澪「夜だけに会えるあなた」
夜中はみんな寝ているだろう。12時まで起きていたとしても真夜中の2時に起
きている人はそうはいない。私も2時頃は寝ている人だった。
きている人はそうはいない。私も2時頃は寝ている人だった。
夜中12時。
唯『みーおちゃん♪』スカッ
澪「唯か。待ってたよ」
唯『今夜もお気に入りの唯ちゃん抱いて寝るつもりだったの?』
澪「うん。でも後、5分遅かったら寝てたかも」
唯『これでも全速力で来たんだから』
澪「わかってるよ」
面白い話をしてあげよう。彼女はみんな知ってる平沢唯だ。でも、ここからは私
しか知らない平沢唯。簡単に言うと、彼女は幽霊だからだ。
しか知らない平沢唯。簡単に言うと、彼女は幽霊だからだ。
唯『さっきね!澪ちゃん家行く途中で身体が半分無くなっちゃってる人見たよ』
澪「ミエテルケドキコエナイキコエナイキコエナイ」
唯『どうしたんですか?って聞いたら未練が中途半端に残ってるから半分なんだ
って』
って』
澪「キコエナイキコエナイキコエナイ」
唯『もう、怖がり克服するんでしょ』
澪「唯の話は律の作り話より怖いんだよ!」
唯『うーん参ったなあ』
唯は2週間前まで普通に生徒として通っていた。ただ、犯罪が多発の今、唯は通
り魔に刺されてポックリ命を落としてしまった。幽霊となった唯の出逢いはその
夜だった。
り魔に刺されてポックリ命を落としてしまった。幽霊となった唯の出逢いはその
夜だった。
2週間前
澪「唯……どうして死んじゃったんだよ!?」ヒック
?『いや~心臓グサッと刺されちゃったから』
澪「え?」グス
唯『お財布の中空っぽだったから無駄死にだったんだけどね』
澪「ゆっ唯なのか?」
唯『そだよー。ただ、幽霊ですけど!』
澪「ゆいいいぃぃ!!」スカッ
ガン
澪「っつう………」
唯『あはは。ゴメンね。今の私は触れる事しか出来ないんだ』
澪「まあ、こうして話せるだけでも十分だよ」
唯『でも私も澪ちゃんと話せてうれしく。澪ちゃんしか、逢えなかったよ』
澪「どういう事?」
唯『簡単に言うと澪ちゃんにしか見えない』
澪「ふはは。なんだそりゃ」
唯『ホントなんだよ~』
澪「私にしか見えないって事は何か未練があるのか?」
唯『そうかも?』
澪「特に無いんじゃないかな」
唯『ええ~澪ちゃん酷い!』
これが幽霊の唯との出逢いだった。幽霊って言うよりは夜中の友達。悪い友達?
ともかく唯は夜中になる度私の元に来てくれた。何故夜にしか来ないか聞いてみ
た。
ともかく唯は夜中になる度私の元に来てくれた。何故夜にしか来ないか聞いてみ
た。
唯『幽霊は昼間見えませ~ん』
唯らしい解答だった。
そろそろ唯が来る時間だ。今日は何の話をしようかな?
そろそろ唯が来る時間だ。今日は何の話をしようかな?
唯『澪ちゃんやっほー』
澪「待ってたよ」
唯の幽霊が私の元に……いや、唯霊が現れてはや2週間が経とうとしていた。
初めの頃は夜中しかやって来れなかったがだんだん夜の9時頃来てそのまま朝まで寝ている事が増えていったらしい。
何故らしいなのか?それは朝、私が唯を見ていないからだ。ただ、その分彼女は日に日に透けていった。
初めの頃は夜中しかやって来れなかったがだんだん夜の9時頃来てそのまま朝まで寝ている事が増えていったらしい。
何故らしいなのか?それは朝、私が唯を見ていないからだ。ただ、その分彼女は日に日に透けていった。
唯『みーおちゃん♪』
澪「待ってたよ」
唯『聞いて聞いて。遂に1日中澪ちゃんの傍に居られるようになりました!』
澪「ホントか?どんどん唯霊みたいになったな」
唯『逆だよ』
澪「えっ」
唯の顔が暗くなったらしい。
唯『澪ちゃん、私の表情読み取れる?』
澪「ゴメン。悲しい顔してると思うんだ」
唯『行動が自由になる。つまり、みんなが私を忘れていく』
唯が私に抱き付いてくる。その瞳には水滴がちょっとあったはずだ。
唯『まだ、消えたくないよう』
澪「………………」
唯『まだ澪ちゃんとお話したいよぅ』
我が儘を言う唯。何も出来ない自分。
澪「唯、でもみんなが忘れるって事はないだろ」
唯『…………ちょっと夜のお散歩しない?』
澪「まあ、いいけど」
唯に連れられ外に行く。
行き先は公園だった。行く途中にある事に気付いた。
行き先は公園だった。行く途中にある事に気付いた。
澪「寒いな」
唯『私は平気だよ』
澪「唯霊だしな」
唯『私、もう消えていいかな?』
突然の告白に私は驚きは隠せなかった。
澪「何でいきなり」
唯『こんなに薄かったら持っても1ヶ月だよ』
澪「そんな。急に居なくなってしまったら、私が泣いてしまう!」
唯『澪ちゃんには申し訳ないことしちゃうかな。でもさっき言ったけどこの頃昼間でも澪ちゃんに会いに行けるようになっちゃった。その分私の存在が引き換えにね』
澪「いやだ!いやだよ!」
唯に抱き付く。さっきなら成功したはずなのに……
スカッ
澪「そんな……」
唯『もう限界かも……あのね。私の未練がなんなのかわかったかもしれない』
澪「未練なんて残ってて良いから!傍に居てよ!」
唯『それが未練なんだよ』
澪「そんな……」
唯『多分、澪ちゃんといろんな事したい。それが私の未練だったんだよ』
澪「……なんで」
唯『それじゃあね澪ちゃん。もう限界だよ』
澪「いきなり過ぎる!」
唯『ゴメンね』
澪「……唯のバカ」グス
唯『えへへバカだから幽霊なのかも』
澪「…………」グスン
唯『…………』
澪「…………」
唯『…………』
澪「消えないのか?」
唯『あっあれ?』
澪「…………」
唯『消えれない』
澪「なんだそりゃ?」
唯『あれ?寧ろどんどん消え難くなってるよ』
澪「ということは?」
唯『恐らく澪ちゃんが傍に居てって言ったのが叶ったんだと思う』
澪「…………」グス
ダキッ
澪「バカ!もう私の傍から離れるな!」
唯『えへへ。よろしくね澪ちゃん♪』
結局唯は幽霊のまま今日も私の傍に居る。
たまに授業中にポルターガイストが起きるのはをいたずらするのは唯のアピールかもしれない。
たまに授業中にポルターガイストが起きるのはをいたずらするのは唯のアピールかもしれない。
澪「…………」カキカキ
唯『ふっ』イキフキ
澪「うひゃあっ!」ゾクゾク
さわ子「秋山さん静かに」
唯『静かに』
澪「すみません」
おわらす。死んでいるので復活は無理ですね。
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