Aパート
伸恵「少し、時間潰すか」
伸恵「お」
伸恵「ふぅ」
伸恵「ほぉ・・・」
千佳「これって本当かなー？なんかウソっぽいよねー」
美羽「うーん」
美羽「んじゃさ、試しにやってみる？」
千佳「え、やだよー」
美羽「あたしかかってみたーい」
千佳「あ、かかるほうなん？」
美羽「だってさー、催眠術かかると突然眠くなったり遊びたくなったり、その場の思いつきだけでもの言ったりするんだよー？」
美羽「かかりたいとおもわなーい？」
千佳「ていうか、みっちゃん普段からそうじゃん」
千佳「じゃあいくよー？」
美羽「いつでもこい」
千佳「あなたはだんだんねむくなーるー」
千佳「ねむくなるーねむくなーるー」
美羽「あ・・・うわあああっ！うぎっ！」
千佳「え、いや、誰もえびぞりになれとは言ってないけど」
美羽「え、そだっけ？」
美羽「でもなんかお腹が背中にくっつく感じはしたよ」
千佳「それ単にお腹へってんでしょー」
美羽「やっぱし？」
美羽「じゃー今度はーあたしがちぃちゃんにー」
千佳「んやぁっ、あたしー？」
美羽「なんと、ちぃちゃんをさたけに変えてみせます」
千佳「いや、ちょっと待って」
千佳「あー・・・うん」
千佳「そうだ、ちょっとトイレ」
美羽「こらー逃げるなー！」
茉莉「ほぉ・・・」
アナ「うへぇ、助かりましたわ」
茉莉「ほんとにー」
アナ「んお？」
美羽「じゃーん」
茉莉「えっ？」
茉莉「ち、千佳ちゃんなの？」
茉莉「うわー、ほーんとだー、美羽ちゃんすごーい！」
千佳「あのね、茉莉ちゃん」
茉莉「ん？・・・あれっ！？」
美羽「まったく将来が心配だよー」
千佳「お前が一番心配だ」
伸恵「お」
伸恵「ふぃ」
伸恵「ふん」
伸恵「すみませーん、今日の限定ってやつー、何個残ってます？」
美羽「おいしそー」
美羽「ケーキ食べたいなー」
美羽「ね」
茉莉「へ？」
アナ「ほ？」
アナ「はぁ」
美羽「食べたいよねー」
千佳「食べたいけどそんなお金ないし・・・」
美羽「お小遣い」
千佳「だからないし」
美羽「ちぃちゃん手出してみ」
千佳「へ？」
千佳「これでどうしろって？」
美羽「うーんとね・・・」
千佳「渡してから考えてるし」
美羽「つまり、催眠術で」
千佳「かかんないってば！」
茉莉「えー？あたし？」
茉莉「じゃなくて、ジョン！？」
美羽「あなたは今からケーキを買いに行きたくなーる！」
茉莉「あ」
茉莉「あっ！」
美羽「よし、そのままケーキ屋さんにゴーだ」
美羽「んぇ？」
美羽「ぐっ、それなら」
美羽「ちぃちゃんはケーキを買いに・・・」
千佳「さたけでしょ」
美羽「うわっ！ちぃちゃんが二匹！」
千佳「あのねー・・・つか二匹ってそれもちがーう！」
美羽「じゃーこっちのちぃちゃん」
美羽「あなたは催眠術が効くようになーる！」
千佳「だからその催眠術が効かないんだって」
美羽「あーもーう、なんで誰も催眠術にかかんないんだよーかかろうよ一人くらーい」
アナ「と言われましても、ねぇ？」
茉莉「うん・・・」
美羽「あー・・・」
茉莉「あ、あのね、あたしたちがたまたまかからなかっただけで、もしかしたらこの広い空の下のどこかにはかかる人がいるかも・・・」
茉莉「かもしれないなー、なんて・・・ふぅ」
茉莉「ふえっ」
アナ「ほ？」
美羽「どこぞのだれかー！あなたはケーキが食べたくなーるー！」
千佳・美羽・茉莉・アナ「ん？」
伸恵「おう千佳。今どこ？うち？他のみんなは？あっそ」
伸恵「ちょうど良かった。あのさー、今湖のさ、休憩所」
伸恵「そこにいるから、全員連れておいで」
千佳「えー？遠いよー、なんで急にそんなー」
伸恵「ちがうちがう」
千佳「ん？」
伸恵「そういうことじゃなくて」
伸恵「全員こい」
千佳「あぁー、たく強引なんだからー」
千佳「じゃあアナちゃんと茉莉ちゃんは、バスで行ってもらって、あたしとみっちゃんは自転車で行くから」
千佳「バス降りた所で一回待ち合わせ」
美羽「えー、あたしもバスがいいよー」
千佳「あなたは自転車に乗りたくなーるー」
美羽「ちぃちゃん大丈夫ー？催眠術なんて効くわけないじゃーん」
千佳「んぅ・・・」
アナ「ではお先にー」
千佳「ん、あーれー？」
美羽「あ？」
千佳「パンクしてるー」
美羽「ありゃ」
美羽「どうする？」
千佳「お姉ちゃんも何考えてんだか。人の都合なんかちーっとも考えない人なんだから」
千佳「ん？」
美羽「むぅ」
千佳「んな、ちょ、ちょっとー！？」
美羽「っしゃー！」
美羽「ひひひぃ、美羽ちゃんの勝ちー」
千佳「あのねー、勝手に知らない人と競争してどうすんのよ」
美羽「そこ、もっとプライドを高く持たなきゃいかん」
美羽「ん？」
美羽「おー楽そうー」
千佳「もーう、一人で飛ばしたりしないで一緒に行こうよー」
千佳「ん？あれ？」
千佳「ん」
美羽「やほー、やーほーい」
千佳「プライドないじゃん」
美羽「いっとうしょーう！」
美羽「負け！」
茉莉・アナ「え？」
美羽「精進したまえ」
千佳「あのなー！」
美羽・茉莉・アナ「ん？」
千佳「はぁ、はぁ・・・」
アナ「あの、大丈夫ですか？」
千佳「な、なんとか・・・」
美羽「じゃあ罰ゲームね」
千佳「ってなんでよー！」
美羽「だって、ちぃちゃんびりっけつだし」
茉莉「あ、そうだ美羽ちゃん」
茉莉「バス代さっき貸したぶん、返してくれる？」
美羽「え？ないけど？」
茉莉「ふぇ？そ、そんな困るよー」
美羽「じゃーちぃちゃんよろしく」
千佳「ふえっ？」
千佳「な、こら！」
千佳「みっちゃーん！」
千佳「あとで立て替えるから先に行ってて」
千佳「こーのー待てーい！」
美羽「まーつもーんかー」
茉莉・アナ「あぁ・・・」
伸恵「ふーあー」
伸恵「おっせえなあいつらー」
伸恵「なーにやってんだー？」
Bパート
アナ「ここを北に向かえばいいんですのね」
茉莉「うん」
茉莉「えっと・・・」
アナ「ん？」
茉莉「西がウエストでしょ、東がイースト」
アナ「ん？」
茉莉「じゃ北は？」
アナ「ノース。スノーの逆で、冷たいから北って覚えればいいんですわ」
茉莉「あぁそっか！」
茉莉「あれ？ね、スノーの逆だったらかえって暑くない？」
アナ「え？あれ、スノーって雪ですよね？冷たい雪の逆だから、えーっと、あれ？」
アナ「そ、そう言われてみれば・・・お、おかしいですわね、そんなはずありませんのに」
アナ「サウスの逆だとスウサだから、んぅー」
茉莉「ねぇ、北ってどっちだっけ？」
アナ「え？」
茉莉「アナちゃんわかる？」
アナ「んむぅ」
茉莉「あぁ・・・」
茉莉「アナちゃん知ってると思ったんだけど・・・」
アナ「私も茉莉ちゃんが知ってると思ってましたわ」
茉莉「んー・・・」
アナ「うぅ」
アナ「ああぁ・・・」
茉莉「えっとえっとアナちゃん、あたしたち、どっちへ行けばいいんだっけ？」
アナ「あ」
茉莉「へ？」
茉莉「ふ？」
茉莉「んん？」
千佳「はぁ、はぁ、はぁ・・・みっちゃーん、もういい加減に交代してよー」
美羽「んー？」
美羽「もうちょい行ってからー」
千佳「だってさー、あたしばっかずっと走ってるんだよー？」
美羽「まーそうだねー」
千佳「勘弁してよ。みっちゃんほど体力余ってないんだしさ・・・ふぅ」
美羽「そりゃいけないな。このさいもっと鍛えよう。レッツランニン！」
千佳「あぁ・・・」
伸恵「ったくーあいつらどこほっつき歩いてんだー？」
伸恵「ふぅ」
茉莉「ふーふふぅ・・・疲れたー」
アナ「あと少しですわ。頑張りましょ」
茉莉「その前に、もう少し休ませて」
アナ「はぁ、しょうがないですわねー」
茉莉「んっ、あっ！」
茉莉「ああー！ジョンー！」
アナ「あっ、ちょっと待って」
茉莉「ジョーン！だめー！」
アナ「だからちゃんとつないどかないといけませんって言ってるのに！」
茉莉「ふぇぇージョンー！」
伸恵「んー？変だなー。携帯にも出ねぇでなにしてんだー？」
茉莉「ジョンてばー！」
茉莉「お願い、待ってー」
茉莉「はっ、あぁ！」
茉莉「すいませーん、その子捕まえてくださーい！」
伸恵「えーっと・・・千佳と美羽はどうだー？」
千佳「あつーい。疲れただるい・・・」
美羽「んー、まちぃちゃんにしてはよく頑張ったかな」
千佳「あのね」
美羽「じゃあもうひと踏ん張りいってみよっかー」
千佳「喉乾いた。ジュース買っていーい？」
美羽「お金持ってないよあたし」
千佳「知ってるよ」
美羽「じゃいいけど」
千佳「この後みっちゃん走る番だかんね」
千佳「あたしもうやだよ」
美羽「軟弱だなぁちぃちゃんは」
千佳「そういう問題じゃないっしょ」
伸恵「あーれ、ちぃのやつも出ねー。っかしいなー」
千佳「ジュース飲んだら交代だよ。いい？」
美羽「はいはい。そんなにキックボードで遊びたいなら早く言えばいいのにー」
千佳「はぁーあ、そうですか」
千佳「えーっと・・・どれにしようかなー」
千佳「さっぱりするのがいいな。うん」
千佳「おいこらなんでやねん！」
茉莉「はぁ、はぁ、はぁ、ありがとうございます・・・よかったー」
外人「オーゥ！ユアウェルカーム」
茉莉「へえっ！？」
外人「ソーキュート！」
茉莉「が、外国の人だ」
茉莉「アナちゃん、お願い」
アナ「え、ちょ、ちょっと。だからわたしは・・・」
外人「ユアノットジャパニーズ！」
アナ「んっとっと・・・んっんっん」
外人「ウッジューテルミーダウェイトゥーザ、ジョーホクライブラリー？」
アナ「えっ、えっえぇー？」
アナ「あの、あん、あの、わたくし、あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ！」
外人「オーマイガーッド！」
茉莉「アナちゃんアナちゃん。今この人、図書館に行きたいって言ったと思うんだけど」
アナ「え？言ってること分かったの？」
茉莉「うん、たぶん・・・」
アナ「ど、どうして？」
茉莉「ほら、ずっと勉強してるから。アナちゃんと一緒に」
アナ「そ、そうでしたわね・・・」
茉莉「図書館ならあたし知ってるし、案内してあげようよ」
アナ「えぇっ・・・」
茉莉「ジョンを捕まえてくれたんだし、何かお礼しなきゃ」
アナ「そ、そう？茉莉ちゃんがそう言うなら・・・構いませんけど？」
茉莉「えーっと、たしか向こう・・・オーバーゼアーメイビーでぇす」
外人「センキュベーリマーッチ！」
アナ「な、なんか・・・情けないですわ」
伸恵「はーん・・・」
伸恵「んあぁ」
伸恵「たくー、何やってんだあいつら－」
伸恵「んぅ」
伸恵「やってらんね。帰るぞもう」
伸恵「ん」
茉莉「は、はい。もしもし？」
伸恵「茉莉ちゃん？あーんどこ行っちゃったんだよー」
伸恵「分かんないから結局一周しちゃったよー」
茉莉「あのー・・・」
伸恵「ん？外国人を案内してる？なんだそれ」
茉莉「それが話すと長いんだけど、あのね」
伸恵「えーっと、ジョンを捕まえてくれたお礼に、図書館まで案内してあげてんのね。うん、うん」
伸恵「んじゃさー、あたしがそっち行けばいーい？」
伸恵「え？いやいいよー、うん。迎えに行くからじっとしてて」
伸恵「むしろ動かないで頼むから」
伸恵「はいはい・・・」
伸恵「たくもー。茉莉ちゃんもアナちゃんもー・・・」
伸恵「んで、美羽と千佳はと・・」
伸恵「まだブラブラしてんのかあいつらは」
伸恵「ん、もしもーし」
美羽「はいはーい。伸恵おねーちゃーん？こちら美羽ちゃんです」
伸恵「おいこら何してんだよ。いつまで人待たせれば・・・」
美羽「あのねー、今スワン乗ってるよスワーン」
伸恵「は？」
美羽「お、カップル発見。ちぃちゃん追跡開始ー！」
千佳「ちょ、ちょっとやめよーよー」
伸恵「ふぅ・・・」
伸恵「おいみ」
カップル「うわっ！うわあぁっ」
千佳「す、すいませーん！」
伸恵「うぅー・・・」
美羽「お姉ちゃんもおいでよすっごい楽しいよー」
美羽「あのねー場所はねー、湖のー・・・」
伸恵「いいーからすぐこっちこい！」
美羽「いやー、楽しかったー」
千佳「もー。みっちゃんてば調子に乗るんだからー」
美羽「ちぃちゃんだって結構面白がってたくせにー」
アナ「でもみんなが無事に揃ってよかったですわ」
茉莉「そうだよね」
伸恵「はぁ・・・」
千佳「で？急に呼び出したりしてなんだったの？お姉ちゃん」
伸恵「んー？んー、なんだっけなー」
千佳「え？」
伸恵「あー、ケーキをおごってやろうと・・・」
千佳・美羽・茉莉・アナ「ええぇぇー！？」
美羽「これだー！五円玉のちからだー」
伸恵「と思ったけど、やめた」
千佳・美羽・茉莉・アナ「えぇぇー！？」
千佳「お姉ちゃん？」
伸恵「帰る」
千佳・美羽・茉莉・アナ「えぇー」
美羽「罰ゲームだって追跡だって、スワンボートで遊んだりとかだってしたのに！」
伸恵「知らん」
茉莉・アナ「ふうぅん・・・」
千佳・美羽「あーあー・・・」
千佳・美羽「んんっ！」
千佳・美羽「お姉ちゃん！」
伸恵「ん？」
伸恵「はぁ・・・」
千佳・美羽「ごちそーさまー！」
ありがとうございました」
美羽「ふぇー」
千佳「おいしかったー」
アナ「あれ中に何が入ってたんでしょうね？」
茉莉「柿じゃない？」
アナ「あぁ！季節感たっぷりでしたわね」
茉莉「うん」
伸恵「はぁーあ。気まぐれなんか起こすもんじゃねーな、ったく」
千佳「お姉ちゃん」
伸恵「んー？」
アナ「ごちそうさました」
茉莉「とってもおいしかったー」
伸恵「うん。あぁ」
千佳「お姉ちゃんこんなお店よく知ってたね」
伸恵「ん？・・・ふぅ」
美羽「んじゃーみんな帰っろか」
千佳「うん」
伸恵「ふぃ」
美羽「あーきー、しょくよくのあーきー」
アナ「ジョンが逃げ出したときは本当にびっくりしましたわ」
茉莉「あたしも」
アナ「でも、あの人優しい方でよかったですわね」
美羽「あーき、べんきょうはあきーたー」
千佳「ねぇみっちゃん」
千佳「ボード使わないなら返してよー」
美羽「やーだーあたし乗るもん」
千佳「えー？乗ってないじゃーん」
美羽「これから乗るしー」
千佳「えー」
茉莉「あっ！」
伸恵「ん？」
茉莉「ねーみてみてー」
アナ「なんですの？」
茉莉「お花。お花が咲いてるー」
千佳「うわぁほんとー」
アナ「かわいいですわね」
美羽「ふーん、花ってこんなとこにも咲くんだ」
千佳「そりゃ咲くでしょー」
美羽「だってさー、こんな雑草ばっかしのとこに咲いてるなんて・・・えらいな！お前」
アナ「えふふっ」
茉莉「これ、なんていうお花だろう？」
千佳「うちに帰ったら調べてみよっか」
茉莉「うん」
伸恵「お前らは単純でいいよな」
千佳「え？」
美羽「んぁ？」
茉莉「ん？」
千佳「へへへー、お姉ちゃんにはこういうのわっかんないよね！」
伸恵「ふっ・・・」
伸恵「ほーら、早く帰るぞー」
千佳・美羽・茉莉・アナ「はーい！」
次回予告
伸恵「はくしゅっ！」
伸恵「むぅ、ちーぃお風呂まだわかないのー？」
千佳「湯沸し器故障中だよ」
伸恵「なにー！？んじゃあ銭湯いくぞ」
伸恵「みんな揃ってしゅっぱーつ！」
美羽「へーい！」
伸恵「美羽・・・なんだその遊び道具」
伸恵「プール行くんじゃねぇんだぞ」
千佳「あれ？茉莉ちゃん、携帯のストラップ変えたんだー」
アナ「かわいい雪だるまですわねー」
茉莉「へへっ、もうすぐサンタさんがやってくるから」
最終更新：2013年03月12日 03:02
