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ヴァイサーンの滅亡

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ヴァイサーンの滅亡

第1章

ヴァイサーンの砦は、いかにして第1世代から第2世代へと経過し支配を確立したのか。

ディメンシャの泥から彼の砦を造るよう命じたヴァイサーン伯爵は、家臣として忠誠を誓う者は誰でも彼のもとへ集めた。近隣の狂信者の部族は、彼の土地や部隊を守るための家臣として団結した。このようにして、伯爵はアイルズでの日々を過ごしていった。彼と妻のマウェアン女伯爵の間には、ヴァイサーンの最初の息子と娘であるサーランとニーラが生まれた。

サーランの父と母は、サーランに政治力があれば必ずやシェオゴラスから権力を奪い、シヴァリング・アイルズに繁栄をもたらすことができると信じていた。一方ヴァイサーン伯爵は、自身と彼の相続人が疑う余地もないアイルズの支配者であると考え、シェオゴラスに挨拶することさえ拒んだ。

もちろんこのことで、マッドゴッドを無駄に面白がらせ、彼は死の運命のために嫌悪と辛苦しか与えられないであろうアルゴニアンの助産婦の娘シーン・イン・グレイドとサーランの結婚を許した。

シーン・イン・グレイドはアイルズの誰もが求めるほどの素晴らしい女伯爵で、彼女を迎え入れた家と伯爵に誇りと名誉をもたらしたいだけの者もいた。ディメンシャの中心で生活していたが、長い間、彼女の心は無垢なままであった。残念なことだが、シェオゴラス閣下の祝福なしにはアイルズに長くは住めない。シーン・イン・グレイドは伯爵である夫の不貞により、最後には瀬戸際まで追い込まれた。

サーランは異常なほどの縁故主義で、花嫁を含め血縁のない者は誰も信用しなかった。シーン・イン・グレイドは伯爵の息子(20歳でアイルズから姿を消した)を産んでいたが、サーランの被害妄想が進行するにつれて2人でベッドを共にする頻度は減っていったようである。彼は腕の中にいる妹ニーラが後継者であるセスリアンとの近親相姦で生まれたことを知った。個人的には、セスリアンの支配がヴァイサーンの滅亡につながったと記憶している。

第2章

セスリアン伯爵の誕生は、いかにしてヴァイサーンの輝かしく血みどろの儚い時代の到来を告げるのか。

狂暴で短気なセスリアンはいるはずもない敵を探し求めた。彼がヴァイサーンに君臨して間もない頃、砦から見える人間、メル、獣といったあらゆる種族が、1人残らず虐殺されるのを見た。

彼の短い支配の間、ディメンシャ南東の海岸線の多くは旅をするのに安全ではなく、ヴァイサーンの地には立ち入った者の死体が散乱していて、土地の目印として木の柵が立てられていた。ヴァイサーンのセスリアン伯爵は、残酷な気性だけでなく頭の回転が遅く病弱であることも知られていた。

事実、セスリアンは長さが不釣合いに見える足と耳障りな音でつらそうな呼吸をして生まれてきた。若い頃、家庭教師はその頭の鈍い子を教えるのに四苦八苦していた。周りにいた助産婦と看護婦はアイルズの到る所から手に入れた香油や吸入薬を使ってあらゆる病気に気を付けていたが、彼が成人した時に皆追い払ってしまい、それがもとでしばしば暴力的になった。

おそらく父親の影響だろうが、セスリアンはますます内向的になっていき、選ばれた数人の取り巻きだけが彼の近くにいることを許されていた。彼は地方を襲撃するために家臣の狂信者を組織する時にだけ人前に姿を見せた。

相談役がとにかくしつこく必死に忠告したために、セスリアンは略奪に妻を連れて行き、ヴァイサーンの壮大な防衛線を守ることを躊躇した。だんだん病気がひどくなる伯爵はマニアの荒野にある異端者の地区から、婚約者として活気にあふれた農民の女を選んだ。事実、ジディーン女伯爵はこれ以上ないほど彼とは正反対だった。ヴィトラエン伯爵と彼らの祖先との契約に長く忠実だった家臣の狂信者はこの異端者に激怒し、緊張状態が高まってセスリアンの健康も衰えたので、彼の若い息子のシリオンがヴァイサーンの王位に就いた。

第3章

対立は、いかにしてヴァイサーンを悩ませ、平和的なシリオン伯爵を圧倒したのか。

若きシリオン伯爵は、ヴァイサーン砦の外壁で行われた急な即位式までは人前に姿を見せることがほとんどなかった。式典の間中彼の父親の弱った手で殴られた傷にじっと耐えていたと言う者もいる。シリオンは統治するのに十分な年頃で、その穏やかで控えめな物腰は家臣一族の間の緊張関係を緩めるのには十分だったかもしれないが、彼の母親のジディーン女伯爵は夫が長い間放置してきたたくさんの職務を負わせようとした。

誰に聞いても、ジディーンは女伯爵として適していて、皆に愛されていた── しかし家臣の狂信者の指導者は彼女がマニックから受け継いだものに対する、漠然としたこれらの個人的で無礼な感情を抑えることができなかった。彼女の非常に巧妙な外交策にもかかわらず、彼女に対する敵意は根深く、年々高まっていった。家臣達が長い間誓約に忠実であり続けたのは賞賛すべきことだろう。

シリオンが支配できる年齢に達した時、おどおどした男の子であった伯爵は潔く王位に就くため熱心に取り組んだが、世界に対する彼の恐怖は、あまりにも大きく通り過ぎる鳥の影にさえ驚いてしまうほどだった。彼は公衆の面前での演説はほとんどできなかった。彼が家臣達── まだ彼女の母親の受け継いだものに激怒している── を静めようとしていた時、恐怖に耐えられず、玉座の間から逃げる直前、自身を汚物で汚してしまったと言う者もいる。

運命の進行と同様に、狂信者の家臣達は耐え切れず、戦士達はヴァイサーンを包囲した。伯爵の個人的な護衛では攻撃を退けるには不十分で、包囲は丸1日続いた。その戦いの日以来、生ける魂がヴァイサーンから離れることはなくなった。一部の神話では狂信者の家臣達とヴァイサーンの貧弱な守り手達の魂の間では絶えず争いがあり、狂信者の裏切りとシリオンの臆病による呪いで永久にその最後の瞬間を繰り返していると言われている。



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