喧嘩
澪「はぁ…」
もうこれで5回以上もため息をつく。そのため息の理由は簡単なのだがそれを処理するのは中々大変である。
律「おーいまだ許して貰えてないのかぁ~」
澪「………言わないでくれ」
紬「今日は唯ちゃん来ないって」
澪「嘘?」
律「おーい。不味いんじゃないの?」
澪「ううう……りつぅ」
律「唯は私の恋人じゃないからな」
そう。ため息の理由は恋人である唯を怒らせてしまったのだ。理由は本当に些細な事なのだが唯にとってはとてもショックだったらしい。
回想するとこうなる。
ファン1「秋山さんだ!」
ファン2「握手して握手!」
澪「すっすみません。急いでるので」
ファン1「聞きたいんですが秋山さんってギターの平沢さんと付き合ってるって本当ですか?」
澪「ええ!?どっから拾って来たんですか?」
ファン2「ファンクラブの力ですよ」
唯「あっ!」
唯「おーい!澪ちゃーん」
澪「付き合ってる訳無いじゃないですか」
唯「え?」
ファン1「嘘!?じゃあ秋山さん私と恋人にならない?」
澪「ごめんなさい。急いでるので」
ファン1「あーん。逃げられた」
ファン2「でもフリーだから狙いどころよ」
澪「ゴメン唯待った?」
唯「遅いよ……秋山さん」
澪「ゴメンゴメンファンの子に捕まったって………唯…今なんて?」
唯「そうだよね。やっぱり友達同士だからだよね」
唯「秋山さんはファンの子大事にするもんね」
澪「ゆっ唯いきなり何言って?」
唯「私が浮かれたんだね。澪ちゃんに告白してOK貰えて喜んでたのがぬか喜びだったんだね」
澪「はぁ?私達恋人だろ」
唯「嘘付き!さっきファンの子に付きあってないって言ってたじゃん!澪ちゃんのばーか!」
澪「あっ唯!」
こんな風に唯と喧嘩をしてしまった。その事を律とムギに話したらもちろんの事、私が悪いと言われた。
澪「でも仕方無かったんだよ」
律「仕方無いわけないだろ!」
澪「ファンに言えっていうのか!」
律「考えてみろよ。あの時付き合ってるって言ったらファンはがっかりするが唯は喜ぶぞ。お前は恋人の唯よりファンを大事にすんのかよ!」
澪「ううう……」
紬「電話してみたら?」
澪「そうだ!」
電話(澪)「……………………」
律「私が電話をかけてみる」
電話(律)「…………もしもし」
律「おいーす。唯今日は部活来ないのか」
唯『ゴメンね。体調悪くて』
律「ムギと澪も待ってるからさ」
唯『………ムギちゃんにお菓子取っといてって言っといて』
律「澪に言うことは?」
唯『澪ちゃんなんか知らないよ……』
律「…………ムギはお菓子取っといてくれだって」
澪「私に何か言ってたか?」
律「澪の事なんか知らないってさ」
澪「ううう……嫌われちゃったかなぁ?」
紬「明日謝るしかないわよ」
澪「そうだよなぁ……」
結局それで喧嘩した日の夜にもう一度電話したがかかってこなかった。メールもしてみたが返事は来なかった。
次の日
唯「おはよー」
律「おーす」
紬「唯ちゃん昨日のお菓子取っておいたわよ」
唯「ほんと?ありがとう」
紬「でも今日はケーキ持ってきたんだけど…」
唯「うまいモノは別腹だよぉ~」
澪「唯」
唯「ふんっ」プイ
澪「ううう……」
と、こんな感じで今まで三日も相手にしてくれませんでした。ゆいぃ~
喧嘩してから四日目・音楽室
律「早く謝れよぉ~」
澪「だって唯が話しかけてくれないし話しかけても無視するんだよぉ~」
紬「なら、逆に恋人宣言すればいいんじゃないかしら」
澪「え?」
紬「だって恋人じゃないって言ったから怒ったんでしょ。なら恋人だって良いったらみんな納得するし唯ちゃんも怒らないんじゃないかしら」
澪「なるほど」
律「その唯は?」
紬「遅れてくるはずよ。澪ちゃん呼んできてあげてみたら」
律「なるほど!うまくファンに絡まれて唯を見つけることが出来たら仲直りもすぐだな」
澪「わかった行ってくる!」
と…唯を探しに来たのだが全く居ない。結構探したが見つからない。
澪「唯~」
唯「………」
しばらくしてファンクラブの人たちに絡まれた。
曽我部「秋山さん握手して握手」
澪「あっでも急いでるので」
曽我部「まあまあ急がば回れ。寄り道も大事よ」
澪「でもぉ探してる人がいるんです」
曽我部「貴女の後ろにいる子?」
澪「え?」
曽我部「ああ振り向いちゃダメ!ちょっとおびえてるわね」
曽我部「それより秋山さんって今フリーなんでしょ?平沢さんて子と恋人だって噂が流れたけど嘘っぱちだったみたいだし……私と…」
澪「あっいた!」
曽我部「あっちょっと」
澪「捕まえたぞ」
唯「………なんですか?」
曽我部「貴女は平沢さん?」
澪「恋人の唯です。だからすみません曽我部さん」
唯「!」
曽我部「嘘……だってあの噂は…」
澪「ほら唯こっち向いて」
唯「?……んぐっ!」
澪「……」
曽我部「ああ…あ……」
澪「……ごめん唯」
唯「………」
澪「ほらいこ。それじゃあ失礼します」
ファンの人は放心していたけど気にせず唯を人気のないところまで連れてきた。
澪「唯ごめん。嘘突いて」
唯「………」
澪「唯と恋人にしていたこと秘密にしたかっただけなんだよ」
唯「……ひっぐふぇ~ん」ポロポロ
澪「唯のことは一番好きだから…許してよ」ギュー
唯「わ…わだじだっでひっぐ…みおぢゃん……のごどずきだもんひっぐ…でもづぎはゆるざないうう…ぐす」ポロポロ
澪「ごめん…ごめん」ギュー
その後唯が泣きやむまでずっと唯を抱きしめていた。
再び音楽室
律「……で仲直りできましたと」
澪「ああ」
唯「おかげさまで~」
紬「じゃあはい2人にはこのジュースね」
そうムギはためらいもなくハート型になってるストローを入れた飲み物をおいた。
澪「こっこれで飲めっていうのか?」
律「おい澪はやくしろ」
澪「え?」
唯「んー」
唯はストローを口にして待っていた。その目は早く飲みたいと訴えていた。
澪「じゃっじゃあ…」
律「おー熱いね~ムギ冷たい飲み物どんどん持ってきてくれ」
紬「ふふふ。かしこまりました~。でもその前に」パシャリ
唯澪「んんっ!?」
紬「お二人ともお似合いですよ」
ムギはそう言って律の要望を応えに向かった。
唯「あ~美味しかった」
澪「そうだな~」
律「美味しそうだったもんな」
唯「でも口直ししなきゃ」
紬「お口に合わなかったかしら?」
唯「そうじゃないよ」
そう言って唯は私の所に来て………
唯「ん……」
澪「!」
唯「やっぱり最後は澪味じゃなきゃ♪」
そう言ってちょっと照れながら私に抱きついてる唯。律はニヤニヤしてムギは目をキラキラ輝かせて…私はもう一度唯の味を堪能してみたくて唯に長くて甘いキスをした。
終わり。
初出:2->>918
- いいこれ!! -- (名無しさん) 2011-08-04 14:58:33
- 澪ちゃんもう唯を手放すんじゃねえぞ!! -- (名無しさん) 2012-01-25 01:09:54
- あんまああああああああああああああああい!!!! -- (KYな俺) 2012-03-22 18:15:28
- 王道の展開だがそこがいい -- (名無しさん) 2012-11-07 22:23:08
- 嫉妬唯の可愛さは異常… -- (名無しさん) 2013-04-03 00:46:21
- 曽我部先輩ドマイwww -- (名無しさん) 2013-06-30 02:20:11