桜場コハル作品エロパロスレ・新保管庫

ハツコイ

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coharu

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「え? 俺は保健委員かよ」
第一印象としては可もなく不可もなくってとこかな。普通の男の子となんら変わらないだろうし、自分の接し方もそうだろう。そう思っていた。
「佐藤君、よろしく」
思えばこれが最初の会話だったかな。私がした、不器用な会話。この時は彼に対してはそれほど興味はなかった。


新学期は始まったばかりなので、季節は4月。桜がいっぱい咲いている。
「あは、綺麗だなぁ」
つい口から零してしまう。ボクは結構花とかに興味はないんだけど、こんな大きく咲いてるんじゃ見るしかないよね。
ひらひらと落ちてくる花びら。一枚一枚は色も、形も同じようで微妙に違うんだよね。
その中を君は歩いてたっけ? ボクは君と初めて出会ったのはその時?
「ヤッホー、保健委員君♪」
「ん? 誰だっけ?」
お互い面識は無かったのに、ボクは君を知りたかった。だって、何か似てるんだよねボクと。


保健委員の仕事が終わると、私は佐藤君と一緒に帰っている。
普段は一緒に帰らないのに。佐藤君は上を向いたまま、私を時折見ながら歩いていた。
「……何?」
「あ、いや……相原って若葉みたいだなって思ってさ」
どういう事かよくわからない。私が若葉?そんな柄じゃないと思うけど……
「花の後じゃ見られなくなっちゃうけど、どんどん強くなるとことかさ」
「……………」
「一回噛みつかれたらどんどん噛んでくように、一回話しをしたらどんどん楽しくなりそうだしよ」
「だから何?」
「うーん……若葉がどんどん生えるみたいに、どんどん相原を見たくなってくるって事だよ」
もう花びらが落ちなくなって若葉がゆらゆら揺らめく。
「佐藤君……やっぱ変だよ…」
もうすぐ夏。私は……若葉のようならもっと大きく、広くなれるよね?
もっともっと、佐藤君を知りたくなってきたな


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