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内田はここ数日の間、マコトと共に歩いた通学路を、息を切らせながら走っていた。
(まさか……マコトくん……)
思い出したように立ち止まり、辺りを見回すもマコトの姿は見えない。内田は焦る。
マコトは学校を休んだ。しかも無断で、となれば思い当たる理由など一つしかない。
きっと告白が上手くいかなかったのではないか。
そしてそのショックで……。
頭の中に過ぎるのは嫌な想像ばかりだ。
(早く探さなくちゃ……)
息を整え、また走り出そうとした時、
「おー、内田じゃないか。そんなに急いでどうしたんだ?」
背後から聞きなれた声がする。同じく学校帰りのカナだった。
「あ、カナちゃん! マコトくん見なかった!?」
内田は直ぐに昨日の状況を知るであろうカナに迫った。
「マコト? いや見てないけど、そう言えばアイツ昨日ウチに来たんだよ。それも珍しく女装もせずに」
「その時何かなかった?」
「ん? ああ、そうなんだよ。アイツ、強引にウチにあがってきたと思ったら、
あろうことかいきなりハルカに告白したんだよ! びっくりしたな、あれには」
「やっぱり……」
「あれ? 内田、お前知ってたのか? ああ、お前も一枚噛んでいたというわけか」
「で……どうなったの?」
「ああ、見事に砕けたよ。こう言うのもなんだが、清々しいくらいの砕け方だったさ」
――やはり。内田の頭の中に、張り切ったマコトの顔が浮かんだ。
「で、どうしたんだ? まさかハルカに振られたショックでマコトが今日学校に来なかったとか?」
カナにしては鋭すぎる指摘だった。
「まあ大丈夫だと思うぞ。マコトもスッキリしたような顔してたし。
帰り際に声かけたけど、そんなに気落ちしたような素振りはなかったけどなぁ。
それに、ハルカも最初はびっくりしてたけど、ちゃんと大人な対応してたし」
(まさか……マコトくん……)
思い出したように立ち止まり、辺りを見回すもマコトの姿は見えない。内田は焦る。
マコトは学校を休んだ。しかも無断で、となれば思い当たる理由など一つしかない。
きっと告白が上手くいかなかったのではないか。
そしてそのショックで……。
頭の中に過ぎるのは嫌な想像ばかりだ。
(早く探さなくちゃ……)
息を整え、また走り出そうとした時、
「おー、内田じゃないか。そんなに急いでどうしたんだ?」
背後から聞きなれた声がする。同じく学校帰りのカナだった。
「あ、カナちゃん! マコトくん見なかった!?」
内田は直ぐに昨日の状況を知るであろうカナに迫った。
「マコト? いや見てないけど、そう言えばアイツ昨日ウチに来たんだよ。それも珍しく女装もせずに」
「その時何かなかった?」
「ん? ああ、そうなんだよ。アイツ、強引にウチにあがってきたと思ったら、
あろうことかいきなりハルカに告白したんだよ! びっくりしたな、あれには」
「やっぱり……」
「あれ? 内田、お前知ってたのか? ああ、お前も一枚噛んでいたというわけか」
「で……どうなったの?」
「ああ、見事に砕けたよ。こう言うのもなんだが、清々しいくらいの砕け方だったさ」
――やはり。内田の頭の中に、張り切ったマコトの顔が浮かんだ。
「で、どうしたんだ? まさかハルカに振られたショックでマコトが今日学校に来なかったとか?」
カナにしては鋭すぎる指摘だった。
「まあ大丈夫だと思うぞ。マコトもスッキリしたような顔してたし。
帰り際に声かけたけど、そんなに気落ちしたような素振りはなかったけどなぁ。
それに、ハルカも最初はびっくりしてたけど、ちゃんと大人な対応してたし」
そんなカナの台詞を聞いて内田は思う。
大丈夫なわけはない。カナにそう見えたのはマコトがその場では虚勢を張っていたからだ。
振られたからとはいえ、ハルカの目の前で落ち込んだりするのは、マコトの男としての意地が許さなかったのだろう。
「まあ内田からもマコトには気を落とすなって言っとい……って、おーい」
カナの台詞を最後まで聞き終えないまま、内田はまた走り出した。
カナはああ言っているが、内田にはマコトの今の気持ちが手に取るようにわかっていた。
失恋の痛みはとてもじゃないがへらへら笑って看過できるようなものではない。
内田にはそれがよーくわかっている。
「……だって、わたしだってそうだったんだから」
そして体育のマラソンでもここまではないというくらいに走りに走り、町中を探し回った挙句、内田はついにマコトの姿を発見した。
マコトは近所の子供達の憩いの場所となっている小さな公園のベンチに腰を下ろしていた。
俯き加減にじっと地面だけを見つめているその様子は、決してアリを観察しているわけではない。
遠目からでもマコトがどうしようもないくらいの負のオーラを発しているのが内田にはわかった。
「――マコトくん」
「ん? ああ、何だ内田か。どうしたの?」
近づいて声をかけると、マコトはぼーっと気の抜けた面持ちのまま反応した。
「どうしたの? はマコトくんの方だよ。今日学校に来なかったでしょ?」
「ん……朝起きて家を出るところまではいったんだけど、どうしても行く気になれなくてさ」
「それで今日はずーっと公園に?」
「うん……」
「…………」
「…………」
大丈夫なわけはない。カナにそう見えたのはマコトがその場では虚勢を張っていたからだ。
振られたからとはいえ、ハルカの目の前で落ち込んだりするのは、マコトの男としての意地が許さなかったのだろう。
「まあ内田からもマコトには気を落とすなって言っとい……って、おーい」
カナの台詞を最後まで聞き終えないまま、内田はまた走り出した。
カナはああ言っているが、内田にはマコトの今の気持ちが手に取るようにわかっていた。
失恋の痛みはとてもじゃないがへらへら笑って看過できるようなものではない。
内田にはそれがよーくわかっている。
「……だって、わたしだってそうだったんだから」
そして体育のマラソンでもここまではないというくらいに走りに走り、町中を探し回った挙句、内田はついにマコトの姿を発見した。
マコトは近所の子供達の憩いの場所となっている小さな公園のベンチに腰を下ろしていた。
俯き加減にじっと地面だけを見つめているその様子は、決してアリを観察しているわけではない。
遠目からでもマコトがどうしようもないくらいの負のオーラを発しているのが内田にはわかった。
「――マコトくん」
「ん? ああ、何だ内田か。どうしたの?」
近づいて声をかけると、マコトはぼーっと気の抜けた面持ちのまま反応した。
「どうしたの? はマコトくんの方だよ。今日学校に来なかったでしょ?」
「ん……朝起きて家を出るところまではいったんだけど、どうしても行く気になれなくてさ」
「それで今日はずーっと公園に?」
「うん……」
「…………」
「…………」
二人の間に気まずい沈黙の空気が流れる。
そこで内田は自分からそれを口に出してもいいものなのか、確信が持てなかったが、意を決して、
「カナちゃんから聞いたよ……」
と、だけ言った。マコトもそれだけで全てが通じた。
「そうか。まあ聞いたとおりだよ。見事に振られちゃったよ」
はは、と自嘲じみた笑みを浮かべながらそう言うマコトだが、内田にはその顔が泣いているようにしか見えなかった。
「最初からわかってはいたんだけどなぁ。ハルカさんからしたらオレなんてただの子供だし。
それでもハルカさん言ってたよ、
『ごめんなさいね。今のマコトくんをそういう風に見ることは出来ないわ。
でもマコトくんがもう少し大きくなって、それでもまだ私を好きでいてくれるなら……』
ってさ。優しいよなぁ」
しみじみと語るマコト。
「で、きっとオレ、その時はとんでもない落ち込んだ顔してたんだろうなぁ。
慌てて『これからもチアキと仲良くしてあげてね。遠慮なくウチに遊びに来てね』だってさ」
ハルカはきっと、マコトを傷つけないようによかれと思ってそのような優しい言葉をかけたのだろうが、逆にそれがマコトにはキツかったらしい。
「はぁ……」
小さく溜息を吐くと、また地面だけを見つめて黙り込んでしまった。
内田は今ならばこのマコトの気持ちがよーくわかった。
想い人の心の中心に、自分が滑り込む僅かな隙間すら残されていないと知れば、まさに見えるもの全てが憂鬱の色を帯びる。
だからこそ、そんなネガティブな感情に埋め尽くされた世界に『他人』が入り込む隙など無いし、何を言われようが聞こえやしない。
それでも内田は声をかけずにいられなかった。
「なんて……告白したの?」
そこで内田は自分からそれを口に出してもいいものなのか、確信が持てなかったが、意を決して、
「カナちゃんから聞いたよ……」
と、だけ言った。マコトもそれだけで全てが通じた。
「そうか。まあ聞いたとおりだよ。見事に振られちゃったよ」
はは、と自嘲じみた笑みを浮かべながらそう言うマコトだが、内田にはその顔が泣いているようにしか見えなかった。
「最初からわかってはいたんだけどなぁ。ハルカさんからしたらオレなんてただの子供だし。
それでもハルカさん言ってたよ、
『ごめんなさいね。今のマコトくんをそういう風に見ることは出来ないわ。
でもマコトくんがもう少し大きくなって、それでもまだ私を好きでいてくれるなら……』
ってさ。優しいよなぁ」
しみじみと語るマコト。
「で、きっとオレ、その時はとんでもない落ち込んだ顔してたんだろうなぁ。
慌てて『これからもチアキと仲良くしてあげてね。遠慮なくウチに遊びに来てね』だってさ」
ハルカはきっと、マコトを傷つけないようによかれと思ってそのような優しい言葉をかけたのだろうが、逆にそれがマコトにはキツかったらしい。
「はぁ……」
小さく溜息を吐くと、また地面だけを見つめて黙り込んでしまった。
内田は今ならばこのマコトの気持ちがよーくわかった。
想い人の心の中心に、自分が滑り込む僅かな隙間すら残されていないと知れば、まさに見えるもの全てが憂鬱の色を帯びる。
だからこそ、そんなネガティブな感情に埋め尽くされた世界に『他人』が入り込む隙など無いし、何を言われようが聞こえやしない。
それでも内田は声をかけずにいられなかった。
「なんて……告白したの?」
少しだけ時は遡り、一昨日の放課後。
「うん、あのね、わたしは――」
「わたしは?」
「ハルカさんのことが好きなら、ただ『好き』って、それだけ言えばいいと思うな」
「ええーっ!?」
マコトは内田の口から出た言葉がすっかり信じられないという風に、オーバーアクションでのけぞってみせた。
「ちょ、内田さぁ、いくらなんでもそりゃないよ~。
気の利いたグッドバイブレーションでハイパーブローな告白方法を考えてくれるって言ったじゃないか!?」
「だからね、ずーっと寝ないで考えたんだよ、これでも」
「へ?」
マコトはまた思い出す。そう言えば今日も内田は授業中にウトウトと睡魔の舟を漕ぎ出し、教師に咎められていたではないか。
「考えた結果、一番いいなって思ったのがこれだったんだ」
「……そうなのか。いや、でも、それは、さぁ……」
いくらなんでも単純すぎやしないのだろうか――マコトはそう考えた。
すると内田は、マコトの顔色を窺うようにしながらも、はっきりと言った。
「わたし思ったんだ。こういうことはへんに飾った言葉やシチュエーションにこだわるんじゃなくて、
気持ちをありのままに伝えたほうがいいんじゃないかな、って」
「うーん、そういうものなのか?」
「うん。それにマコトくん言ってたじゃない。
『内田がもし告白される立場だったら、どういうのが一番嬉しいか』って」
「つまり、内田ならそういう風にありのままの告白されるのが一番ってこと?」
まるで自分の性癖を晒してしまったかのような気恥ずかしさに頬を少し染めつつも、内田は小さく頷いた。
するとマコトは顎に手をあて、瞑目したまま何事か考え込むかのように「うーん」と数秒唸り続けると、
突然ガシッっと両手で内田の肩を掴み、その瞳を凝視すると、
「あなたのことが好きです!! オレと付き合ってください!!」
これ以上ないくらい真剣な面持ちでそう言い放った。
「え」
驚いたのは内田の方だ。あまりに突然なことに声も出ない。するとマコトは、
「……うん。確かに何かオレにはこれが一番あってるかも」
(……なんだ。ためしにわたしの言うとおりにやってみただけなのか……。てっきり本当に……)
少しだけガッカリした内田の晴れない気持ちのみを残して、その日の二人のやり取りは終わる。
「うん、あのね、わたしは――」
「わたしは?」
「ハルカさんのことが好きなら、ただ『好き』って、それだけ言えばいいと思うな」
「ええーっ!?」
マコトは内田の口から出た言葉がすっかり信じられないという風に、オーバーアクションでのけぞってみせた。
「ちょ、内田さぁ、いくらなんでもそりゃないよ~。
気の利いたグッドバイブレーションでハイパーブローな告白方法を考えてくれるって言ったじゃないか!?」
「だからね、ずーっと寝ないで考えたんだよ、これでも」
「へ?」
マコトはまた思い出す。そう言えば今日も内田は授業中にウトウトと睡魔の舟を漕ぎ出し、教師に咎められていたではないか。
「考えた結果、一番いいなって思ったのがこれだったんだ」
「……そうなのか。いや、でも、それは、さぁ……」
いくらなんでも単純すぎやしないのだろうか――マコトはそう考えた。
すると内田は、マコトの顔色を窺うようにしながらも、はっきりと言った。
「わたし思ったんだ。こういうことはへんに飾った言葉やシチュエーションにこだわるんじゃなくて、
気持ちをありのままに伝えたほうがいいんじゃないかな、って」
「うーん、そういうものなのか?」
「うん。それにマコトくん言ってたじゃない。
『内田がもし告白される立場だったら、どういうのが一番嬉しいか』って」
「つまり、内田ならそういう風にありのままの告白されるのが一番ってこと?」
まるで自分の性癖を晒してしまったかのような気恥ずかしさに頬を少し染めつつも、内田は小さく頷いた。
するとマコトは顎に手をあて、瞑目したまま何事か考え込むかのように「うーん」と数秒唸り続けると、
突然ガシッっと両手で内田の肩を掴み、その瞳を凝視すると、
「あなたのことが好きです!! オレと付き合ってください!!」
これ以上ないくらい真剣な面持ちでそう言い放った。
「え」
驚いたのは内田の方だ。あまりに突然なことに声も出ない。するとマコトは、
「……うん。確かに何かオレにはこれが一番あってるかも」
(……なんだ。ためしにわたしの言うとおりにやってみただけなのか……。てっきり本当に……)
少しだけガッカリした内田の晴れない気持ちのみを残して、その日の二人のやり取りは終わる。
そう……本当にわたしの言った通りにハルカちゃんに告白したんだね」
マコトから告白の一部始終を聞き、内田は一昨日のやり取りを思い出していた。
「でもさ、内田の言うとおりだったよ。
へんにごちゃごちゃ考えて告白するより、ああやってただ自分の思ったことをまっすぐに伝えたほうがスッキリしたよ。
振られちゃったけどさ」
そう言って顔だけを内田のほうに向けて力なく笑って見せたマコト。
それは見るからに痛々しそうな笑みだった。
そんなマコトを見て、内田はどうにも堪らなくなっていた。
せき止めていたものが、堤防を突き破って一気に溢れ出ててきそうだった。
「ハルカちゃんに振られちゃったのは残念だったけど……マコトくんならそのうちいい子が見つかるよ」
流石に「忘れてしまえ」とも言えるわけがない。
「そうかなぁ……」
事実、そんな生返事のマコトがいくら何でも昨日の今日で、ハルカのことを諦めて忘れられるわけなどないのは内田にもわかっていた。
「そうだよ。マコトくんはさ、女装しても誰も気付かないくらいだし、きっと基本的に顔はいいんだよ」
「あれはなぁ……」
「だって知ってる? うちのクラスでもマコトくんのこと『カッコイイ』って言ってる子いるんだよ?」
「え、うそだろう?」
「うそじゃないって、本当だよ?
もしかしたらこれからマコトくんのことを好きになってくれる子がいるかもしれないよ?」
「まさかぁ……オレなんてチアキに顔すら認識されてないんだぞ?」
そこまで来て、とうとう内田には我慢の限界が来てしまった。
(――あ、わたし、もうダメだ……これ以上……)
そして、とうとうせき止めていたはずの想いが堤防を決壊させ、溢れてきてしまった。
「……そんなことないよ。わたし、マコトくんのことが好きな女の子、一人だけ知ってるよ?」
「内田……なぐさめてくれるのはありがたいけれど、無理しなくていいよ」
「別に無理なんか!」
「オレはさ、結局ハルカさんにただの子供としか見られてなかったわけだ。
それもそうだよなぁ。
ハルカさんのことを好きになったはいいけど、今までずーっとオレは『マコちゃん』として自分の姿を変えでもしないと、ハルカさんに会うことすら出来なかったんだから。
情けない話だけど、考えが甘かったよ」
マコトから告白の一部始終を聞き、内田は一昨日のやり取りを思い出していた。
「でもさ、内田の言うとおりだったよ。
へんにごちゃごちゃ考えて告白するより、ああやってただ自分の思ったことをまっすぐに伝えたほうがスッキリしたよ。
振られちゃったけどさ」
そう言って顔だけを内田のほうに向けて力なく笑って見せたマコト。
それは見るからに痛々しそうな笑みだった。
そんなマコトを見て、内田はどうにも堪らなくなっていた。
せき止めていたものが、堤防を突き破って一気に溢れ出ててきそうだった。
「ハルカちゃんに振られちゃったのは残念だったけど……マコトくんならそのうちいい子が見つかるよ」
流石に「忘れてしまえ」とも言えるわけがない。
「そうかなぁ……」
事実、そんな生返事のマコトがいくら何でも昨日の今日で、ハルカのことを諦めて忘れられるわけなどないのは内田にもわかっていた。
「そうだよ。マコトくんはさ、女装しても誰も気付かないくらいだし、きっと基本的に顔はいいんだよ」
「あれはなぁ……」
「だって知ってる? うちのクラスでもマコトくんのこと『カッコイイ』って言ってる子いるんだよ?」
「え、うそだろう?」
「うそじゃないって、本当だよ?
もしかしたらこれからマコトくんのことを好きになってくれる子がいるかもしれないよ?」
「まさかぁ……オレなんてチアキに顔すら認識されてないんだぞ?」
そこまで来て、とうとう内田には我慢の限界が来てしまった。
(――あ、わたし、もうダメだ……これ以上……)
そして、とうとうせき止めていたはずの想いが堤防を決壊させ、溢れてきてしまった。
「……そんなことないよ。わたし、マコトくんのことが好きな女の子、一人だけ知ってるよ?」
「内田……なぐさめてくれるのはありがたいけれど、無理しなくていいよ」
「別に無理なんか!」
「オレはさ、結局ハルカさんにただの子供としか見られてなかったわけだ。
それもそうだよなぁ。
ハルカさんのことを好きになったはいいけど、今までずーっとオレは『マコちゃん』として自分の姿を変えでもしないと、ハルカさんに会うことすら出来なかったんだから。
情けない話だけど、考えが甘かったよ」
失恋の痛手を味わったばかりで、多少自虐的になるのは致し方ないところだが、内田はマコトのそんな言い分に、反論したくて仕方なかった。
だって内田は知っているのだ。マコトの良いところを、いっぱい。
好きな人のためなら女装も厭わないその真っ直ぐさを。いつも明るく元気なその純粋さを。
そして何よりも自分などを『一番信頼できる』とまで言ってくれたその優しさを。
そんなマコトのことを想うに、内田はもう我慢が出来なかった。軽く、涙まで出てきた。
「だからさ、そんなオレのことを好きになるヤツなんかいるわけ……」
「いるもんっ!!」
「へ?」
あまりの剣幕で叫ぶ内田に、マコトは心底驚いた。
「ここにいるもんっ!!」
そして内田のその台詞を聞いて、今度は数秒思考が停止した。
「ここにって……どこに?」
辺りを見回すマコトだが、それらしき女子の姿などどこにも見えない。
例外で一人、目の前には何故か目に涙まで溜めて、小さく身体を震わせながら、どことなく頬を赤らめさせた内田がいるだけ。
「……って、もしかして……えええーーーーーっ!!??」
今度はマコトが叫ぶ番だった。
いくら何でも失礼な反応ではあるが、今はそんなことも気にならなかった。
「……にしたっていくらなんでも……内田が……オレを……なんで……っていうか突然すぎて何がなんだが……」
マコトは混乱している。
メダ○ニがよく利いたモンスターだってもうちょっと理性を保っているだろうほどだ。
そんなマコトを見て、内田は決意する。
こんな曖昧な伝え方ではダメだ。
自分がマコトにアドバイスしたように、真っ直ぐに気持ちは伝えないと相手には届かない、と。
そして、
「わたしはマコトくんのことが好きなのっっ!!!」
「……えええええええーーーーーーっ!!??」
しかし、返ってきたのはやはり事態を認識しきれぬマコトの叫びであった。
だって内田は知っているのだ。マコトの良いところを、いっぱい。
好きな人のためなら女装も厭わないその真っ直ぐさを。いつも明るく元気なその純粋さを。
そして何よりも自分などを『一番信頼できる』とまで言ってくれたその優しさを。
そんなマコトのことを想うに、内田はもう我慢が出来なかった。軽く、涙まで出てきた。
「だからさ、そんなオレのことを好きになるヤツなんかいるわけ……」
「いるもんっ!!」
「へ?」
あまりの剣幕で叫ぶ内田に、マコトは心底驚いた。
「ここにいるもんっ!!」
そして内田のその台詞を聞いて、今度は数秒思考が停止した。
「ここにって……どこに?」
辺りを見回すマコトだが、それらしき女子の姿などどこにも見えない。
例外で一人、目の前には何故か目に涙まで溜めて、小さく身体を震わせながら、どことなく頬を赤らめさせた内田がいるだけ。
「……って、もしかして……えええーーーーーっ!!??」
今度はマコトが叫ぶ番だった。
いくら何でも失礼な反応ではあるが、今はそんなことも気にならなかった。
「……にしたっていくらなんでも……内田が……オレを……なんで……っていうか突然すぎて何がなんだが……」
マコトは混乱している。
メダ○ニがよく利いたモンスターだってもうちょっと理性を保っているだろうほどだ。
そんなマコトを見て、内田は決意する。
こんな曖昧な伝え方ではダメだ。
自分がマコトにアドバイスしたように、真っ直ぐに気持ちは伝えないと相手には届かない、と。
そして、
「わたしはマコトくんのことが好きなのっっ!!!」
「……えええええええーーーーーーっ!!??」
しかし、返ってきたのはやはり事態を認識しきれぬマコトの叫びであった。
「内田、落ち着け!! もしかして昨日食べたアイスが当たったのか?
それとも今日の体育の時間に鉄棒から落ちて頭を打ったのか?
ああ……こういう時は素数を数えるといいって前にカナが言ってたぞ?
ほうら、一緒に……2、4、6……」
「わたしは正気だよ……っ」
即座にそう返され、たじろぐマコト。ちなみに素数を間違えて認識していることには勿論両者とも気付かない。
「わたしは……本気でマコトくんのことが好きなの……っ」
ここまで言われると、マコトには返す言葉がない。もはや内田の言葉を認めるしかない。
「本当なのか……?」
内田はコクコクとリスのように小さく頷いた。
「……なんで?」
これまたデリカシーのない質問だが、
「そんなの……理由なんて言い切れないくらいに」
内田はあっさりと恥ずかしげもなく言った。
「……………」
すると、それっきりマコトはまた黙り込んでしまった。
内田は思った。もしかするとマコトは気を悪くしたのだろうか?
よく考えれば、マコトが失恋したこのタイミングで告白というのは、いくらなんでもずる過ぎるのではないだろうか。
人の弱みに付け込んでしまったみたいで、内田はどうしようもなく怖くなってきた。
もしかすると、マコトが次に口を開いた時に出てくる言葉は拒絶かもしれない。
自分はなんていう時に想いを打ち明けてしまったのだろう。せめてもう少し我慢できなかったものか。
いや、我慢など出来ない。自分の気持ちに気付いた途端、相手が自分以外の人のことしか見ていない事実に気付かされ、まるでその焦りに突き動かされるように自分の気持ちを吐き出したくなった衝動、それは止めるべくもないのだ。
そんなことを思えば思うほど、内田の瞳からはざーざーと滝のように涙が溢れてくるのであった。
と、マコトはすっと内田にハンカチを手渡した。
「ほら、とりあえずこれで顔を拭きなよ」
言われるがままにハンカチを受け取ると、マコトがぽつぽつと語りだしだ。
それとも今日の体育の時間に鉄棒から落ちて頭を打ったのか?
ああ……こういう時は素数を数えるといいって前にカナが言ってたぞ?
ほうら、一緒に……2、4、6……」
「わたしは正気だよ……っ」
即座にそう返され、たじろぐマコト。ちなみに素数を間違えて認識していることには勿論両者とも気付かない。
「わたしは……本気でマコトくんのことが好きなの……っ」
ここまで言われると、マコトには返す言葉がない。もはや内田の言葉を認めるしかない。
「本当なのか……?」
内田はコクコクとリスのように小さく頷いた。
「……なんで?」
これまたデリカシーのない質問だが、
「そんなの……理由なんて言い切れないくらいに」
内田はあっさりと恥ずかしげもなく言った。
「……………」
すると、それっきりマコトはまた黙り込んでしまった。
内田は思った。もしかするとマコトは気を悪くしたのだろうか?
よく考えれば、マコトが失恋したこのタイミングで告白というのは、いくらなんでもずる過ぎるのではないだろうか。
人の弱みに付け込んでしまったみたいで、内田はどうしようもなく怖くなってきた。
もしかすると、マコトが次に口を開いた時に出てくる言葉は拒絶かもしれない。
自分はなんていう時に想いを打ち明けてしまったのだろう。せめてもう少し我慢できなかったものか。
いや、我慢など出来ない。自分の気持ちに気付いた途端、相手が自分以外の人のことしか見ていない事実に気付かされ、まるでその焦りに突き動かされるように自分の気持ちを吐き出したくなった衝動、それは止めるべくもないのだ。
そんなことを思えば思うほど、内田の瞳からはざーざーと滝のように涙が溢れてくるのであった。
と、マコトはすっと内田にハンカチを手渡した。
「ほら、とりあえずこれで顔を拭きなよ」
言われるがままにハンカチを受け取ると、マコトがぽつぽつと語りだしだ。
オレはさ、初めてハルカさんと会った時からもう好きになってたんだ。オレの初恋だよ――」
内田はビクリと身体を震わせた。「今でも好きなんだ。だから内田の気持ちは……」――と続くと思ったからだ。
しかし、マコトの様子は違った。
「それこそ、ハルカさんに会うためだったら女装して『マコちゃん』にでもなったよ。
この隠し切れぬダンディズム溢れる俺が、だよ?」
色々と矛盾を感じる発言だったが、勿論内田にそれに突っ込む余裕などない。
「それくらいに好きだったんだ――でもさ……」
その時、内田はマコトの顔が自分と同じように少しだけ気恥ずかしさに染まっていることに気付いた。
「おかしいんだよ。最初はたとえ振られたって、この気持ちは覚めることないぞ! って、思ってたのに……。
今の内田を見ていたらさ、なんか……」
マコトはふるふると首を振り、頭を抱えて苦悩を表現している。
そして内田はそんなマコトの姿を見て、冗談でなく、目の前に光が差したような気がした。
「あーっ!! ほんとうはこんなのいけないって……だめだってわかってるんだけど……、
さっきの内田の言葉聞いたら……なんかオレ……って、あーっ!! やっぱりオレは薄情モノなのか!?
お前だってこんな薄情なヤツ、嫌だろう!?」
そんな軽く故障し始めたマコトに、内田は飛びついた。
嫌なんてことはない。正直言って嬉しくて仕方なかった。
「……っ!! オイ! 内田、おま……」
「全然、嫌じゃないよ」
「へ?」
「全然、嫌じゃないよ。むしろ嬉しい――」
マコトは自分のことを拒絶しなかった。それだけで内田は天にも昇りそうな気分だった。
かくして、内田に芽生えた小さな恋心は、潰えてしまうことなく実ったのであった。
内田はビクリと身体を震わせた。「今でも好きなんだ。だから内田の気持ちは……」――と続くと思ったからだ。
しかし、マコトの様子は違った。
「それこそ、ハルカさんに会うためだったら女装して『マコちゃん』にでもなったよ。
この隠し切れぬダンディズム溢れる俺が、だよ?」
色々と矛盾を感じる発言だったが、勿論内田にそれに突っ込む余裕などない。
「それくらいに好きだったんだ――でもさ……」
その時、内田はマコトの顔が自分と同じように少しだけ気恥ずかしさに染まっていることに気付いた。
「おかしいんだよ。最初はたとえ振られたって、この気持ちは覚めることないぞ! って、思ってたのに……。
今の内田を見ていたらさ、なんか……」
マコトはふるふると首を振り、頭を抱えて苦悩を表現している。
そして内田はそんなマコトの姿を見て、冗談でなく、目の前に光が差したような気がした。
「あーっ!! ほんとうはこんなのいけないって……だめだってわかってるんだけど……、
さっきの内田の言葉聞いたら……なんかオレ……って、あーっ!! やっぱりオレは薄情モノなのか!?
お前だってこんな薄情なヤツ、嫌だろう!?」
そんな軽く故障し始めたマコトに、内田は飛びついた。
嫌なんてことはない。正直言って嬉しくて仕方なかった。
「……っ!! オイ! 内田、おま……」
「全然、嫌じゃないよ」
「へ?」
「全然、嫌じゃないよ。むしろ嬉しい――」
マコトは自分のことを拒絶しなかった。それだけで内田は天にも昇りそうな気分だった。
かくして、内田に芽生えた小さな恋心は、潰えてしまうことなく実ったのであった。
「う、内田、いい加減離れてくれないか……。
こんなところもしも学校のヤツに見られたら恥ずかしいし、それにちょっと重い……」
「む。いくらなんでも女の子に重いってひどいんじゃないのかなー? それは減点だよ?」
「あ……」
いつの間にやら、いつもの調子取り戻した風に言う内田にマコトはバツが悪そうに顔をしかめた。
「でも……恥ずかしいってことは意識してくれてるってことだし、ちょっと嬉しいかな……」
「バ、バカっ! 何言って……」
「バカって酷い。また減点ー。そんなこと言うならわたしも何度でも言うよ?」
「え?」
「わたしはマコトくんのことが好きです――」
「――――ッ!!」
瞬間、タコのように顔を茹で上がらせるマコト。
が、急にまた真剣な面持ちになったと思うと、
「そうだな。『気持ちは真っ直ぐに伝えなきゃダメ』だもんな――。
でも、今のオレじゃ内田に対して堂々と好きと言えない」
「え?」
「正直、オレはまだ完全にハルカさんのことを吹っ切れたわけじゃないみたいだ。
だからそんな中途半端な状態じゃ、内田の気持ちに応えるわけには……」
そう言って、悲しそうな顔をしたマコトだったが、実は内田にはその言葉が嬉しかった。
それが、何よりも自分の気持ちを真剣に捉えてくれている証拠だからだ。
「ううん。別にいいよ。マコトくん、あんなにハルカちゃんのこと、好きだったもんね」
「ん、ごめんな」
(それに、だったらマコトくんが完全にわたしのことを好きになってくれるように、わたしが頑張ればいいだけだから……)
「でも、内田のこともオレは真剣に考えるから、少しだけ待ってくれると……」
「うん」
内田にはそれで十分……なはずだったが。
(でもやっぱり……)
ここにきて、変な悪戯心が湧いてきてしまった。
「あ……」
いつの間にやら、いつもの調子取り戻した風に言う内田にマコトはバツが悪そうに顔をしかめた。
「でも……恥ずかしいってことは意識してくれてるってことだし、ちょっと嬉しいかな……」
「バ、バカっ! 何言って……」
「バカって酷い。また減点ー。そんなこと言うならわたしも何度でも言うよ?」
「え?」
「わたしはマコトくんのことが好きです――」
「――――ッ!!」
瞬間、タコのように顔を茹で上がらせるマコト。
が、急にまた真剣な面持ちになったと思うと、
「そうだな。『気持ちは真っ直ぐに伝えなきゃダメ』だもんな――。
でも、今のオレじゃ内田に対して堂々と好きと言えない」
「え?」
「正直、オレはまだ完全にハルカさんのことを吹っ切れたわけじゃないみたいだ。
だからそんな中途半端な状態じゃ、内田の気持ちに応えるわけには……」
そう言って、悲しそうな顔をしたマコトだったが、実は内田にはその言葉が嬉しかった。
それが、何よりも自分の気持ちを真剣に捉えてくれている証拠だからだ。
「ううん。別にいいよ。マコトくん、あんなにハルカちゃんのこと、好きだったもんね」
「ん、ごめんな」
(それに、だったらマコトくんが完全にわたしのことを好きになってくれるように、わたしが頑張ればいいだけだから……)
「でも、内田のこともオレは真剣に考えるから、少しだけ待ってくれると……」
「うん」
内田にはそれで十分……なはずだったが。
(でもやっぱり……)
ここにきて、変な悪戯心が湧いてきてしまった。
「しかし驚いたな……まさか内田が……ああ、こんなことカナなんかに知られたら絶対オモチャに……」
あらぬ方向を見つめ、ぶつぶつと何事かを嘆いているマコトに、
「マコトくん――」
「え?」
振り向いたその隙に、
「――――!!」
内田はマコトの唇に己のそれを触れさせた。
「ーーーーーーーーーーーーーッ!!!! う、内田!! 今、何を……ッ!!」
時間にして数秒にも満たぬフレンチキスだったが、その感触は両者とも確かに唇に残っていた。
そして内田は悪戯っぽい笑みを浮かべ、こう言った。
「マコトくんの初恋はハルカちゃんに取られちゃったけど、ファーストキスはわたしのものになったね♪」
その時のマコトの顔は、もはや完全なタコであった。無論、そう言う内田自身の顔色も似たようなものだったが。
「それじゃ、折角だし一緒に帰ろっ?」
「……あ、ああ」
あらぬ方向を見つめ、ぶつぶつと何事かを嘆いているマコトに、
「マコトくん――」
「え?」
振り向いたその隙に、
「――――!!」
内田はマコトの唇に己のそれを触れさせた。
「ーーーーーーーーーーーーーッ!!!! う、内田!! 今、何を……ッ!!」
時間にして数秒にも満たぬフレンチキスだったが、その感触は両者とも確かに唇に残っていた。
そして内田は悪戯っぽい笑みを浮かべ、こう言った。
「マコトくんの初恋はハルカちゃんに取られちゃったけど、ファーストキスはわたしのものになったね♪」
その時のマコトの顔は、もはや完全なタコであった。無論、そう言う内田自身の顔色も似たようなものだったが。
「それじゃ、折角だし一緒に帰ろっ?」
「……あ、ああ」
その後、帰途をマコトと共にしながら内田は思った。
よく考えるとマコトの初恋は残念ながら実らなかった。
それに比べて自分は、初恋が成就する可能性をまだしっかりと残している上に、
ファーストキスまで意中の相手に捧げることが出来てしまった。
これは少し不公平なのではなかろうかと。
(マコトくんには少し申し訳ないかな……?)
少しだけそんな罪悪感も浮かんだものの、いつの間にやら自然とマコトと繋いだ手の暖かい感触を思うたび、
結局それもどうでもよくなってしまう、幸せな内田なのであった。
よく考えるとマコトの初恋は残念ながら実らなかった。
それに比べて自分は、初恋が成就する可能性をまだしっかりと残している上に、
ファーストキスまで意中の相手に捧げることが出来てしまった。
これは少し不公平なのではなかろうかと。
(マコトくんには少し申し訳ないかな……?)
少しだけそんな罪悪感も浮かんだものの、いつの間にやら自然とマコトと繋いだ手の暖かい感触を思うたび、
結局それもどうでもよくなってしまう、幸せな内田なのであった。
さて、二人の恋模様がどうなっていくのか。
それは誰にもわからないが、内田の幸せそうな顔と、マコトの気恥ずかしそうながらもどことなく満更でもない顔を見れば、
その前途もなかなかに明るいものだと、そう結論付けていいのではなかろうか。
それは誰にもわからないが、内田の幸せそうな顔と、マコトの気恥ずかしそうながらもどことなく満更でもない顔を見れば、
その前途もなかなかに明るいものだと、そう結論付けていいのではなかろうか。
そして、全くの余談ではあるが、善良な一市民としては二人がくれぐれもどこぞの蹴りが得意な黒番長の毒牙などにひっかからず、
すくすくと小さな愛を育むよう祈らずにはいられないのであった。
すくすくと小さな愛を育むよう祈らずにはいられないのであった。
終わり
- 黒番長の毒牙だと・・・・・・?くろおかと同一の世界観だというのか!? いや姉さまも引っかかってないことを祈りつつ・・・・・・内田頑張れ!マジ頑張れ!乙! -- 名無しさん (2009-07-21 01:27:19)
- 内田よりマコトキュンの方が可愛い(;´Д`)ハァハァ… -- 名無しさん (2009-07-23 11:05:37)
- 正直どうしてマコト>藤岡にならないのか分からない -- 名無しさん (2013-09-01 13:07:12)