- 抱きしメッツが落ちてる…… -- 名無しさん (2007-08-01 23:41:33)
- お疲れ~
この時間帯。10分で落ちちゃうのか(´・ω・`) -- 名無しさん (2007-08-02 00:02:56) - 寝落ちした隙に落ちてるなんて・・・・・
>>1乙! -- 名無しさん (2007-08-02 00:15:58) - VIPまとめサイトで水銀燈を(ry 見つけた -- 名無しさん (2007-08-02 12:57:27)
- 一応まとめ終わったつもりで(見やすさなど、課題は多々あるけども)
いたんで、欠けてる部分があれば教えてください>< -- 名無しさん (2007-08-03 08:28:30) - ぎゅっと抱きしめたいの750以降がないと思うんだが・・・ -- 名無しさん (2007-08-03 12:30:29)
- 可及的速やかにログを補完するつもりがついつい読みふけてしまい
気付いたら12時間経ってましたごめんなさい
そして>>1の新作に期待 -- 名無しさん (2007-08-04 00:45:40) - おちゅ! -- 名無しさん (2007-08-04 01:16:19)
- >>1お疲れさまでした!! -- 名無しさん (2007-08-07 17:07:03)
- AAが綺麗に再現できないのは@wikiの仕様みたいです
CSS変えればなんとかなるのかな -- 名無しさん (2007-08-09 16:57:54) - AAは暇を見て補完できれば・・・と。
無理はしてません>< -- 名無しさん (2007-08-09 17:26:51) - まとめの中の人は頑張り屋さんだな -- 名無しさん (2007-08-09 18:02:40)
- 「鳥です」の画像、>>6が二つあるよね? -- 名無しさん (2007-08-09 18:43:00)
- なーんてこったい
指摘サンクス -- 名無しさん (2007-08-09 18:55:26) - AAと相性いいのでこのスタイルで行こうと思うんですけど、いかが? -- 名無しさん (2007-08-09 20:02:48)
- 見やすいでゆ! -- 名無しさん (2007-08-09 20:37:21)
- わざわざ乙です! -- 名無しさん (2007-08-09 21:00:38)
- じゃあしばらくこれで様子見します
左上のアイコンとか変えられたらいいのに。 -- 名無しさん (2007-08-10 07:26:20) - これはいいヤクルロ -- 名無しさん (2007-08-11 13:11:31)
- お疲れ様でした〜ノシ -- 名無しさん (2007-08-14 14:07:53)
- 元に戻った -- 名無しさん (2007-08-16 11:35:59)
- 今まで「pukiwiki風デザイン」ってのを採用してたのですが
それのデザインが変更されて何だか水銀燈っぽくないので戻しました
このページの↓の方にサンプルをうpしたので気に入ったのがあれば言って下さい -- 名無しさん (2007-08-17 07:17:07) - 俺もまとめの人の気分でいいと思う。
唯個人的に気になったのはハートのやつかなwww
でもまーくんは甘い話ばかり書くわけじゃあないから
こんとこは悩みどころかもwwww -- 名無しさん (2007-08-17 16:20:29) - 別に怖くはなくね? -- 名無しさん (2007-08-19 11:05:28)
- ↑の米はまーくんだったのか
盛り上がってる銀ちゃんスレには大抵まーくんがいるからなぁー
そう、匂いでわかるぜ匂いで -- 名無しさん (2007-08-19 16:28:47) - まーくんは……2度と銀様スレで正体を隠す事が出来なかった……
名無しとコテの中間の生命体となり、永遠に水銀燈と暮らすことになるのだ。
銀様スレでROMに徹しようと思っても、ディスプレイの前に居るだけで「まーくん!きさま、見ているなッ!」と言われるので……
その内まーくんは名無しでいることをやめ、水銀燈と共に小説家になることに決めた。
-- 名無しさん (2007-08-19 19:51:37) - 明日アサ1で運び込みか
引越しなんてブルジョワのやることだぜ -- 名無しさん (2007-08-23 23:44:04) - これは・・・察しろってことなんですか -- 名無しさん (2007-08-30 09:26:10)
- リアルタイムも良いが過去ログも見逃したスレを見れるから良いな -- 名無しさん (2007-08-30 16:14:26)
- ジュウシマツです。
ちょと引っ越し先が秘境でして、ネット開通まで1ヶ月近く
かかるとの事でした。(ADSLも一ヶ月ぐらいかかるんだぜ?)
そんなわけなんで、再開出来るとしたら9月後半だと思います。
それじゃあ、またいつかお会いしましょう。
ばいばいぷー☆
-- 名無しさん (2007-08-31 09:00:48) - ピッチも繋がらないとか困るのう( (●)ω(●)) -- 名無しさん (2007-08-31 16:30:15)
- じゃあ、あの引越しについての書き込みはやっぱり
まーくんだったんですか?wwwww -- 名無しさん (2007-08-31 17:59:23) - 見た感じまーくんだね
9月後半まで新作楽しみにしてます -- 名無しさん (2007-08-31 20:50:57) - 同棲したいに気付けなかったああああああorz
bbs2chreaderと違ってJaneじゃあ次スレ検索がしずらいなあ……
慣れの問題かもしれないけど。チラ裏スマソ -- 名無しさん (2007-08-31 23:22:54) - 安価スレに張り付いてたから気付かなかったorz -- 名無しさん (2007-09-01 11:08:49)
- ソロモンよ、私は帰ってきた
これが、インターネットの風・・・・・・ -- 名無しさん (2007-09-10 10:31:38) - 作者降臨・・・・・・? -- 名無しさん (2007-09-10 17:49:26)
- この書き込みで他の人だったらそれはそれでビックリ -- 名無しさん (2007-09-10 19:19:40)
- ま…まーくん…?
まーくん!!! -- 名無しさん (2007-09-11 02:43:39) - 今水銀燈の小説スレが立ってるがこれは…? -- 名無しさん (2007-09-11 21:14:45)
- まとめの人仕事HAEEE!GJだな -- 名無しさん (2007-09-16 11:25:25)
- 伊藤のせいで落ちたな -- 名無しさん (2007-09-16 17:40:32)
- てら中途半端wwwwwww -- 名無しさん (2007-09-17 21:43:02)
- スレタイやスレ序盤は他の水銀燈スレと同じフォーマットだから
見逃した人のためにも一応収録はしておいたけど、
本人は「これはまーくんスレじゃない」と言っているし
内容も会話中心で、あんまり晒すのもどーかなと思ったので
キリのいいところでやめときました -- 名無しさん (2007-09-18 00:30:08) - あれ全部まーくんの演出なんじゃね? -- 名無しさん (2007-09-18 00:56:08)
- また何かあったらその時はお願いします。
そして新作をお願いします>< -- 名無しさん (2007-09-24 00:26:17) - タイトルからして儚いね… -- 名無しさん (2007-09-30 03:34:16)
- # IL-2
# ArmA
この二つなに? -- 名無しさん (2007-10-02 22:10:20) - シュトゥルモビークっていう超面白いレシプロ機フライトシムと
アームドアサルトっていう超面白いリアル系FPS -- 名無しさん (2007-10-02 22:15:36) - 銀ちゃんの一日中ブーツ履きっぱで蒸れ蒸れになった足で
俺の咽頭をレイプしてほしい。じゅっぽり犯して欲しい。
白癬菌を経口感染だ!かもすぞ! -- 名無しさん (2007-10-04 10:20:35) - まーくんと管理人さんいつもお疲れ様 -- 名無しさん (2007-10-06 02:45:32)
- 保守で1000行くより、深夜ひょっこり現れて、朝方ころりと落ちるような
そんなスレでもいいんじゃねーのかな。
スレが残ってたら、そのスレに書き込むのかも知れないけど、
落ちたら日を空けてスレ立てるんじゃない?
>>1以外の人が話を書き始めるのら、また別だと思うけれど…… -- 名無しさん (2007-10-06 12:33:47) - >>1の最近の話しって一人称? -- 名無しさん (2007-10-06 20:31:07)
- 水銀燈と夢はなんかイマイチだった。 -- 名無しさん (2007-10-08 00:49:40)
- リハビリだったんじゃね。一個前のスレとずいぶん間隔開いてるし。 -- 名無しさん (2007-10-08 01:04:48)
- ほんと、まとめの人は毎回おつかれさまやで・・・ -- 名無しさん (2007-10-08 21:38:01)
- まとめの人いつもご苦労様です -- 名無しさん (2007-10-08 21:43:06)
- まずはまーくんを労うべきだろ・・・・
情交 -- 名無しさん (2007-10-08 22:00:45) - 水銀燈「ねぎゅ」の144が抜けてるでござるよ!まとめ人は白華結晶嫌いでござるか! -- 名無しさん (2007-10-08 22:03:31)
- サンクスコ -- 名無しさん (2007-10-08 22:11:15)
- うそだろwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2007-10-10 09:10:09)
- ジュウシマツは病んでるな -- 名無しさん (2007-10-11 03:05:27)
- 「昼間寝ちゃったから目が冴えちゃってるわぁ…」はまーくんさんじゃないのですか? -- 名無しさん (2007-10-12 23:54:51)
- 違いまSU
YO -- 名無しさん (2007-10-13 05:53:26) - ニヤニヤ -- 名無しさん (2007-10-13 09:36:43)
- 50まで気づかなかったら、俺の勝ちね -- 名無しさん (2007-10-13 09:49:56)
- つまり50までに編集できればまーくんの後ろは頂き -- 名無しさん (2007-10-13 21:33:18)
- どうやら、俺の貞操は守られたようだ -- 名無しさん (2007-10-14 02:52:09)
- 「水銀燈がキモオタな俺と生活するとだな」はまーくんさんですね -- 名無しさん (2007-10-14 09:21:30)
- 正解だけど僕の貞操はあげないよ☆ -- 名無しさん (2007-10-15 01:52:31)
- さいきんみないな -- 名無しさん (2007-10-21 17:40:19)
- 忙しいんじゃね? -- 名無しさん (2007-10-22 00:06:11)
- スレタイを「銀」で検索する作業にも張り合いが出ないな -- 名無しさん (2007-10-22 07:09:45)
- AC6購入して、オンラインで飛ぶ奴ちょとこい -- 名無しさん (2007-10-28 12:57:42)
- 「腹なし水銀燈と俺物語」はまーくんさんかと思ったのだが。すぐ終わっちゃったけど。 -- 名無しさん (2007-11-01 23:24:24)
- いつもならもうちょっと粘りそう -- 名無しさん (2007-11-02 00:29:57)
- 今回はジュウシマツが逃げ切ったな -- 名無しさん (2007-11-03 07:34:43)
- うわあああ水銀燈を離したくないが落ちてるよおおお -- 名無しさん (2007-11-03 13:26:10)
- また、近い内に会いましょう -- 名無しさん (2007-11-03 22:35:37)
- ジュウシマーくんは希望 -- 名無しさん (2007-11-03 23:19:12)
- まとめの人忙しいのか? -- 名無しさん (2007-11-04 22:39:44)
- ネットゲームに忙しいです^^ -- 名無しさん (2007-11-05 03:07:51)
- 俺と360箱のオンラインで遊ぼうぜ -- 名無しさん (2007-11-05 07:48:26)
- 箱○も欲しいんだけど高いんだよね・・・ -- 名無しさん (2007-11-05 16:56:30)
- 離したくないおもしろかったよ。
マサユキが蒼星石の首折ってたら殴りこみに行ってたよ -- 名無しさん (2007-11-08 00:09:41) - ジュウシマツ怒られちゃったな・・・ -- 名無しさん (2007-11-08 03:48:02)
- 水銀燈かわいいなああああああああああ -- 名無しさん (2007-11-15 01:37:23)
- だからこの時間帯は嫌いなんだ! -- 名無しさん (2007-11-19 23:48:37)
- ジュウシマツがスレ立てるようになってまだ半年も経ってないのか
もっと前から立ててたような気もしたが… -- 名無しさん (2007-11-20 21:38:41) - ふひひ、新参でサーセン -- 名無しさん (2007-11-24 22:42:01)
- 凄い嗅覚だな! -- 名無しさん (2007-11-28 10:57:15)
- レスポンスhaeeeeeeeeeeeeee -- 名無しさん (2007-11-28 19:22:21)
- いつのまにか広告が水銀関連ばっかになっててワロタ -- 名無しさん (2007-12-03 09:08:00)
- この前はルー大柴だたw -- 名無しさん (2007-12-04 00:11:58)
- 起きたら水銀燈が隣で寝てたのスレ
はマーくんでは無かったの? -- 名無しさん (2007-12-08 14:36:29) - わーお、すげぇや
正解だ -- 名無しさん (2007-12-08 19:34:31) - まとめの人乙です -- 名無しさん (2007-12-13 00:01:25)
- かなり増えてきたな -- 名無しさん (2007-12-13 15:37:40)
- おっつ! -- 名無しさん (2007-12-14 11:04:18)
- 最近の十姉妹は手抜きだな -- 名無しさん (2007-12-15 17:02:29)
- 手抜きをしてる?逆に考えるんだ。
クリスマスに向けて大作を作ってるんだと考えるんだ。 -- 名無しさん (2007-12-15 20:33:48) - いやいや、十姉妹は水銀燈とラブラブチュチュチュのリア充だからな・・・
クリスマスに表れるとは限らないぞ -- 名無しさん (2007-12-17 18:49:31) - このリア充め……元旦は水銀燈とヤクルト餅でも食ってろ -- 名無しさん (2007-12-17 21:03:44)
- おお、なんぞこれ -- 名無しさん (2007-12-21 12:34:22)
- 読みやすくなったよ。 -- 名無しさん (2007-12-21 19:14:39)
- 結局クリスマスにもまーくん現れなかったな・・・・ -- 名無しさん (2007-12-27 10:12:44)
- 新年明けましておめでとうございます
今年こそ本気出す -- 名無しさん (2008-01-01 01:55:05) - 明けましておめでとうございます
本気か!これは期待だな! -- 名無しさん (2008-01-02 00:26:08) - さっきまでスレ残ってたけど… -- 名無しさん (2008-01-11 21:18:16)
- まーくんすげーよ -- 名無しさん (2008-01-11 21:34:01)
- へへ、てれるじゃないか・・・ -- 名無しさん (2008-01-12 11:56:25)
- まとめの人乙! -- 名無しさん (2008-01-23 00:43:11)
- 俺怠けすぎワロタ -- 名無しさん (2008-01-23 08:42:00)
- 編集人GJ -- 名無しさん (2008-02-01 13:25:56)
- 新作をちんちん長くして待ってるぜ -- 名無しさん (2008-02-08 02:25:20)
- 今日はバレンタインだぜ… -- 名無しさん (2008-02-14 01:24:02)
- あっ、だめだよ水銀燈。そんな所にチョコ落としたら体温でとけてぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ -- 名無しさん (2008-02-14 10:27:54)
- じゃあ俺も画面にチョコを塗ってペロペロペロペロ -- 名無しさん (2008-02-15 04:57:28)
- ('A`) -- 名無しさん (2008-02-17 01:57:17)
- 好きです -- 名無しさん (2008-02-21 01:04:50)
- 水銀燈の頭に抱きつきたい -- 名無しさん (2008-02-25 00:07:19)
- くんかくんかを読んだだけで涙が出てきた -- 名無しさん (2008-02-25 03:16:33)
- それは病気です -- 名無しさん (2008-02-25 19:22:16)
- なんだ病気か
ロマンチストと勘違いしちゃったよ -- 名無しさん (2008-02-25 22:13:52) - まぼろしまで読んできた
やっぱり目から塩水が出る -- 名無しさん (2008-02-28 03:23:53) - 水銀燈を離したくないを読んでたらいつの間にか
右手が股間で上下運動してた -- 名無しさん (2008-02-28 12:47:03) - 「つかれた」読んだら俺までつかれた -- 名無しさん (2008-02-29 02:01:42)
- 「ねぇ、ぎゅってしてぇ」の正しいスレタイは「ねえ、ぎゅってしてぇ」なんだね -- 名無しさん (2008-02-29 04:13:09)
- 恥ずかしながら、帰ってきました -- 名無しさん (2008-03-05 13:35:57)
- これは新作の予感!! -- 名無しさん (2008-03-05 14:29:59)
- 俺をふぁっくしてくれ! -- 名無しさん (2008-03-05 22:21:10)
- お帰りなさいませ、ご主人様 -- 名無しさん (2008-03-06 02:02:38)
- まあああああああああああああくううううううううううううんんん -- 名無しさん (2008-03-15 00:07:12)
- 今日もスレタイ検索で引っかかるのはAA雑とラジオだけか・・・ -- 名無しさん (2008-03-15 05:21:19)
- ヤンジャン -- 名無しさん (2008-03-18 15:13:48)
- ニャー! -- 名無しさん (2008-03-18 22:49:26)
- いつも、本当にありがとうございます。期待される事はとても嬉しいです。
今まで音沙汰なかったお詫びとは申しませんが、今日やります。
日付が変わるか変わらない頃、お会いしましょう。 -- 名無しさん (2008-03-21 19:03:37) - 楽しかったよ -- 名無しさん (2008-03-22 12:50:54)
- 落ちたのか -- 名無しさん (2008-03-22 20:07:38)
- 次回作にも期待 -- 名無しさん (2008-03-30 23:36:36)
- おお、まとめの人乙です -- 名無しさん (2008-04-03 06:06:12)
- もっと早く更新できれば良かったんですが>< -- 名無しさん (2008-04-03 20:55:03)
- 久々の更新だぜぇ -- 名無しさん (2008-04-05 16:25:21)
- そろそろ甘いのが来るんじゃないかと期待 -- 名無しさん (2008-04-15 03:54:06)
- 最近あんまり来ないよなぁ… -- 名無しさん (2008-04-21 03:04:28)
- 他のキャラで何か書いてるんじゃね? -- 名無しさん (2008-04-21 11:13:59)
- かいてません。愛した女性は一人だけです。
もちろん、これからも、ずっと。 -- 名無しさん (2008-04-22 00:16:24) - カッコイイじゃねぇかこの野郎! -- 名無しさん (2008-04-22 13:46:31)
- 男の鏡だな -- 名無しさん (2008-04-22 17:22:45)
- 規制はいつまで続くのか -- 名無しさん (2008-05-08 06:41:24)
- 規制って? -- 名無しさん (2008-05-08 11:17:46)
- VIPの投稿規制だよファック! -- 名無しさん (2008-05-08 16:22:57)
- そう褪せんなよ
出来る男は常に代替手段を用意しとくもんだぜ -- 名無しさん (2008-05-09 01:05:00) - 乳酸菌とってるぅ? -- 名無しさん (2008-05-29 03:34:50)
- 今宵もアンニュ〜イが発売中止だなんて…… -- 名無しさん (2008-05-31 13:43:04)
- まーくんショックで寝込んでんじゃね? -- 名無しさん (2008-06-02 02:59:20)
- まーくんまだー? -- 名無しさん (2008-06-14 20:50:17)
- くんかくんか言ってるスレがあるけど、あれは違う人かい? -- 名無しさん (2008-06-15 02:19:00)
- tigaimasuyo -- 名無しさん (2008-06-16 17:56:08)
- sumimasen -- 名無しさん (2008-06-16 20:08:24)
- とりあえず生きているみたいなので安心だ -- 名無しさん (2008-06-22 10:12:30)
- もう夏だな -- 名無しさん (2008-07-01 15:26:29)
- もう一年か -- 名無しさん (2008-07-01 16:10:22)
- まーくん元気かな -- 名無しさん (2008-07-07 10:37:37)
- 彼が元気に生活してれば、後はもうどうでもいいや -- 名無しさん (2008-07-08 06:15:30)
- でもやっぱり寂しいね -- 名無しさん (2008-07-09 01:44:11)
- まーくん… -- 名無しさん (2008-07-11 17:26:13)
- 近いうちに! -- 名無しさん (2008-07-15 02:34:48)
- なんとまことか。此れはしばらく眠れないぜ… -- 名無しさん (2008-07-15 04:22:40)
- メインの後には甘々なデザートの追加をヨロシク! -- 名無しさん (2008-07-15 23:28:55)
- 水銀燈復ッ活ッッ!俺大勝利!ありがとう!ありがとう! -- 名無しさん (2008-07-16 17:50:34)
- 水銀燈が復活したのでSSキボンヌ -- 名無しさん (2008-07-19 22:05:47)
- 8月なので何か祭り的なものをプリーズ -- 名無しさん (2008-08-11 11:59:38)
- そして終わる夏 -- 名無しさん (2008-08-27 23:16:29)
- あれから1年以上か・・・ -- 名無しさん (2008-08-29 21:16:10)
- あ、もどった -- 名無しさん (2008-09-17 19:38:32)
- 10月なので秋祭り的なモノをプリーズ -- 名無しさん (2008-10-01 00:20:07)
- リアルで死んだんじゃないかと不安になる -- 名無しさん (2008-10-26 17:40:20)
- どっかで生きてるだろ・・・・ -- 名無しさん (2008-11-10 02:14:51)
- 12月なので聖夜的なものをプリーズ -- 名無しさん (2008-12-02 01:05:44)
- 生きているのか? -- 名無しさん (2008-12-05 01:11:04)
- 水銀燈と 前半 -- 名無しさん (2008-12-10 21:24:09)
- 四次元生物は自由に時間を移動できると聞いた事がある。
ならば、物語の語り手はその物語に限っての四次元生物なのかもしれない。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:24:22) - 木漏れ日が、取り込んだばかりの布団の上で丸くなった水銀燈の頬を撫でていた。
蝉の声が聞こえる。山の中腹にあるアパートの二階からは、内陸部に大きく入り込んだ湾が一望でき、
入道雲が空の縁を囲むように伸びていた八月。夏である。
海面の乱反射に目を細め、足元で丸くなる水銀燈へと目を落とした。
寝たのか? 水銀燈は伸びをした姿勢のまま、呼吸に合わせて背中が小さく上下していた。。
水銀燈の髪の毛に指を通すと、銀の髪が絹の糸のように指を流れ落ちた。
僕は押入れからタオルケットを取り出し、起こさないよう水銀燈の背中に掛けようとすると
「……起きてるわよ」と水銀燈が瞼を薄っすらと開いた。
「そうだったの?」とタオルケットを掛け終え僕が言う。
水銀燈が「うん」と小さく頷いた。
僕は布団の隣に腰を下ろし、肘をちゃぶ台に顎を手の平に空を見た。
視界の端から、ゆったりと貨物船が流れた。
「そういえば水銀燈さ──」と視線を水銀燈に戻すが、すぐにまた空へと持ち上げた。
水銀燈の薄っすらと開かれていた目は優しく閉じられていた。隠された瞳は僕と同じ夏の空を見ているのだろう。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:24:47) - 話を少し前に戻す。
水銀燈がまだ居なく、古畑任三郎の再放送をやる時間帯に急な夕立にやられて、僕は近くの店に逃げ込んだ。
灰色の臭いがした。
辺りを見渡すと、古い時間ごと切り取られた物が、時間列をめちゃくちゃに棚に置かれていた。
ありふれた古美術屋だった。
つい先日、インスタントコーヒーと間違えドリップの粉を買ってしまい、
大慌てでろ紙だのなんだのを買い揃えた。揃えると揃えるとで、今度は豆を挽いてみたかったり、専用の薬缶が欲しくなったりした。
人の欲深さで棚の間を時間旅行すると、棚の隅に転がるくすんだ金のランプを見つけた。
紙の紐で取っ手の部分に500円の値札がつけられている。
一人用だしこのランプでも薬缶の代用になるだろう。何より先が細いのがいい。
適当に検討をつけ、雨が上がるのを待ち、代金を支払って店を後にした。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:30:56) - その夜、僕はランプを洗い水気を拭き取ると、細いランプの先から黒い煙が立ち上った。
ソレは人の形に纏まりはじめたかと思うと、いつのまにか目の前に、砂漠の民のように黒いローブで全身を覆った男が立っていた。
蒼く光る瞳で僕を見ていた。
僕は幻覚でも見ているのだろうか。
混乱していると「お前か?」と男の声がローブから発せられた。
「え? あっ、はあ、どうも」と阿呆のように僕が返すと「ならば願いを三つ言え、叶えてやる」と声のリズムを変えずに言った。
願い? 確かにランプと言えば三つの願いだが……。
「沈黙が願いか?」
「えっ、いや、ちょっ、ちょっと待ってください!」
「分かった。」
男は目を閉じる。それが合図だったかのように、辺りに深い静寂が訪れた。
先ほどまで聞こえていた蝉の声も、ピタリと止んでいた。
何だこれは、本当に願いが叶うのか? それなら──。
「あっ、あの、願いが決まりまし……た。」
おずおずと申し出ると、男は静かに目を開いた。
「いいですか? 言いますよ? ローゼンメイデンという物語に出てくる、水銀燈という人形の女の子と一緒に暮らしたい。
もちろん、共に愛し合っている、そんなな世界にしてくれ!」と相手の答えを待たず一息に言った。
男は、僕が言った事を奥歯の方で咀嚼し飲み込んでから「いいだろう。」と言った。
そうして僕は今、水銀燈と暮らしている。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:34:17) - 「ほらあ、探偵犬くんくん始まっちゃうじゃない!」
水銀燈がテレビの前で、むうと唸り「お茶はまだあ?」と僕を急かす。
「お湯がまだだよ」と僕はコンロの前で返した。
「早くしてよねぇ……」ソワソワと悲しそうな声を背中に受けつつ、薬缶の蓋を開けた。
湯気が額を湿らせる。こんなもんかなと僕はコンロの火を落とした。
しかし、茶葉がなかった。網の上にパラパラと、申し訳なさそうに茶葉が缶を滑り降りる。
「ねえ、まだぁ?」と水銀燈が急かす。テレビでは既にくんくん探偵のOPが流れていた。
「なんか茶葉が切れてた」
「右の戸棚は見たの?」
右? 僕は言われたままに右の戸棚を開く。どうだろう、確かに未開封の赤い茶葉缶が置いてあった。
何を勘違いしていたのか、ジャスミン茶を買おうとしていたのに、間違えて買ったセイロン茶だ。
「ほんとだ」水銀燈は見つけたのを確認すると、テレビへと意識を戻した。
「はい、おまたせ」と水銀燈にコップを差し出すと「ありがとねえ」と両手で包み込むようにコップを受け取った。
僕もコップの中身を溢さないよう注意して、横に腰を下ろした。
水銀燈はテレビを見ながら、ちびちびと紅茶に口をつけていた。
そういえば猫舌だったかな。結局、僕も水銀燈も番組が終わってから、すっかり冷めて苦くなった紅茶を一気に流し込んだ。
それから紅茶を淹れ直し、僕たちは番組が放った緊張感の余韻を楽しみながら、くんくん探偵の話しで盛り上がった。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:39:34) - 馬鹿みたいに蝉が騒いでいる朝だった。
だれか、殺虫剤を撒いてまわってくれ……。
僕の思いも虚しく、蝉は合唱を続ける。布団を頭から被り、じっとりと滲み出た汗で布団を濡らすと
水銀燈の呆れた声が聞こえた。
「……あんた、暑くないの?」
「暑いね」
難題に挑む哲学者のような声色で返す。
「でしょうね」
普段ならここに沈黙が訪れる間なのだろうが、今日はそれを蝉の合唱が埋めてくれた。
「出てきたら?」
僕はその時、並列世界について考えていた。隣の世界の僕は、その隣の世界の僕は、その隣の隣、はるか彼方に居る僕は
遮音性に優れた窓を締め切り、クーラーをガンガンに効かせ「今日は涼しいね」と眠気眼を擦ったりしているのだろうか?
どこかの世界で熱と音に悩まされず、二度寝を楽しむ僕と、それを許す玉葱の皮の世界に殺意を覚える。
「ほら、出てきなさいよ」体が揺すられる。
「ほらほらほら」と頭を布団の上から掴み、がくがくがく。眠気が耳からがくがくがく。
「コラアァ!」と布団をムササビのように広げ勢いよく起き上がる。弾みで水銀燈が尻餅をついた。
「ちょっと、馬鹿! なにすんのよ!」と自分の尻を擦りながら水銀燈が抗議を飛ばす。
「夏なんだって!」
僕は水銀燈の上に布団ごと覆いかぶさり、ウスバカゲロウかの如く自分の巣(布団)へと連れ込む。
声にならない悲鳴をあげ水銀燈が暴れた。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:45:07) - しかしその程度では今の僕は止まらなかった。
布団の中で僕は汗で湿った体をフルに使い、水銀燈をとにかく揉みくちゃにする。
狂い咲きの花が、何の前触れもなくその身を散すかのごとく。
この狂い咲きも、また同じ道を辿こととなった。
「いたたたっ……」
僕は後頭部を擦りながら、汗で湿り、二人に絡みついた掛け布団から抜け出した。
二人で部屋の中を転がっている最中に本棚にぶつかった様で、上に置いてあった魔人のランプが落ちて僕の後頭部を直撃したのだ。糞ランプめ。
水銀燈が掛け布団の中から、ヘッドドレスも外れ、ぼさぼさになった頭をひょっこりと覗かせた。
じっとりとした半目で僕を見据えている。まるで「自業自得ね」と言わんばかりだ。
水銀燈は僕の頭に落ちてきたランプに視線を奪われていた。
彼女の目の奥に浮かぶ色が深水のように僕に染み込む。
そういえば、前にも一度似たようなことがあった。カレンダーを見た時だ。
どす恋~兄貴と俺のそいやっさ200X~と銘打たれたカレンダーで、商店街の福引で当てた物である。
水銀燈はそれと僕の顔とを交互に見やり、眉間に深く皺を寄せていた。
とてつもなく巨大な陰謀の臭いがする……。
ひとり物思いに耽っていると、水銀燈が口を開いた気がした。
「んっ?」
聞き返した時には既に水銀燈は掛け布団から抜け出しタンスの前に居た。
「ごめん、聞いてなかった」
「だっかっら、シャワーよシャワー。体がべたついてしょうがないわ。」
タオルを僕に見えるように振り、浴室へと消えた。
程なくタイルを水が打つ音が聞こえる。海から吹き上がった風が梢を揺らし、球児が白球を追いかける声を届けたがすぐさま蝉の声に掻き消された。
今日はまた一段と暑くなるかもしれない。
-- 名無しさん (2008-12-10 21:49:07) - 突き上げてくるような寒さで目が覚める、夜明け前の薄暗さが辺りを包んでいた。
枕元の時計へと手を伸ばすが、空を掴むばかりである。
指先が冷たく硬いものに触れる。
目を凝らして見るとそれは、一面に敷き詰められた床石の一つであることが分かった。
驚いて身を起こし辺りを見回すと、崩れた石造りの家が立ち並び、白いものがほろほろと舞っていた。
「雪?」
空を見上げる。見上げた空には上へ崩れた建物が立ち並んでいた。
そこから延々と雪が舞い上がってきている。
どうやら僕は夢を見ているようだ。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:50:48) - 行く当てもないので、町の中心の方へと足を向けた。
歩を進めるうちに道が交じり合い、次第に太い道へと成る。
どうやら、中心部から放射状に道が伸びているらしい。
視界が開け広場が現れる。中央部からは朽木が聳え立ち、空の町を掴まんと皺だらけの指を伸ばしていた。
その指の一つに、水銀燈が居た。
彼女は僕に気づかず、僕が来る前からの格好で空を見ていた。
何故だかは分からないが、とても悲しそうに見えた。
隣に行きたかった。寒さで震える肩を抱きしめたかった。
だけど、出来なかった。
魔人の力で一方的に呼び出し、心まで書き換え隣に立った僕は卑怯者だ。
とてつもなく自分が恥ずかしく、それと同時に悲しくもなった。
彼女の視線の先には空はない、誰かがいるのだ、隣に立っていた誰かが。
そう、彼女の折れそうな体を抱きしめていいのは、自分ではないのだ。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:53:58) - 「ただいま」
「あら、お帰りなさい」
玄関を開けると、水銀燈が台所でコーヒーをドリップしていた。
組んだ腕をシンクにのせ、顎をその上に置いている。
「あなたも飲む?」と琥珀の滴を追いながら言ったから
「うん」と僕は答えた。
カップを手渡され「どうも、ありがと」と言った。
水銀燈は軽く微笑み、自分の指定席(リクライニング椅子)へと腰を落ち着けた。
両の手で包むようにカップを持っている。
「なあに? これ」
僕は机の水銀燈に近い所に小箱を置き、開けるように手で促した。
水銀燈は「なにかしら」とカップを隣に置き、小箱を手に取った。
「あら」中から出てきた物に少し驚いたようだ。
「アクセサリとかのほうが、女の子向けだとは思ったんだけど、どういうのがいいのか分からなくてさ」
水銀燈は箱から銀の懐中時計を取り出した。
蓋陶器の文字盤には手書きの花の模様、金彩が描かれている。
「だから時計なんかが無難かな、なんてね、思ったんだ。」
「私のために?」
「うん、気に入ってくれると嬉しい」
「ふーん、私のためにねぇ」とにまにまと僕の顔を水銀燈が見て「ありがと」と笑った。
「どういたしまして」
僕は淹れて貰ったコーヒーに口をつける。
水銀燈は他にも何か言いたげに懐中時計を両手で包み僕の顔を見ていたから、小恥ずかしくなりコーヒーに逃げたのだ。
胸が痛む、自分への誤魔化しだったから。
あの廃墟の町で感じたものが、日に日に胸の内を占める割合を増やしていた。
笑顔が痛い。君が淹れてくれたコーヒーはいつからこんなに苦くなったのだろう。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:56:23) - 夏の夜風は、春のそよ風に匹敵する。
ツクツクホーシはいつのまにかに身を隠し、夏虫が本格的に鳴き始める前の時間。
窓辺で胡座を組み、手の平に顎を乗せ、つながる肘を腿に置いた。
慣れ親しんだ格好だ。夜風が前髪を揺する。
蚊取り線香の匂いも、微かだが感じることが出来る風。
「何をしているの?」と水銀燈が聞き「ぼうっとしている」と僕が答えた。
ふうん。と水銀燈が僕の横に並んだ。
「ねえ、蛍見に行きましょうよ」
「蛍?」
「そう、蛍。」
突然蛍と言われても……いや、確かここいらに蛍が見れる場所が一つ二つあったな。
そこまでの道順を脳内に起こしていると、水銀燈から催促が出た。
「ほら、早くしないと飛び蛍の時間逃すわよ」
「ああ、そうだね。それじゃあ、行こうか。」
僕は手短に身支度を済ませると、水銀燈を抱きかかえて家を出た。 -- 名無しさん (2008-12-10 21:59:46) - ジャリジャリと土を踏みしめる音が田園へと響いていた。
水銀燈は僕の腕に腰を置き、ゆるりと背中を胸に預けている。
「それにしてもよく知っていたね、ここいらに蛍が居るって」
「前に教えてもらったのよ」
「へえ……」僕は少しムッとした。
「なに、あんたもしかして"嫉妬"してるの?」
「いやァ──まあ、人並みに」
あははははと水銀燈は僕の腕の中で笑った。
なんて女だ……。
息も切れ切れに水銀燈は言葉を紡ごうとした。
「はっ、はは、ごめなさ、あはは、あーおかし」
「教えてくれた人は、この辺りに住んでたんだな」と話題の路線を変えようとする。
「そうねぇ──」と水銀燈は僕の顔を嘗め回すように見ていた。
「男の人だったわよ。それに、それなりに優しくて、いい男だったわ」
「ふうん」
「気にならないの? 前の"男"のコト」
「別に」と言うと「無理しちゃってぇ。男の嫉妬は格好悪いわよ?」と僕の顔を見上げながら肘で腹をつついてくる。
「はは、そろそろ着くよ」嫉妬の念を振り払う。
「ちょっとお、なに余裕ぶってんのよ」と僕の生えかけの顎ヒゲを引っ張った。
水銀燈にこんなゆるけた顔させるなんて、どこのどいつなんだよ、くそったれ。
僕はその男と水銀燈との関係が羨ましかった。純粋に。 -- 名無しさん (2008-12-10 22:06:17) - 「こら、なんか言いなさいよ馬鹿」
「痛ッ」
鼻の下を握った拳の第二関節で殴られた。
「いきなり何するんだよ……」
打たれた所を擦りながら水銀燈に抗議すと、水銀燈が感嘆の息を漏らした。
何だ? 視線を同じ方に向けると、限りなく暗闇に近い闇の中で、緑の光が無数の弧を描いていた。
傍を流れる小川から水を引く田んぼ、水路を撫でる水の音、これらがすっかり竹林の影に覆い隠された場所。
僕らはここに二人っきりだった。
僕の腕は自然と水銀燈を抱いていた。 -- 名無しさん (2008-12-10 22:10:05) - そういえば、僕はいったい"何を"魔人に願ったのだっけ。
水銀燈と……? -- 名無しさん (2008-12-10 22:10:27) - 寝苦しい夜だったかもしれないし、そうじゃなかったのかもしれない。
そんな夏の夜だった。
空の高い所にある白月の光が窓辺を照らしていた。
昼の延長のような夜に、魔人を呼び出した。
二つ目の願いに、水銀燈を元の男の所に戻してやってくれと頼んだ。
「だ、そうだ」と魔人は男の後ろに声を掛けた。
振り向くと水銀燈は鞄から顔を出しこちらを見ていた。
水銀燈は幾ばくか逡巡し、口を開いた
「……私は、本当はあなたのことを──」が僕は水銀燈の唇に指を乗せた。
「今度会う時は……いや、会えることがあったら、もっとフェアな出会い方をしよう」
水銀燈は形のよい眉を曲げ、口の端を少し持ち上げ、唇を押さえた僕の指を小さな手で押し返し、包み込んだ。
「次に会う時は少し嫌な女かもしれないけれど、これで──」と自分指で唇を触り、それを僕の唇に押し付けた。
唇に押し当てた感覚だけを残し彼女は消えた、鞄ごと。
魔人は小波にゆれる月を見ていた。
水銀燈は最後に何を言おうとしていたのか。
月が西に傾き、白い帯が長く伸びた。 -- 名無しさん (2008-12-10 22:11:24) - 僕は最後の願いとして、魔人の自由を願った。
魔人が出てくる話の最後には、魔人の自由を願うのが定番だからだ。
それに、水銀燈が居ない今、特に何を願いたいとも思わなかった。
魔人は夜の海のように蒼い瞳で僕をしばらく見た後、ランプと言葉を残し消えた。
「そういうことだったのか」
結局、ランプを薬缶代わりに使う事は一度もなかった。 -- 名無しさん (2008-12-10 22:12:06) - 色を抜かれた、味気のない日常が始まる。
狭いはずの部屋がとても広く、世界の全てのように感じられた。
彼女の面影を探し本棚を漁るが何の収穫もなかった。
彼が探そうとしてたものは元から"この世界"にはなかった。
この世界は、彼が魔人に"望んだ世界"なのだから。 -- 名無しさん (2008-12-10 22:13:23) - 広葉樹に残暑の陰りが色をつけた頃。
ドア付けポストに鉄を打つ投函音が響いた。
まきますか まきませんか -- 名無しさん (2008-12-10 22:15:37) - 水銀燈と 前半
おわりです、お疲れ様でした。 -- 名無しさん (2008-12-10 22:16:11) - え?え?!何このサプライズ最高 -- 名無しさん (2008-12-11 00:20:52)
- うほw -- 名無しさん (2008-12-14 03:54:30)
- おかえり -- 名無しさん (2008-12-16 18:10:52)
- なんという不意打ち… -- 名無しさん (2008-12-16 20:39:26)
- 鏡に映る白い息の下には、見覚えがある鞄が一つ置いてあった。
僕の鼻は何かを納得したように「ふん」と言ったが、実際の所はよくわからない。
鞄を見れば嫌でも思い出す。鞄の小さな主の事をだ。
さて、どうしたものかな。
脳みその中を、蛆がぐじゅぐじゅと音を立てながら這い回っているような感覚に陥る。
鞄を開ければ、お姫様の寝顔があるだろうし、閉じて腐敗した二人での生活が幕を開ける事になるのだろう。
腐った果実が一層甘い臭いを放ち無骨な手に己をもがせる様に、腐肉を混じり合わせるだけの生活は、とても魅力的だ。
しかし、このまま鞄を開けずにいたいとも思った。
腐敗の先に未来はないからだ。腐ったその身は蕩ける様に甘く、脊髄をしごくような甘い臭いを放つ。
腐った実は樹から嫌われる。翌日にも堕とされるだろう。運悪くその実を食べた者は腹を壊して死ぬだけである。
何処からとも漂う甘い臭いを嗅ぎ、味を想像するだけでも十分だとも思う。
だが、臭いは何時の間にかに無くなってしまうのだ。鳥の仕業か引力か、それともその両方なのか。
そして僕は思うのだ。
「ああ、あの果実はどんな味だったのだろうか」
後悔して生きるのなら、腐肉を食らって死んでしまいたい。
僕は腐敗し、蕩けきった実に手を伸ばした。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:03:13) - 水銀燈と 後半 -- 名無しさん (2008-12-31 22:06:19)
- 留め具の冷たさが指先に伝わり、鞄が開いた。
水銀燈が身を丸め眠っていた。
遠足前の期待より不安が多く入り混じったような感覚は、胃の重りとなってズッシリとした物を下腹部に感じさせた。
可愛いらしい寝顔だ。どんな夢を見ているのだろうか? 僕はその夢を越える事ができるのか。
それから10分ほど過ぎた頃、彼女の髪は三つ編になっていた。
水銀燈がなかなか起きないので、僕は彼女の髪の毛を弄っていた。
三つ編の先で鼻をくすぐると、眉間が動いたような気がするが、気のせいだったかもしれない。
さて次は何をしようかなと考えていると、鞄の隅に螺子巻きを見つけた。
彼女は人形だったな。すっぱいような灰色が胸を撫でた。
僕は水銀燈を鞄から抱き上げ、長い髪を肩から前へと流した。
露となった白い背。開いたドレスの縁を飾り付ける黒いレースの毛先までもがしなやかだった。
水銀燈を僕に持たれ掛けさせた。彼女は首筋に牙を突き立てている吸血鬼のようにも見えた。
螺子穴に螺子を差込ゆっくりと巻いた。
ギリギリ、ギリギリ、ギリギリ。
彼女の体がビクンと脈打った。それから関節から動かすように手の平を僕の胸に置いて体を持ち上げる。
半分開かれた瞼から赤い瞳がこれまた半分覗いていた。
赤い瞳に焦点が戻る速度で、眉間に皺がより、「無礼」と頬を平手で叩かれた。
「あなたが螺子を巻いたのね……」
水銀燈は僕から距離を取り、腕のドレスで胸元を隠すようにして言った。
部屋を見回す「家畜小屋といい勝負ね」「はは、困ったお嬢さんだ。」
水銀燈は無知に気づかぬ者を笑うように鼻で笑った。
「あれ、水銀燈だよね?」
僕の問いに、顎を引いて頷いた。
「僕のこと覚えている?」
水銀燈は下から上に睨むようにさっと視線を動かし言った「知るわけないじゃない。」
なるほど、そうきたか……。彼女はもじもじと編まれた髪をといた。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:06:44) - 肺を動かすだけでも、ギクシャクと音が出るような生活が始まった。
もっとも、そう感じていたのは水銀燈だけだったようだが……。
水銀燈は部屋の隅を自分の居場所と決めたのか、いつもそこに蹲って僕を見ていた。
紅葉が八月の月の色をしていた。
もうすっかり寒かろうと、水銀燈が席を外している間に厚めの座布団を置いた。
水銀燈は座布団を見つけると、僕の方を睨んだが知らん顔をすると黙って座布団の上に腰を下ろした。
彼女が鞄で寝ている間に座布団を部屋の中心へ少し動かしたが、翌日は元の様だった。
毛布を置いたら包まった。寒かったんだな、やっぱり。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:10:47) - 「お茶でもどうだい」
僕は琥珀の色をカップに注ぎながら言うと、水銀燈は僕をミッと睨んだ。
「はい」
受け皿ごと水銀燈の前に置いた。
見ていたら飲みにくかろうと、僕はコタツの方まで引っ込んだ。
受け皿からカップを持ち上げる音がした。
首だけ動かして様子を見ると、両手でカップを包み込むように持って口をつけていた。
「変な奴」
紅茶の暖かさが水銀燈をほぐしたのか、彼女に一言呟かせた。
「ん?」
振り向くと、聞こえてるとは思っていなかったのか「あっ、ほ、ほら──」と視線ををさ迷わせ
「あれ。そう、あのランプよ。あんな変なランプ初めて見たわぁ。だっさあい」と言った。
誤魔化したそうにしていたので、追求するのはやめた。
「お菓子食べる?」
「いただこうかしら」
言い終わってから、はっとした表情を浮かべてまたそっぽを向いた。
僕は口を歪める様に苦笑いをして、受け皿の隣にクッキーを取り分けた皿を置いた。
閉じた茶葉は、湯を注げば時間と共に開くのだ。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:13:58) - 目の前が真っ暗になりマットレスの上に倒れた。
最近、朝起きると貧血で倒れる事が多くなっていた。
四方に飛び散った自分が、ゆっくりと額から容器に戻った。世界が霞んでいた。
仰向けに転がり、朝が青に塗った天井を見た。
呼吸を整えていると、視界の端に水銀燈を見つけた。
彼女は鏡の前に立ち、じっと僕を見ていた。
「おっす」
返事は期待していなかったが、水銀燈が口を開いた。
「死ぬの?」
僕は一瞬、この貧血は水銀燈が関係しているのか? と思ったが、考えすぎだなと夢の残りに食わせた。
目を瞑る。夜の続きが瞼の裏にはあった。
「いつかはね」
「……そう」
水銀燈と一言二言交わすうちに、すっかり血は戻っていた。
今は逆に、程好い虚脱感が体を満たしており、とても心地がよい。
「人は脆いのね」
「そうだね、」「でも、それは君も同じだろ」
水銀燈が僕の言葉で苛立ったような気がしたが、特に気にはならなかった。
僕の目には、あの日見た雪が舞い上がる町へと続く夜しか映っていなかったから。
「いつか見た君は、とても脆そうに見えたけどね。抱きしめたらそのまま折れてしまいそうなぐらい」
「それだけ口が回るなら、しばらくは死ななさそうじゃなあい、」
「頭の方は、もうだめみたいだけれど……」と付け加えた。
水銀燈が自分の寝床に戻る音がした。
僕はもぞもぞと掛け布団の内に潜り込み、包み込む脱力感に身を任せることにした。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:15:43) - ある朝の事である。起きると水銀燈がいなかった。
朝食の時間になっても鞄から出てこないということは、いないのだろう。
頬を手の平に乗せ、虚ろ虚ろとしていたら鏡が光り始めた。
光りの中から水銀燈が崩れ落ちるように床に倒れこんだ。
彼女は片羽を失っていた。咄嗟に駆け寄ると、水銀燈がこないでと言ったような気がした。
馬鹿か。僕は彼女を抱き上げた。
「おい、大丈夫か?」
彼女の顔は土色で、ただのビスク人形になろうとしていた。
「やめて」
抱きとめる腕を振り払おうと、小さな手が僕の腕に触れるが、それだけだった。振りほどく力も彼女には残されていなかった。
僕には彼女の細い体を抱きしめる事しかできなかった。
どうすればいいんだ。僕は、僕は──っ。
噛締めた砂の味、口の中が灰色だった。
「ねぇ」と僕の胸に埋もれた声がした。
何か言いたいのか? 彼女を抱きしめる腕の力を緩めると、腕の中から僕を見上げた。
「ねぇ、死んで?」
何かと聞き返そうと口を開いたが、細く小さい人差し指が僕の唇を縫い止めた。
唇に置かれた指の熱さとは異質の熱さ、氷の炎が左手薬指を締め上げた。
途端、猛烈な吐き気と頭痛に襲われ意識が飛んだ。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:20:37) - すっかりと日も暮れた頃に目が覚めた。
辺りの暗さの原因の一つには、鉛の雲が空を覆っていたこともある。
水銀燈は僕の上で寝ていた。
僕は腹が減っていた。朝から何も食べていないからだ。
ちゃぶ台の上には冷たくなった朝食が二膳向かい合わせに置いてある。
水銀燈をどかして遅い朝食にしようと、彼女の肩に手をかけたら、閉じた瞼の端から涙が一筋零れた。
「くだらねえ」と僕は呟いた。
僕は彼女の背に手を回して目を閉じた。
手の平に、生えて間もないだろう羽根の感触が伝わった。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:21:28) - 水銀燈の代わりに、毛布が僕の上にいた。
よく見れば水銀燈がいつも包まっていた物だ。
「あわ?」
阿呆のような顔で体を起こして、半開きの口から垂れた涎を手で拭うと冷たい物が唇に触れた。
「指輪……?」
確かに僕の左手薬指には、銀の指輪がはめられていた。
指輪を指から抜こうとするがびくともしない。
「無理に外そうとすると肉からそげ落ちるわよ」
いつのまにか目の前に、腕を組んで立つ水銀燈が居た
「無理には止めないけれど」と付け加えそっぽを向いた。
「あーいや、別に外さないけどね」
僕は角度を変えて指輪を見つつそう言った。よく見るとかなりかっこいいじゃないか、これ。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:21:41) - 僕が卓に付いた時には既に、水銀燈分の朝食は空になっていた。それもそうだろう、僕も相当お腹が空いている。
冷たくなった米を口から胃に落としていると、水銀燈が対面に腰を下ろした。
何か言いたいようなむくれ顔で、ムスっと僕を見ているが、あえて声をかけなかった。
白菜漬けに醤油を垂らしていると水銀燈が口を開いた、
「ねぇ……あの」ごにょごにょと言葉の尻が、垂らした醤油のように消えてった。
「うん」と生卵を溶きながら僕は答えた。
「いい? 誰でも、疲れてるときは弱くなるでしょ?」
「あるね」
僕は溶き卵をご飯にかけた。
「だから、今朝の事はこれでおしまい。わかった?」
「あー、どうしようかなあ」
「なっ」
水銀燈が信じられない物でも見たかのように、身を固めた。
「嘘嘘、冗談冗談」
水銀燈は眉間に皺を寄せ、「ガキが……」と呟いた。
僕は今、今朝の朝食を食べていた。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:22:18) - 肝心の水銀燈の羽根は、いつのまにか元の大きさになっていた。
「……まあ、でも一応は感謝してるのよ。一応はね……」
そう言った水銀燈は、自分の膝上で指を絡ませて赤い目は端までよっていた
僕はそれを見て、口元だけで小さく笑った。ニヒルに笑えたと思う。
「なによ、何か言いたい事でもあるわけ?」
「あるなら言いなさいよ。いいじゃない、聞いてあげるわ」と水銀燈がまくし立てる。
「いやね」ともったいぶると、何よと水銀燈が体を乗り出した。
「可愛いよ」
「は、はあ?」
「だから、君可愛いよ」
よく聞き取れなかったようなので言い直した。
「なに、え? アンタ本当に頭がジャンクになっちゃったんじゃないの?」
水銀燈は顔を真っ赤にしてあたふたする。相当混乱しているようだった。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:22:36) - 「だから、そういう動作? かなり可愛いんじゃないかな。」
「ううっ」と水銀燈は唸り、俯いてしまった。
「こんな奴に契約の指輪──」
「え、何?」
「返しなさい!」
水銀燈が僕の左手に飛び掛った。
「うおあ」
思わず左手を持ち上げ空へと逃がす。
「じっとしてなさい!」
言い終わるが早いか、彼女は翼を水平に伸ばし突っ込んできた。
後頭部がズキンズキンと痛んだ。
水銀燈の衝突に耐え切れず、僕は水銀燈を抱きこむような格好で背中から倒れた。
朝を彷彿とさせる体制だ。違う所をあげるとすれば、水銀燈が僕の左手を捕まえようとしているので、僕がそれを阻止している所だ。
水銀燈の細い髪先がチクチクと顔に刺さる。
「あっ」と水銀燈が我に返った。
「変態! さわんじゃないわよ! ばか! 放しなさい!」
年頃? の娘が事故のような物とはいえ、男に抱きしめられているような格好でいるのは、抵抗があったのだろう。
何にしても、騒がしい女だ。部屋の隅でじっとしていた頃が嘘みたいだ。
僕から離れた水銀燈は衣服の乱れを直し、僕から胸元を腕で隠すようした。
水銀燈の左手に光るものを見つけた。
「あ、同じ指輪。」
水銀燈はしまったと手を背に隠した。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:23:08) - 「なんだよ、ペアリングだから恥ずかしくなって返せって事なのか?」
「いや待てよ、左手薬指だし──」
「それ以上言うと、怒るわよ」
キッパリと水銀燈が言葉の先を遮った。
はぁ、と水銀燈は大きな溜息をつき「それは契約の指輪と言って、」と指輪について話し始めた。
「なるほど、精力を吸い取る力があるのか」
「ええ」僕の言い方に何か引っかかったようだった。
「じゃあ、貧血起こしてたのは精力吸い取ってたから?」
水銀燈は肯いた。
「でも、あの時は指輪してなかったよ?」
「……私は特別なのよ。指輪がなくてもある程度は奪える」
「なるほどなあ」
改めて自分の指に填められた指輪を見るが、力を吸い取るような指輪にはとてもじゃないが見えなかった。
薔薇の銀細工が施してあるのだが、葉の部分がグロテスクに開き、肝心の薔薇の花が小さく、何か別の生き物のようにも見えた。
「ふうーん」
しかし、今はそんな事よりも目の前の掃除だった。水銀燈が左手に飛びついて来た時に散らばった朝食の残骸をだ。
「手伝えよ」
「はぁ?」
「はあ……」
肺胞を絞るような溜息が出た。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:24:28) - 「ここ置いとくわよ」
「ん」シンクに重ねられた食器が置かれた。
水銀燈が食器を下げ、僕が洗い物をしていた。
散らばった米や生卵の溶いた物の片付けは手伝ってくれなかったが……。
洗いの作業も終り、洗剤を水で流しながら「なあ、なんであんなに強引だったんだ?」と聞いた。
「まあ、言いたくないなら言わなくていいよ」
最後の食器の水を払いながら付け加えた。
「なんとなく……」
「うん」
「なんだか、あんたのこと良く知っているような気がしたっていうか、あんたならいいかな。って」
「そうか」
「うん」
水銀燈の声が弱かった。
「……迷惑だったかしらぁ」
「馬鹿。こんなイケメン捕まえれたんだぞ、もっと喜べよ」
振り向き、ニヒルなつもりの笑顔を向けた。
想像を裏切る答えに、水銀燈は毒気を抜かれたような秋空の顔をしていた。
「おばかさぁん。あなたこそ、私のミーディアムになれた事を光栄に思う事ね。あなたには身に余る事じゃなくって?」
軽口に乗ってくれた。
「そうだな、こんな可愛いお嬢さんに求愛されちゃったわけだしな」
薬指の指輪をチラチラと見せた。
「末代まで語り継いでもいいのよお? あっ、あなたで末代だったかしら?」
水銀燈はふふっと笑った。相手を言い含めた時に見せる特有の笑みだ。
「いやいや、君との子供が残せれば語り継げる可能性だってあるんだぜ」
「私と、子供……?」と水銀燈は口の中で言葉の意味を何度か噛締めてやっと理解し、
「ばあっか!」と吐き捨てた。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:24:41) - 秋も終わろうとしていた。
刷毛で薄く延ばしたような雲は、その身を西風で肥やして鉛色になった。
たまに、蝉が思い出した様に一声二声冬を泣く以外はいたって普通の季節の移り目だった。
いや、一つ大事な事を忘れていた。今年はコタツが狭かった。
「ちょっとお、もっと端によせなさいよ」
水銀燈がガシガシとコタツの中で僕の足を蹴る。
「おいおい、さっきもそう言われて右端によせたばっかりだぜ?」
「そっちに足を動かしたくなったのよ。ほら、いいから早くどかしなさいよ」
口を開いている間にも、容赦なく足を蹴ってくる。
「しょうがねぇなァ」と渋々足をどかそうとすると、窓の外に緑の光りを見た気がした。
「なによ、どかさないの?」
「いや、……」
「はっきり喋らない男は嫌いよ」
「あー、蛍でも見に行かないか?」
「はあ?」蹴りを続ける足が止まった。
「蛍だよ」
「分かってるわよ。あのね、もう冬なのよ?」
肩を竦めて寒いのよとして見せた。
「ここら辺には冬でも蛍が見れる場所があるんだ。いこうぜ」
僕はコタツから這い出し、水銀燈の手をとった。
「ほら、着ないと寒いぞ」と半場強引に用意をさせた。
もそもそと服を着込んだ水銀燈を抱き上げ、あの日一緒に蛍を見た、あの場所へ。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:24:51) - 竹林の影に隠れた水路には、ポツポツ緑の光りが燈っていた。
ほー、と珍しい物を見たと感心したような声を水銀燈があげた。
「俺は水蛍って呼んでる」
「水蛍?」と視線は緑の光りから放さず聞き返した。
「うん。本当の名前は知らないけど、水の中に居るから水蛍。」
「それなら、飛んでる蛍は飛び蛍?」
水銀燈は横目でちらっと僕を見た。
「そうだね、それで地面にいるのは土蛍。分かりやすいだろ?」
「そうね。でも、他の人の前では使わない方がいいわよ。無知を曝け出している様なものだわ」
「手厳しいね」と僕が言うと「ふふん」と鼻を鳴らし水蛍に視線を戻した。
星が竹林の隙間を、笹の葉の筋一本分も移動する前に、水銀燈が言った。
「地味ね」
「うん」
確かにだ、同意する。
「それに、寒い」
水銀燈が僕の腕の中で体を押し付けてきた。
抱きしめる腕に力を込める。
「ねぇ、一匹ぐらい連れて帰りましょうよ。水を入れた瓶の中に入れて、部屋を暗くしてコタツに入りながら見ましょうよ。」
「もちろん、あなたが足を左側に寄せて、だけれど」
「だめだよ」と僕が言うと顎を叩かれた。
「蛍の寿命は短いんだ。1週間を待たずに死ぬはずだよ。」
「そう……」
残念そうにする水銀燈の毛糸の帽子を被った頭に手を載せた。
「人の寿命も、短い。」
水銀燈は乗せられた手を頭で押し返すようにした。
「今度は、飛んでいる蛍が見たいわあ」
「もう少ししたら、見れるんじゃないかな」
「そうね、来年が楽しみ」
「いや、今年」
水銀燈が振り返ったが、すぐにくしゃくしゃと頭を撫でてやった。
報復がぺしぺしときた。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:25:31) - 朝起きると水銀燈が居なかった。鞄ごと。
薄々は分かってはいた事だが、実際に経験するのとでは全然だった。
暖かいお茶を用意してこたつに足を突っ込んだ、広いコタツだった。
灯りを消して目を瞑ると、冬は直ぐ傍に居た。
ペーチュンチュンコロリ。雀も大変だね。
「あっ、」
聞きなれた声に瞼が開いた。
「ええっと、……起きるの早いのね」
姿見鏡の前で、不釣合いな大きさの鞄を横に並べた水銀燈が言った。
「自分で自覚あったの? 嫌な女だ、って」
僕の寝具の隣に鞄を置いている水銀燈の背に聞いた。
「……なんの話だかさっぱりねえ」
まあ、別にいいんだけどね。
「それと、その、なんだろうな」
なにかしら、と水銀燈が振り返った。
「また会えて嬉しいよ。お帰り。」
水銀燈は口をムニムニと動かして「ただいまぁ」と言った。
水銀燈も帰ってきたし、朝食でも作ろうかな。
コタツから抜け出して台所に立つと、水銀燈が僕の名前を呼んだ。
「ねえまさゆき」
振り返ると、「これからも、よろしくねえ。」
「ああ、こちらこそよろしくね。水銀燈。」 -- 名無しさん (2008-12-31 22:25:45) - 水銀燈と 後編
終りですお疲れ様でした -- 名無しさん (2008-12-31 22:27:56) - 今まで、本当にありがとうございました。
長い間音沙汰なしに席を外していたことについては、心よりお詫び申し上げます。
去年の7月から始めたこのシリーズですが、今回を持ちまして終わりです。
今まで読んでくれた人達、まとめてくれた人、月の初めにコメントを置いてくれた人。
あなた方が居なければ、こんなに長ったらしく続ける事叶わなかったです。
改めてお礼申し上げます。
さて、水銀燈と俺シリーズは終りですが、僕と水銀燈との生活は終りではりません。
これからは「水銀燈とそれから」と冠を代え、一区切りがつくまで話を続けるのではなく、
僕と水銀燈との生活をデッサンするような、日記に近い形で続けようとかと思います。
「もうこれ以上付き合いきれないぜ」という方は、今まで見せた終わり方からお好きなものを選び、それを最後としてください。
あなたの中の僕と水銀燈との物語はそこで終わります。
これからも僕らを見守ってくれるという方は、http://tosorekara.blog54.fc2.com/にどうぞ。
更新頻度は高めにする予定です。
今まで支えてくれたまとめの人、応援してくれた人達。
本当にありがとうございました。
またどこかで会える事を信じて。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:31:21) - 水銀燈をぎゅっと抱きしめたい
終りです、本当にお疲れ様でした。 -- 名無しさん (2008-12-31 22:31:39) - お疲れ様
あけましておめでとう -- 名無しさん (2009-01-03 02:01:10) - お疲れ様でした
だが俺のストーキングはまだ終わらない -- 名無しさん (2009-01-15 22:36:05) - 大好き!まーくん大好き! -- 名無しさん (2009-01-29 04:02:11)
- たまに着てみたらこんなサプライズが
面白かったよ。ありがとう -- 名無しさん (2009-02-05 14:50:04) - そや、ソは無くなってしまうん? -- 名無しさん (2011-02-11 21:23:46)
- まあ、気が向いたらうpったりしまちゅわ… -- 名無しさん (2011-04-26 05:21:08)
- りぼん始まるよ! -- 名無しさん (2011-11-07 23:41:48)
- 信仰心が試されている…!?(動揺) -- 名無しさん (2011-11-08 14:43:20)
- こことローゼンメイデン過去ログ倉庫見てると泣ける
あの時代はもう帰ってこない -- 名無しさん (2012-06-26 00:35:33) - 泣きたくなるけど未来を信じて今は泣かない -- 名無しさん (2012-06-28 00:14:47)
- アニメ化とアメリカって似てるよね -- 名無しさん (2012-11-20 23:21:47)
- アニメ化するね -- 名無しさん (2013-05-20 04:50:32)
- アニメは4巻までかな -- 名無しさん (2013-08-06 02:33:49)
- 連載が終わるとか聞いた -- 名無しさん (2013-11-23 01:41:07)
- これまで積み上げてきた物あってこそとは思いますが、
個人的に過去最高の回でした。本当によかった
雪華綺晶の世界が崩れていくシーンがね、もう… -- 名無しさん (2013-12-02 07:53:32) - 「水銀燈とそれから」が消えてしまっていますね
残念です
過去ログ倉庫も縮小されていますし -- 名無しさん (2014-04-27 16:25:41) - 残念ではあるけど、思い出はいつも胸の中にあるから寂しくないよ
そんな強がりを言ってみる -- 名無しさん (2014-05-10 00:57:46) - 筆を折ってしまったのだろうか
それともまだどこかで小説を書いているのか -- 名無しさん (2014-08-19 10:15:19) - 夢は夢のまま -- 名無しさん (2014-12-10 01:59:04)
- あれから何年も経ったけど、彼と彼女への感謝の気持ちは変わらない -- 名無しさん (2015-06-20 00:38:20)
- こういうのをずっと見てきてるから
昨今の二次創作の自分×相手に対しても
あまり辛辣な感想持たないのかなとか思ったり
しかし8年か・・・ -- 名無しさん (2015-06-26 15:26:44) - http://mounatutarou.tumblr.com/post/124839594450/ -- 名無しさん (2015-07-25 12:49:08)
- 何だってんだ!嬉しいじゃないか!
しかし上手く言えないけど不安感が増してきたね…大丈夫? -- 名無しさん (2015-09-06 00:24:20) - どうも、ごぶさたしておりました。おかわりないようで
わたしのほうは、ぼちぼちやっております -- 名無しさん (2015-09-16 21:35:23) - ローゼンメイデン新連載始まるってよー! -- 名無しさん (2015-12-17 23:38:40)
- 久々に更新来てて嬉しい。超嬉しい。 -- 名無しさん (2016-08-17 12:07:04)
- 明けましておめでとう。今年も更新待ってる。超待ってるよ! -- 名無しさん (2017-01-05 02:11:57)
- 最近は小説家になろうとかカクヨムとか行くんだけど、まーくんもそっちで書いてたりするのん? -- 名無しさん (2018-01-30 10:56:02)
- 明けましておめでとうございます。
もうずっと、本当に長いこと(ほんとにごめんなさい)ご無沙汰しておりました。
結構前にパソコソがぶち壊れてから、書かなくなりました。
書かなくなる前は、有名どころの二次創作をちょこっと書いたくらいで、こちらはサッパリでした。
ですからなろうで書いてはいないのですが、最近なろう小説をオススメしてもらい、読んでおります。完読しておりませんけど、イリュージョニスト面白いですね。
他におすすめあったらおしえて( ´∀`)人
大きな画面でネットで辞書引きながら遅延なくバシバシ文字打ち込める環境を手に入れたら、また書きたいですね。チャオ! -- 名無しさん (2018-04-01 21:23:26) - ヤッター!まーくんだー!あけおめー。
元気そうで安心したよ。
また書いてくれるの、いつでも待ってるから!
なろうだとicecrepeさんの作品が好きだなぁ…。
イリュージョニストってのも読んでみるよ!ありがとう!
-- 名無しさん (2018-04-04 13:51:29) - アリュージョニストだった、恥ずかしい…
もうこっちが長すぎて全然読めてないんですけど、アイスクレープ氏はプロなんですね。小学生みたいな、凄いなあ、と感想を素直に抱いてしまいました。教えてくれてありがとう!
あなたも、何かお書きになられているのではないですか?勘違いならごめんなさい。もし正しければ読んでみたい -- 名無しさん (2018-04-12 23:23:10) - アリュージョニスト!作者は最近さんであってるのかな?
どれだろう…?って、めっちゃ探してたよw
早速読んでみたいけど大長編だねぇ。ゆっくり楽しんでみるよ。
icecrepeさんの話は、詳細で臨場感ある文章とキャラが魅力的で好きなんだよね。
残念ながら僕自身は物書きではないのだけれど、ファンタジーや二次創作で書きたい願望は有るんだ。
少しずつ書いてみようかな。きっと稚拙な文章になるだろうけど、まーくんに読んでもらえるなら頑張るよ!
気長に待っていてくれると嬉しいな…。
-- 名無しさん (2018-04-13 22:41:02) - そう!その方です。「ちょっと」を「ちょと」と書き損じていたくらいだし、実際よくある勘違いインシデント。ヒロインの魔女二人が可愛くて頑張ってるけど、完読はいつになるやら…
なるほど、これから書かれる方だったんですね。ぼくはてっきり、こんな所に居るくらいだから、カタギの人じゃないのかと( ´∀`)フフ
ぼくでよかったらいつでも読むよ。気長に待つのは、戦闘妖精雪風で慣れてるからね! -- 名無しさん (2018-04-15 21:57:41) - アリュージョニスト面白いね!読み始めたばかりだけど、睡眠時間がガリガリ削られていくぅ…。
そして僕が物語にハマるきっかけになるのは、今も昔も変わらずまーくんなのですよ!
とはいえ、なろうやカクヨムを嗜む程度の若輩なので、戦闘妖精雪風までは知らなんですけど。ほんと戦闘機好きだねぇ。
それじゃあお言葉に甘えてじっくり書かせていただきます。忘れた頃に来るよ!また来るよ! -- 名無しさん (2018-04-17 23:21:04) - そんな風に言って頂けるなんて、勲章ですよ。
戦闘妖精雪風は、戦闘機というよりも、機械と人間が互いを探り認め合う、いわゆる人外との恋みたいな奴です。完結済みのOVAもあって、こっちは作者旧来の著作っぽい締め方をしているので、無難な感じに落ち着いてるんですけど、雪風3作目アンブロークンアローで完全にこれまでを超えてきて、めちゃ熱いんです。特にラストが美しい。あと物理書籍はスマッホより視力の低下がゆるやかな気がするので、おすすめです。
じっくり書いてね、楽しみにしてるよ! 挫けそうな時は、逆噴射先生のコラムを読んで奮い立たせて。
でも(なるべく)忘れる前にきてね…( ´∀`) -- 名無しさん (2018-04-20 23:16:41) - そんなに熱く、しかも人外との恋愛だなんて言われたら読むしかないじゃない!
また連日寝不足街道を歩む事になりそうだ…。もちろん迷わず物理書籍を購入させていただくぜ。
逆噴射先生のコラムって何ぞや?とスマッホンで調べてみたけど…、調べた上で何だかよく分からないけど凄いねこの人。
忘れた頃とは言ったけど、アイディアまで忘れちゃうとマズイから、そう遠くない内に来るよさ。ヨロチク!
-- 名無しさん (2018-04-24 01:07:00) - もう七月ですよ、七月 -- 名無しさん (2018-07-18 00:06:19)
atwikiでよく見られているWikiのランキングです。新しい情報を発見してみよう!