・」
伸恵「ツボにハマったな、ちぃ」
アナ「あのお姉さま?」
アナ「よろしければ私も行ってみたいですわ」
アナ「ね?」
茉莉「ふぇ?」
アナ「茉莉ちゃんもちょうどいい体力づくりになると思いますし」
茉莉「う、うん!そうだね」
伸恵「なに、みんな行きたいの?」
茉莉・アナ「うん、うん」
伸恵「しゃーない。そんなら行ってみるか」
千佳「わっ、ほんと?」
伸恵「でも別に目新しいとこじゃねーからな?」
伸恵「付いてからぶーぶー言うなよ」
千佳「うん!やったーお出かけだー!」
茉莉「伊豆ってどんな所?」
伸恵「うーんと、伊豆はね・・・」
千佳「吊り橋。写真で見たことある」
千佳「あだだ」
美羽「そうそう。橋の下にはバナナ好きのワニがいて、灯台を守ってるんだ!」
伸恵「伊豆といえば、踊り子で有名だね」
茉莉「おどりこ・・・」

TV「ここで、予定を変更して臨時ニュースをお送りいたします」
おじいさん「ああれ!?」
おじいさん「あぁ、あっ、あぁ・・・」
おじいさん「あぁ・・・あ」
おじいさん「わしの・・・踊り子さん」

TV「浜松地方、降水確率20%」
TV「続いて伊豆方面。夜半から朝にかけ曇りのち晴れ」
TV「日中は晴れで、傘の心配はいりません」
伸恵「ふっ」
TV「おでかけ日和になるでしょう」
伸恵「んっ、あぁー・・・ん」

Bパート

アナ「晴れてよかったですわね」
千佳「てるてる坊主のおかげかな」
茉莉「きっとそうだよ。みんなで作ったんだもん」
茉莉「ね?お姉ちゃん」
伸恵「そうかもねー」
伸恵「さて、でかけようか」
伸恵「美羽ー。道路出て誘導頼む」
美羽「へーい」
美羽「発射オーラーイ!はいそこでテールスライド、スピン2回転はーん!」
伸恵「みんな、忘れ物ないね」
茉莉・アナ「はーい」
千佳「おっけー」
伸恵「んじゃ、出発進行!」
美羽「ありゃ」
アナ「楽しみですわねー」
茉莉「うん」
美羽「ちょっ」
千佳「お出かけヤッホー」
アナ「ヤッホー」
美羽「おいこらー」
美羽「まてこらー!忘れもんだー」

伸恵「いやー、爽やかな景色」
伸恵「そしてさわやかな音楽」
伸恵「さいっこーだねー」
千佳「あのさ・・・」
千佳「なんか他のCDないのー?」
伸恵「なんでー?ドライブっていえば、このへんが定番だろ」
千佳「んもう・・・」
伸恵「あっなーんだよー」
千佳「伊豆まであとどのくらい?」
伸恵「あー、20キロぐらいかなー・・・たぶん」
アナ「もうすぐですわね」
茉莉「う、うん」
伸恵「景気づけに、歌でも歌ってこうか」
伸恵「なんかリクエストある?」
茉莉「森のくまさん」
伸恵「え」
アナ「森の石松もいいですわ」
伸恵「いや、そんなCDないんだけど」
千佳「あ、じゃあさ、こないだ買ってきたあれは?ほらほら、ギターとかキレイなやつ」

伸恵「ふー・・・」
伸恵「おーい着いたぞー」
茉莉・アナ「ふぃぇぇ」
千佳「うー・・・」
伸恵「ひ、ひとっ走りしたあとの一服はー格別だなー」
伸恵「あ、お?」
伸恵「あれ、お前そこにいたのかー?」
美羽「8時間もかかるなら先に言え」
伸恵「うっせーな。道に迷わなきゃ2時間だよ」
千佳「やっぱ迷ってたんか!」
伸恵「しょうがねーだろ、カーナビとかついてないし」
美羽「つかトイレどこ?」
美羽「お?」

千佳・茉莉・アナ「うわー!きれー!」
伸恵「ええっと、住所が・・・」
アナ「この実、植物図鑑で見たのと同じじゃありません?」
茉莉「うん。写真よりずっとキレイだね」
伸恵「お待たせー、部屋いこっか」
千佳・茉莉・アナ「はーい」

伸恵「はぁ」
伸恵「ちぃ、そこの新聞取って」
千佳「んー」
美羽「こんちは」
伸恵「おぉ、間に合ったか?」
美羽「ちょっと漏れた」
伸恵「うちの洗濯機にいれんじゃねーぞー」
美羽「はいよ」
千佳「なにこのノリ!?」
千佳「いつもの部屋と全然変わんないじゃない!」
伸恵「だーからそう言ったろー」
千佳「んん・・・」
伸恵「あれ、このあたり爆笑静岡やってねーな」
美羽「ほんとだ。テレビ全然違うね」
伸恵「お、なにこれ、熟れすぎた若妻!」
美羽「へっ新鮮ですね」
伸恵「えっ、カネとんのかよ。誰が見るかってんだ」
美羽「ふざけたテレビですねー親分」
千佳「えーっと・・・あ、お風呂だ」
千佳「アナちゃん、茉莉ちゃん、行ってみようよ」
茉莉「う、うん」
アナ「はい」

千佳「えへへ、楽しみだねお風呂」
アナ「そうですね千佳さん」
千佳「茉莉ちゃんはやくー」
茉莉「うんちょっと、待って・・・」
千佳「うわ!」
アナ「きゃあっ!」
茉莉「えっ、ひゃっ、いやあっ!」
アナ「はっはっはっ、んーぐーにゅ」
千佳「お、お姉ちゃん!」
アナ「お、お姉さま、無理です、ハレンチですー!」
伸恵「お?」
千佳「窓おっきいよ!外から見られちゃうよ!」

美羽「おーひろびろー」
伸恵「だからね、外からは見られないようになってるから、平気だって」
茉莉「でも・・・」
アナ「なんだか落ち着かないですわ」
伸恵「よーし。あたしが見張ってるから、ふたりとも思いきって、タオルとりなさい」
茉莉・アナ「え?」
アナ「これがほんとの見え見えですわね」
美羽「へー、これ温泉なんだー」
美羽「なになに」
美羽「よかったね茉莉ちゃん、これで明日から未婚の母だよ」
美羽「あぐぶごぼごぼぼぼ」
伸恵「温泉入っただけで赤ちゃんできたら大変だろーが」
茉莉「そ、そうだよね」
アナ「ふふ、茉莉ちゃんたら本気にしてたんですの?」
茉莉「ち、ちがうよ」
茉莉「でも・・・それじゃ赤ちゃんてどうしてできるんだろう?」
伸恵「えっ!?い、いきなり?」
伸恵「ああ、そ、それはー。赤ちゃんはーコウノトリさんが、運んで・・・」
千佳「おおー、お姉ちゃん真っ赤。あひひ」
千佳「なにマジで・・・ぶわっ!」
千佳「なーにすんの!?」
伸恵「ひひー、大人をからかうからがふっ」
伸恵「こ、このー!」
茉莉「ひゃあっ!お湯が顔にかかったよ」
アナ「茉莉ちゃん、プール開きまでに水になれないと大変ですわよ」
美羽「よーし特訓開始!」
茉莉「あっちょっと待って・・・うわっ」
伸恵「こら美羽!お前が沈んでろ」
美羽「うがーごぼぼ」
伸恵「いいっ!?」
千佳「なもーみっちゃんてば!」
伸恵「また風呂ん中で屁をー」
美羽「アナちゃんだよアナちゃんだってばー」
伸恵「もーお前あっちいけ」

TV「あすにかけて快晴。絶好の行楽日和となりました」
TV「では、CMをはさみまして、引き続き天気予報をお楽しみください」
千佳「ん?」
伸恵「何わざわざ遠回りしてんだよ」
美羽「いや、毎日の習慣て大事でしょ?」
アナ「美羽さんが窓から入ってくると、もう一瞬でいつもの世界ですわ」
千佳「旅の気分台無しだよね」
美羽「はぁ、それよりお腹すいた」
伸恵「そういやーそうだなー」
千佳「ご飯何時だろうね?」
伸恵「時間なんて決まってねーだろー」
伸恵「自炊だし、勝手に台所使って・・・あ」
千佳「なーんだ自炊・・・あれ?」
千佳「じゃあ材料は?」
伸恵「忘れてた」
アナ「へっ」
茉莉「ううっ」
千佳「ええー、晩ご飯どうすんの?」
伸恵「だ、ダイエット?」
伸恵「ええい!わーったよ!」

伸恵「オラオラオラオラオラオラオラー!」
コンビニ店員「いっ、ちょちょどうわわああっ」
伸恵「んぅっ、す、すいませーん」

千佳「はぁ・・・」
千佳「せっかくお泊りなのにコンビニご飯?」
伸恵「うちじゃ味わえない醍醐味だろ」
千佳「あんまり味わいたくないし」
アナ「でも美味しそうですわ」
茉莉「ほんと、千佳ちゃんが作るとなんでも美味しくなるからふしぎだね」
千佳「そーう?そんなこと・・・」
美羽「もー、なんでもいいから早く食べようよ」

千佳・美羽・茉莉・アナ・伸恵「ごちそーさまー!」
美羽・伸恵「いやー食った食ったー」
美羽「まぁまぁでしたね」
伸恵「だな」
美羽「人間一つぐらいは取り柄があるもんだ」
千佳「こーらー、後片付けは?」
伸恵「え、めんどくさー」
美羽「舐めるなー!ちぃちゃんは料理だけでなく、後片付けも得意なんだぞ」
美羽「人使いの荒い店ですね、親分」

茉莉「イットケイムズトゥー、ザ、えっと国民宿舎」
茉莉「イネクペンスィブホテール」
アナ「ノー、アイ、ライク、サーモン、ライスボール」
茉莉「らいすぼ・・・あっおにぎり」
茉莉「おいしかったよね」
アナ「イエース!だいぶ意味が通じるようになりましたわー」
茉莉・アナ「ん?」
美羽「でぇっ」
美羽「さて、腹も膨れたし」
千佳「し?」
美羽「百物語やろうぜ!」

茉莉「こ、怖い話するのー?やだー」
伸恵「茉莉ちゃん怖がってるだろー。やめやめ」
美羽「お姉ちゃんさー」
美羽「あんまり甘やかすと、茉莉ちゃんの将来のためになんないよ」
千佳「百物語が将来のためになんの?」
美羽「会社の飲み会に、無理やり付き合わされて、三次会でネタがなくなったときとか」
千佳「どんな将来像だよ」
アナ「わたし、百物語って知らないんですけど」
美羽「んじゃあしりとりみたくリレーで回そう」
美羽「んで最後の人がなんかオチつけるの」
伸恵「その時点で間違ってるんだが」
美羽「じゃあたしからいくね」
美羽「ゆうべさー。自分ちで寝てたんだけど、気がついたらそこに!」
茉莉「ひぃっ」
美羽「はい。次アナちゃん続けて」
アナ「ふぁっ、わたしなんですか?」
美羽「今の続き考えてね。怖い系で」
アナ「こ、怖い系?」
アナ「め、明文堂の・・・えーと、おじいさんが、俳句を」
茉莉「ふぃっ!?」
アナ「立ったまま、俳句を詠んで、いた?」
美羽「はぁ・・・なんか盛り上がりに欠けるなー」
美羽「次ちぃちゃん」
アナ「ううっ」
美羽「ぐぐっと盛り上げて」
千佳「あたしー?」
千佳「うぅ・・・俳句?」
千佳「んんー難しいな・・・あっ」
千佳「俳句だと思ったら、字余りで・・・お経だった」
美羽「ふぇっ!?それちょっと怖いよ」
茉莉・アナ「ひぃぃ」
千佳「な、なんか自分でも言ってて鳥肌立っちゃった」
伸恵「つかなんだこのネタ?」
伸恵「どこに向かうんだよ」
美羽「いーから。次伸恵お姉ちゃん」
伸恵「えー?」
伸恵「んん・・・あーえー」
伸恵「びっくりして目が覚めた」
美羽「う、なんか手抜きっぽいぞ」
美羽「じゃ最後茉莉ちゃん」
茉莉「ひっ?」
美羽「オチだからびしっと怖く決めてね」
茉莉「こ、こわく?」
茉莉「えーっと、えっとね、め、目が覚めたら、なんと」
茉莉「お、お、オネショしていた!」
茉莉「だめ?」
美羽「はいここまで」
伸恵「で?結局なんだったんだ」
美羽「知らないよそんなの」
美羽「ヒマだなお前ら」

千佳「ええいっ!」
美羽「ぶわっ」
美羽「っく、なにすんだ!」
美羽「でぇっ」
千佳「なっ」
アナ「うぶっ、むぁ」
美羽「ちぃちゃんとアナちゃんはそっち」
アナ「そんなのズルいですわ」
千佳「そうだよみっちゃん、ちゃんとジャンケンで決めようよ」
美羽「やだもん。伸恵お姉ちゃんの隣はあたしなの!」
伸恵「いーかげん決めなきゃ寝られねーぞー」
千佳「うむっ」
千佳「それっ!」
アナ「やあっ!」
美羽「ぐっ、うぐぐっ!ぐぁ・・・」
伸恵「勝負あった」
美羽「あぁっ」
千佳「やった!」
アナ「ではジャンケンですわね」
美羽「ず、ずるいぞ!」

茉莉「うっ、ひっく、う、ひっうぅ・・・」
伸恵「ん?」
伸恵「茉莉ちゃん、寝付けないの?」
茉莉「う、うううん」
伸恵「みんな先に寝ちゃうと心細いよね」
伸恵「よし、茉莉ちゃんが寝るまであたしが起きてるから、安心して寝ていいよ」
茉莉「うん・・・でも、泥棒が来たらどうしよう」
伸恵「だいじょうぶ。あたしがギッタギタにしてやるから」
茉莉「よかった・・・」
茉莉「寝るまで、手握ってていい?」
伸恵「うん。おやすみ」
茉莉「おやすみなさい」

美羽「夜這いだー!」
伸恵「なにー!」
千佳「なになに?」
アナ「なんですの?」
伸恵「どこだーこらー!」
伸恵「ふんづかまえてさたけのエサにしてやる!」
美羽「ふふん」
伸恵「あ」
美羽「さたけのエサになるのは誰かな?」
伸恵「はぁ?」
千佳「まさかほんとに手を?」
アナ「待ってください、お姉さまはきっとそんなつもりでは」
美羽「二度と可愛いとか言うなー」
伸恵「あ?」
伸恵「バ、バカ!勘違いすんな、これは」
美羽「浮気者!茉莉ちゃんを離さないとこうだ!」
千佳「えっ?」
アナ「ひゃっ?」
千佳「あ、ああああうわあああ」
美羽「ちゅー」
千佳「うううっ」
千佳「な、なにすんのー!?この!この!」
美羽「ぷへぇっ、まだまだ」
美羽「ひひひひっ」
アナ「ふわっ?」
美羽「観念しろやー!」
美羽「うおおおお」
美羽「あぐっ」
伸恵「調子のんなっつの」

茉莉「ごめんねお姉ちゃん。あたしのせいで」
千佳「ったく、日頃の行いがアレだから誤解されんのよ」
伸恵「アレってなんだよアレってー」
美羽「そうだ!誤解とはなんだ」

千佳「わああ気持ちいー」
アナ「ほんと、透き通った風」
千佳「透き通った?」
アナ「ん?あれ、そっか」
アナ「もともと透き通ってて見えないんだから・・・おかしいですね」
千佳「ううん、あたしもなんとなくわかるよ」
千佳「時々、風が吹くといつもの景色がぱーって違う色に変わっちゃう気がするの」
アナ「あ、そういうのあります?」
千佳「うん。おんなじ場所でも、あっ今日はいつもと違う色だなって感じたり」
千佳「不思議だよね」
アナ「そうですね。きっと色がないから、その時の気持ち次第で違って感じるのかも」

千佳「朝になったらもう帰るのかー」
千佳「んっ、楽しかったね」
伸恵「楽しいことって」
千佳・美羽・アナ「ん?」
伸恵「当たり前だと思ってる景色ん中に、いっぱい隠れてんのかもな」
伸恵「いつもは気づかないけど、きっと、風が吹くと、気づくのさ」
千佳「ぷっ」
伸恵「んんっ」
千佳・美羽「くっさー!」
アナ「素敵ですわお姉さま」
伸恵「ああぁぁ・・・」
茉莉「ん、なになにどうしたの?」
美羽「今ね、伸恵お姉ちゃんがガラにもないことを」
伸恵「うるっせぇなー」
伸恵「あたしゃ何も言ってねーよー」
伸恵「ほらほら。もう子供は寝る時間」
千佳・美羽・茉莉・アナ「はーい」
千佳「お姉ちゃん、またみんなで来ようね、ねっ」
伸恵「さー、どうだろうね」

伸恵「んん?」
伸恵「やっぱ、迷ったかな」

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最終更新:2019年05月07日 10:27