海外紳士元ネタ解説2 > 6話


第6話「空より高く」の元ネタ解説翻訳

このページは常に有志の翻訳を募集中です。翻訳の修正はお気軽にどうぞ
  • 原文(英文)には手を加えないこと
  • 訳文への補足説明、誤認の指摘、修正などは注釈にて行うこと


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目次


I don't like to brag, but I've never used a shield during battle.

Eila’s magical ability, Mirai Yochi, or Foresight, gives her a limited ability to predict the future. She can sense and dodge enemy fire with relative ease and anticipate their movements.
However, the ability seems to be focused on the near future and her projections on more complicated issues have been imprecise.
This ability is a reference to Eino Ilmari Juutilainen having never been hit by enemy fire.

自慢じゃないが、わたしは実戦でシールドを使ったことがないんだ。
ジマンジャナイガ ワタシハ ジッセンデ シールドヲ ツカッタコトガ ナインダ
エイラの魔法技術・未来予知とは、限界はあるが未来を予知できる能力である。彼女は敵の砲火が来るのを察知して、かなり楽々と回避できるし、敵の動きも予測できる。
しかし、その能力は近い未来に限られる*1ようで、事柄が複雑になってくると彼女の予測は不正確になってくる。
この能力は(訳注:エイラのモデルとなった)エイノ・イルマリ・ユーティライネンが一度も敵の銃撃に被弾しなかったことに倣っている。
(翻訳を修正してくれる有志求む)


(訳注: エイノ・イルマリ・ユーティライネンの「無傷の撃墜王」の逸話については、こちら(Wikipedia(jp))から。)
(対ネウロイ戦闘では一度も被弾したことのないエイラでしたが、サーニャとの諍いの最終局面において遂に、サーニャ・V・リトヴャク中尉の放った枕に被弾。初の被撃墜を記録した。)




Pola

The Pola was a Zara class heavy cruiser of the Italian Regia Marina.
She was built in the OTO shipyard at Livorno and entered service in 1932. She was sunk in the battle of Cape Matapan (29 March 1941) during World War Two.
After intensive peacetime activity, at the start of the Second World War the Pola was made the flagship of Admiral Riccardo Paladini, commander of 2nd Squadron, and took part in 12 actions between then and her sinking, including the battles of Calabria and Cape Spartivento.
She also participated in the cruise across the western Mediterranean which culminated in the battle of Cape Matapan.

ポーラ
ポーラは、イタリア王立海軍・ザラ級の重巡洋艦である。
同艦はOTOリヴォルノ造船所*2で建艦され、1932年に就役した。ポーラは第二次世界大戦中のマタパン岬沖海戦(1941年3月29日)において撃沈された。
平時の任務にいそしんだのち、第二次世界大戦が始まるとポーラは、第2戦隊司令 リカルド・パラデイーニ提督の旗艦となった。旗艦となってから海底に没するまで12回もの実戦に参加し、その中にはカラブリア沖海戦スパルティヴェント岬沖海戦に参戦した艦歴が含まれている。
ポーラは西地中海を游弋横断する作戦にも参加したが、マタパン岬沖海戦でその激戦は頂点を極めた。
(翻訳を修正してくれる有志求む)


(訳注1: 重巡洋艦ポーラの説明はこちら(Wikipedia(jp))から、また元になっている英文の説明はこちら(Wikipedia(en))。現イタリア海軍の公式サイトではポーラの写真と諸元がみられます。)
(訳注2: マタパン岬沖海戦についてはこちら(Wikipedia(jp))から。)
(ポーラとザラが同一作戦で航行不能になったことなどについて、2期第六話FAQも参考にしてください。)




Avro Lancaster

The Avro Lancaster is a British four-engined Second World War heavy bomber made initially by Avro for the Royal Air Force (RAF).
It first saw active service in 1942, and together with the Handley Page Halifax it was one of the main heavy bombers of the RAF, the RCAF, and squadrons from other Commonwealth and European countries serving within RAF Bomber Command.
The "Lanc", as it was affectionately known, became the most famous and most successful of the Second World War night bombers, "delivering 608,612 tons of bombs in 156,000 sorties."
Although the Lancaster was primarily a night bomber, it excelled in many other roles including daylight precision bombing, and gained worldwide renown as the "Dam Buster" used in the 1943 Operation Chastise raids on Germany's Ruhr Valley dams.
The particular Lancaster in the episode is the B III (Special). Known at the time of modification as the "Type 464 Provisioning" Lancaster, this variant was built to carry the "Upkeep" bouncing bomb for the dam busting raids.
The bomb-bay doors were removed and Vickers-built struts to carry the bomb were fitted in their place. A hydraulic motor, driven by the pump previously used for the mid upper turret was fitted to spin the bomb.
Lamps were fitted in the bomb bay and nose for the simple height measurement system which enabled the accurate control of low-flying altitude at night.
The mid-upper turret was removed to save weight, and the gunner moved to the front turret to relieve the bomb aimer from having to man the front guns so that he could assist with map reading.
(version2で画像が差し替えられました。)

アブロ ランカスター
アヴロ・ランカスターは第二次世界大戦期・英国の4発 重爆撃機で、もともとはイギリス空軍(RAF)のためにアヴロ社が開発した。
本機は1942年に運用が始まり、ハンドレページ ハリファックスとともに、イギリス空軍RAFおよびカナダ空軍RCAFの主力重爆撃機の一翼を担った。そればかりかその他の英連邦諸国やヨーロッパ諸国から派遣され、RAF爆撃機軍団と作戦行動をともにした各国の飛行中隊においても主力重爆撃機のうちの一つであった。
親しみを込めて「ランク」と呼ばれたりもしたが、第二次世界大戦では夜間爆撃機として最も有名で、かつ最も成功を収めた機体である。その戦果は『15万6,000回の出撃で60万8,612トンの爆弾を投下した』という。
ランカスターはそもそも夜間爆撃機であったにもかかわらず、そのほかにも昼間精密照準爆撃を含む多くの役割で一頭地を抜いており、「ダム・バスター」として世界中に令名を馳せた。ダム・バスター[反跳爆弾*3]は、1943年のチャスタイズ作戦でドイツのルール渓谷ダム群の空襲に使用された。
この作戦で使用された特別仕様のランカスターは、BⅢ(スペシャル)であった。当時は「タイプ464・改修型」という派生型として知られており、この仕様はダム破壊空襲用の反跳爆弾「アップキープ」を搭載するために開発された。
爆弾倉扉は撤去され、その代わりに、反跳爆弾を搭載するためにヴィッカース*4社製の爆弾懸吊架が取り付けられた。反跳爆弾に回転を与えるために設けられた油圧モーターは、改修前は機体中部の上方銃座*5を動かすのに使われていた油圧ポンプで駆動された。
爆弾倉と機首に照明灯が増設され、機構的には単純ではあるが、夜間低空飛行でも低い高度を正確に制御できる高度計測システムになっていた。
上方銃座は重量軽減のため取り外されて、その銃手は前部銃座に移された。これにより、爆撃手は(訳注: 通常型では)兼務していた前方機銃手の任務から解放され、地図を見ながら照準できるようになった。
(翻訳を修正してくれる有志求む)


(訳注: アブロ ランカスターの説明はこちら(Wikipedia(jp)およびこちら(Wikipedia(en)から。「ダムバスターズ」として有名になった第617中隊の説明はこちら。なお画像左下のランカスターには上方銃座があることからわかるように、本項後半で説明されているBIIIスペシャルの写真ではない。
ちなみに爆撃機軍団 RAF Bomber Commandのホームページはこちらです。Wikiprdia(en)の説明はこちらから。)
(現実の歴史において本機は英国機であり、連合国軍側で運用された機体であったから、枢軸国の一員として参戦していた当時のイタリア王立空軍で用いられたとは考えにくい。そこはそれ、楽しむ方向で。)
(本作品の脚本などを担当する 佐伯昭志 氏のブログ記事によると、「ブリタニアから爆装した状態でロマーニャの基地に飛来→そこで給油と国籍マークの上書き→休むまもなく早朝の作戦に参加…という感じ。」で、乗員もブリタニア人だそうです(公式設定ではないとのことですが)。)
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 sae980
佐伯 昭志
@Kenichi_Kaneko 当然、乗員もブリタニア人でしょう。あんなもん機体だけいきなり渡されても扱えませんからね。そもそもダムバスターの使い方じゃないし。ぶっつけ本番ですよ
(2010/8/25 5:51)
link

(2期第六話の各FAQも参考にしてください。)

(version2で差し替えられた画像では、ノーズアートからどの部隊に所属するか、元ネタ探しが行われた結果です。第101飛行隊のLancaster III・DV245機、通称 The Saint (S-Sugar)と推測されています。なお、差し替え前の画像はこちらです。)



Bouncing bomb

A bouncing bomb is a bomb designed specifically to bounce to a target across water to avoid torpedo nets.
Unlike skip bombing, which uses conventional bombs as during the March 1943 Battle of the Bismarck Sea, the British, Germans, and Soviets developed World War II bombs specifically for bouncing to targets and then exploding.
The inventor of this technique was the British engineer Barnes Wallis. His Upkeep bouncing bomb was used in the May 1943 British Operation Chastise to bounce into dams and explode underwater with similar effect to the underground detonation of the earthquake bomb (e.g. Grand Slam bomb and Tallboy bomb), which he also invented.
The operational British bouncing bomb was officially code named Upkeep and was known by the manufacturers as Vickers Type 464.
The cylindrical bomb used Torpex ("torpedo explosive") to provide a longer explosive pulse for greater effect against underwater targets. Testing of the bouncing bomb was done at Reculver, Kent.
In May 1943, Operation Chastise attacked dams in Germany's Ruhr Valley; two were breached causing damage variously described as "significant" or "with limited effect".
The British losses during the operation were heavy (8 of the 19 attacking aircraft did not return), and although plans were made to use the weapon to attack other dams, it was not used again operationally.

反跳爆弾
反跳爆弾とは、魚雷防御網を避けて水面を横切って目標まで反跳(跳躍・バウンド)しながら進むよう特別に設計された爆弾である。
1943年3月のビスマルク海海戦あたりまで従来型の爆弾を用いておこなわれていた、反跳爆撃(skip bombing)とは異なり、第二次世界大戦中に英国・ドイツ・ソビエトが開発した爆弾*6は、目標のところまでバウンドしていって、そこで爆発するという特徴があった。
この技術の考案者は英国の技術者バーンズ・ウォリスだった。彼の「アップキープ*7」反跳爆弾は1943年5月のチャスタイズ作戦で使用された。ダムのところまで(訳注:水面を何度か)バウンドしながら進んで*8から水面下で爆発することになっていて、そうなれば(たとえばグランドスラムトールボーイのような*9地震爆弾が地中に突き刺さってから爆轟するのと似た効果を発揮する。ちなみに、地震爆弾と呼ばれるこれらの発明もウォーリスによるものだ。
実用化された英国の反跳爆弾は、公式にはアップキープUpkeepというコードネームだったが、その製造社名からヴィッカース・タイプ64として知られていた。
この円筒状の爆弾にはトーペックス Torpex (『魚雷爆薬』)が使用され、長周期の爆発衝撃波を発生して水中の目標物に対して効果を増幅するようになっていた。反跳爆弾の試験はケント州リカルバーで実施された。
1943年5月のチャスタイズ作戦では、ドイツのルール渓谷ダム群の攻撃に用いられた。 2つのダムには裂け目を与えたが、そこから生じた損害の程度はさまざまに説明され、『被害重大』であったり『効果は限定的にとどまった』であったりする。
本作戦実施中に英国がこうむった損害は甚大であった(出撃した航空機 19機のうち8機が未帰還となった)ため、他のダム攻撃にもこの兵器を使用する計画であったが、もはや実戦に使われることはなかった。
(翻訳を修正してくれる有志求む)


(訳注1: 反跳爆弾の説明はこちら(Wikipedia(jp)およびこちら(Wikipedia(en))から。本項で説明されているように、反跳爆弾は水面下で爆発してダムを破壊するためのものでした。したがってアニメ2期第六話で見られるような、水面よりもずっと上の部分に激突させて爆発させるといった使用法ではありませんでした。しかし、そこはそれ・・・素直に「スゲーもん キタ――――ッ!」と楽しみましょう。)
(訳注2: 反跳爆弾の考案者バーンズ・ウォリスについては英語版Wikipediaのほうに詳しい説明があります。トーペックスについても、英語版Wikipediaのほうが若干、詳しいようです。)
(2期第六話の各FAQも参考にしてください。)




British Commando Sweater

In one of Fumikane's tweets, he mentions that Lynette is wearing a British Commando Sweater. Toasty.

イギリス軍コマンド・セーター
島田フミカネ先生のツイッターによると、リーネは英国軍のコマンド・セーターを着ているとのこと。ほかほかだよ。


(訳注: 島田フミカネ先生ツイッター該当部分。なおフミカネ先生はご自分のお名前を "umikane"と綴っておられます。
セーターの首の部分がVネックではなく、ラウンド・ネック・タイプになっているところにも注目してください。)
(2期第六話のFAQ「フミカネ先生、空より高く飛ぶウィッチたちの防寒服について解説して下さい」。)
("Humikane"では「ヒュミカネ」になるため、"Fumikane"が英訳としては正しいです。
誤記と思いたくない場合は"Humikane"は「ローマ字」として考える方法があります。)



Yuri Alekseyevich Gagarin

Yuri Alekseyevich Gagarin (Russian: Ю́рий Алексе́евич Гага́рин, Russian pronunciation: [ˈjurʲɪj ɐlʲɪˈksʲeɪvʲɪtɕ ɡɐˈɡarʲɪn]; 9 March 1934 – 27 March 1968), Hero of the Soviet Union, was a Soviet cosmonaut.
On 12 April 1961, he became the first human in outer space and the first to orbit the Earth. He received medals from around the world for his pioneering tour in space.
While the witches never reached space, the multi stage rocket ascent could very well be a reference to Gagarin’s historic flight.

ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン
ーリイ・アクセーエヴィチ・ガーリン(ロシア語表記:Ю́рий Алексе́евич Гага́рин;1934年3月9日-1968年3月27日)はソビエト連邦英雄*10に列せられた、ソビエトの宇宙飛行士である。
1961年4月12日、彼は宇宙に行った最初の人類となった。そして地球を周回軌道した初めての人間となったのだ。その先駆的な宇宙飛行を成し遂げた功により、彼は世界中から勲章を授与された。
このウィッチたち(訳注:エイラとサーニャを押し上げていたウィッチたち)は宇宙の高みにまで到達できなかったものの、多段式ロケットで上昇しているような、その光景はまさにガガーリンの歴史的飛行を彷彿とさせる。
(翻訳を修正してくれる有志求む)


(訳注: ユーリイ・ガガーリンの説明はこちら(Wikipedia(jp))から、本項の元となった説明はこちら(Wikipedia(en))から。)
(第六話に登場したネウロイのコアは3万3,333m≒33km強の高度にありました。その高度はまだ大気圏内で、成層圏(地上からおおよそ11-50kmの高度)に属します。地表から約33km上空というと現在では、気象観測用気球が調査観測している高さです。成層圏の下部では気温は約-70℃と低温で*11空気密度は低いものの、いわゆる宇宙(高度約100km以上)ではありません。)
(オラーシャ陸軍所属の中尉サーニャをガガーリン(打ち上げ当時はソ連空軍中尉)に模したとなると、ウィッチたちの組み体操型 多段ロケットもどきはヴォストーク1号ということになりそうですが、2期第四話の高速分裂型ネウロイをヴォストークと推測したことと どうやって平仄を合わせるか。敵と味方のモデルが同じなのか。元ネタ探しの楽しみはまだまだ続けられそうです。)



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最終更新:2010年08月31日 03:01
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*1 アニメ1期第六話:サーニャ・宮藤とベッドの上で、エイラの台詞「わたしは未来予知の魔法が使えるんだ。ま、ほんのちょっとの先だけどな」

*2 OTOは、ODERO TERNI ORLANDO社から改称後の社名。現在のオート・メラーラ Oto Melara社に至る。

*3 次項を参照のこと。

*4 現在のヴィッカース・アームストロング

*5 背部動力銃座のこと。「中部」というが翼を除いた機首と機尾の間の胴体をいい、本機の上部銃座は実際のところ やや後ろのほうである。

*6 ドイツでの開発は必ずしも成功したとはいえず、ソビエトについては詳細が明らかになっていない。

*7 upkeep:維持・保持 の意。

*8 石を投げる遊び「水切り stone skipping」のようになる。

*9 いずれも堅固建造物や地下施設を破壊するための大型爆弾。

*10 かつてのソ連で 最高の名誉称号

*11 ただし高度が上がると温度は上昇する。