唯澪@ ウィキ

無題(33)

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匿名ユーザー

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無題(33)


ゆいたんSS

 唯「いやぁ、あずにゃんも大きくなっていくんだねぇ」
 律「ここは小さいけどな!ぐへへへ!」
 梓「律先輩には言われたくないです!それと唯先輩もおばあさんみたいなこと言わないでください!」

今日は梓の誕生日。
夜遅くまで梓の家で祝っているというか居座ってるというか……
もう11時になりそうなんだが。

 澪「そろそろ11時だからそろそろ帰ったほうが……」
 唯「ふぇ?もうそんな時間!?」
 梓「気付いてなかったんですね。はぁ」
 紬「私は皆でお泊りしてもいいと思うわ。フフフ」
 純「ごめんなさい、私は帰ります……」
 憂「でも明日も学校ありますよ?」
 唯「残念だよあずにゃん。私は帰らないといけないの」
 澪「夜遅くまでお邪魔してごめんな梓」
 梓「……いえ、楽しかったです。ありがとうございました」
 律「これから二次会だぜー!」
 澪「いい加減にしろ!」
 唯「ふっふっふ、次は私の誕生日だよ」

唯が早速自分の誕生日の話を始める。
ちょっと気が早くないか?

 紬「大きなケーキ持ってくるわね」
 律「唯の誕生日プレゼントはもう決まってるぞー」
 唯「え?なになに?」
 律「それはお楽しみだろー」
 唯「えぇー。けちー!」
 梓「いきなり自分の誕生日の話ですか、気が早いですね」
 唯「あずにゃんは何をくれるのかなぁ?ふへへ」
 梓「そんなの決めてません。良いから離れてください」
 唯「うう~。澪ちゃんは~?」
 澪「え?ああ。梓と一緒で何も決めてないよ」
 唯「美味しい物だったらなんでもいいよ!」
 澪「食べ物限定!?」
 唯「そんなことないです。でも甘いもの食べたいなぁ~って」
 澪「ケーキはムギが持ってくるみたいだし、私は違うの考えておくよ」
 唯「うん!楽しみにしてる。じゃあ帰ろう、あずにゃんばいば~い!」

翌日

唯への誕生日プレゼントを探すために店を回ることに。
う~ん、服っていうのもなぁ?
唯といえば可愛いの好きそうだし、そういう物の方がいいかな。
結局、決められずにうろうろしていると

 唯「澪ちゃん!」
 澪「うわぁぁぁ」
 唯「おはよ~」
 澪「いきなり後ろから話しかけないでよ。唯も買物か?」
 唯「かわいい服ないかな~って」
 澪「私はまぁ誕生日プレゼントを探してたけどなかなか見当たらなくてさ」
 唯「楽しみ~♪服合ってるか見て欲しかったんだけど、良いかな?」
 澪「あぁ、いいよ。行こうか」
 唯「わーい!行こう行こう!」

 唯「とーちゃくー」
 澪(……さっきも来たんだけど)
 唯「これどうかなぁ?」
 澪「11月なのにそんな薄いので大丈夫か?」
 唯「じゃあ、どんなのがいいだろう」
 澪「これはどうだ、かわいいし似合ってると思う」
 唯「良いかもー!けど、私こんなに胸大きくない」
 澪「ごめん、じゃあこっち」
 唯「私も澪ちゃんくらいあったらなぁ、はぁ」
 澪「根に持たないでくれ……」
 唯「なーんてね!試着してくる」

 唯「じゃーん」
 澪「うんうん、いい感じ。そうだ、プレゼントそれにしようか?」
 唯「だーめ。誕生日より前に分かっちゃったらつまらないもん」
 澪「結構難しいよなこういうのって」
 唯「喜んでくれるかとかちょっと気になるよね」
 澪「梓の誕生日の時も一週間位悩んだよ」
 唯「私は即決だったよ!それじゃあ買ってくるからちょっと待っててね」
 澪「あぁ」

 唯「お待たせー!」
 澪「この後どうしよっか。もう帰る?」
 唯「もうちょっといろんな店見ておこうよ」
 澪「そうだな。あっちの方でも行ってみようか」
 唯「あっちに美味しいケーキ屋さんがあるんだよ」
 ・
 ・
 ・
 唯「わぁー、綺麗」
 澪「ん?……指輪か」
 唯「付けてみたいなぁ」
 澪「唯って、意外とすぐ結婚して指輪付けてそうなイメージがあるよ」
 唯「えー?美人でかっこいい澪ちゃんのほうが早く結婚しそうだよ」
 澪「結婚だなんて……。想像できない」
 唯「どっちが早く指輪をつけるか競争しよう!」
 澪「えぇー!」

突然唯と競争することになってしまった。
まだ高校生なのに早過ぎると思うんだが……。
私からしたら唯のほうが早いと思うんだけどなぁ。

 唯「それにしても綺麗……」
 澪「値段は、いち、じゅう、ひゃく……ゴクリ」
 唯「うーん。私たちにはまだ早そう」
 澪「前みたいにバイトしたらすぐ買えるかもしないぞ」
 唯「でも私たち受験生ですし」
 澪「おぉ、唯がまともなことを言った」
 唯「ふふん」
 澪「褒めてないんだけど……」
 唯「もうこんな時間!澪ちゃんごめん、帰るよ!」
 澪「分かった。また明日な」
 唯「まったねー♪」

翌日
私は昨日唯と一緒に見た指輪のある宝石店を訪れた。
昨日のは……うん、やっぱり手が出ない値段だ。
店に入り自分でも手の出せそうな値段の物を探した。
5000円……、これくらいかな。

 澪「これお願いします」
 店「かしこまりました。名前入れもできますがいかがしますか?」
 澪「はい、Yui Mioって入れてください」
 店「少々お待ちくださいませ」

唯が指輪を見ていた時の目は、ギー太を見つけた時の目に似ていた気がする。
気のせいかもしれないけど。
私と唯の名前が掘られた

誕生日前日・放課後

 唯「明日いよいよ私の誕生日!」
 梓「いちいちアピールしなくても分かってますよ」
 律「あーあ、これでまた唯とは同い年になるんだなー」
 唯「澪ちゃんにとっては年上になるんだよね」
 澪「勉強でも年上と感じれるくらい頑張ってくれたら嬉しいけど」 
 唯「お姉ちゃんって呼んで欲しいな」
 澪「やだ」
 唯「えー、なんでなんでー」
 澪「誕生日は明日だろ。まだ同い年だ」
 唯「じゃあ、明日呼んでくれるんだね♪」
 澪「なんでそうなるんだー」
 ・
 ・
 ・

明日は唯の誕生日。
プレゼントも準備できたし、もう寝よう。
しかしよくよく考えてみると、指輪って婚約とか結婚の時に渡すものだよな。
これをみんなの前で渡すと……。
律が茶化す、ムギが興奮する、梓は……なんだろう。
だんだん恥ずかしくなってきたぞ。
持っていかないほうがいいのかな。

当日

私はいつもの通り律と一緒に唯の家へ向かった。
結局プレゼントは持ってこないで机の下に。
私たちが着くと梓と憂ちゃんと純ちゃんが出迎えてくれた。
和はいないどうしたんだろう。
結局和は時間になっても現れなかった。

 律「唯、誕生日おめでとー!」
 唯「いぇーい!」
 紬「唯ちゃん誕生日おめでとう。特製のケーキ持ってきたの~。
   まずはこれを食べましょう」
 唯「お、大きい……!」
 憂「お皿持ってきますね」
 梓「私も手伝う」
 憂「ありがとー」
 律「じゃあ、その間に私からのプレゼントだ。受取りたまえ」 
 唯「かたじけない」
 律「うむ」
 唯「何かな何かな~」
 律「ふっふっふ」
 唯「……これは」
 律「カチューシャだぜ!」
 唯「やだ。おでこやだ」
 律「なにー!ほら!つけろ!」
 唯「きゃーーー!」
 律「おうおう、似合う似合う」
 唯「うっうっ。もうお嫁に行けない」
 梓「帰ってくるとなんだか騒がしい……」
 澪「律が唯に無理矢理カチューシャつけてさ」
 梓「はぁ……」
 唯「あずにゃん、これどうぞ……」
 梓「にゃ!」
カチューシャを付けられた梓はやっぱり少し印象が変わるな。
 澪「梓が梓っぽくなくなった」
 梓「いい加減にしてください。私からのプレゼントはこれですよ」
 唯「なんだろ~?ふふふ~ん♪」
 梓「ファイルノートです。大学入っても勉強頑張って下さい」
 唯「あずにゃ~ん。分かった!頑張って勉強するよ!」
 憂「お姉ちゃん私からはこれ」
 唯「わぁ」
 憂「そのバッグで大学行ってね」
 唯「ありがと、憂!じゃあ純ちゃんも勉強で使うものなんだね」
 純「ごめんなさい。こんなものです」
 唯「わぁ、ドーナツだ」
 純「もう、二人でそういう方針決めてるなら言ってよね!」
 梓「決めたつもりはなかったんだけど」
 憂「たまたまだよ?」
 純「ふーん。あ、先輩、私もドーナツ食べてもいいですか?」
 唯「皆で食べよー」
 純「一度食べてみたかったんですよ」
 律「私これー!」
 ・
 ・
 ・
 律「じゃ~最後は澪の番だな」
 唯「わくわく」
 澪「ごめん。何も持ってきてないんだ」
 唯「ほえ!?」
 澪「色々考えたんだけどさ、何がいいか分からなくて」
 唯「そっかぁ……」
 澪「代わりと言ってはなんだけど明日一日唯のお願いならなんでも聞いてあげるぞ」
 唯「それはつまり……、澪ちゃんレンタル券みたいな?」
 澪「う~ん?よく分からないけどそんな感じ」
 唯「ほんとに!?何でもいいの!?」
 澪「良いけど、痛いのとか怖いのはなしだからな」
 唯「そんなことしないよ。一緒に朝御飯食べて~お昼ごはん食べて~」
 紬「夫婦みたいね!」
 梓「律先輩、こんなのでいいのでしょうか……?」
 律「しーらね」
 唯「じゃー、澪ちゃん明日の朝8時にうちに来てくれる?」
 澪「分かった。ちゃんと起きておくんだぞ」
 唯「それが目覚まし代わりです!」
 澪「よし、6時半に行こう」
 唯「えぇー」

翌日
 6時半はさすがに早過ぎるだろうし、7時半に来た。
 さすがに起きてるよな。
 ピンポーン
 憂「は~い、すぐ開けますね」
 澪「おはよう、憂ちゃん。朝早くからごめんね」
 憂「いえいえ、お姉ちゃんのためですから。」
 澪「お邪魔しま~す」
 憂「お姉ちゃんなら部屋で、……多分寝てます」
 澪「唯らしいな。じゃああがるよ」
 ・
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 ・
 澪「ゆい~、起きてるか?」
 唯「ぐーぐー」
 澪「起きてるんだろ~?」
 唯「zzz」
 澪「起きないと布団剥ぐぞ~」
 唯「もう食べられないよう」
 澪「いい加減にしなさい!」ガバッ
 唯「zzz」
 澪「ほんとに寝てるし」
 唯「うふふ」
 澪「朝だぞ~、早く起きないと帰るからな~」
すると唯は起き上がり、眠気まなこでこちらに目を向ける。
 唯「んんぅ、それは駄目」
 澪「ようやく起きたか」
 唯「おはよう澪ちゃん」
 澪「おはよ。もうちょっとで帰るところだったぞ」
 唯「めざまし澪ちゃんが夢だったの~」
 澪「それムギの真似か?あんまり似てないけど」
 唯「うぅ……。さぁ、まずは一緒に朝食を食べよう」
 澪「もう家で食べてきた」
 唯「もう一回食べようね!」
 澪「えぇー。太るよ……」
 唯「その時は一緒にダイエットすればいいんだよ」
 澪「唯の三日坊主が目に浮かぶ」
 唯「憂~。もう出来てる~?」
 憂「出来てるよ~。澪さんの分も作ってますので食べていってくださいね」
 唯「憂も作ったって言ってるし一緒に食べよ?あ、ちょっと待ってね。着替えるから」
 澪「ああって、うわああ!人前で脱ぐなああああ!」
 唯「澪ちゃんやだなー。一緒にお風呂入った仲じゃない。うふふ」
 澪「お風呂とこれとは違うぞ!」
 唯「お待たせー!じゃあ行こっか」
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 澪「おぉ、美味しそう……」
 憂「ちょっと作りすぎたかもしれません」
 唯「大丈夫だよ。余ったら私が全部食べるから」
 澪「それじゃあ頂きます」
 唯「いただきま~す」
 澪「うん、美味しいよ。さすが憂ちゃんだね」
 憂「えへへ、良かったです。お姉ちゃんもそれ大好きなんですよ?」
 澪「へぇ、どっちかと言えば唯って野菜嫌いな感じしてたんだけど」
 唯「ふふん」
 憂「はい、澪さんあ~んしてください」
 唯「憂ずるい!私も~!」
 澪「ま、待って!んぐぐぐぐ。」

なんとも賑やかな朝食が終わり、唯の部屋に。
結局出てきたものは美味しかったのと二人が食べさせてくるもんだから食べきってしまった。
もう満腹で動けない……。

 唯「お腹いっぱいだね~。じゃあ、次のお願い良いかなぁ」
 澪「良いぞ」
 唯「えっと、英語でちょっと分からないところがあるんだけど教えてくれる?」
 澪「唯にしては珍しく勉強なんだな」
 唯「んんー、だって先生が基本的な所って言ってたし、みんなの前じゃ聞けないよ」
 澪「なるほど……。じゃあ見せてどこだ?」
 唯「えーっとね、ここなんだけど……」
 澪「ここはね」
 ・
 ・
 ・
 唯「ふー。疲れたー」
 澪「唯にしては頑張ったな。途中でうとうとしてたみたいだけど」
 唯「でも初めて教えてもらった時みたいには寝なかったんだよ」
 澪「じゃ、次はどうする?」
 唯「お昼寝ターイム!」
 澪「まだ10時なんだけど」
 唯「お朝寝ターイム!」
 澪「やれやれ」
 唯「さあ私の布団にいらっしゃ~い」
 澪「一緒に寝るの!?」
 唯「お願いだからいいよね?」
 澪「今日だけなら……」
 唯「寝顔みてるといつもはーとどきどき♪」
 澪「変な替え歌にするなあああ」
 ・
 ・
 ・
 唯「澪ちゃん、いつまで寝てるのー?」
 澪「……今何時?」
 唯「お昼の1時半だよー」
 澪「そう、ってうわああああ」
 唯「おはよう澪ちゃん、憂がお昼ごはん出来たって」
 澪「うぅ、寝過ぎた」
 唯「澪ちゃんの寝顔見てるといつもはーとどきどき♪」
 澪「だからそれは良いって!」
 ・
 ・
 ・
お昼ごはんを食べた後は唯と散歩することに。
一階に降りた時に、憂ちゃんにおはようございますって言われたから寝てたの知ってるんだろうなぁ。
散歩の後は、唯の家でゆっくりすることに
 唯「もう夕方になっちゃったね」
 澪「そうだな」
 唯「じゃあ次のお願いはねぇ」
 澪「ん」
 唯「澪ちゃんちでお泊りすること!」
 澪「えぇぇ!」
 唯「駄目かなぁ」
 澪「……ちょっと待ってて電話してくる」
 唯「どきどき」

 澪「ママ?あのさー、……」
 ・
 ・
 ・
 澪「構わないってさ」
 唯「やったー!そいえば澪ちゃんってお母さんのことママって呼ぶんだね」
 澪「……い、いや、お母さんって呼ぶ」
 唯「ほえ?さっき聞こえたんだけど……」
 澪「空耳だ!行くなら行くぞ!」
 唯「待って~。用意するから」
 澪「でも私の家で何を?」
 唯「ん~。あんまり澪ちゃんち行ったことないしいい機会かなと思って」
 澪「でも普通の家だから変わったものはないと思うぞ」
 唯「いいからいいから」
 ・
 ・
 ・
澪宅
 唯「お邪魔しま~す」
 澪「唯と二人っきりっていうのも初めてかも」
 唯「この前の時は軽音部の皆もいたし、そうだね」
 唯「それじゃー、最後は私と一緒にケーキを食べてもらいます」
 澪「……そんなのでいいのか?」
 唯「ふっふっふ。このケーキを切らずに一緒に食べるの」
テーブルの上にはショートケーキ、ではなく丸型のバースデーケーキが置かれていた。
 澪「……ゴクリ」
 唯「はい、フォーク」
 澪「ありがとう。それにしても大きすぎないか?」
 唯「大丈夫だよ。ケーキは別腹だから」
 澪「じゃあ一口……」
 唯「私もー」
 澪「うまい!」
 唯「おいしー!」
 澪「これならなんとか食べきれそうかも」
 唯「ねぇ、そっち行ってもいーい?」 
 澪「うん?別にいいけど食べにくく……」
 唯「よいしょっと、はい、あ~ん」
 澪「なっ」
 唯「いや?」
 澪「嫌じゃないけどさ」
 唯「私のケーキが食べられないのか!!」
 澪「全然迫力ないんだけど……」
 唯「むうー。無理やりいれてやるー」
 澪「こら、やめ。んむー!」
 唯「はっはっは、参ったかー澪ちゃん!んむー!」
 澪「恩返しはきちんとしておかないとな」

いつまでも唯にやられっぱなしというのも負けた気がするのでやり返してみた。
少しは大人しくなるだろうか。

 唯「ありがとう!」
 澪「えぇっ」
 唯「澪ちゃんがこんなことしてくれるなんて思わなかったよ」
 澪「その、まぁ、それは」
 唯「んふふ♪」

結局喜ばせてしまったらしい。
しかし良く考えてみると唯の使ったフォークで私がケーキを食べて
私が使ったフォークで唯がケーキを食べて……
これってか、か、か……!

 澪「か、か、か……」
 唯「澪ちゃん?どうしたの?顔赤いよ?」
 澪「な、なんでもない!早く食べるぞ!」
 唯「おー!」

 唯「苺はケーキで一番大切なんだよね」
 澪「夏期講習の頃に和に食べられたんだよな。私もムギに食べられちゃったし」
 唯「和ちゃんったらひどいんだよ」
 澪「悪気はなかったはずなんだからさ、許してやりなよ」
 唯「でもねでもね」

その後長い長い苺についての話が始まった。
よく分からないけど一番大きな苺は最後まで残しておくらしい。
それを残して私たちはバースデーケーキを完食した。

 唯「ふうー満腹」
 澪「私も……もう食べられない」
 唯「あれえ?澪ちゃんほっぺにクリームついてる」
 澪「え?」
 唯「ちゅっ」
 澪「……な」
 唯「ごちそうさまでした~」
 澪「なぁ」
 唯「うん?」
 澪「唯はそういうことして、恥ずかしかったりしないのか?」
 唯「そういう事って?」
 澪「ほっぺについてるクリームを口で取ったり、自分の使ったフォークで
   食べさせたりさ」
 唯「おぉ……。言われてみれば」
 澪「私あんまりそういうことされたことないからドキドキするんだ」
 唯「えへへ。私も言われて恥ずかしくなってきちゃったよ」
 澪「ジュース持ってくるよ」
 唯「うん!……ってあれれ?これは何かな」

ジュースを取りに部屋を出ようとしたけれど、唯が何かを見つけたようで
気になって振り返ると例のプレゼントを見つけてしまったらしい。 

 澪「あ!それは!」
 唯「プレゼント?Yui Mioって」
 澪「うわあああ」
 唯「これって私に?」
 澪「うん、まぁ」
 唯「開けたら困る物なのかな」
 澪「元々渡そうとしてた物なんだけど、ちょっと中身が」
 唯「見ても大丈夫?」
 澪「良いよ。隠すものじゃないし」
 唯「……わぁ」
 澪「あの日、指輪が綺麗って言ってた唯の目が忘れられなくてさ、次の日また行ったんだけど、
   高校生の私に買えるのはやっぱり安くて、何もついてないそんな感じのだったんだ。
   金曜日の部活終わるまでは普通にそれを渡そうと思ってたんだけど、家に帰ってから考えてみると
   指輪って婚約とか結婚とか、そういう時に渡すものだろ?
   なんだか恥ずかしくなっちゃって、それで持って行けなかったんだ」
 唯「えへへ。それでも嬉しい!つけてもいい?」
 澪「うん、指の大きさ合ってるか?私の指のサイズよりちょっと小さめのにしたんだけど」
 唯「バッチリ!わぁー……」
 澪「そう言えば、私と唯どっちが先に指輪付けるかって言ってたけど、私の言う通りになったぞ」
 唯「えぇー、澪ちゃんずるいよ!いいもーん、澪ちゃんの誕生日にお返しの指輪買ってあげるから」
 澪「そこまでしなくても……。渡すときは二人きりの時にな」
 唯「うん♪あれ?紙みたいなのが入ってるよ」
 澪「それは私が唯のために書いた詞だよ。結構自信作なんだけどー……」
 唯「ほんとに!?嬉しいよ!……どれどれ」
 澪「ど、どうかな」
 唯「すごく……良い……」
 澪「本当!?」
 唯「澪ちゃん!」ギュー
 澪「ゆ、唯?」
 唯「私嬉しすぎて泣きそうだよう……」
 澪「えっとその、私も嬉しいよ」
 唯「そうだ、苺余ってるんだった。たーべよっと」パク
 澪「あっ。んぐ!?」
 唯「ん……」

なんだかいい雰囲気になってるところで突然苺を食べだしたと思ったらその苺を口移しされた。
どう反応していいか分からず、少しの間口に苺を入れてそのまま固まってしまった。
何か話しかけようにも私の口は唯に塞がれていてなにも言葉を発することは出来なかった。
なんとか食べようと咀嚼を始めると、出てきた苺の果汁を求めて吸い付いてくる。

 唯「ぷはぁ」
 澪「ふぅ」
 唯「あ!変なことしちゃった……」
 澪「唯……」
 唯「私帰る!」
 澪「待って!」
 唯「きゃっ」
 澪「なんで帰るんだ」
 唯「で、でもぉ」

 和「あ、唯、昨日誕生日だったのよね。忘れてたから今日買ってきたんだけど……」

唯の上に私が覆いかぶさってるような形になっていたところに、突然和が私の部屋に入ってきた。

 和「ごめんなさい、間違えました」
 澪「ま、待って!」
 和「プレゼントだけでも置いて行くわね」
 唯「あ、のどかちゃん」
 澪「こ、これは成り行きで」
 和「二人ももう子供じゃなくなってきてるんだから良いんじゃないかしら」
 澪「私達はまだそんな仲じゃなくて」
 唯「うん、そうだよ!まだ、まだね!」
 和「二人とも慌てないの。私はこれ私に来ただけだからまた明日学校でね」
 唯「うん……。ありがとう和ちゃん!」
 澪「また明日。詳しいことはまた後日話すよ」
 和「無理に話すことはないわよ。じゃ、またね」バタン

 澪「帰っちゃったな」
 唯「うん」
 澪「あ!ごめん、ずっと上に乗ってた」
 唯「ねぇ、澪ちゃん」
 澪「どうした?」
 唯「私たちまだ友達同士なんだよね」
 澪「そうだけど……?」
 唯「恋人同士にはなれないのかなぁ」
 澪「何を言って……」
 唯「澪ちゃんの味が忘れなくて、って、あわわ、なに言ってるんだろ」
 澪「唯……」
 唯「澪ちゃん!」
 澪「はい!?」
 唯「ちゅーしよう!」
 澪「な、な」
 唯「最後のお願いだよ」
 澪「その……」
 唯「明日からは普通でいいから、ね?」
 澪「うん、分かった。そ、その前に和のプレゼント開けなくていいのか?」
 唯「そうだった。何かな何かな~?」
 澪「こ、これは!」
 唯「せんべい……」
 澪「お茶持ってくるよ」
 唯「かたじけない」

バリバリ
ズズー

 唯「おいしい」
 澪「けど誕生日プレゼントっていう感じがしないぞ」
 唯「そうかなぁ?和ちゃんはいつもこんな感じだよ?」
 澪「へ、へぇ。なぁ唯、ほんとにやるの?」
 唯「えへへ。それだと嬉しいな」
 澪「じゃあ、目瞑って」
 唯「うん」
 澪「ん……」
 唯「んぅ……」
 澪「ど、どうだ……?」
 唯「頭がぼーってする」
 澪「私も……」

翌朝
どうやらあのまま眠ってしまったらしく、目を覚ますと唯と抱き合っていた。
服の乱れはないから、それ以上のことはしなかったんだと思う。

 澪「唯。起きないと遅れるぞ」
 唯「うぅん……おはよう」
 澪「おはよ」
 唯「昨日はありがとう」
 澪「私も楽しかったよ」
 唯「澪ちゃんの誕生日の時はちゃんとお返しするね」
 澪「そうだ、ちょっと目閉じてくれる?」
 唯「ほえ?こう?」
 澪「ちゅ」
 唯「ふええええ!な、な」
 澪「二人だけの時なら、こんなこともやっていいかな……」
 唯「ほんとに!?ほんとに!?」
 澪「でも皆には内緒だからな!」
 唯「うん、隠せる自信はないけど」
 澪「まぁ、その時は……諦めるよ」
 ・
 ・
 ・
学校に持っていく荷物を取りに行くために一度唯の家に向かうことになった。
玄関の前でも少しスキンシップを取ったりもした。
 唯「こんなに朝早くに外出るの久しぶり~」
 澪「暑いのも寒いのも苦手なんだっけ」
 唯「冬は澪ちゃんに温めてもーらお」
 ガチャ
 律「おっはよー澪ー!って唯じゃねーか!」
 唯「おはよーりっちゃん!」
 律「朝帰りだと……」
 澪「そんなんじゃない!」ゴツン
 律「いってぇー!」
 唯「見て見てりっちゃん、澪ちゃんがくれた指輪だよ」
 律「こんにゃく……!」
 澪「あぁ、一番バレたくない人にバレてしまった」
 律「話を聞かせてもらおうか」
 唯「観念しなよ澪ちゃん」
 澪「なんで唯は向こう側につくんだよ!」
 律「はっはっはー、これで私たちの勝ちだぜー」
 唯「あ、家に帰らなきゃ!」」
 澪「じゃあ律、私は唯と一緒に唯の家に行くから」
 唯「行こう、澪ちゃん!」
 律「こら、話を聞かせろー!」

 おわり

澪誕の時に続きを書くかもしれないです。


初出:3->>338

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