解説
- 「やがて近習が優れた楽人を連れてその場に現れた。ムーサはこの楽人をこよなく愛し、善きことと悪しきこととを合わせて与えた。すなわち、その両目の明を奪った代わりに、甘美な歌を与えたのであったが、……」(オデュッセイア第8歌より) デモドコスは盲人として描かれた。自画像と考えられるこの描写にもとづいて、ホメロスは後のギリシャ人に盲目であったといわれたのだろう。
オデュッセウスでのエピソード
- アルキノオスの屋敷で宴が開かれた。デモドコスは「オデュッセウスとアキレウスの言い争い」を歌った。それから、戸外で競技会が行われた後、歌と踊りが始まり、彼は「アレスとアプロディテの恋物語」を歌った。その後の宴の席では「トロイア戦争の物語」を歌った。(第8歌)